JPH11100485A - 水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物および該化合物の使用 - Google Patents

水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物および該化合物の使用

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JPH11100485A
JPH11100485A JP10215428A JP21542898A JPH11100485A JP H11100485 A JPH11100485 A JP H11100485A JP 10215428 A JP10215428 A JP 10215428A JP 21542898 A JP21542898 A JP 21542898A JP H11100485 A JPH11100485 A JP H11100485A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な貯蔵安定性を示し、架橋速度がその都
度の使用範囲に適応する可能性を提供するような、水中
で再分散可能な架橋性ポリマー粉末状組成物の提供。 【構成】 架橋性粉末状組成物が、a)ラジカル重合可
能なエチレン性不飽和モノマー1個または複数からな
る、水に不溶性の皮膜形成性ポリマー、b)水溶性ポリ
マー、この場合、a)およびb)の少なくとも1つのポ
リマー成分は、互いにまたは架橋剤と一緒になって、化
学的に非イオン結合することができる反応性基を有する
コモノマー単位1個または複数を含有し、c)少なくと
も1個の相転移触媒を含有する。 【効果】水中で良好に再分散し、かつ使用の際に粉末状
か、または分散液として機械的に安定で、架橋され、か
つそれ以上再分散不可能な皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中で再分散可能
な架橋性粉末状組成物およびその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】欧州特許出願公開第601518号明細
書中には、カルボキシル基含有アクリレートコポリマー
を基礎とする、水中で再分散可能な架橋性分散体粉末が
記載されており、この粉末はポリビニルアルコールの存
在下に乾燥され、かつ架橋のため多価金属イオンを含有
していてよい。また同様の架橋性分散体粉末は、米国特
許第3409578号明細書の記載からも公知であり、
この場合、カルボキシル基含有ポリマーおよび/または
カルボキシル基含有保護コロイドからなる粉末状組成物
は、多価金属イオンの存在下に架橋される。この種の多
価金属イオンを有する組成物は、しばしば水の存在下に
酸を遊離し、かつ特に湿分と接触する場合、早期に架橋
する傾向のあることは、不利である。
【0003】早期の架橋を回避するため、欧州特許出願
公開第702059号明細書(米国特許第560801
1号明細書)中には、N−メチロール含有コポリマーの
架橋性分散体粉末と、水溶性または水中で分散可能なペ
ルオキソ酸塩もしくは還元剤からなる触媒組合せ物とを
一緒に使用することが推奨されている。欧州特許第68
7317号明細書には、N−メチロール官能性コポリマ
ーを基礎とする、水中で再分散可能な架橋性粉末が記載
されており、この粉末は熱時に架橋する。最後に挙げら
れた粉末の場合、専ら熱によって架橋可能な粉末は、多
数の適用の場合には使用されることができないという事
実は、不利である。
【0004】欧州特許出願公開第723975号明細書
の記載からは、エポキシ基含有コポリマーを基礎とする
架橋性分散体粉末が公知である。架橋のため、外部の架
橋剤、例えばポリアミン、ポリカルボン酸、ヒドロキシ
官能化されたポリマー、ならびに多価金属イオンが添加
される。ポリアミンまたは多価金属イオンを使用する場
合の問題は、貯蔵安定性の低いことである。ポリカルボ
ン酸もしくはヒドロキシ官能化されたポリマーの使用
は、貯蔵安定性に影響を及ぼさないが;いずれにせよエ
ポキシ基と反応させるため高められた温度で作業されな
ければならず、それというのも、他の場合には明細書中
に記載された、常用の保護コロイドを用いた分散体粉末
の安定化が不可能になるからである。
【0005】欧州特許出願公開第721004号明細書
の記載からは、少なくとも1個の架橋性官能基を有する
皮膜形成性ポリマー粒子を含有する、再分散可能な架橋
性粉末混合物が公知である。架橋性基はまた保護コロイ
ドを介して導入されてもよい。架橋のため、この工程の
場合も、少なくとも1個の反応成分を包含する外部架橋
剤の添加が推奨され、これは混合物が水中で再分散され
た後、官能基と非イオン結合する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明には、良好な貯
蔵安定性を示し、架橋速度がその都度の使用範囲に適応
する可能性を提供するような、水中で再分散可能な架橋
性ポリマー粉末状組成物を提供することが基礎として課
された。もう1つの課題は、外部架橋剤の添加なしで架
橋させることができるような架橋性分散体粉末を普及す
ることであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】驚くべきことにこれは、
架橋性ポリマーとの混合物で、相転移触媒を使用するこ
とによって達成され、この場合、架橋には再分散可能な
粉末中に存在する保護コロイドの官能価も利用されてよ
い。
【0008】本発明の対象は、 a)ラジカル重合可能なエチレン性不飽和モノマー1個
