JPH11100383A - 免疫抑制剤の生産法 - Google Patents
免疫抑制剤の生産法Info
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- JPH11100383A JPH11100383A JP10200047A JP20004798A JPH11100383A JP H11100383 A JPH11100383 A JP H11100383A JP 10200047 A JP10200047 A JP 10200047A JP 20004798 A JP20004798 A JP 20004798A JP H11100383 A JPH11100383 A JP H11100383A
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Abstract
を有する新規化合物であるFR−901154物質およ
びFR−901155物質、それらの生産法、ならびに
それらを含有する免疫抑制剤の提供。 【解決手段】FR−901154物質〔1〕およびFR
−901155物質〔2〕は、ストレプトマイセス・ツ
クバエンシス(Streptomyces tsukubaensis)第9993
号のようなストレプトマイセス属に属するFR−901
154物質生産菌株および/またはFR−901155
物質生産菌株の栄養培地中の醗酵により生産することが
できる。
Description
よびFR−901155物質と呼称する薬理作用を有す
る新規化合物、それらの生産法、ならびにそれらを含有
する医薬組成物に関する。
用、抗菌作用等のような薬理作用を有する新規化合物で
あるFR−901154物質およびFR−901155
物質、それらの生産法、ならびにそれらを含有する免疫
抑制剤に関する。
による拒絶反応、骨髄移植による移植片対宿主病、自己
免疫疾患、感染症等の治療および予防に有用な新規化合
物であるFR−901154物質およびFR−9011
55物質を提供することである。
マイセス(Streptomyces)属に属するFR−90115
4物質生産菌株および/またはFR−901155物質
生産菌株の栄養培地中醗酵によるFR−901154物
質およびFR−901155物質の生産法を提供するこ
とである。
成分としてFR−901154物質またはFR−901
155物質を含有する免疫抑制剤を提供することであ
る。
る新種の醗酵によって得られた培養ブロスから、純粋な
形で最初にしかも新たに単離され、薬物として有用な新
規に発見されたFR−900506物質[化学名:17−
アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2−(4−ヒド
ロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)−1−メチルビ
ニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチ
ル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.
04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオ
ン]に端を発する。
て、この発明の発明者等は醗酵によりFR−90050
6物質を高収率で生産するための研究を行い、その研究
の間に発明者等は培養ブロス中にFR−901154物
質およびFR−901155物質もまた生産されること
を見出した。
FR−901155物質の物理的性質および化学的性
質、それらの生産ならびにそれらの薬理作用を以下に説
明する。
1155 物質の物理的性質および化学的性質 この発明のFR−901154物質およびFR−901
155物質は下記物理的性質および化学的性質を有す
る。
ッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応および沃素蒸気反応に
陽性。塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反応およびモーリ
ッシュ反応に陰性。 (6) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸
エチル、クロロホルム、ジエチルエーテル、ベンゼンお
よびアセトニトリルに可溶。n−ヘキサンおよび石油エ
ーテルに難溶。水に不溶。 (7) 融点:96−97℃ (8) 比旋光度:[α]23 D: -65゜ (C=1.7, CHCl3) (9) 紫外線吸収スペクトル:末端吸収 (10) 赤外線吸収スペクトル: νCHCl3 max:3570, 3500, 2920, 2860, 2820, 1740, 1
710, 1700, 1640,1460, 1450, 1380, 1340, 1280, 121
0, 1190, 1170, 1140,1100, 1090, 1050, 1010, 1000,
990, 960, 920 cm-1
