JPH1098280A - コード収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ２点支持のコードを操作が簡単でコンパクト
な収納装置に収納すること。 【解決手段】 両端が夫々適用機器上の所定の固定点に
支持されたコードを、一端が上記適用機器上の上記コー
ドの近傍に固定された筒状のコード収納袋内に収納する
ために、コード収納装置は、上記コードを側方から捕獲
して上記筒状のコード収納袋の中を移動可能なコード搬
送部材を有し、該コード搬送部材に一端が取り付けられ
他端が上記コード収納袋の他端から袋外に引き出された
スリングを有して成り、スリングを引くことによりコー
ドをコード収納装置内に収納するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コード収納装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】線材或いはコード類の処理について、１
点支持（片端固定、片端開放）の場合には、電気掃除機
に見られるようなコードリール巻き取り方式が有効であ
るが、２点支持、即ち、コード類の両端が固定されてい
る場合には、その処理方法に有効なものが少ない。

【０００３】代表的なものとして、リール巻き取り方
式、滑車巻き取り方式等がある。図９，図１０はそれら
の方式について図解したものである。

【０００４】図９は、リール巻き取り方式について図解
したものである。同図の（１）に示すとおり、リールは
円盤上に２本のピンが植設された構造になっており、コ
ードがこの２本のピンに係合した状態で支持されてい
る。このリールを同図の（２）（３）に示すように矢印
の方向に回転すると、２本のピンに引っ張られるように
して両側のコードがリールに巻き付けられる。

【０００５】図１０は、滑車巻き取り方式について説明
したものである。同図の（１）に示す通り、複数の固定
滑車と移動滑車を平行して２列に並べ、コードを固定滑
車と移動滑車に交互に掛ける構造となっている。図１０
の（１）と（２）を対比して見ると明らかなとおり、移
動滑車は固定滑車に対して接近したり遠ざかったりする
ように移動することができ、従って、（１）のように固
定滑車と移動滑車が近接しているときは、この滑車部に
留まるコードの量は少なく、外にでているコードが長く
なる。しかしながら、（２）のように固定滑車と移動滑
車の間の距離が長いと、この滑車部に留まるコードの量
は多くなるので、外に出ているコードの長さは短くな
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、例え
ば図１１，図１２に示すような探索型プローブを用いた
遠隔監視装置に適用して最適な２点支持されたコードの
収納装置を提供することにある。

【０００７】図１１，図１２を参照してここに例示する
遠隔監視装置は、ポールｅの先が伸縮可能なプローブｂ
になっており、この先端に小型のカメラが取り付けられ
ている。このカメラで撮像された映像信号は操作者の手
元にディスプレイするために通信回線を使って伝送され
る。また、操作者の手元のコントロールボックスからカ
メラの方向を制御するための遠隔制御信号をプローブ先
端の制御機器に送る様になっている。

【０００８】これらの電源及び通信コードはプローブ先
端からポールｅの内部を通って該ポールの後端からポー
ル外に取り出すようにして操作者の手元まで伸びてい
る。ところが、上述のとおり、プローブｂは伸縮できる
ようになっているので、プローブが短くなった時には図
１１に示すようにポールの外に出るコードの長さが長く
なり、狭い場所で操作する場合に操作者の邪魔になった
り、高い場所で操作する場合に周囲の物に引っ掛かって
操作者に危険が及ぶこともありうる。

【０００９】そこで、上記従来のコード収納方式を適用
しようとしても、何れの方式も構造、機構が複雑であっ
て、コード収納装置が大型化する等の欠点がある。ま
た、図１０の方式では動作が直線的になるため、装置内
にコンパクトに納めるという要求のある場所には採用し
がたい。

【００１０】特に、上記のような機動性を重視する装置
においては、電源、映像、音声等の種々の線が複雑に交
錯しており、これらを使用目的に合わせて装置内に確実
に収納し、その操作性、機動性を発揮し、かつ、使用者
の安全が確保されなければならないので、それらの要求
を満たすコード収納装置の開発が望まれるところであ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のコード収納装置は、下記の手段を備えてい
る。即ち、両端が夫々適用機器上の所定位置に支持され
たコードと、一端が上記適用機器上の上記コードの近傍
に固定された筒状のコード収納袋と、上記コードを側方
から捕獲して上記筒状のコード収納袋の中を移動可能な
コード搬送部材と、一端が上記コード搬送部材に取り付
けられ他端が上記コード収納袋の他端から袋外に引き出
されたスリングと、を備えている。