または複数からなる、水に不溶性の皮膜形成性ポリマー
30〜95重量部、 b)水溶性ポリマー5〜70重量部、この場合、a)お
よびb)の少なくとも1つのポリマー成分は、互いにま
たは架橋剤と一緒になって、化学的に非イオン結合する
ことができる反応性基を有するコモノマー単位1個また
は複数を含有し、かつa)とb)との重量分は合計で1
00重量部をなし、および c)少なくとも1個の相転移触媒、a)とb)との全体
量に対して、0.01〜5重量%、を含有する、水中で
再分散可能な架橋性粉末状組成物である。
【0009】適当な、水に不溶性の皮膜形成性ポリマー
は、C原子1〜15個を有する非分枝鎖状または分枝鎖
状アルキルカルボン酸のビニルエステル、C原子1〜1
2個を有する非分枝鎖状または分枝鎖状アルコールのメ
タクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル、C原子
1〜12個を有する非分枝鎖状または分枝鎖状アルコー
ルのフマル酸モノエステルまたはフマル酸ジエステルお
よびマレイン酸モノエステルまたはマレイン酸ジエステ
ル、ジエン、例えばブタジエンまたはイソプレン、オレ
フィン、例えばエテンまたはプロペン、ビニル芳香族化
合物、例えばスチロール、メチルスチロール、ビニルト
ルオール、ビニルハロゲン化物、例えば塩化ビニル、の
群からの1個または複数のモノマー単位を含有する。こ
の場合、水に不溶性とはポリマーの溶解性が標準条件下
で、水1リットル当たり1g未満であることと理解され
てよい。皮膜形成のため一般に、加工処理温度で皮膜形
成が行われ、有利にガラス転移温度Tg −30℃〜+
80℃が生じるように、ポリマー組成物が選択される。
【0010】好ましいビニルエステルは、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニル−2−
エチルヘキサノエート、ビニルラウレート、1−メチル
ビニルアセテート、ビニルピバレート、およびC原子5
〜11個を有するα−分枝鎖状モノカルボン酸のビニル
エステル、例えばVeoVa9またはVeoVa10
(シェル社(Fa.Shell)の商標名)である。特に好まし
くは酢酸ビニルである。
【0011】好ましいメタクリル酸エステルまたはアク
リル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、
n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n
−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレートである。特に好ましく
は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−
ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレ
ートである。
【0012】フマル酸およびマレイン酸の好ましいエス
テル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、ヘキシル基、エチルへキシル基およびドデシル基で
ある。
【0013】ポリマーa)および/またはb)中の架橋
反応に適当なモノマー単位は、相転移触媒の作用下に架
橋促進される、架橋性基を含有するようなものである。
これらは一般に、求核置換反応、縮合反応または付加反
応によって、互いにまたは他の官能基とを用いて架橋す
る官能基である。そこから、架橋反応に適当な反応基が
導出されることができ、この反応基は水に不溶性のポリ
マーa)および/または水溶性保護コロイドb)中に含
有されていてよい。
【0014】水に不溶性のポリマーa)中では架橋性基
が、好ましくは所望の官能基を含有するモノマーを共重
合することによって導入される。しかし相応して置換さ
れるコモノマー単位は、補足的に官能化されてもよい。
【0015】縮合反応による架橋には、アルコキシシラ
ン官能性モノマー単位、例えばアクリルオキシプロピル
トリ(アルコキシ)シランおよびメタクリルオキシプロ
ピルトリ(アルコキシ)シラン、ビニルトリアルコキシ
シランおよびビニルメチルジアルコキシシランが適当で
あり、この場合、アルコキシ基としては例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、メトキシエチレン基、エトキシエチ
レン基、メトキシプロピレングリコールエーテル基およ
びエトキシプロピレングリコールエーテル基が含有され
ていてよい。好ましくは、ビニルトリエトキシシランお
よびγ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン
である。
【0016】他の縮合反応による架橋性コモノマーの例
は、アクリルアミドグリコール酸(AGA)、メタクリ
ルアミドグリコール酸メチルエステル(MAGME)、
N−メチロールアクリルアミド(NMAA)、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−メチロールアリルカルバ
メート、N−メチロールアクリルアミドまたはN−メチ
ロールメタクリルアミドのアルキルエーテル、例えばイ
ソブトキシエーテルまたはn−ブトキシエーテルであ
る。
【0017】付加反応によって架橋性であるものは、エ
ポキシ基含有コモノマー、例えばグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリシジルビニルエー
テルおよびグリシジルアリルエーテル、およびイソシア
ネート−モノマー、例えばメタ−イソプロペニル−αお