ルのチャートを第1図に示す。 (13) 薄層クロマトグラフィー固 定 相 展開溶媒 Rf値 シリカゲル板 酢酸エチル 0.22 (14) 物質の性質:中性物質
および1H核磁気共鳴スペクトルの測定の場合には、こ
の物質は種々の化学シフトについていくつかの信号の対
を示したが、薄層クロマトグラフィーと高性能液体クロ
マトグラフィーとの測定の場合には、FR−90115
4物質は薄層クロマトグラフィーにおいては単一スポッ
トを、高速液体クロマトグラフィーにおいては単一ピー
クをそれぞれ示した。上記物理的性質および化学的性質
からFR−901154物質は、下記化学構造を有する
と推定される。
ッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応および沃素蒸気反応に
陽性。塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反応およびモーリ
ッシュ反応に陰性。 (6) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸
エチル、クロロホルム、ジエチルエーテル、ベンゼンお
よびアセトニトリルに可溶。n−ヘキサンおよび石油エ
ーテルに難溶。水に不溶。 (7) 融点:76-81℃ (8) 比旋光度:[α]23 D: -53゜ (C=1.8, CHCl3) (9) 紫外線吸収スペクトル:末端吸収 (10) 赤外線吸収スペクトル: νCHCl3 max:3500, 2920, 2870, 2820, 1740, 1710, 1
640, 1460, 1450,1380, 1340, 1320, 1280, 1230, 119
0, 1170, 1140, 1100,1040, 1000, 990, 960, 910 cm-1
ルのチャートを第2図に示す。 (13) 薄層クロマトグラフィー:固 定 相 展開溶媒 Rf値 シリカゲル板 酢酸エチル 0.64 (14) 物質の性質:中性物質
および1H核磁気共鳴スペクトルの測定の場合には、こ
の物質は種々の化学シフトについて信号の対を示した
が、薄層クロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグ
ラフィーの測定の場合には、FR−901155物質は
薄層クロマトグラフィーにおいては単一スポットを、高
速液体クロマトグラフィーにおいては単一ピークをそれ
ぞれ示した。上記物理的性質および化学的性質から、F
R−901155物質は下記化学構造を有すると推定さ
れる。
1155物質の生産 この発明のFR−901154物質およびFR−901
155物質は、ストレプトマイセス・ツクバエンシス(S
treptomyces tsukubaensis)第9993号のようなストレプ
トマイセス属に属するFR−901154物質生産菌株
および/またはFR−901155物質生産菌株の栄養
培地中の醗酵により生産することができる。
93号の凍結乾燥試料は日本、茨城県つくば市東1丁目1
−3の工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第
7886号の番号のもとに寄託されており(寄託年月日:19
84年10月5日)、次いで1985年10月19日付で新しい寄託
番号微工研条寄第927号として同寄託機関のブダペスト
条約ルートに切り換えられた。
であり、新規FR−901154物質およびFR−90
1155物質の生産が上記の特殊な菌の使用に限定され
るものでないことは言うまでもない。この発明にはま
た、記載の菌株から自然変異菌株ならびにX線照射、紫
外線照射、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグ
アニジン処理、2−アミノプリン処理等のような常法に
よって産生される人工変異菌株を含めて、FR−901
154物質および/またはFR−901155物質を生
産し得るいかなる変異菌株の使用も含まれる。
びFR−901155物質はFR−901154物質生
産菌株および/またはFR−901155物質生産菌株
を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地
中、好ましくは例えば振とう培養、深部培養等の好気条
件下に培養することにより生産することができる。
ス、キシロース、ガラクトース、グリセリン、スター
チ、デキストリン等のような炭水化物である。さらにマ
ルトース、ラムノース、ラフィノース、アラビノース、
マンノース、サリシン、コハク酸ナトリウム等のその他
の炭素源が含まれていてもよい。
ト、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、大豆粉、コー
ス・スティープ・リカー、乾燥イースト、小麦胚芽、羽
毛粉、落花生粉等はもちろんのこと、例えば硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム等のアン
モニウム塩類、尿素、アミノ酸等のような無機および有
機窒素化合物である。