【００１２】上記コード収納装置は、その収納袋が上記
適用機器を運搬するための肩掛けベルトに一体的に取り
付けられ、該コード収納袋の他端から所定距離隔てたベ
ルト上の位置に上記スリングを収納するポケットを設
け、該ポケット又はその近傍に上記スリングの他端が取
り付けられた構造とすることができる。

【００１３】上記コード収納装置は更にまた、上記コー
ド収納袋が、上記適用機器を運搬するための肩掛けベル
トに一体的に取り付けられ、該コード収納袋の両端から
夫々所定距離隔てたベルト上の位置に設けられた２つの
孔と、前記コード搬送部材に両端が結び付けられ上記２
つの孔を通して循環的に移動可能なスリングを備えた構
造とすることができる。

【００１４】上記コード収納装置に用いるコード搬送部
材としては、リング状部材、滑車等を用いることができ
る。

【００１５】本発明の他の観点に従えば、本発明のコー
ド収納装置は下記の手段を用いて上記課題を解決する。
即ち、両端が適用機器上の所定位置に固定支持されたコ
ードと、開口部が上記適用機器上の上記コードの近傍に
位置するように配設された渦巻き筒状のコード収納体
と、上記コードを側方から捕獲して上記渦巻き筒状のコ
ード収納体の中を移動可能なコード搬送部材と、一端が
上記コード搬送部材に取り付けられ該コード搬送部材を
上記コード収納体の最奥端に向けて牽引する牽引部材
と、を備えたコード収納装置とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明のコード収納装置の一実施
の形態として、図１，図２に示す様な探索型プローブを
使った装置に適用するコード収納装置について説明す
る。この探索型プローブを使った装置では、プローブｂ
を収縮又は伸長すると、これに伴って、ポールｅの長さ
が短くなったり長くなったりして、そのポール内に這わ
せたコードｊがポール後端ａからポール外に出たり入っ
たりする。

【００１７】図１は、プローブｂが収縮した状態、図２
は、プローブｂが伸長した状態におけるコート収納の様
子を示す。

【００１８】図１，図２に示すように、本発明のコード
収納装置の第１の実施の形態によれば、ポールの外に出
たコードは肩掛けベルトｋに一体に形成された筒状アウ
ターガイド（収納袋）ｆ内に収納される。図１は上記図
１１に対応し、プローブが収縮した状態でのコードの収
納状況を示し、図２は上記図１２に対応し、プローブが
伸長した状態でのコードの収納状況を示している。

【００１９】そこで、図１の探索型プローブについて説
明する。ここでは、この探索型プローブは遠隔監視装置
として用いられているものとして説明する。コードｊは
プローブｂの先端に取り付けられたカメラからの映像信
号や音声信号を操作者の手元に伝送したり、カメラの動
きを制御するコントロール信号をコントロールボックス
から先端の制御機器に伝送したり、カメラや制御機器に
電源供給を行う等のためのコードである。

【００２０】このコードｊは、ポール先端の機器からポ
ールｅの中空内を通ってポールの後端に達し、ポール後
端ａからポール外に出て、後述する滑車またはリング
（以下、コード搬送部材という）ｉに捕獲されて筒状の
アウターガイド内に入り、コード搬送部材の所で折り返
し、該アウターガイドから外に出てポールｅの後端近傍
のポール上に固定支持されている。

【００２１】肩掛けベルトｋのポール後端側には、筒状
のアウターガイド（コード収納袋）ｆが設けられてお
り、上記コード搬送部材（滑車又はリング）ｉがそのア
ウターガイドの中を通って、該アウターガイドの奥の方
（肩掛けベルトのプローブ側端方向）に移動するように
なっている。

【００２２】コード搬送部材ｉにはスリングｈの一端が
結ばれており、該スリングの他端は肩掛けベルトｋに付
けられたポケット又はその近辺に取り付けられている。
従って、この検索型プローブの操作者がスリングｈをア
ウターガイドｆの他端から引き出すように引くと、コー
ド搬送部材ｉはアウターガイドを構成するコンジット
（conduit)ｆの入り口付近から奥の方に移動するので、
コードｊがコンジットｆ内に収納される。収納されるコ
ードの長さはスリングｈの引き出される長さの２倍にな
るので、長いコードを収納することができる。