よびパラ−イソプロペニル−α、α−ジメチル−ベンジ
ルイソシアネート(TMI)、2−メチル−2−イソシ
アナートプロピルメタクリレートであり、この場合、前
記モノマーのイソシアネート基は、場合によってはま
た、例えばフェノール、サリチル酸エステル、ケトキシ
ム、カプロラクタム、マロン酸ジアルキルエステル、ア
セト酢酸アルキルエステル、2,2−ジメチル−1,3
−ジオキサン−4,6−ジオンを用いて遮断されていて
もよい。無水物コモノマーの例は、アリル琥珀酸無水物
および無水マレイン酸である。
【0018】架橋性コモノマーの他の例は、ヒドロキシ
基含有コモノマー、例えばヒドロキシアルキルアクリレ
ートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートであり、
これらは場合によってはアセトアセチル化されていてよ
く、例えばヒドロキシエチル(メト)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メト)アクリレートおよびヒドロキ
シブチル(メト)アクリレートである。またカルボン酸
官能性コモノマーまたはスルホン酸官能性コモノマー、
例えばビニルスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸およびイタコン酸、
マレイン酸およびフマル酸の半エステル、モノビニル琥
珀酸エステル、メチレンマロン酸も適当である。
【0019】架橋性のカルボニル基含有モノマー単位の
例は、ビニルアセトアセテートまたはアリルアセトアセ
テート、ビニルビスアセトアセテートまたはアリルビス
アセトアセテート、アクロレインである。アミン基を有
する架橋性モノマー単位の例は、アリルアミン、(メ
ト)アクリル酸−2−アミノエチルエステル、ヒドラジ
ド基含有化合物、例えばアクリル酸ヒドラジドおよびク
ロトン酸ヒドラジドである。また反応性ハロゲン原子含
有化合物、例えばクロル酢酸−ビニルエステルまたはク
ロル酢酸アリルエステル、クロルメチルスチロール、塩
化アリルまたは臭化アリル、塩化ビニリデンも適当であ
る。
【0020】架橋性モノマー単位は、それぞれポリマー
a)の全重量に対して、一般に0.1〜10重量%、有
利に0.5〜5重量%の量で含有されている。
【0021】架橋性モノマー単位としては、グリシジル
(メト)アクリレート、メタ−イソプロペニル−αおよ
びパラ−イソプロペニル−α、α−ジメチル−ベンジル
イソシアネート(TMI)、アリルアセトアセテート、
場合によってはアセトアセチル化されたヒドロキシエチ
ル(メト)アクリレート、もしくはヒドロキシプロピル
(メト)アクリレート、アクリルアミドグリコール酸
(AGA)、メタクリルアミドグリコール酸メチルエス
テル(MAGME)、N−メチロールアクリルアミド
(NMAA)、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸およびイタコン酸が好まし
い。
【0022】補助モノマーとしては、また多重のエチレ
ン性不飽和コモノマー、例えばエチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、プロ
ピレングリコールジアクリレート、ジビニルアジペー
ト、ジビニルベンゾール、ビニルメタクリレート、ビニ
ルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリ
レート、ジアリルマレエート、ジアリルフタレート、ジ
アリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シク
ロペンタジエニルアクリレートまたはトリアリルシアヌ
レートも適当である。
【0023】ポリマーa)としては、前記架橋性コモノ
マー単位を前記の量で含有しているものが好ましい:ビ
ニルエステル−ポリマーの基からは酢酸ビニル−ポリマ
ー;ビニルエステル−エチレン−コポリマー、例えばエ
チレン含量1〜60重量%を有する酢酸ビニル−エチレ
ン−コポリマー;エチレン含量1〜40重量%および塩
化ビニル含量20〜90重量%を有するビニルエステル
−エチレン−塩化ビニル−コポリマー、この場合、ビニ
ルエステルとしては好ましくは酢酸ビニルおよび/また
はプロピオン酸ビニルおよび/または1個または複数の
共重合性ビニルエステル、例えばビニルラウレート、ビ
ニルピバレート、ビニル−2−エチルヘキサン酸エステ
ル、α−分枝鎖状カルボン酸のビニルエステル、殊にベ
ルサチック酸ビニルエステルが含有されている;1個ま
たは複数の共重合性ビニルエステル1〜50重量%を有
する酢酸ビニル−コポリマー、例えばビニルラウレー
ト、ビニルピバレート、ビニル−2−エチルヘキサン酸
エステル、α−分枝鎖状カルボン酸のビニルエステル、
殊にベルサチック酸−ビニルエステル(VeoVa
、VeoVa10)、これらは場合によってはな
おエチレン1〜40重量%を含有している;ビニルエス
テル、殊に酢酸ビニル30〜90重量%、およびアクリ
ル酸エステル、殊にn−ブチルアクリレートまたは2−
エチルヘキシルアクリレート1〜60重量%を有するビ
ニルエステル−アクリル酸エステル−コポリマー、これ
らは場合によってはなおエチレン1〜40重量%を含有
している;酢酸ビニル30〜75重量%、α−分枝鎖状
カルボン酸のビニルラウレートまたはビニルエステル、
殊にベルサチック酸ビニルエステル1〜30重量%、ア
クリル酸エステル、殊にn−ブチルアクリレートまたは
2−エチルヘキシルアクリレート1〜30重量%を有す
るビニルエステル−アクリル酸エステル−コポリマー、
これらは場合によってはなおエチレン1〜40重量%を
