JPH11100402A - 毛管電気泳動を用いる、荷電シクロデキストリン類での薬学的化合物のキラル分離 - Google Patents

毛管電気泳動を用いる、荷電シクロデキストリン類での薬学的化合物のキラル分離

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JPH11100402A JP20965698A JP20965698A JPH11100402A JP H11100402 A JPH11100402 A JP H11100402A JP 20965698 A JP20965698 A JP 20965698A JP 20965698 A JP20965698 A JP 20965698A JP H11100402 A JPH11100402 A JP H11100402A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛管電気泳動によって広い範囲のキラル化合
物を分割(分析)するために用いられる新規な一連の荷
電シクロデキストリン類を提供する。 【解決手段】 a)アルファシクロデキストリン、b)
少なくとも約12個の修飾されたヒドロキシル基を有す
るベータシクロデキストリン、及びc)ガンマシクロデ
キストリンからなる群から選ばれ、二級ヒドロキシルの
少なくとも1つの修飾を含んでなる荷電シクロデキスト
リン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、毛管電気
泳動によって光学異性体を分離するためにシクロデキス
トリン類を使用することに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】薬学的
製剤に使用される多くの化学的化合物は、それらの薬学
的性質に強く影響を与えることができる光学活性の原因
となる非対称中心を有する。2種の鏡像異性体の1種が
異なった薬学的性質を有する合成薬剤の例がよく知られ
ている。例えば、(−)−プロプラノロールは、(+)
プロプラノロールよりも100倍の薬効がある。加え
て、同じ薬剤の2種の鏡像異性体の1種が、より毒性が
強い場合があり、例えばサリドマイドやケタミン等が挙
げられる。従って、高いラセミ体の分割能力(分解能)
と高い効率で鏡像異性体を分離する分析的方法が増々重
要になってきている。立体化学的に純粋な薬と、現存す
るラセミ化合物の念入りな試験との必要性から、効率的
で、迅速で、鋭敏でしかも精確なキラル分析法の開発が
必要とされている。クロマトグラフィー技術、特に高性
能液体クロマトグラフィー(HPLC)、が鏡像異性体
の分析用に普通に使用されている。かなり最近、毛管電
気泳動(CE)がキラルセレクターとともに使用するも
のとして採用されている。使用される最も普通の戦略
は、鏡像異性体対の差別的なホスト−ゲスト複合体形成
のためのシクロデキストリン類の使用である〔S.ファ
ナリー,J.,Chromatogr.,735:77
−121(1996);H.ニシ及びS.テラベ,
J.,Chromatogr.,694:245−27
6(1995);A.ガットマン,「シクロデキストリ
ン配列キラル分析による鏡像異性体の毛管電気泳動分
離」、毛管電気泳動のハンドブック第2版、J.ランダ
ース編、1997、CRC Press Inc.,B
oca Raton,FL.の75〜100頁〕。固体
支持体に結合した溶解剤を含む多種多様の入手可能なカ
ラムから入念に選択しなければならないHPLC分離と
は対照的に、キラルCE分析は、一般にシクロデキスト
リンのようなキラルセレクターを分離緩衝剤中に溶解せ
しめることによって簡素化される。
【0003】シクロデキストリン類(CD)は、α−、
β−又はγ−シクロデキストリンの名前に対応する6、
7、又は8個のグルコースユニットからなる環状オリゴ
糖類である。CDは、そのへりに二級ヒドロキシル基を
もち、開口部がより大きな直径をした、先端を切り取っ
たトーモロコシの形をしている。内部のキャビティー
は、ヒドロキシ官能を含まず、疎水性の特性を発揮す
る。この疎水性の性質は、CDが芳香族基又はアルキル
基と高度に選択的な封入複合体を形成するのを可能にす
る。CDとそのゲスト分子との間の複合体形成定数の差
が、構造的に類似した光学異性体の相対的電気泳動移動
度に差を生ぜしめ、その結果、鏡像異性体を明確に分離
できる。酸性及び塩基性化合物のキラル分離において、
このCD複合体はイオン性の被検体の電荷の影響の下に
移動する。しかしながら中性の被検体に関しては、荷電
がないシクロデキストリン類は、被検体、シクロデキス
トリン及び複合体が全く電気泳動移動度を有さないため
に、適用できない。荷電シクロデキストリン類の使用
は、そのため中性の化合物のキラル分離の問題を解決す
るために考案された。
【0004】メーヤーら〔J.Microcol,Se
p.,6:43−48(1994)〕とタイトら〔An
al.Chem.,66:4013−41018(19
94)〕が最初にCEキラル分離のためにスルホブチル
エーテル β−シクロデキストリン(SBE−βCD)
の使用を報告した。それに続く報告書には、キラルセレ
クターとしてSBECDを用いるアミン類と中性化合物
の分析が記載されている〔デッテら、Electrop
horesis、15:799−803(1994);
チャンクベタッゼら、Electrophoresi
s、15:804−807(1994);ルーリーら、
Anal.Chem.,66:4019−4026(1
994)〕。ヴィンセントら(1997年4月15日に
Analytical Biochemistryへ提
出された、「毛管電気泳動用の新規な単一異性体のキラ
ル溶解剤のファミリー、第2部:ヘプタキス−6−スル
ファト−β−シクロデキストリン)は、バケット形のシ
クロデキストリン分子の狭い末端の6−位にサルフェー
トエステル類を単独に有するサルフェート化されたβ−
CD(7SβCD)を合成するために、モリヤら〔J.