【００２３】引き出されたスリングｈはポケットｇ内に
収納することが出来るようになっている。図１は、ポー
ルｅから外に出たコードが長い場合を示し、図２は、外
に出たコードが短い場合を示している。

【００２４】コンジットｆ内に収納されたコードｊは、
プローブｂを伸長したときに、コードｊがポールｅ内に
引き込まれるに伴って、コンジット内から引き出され
る。

【００２５】コードがコンジットｆ内にいっぱいになっ
たことを表示するためにスリングｈのコード搬送部材ｉ
に取り付けられた側（リング又は滑車に結び付けられた
側）の適正位置に巻き終わりマークを付けるとよい。図
３はその一例を示したものである。

【００２６】スリングｈの反対側の端はポケットｇ又は
その近傍に取り付ける。図４は、その一例を示すもの
で、ポケットの袋面に開けた２つの孔に通して留めてあ
る。

【００２７】次に、本発明の第２の実施の形態として、
スリングｈをループ状に形成したコード収納装置につい
て説明する。図５に示すとおり、肩掛けベルトｋに２つ
の孔ｍ，ｎを設け、これらの孔にスリングｈを通し、該
スリングｈの両端をコード搬送部材につないでループ状
にする。肩掛けベルトの表面（コード搬送部材が配され
た面）に図示のようなコード収納袋ｆを設け、該コード
収納袋の一端開口近くでコード搬送部材ｉによってコー
ドを側方から捕らえ、コード収納袋の他端開口からスリ
ングｈを引き出すことによりコードをコード収納袋内に
入れるようにする。肩掛けベルトｋの裏面には、図示の
ような袋ｐをスリングｈの通路を覆うように設ける。

【００２８】一例として、コード収納袋は樹脂性（ナイ
ロン）コンジェットとし、袋の幅は例えば９０ｍｍとす
る。この材質及び寸法は、コードを収納する際の滑りの
良さとコードが逆戻りして抜け出さないことを考慮して
決める。なお、収納されたコードは２つ折りになってい
るので、その復元力によって袋の面に力を及ぼすから、
それによっても抜けだし防止になっている。

【００２９】コード搬送部材は、図６に示すように、リ
ング、滑車等が用いられる。図６の（ａ）はリングを用
いた例を示し、リングの材質は例えばポリプロピレンと
し、丸棒を曲げて形成した場合、棒の径は８ｍｍ，リン
グの短径は４０ｍｍ，長径は７０ｍｍとする。リングに
は割をいれる。図６の（ｂ）は滑車を用いた場合を示
す。

【００３０】上記２つの実施の形態においては、何れも
コードをコード収納袋に収納する方法がとられている
が、次に図７，図８を参照して説明するコード収納装置
の第３の実施形態においては、コードを円形のケース
（コード収納体）に収納する方法がとられる。この方法
は図９を参照して説明した従来のコード収納方式に似て
いるが、コードの太さ、重さ、曲げ応力等が適したもの
であれば本発明のコード収納装置として有効である。

【００３１】図７に示すとおり、ポールｅの後端ａから
コードｊがポール外に出て、コントロールボックスに接
続される構造となっているが、このポール外に出るコー
ドの長さはポール先端のプローブが短くなると長くな
る。そこで、ポールの後端近傍に円形ケースｑでなるコ
ード収納装置を取り付けて、その中にコードを収納する
ようにする。

【００３２】図８は、上記円形ケースｑの内部の構造を
示したもので、渦巻き状に形成された隔壁によりコード
収納空間が形成されている。渦巻きの最外殻の開口から
コードを中へ収納する方法は、上述のコード収納袋の場
合と類似の方法がとられる。

【００３３】図８の（ａ）の場合には、隔壁の最奥部の
壁端に一端が固着されたショックコードｒの他端をコー
ド搬送部材ｉに取り付け、このコード搬送部材によって
コードを側方から捕獲してコード収納空間内に引き込
む。コードに弛みがあって外に引き出す力が働かないと
きには、ショックコードによってコードは奥のほうに引
き込まれ、コードに外部から引き出そうとする力が働く
とコードは円形ケースｑ外に出される。

【００３４】図８の（ｂ）の場合には、円形ケースの内
部に渦巻き状に形成された隔壁によりコード収納空間が
形成されるとともに、その円形ケースの中心部に巻き取
りロールが設けられ、外部から回転力を与えることによ
り、巻き取りロールを回転させ、コード搬送装置によっ
て運ばれてくるコードを巻き取るようになっている。