含有している;マレイン酸またはフマル酸のエステル、
例えばジイソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステ
ル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−エチルヘキシルエス
テル、メチル−t−ブチル−エステルを有するビニルエ
ステル−コポリマー、例えば1個または複数の前記マレ
イン酸/フマル酸−エステル10〜60重量%を有する
酢酸ビニル−コポリマー、これらは場合によってはなお
エチレンまたは他の共重合性ビニルエステル、例えばビ
ニルラウレートまたはベルサチック酸−ビニルエステル
を含有していてよい。
【0024】(メト)アクリル酸ポリマーの群からは、
n−ブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアク
リレートのポリマー;メチルメタクリレートとn−ブチ
ルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアク
リレートとのコポリマー。
【0025】塩化ビニル−ポリマーの群からは、前記の
ビニルエステル/塩化ビニル/エチレン−コポリマーと
ともに、塩化ビニル−エチレン−コポリマーおよび塩化
ビニル/アクリレート−コポリマー。
【0026】スチロール−ポリマーの群からは、スチロ
ール−ブタジエン−コポリマーおよびスチロール−アク
リル酸エステル−コポリマー、例えばスチロール含量そ
れぞれ1〜70重量%を有するスチロール−n−ブチル
アクリレートまたはスチロール−2−エチルヘキシルア
クリレート。
【0027】水溶性ポリマーb)としては、場合によっ
てはヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、
アミン基またはカルボニル基を用いて官能化されてい
る、水溶性保護コロイドが使用される。この場合水溶性
とは、標準条件下での溶解性が、水1リットル当たり1
0gを上回ることであると理解されてよい。適当な保護
コロイドは、商業的に入手できる。官能基がもともとは
保護コロイド中に含有されていない場合には、保護コロ
イドは補足的に官能化されてもよい。メルカプト基、カ
ルボキシル基、アミン基またはカルボニル基を用いて官
能化されたポリビニルアルコールは、相応して官能化さ
れたコモノマーを酢酸ビニルを用いて共重合し、引き続
き加水分解することによって、当業者に公知の方法で入
手できる。
【0028】適当な保護コロイドの例は、ビニルアルコ
ール単位75〜100モル%、有利に78〜95モル%
の含量、および分子量好ましくは5000〜20000
0を有するポリビニルアルコール;K値10〜120を
有するポリビニルピロリドン;水溶性の形のポリサッカ
リド、例えば澱粉(アミロースおよびアミロペクチ
ン)、セルロースおよびセルロースのカルボキシルメチ
ル誘導体、メチル誘導体、ヒドロキシエチル誘導体、ヒ
ドロキシプロピル誘導体;タンパク質、例えばカゼイ
ン、大豆タンパク質、ゼラチン;リグニンスルホネー
ト;合成ポリマー、例えばポリ(メト)アクリル酸、ポ
リ(メト)アクリルアミド、ポリビニルスルホン酸およ
びその水溶性コポリマー;メラミンホルムアルデヒドス
ルホネート、ナフタリンホルムアルデヒドスルホネー
ト、スチロールマレイン酸−コポリマーおよびビニルエ
ーテルマレイン酸−コポリマーである。
【0029】ポリマーb)としては、前記ポリビニルア
ルコール、澱粉、セルロース、カゼイン、メラミンホル
ムアルデヒドスルホネート、ナフタリンホルムアルデヒ
ドスルホネート、ならびに官能化された保護コロイドの
群からは、カルボキシル基、アセトアセチル基またはア
ミノ基を用いて官能化されたポリビニルアルコール、お
よびカルボキシメチル置換澱粉およびセルロースが好ま
しい。
【0030】前記の水溶性ポリマーb)は、ポリマー
a)の重合中、保護コロイドとして添加されてよいか、
またはポリマーb)の水性分散液噴霧の前に噴霧助剤と
して添加されてよいか、または重合中に部分的に添加さ
れ、かつ噴霧前に残量を添加されてよい。
【0031】相転移触媒の典型的な例は、Ullmann, Enc
yclopedia of Industrial Chemistry, 第19A巻、2
94〜295ページ(1991)中に記載されている。
例示的には次のものが適当である:第四アンモニウム
塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリ
メチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウ
ム塩、メチルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオ
クチルアンモニウム塩。第四ホスホニウム塩、例えばテ
トラブチルホスホニウム塩。第四ピリジニウム塩、例え
ばN−(2−エチルヘキシル)−4−(N’,N’−ジ
メチルアミノ)−ピリジニウム塩。一般的にこれらの塩
は、ハロゲン化物として、例えば塩化物または臭化物と
して、または硫酸塩または酢酸塩として存在する。クラ
ウンエーテル、例えば18−クラウン−6、ジベンゾ−
18−クラウン−クリプトフィックス(2.2.2)、ト
リス−[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]−アミ
ン。ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール(P
EG−1000、PEG−2000)またはトリス−ジ