Med.Chem.,36:1674−1677(19
33)〕の選択的保護及び脱保護法を採用した。この合
成スキームは、キャビティーの幾何学、及び天然のβ−
シクロデキストリンの複合体形成性を保持するように設
計された。スタルカップとその協力者〔A.スタルカッ
プ等、Anal.Chem.,68:1360−136
8(1996);W.ウー等、Chromatog
r.,18:1289−1315(1995)〕は、未
処理の溶融シリカ毛管中での中性化合物とアミン類のラ
セミ体分離のために、シクロデキストリンサルフェート
エステル類の混合物を使用することが、調査した40の
化合物にとって有効であったことを、最近報告した。
【0005】これらの勇気づける結果にもかかわらず、
CEによるキラル分離を行うための普遍的なシステムが
ない。これは、CE分離が特定のシクロデキストリンと
の複合体形成の範囲に非常に依存しているためである。
CDのキャビティーの大きさに加えて、溶質とCDのへ
り上の官能基との相互作用がキラル選択性(分離度)に
影響を与えうる。従って、特定のキラル対の分離にとっ
て最も適した特定の荷電又は中性のシクロデキストリン
の選択はなお、試行錯誤による経験的なプロセスとなっ
たままである。上述の理由のために、毛管電気泳動によ
って広い範囲のキラル化合物を分割(分析)するために
用いられる新規な一連の荷電シクロデキストリン類が必
要とされている。理想的には、新規なシクロデキストリ
ン類が簡単な手順によって合成され、そして鏡像異性体
の再現可能な分離を可能にしうる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、毛管電気泳動
によって広範囲のキラル化合物を分離することへの要求
を満足させる一連の荷電シクロデキストリン類に向けら
れている。好ましいキラルセレクターは、高度にスルフ
ェート化されたα−、β−及びγ−シクロデキストリン
類である。これらの荷電シクロデキストリン類は、商業
的に入手可能なシクロデキストリン類よりも高度のサル
フェート化と、もっと狭い異質性(heterogen
eity)を有する。高度にサルフェート化されたシク
ロデキストリン類を用いるCE分析は、他のキラルセレ
クターに比べて多種多様のキラル薬剤の分析(分割)を
改良できる。更に、高度にサルフェート化されたα−、
β−、及びγ−シクロデキストリン類は、互いに補完し
合う分離を生じさせ、広い範囲であっても中性及び塩基
性薬剤の分析を可能にする。本発明の荷電シクロデキス
トリン類は、二級ヒドロキシルの少なくとも1つの水素
原子を荷電置換基で置換した、α−シクロデキストリ
ン、β−シクロデキストリン、又はγ−シクロデキスト
リンでありうる。好ましい荷電シクロデキストリン類
は、次のような一般式を有する:
【0007】
【化2】
【0008】nが6又は8であるシクロデキストリンに
関しては、少なくとも約1個のR1基は修飾されたヒド
ロキシルであり、かつ約n個未満のR1基はヒドロキシ
ルである。nが7であるシクロデキストリンに関して
は、少なくとも約5個のR1基が修飾されたヒドロキシ
ルであり、かつ約3個未満のR1基はヒドロキシルであ
る。修飾されたヒドロキシルの水素原子は、好ましくは
サルフェート、カルボキシレート、ホスフェート、又は
四級アミン置換基によって置換される。最も好ましい置
換基はサルフェートである。好ましい高度にサルフェー
ト化されたアルファシクロデキストリン類は少なくとも
約7個のサルフェート置換基を有しており、好ましい高
度にサルフェート化されたベータシクロデキストリン類
は少なくとも約12個のサルフェート置換基を有してお
り、そして好ましい高度にサルフェート化されたガンマ
シクロデキストリン類は少なくとも約9個のサルフェー
ト置換基を有している。
【0009】本発明の荷電シクロデキストリン類は、毛
管電気泳動によって小さな分子の鏡像異性体を分離する
方法において用いることができる。この方法は、下記の
諸工程を含む:a)毛管を、荷電シクロデキストリンと
電解質とを含む電気泳動緩衝剤で満たす工程;b)キラ
ル化合物の鏡像異性体を含む試料を前記毛管に注入する
工程;c)鏡像異性体の電気泳動分離を行う工程;及び
d)キラル化合物の鏡像異性体を検出する工程。電気泳
動分離は、電気浸透フローを抑制する条件下で行われる
のが好ましい。例えば、被覆毛管を用いてもよいし、或
いは電気泳動緩衝剤が酸性であってもよい。試料は一般
に小さなキラル分子(MW<5,000)であり、これ
は好ましくは中性又は基性の化合物である。1,3,
6,8−ピレネテトラスルホン酸の塩等の内標準が、時
間に関して標準化することを可能にするために任意に試
料に添加される。本発明の試薬は、毛管電気泳動によっ
てキラル化合物を分離するのに使用するためのキットと
して便利よく一体とすることができる。このキットには
以下のa)〜c)からなる群から選ばれる少なくとも2
つの高度にサルフェート化されたシクロデキストリン類
が含まれるであろう:a)少なくとも約7個のサルフェ
ート置換基を有するアルファシクロデキストリン、b)
少なくとも約12個のサルフェート置換基を有するベー
タシクロデキストリン、及びc)少なくとも約9個のサ
ルフェート置換基を有するガンマシクロデキストリン。
更に、このキットは任意に、電気泳動緩衝剤、pH調節
剤、内標準、及び/又は毛管を含むことができる。本発
明のこれらの、及び他の特徴、様相、及び利点は、以下
の記述、添付の特許請求の範囲、及び付随した図面によ
って、より良く理解されよう。
【0010】
【発明の実施の形態】ここに記載された方法や試薬に
は、中性及び塩基性の薬剤の鏡像異性体を分離するため
の簡素で一般化された手順を要する。広範囲のキラル分
子“ゲスト”に対して“ホスト”として作用する一連の
新規な荷電シクロデキストリン類が、鏡像異性体対の間
で区別するために用いられる。鏡像異性体間での区別的
な複合体形成が、電気泳動の移動度に変化を生じさせ、
毛管電気泳動中に当該鏡像異性体対の分離を起こさせ
る。CD類は、互いにα(1,4)−グリコシド結合を
介して結合したグルコース単位から構成されるオリゴ糖
の環である。6個から12個までのグルコース単位のC