と有利ではあるが、微量の生育因子および相当量の無機
質を含んでいれば、純度の低い物質も使用に適している
ので、それらを純粋な形で使用する必要はない。所望に
より、培地に炭酸ナトリウムまたは炭酸カルシウム、燐
酸ナトリウムまたは燐酸カリウム、塩化ナトリウムまた
は塩化カリウム、沃化ナトリウムまたは沃化カリウム、
マグネシウム塩類、銅塩類、コバルト塩等のような無機
塩類を加えてもよい。とりわけ培養培地が著しく発泡す
る場合には必要により液状パラフィン、脂肪油、植物
油、鉱油またはシリコーンのような消泡剤を添加しても
よい。
1155物質の大量生産条件としては、深部好気培養が
好ましい。少量生産にはフラスコまたはびん中振とう培
養または表面培養が行われる。さらにまた、生育を大型
タンク中で行う場合には、FR−901154物質およ
びFR−901155物質の生産過程における生育遅延
を回避するために、微生物の前培養を用いて生産タンク
中に菌を接種するのが好ましい。すなわち、比較的少量
の培養培地に微生物の胞子または菌糸を接種し、その接
種培地を培養して微生物の前培養接種物をまず生産し、
次いで培養した前培養接種物を無菌的に大型タンクに移
すのが望ましい。この前培養接種物を生産する培地は、
FR−901154物質およびFR−901155物質
の生産に使用される培地と実質的に同じであってもよ
く、また異なってもよい。
で行うことができる。撹拌はプロペラまたはこれに準ず
る撹拌装置を用いるか、醗酵器を回転させるかまたは振
とうするか、種々のポンプ装置を用いるか、または培地
中に滅菌空気を通すことによっても行うことができる。
通気は滅菌空気を醗酵混合物中を通過させることにより
行ってもよい。
ましくは25〜35℃で、約50〜250時間、好ましくは100〜
200時間行われるが、醗酵条件および醗酵規模によって
適宜変化させればよい。
54物質およびFR−901155物質は、他の既知の
生物学的活性物質の回収に通常使用される慣用の方法で
培養培地から回収することができる。生産されたFR−
901154物質およびFR−901155物質は、培
養菌糸中および濾液中に見出され、従ってFR−901
154物質およびFR−901155物質は、培養ブロ
スの濾過または遠心分離によって得られる菌糸および濾
液から、減圧濃縮、凍結乾燥、常用の溶媒による抽出、
pH調整、例えば陰イオン交換樹脂または陽イオン交換樹
脂、非イオン性吸着樹脂等の常用の樹脂による処理、例
えば活性炭、ケイ酸、シリカゲル、セルロース、アルミ
ナ等の常用の吸着剤による処理、結晶化、再結晶化等の
慣用の方法によって分離、精製することができる。
1155物質の薬理作用 FR−901154物質およびFR−901155物質
は免疫抑制作用、抗菌作用等のような薬理作用を有し、
従って心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、角膜等のような
臓器または組織の移植による拒絶反応、骨髄移植によっ
て起る移植片対宿主病、慢性関節リウマチ、全身性エリ
テマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無
力症、I型糖尿病、ベーチェット病等のぶどう膜炎等の
ような自己免疫疾患、春季角結膜炎および病原菌感染症
等の治療および予防に有用である。
よびFR−901155物質は、例えば、乾癬、アトピ
ー性皮膚炎、接触性皮膚炎およびその他の湿疹性皮膚
炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱
瘡、表皮水疱症、じん麻疹、血管水腫、脈管炎、紅斑、
皮膚性好酸球症、紅斑性狼瘡および円形脱毛症のような
炎症性および高増殖性皮膚疾患、ならびに免疫が関与す
る病気の皮膚への発現の治療および予防のための局所投
与として用いても有用である。
て、FR−901154物質およびFR−901155
物質の薬理試験結果を以下に示す。試験1 試験管内混合リンパ球反応(MLR)の抑制効果 各ウェルにC57BL/6応答細胞(H-2b)5×105個と、マイ
トマイシンC処理(マイトマイシンC25μg/mlで37℃で30
分間処理しRPMI1640培地で3回洗浄する)したBALB/C刺
激細胞(H-2d)5×105個を0.2mlの10%牛胎仔血清加RP
MI1640培地[炭酸水素ナトリウム2mM、ペニシリン(50
単位/ml)およびストレプトマイシン(50μg/ml)を添
加]に加えたマイクロタイタープレート中でMLR試験を
行う。湿度100%、二酸化炭素5%、空気95%に保った
培養器内で、37℃で、68時間、細胞を培養し、4時間 3
H−チミジン(0.5μCi)でパルスして、細胞を集め
る。この 発明の目的化合物をエタノールに溶解し、RPM
I1640培地に希釈し、培養物に添加し最終濃度を100mM以
下になるようにする。MLRを50%抑制するためのモル濃
度であるIC50値を常法によって計算し、その結果を下記
第1表に示す。
の抗菌作用 FR−901154物質およびFR−901155物質