オキサ−3,6−ヘプチル)−アミン(TDA−1)、
さらにポリエチレングリコール−ジアルキル−エーテ
ル、ポリエチレングリコール−アリール−アラルキル−
エーテル、例えばトリトンCF10、ポリエチレング
リコール−アルキル−アリール−エーテル、および錯形
成に適当な第三ジアミンまたはオリゴアミン、例えば
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン。
【0032】水に不溶性のポリマーa)の製造は、有利
に乳濁重合法を用いて行われる。これは、開口反応容器
または耐圧容器中で、0〜100℃の温度範囲で実施さ
れ、かつ乳濁重合に一般的に使用される方法を用いて導
入される。開始は、常用の少なくとも部分的に水溶性の
ラジカル形成剤を用いて行われ、この形成剤はモノマー
の全体量に対して0.01〜3.0重量%の量で使用され
る。これらの例は、硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−
過酸化ブチル、t−ブチルヒドロペルオキシド;カリウ
ムペルオキソジホスフェート、アゾビスイソブチロニト
リルである。場合によっては前記のラジカル開始剤は公
知の方法で、モノマーの全体量に対して還元剤0.01
〜0.5重量%と組み合わされてもよい。例えば、アル
カリホルムアルデヒドスルホキシレートおよびアスコル
ビン酸が適当である。この場合、レドックス開始の際に
は有利に1つまたは2つのレドックス触媒成分が重合中
に計量供給される。
【0033】分散剤としては、通常乳化重合の際に使用
される全ての乳化剤が使用されてよい。適当な乳化剤
は、アニオン乳化剤、カチオン乳化剤ならびに非イオン
乳化剤である。有利に乳化剤は、モノマーの全体量に対
して3重量%までの量で使用される。例示的には、非イ
オン界面活性剤、例えばC原子8〜18個の鎖長を有す
るアルキルスルフェート、疎水性基中にC原子8〜18
個および酸化エチレン単位または酸化プロピレン単位4
0個までを有するアルキルエーテルスルフェートおよび
アルキルアリールエーテルスルフェート、C原子8〜1
8個を有するアルキルスルホネートまたはアルキルアリ
ールスルホネート、スルホ琥珀酸と1価アルコールまた
はアルキルフェノールとのエステルおよび半エステルが
適当である。適当な非イオン界面活性剤は、例えば酸化
エチレン単位8〜40個を有するアルキルポリグリコー
ルエーテルまたはアルキルアリールポリグリコールエー
テルである。
【0034】製造は、有利に前記保護コロイドの存在下
に実施される。一般に2.5〜10,有利に3〜8であ
る、重合に望ましいpH範囲は、公知の方法で酸、塩基
および常用の緩衝塩、例えばアルカリ金属リン酸塩また
はアルカリ金属カルボネートによって調節されることが
できる。分子量調節には、重合の場合常用される調節
剤、例えばメルカプタン、アルデヒドおよびクロル炭化
水素が添加されてよい。
【0035】重合は、選択される重合法と無関係に、連
続的または非連続的に、種ラテックスを使用するかまた
は使用せず、反応混合物の全成分または個々の成分を装
入しながら、または反応混合物の全成分または個々の成
分を部分的に装入しかつ後添加しながら、または計量供
給工程後装入なしで実施されてよい。こうして得られる
分散液の固体含量は、20〜70%である。平均粒度
は、0.1〜10μm、有利に0.2〜5μmである。
【0036】分散液の乾燥は、噴霧乾燥、冷凍乾燥また
は流動層乾燥によって行われてよい。常用の噴霧乾燥装
置中での噴霧乾燥が好ましく、この場合、散布は1成分
流ノズル、2成分流ノズルまたは多成分流ノズルを用い
て、または回転板を用いて行われてよい。排出温度は一
般に55〜100℃、好ましくは65〜90℃の範囲内
で、装置、樹脂のTgおよび所望の乾燥度に応じて選択
される。
【0037】噴霧乾燥には、固体含量有利に20〜60
%を有するポリマーa)の分散液と、噴霧助剤としての
保護コロイドとが一緒に噴霧され、かつ乾燥される。こ
の場合、保護コロイドとしては前記の水溶性ポリマー
b)が使用されてよく、ここで保護コロイドは水性分散
液に、噴霧乾燥前に水溶液の形で添加されてよい。好ま
しくはこの処理工程の場合、ポリマーa)に対して水溶
性ポリマーb)5〜20重量%が添加される。
【0038】一般に相転移触媒c)は、有利に個体の形
で乾燥工程後混入される。液状触媒の使用が望まれる場
合、これらは例えば固体表面で吸収されて使用されてよ
いか、または乾燥した粉末上に噴霧されてよい。
【0039】相転移触媒の含量に基づき、反応基を含有
するポリマーa)および/または官能化された保護コロ
イドb)と、外部架橋剤との架橋も促進されることがで
きる。したがって、粉末状組成物の他の成分として常用
の架橋剤もこれに当てはまる。
【0040】適当な架橋剤は、ジアミン、オリゴアミン
およびポリアミン、例えばジアミノブタン、ヘキサメチ
レンジアミン、ポリアルキレンアミン、例えばトリエチ
レンテトラミン;ジカルボン酸、オリゴカルボン酸およ
びポリカルボン酸、例えばアジピン酸、ポリアクリル
酸;アルコール基1個またはそれ以上を有する化合物、
例えばエチレングリコール、ブタンジオール、ペンタエ
リトリオール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフ
ェノールA、エチレングリコールのポリアルキレンオキ
シアダクト;シラノール基またはアルコキシシラン基2
個以上を有する化合物、例えばモノマーの形または縮合
された形のメチルトリエトキシシラン;遊離の形または
遮断された形のジイソシアネート、オリゴイソシアネー