Dが単離されているけれども、6個、7個、及び8個の
単位を持ったもの、即ちそれぞれα−、β−、及びγ−
CDと呼ばれるものが好ましい。このCD類の形は、被
検体のホストとなることができる相対的に疎水性のキャ
ビティーをもった、先端が切り取られたトーモロコシ形
に似ている。天然のCD類は、グリコピラノース分子の
2,3及び6位にヒドロキシル基ををもつ親水性の外面
領域を有する。
【0011】本発明のCD類は、シクロデキストリン上
の各グルコース単位の6位に荷電置換基を含む修飾され
たヒドロキシルを有する。更に、2位及び/または3位
(最もありそうには2位において)の二級ヒドロキシル
少なくとも1個もまた荷電された基で置換されている。
このことは、先端を切り取ったトーモロコシの狭いほう
の開口部に荷電された基を持つことに加えて、荷電され
た基がシクロデキストリンバケットの広いほう開口部の
へりにもまた存在することを意味する。この幅の広いほ
うのへりは、被合体形成を通じて“ゲスト”分子をくる
む部分であるから、バケットの収容末端は、天然のシク
ロデキストリンのそれに対して混乱(摂動)させられて
いる。二級ヒドロキシルの変化によるバケットの混乱
は、選択的な複合体形成プロセスにとって有益であるこ
とがわかった。そして、このことは予想外にもCDによ
るより良いキラル差別の結果を生じる。HSCDの好ま
しい態様の構造式は以下の通りである:
【0012】
【化3】
【0013】nが6又は8のシクロデキストリンに関し
ては、少なくとも約1個のR1基が修飾されたヒドロキ
シルであり、かつ約n個未満のR1基がヒドロキシルで
ある。nが7であるシクロデキストリンに関しては、少
なくとも約5個のR1基が修飾されたヒドロキシルであ
り、かつ約3個未満のR1基がヒドロキシルである。ヒ
ドロキシル基を修飾する荷電置換基は、好ましくはマイ
ナスに荷電され、例えば、カルボキシレート、ホスフェ
ート、又はサルフェート基が挙げられる。或いは、この
置換基としてはプラスに荷電されたものでもよく、例え
ば4級アミンで荷電されたものが挙げられる。最も好ま
しい置換基は、サルフェート基である。
【0014】α−CD類に関しては、少なくとも約7個
のヒドロキシル基が置換され、そして好ましくは約10
〜12個が置換される。もっとも好ましいα−CDはサ
ルフェート置換基で修飾された約11個のヒドロキシル
基を有する。β−CDに関しては、CDの少なくとも約
12個のヒドロキシル基が荷電置換基で修飾されてお
り、そして好ましくは約12〜15個が置換される。最
も好ましいβ−CDはサルフェート置換基で修飾された
約12個のヒドロキシル基を有する。γ−CD類に関し
ては、少なくとも約9個のヒドロキシル基が置換されて
おり、そして好ましくは約12〜16個が置換される。
最も好ましいγ−CDはサルフェート置換基で修飾され
た約13個のヒドロキシル基を有する。好ましいサルフ
ェート化されたCD類の合成には、乾燥したα−、β
−、又はγ−シクロデキストリンと、19モル当量の三
酸化硫黄−トリメチルアミン複合体(錯体)とを官能基
の何らの保護もなしに、DMF中で反応させることが含
まれる。この反応は高度のサルフェート化に一致したシ
クロデキストリンを生成する。従って、この合成による
生成物は、高度にサルフェート化されたα−、β−、又
はγ−シクロデキストリン類(それぞれ、HSαCD、
HSβCD、又はHSγCD)と呼ばれる。
【0015】多種多様な被検体のいずれをも本発明に従
って評価することができる。適した被検体としては、任
意の“ゲスト”、例えば荷電CD“ホスト”と複合体
(錯体)を形成しうる、光学異性体、鏡像異性体対、ラ
セミ薬剤混合物が挙げられる。実際、荷電CD類との異
なった複合体形成平衡定数を有する任意のキラル対を、
ここに述べられているように、分析することができる。
試料は一般に、光学活性なキラル中心を有する小さな分
子(MW<5,000)であろう。本発明の好ましい実
施態様において、試料は、例えば本願の実施例に於いて
挙げられたもの等の薬学的化合物である。最も好ましい
試料は中性化合物、又はアミン類である。時間に関して
標準化ができるように、少なくとも1つの内部指標を試
料に添加してもよい。この指標は、鏡像異性体の相対的
移動時間を比較するためのタイム・ゼロ出発点を提供す
る分析物成分より先に移動することが好ましい。ピレネ
−1,3,6,8−テトラスルホン酸(PTS)四ナト
リウム塩が、大部分の分離にとって信頼できる指標とし
て働きうる好ましい内標準である。酸性条件の下では、
PTSはその電気泳動の移動度にだけ主として依存する
短い移動時間をもったピークを生じる。その大きな分子
サイズとその四つのマイナス電荷により、PTSはサル
フェート化されたシクロデキストリン類と全く相互作用
を有しない。
【0016】本発明に従って、毛管電気泳動(CE)
が、キラル化合物の分離の仲立ちをつとめるように用い
られる。一般に、CEは、毛管、即ち内径が約2〜2,
000ミクロン(μm)の管に、試料成分を導入するこ
と、および前記毛管に電界をかけることを含む。電界の
電位は、毛管を通して分析物成分を引き離し、かつそれ
らの電気泳動の移動度に従ってそれらを分離する。本発
明のCE法は、好ましくは電気浸透フロー(EOF)を
抑制する条件下で行われる。“オープン”CEフォーマ
ットを使用するときには、溶融シリカ毛管はポリマーと
ゲルを欠く電気伝導性緩衝剤で充填される。この溶融シ
リカ毛管は、約5.0よりも大きなpHで著しくマイナ
スに荷電されるようになり、このことが緩衝剤から陽イ
オンの層を引きつける。これらのイオンは、電位の影響
下で、陰極に向かって流れるので、緩衝液と分析される
試料は同じ方向で運ばれる。その結果として生じたEO
Fは、中性の種とイオン性の種の両方を、荷電の有無に
かかわらず、陰極の方に押し動かす定速成分を与える。
このように、電気浸透フローを抑制しない条件下では、
試料成分の移動速度は主として基底のEOF(このもの
は試料成分の電気泳動の移動度を圧倒できる)によって
決定される。試料成分の電気泳動の移動度に主として基
づいて分離させるに十分なようにEOFを抑制できる多