の種々の真菌に対する抗菌活性をサブロー寒天中、寒天
倍々希釈法により測定した。最低発育阻止濃度(MIC)
を、30℃で24時間インキュベート後にμg/mlで表わし
た。FR−901154物質およびFR−901155
物質は両方とも下記のように真菌、例えば、アスペルギ
ルス・ニガー(Aspergillus niger)IFO 4417に対して
抗菌活性を示した。
は非経口適用に適した有機もしくは無機担体または賦形
剤と混合して、FR−901154物質またはFR−9
01155物質を有効成分として含有する、例えば、固
体状、半固体状または液状の医薬製剤の形として使用す
ることができる。有効成分は、例えば錠剤、ペレット
剤、カプセル剤、坐剤、液剤、エマルジョン、懸濁液お
よびその他の適切な形で使用でき、たとえば通常の無毒
で、医薬として許容される担体と混合してもよい。使用
されうる担体は水、グルコース、乳糖、アカシアゴム、
ゼラチン、マンニトール、スターチ・ペースト、マグネ
シウムトリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラ
チン、コロイドシリカ、ポテト・スターチ、尿素および
その他の固体状、半固体状または液状の製剤を製造する
のに適した担体であり、さらに賦形剤、安定剤、粘稠化
剤、着色剤、可溶化剤ならびに香料を使用してもよい。
特に、可溶化剤としては、例えばヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの水溶性セルロースポリマー、例え
ばプロピレングルコールなどの水溶性グルコール等が挙
げられる。目的化合物は疾患の経過または状態によって
所望の効果を発揮するのに十分な量が医薬製剤中に含有
される。
または内用投与によって適用するのが好ましい。FR−
901154物質またはFR−901155物質の治療
有効投与量は治療すべき各個々の患者の年齢および状態
によって変化するが、一日当り有効成分約0.01-1000m
g、好ましくは0.1-500mg、さらに好ましくは0.5-100mg
が一般的に疾患の治療に用いられ、平均1回投与量約0.
5mg、1mg、5mg、10mg、50mg、100mg、250mg、500mgが
一般的に投与される。
ス(0.5%)、綿実粉(1%)、乾燥イースト(0.5%)、コ
ーン・スティープ・リカー(0.5%)および炭酸カルシ
ウム(0.2%)を含む培養培地(pH6.5に調整)(100ml)
を500mlのエルレンマイヤーフラスコ8個それぞれに注
ぎ、120℃、30分間滅菌する。ストレプトマイセス・ツ
クバエンシス第9993号(寄託番号:微工研菌寄第7886
号)の斜面培養物の1白金耳を各培地に接種して回転振
とう器上30℃で72時間培養する。予じめ120℃で30分間
滅菌しておいた200lのジャーファーメンター中の、ア
デカノール(消泡剤、商標、旭電化社製)(0.05%)お
よびシリコーン(信越化学社製)(0.05%)を加えた同
じ種子培地(160l)に種子培養物を移す。160l/分の
通気下、200rpmの撹拌下に30℃で48時間培養を行った
後、予培養物30lを、予じめ120℃で30分間滅菌してお
いた可溶性スターチ(3%)、小麦胚芽(0.8%)、乾
燥イースト(0.4%)、コーン・スティープ・リカー(0.
6%)、炭酸カルシウム(0.1%)、アデカノール(0.05
%)およびシリコーン(0.05%)を含む4tタンク中のpH
6.8の生産培地(3000l)に接種する。1500l/分の通気
下、140rpmの撹拌下に25℃で168時間発酵を行う。
g)を用いて濾過する。菌糸体の塊をアセトン(1000
l)で抽出して抽出液1000lを得る。菌糸体からのアセ
トン抽出液と濾液(2700l)とを合わせ、非イオン性吸
着樹脂「ダイヤイオンHP-20」(商標、三菱化成工業社
製)(200l)のカラムに通す。50%アセトン水溶液(6
00l)で洗浄後、75%アセトン水溶液で溶出する。溶出
液の溶媒を減圧下に留去して水性残渣(40l)を得る。こ
の残渣を酢酸エチル(40l)で2回抽出する。酢酸エチ
ル抽出液を減圧濃縮して油状残渣を得る。油状残渣をn
−ヘキサンと酢酸エチルとの混合物(1:1、v/v、3
l)に溶解し、同溶媒系で充填したシリカゲル(メルク
社製、70-230メッシュ)(70l)を使用するカラムクロ
マトグラフィーに付す。
(1:1、v/v、420l;1:2、v/v、420l)、酢酸
エチル(210l)およびアセトン(210l)で溶出を行
う。溶出容量350lないし420l(第一溶出液)、490l
ないし840l(第二溶出液)および980lないし1190l(第
三溶出液)の画分をそれぞれ集める。
生成物をクロロホルムとアセトニトリルとの混合物
(2:1、v/v、400ml)に溶解し、シリカゲル(メル
ク社製、230−400メッシュ)(2l)を使用するカラム
クロマトグラフィーに付す。所望の化合物を含む画分を
集め、溶媒を減圧下に留去して精製FR-901154物質(6.8
g)を白色粉末として得る。
生成物をn−ヘキサンと酢酸エチルとの混合物(1:2.