トまたはポリイソシアネート、例えばトルオールジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチル−
メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート;多価金
属イオン、例えば塩化アルミニウム、塩化(III)鉄
または塩化亜鉛。また一連のエポキシ基、アルデヒド
基、ケト基、反応性CH基の群からの基2個またはそれ
以上を有する化合物、例えばグルタルアルデヒド、テレ
フタルジアルデヒド;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、ヘキサジエングリコ
ールのビスアセトアセテート;オルガノハロゲン化合
物、例えばトリクロルトリアジンまたはアルキレングリ
コールのジクロル酢酸エステル;アジリジン基、カルボ
ジイミド基またはオキサゾリン基複数個を有する化合
物、ならびにアミンホルムアルデヒドも適当である。架
橋剤は、ポリマーa)またはb)中で架橋性基1個当た
り1〜10モル当量の量で使用されてよい。
【0041】場合によっては粉末状組成物は、さらに他
の添加剤を用いて変性されてよい。これらの例は、粘着
防止剤、染料、顔料、可塑剤、皮膜形成助剤、消泡剤、
触媒、流動助剤、濃稠化剤、付着剤および乳化剤であ
り、この場合、これらは本来の状態で液体である場合に
は、混入前に粉末状の状態に移行されなければならな
い。
【0042】分散粉末状組成物は、このために典型的な
使用範囲内で使用されてよい。例示的には、無機接着
剤、水硬結合剤、例えばセメント(ポルトランドセメン
ト、アルミネートセメント、トラスセメント、スラグセ
メント、マグネシアセメント、ホスフェートセメン
ト)、石膏、水ガラスと結合した建築化学製品の場合、
建築用接着剤の製造には、建築用プラスター、パテ材
料、床用パテ材料、接合用モルタルおよび染料。さらに
被覆剤および接着剤用の一成分系結合剤として、または
繊維織物用および紙用の結合剤として。有利には分散粉
末状組成物は結合剤として、良好な付着とともに、減少
した吸水および/または良好な溶剤安定性も望まれてい
るような、使用範囲で使用される。
【0043】本発明による再分散粉末は、水中で良好に
再分散し、かつ使用の際に粉末状か、または分散液とし
て機械的に安定で、架橋され、かつそれ以上再分散不可
能な皮膜を形成する生成物である。架橋は穏和な条件下
に、かつ触媒添加のない場合よりも完全に行われる。
【0044】次の例につきさらに本発明を詳説する:
【実施例】
例1:16リットルの撹拌型オートクレーブ中に、水3
420g、ヘプラー粘度4mPas(20℃の水中で4
%の溶液)および鹸化値140を有するポリビニルアル
コール352g、ドデシルベンソールスルホネート50
g(水中に15%)、酢酸ビニル510gおよびエチレ
ン200gを装入し、かつ混合物を50℃に加温した。
次に、触媒溶液、6%の硫酸ナトリウム水溶液および3
%のナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート水溶
液を装入した。重合開始後、酢酸ビニル2800gとグ
リシジルメタクリレート120gとからなるモノマー計
量供給物を装入した。重合中、さらにエチレン800g
を再加圧した。計量供給時間約5時間の経過後、2時間
に亘って後重合した。
【0045】分散液の固体含量は51%であった。ポリ
マーは、K値74.5、Tg4℃、およびMFT 0℃
を有した。
【0046】噴霧の前に、ヘプラー粘度13mPas
(20℃の水中に4%の溶液)および鹸化値140を有
するポリビニルアルコール、ポリマーに対して8.1重
量%、ならびにヘプラー粘度5mPas(20℃の水中
に4%の溶液)および鹸化値140を有するポリビニル
アルコール、ポリマーに対して0.8重量%を水溶液の
形で添加した。噴霧すべき混合物の固体含量は35重量
%であった。ヌビロサ(Nubilosa)−噴霧乾燥機中で、排
出温度82℃および2成分流ノズルの前の圧縮空気圧4
バールで、乾燥を行った。
【0047】例2:16リットルの撹拌型オートクレー
ブ中に、水2000g、およびヘプラー粘度4mPas
(20℃の水中で4%の溶液)および鹸化値140を有
するポリビニルアルコール487gを装入し、50℃に
加温し、かつエチレンを60バールになるまで加圧し
た。この圧力を、モノマーの全計量供給時間中維持し
た。触媒計量供給物、2.6%のt−ブチルヒドロペル
オキシド水溶液および4.5%のナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート水溶液を、同時にモノマー計量
供給物と一緒に装入した。モノマー溶液は塩化ビニル4
563g、酢酸ビニル1950gならびにグリシジルア
クリレート200gとからなっていた。重合開始後6〜
7時間で、水3937g中にヘプラー粘度4mPas
(20℃の水中に4%の溶液)および鹸化値140を有
するポリビニルアルコール667gを計量供給した。モ
ノマー混合物の計量供給時間は8時間であった。計量供
給の終了後、2時間に渡り後重合した。固体含量は5
0.2%であった。ポリマーのTgは13.5℃であっ
た。
【0048】噴霧の前に、鹸化値80およびヘプラー粘
度7を有する、1重量%のクロトン酸単位を含有するポ
リビニルアルコール、ポリマーに対して7.0重量%
を、18%の水溶液の形で添加した。例1の場合と同様
に、ヌビロサ(Nubilosa)−噴霧乾燥機中で乾燥を行っ
た。
【0049】例3:重合および噴霧を、例1と同様に行
ったが、グリシジルメタクリレート120gに代えて、
アセト酢酸アリルエステル120gを使用したことが異