【００３５】

【発明の効果】

（１）本発明のコード収納装置を用いれば、使用する機
器の外部に出たコードを目立たない場所にコンパクトに
収納できるので、機器の美観が著しく向上する。また、
コード類が機器の外部に出たままになっていると、狭い
場所で機器を操作する場合、そのコードが周囲の物体に
引っ掛かる等の不都合が生じる可能性があるが、コード
を収納することによって操作性が向上する。 （２）従来の探索型プローブ等にあっては、高い所で使
う場合に、ポール外に出たコードが周囲の物体に引っ掛
かると操作者に危険が及ぶことがあり得るが、本発明の
コード収納装置を採用することにより、ポール外に出た
コードをなくすことができるので操作者の安全性が確保
される。このように、狭い場所や高い場所で使用するこ
とができるということで、その機動性が著しく向上す
る。 （３）コンジットコード等を併用することで、自由な曲
線によるコードの収納が可能である。 （４）本願発明のコード収納装置の円形コード収納ケー
スを使った実施形態によれば、現存の電気掃除機等と同
様に、２点（両端）支持のコードの半自動送り出し引き
込みが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコード収納装置の一実施形態を示す模
式図である。

【図２】本発明のコード収納装置の一実施形態を示す模
式図である。

【図３】スリングの巻き終わりマークを有するコード収
納装置の一部の斜視図である。

【図４】スリングの留め方を示したコード収納装置の一
部の斜視図である。

【図５】ループ状スリングを有するコード収納装置の一
部の斜視図である。

【図６】本発明コード収納装置に適用可能なコード搬送
部材の模式図である。

【図７】本発明のコード収納装置の他の実施の形態を示
す模式図である。

【図８】（ａ）及び（ｂ）は渦巻き状コード収納空間を
有する円形ケースの模式図である。

【図９】従来の２点支持コード収納方式の一例を示す模
式図である。

【図１０】従来の２点支持コード収納方式の他の例を示
す模式図である。

【図１１】従来の遠隔監視装置等に用いる探索型プロー
ブの外観図である。

【図１２】従来の遠隔監視装置等に用いる探索型プロー
ブの外観図である。

【符号の説明】

ａ ポール後端 ｂ プローブ ｅ ポール ｆ アウターガイド（コード収納袋） ｇ ポケット ｈ スリング ｉ コード搬送部材 ｊ コード ｋ 肩掛けベルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 一 東京都品川区西五反田３丁目９番17号 ソ ニーマグネスケール株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端が夫々適用機器上の所定の固定点に
   支持されたコードと、 一端が上記適用機器上の上記コードの近傍に固定された
   筒状のコード収納袋と、 上記コードを側方から捕獲して上記筒状のコード収納袋
   の中を移動可能なコード搬送部材と、 一端が上記コード搬送部材に取り付けられ他端が上記コ
   ード収納袋の他端から袋外に引き出されたスリングと、
   を備えたコード収納装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のコード収納装置におい
   て、前記コード収納袋が、前記適用機器を運搬するため
   の肩掛けベルトに一体的に取り付けられ、該コード収納
   袋の他端から所定距離隔てたベルト上の位置に前記スリ
   ングを収納するポケットを設け、該ポケット又はその近
   傍に上記スリングの他端が取り付けられた、コード収納
   装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のコード収納装置におい
   て、前記コード収納袋が、前記適用機器を運搬するため
   の肩掛けベルトに一体的に取り付けられ、該コード収納
   袋の両端から夫々所定距離隔てたベルト上の位置に設け
   られた２つの孔と、前記コード搬送部材に両端が結び付
   けられ上記２つの孔を通して循環的に移動可能なスリン
   グを備えたコード収納装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３の何れか１つに記載のコー
   ド収納装置において、前記コード搬送部材がリング状部
   材であるコード収納装置。
5. 【請求項５】 請求項１〜３の何れか１つに記載のコー
   ド収納装置において、前記コード搬送部材が滑車である
   コード収納装置。
6. 【請求項６】 両端が適用機器上の固定点に支持された
   コードと、 開口部が上記適用機器上の上記コードの近傍に位置する
   ように配設された渦巻き筒状のコード収納体と、 上記コードを側方から捕獲して上記渦巻き筒状のコード
   収納体の中を移動可能なコード搬送部材と、 一端が上記コード搬送部材に取り付けられ該コード搬送
   部材を上記コード収納体の最奥端に向けて牽引する牽引
   部材と、を備えたコード収納装置。