JPH1097861A - 溶融炭酸塩型燃料電池 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池

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JPH1097861A
JPH1097861A JP8271902A JP27190296A JPH1097861A JP H1097861 A JPH1097861 A JP H1097861A JP 8271902 A JP8271902 A JP 8271902A JP 27190296 A JP27190296 A JP 27190296A JP H1097861 A JPH1097861 A JP H1097861A
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憲仁 桧垣
Ikuo Nagashima
郁男 永島
Seiji Terada
誠二 寺田
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YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCH
YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCHI HATSUDEN SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電解質保持材粒子の粗大化を抑制して電池寿
命を長くするようにした溶融炭酸塩型燃料電池。 【解決手段】 元素周期表3B族であるAl,Ga,I
n,元素周期表3A族であるSc,Y,ランタノドの群
から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物、又はリチ
ウム化された上記の群から選ばれた少なくとも一種の金
属の酸化物を電解質保持材とし、それにこの電解質保持
材と異種の元素周期表3B族であるAl,Ga,In,
元素周期表3A族であるSc,Y,ランタノイドの群か
ら選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物もしくは炭酸
塩、又はリチウム化された上記の群から選ばれた少なく
とも一種の金属の酸化物を添加材として加え、電解質と
ともに電解質板11を形成する、アルカリ金属炭酸塩を
電解質とし、この電解質を電解質保持材とともに板状に
加工して電解質板11を形成し、それを燃料極12と空
気極14との間に保持した溶融炭酸塩型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料
電池、詳しくは、電解質保持材粒子の粗大化を抑制して
電池寿命を長くするようにした溶融炭酸塩型燃料電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融炭酸塩型燃料電池としては、
溶融アルカリ炭酸塩を用いる系が一般的である。すなわ
ち、図5に示すように、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩又はこれら
の混合物を電解質とし、これをリチウムアルミネート
(LiAlO2)などの耐溶融塩性の粉末とともに板状
に加工して電解質板10を形成し、この電解質板10を
燃料極(アノード)12と空気極(カソード)14との
間に保持して燃料電池を構成している。図5は、一例と
して、電解質としてLi2CO3とK2CO3との混合物を
用い、電解質保持材としてLiAlO2を用いる場合を
示している。16はセパレータで、上面又は下面に燃料
を流すための溝を有し、その反対面に酸化剤を流すため
の溝を有している。
【0003】図6は、図5における電解質板10の断面
の一例を示している。18は粉末状の電解質保持材で、
電解質はこれらの粉末状の保持材18間に毛管現象によ
り保持される。20は補強繊維である。なお、補強繊維
を用いない場合もある。
【0004】上記のアルカリ金属炭酸塩を電解質とする
溶融炭酸塩型燃料電池の場合、その電気化学的反応は次
式(1)、(2)のように進行し、イオン伝導は炭酸イ
オン(CO3 2-)によって行われる。 アノード: H2+CO3 2-→H2O+CO2+2e- (1) カソード: 1/2O2+CO2+2e-→CO3 2- (2) アノード12においては、水素が電極細孔内を拡散して
電解質及び電極と三相界面を形成し、上記式(1)の反
応が進行して水(スチーム)、炭酸ガス及び電子とな
る。一方、カソード14においては、酸素及び炭酸ガス