なる。この場合に得られる分散液は、個体含量50.3
を有した。ポリマーはK値82.9、Tg 1℃および
MFT 0℃を有した。
【0050】噴霧の前に、鹸化値80およびヘプラー粘
度7を有する、1重量%のクロトン酸単位を含有するポ
リビニルアルコール、ポリマーに対して8.5重量%
を、18%の水溶液の形で添加した。例1と同様に、乾
燥を行った。
【0051】例4:2.5リットルの撹拌容器中で、水
706g中に、ヘプラー粘度4mPas(20℃の水中
に4%の溶液)および鹸化値140を有するポリビニル
アルコール77.5gの溶液を装入し、かつその溶液中
でスチロールとブチルアクリレートとの1:1−混合物
(w/w)120.6gを予め乳化した。乳濁液を50
℃に加温後、4.9%のt−ブチルヒドロペルオキシド
水溶液、8.3%のアスコルビン酸水溶液の計量供給
物、およびスチロールとブチルアクリレートとの1:1
−混合物(w/w)406gを同時に、イソプロペニル
ジメチルベンジルイソシアネート23.5g中に溶解し
ておき、装入した。2時間後モノマー計量供給が終了し
た。10%のH溶液を用いて後重合した。分散液
は個体含量50.4およびpH5.0を有していた。
【0052】ポリビニルアルコールの添加および噴霧
を、例1と同様に行った。
【0053】例5:16リットルの撹拌型オートクレー
ブ中に、鹸化値80およびヘプラー粘度7を有し、1重
量%のクロトン酸単位を含有する18%のポリビニルア
ルコール3700g、水2270g、および酢酸ビニル
769gを装入し、エチレン1350gを加圧し、かつ
混合物を50℃に加温した。次に触媒溶液、5.5%の
ナトリウムペルスルフェート水溶液および3.9%のブ
リュゴリット(Brueggolit)溶液を装入した。反応開始
後、酢酸ビニル計量供給(5190g)を開始した。計
量供給の終了後、1時間に亘って後重合した。分散液は
固体含量51.3%を有していた。ポリマーはK値14
6、およびMFT0℃未満を有していた。
【0054】噴霧の前に、低粘度ゼラチン、ポリマーに
対して5重量%を、水溶液の形で添加した。噴霧すべき
混合物の固体含量は、37%であった。噴霧を例1と同
様に行った。
【0055】例6 容量17リットルを有する圧力オートクレーブ中に、水
2100g、およびヘプラー粘度4mPas(20℃の
水中で4%の溶液)および鹸化値140を有するポリビ
ニルアルコール138gを装入した。オートクレーブを
60℃に加熱し、かつエチレンを75バールになるまで
加圧した。この圧力を、モノマーの全計量供給時間中維
持した。触媒計量供給物、5%のt−ブチルヒドロペル
オキシド水溶液および5%のナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート水溶液を、同時にモノマー計量供給
物と一緒に装入した。モノマー計量供給物は塩化ビニル
5874gと、酢酸ビニル1031gとからなってい
た。反応開始後7時間で、水5417g中にヘプラー粘
度4mPas(20℃の水中に4%の溶液)および鹸化
値140を有するポリビニルアルコール358g、およ
び水3861g中に1重量%のクロトン酸単位を含有す
るポリビニルアルコール304gの溶液を添加した。同
時に、グリシジルメタクリレート138g、ヘプラー粘
度4mPas(20℃の水中に4%の溶液)および鹸化
値140を有するポリビニルアルコール358g、およ
び水69gからなる前乳濁液を添加した。計量供給の終
了後、2時間にわたり後重合した。例1の場合と同様
に、ヌビロサ(Nubilosa)−噴霧乾燥機中で乾燥を行っ
た。
【0056】例1〜6から得られた粉末を、表中に記載
された種類および量の相転移触媒と一緒に混合し、かつ
50%の水性分散液に再分散した。それを用いて0.2
mm厚さの皮膜を製造し、かつこれを室温で12時間、
もしくは110℃で15分間乾燥した。
【0057】比較として、相転移触媒の添加なしに、再
分散された粉末から相応して製造された皮膜を使用し
た。
【0058】相転移触媒として、次のものを使用した:
テトラブチルアンモニウムヒドロクロリド(TBAHC
l)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロゲンスル
フェート(BTMAHS)、クラウンエーテル 18−
クラウン−6、およびクラウンエーテル クリプトフィ
ックス−2.2.2。
【0059】皮膜の再分散性:皮膜の架橋度を測定する
ため、再分散を用いて製造されたそれぞれの皮膜上に水
滴を塗布し、かつ60秒の作用時間後、指先で摩擦する
ことによって皮膜の再分散性を試験した。
【0060】皮膜−再分散可能性の評価: 評価1:極めて良好に再分散可能 皮膜は著しく軽く摩擦することによって、すぐに再分散
されることができるか、または既に自力で再分散してい
る。
【0061】評価2:良好に再分散可能 皮膜は摩擦によって良好に再分散されることができ;皮
膜片可能、しかし指の間ではほとんど再分散不可能であ
り、および極めて軽く再分散可能。
【0062】評価3:幾分再分散可能 皮膜は力強く摩擦することによってのみ、再分散される
ことができ;基礎は皮膜破壊(皮膜片)下にゆっくり達
成されるだけであり;皮膜片は再分散不可能。
【0063】評価4:再分散不可能 皮膜はまた、長く力強く摩擦することによっても、再分
散されることができない;皮膜は再分散されることなく
皮膜片へと砕解されるか、または基礎から切り離され
る。
【0064】試験の結果を、次の表中にまとめた:
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明による再分散粉末は、水中で良好