くの方法がある。最も簡単なアプローチは、酸性のpH
を有する電気泳動緩衝剤を用いることである。従って、
本発明の好ましい緩衝剤は、約7未満のpHを有する。
最も好ましい緩衝剤は約1〜約5のpH範囲を有し、こ
の範囲はたいていの適用においては約2.5〜4のpH
で最適化される。
【0017】この好ましいpH範囲で適当な緩衝能を有
する電解質が、電気泳動緩衝剤の成分として含有され
る。酸性pHにおいて使用されるに適した電解質として
は、有機もしくは無機の、リン酸塩、酢酸塩、又はクエ
ン酸塩が挙げられる。好ましい電気泳動緩衝剤の電解質
はリン酸トリエチルアンモニウム塩である。緩衝剤中の
電解質のモル濃度は一般に約5〜200mM、好ましく
は10〜100mMであり、そして最も好ましくは約2
5〜50mMである。電解質のより高い濃度を有する緩
衝剤のイオン強度は望ましくないジュール熱効果を生じ
させる場合がある。EOFを抑制するための他の方法
は、被覆毛管を使用することである。毛管の表面は、緩
衝剤系に界面活性剤、双性イオン塩、又は親水性綿状ポ
リマー等の添加剤を含有させることによってダイナミッ
クに被覆することができる。しかしながら、好ましい毛
管コーティングは、毛管表面に化学的に結合した、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレングリコール、又はジオー
ルエポキシコーティング等のポリマーであろう。最も好
ましいポリマーコーティングは、簡単にPVAとして知
られるポリ(ビニルアルコール)である。
【0018】本発明を実施するのに用いられる毛管は一
般に、約10μm〜約200μmのサイズ範囲の内径を
有する。最も好ましくは、約25μmの内径を有する毛
管が鏡像異性体のCE分離用に使用される。毛管の好ま
しい長さは、約10〜約100cmであり、最も好まし
くは約27cmである。検出窓は、好ましくはカラムの
出口から約6.5cmの毛管中に位置する。特定の被検
体“ゲスト”とともに用いるためのα−、β−、又はγ
−シクロデキストリン“ホスト”の選択は、一般に経験
に基づく事柄である。CD誘導体を選択するための大ま
かな指針は、α−CDでの分離は1つの芳香族環をもっ
た化合物に関して好ましく、β−CDは置換芳香族環を
もった化合物に関して好ましく、そしてγ−CDは複数
の環をもった化合物に関して好ましい。しかしながら、
図4と5に示したように、実際の結果ではこの一般的な
経験則から実質的に逸脱することがある。
【0019】同様に、電気泳動分離中の、毛管内におけ
る荷電α−、β−、又はγ−シクロデキストリンの濃度
は、各キラル化合物に関して経験的な手法で最適化され
うる。一般に、荷電シクロデキストリンの濃度は、試料
成分に対して相対的に過剰のモル数であるべきである。
最適化のための適したCD濃度範囲は、約1%〜約20
%であり、好ましくは約2%〜約10%の狭められた範
囲である。荷電CDの最も好ましい濃度は約5%であ
る。
【0020】CD類は好ましくは電気泳動緩衝剤に添加
され、そして毛管中に導入される。分離緩衝液は水中2
0%HSCD1部中、電気泳動緩衝剤(例えば50mM
リン酸トリエチルアンモニウム塩、pH2.5)の2X
溶液2部、及び水1部を混合することによって調製する
ことができる。毛管を20psiの圧力で、1分間、分
離緩衝液を用いてすすぐ。試料の注入後、毛管の入口と
出口が分離緩衝液中に浸漬され、そしてそれから電圧が
かけられて電気泳動を開始する。好ましさの点では比較
的劣る代替方法として、CD類を毛管壁に結合させる方
法やCD類をゲル母体に含有させる方法がある。試料
は、水中メタノール0〜50%中に被検体を検出可能な
濃度、一般的には約0.1〜10mM、そして好ましく
は約1mMで溶解させることによって調製される。更に
PTS等の内標準が、被検体の約半分の濃度、好ましく
は約0.5mMで試料に添加されうる。試料はそれか
ら、界面動電注入、水圧、真空、又はシリンジポンプに
よって導入されうる。好ましくは、試料は、0.5〜約
15psiの範囲、最も好ましくは約0.5psiの圧
力で、かつ約1〜99秒の期間中で、最も好ましくは約
2〜5秒で、圧力注入によって毛管カラムに導入され
る。
【0021】P/ACE2000シリーズ、P/ACE
5000シリーズ、又はP/ACEMDQ毛管電気泳動
システム(ベックスマン・インスツルメンツ・インコー
ポレーテッド、フラートン、CA)。加えて、ベックマ
ン システム ゴールドTM(Beckman Syst
em GoldTM)ソフトウェアー、ベックマンP/A
CETMソフトウエァー、又はIBM PS/2、IBM
350 466DX2もしくはIBM350−P90P
Cによって制御されたベックマンP/ACETMステーシ
ョンソフトウェアを本発明を実施する際に用いることが
できる。試料は、1kV〜約100kV、好ましくは5
kV〜約20kV、そして最も好ましくは約7.5kV
〜約12kVの範囲の電圧で電気泳動にかけられる。検
出は好ましくはUV吸収によって、好ましくは、試料成
分と内標準を検出するが荷電CDは検出しない波長で行
われる。検出のための好ましい波長は、約180nm〜
約380nmの範囲であり、最も好ましい検出波長は約
214nmである。
【0022】CEが、電気浸透フローを抑制する条件
下、例えば酸性pHで行われるとき、CEは検出窓口の
最も近くに置かれた陽極とともに、反対の極性を用いて
好ましく行われる。これらの条件下で、被検体は陽極の
方に移動するマイナスに荷電されたシクロデキストリン
との複合体形成によって陽極に引っぱられる。しかしな
がら、より速く移動する大きな(メジャー)ピークの末
尾が小さな(マイナー)ピークをおおい隠すならば、ピ
ークの移動順序を逆にすることが望ましいことがある。
一般に、好ましい分離条件は、小さな汚染物質が主成分
に向かって移動する条件である。移動順序の逆転は、緩
衝剤のpHを約7より大きく、好ましくは約pH8に緩
衝剤のpHを上げることによって、しかも陰極が検出窓
口に最も近くなるように極性を変えることによって達成
することができる。そのような条件下では、EOFは、