5、v/v、25ml)に溶解し、同溶媒系で充填したシリカ
ゲル(230−400メッシュ)(750ml)を使用するカラム
クロマトグラフィーに付し、同溶媒系で溶出する。所望
の化合物を含む画分を集め、溶媒を減圧下に留去して得
る粗製粉末を同じシリカゲル(50ml)を使用する再クロ
マトグラフィーに付す。所望の化合物を含む画分を集
め、減圧下に蒸発乾固して、精製FR-901155物質(390m
g)を白色粉末として得る。
生成物をn−ヘキサンと酢酸エチルとの混合物(1:
1、v/v、5l)に溶解し、硝酸銀(20%、w/w)と混合
したシリカゲル(70-230メッシュ)(70l)を使用するカ
ラムクロマトグラフィーに付す。同じ溶媒(350l)で
洗浄後、n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合物(1:
2、v/v、490l)で溶出する。所望の化合物を含む画
分を集め、溶媒を減圧下に留去して粗製粉末を得る。こ
の粉末を酢酸エチル(100ml)に溶解し、次いで同じ溶
媒を使用してシリカゲル(230-400メッシュ)(1000m
l)を使用するクロマトグラフィーに付す。活性画分を
集め、減圧下に蒸発乾固する。残渣をアセトニトリルと
水との混合物(1:2、v/v、30ml)から結晶化させ
る。この結晶を60%アセトニトリル水溶液(10ml)に溶
解し、「ダイヤイオンCHP-20」(商標、三菱化成工業社
製)(100ml)を使用するクロマトグラフィーに付す。溶
媒を留去後、残渣を再結晶して、精製FR−90115
6物質(270mg)を無色プリズムとして得る。
び化学的性質 (1) 質量スペクトル:FAB-MS : m/z 828 (M+Na) (2) 分子式:C44H71NO12 (4) 呈色反応:硫酸セリウム反応、硫酸反応、エールリ
ッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応および沃素蒸気反応に
陽性。塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反応およびモーリ
ッシュ反応に陰性。 (5) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸
エチル、クロロホルム、ジエチルエーテル、ベンゼンお
よびアセトニトリルに可溶。n−ヘキサンおよび石油エ
ーテルに難溶。水に不溶。 (6) 融点:146-147℃ (7) 比旋光度:[α]23 D:-74°(C=1.8, CHCl3) (8) 紫外線吸収スペクトル:末端吸収 (9) 赤外線吸収スペクトル: νCHCl3 max:3570, 3500, 2940, 2880, 2820, 1740, 1
710, 1700, 1640,1460, 1450, 1380, 1350, 1320, 128
0, 1230, 1190, 1170,1140, 1100, 1090, 1050, 1040,
1000, 990, 940, 910 cm-1
ルのチャートを第3図に示す。 (12) 薄層クロマトグラフィー:固 定 相 展開溶媒 Rf値 シリカゲル板 酢酸エチル 0.51 (13) 物質の性質:中性物質
R−901156物質は、1,14−ジヒドロキシ−12−
[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシ
ル)−1−メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,1
9,21,27−テトラメチル−17−プロピル−11,28−ジオキ
サ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス
−18−エン−2,3,10,16−テトラオンであると推定さ
れる。
目的化合物、すなわちFR−901154物質およびF
R−901155物質は単離、精製され、そしてさらに
またその他の化合物、例えばFR−901156物質、
FR−900506物質およびFR−900520物質
から分離される。
kg)を用いて濾過する。菌糸体の塊をアセトン(1000
l)で抽出して抽出液1000lを得る。菌糸体からのアセ
トン抽出液と濾液(2700l)とを合わせて非イオン性吸着
樹脂「ダイヤイオンHP-20」(200l)のカラムに通す。
50%アセトン水溶液(600l)で洗浄後、75%アセトン