が電極細孔内を拡散して、上記と同様に電解質及び電極
と三相界面を形成し、上記式(2)の反応が進行して炭
酸イオンとなる。炭酸イオンはカソードからアノードに
イオン伝導し、電子は外部回路を通ってアノードからカ
ソードに到達する。
【0005】アノード12としては、還元性雰囲気中で
溶融炭酸塩に耐える必要があるところから、多くの導電
性材料のうち、ニッケルが用いられ、さらには、これに
作動時での過焼結(シンタリング)を抑制する目的で、
アルミナ、クロム、コバルトなどの添加剤が加えられる
ことがある。すなわち、従来はアノードとして、Ni,
Ni−Al,Ni−Cr,Ni−CoなどのNi系多孔
質板が用いられている。一方、カソード14としては、
酸化性雰囲気中で耐溶融塩性を必要とするところから、
リチウムをドープした酸化ニッケルなどが用いられてい
る。また、セパレータ16としては、SUSなどが用い
られている。
【0006】従来技術として、特開平1−253166
号公報には、保持材の溶融塩への溶解度を小さくするた
めに、電解質保持材料として、従来のLiAlO2の代
わりに、LiGaO2、LiInO2、Li2SnO3など
を用いた溶融炭酸塩型燃料電池の電解質板が開示されて
いる。また、特開平8−55628号公報には、微粒子
からなる保持材及び短繊維からなる補強材を含む多孔質
体と、この多孔質体に含浸された混合アルカリ炭酸塩を
含む電解質とから構成された電解質板を備えた溶融炭酸
塩型燃料電池が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶融炭酸塩型燃料電池
で使用されている電解質保持材(粒子)は、通常、Li
AlO2であり、燃料電池の運転により溶融塩中への溶
解と粒子上への再析出を繰り返すため、粒子が成長して
いくことが知られている。この粒成長は、電解質板の細
孔構造を変化させ、溶融塩の保持力低下を招くため、燃
料電池の寿命を縮める要因となっている。このため、上
記の特開平1−253166号公報に記載されているよ
うに、電解質保持材としてLiAlO2の代わりに、L
iGaO2やLiInO2などを用い、保持材の溶解度を
低下させて粒成長を抑制することも検討されている。し
かし、これらの電解質保持材を用いた場合においても、
ある程度の粒成長は進んでおり、燃料電池の長寿命化を
図るには十分でなかった。また、LiAlO2は比較的
安価であるが、LiGaO2,LiInO2は高価である
という問題点もある。また、上記の特開平8−5562
8号公報記載の燃料電池の電解質板における電解質保持
材及び補強材としての短繊維は、リチウムアルミネー
ト、リチウム化ジルコニア、安定化ジルコニア、リチウ
ムタンタレート、リチウムナイオベート及びリチウムチ
タネートの群から選ばれる少なくとも1つの材料からな
るものであり、この公報には、保持材と異種の添加物を
加えるという本発明の特徴は何ら記載も示唆もされてい
ない。
【0008】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので
あり、その目的は、元素周期表3B族(Al,Ga,I
n)の酸化物、3A族(Sc,Y,ランタノイド)の酸
化物、リチウム化した3B族(Al,Ga,In)の酸
化物、又はリチウム化した3A族(Sc,Y,ランタノ
イド)の酸化物を電解質保持材とし、これに異種の3B
族(Al,Ga,In)の酸化物もしくは炭酸塩、3A
族(Sc,Y,ランタノイド)の酸化物もしくは炭酸
塩、リチウム化した3B族(Al,Ga,In)の酸化
物、又はリチウム化した3A族(Sc,Y,ランタノイ
ド)の酸化物を添加材として加えることにより、電解質
保持材の粒成長を抑制して、長寿命化を図ることができ
る溶融炭酸塩型燃料電池を提供することにある。また、
本発明の他の目的は、上記の添加材を保持材に加える代
わりに、電極等の電解質板以外の部材へ添加することに
より、上記の同様の効果を奏するようにした溶融炭酸塩
型燃料電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の溶融炭酸塩型燃料電池は、アルカリ金属
炭酸塩を電解質とし、この電解質を電解質保持材ととも
に板状に加工して電解質板を形成し、この電解質板を燃
料極と空気極との間に保持した溶融炭酸塩型燃料電池に
おいて、元素周期表3B族であるAl,Ga,In,元
素周期表3A族であるSc,Y,ランタノイドの群から
選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物、又はリチウム
化された上記3B族及び3A族の群から選ばれた少なく
とも一種の金属の酸化物を電解質保持材とし、この電解