遊離の、被検体を結合した荷電シクロデキストリン類を
含めて全化合物を陰極へ運び去るのに十分強い。
【0023】CEによるキラル分析を最適化するための
系統的な機構を促進するために、本発明の試薬を便利よ
く一体化してキットとすることができる。最適なシクロ
デキストリン“ホスト”を選択するのを助けるために、
キットには以下のa)〜c)からなる群から選ばれた少
なくとも二つの高度にサルフェート化されたシクロデキ
ストリン類が含められるであろう:a)少なくとも約7
個のサルフェート置換基を有するアルファシクロデキス
トリン;b)少なくとも約12個のサルフェート置換基
を有するベータシクロデキストリン;及びc)少なくと
も約9個のサルフェート置換基を有するガンマシクロデ
キストリン。更に、キットは、少なくとも一つの電気泳
動緩衝剤を、好ましくは酸性のpHで任意に含んでもよ
い。しかしながら、もっと高いpHで用いるための別の
緩衝剤を、NaOH又はリン酸等のpH調節剤に加えて
含有してもよい。緩衝剤の組成及び/又はpHを変える
ことで、分析(分割)性能を改良したり及び/又は分析
を受けているキラル対の移動順序を逆転させることがで
きる。キットヘの更なる添加物としては、PTS等の内
部標準、被覆もしくは未被覆毛管が挙げられる。
【0024】本発明のこれまでに述べた態様には多くの
利点、例えば合成の簡単なワン・ステップ法、多種多様
な光学異性体の再現性のよい分離、並びに数多くの中性
及び塩基性キラル化合物の改善された分割分析等があ
る。この方法は費用が安く、しかも作業を最適化するた
めに多数の異なった固定相カラムを必要とするHPLC
を使用するキラル分析法に比べて万能である。本発明の
試薬、方法、及びキットは、薬剤、食物栄養物、環境汚
染物質、殺虫剤、又はそれ以外のラセミ体混合物の立体
化学的純度を監視するための品質管理システムに容易に
適合させることができる。
【0025】
【実施例】本発明の材料や方法は、以下の例を参照する
ことでより良く理解されよう。
【0026】例1 HSCD類の合成 この最初の一連の例は、結果として得られる生成物の一
貫して高度のサルフェート化のみならず、サルフェート
化された、α−、β−、又はγ−シクロデキストリン類
を合成するために使用されうる簡単かつ単一工程法を説
明している。高度にサルフェート化したα−シクロデキ
ストリンの合成は、機械的な攪拌器を装備し、乾燥した
2リットル反応器に、オーブンで乾燥したα−シクロデ
キストリン100g(102.8mmol)と無水ジメ
チルホルムアミド(DMF)900mlを添加すること
で行った。この容器をオイルバス中で50℃で撹絆しな
がら加熱して大部分の固体を溶解した。300mlのD
MF中での三酸化硫黄トリメチルアミン複合体(272
g、1953mmol)の部分溶解混合物を、反応器に
ゆっくりと注ぎ、50℃で激しく攪拌した。ガム状の生
成物が35分後に形成され、そし攪拌を中断した。室温
に冷却した後、溶媒をデカンテーションによって除去
し、ガム状の生成物を300mlの試薬アルコールで2
回洗浄し、そして溶媒を再びデカンテーションによって
除去した。同様に、高度にサルフェート化されたβ−シ
クロデキストリンの合成を、機械的な攪拌器を装備し、
乾燥された2リットル反応器に、オーブン乾燥したβ−
シクロデキストリン100g(88.1mmol)と5
00mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)を添加
することによって行った。この容器をオイル浴中で50
℃で攪拌しながら加熱し、固体の大部分を溶解した。3
00mlのDMF中での三酸化硫黄トリメチルアミン複
合体(240g、1724ml)の部分溶解混合物を、
この反応器にゆっくりと注ぎ、50℃で1時間、激しく
攪拌した。ガム状の生成物が形成され、そして攪拌が中
断された。溶媒を熱いうちにデカンテーションによって
除去し、このガム状の生成物を300mlの試薬アルコ
ールで2回洗浄し、そして溶媒を再びデカンテーション
によって除去した。
【0027】高度にスルフェート化されたγ−シクロデ
キストリンを製造するための類似した合成スキームを、
機械的な攪拌器を装備し、乾燥された2リットル反応器
に、オーブン乾燥したγ−シクロデキストリン100g
(77.1mmol)と900mlの無水ジメチルホル
ムアミド(DMF)を添加することによって行った。こ
の容器をオイル浴中で50℃で攪拌しながら加熱し、固
体の大部分を溶解した。300mlのDMF中での三酸
化硫黄トリメチルアミン複合体(204g、1460m
mol)の部分溶解混合物をこの反応器にゆっくりと注
ぎ、50℃で激しく攪拌した。ガム状の生成物が35分
後に形成され、そして攪拌が中断された。室温に冷却し
た後、溶媒をデカンテーションによって除去し、ガム状
の生成物を300mlの試薬アルコールで2回洗浄して
から、再び溶媒をデカンテーションによって除去した。
上述の合成スキームから、このガム状の生成物を375
mlの4N水酸化ナトリウムに溶解し、そして攪拌し
た。この溶液を約10のpHに維持し、2リットルの丸
底フラスコに移して、それから回転蒸発して減圧下で少
量の水とともにトリメチルアミンを除去した。それか
ら、このフラスコを一晩中、冷室に置いた。残りの溶液
(約600ml)から析出した固体をろ過によって集め
た。約800mlのアセトンをろ液の各々に添加し、そ
してこの各々が軟らかなガムを形成した。この混合物を
10分間、激しく攪拌し、それからアセトンをデカンテ
ーションによって除去した。次いで、別に800mlの
アセトンを添加し、10分間攪拌してからデカンテーシ
ョンによって除去した。このガム状の生成物を各々、5
00mlの脱イオン水に溶解し、この溶液を激しく攪拌
しながら2リットルのメタノール中にゆっくりと注い
だ。この結果生成した灰色がかった白色固体をろ過によ
って集め、300mlのメタノールで3回洗浄し、一
晩、高真空下110℃で乾燥した。
【0028】水に再懸濁されたときには、全種のHSC
Dの溶液は、三酸化硫黄−トリメチルアミン複合体に由
来する不純物により明るい茶褐色を呈している。この溶
液は、脱色化する活性炭(アルドリッチCat.No.