水溶液で溶出する。溶出液の溶媒を減圧下に留去して水
性残渣(600l)を得る。この残渣を活性炭(顆粒状、
武田薬品工業社製)(150l)を含むカラムに通す。50
%アセトン水溶液(200l)で洗浄後、酢酸エチル(400
l)で溶出する。酢酸エチル溶出液を減圧濃縮して油状
残渣を得る。油状残渣をn−ヘキサンと酢酸エチルとの
混合物(2:1、v/v、20l)に溶解し、同溶媒系で充
填したシリカゲル(70-230メッシュ)(70l)を使用す
るカラムクロマトグラフィーに付す。
(1:1、v/v、140l;1:2、v/v、420l)、酢酸
エチル(140l)およびメチルアルコール(100l)で溶出
する。溶出容量250lないし550l(第一溶出液)、700
lないし800l(第二溶出液)の画分をそれぞれ集め
る。
生成物をクロロホルムとアセトニトリルの混合物(2:
1、v/v、400ml)に溶解し、シリカゲル(230-400メッ
シュ)(2l)を使用するカラムクロマトグラフィーに
付す。所望の化合物を含む画分を集め、溶媒を減圧下に
留去して、精製FR−901154物質(9.3g)を白
色粉末として得る。
生成物をn−ヘキサン、アセトンおよびメチルアルコー
ルの混合物(40:20:1、v/v/v、20l)に溶解し、
硝酸銀(20%、w/w)と混合したシリカゲル(70-230メ
ッシュ)(70l)を使用するカラムクロマトグラフィー
に付し、同溶媒(400l)で展開する。160lないし190l
(第三溶出液)、190lないし220l(第四溶出液)およ
び250lないし400l(第五溶出液)の画分をそれぞれ集
める。
生成物を酢酸エチル(100ml)に溶解し、次いで同溶媒
でシリカゲル(230-400メッシュ)(1l)を使用する
クロマトグラフィーに付す。活性画分を集め、減圧下に
蒸発乾固する。残渣をアセトニトリルと水との混合物
(1:2、v/v、30ml)から結晶化させる。この結晶を
60%アセトニトリル水溶液(10ml)に溶解し、「ダイヤ
イオンCHP-20」(商標、三菱化成工業社製)(100ml)
を使用するクロマトグラフィーに付す。溶媒を留去後、
残渣を再結晶して精製FR−901156物質(400mg)
を無色プリズムとして得る。
る。油状残渣をメチルアルコール(5ml)に溶解し、
「オクタデシルC-18ゲル」(商標、山村化学社製、60-2
00メッシュ)(800ml)を使用するカラムクロマトグラフ
ィーに付す。80%メチルアルコール水溶液で溶出する。
所望の化合物を含む画分を集め、溶媒を減圧下に留去し
て水性残渣を得る。この残渣を酢酸エチル(400ml)で
抽出する。酢酸エチル抽出液を減圧下に蒸発乾固する。
この生成物をアセトニトリルと水との混合物(1:2、
v/v、9ml)から結晶化させて、精製FR−90052
0物質(390mg)を無色プリズムとして得る。
る。油状残渣をエチルアルコールと水との混合物(1:
2、v/v、900ml)から結晶化させる。この結晶を酢酸
エチルから再結晶して、精製FR−900506物質
(80g)を無色プリズムとして得る。
をn−ヘキサンと酢酸エチルとの混合物(1:2、v/
v、500ml)に溶解し、シリカゲル(70-230メッシュ)
(7l)を使用するカラムクロマトグラフィーに付す。
n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合物(1:2、v/v、
2.5l)で溶出する。所望の化合物を含む画分を集め、減
圧下に蒸発乾固して得る粗製粉末と同じシリカゲル(100
ml)を使用して再クロマトグラフィーを行う。所望の化
合物を含む画分を集め、減圧下に蒸発乾固して、精製F
R−901155物質(750mg)を白色粉末として得
る。
ペクトルを示す。
ペクトルを示す。
ペクトルを示す。
を第1図に示す。 (13) 薄層クロマトグラフィー:固 定 相 展開溶媒 Rf値 シリカゲル板 酢酸エチル 0.22 (14) 物質の性質:中性物質;および/または1,14−ジ
ヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
シシクロキシル)−1−メチルビニル]−23,25−ジメ
トキシ−13,19,21,27−テトラメチル−17−プロピル−1
1,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9
オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオンであ
るFR−901156物質を回収することを特徴とする
FR−901154物質および/またはFR−9011
56物質の生産法。
Claims (3)
- 【請求項1】 1)下記の物理的性質および化学的性質を
有するFR−901154物質; (1) 形状および色調:白色粉末 (2) 質量スペクトル:FAB-MS : m/z 812 (M+Na) (3) 分子式:C43H67NO12 (5) 呈色反応:硫酸セリウム反応、硫酸反応、エールリ
ッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応および沃素蒸気反応に
陽性。塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反応およびモーリ
ッシュ反応に陰性。 (6) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸
エチル、クロロホルム、ジエチルエーテル、ベンゼンお
よびアセトニトリルに可溶。n−ヘキサンおよび石油エ
ーテルに難溶。水に不溶。 (7) 融点:96-97℃ (8) 比旋光度:[α]23 D:-65°(C=1.7, CHCl3) (9) 紫外線吸収スペクトル:末端吸収 (10) 赤外線吸収スペクトル: νCHCl3 max:3570, 3500, 2920, 2860, 2820, 1740, 1
710, 1700, 1640,1460, 1450, 1380, 1340, 1280, 121
0, 1190, 1170, 1140,1100, 1090, 1050, 1010, 1000,
990, 960, 920 cm-1 (11) 13C核磁気共鳴スペクトル: 【表1】 (12) 1H核磁気共鳴スペクトル:スペクトルのチャート
を第1図に示す。 (13) 薄層クロマトグラフィー:固 定 相 展開溶媒 Rf値 シリカゲル板 酢酸エチル 0.22 (14) 物質の性質:中性物質,および 2) 下記の物理的性質および化学的性質を有するFR−
901155物質; (1) 形状および色調:白色粉末 (2) 質量スペクトル:FAB-MS : m/z 810 (M+Na) (3) 分子式:C43H65NO12 (5) 呈色反応:硫酸セリウム反応、硫酸反応、エールリ
ッヒ反応、ドラーゲンドルフ反応および沃素蒸気反応に
陽性。塩化第二鉄反応、ニンヒドリン反応およびモーリ
ッシュ反応に陰性。 (6) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、酢酸
エチル、クロロホルム、ジエチルエーテル、ベンゼンお
よびアセトニトリルに可溶。n−ヘキサンおよび石油エ
ーテルに難溶。水に不溶。 (7) 融点:76−81℃ (8) 比旋光度:[α]23 D: -53゜ (C=1.8, CHCl3) (9) 紫外線吸収スペクトル:末端吸収 (10) 赤外線吸収スペクトル: νCHCl3 max:3500, 2920, 2870, 2820, 1740, 1710, 1
640, 1460, 1450,1380, 1340, 1320, 1280, 1230, 119
0, 1170, 1140, 1100,1040, 1000, 990, 960, 910 cm-1 (11) 13C核磁気共鳴スペクトル: 【表2】 (12) 1H核磁気共鳴スペクトル:スペクトルのチャート
を第2図に示す。 (13) 薄層クロマトグラフィー:固 定 相 展開溶媒 Rf値 シリカゲル板 酢酸エチル 0.64 (14) 物質の性質:中性物質、 から選択された化合物。 - 【請求項2】 ストレプトマイセス(Streptomyces)属
に属するFR−901154物質生産菌株および/また
はFR−901155物質生産菌株を栄養培地中培養
し、FR−901154物質および/またはFR−90
1155物質を回収することを特徴とするFR−901
154物質およびFR−901155物質から選択され
た化合物の生産法。 - 【請求項3】 有効成分としてFR−901154物質
およびFR−901155物質から選択された化合物を
含有する免疫抑制剤。
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