に再分散し、かつ使用の際に粉末状か、または分散液と
して機械的に安定で、架橋され、かつそれ以上再分散不
可能な皮膜を形成する生成物である。架橋は穏和な条件
下に、かつ触媒添加のない場合よりも完全に行われる。
驚くべきことに、貯蔵安定性は、相転移触媒の添加によ
って激烈に低下されることはなく、むしろ安定性のまま
であった。驚くべきことにまた、不粘着性はしばしば吸
湿性の触媒によって測定不可能に影響を及ぼされた。本
発明による組成物の大きな利点は、1成分系が架橋性分
散粉末状組成物として提供され、この1成分系には公知
技術水準の2成分系と異なって、外部架橋剤が添加され
てはならないことである。付加的に架橋剤を有する2成
分系としての実施態様の場合、相転移触媒の使用によっ
て架橋反応は促進され、引続き加熱架橋は明らかに低い
温度水準で進行する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テオ マイアー ドイツ連邦共和国 ハイミング シュパン ロー 7 (72)発明者 ハンス−ペーター ヴァイツェル ドイツ連邦共和国 ライシャッハ ゾネン シュトラーセ 8

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物
    において、 a)ラジカル重合可能なエチレン性不飽和モノマー1個
    または複数からなる、水に不溶性の皮膜形成性ポリマー
    30〜95重量部、 b)水溶性ポリマー5〜70重量部、この場合、a)お
    よびb)の少なくとも1つのポリマー成分は、互いにま
    たは架橋剤と一緒になって、化学的に非イオン結合する
    ことができる反応性基を有するコモノマー単位1個また
    は複数を含有し、かつa)およびb)の重量分は合計で
    100重量部をなし、および c)a)とb)との全重量に対して、少なくとも1個の
    相転移触媒0.01〜5重量%、を含有することを特徴
    とする、水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物。
  2. 【請求項2】 ポリマーとして、a)C原子1〜15個
    を有する非分枝鎖状または分枝鎖状アルキルカルボン酸
    のビニルエステル、C原子1〜12個を有する非分枝鎖
    状または分枝鎖状アルコールのメタクリル酸エステルお
    よびアクリル酸エステル、C原子1〜12個を有する非
    分枝鎖状または分枝鎖状アルコールのフマル酸モノエス
    テルまたはフマル酸ジエステルおよびマレイン酸モノエ
    ステルまたはマレイン酸ジエステル、ジエン、オレフィ
    ン、ビニル芳香族化合物、およびビニルハロゲン化物の
    群からの1個または複数のモノマー単位を有するポリマ
    ーを含有する、請求項1記載の水中で再分散可能な架橋
    性粉末状組成物。
  3. 【請求項3】 ポリマーa)がアルコキシシラン基、エ
    ポキシ基、イソシアネート基、アミド基、ヒドロキシ
    基、カルボン酸基、スルホン酸基、カルボニル基、アミ
    ノ基、ヒドラジド基を有するモノマーの群からの、1個
    または複数の架橋性モノマー単位を含有する、請求項1
    または2記載の水中で再分散可能な架橋性粉末状組成
    物。
  4. 【請求項4】 ポリマーb)が、場合によってはヒドロ
    キシル基、メルカプト基、カルボキシル基、アミン基ま
    たはカルボニル基を用いて官能化された水溶性保護コロ
    イドである、請求項1から3までのいずれか1項記載の
    水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物。
  5. 【請求項5】 成分c)として、第四アンモニウム塩、
    第四ホスホニウム塩、第四ピリジニウム塩、クラウンエ
    ーテル、ポリエーテル、ポリエチレングリコール−ジア
    ルキル−エーテル、ポリエチレングリコール−アリール
    −アラルキル−エーテル、ポリエチレングリコール−ア
    ルキル−アリール−エーテル、および錯形成に適当な第
    三ジアミンまたはオリゴアミンの群からの相転移触媒を
    含有している、請求項1から4までのいずれか1項記載
    の水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物。
  6. 【請求項6】 ジアミン、オリゴアミンおよびポリアミ
    ン;ジカルボン酸、オリゴカルボン酸およびポリカルボ
    ン酸;アルコール基2個またはそれ以上を有する化合
    物;シラノール基またはアルコキシシラン基2個以上を
    有する化合物;ジイソシアネート、オリゴイソシアネー
    トまたはポリイソシアネート;多価金属イオン;エポキ
    シ基、アルデヒド基、ケト基、反応性CH基2個または
    それ以上を有する化合物の群からの架橋剤1個または複
    数を含有している、請求項1から5までのいずれか1項
    記載の水中で再分散可能な架橋性粉末状組成物。
  7. 【請求項7】 建築用接着剤、建築用プラスター、パテ
    材料、床用パテ材料、接合用モルタルおよび染料を製造
    するための成分として、被覆剤および接着剤用の一成分
    系結合剤として、または繊維織物用および紙用の結合剤
    としての請求項1から6までのいずれか1項記載の水中
    で再分散可能な架橋性粉末状組成物の使用。
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