16,155−1)で処理することによって容易に脱色
され、そしてそれから遠心分離と0.45μmの注射器
型フィルターを通してのろ過によって浄化した。4つの
異なったロットのHSβCD、1ロットのHSαCD、
及び1ロットのHSγCDが元素分析にかけられ、ヴイ
ンセント等によって採用されたモリヤ等の方法によって
合成された多数の7SβCDと比較された。サルフェー
ト化の程度を表1にまとめて示したように、各ロットに
関して測定した。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示したように、本発明のHSCD類
を製造するのに用いられる合成手順では、平均値でグル
コース1分子当り、少なくとも約l.6個のサルフェー
ト分子という高度のサルフェート化(>11)が一貫し
て達成された。
【0031】例2 間接UV検出によるサルフェート化されたβ−CD類の
特徴づけ この例は、本発明のHSCD類がヴィンセント等のサル
フェート化されたCDよりも、もっと高度にサルフェー
ト化され、しかも商業的に入手できる数種のサルフェー
ト化されたCD類よりも異成分がより少ないことを示し
ている。シクロデキストリン1つ当り平均値で4のサル
フェート化度をもったスルホブチルエーテルβ−シクロ
デキストリン類(SBE−βCD)がパーキンエルマー
/ABI(フォスター市、CA)から購入された。更
に、サルフェート化されたβ−CD類(サルフェート化
度(平均値)=4)の混合物をセレスター(ハモンド、
インディアナ)から供給を受け、またβ−CD1つ当り
7〜10のサルフェート化度(平均値)を有するサルフ
ェート化されたシクロデキストリンをアルドリッチ(ミ
ルウォーキー、ウィスコンシン)から入手した。これら
の商業的に入手できる荷電CD類を、ヴィンセント等の
6−シクロデキストリンのC−6サルフェートエステル
(7SβCD、b−CD当り7のサルフェート基)や、
例1に従って合成されたα−、β−、及びγ−HSCD
類と比較した。
【0032】間接UV検出によるCE分析が、ベックマ
ン・インスツルメンツ・インコーポレーテッドから入手
した50μm×27cmのPVAで共有結合的に被覆さ
れた毛管を用い、254nmで検出するUV検出器(P
/N 2232111)を装備した、ベックマン・イン
スツルメンツ・インコーポレーテッド(フラートン、C
A)によるP/ACE 5000 CEシステムにおい
て遂行された。分離緩衝剤は、TrisでpH8.0に
調節された40mMのp−トルエンスルホン酸(TS
A)から構成された。この方法では、非吸収性のスルフ
ェート化されたシクロデキストリン類が、陽極に電気泳
動的に移動するイオン性の発色団、TSAにとって替
り、より近いUV吸収帯をつくる。その結果、アニオン
性の被検体が、それらが検出器を通過するときにネガテ
ィブな吸収の信号を生ずる。そのピークは直接UV吸収
検出で得られたものよりも広く、これは恐らく、サルフ
ェート化されたシクロデキストリン被検体とTSAをバ
ックグラウンドとする発色団との間の移動度の不完全な
適合によるのであろう。
【0033】HSαCD、HSβCD、及びHSγCD
についての得られた電気泳動図を、それぞれ図1、2、
及び3に示す。このα−、β−及びγ−HSCD類の全
てが7SβCDよりも短い移動時間をもったピークを生
じるが、このことはサルフェート化の度合いが各HSC
Dの7よりも高いことを示唆している。HSCDと7S
βCDの混合物が2つの明確に区別されるピークを生じ
るという事実は、べックマンHSCD類は、完全にラン
ダムにサルフェート化されたスピーシーズのグロスな混
合物ではないことを暗示している。更には、仮にこの混
合物が8、9、又は10個のサルフェート基をもつHS
CD分子を含むとしたら、予期される電気泳動図はHS
CDと7SβCDの各ピークの間に明確な分離を示すこ
とはないであろう。したがって、これらの結果は、HS
CD類のサルフェート化の平均の度合が10より大きい
ことを確証している。HSCD類のピークが7SβCD
のピークよりもずっと広くはないという事実は、HSC
D類の分子の不均一性(heterogeneity)
が広くないことを示唆している。比較として、SBE−
βCD、セレスターのサルフェートシクロデキストリ
ン、及びアルドリツチのサルフェート化されたβ−CD
の電気泳動図(図4)は、幾つかのはっきりと区別され
るピークからなり、もっとずっと複雑である。比較によ
って、このHSCDは、商業的に入手できる他のサルフ
ェート化されたシクロデキストリン類に比べて、サルフ
ェート化の度合がより高く、かつ不均一性がより狭いシ
クロデキストリン類の混合物である。
【0034】例3 高度にサルフェート化されたβ−シクロデキストリン
(HSβCD)を用いるキラル分離 CEのためのキラルセレクターの選択において最も重要
な因子は、最も多種多様な被検体を分割分析する能力で
ある。従って、我々は、HSβCDを用いた中性及び塩
基性薬剤のエナンチオマー分離が、ABIからのSBE
CD(β−CD当り平均4個のスルホブチルエーテル
基)、セレスターからのサルフェート化されたβ−CD
類(β−CD当り可変数のサルフェート基)、及びヴィ
ンセント等のβ−シクロデキストリンのC−6サルフェ
ートエステル(7SβCD、β−CD当り7個のサルフ
ェート基)を用いたキラル分離に好適にも匹敵すること
を立証するための比較研究を行った。
【0035】ホスフェート緩衝剤は、リン酸を、トリエ
チルアミン又はNaOH溶液等の対応する塩基で滴定す
ることで調製した。サルフェート化されたβ−CDを、
25mMのリン酸トリエチルアンモニウム中でpH2.
5で溶解した。サルフェート含量の不正確な性格によ
り、サルフェート化されたβ−CD類の濃度は、体積当
りの重量の基準で表現した。アミノベースのラセミ体は
水に溶解されたけれども、中性のラセミ体の試料は水中
50%のメタノールに溶解された。毛管に注入された全
試料は、1mMのラセミ体混合物と、内標準として0.