質保持材にこの電解質保持材と異種の元素周期表3B族
であるAl,Ga,In,元素周期表3A族であるS
c,Y,ランタノイドの群から選ばれた少なくとも一種
の金属の酸化物もしくは炭酸塩、又はリチウム化された
上記3B族及び3A族の群から選ばれた少なくとも一種
の金属の酸化物を添加材として加えて構成される。
【0010】例えば、LiAlO2粉末を保持材として
使用し、Ga23粉末を添加(保持材と混ぜる)して電
解質板を形成する。すなわち、電解質板は、保持材、添
加材及び電解質から形成される。この場合、添加材はL
iAlO2以外の1種でも2種以上でも構わない。添加
材は電解質中へ溶解して効果を発揮すると考えられるの
で、電解質中の濃度が飽和溶解度以上となる量を添加す
ることが望ましい。
【0011】添加材は、粉末状、繊維状、粗粒状等で添
加される。保持材と同形状の粉末として、添加材を添加
することが最も容易である。ただし、添加材は電解質の
保持力を持つ必要はないため、保持材よりも大きい粉末
であってもよく、逆に保持材よりも小さい粉末であって
もよい。粉末状の添加材の添加量は、望ましくは0.0
1〜20wt%、特に望ましくは0.1〜10wt%であ
る。また、粉末状の添加材の粒径は、0.01〜10μ
mとすることが好ましい。また、電解質板には、補強材
として繊維状のものを添加する場合が多く、この繊維の
代わりに繊維状の添加材を用いたり、この繊維と繊維状
の添加材とを共用したりすることも可能である。また、
添加材として粗粒状のものを添加する場合もある。繊維
状又は粗粒状の添加材の添加量は、望ましくは0.01
〜25wt%、特に望ましくは5〜20wt%である。粉末
状添加材の添加量より繊維状添加材又は粗粒状添加材の
添加量が多くなるのは、繊維状添加材又は粗粒状添加材
の方が均一に混合しにくいためである。また、粗粒状の
添加材の粒径は、10〜500μmとすることが好まし
い。
【0012】また、添加材を電極等の電解質板以外の部
材へ添加する場合もある。すなわち、本発明の溶融炭酸
塩型燃料電池は、アルカリ金属炭酸塩を電解質とし、こ
の電解質を電解質保持材とともに板状に加工して電解質
板を形成し、この電解質板を燃料極と空気極との間に保
持した溶融炭酸塩型燃料電池において、元素周期表3B
族であるAl,Ga,In,元素周期表3A族であるS
c,Y,ランタノイドの群から選ばれた少なくとも一種
の金属の酸化物、又はリチウム化された上記3B族及び
3A族の群から選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物
を電解質保持材とし、この電解質保持材と異種の元素周
期表3B族であるAl,Ga,In,元素周期表3A族
であるSc,Y,ランタノイドの群から選ばれた少なく
とも一種の金属の酸化物もしくは炭酸塩、又はリチウム
化された上記3B族及び3A族の群から選ばれた少なく
とも一種の金属の酸化物を添加材として燃料極及び空気
極の少なくとも一方に添加したことを特徴としている。
添加材の添加場所は、電解質と接するところであれば、
とくに電解質板中である必要はなく、燃料極(アノー
ド)の耐クリープ性向上のために添加されているLiA
lO2の代わりに使用することも可能である。また、添
加材を燃料極(アノード)及び空気極(カソード)の両
方に添加する場合もある。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1形態
による溶融炭酸塩型燃料電池の構造を示している。図1
は、一例として、電解質保持材としてLiAlO2粉末
を用い、これに添加材として、Ga23粉末を添加し混
合して電解質板を形成し、電解質としてLi2CO3とK
2CO3との混合物を用いた電解質板11を示している。
この場合、添加物は保持材であるLiAlO2以外の1
種又は2種以上とすることができる。このように、保持
材と物性の近い材料を添加することにより、保持材の溶
解度を低減させることが可能となり、溶解・再析出が主
原因であった保持材粒子の粗大化を抑制することができ
る。図1における電解質板11以外の構成及び作用は、
従来例である図5の場合と同様である。図2は、図1に
おける電解質板11の断面の一例を示している。19は
粉末状の電解質保持材と粉末状の添加材との混合物で、
電解質はこれらの混合物19の間に保持される。20は
補強繊維である。なお、この補強繊維を用いない場合も
ある。図3は、電解質板11の断面の他の例を示してい
る。18は粉末状の電解質保持材で、電解質はこれらの
粉末状の保持材18間に保持される。21は添加材を含
む補強繊維、又は添加材からなる補強繊維である。
【0014】図4は、本発明の実施の第2形態による溶