5mMの1,3,6,8−ピレネテトラスルホン酸ナト
リウム塩(PTS)を含有した。PTSは、その4つの
マイナス電荷のために、混合物中の任意の化合物に向か
って移動した。中性化合物やアミン類の多数のラセミ体
が、実質上同じ分離条件の下で毛管電気泳動にかけられ
た。分離は、25μm×27cmの未処理の溶融シリカ
毛管を用いる、214nmでのUV検出器を装備した、
ベックマン・インスツルメンツ・インコーポレーテッド
(フラートン、CA)によるP/ACE 5000 C
Eシステム上で遂行された。サルフェート化されたシク
ロデキストリン類の濃度が変えられた(表2Aと2B参
照)。電気泳動が、逆極性の条件下、10又は12kV
適用電圧で行われた。その結果を表2Aと2Bにまとめ
て示す。カッコ内に示されたパーセントの値は、最適の
分離を生じさせた分離緩衝剤中のサルフェート化された
シクロデキストリンの濃度を示している。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】試験された中性化合物の内の7つ及びアミ
ン類の全ては、公知の薬剤である。分析されたアミン類
の2つ、フルオキセチン及びヴェラパミルは市販されて
いる薬剤(それぞれProzac(登録商標)及びVe
relan(登録商標))のカプセルから入手した。表2
Aと2Bの結果は、ピーク中心間の差△×と4σ、ピー
クの2つの標準偏差の平均値の指標として定義される、
複数のピークの分割(分割能)Rを示している。これら
の結果は、簡単な1工程合成において調製されたHSβ
CDは、18個の中性ラセミ体及び11個のアミン鏡像
異性体対に関して良好な分解能(>1)を与えたことを
示している。ラセミ体の幾つか(グルテチミド、ロラゼ
パム、プラズィクワンテル、ヒドロベンゾイン、α−シ
クロプロピルベンジルアルコール及び1,1′−ビ−2
−ナフトール)は、HSβCDを用いて著しく大きな分
解能の値(>7)を生じた。これと比べて、7SβCD
は、もっとずっと少数のキラル対(8個の中性化合物、
及び8個のアミン類)に関して適当な分離を生じた。
【0039】HSβCDを用いるときの中性ラセミ体の
電気泳動図からの1つの観察結果は、移動時間は一般に
7SβCD分離に関して対応する時間よりもっと遅かっ
たということであった。このことは、7SβCDと中性
化合物の大部分との間の複合体形成平衡定数は、HSβ
CDの対応する値よりも高いことを示唆している。この
高い親和力は、7SβCDが試験した中性化合物の大部
分に関して粗悪な分離を生じさせる、即ち複合体形成が
両鏡像異性体に関して強すぎるために、その結果キラル
識別ができないことの主な理由と符合しているものと思
われる。キラルアミン類に関しては、逆の傾向が観察さ
れた。HSβCDによって生じた移動時間は、7SβC
Dを用いて得られたものよりも殆ど全てに関して短かっ
た。この結果の理由の1つは、HSβCDのサルフェー
ト化の度合いが高いほど、もっとマイナスに荷電される
ために陽極の方への電気泳動の移動度を高くするという
ことである。マイナスの増大した電荷が、サルフェート
化されたシクロデキストリンとプロトン化されたアミン
類との間に、より高い静電引力をも生じさせるというこ
とが言えそうである。より高い複合体形成定数がより低
い分解能を生じさせてしまったと思われる中性被検体の
ケースと違って、アミン類に関するベックマンのHSβ
CDの明らかに高い親和力が、7SβCDよりも数多く
の好結果のキラルアミン分離を生じさせた。これらの結
果は、種々の荷電CD類の中に分解能(分割力)に大きな
差があることを示している。7よりも大きな平均スルフ
ェート化の程度を有するこれらのCD類は、より広い範
囲の分子種(表2Aと2B参照)について実質的により良い
キラル分割を示した。これに関して、ここに述べられた
簡単な、一工程での、高収率な合成を用いて調製された
HSβCDは、試験した種々のサルフェート化シクロデ
キストリン類のいずれとも好適にも匹敵するものであっ
た。
【0040】例4 CE分離の再現性に関する、異なった合成ロットの効果 キラルセレクターに関する他の重要な評価基準は、異な
った合成ロット間での性能の再現性である。三つの異な
った型のヒドロキシル(各グルコース単位における2
−、3、及び6−位)の直接スルフェート化が、7SβC
D化合物の5段工程合成よりももっとランダムな置換を
生じさせると予想されたから、HSCDの異なったロッ
ト内での変動は考慮されなければならない可能な手段で
あった。この点から考えて、5つの合成から得られた5
つの異なったロットのHSCD(GS4747−65、
GS4747−70、GS4747−82、GS474
7−85及びGS4747−90)を、5−(4−メチ
ルフェニル)−5−フェニルヒダントイン、α−メチル
−α−フェニルサクシンイミド、及びサリドマイドラセ
ミ体の分離について試験した。表3の結果は、移動時間
と分解能(分割力)の再現性が合成ロットのうちの4つに
関して非常に良好であることを示している。ロット85
だけが速い移動と低い分解能を生じさせて、他のものと
は多少違っていた。これらの結果は、保護されていない
β−HSCDの直接スルフェート化の簡単な手順を用い
て繰返し合成することがCEのキラルセレクターとして
再現可能性に優れた性能と一致する生成物を産すること
を示している。
【0041】
【表4】
【0042】例5 高度にサルフェート化されたα−、β−、及びγ−シク
ロデキストリン類を用いるキラル分離 この例は、分離することができるキラル化合物の範囲
が、CE−ベースキラル分離に高度にサルフェート化さ
れたα−及びγ−シクロデキストリン類(それぞれHS
αCD及びHSγCD)を含めることによって拡大され
ることを示している。表4の結果は、3つの異なったH
SCD類によって引き起こされる分離は、多種多様な中
性及び塩基性の薬剤を網羅するように互いに補完し合っ
ていることを示している。HSγCDは、薬学的に重要
なフェネチルアミン類の鏡像異性体を分離するのに特に
効果的であることが判明した。アンフェタミンとサリド
マイドのキラルCE分析の例が、それぞれ図5と6に示
されている。アンフェタミンについての最適な分解能
(分割)(R=21.68)がHSγCDを用いて得ら
れたのに対して、HSβCDはサリドマイドの最良の分
解能(分割)(R=3.37)を生じさせた。
【0043】
【表5】
【0044】本発明を、その幾つかの好ましい態様を参
照して著しく詳しく述べたけれども、他の態様も可能で
ある。例えば、シクロデキストリン類は、ホスフェート
等の他のマイナスに荷電された置換基、或いは4級アミ
ンのようなプラスに荷電された置換基で修飾することも
できる。更には、CE分離は、荷電CD複合体の分解能
(分割力)を改良するために、異なった緩衝剤、又はpH
条件を用いて実施してもよい。そのため、添付の特許請
求の範囲の精神及び範囲は、ここに記載されている好ま
しい態様の記載に制限すべきものではない。
【0045】
【発明の効果】本発明のシクロデキストリン類は、高度
にサルフェート化されたα−、β−及びγ−シクロデキ
ストリン類であって、キラルセレクターとして好適なも
のであり、例えば毛管電気泳動(CE)に用いることに
より、化合物の鏡像異性体対の分離分割能力に優れるも
のである。本発明の荷電シクロデキストリン類は、従来
のシクロデキストリン誘動体よりも高度のサルフェート
化とより狭い不均一性を有し、鏡像異性体の分割に好適
なものである。また、高度にサルフェート化されたシク
ロデキストリン類を用いる本発明の毛管電気泳動(C
E)分析法によれば、多種多様のキラル薬剤、特に中性
の化合物及びアミン類の分解能、分割力に優れた分析が
可能となる。さらに、本発明の高度にサルフェート化さ
れたα−、β−、及びγ−シクロデキストリン類は、毛
管電気泳動によって解析されうる中性及び塩基性薬剤の
数を更に拡大させるべく対象とする化合物の範囲を互い
に補完するものであり、より広範囲の鏡像異性体の分離
分割を可能とするものである。また、本発明の組成物及
びキットは、このような毛管電気泳動分析に好適に用い
られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】7SβCD(A)、HSαCD(B)、及び7
SβCDとHSαCDの混合物の電気泳動図を示す。
【図2】7SβCD(A)、HSβCD(B)、及び7
SβCDとHSβCDの混合物の電気泳動図を示す。
【図3】7SβCD(A)、HSγCD(B)、及び7
SβCDとHSγCDの混合物の電気泳動図を示す。
【図4】(A)ABI SBECDを含む荷電シクロデ
キストリン類、並びに(B)セレスター、及び(C)ア
ルドリッチのサルフェート化されたシクロデキストリン
類の電気泳動図を示す。
【図5】HSαCD(A)、HSβCD(B)、及びH
SγCD(C)を用いて得られるアムフェタミンの電気
泳動分離を示すグラフである。
【図6】HSαCD(A)、HSβCD(B)、及びH
SγCD(C)を用いて得られるラセミ体のサリドマイ
ドの電気泳動分離を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591028256 4300N.Harbor Boulevar d Fullerton,Califor nia 92834−3100 U.S.A. (72)発明者 ジーン ジー ワイ シェン アメリカ合衆国 91765 カリフォルニア 州 ダイアモンド バー、 イースト ベ ンフィールド プレイス 24192 (72)発明者 ラモン エイ エヴァンゲリスタ アメリカ合衆国 92870 カリフォルニア 州 プラセンチア ロヨラ ウェイ 401 (72)発明者 チャン エス オー アメリカ合衆国 91709 カリフォルニア 州 チノ ヒルズ エクイリム ドライヴ 15962

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)アルファシクロデキストリン、 b)少なくとも約12個の修飾されたヒドロキシル基を
    有するベータシクロデキストリン、及び c)ガンマシクロデキストリンからなる群から選ばれ、
    二級ヒドロキシルの少なくとも1つの修飾を含んでなる
    ことを特徴とする荷電シクロデキストリン。
  2. 【請求項2】 下記一般式 【化1】 を有し、 a)nが6又は8であり、少なくとも約1個のR1基が修
    飾されたヒドロキシルであり、かつ約n個未満のR1
    がヒドロキシルであるシクロデキストリン、及び b)nが7であり、少なくとも約5個のR1基が修飾さ
    れたヒドロキシルであり、かつ約3個未満のR1基がヒ
    ドロキシルであるシクロデキストリンからなる群から選
    ばれ、ここで前記修飾されたヒドロキシルがサルフェー
    ト、カルボキシレート、ホスフェート、又は4級アミン
    置換基を含むことを特徴とする荷電シクロデキストリ
    ン。
  3. 【請求項3】 修飾されたヒドロキシル基がサルフェー
    ト化されている請求項1又は2記載の荷電されたシクロ
    デキストリン。
  4. 【請求項4】 アルファシクロデキストリンが少なくと
    も約7個のサルフェート置換基を有することを特徴とす
    る高度にサルフェート化されたアルファシクロデキスト
    リン。
  5. 【請求項5】 ベータシクロデキストリンが少なくとも
    約12個のサルフェート置換基を有することを特徴とす
    る高度にサルフェート化されたベータシクロデキストリ
    ン。
  6. 【請求項6】 ガンマシクロデキストリンが少なくとも
    約9個のサルフェート置換基を有することを特徴とする
    高度にサルフェート化されたガンマシクロデキストリ
    ン。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の荷電シクロデキストリン
    および電気泳動緩衝剤を含んでなることを特徴とする組
    成物。
  8. 【請求項8】 前記シクロデキストリンの濃度が約1%
    〜20%である請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 電気泳動緩衝剤が酸性である請求項7記
    載の組成物。
  10. 【請求項10】 酸性緩衝剤のpH範囲が約1〜5であ
    る請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 電気泳動緩衝剤がリン酸塩、酢酸塩及
    びクエン酸塩からなる群から選ばれた電解質を含む請求
    項7記載の組成物。
  12. 【請求項12】 試料、請求項1記載の荷電シクロデキ
    ストリン、及び電気泳動緩衝剤を含んでなり、前記試料
    が小さなキラル分子であることを特徴とする組成物。
  13. 【請求項13】 試料が中性化合物又はアミンを含む請
    求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】 試料の濃度が約0.1〜10mMであ
    る請求項12記載の組成物。
  15. 【請求項15】 シクロデキストリンが試料に対して相
    対的に過剰なモル数で存在する請求項15記載の組成
    物。
  16. 【請求項16】 試料が薬剤又は薬学的化合物を含む請
    求項12記載の組成物。
  17. 【請求項17】 内標準をさらに含んでなる請求項12
    記載の組成物。
  18. 【請求項18】 内標準が1,3,6,8−ピレネテト
    ラスルホン酸又はその塩である請求項13記載の組成
    物。
  19. 【請求項19】 a)(1)アルファシクロデキストリ
    ン、 (2)少なくとも約12個の修飾されたヒドロキシル基
    を有するベータシクロデキストリン、及び (3)ガンマシクロデキストリン からなる群から選ばれ、二級ヒドロキシルの少なくとも
    1つの修飾を含むシクロデキストリンを含んでなる緩衝
    剤で毛管を満たす工程; b)キラル化合物の鏡像異性体を含んでなる試料を前記
    毛管に注入する工程; c)鏡像異性体の電気泳動分離を行う工程;及び d)キラル化合物の分離された鏡像異性体を検出する工
    程を含んでなることを特徴とする小さな分子の鏡像異性
    体の分離方法。
  20. 【請求項20】 電気泳動分離が電気浸透フローを抑制
    する条件下で行われる請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 毛管が被覆された毛管である請求項2
    0記載の方法。
  22. 【請求項22】 緩衝剤が酸性である請求項20記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 (a)少なくとも約7個のサルフェー
    ト置換基を有するアルファシクロデキストリン; (b)少なくとも約12個のサルフェート置換基を有す
    るベータシクロデキストリン;及び (c)少なくとも約9個のサルフェート置換基を有する
    ガンマシクロデキストリンからなる群から選ばれた少な
    くとも2つの、高度にサルフェート化されたシクロデキ
    ストリンを含んでなるキラル化合物の分離用キット。
  24. 【請求項24】 少なくとも一つの電気泳動緩衝剤をさ
    らに含んでなる請求項23記載のキット。
  25. 【請求項25】 内標準をさらに含んでなる請求項23
    記載のキット。
  26. 【請求項26】 少なくとも一つの毛管をさらに含んで
    なる請求項23記載のキット。
  27. 【請求項27】 少なくとも1つのpH調節剤をさらに
    含んでなる請求項24記載のキット。
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