融炭酸塩型燃料電池の構造を示している。本実施形態
は、添加材、例えばGa23を電解質板に添加する代わ
りに、電解質板以外の部材、例えばアノード(燃料極)
13に添加材を添加したものである。なお、添加材をカ
ソード(空気極)のみ、又はアノードとカソードの両方
に添加することも可能である。他の構成及び作用は図1
の場合と同様である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を説明する。 実施例1 電解質保持材としてLiAlO2粉末、添加材としてG
23粉末、In23粉末、Y23粉末、La2(C
33粉末を0.1〜10wt%含む保持材シートを作製
し、電解質を保持させて電解質板を形成した。この工程
の詳細はつぎの通りであった。LiAlO2粉末(粒径
0.2〜0.8μm)と添加材粉末(粒径0.1〜2μ
m)とを、添加材にGa23を用いた場合、重量比9
9.9:0.1、99:1、90:10、添加材にIn
23、Y23、La2(CO33を用いた場合、重量比
99:1で混合した。この混合粉末100gに対しバイ
ンダー35gと可塑剤、分散剤、溶剤400gを加え、ボ
ールミルで48時間混合し、添加材が均一に分散したス
ラリーを得た。得られたスラリーに消泡剤を加え、脱泡
・濃縮後、ドクターブレード法で保持材シートを作製し
た。また、電解質シートについてもドクターブレード法
で作製した。このようにして形成した電解質板(保持材
シート+電解質シート)を用いて、溶融炭酸塩型燃料電
池を組み、500hrの発電を行った。なお、電解質に
は、Li2CO3/K2CO3=62/38mol%を用いて
行った。発電後の比表面積を測定した結果を表1に示す
(なお、この間の電池電圧はどの電池もほぼ同じであっ
た)。なお、表1のLiAlO2粉末のみのケースは比
較例である。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 電解質保持材としてLiGaO2粉末、添加材としてL
iAlO2粉末、In23粉末、Y23粉末、La2(C
33粉末を0.1〜10wt%含む保持材シートを作製
し、電解質を保持させて電解質板を形成した。この工程
の詳細はつぎの通りであった。LiGaO2粉末(粒径
0.1〜0.8μm)と添加材粉末(粒径0.1〜2μ
m)とを、添加材にLiAlO2を用いた場合、重量比9
9.9:0.1、99:1、90:10、添加材にIn
23、Y23、La2(CO33を用いた場合、重量比
99:1で混合した。この混合粉末100gに対しバイ
ンダー35gと可塑剤、分散剤、溶剤400gを加え、ボ
ールミルで48時間混合し、添加材が均一に分散したス
ラリーを得た。得られたスラリーに消泡剤を加え、脱泡
・濃縮後、ドクターブレード法で保持材シートを作製し
た。また、電解質シートについてもドクターブレード法
で作製した。このようにして形成した電解質板(保持材
シート+電解質シート)を用いて、溶融炭酸塩型燃料電
池を組み、500hrの発電を行った。なお、電解質に
は、Li2CO3/K2CO3=62/38mol%を用いて
行った。発電後の比表面積を測定した結果を表2に示す
(なお、この間の電池電圧はどの電池もほぼ同じであっ
た)。なお、表2のLiGaO2粉末のみのケースは比
較例である。
【0018】
【表2】
【0019】実施例3 電解質保持材としてLiAlO2粉末、添加材としてG
23繊維、In23粗粒、Y23粗粒、La2(C
33粗粒を20wt%含む保持材シートを作製し、電解
質を保持させて電解質板を形成した。この工程の詳細は
つぎの通りであった。LiAlO2粉末(粒径0.2〜
0.8μm)とGa23の繊維(5〜20μmφ×50〜
300μm)を重量比80:20で混合した。また、L
iAlO2粉末(粒径0.2〜0.8μm)とIn23
23、La2(CO33の粗粒(粒径10〜100μ
m)を重量比80:20で混合した。これらの混合物1
00gに対しバインダー35gと可塑剤、分散剤、溶剤4
00gを加え、ボールミルで48時間混合し、添加材が
均一に分散したスラリーを得た。得られたスラリーに消
泡剤を加え、脱泡・濃縮後、ドクターブレード法で保持
材シートを作製した。また、電解質シートについてもド
クターブレード法で作製した。このようにして形成した
電解質板(保持材シート+電解質シート)を用いて、溶
融炭酸塩型燃料電池を組み、500hrの発電を行った。
なお、電解質には、Li2CO3/K2CO3=62/38
mol%を用いて行った。発電後の比表面積を測定した結
果を表3に示す(なお、この間の電池電圧はどの電池も
ほぼ同じであった)。なお、表3のLiAlO2粉末+
20wt%LiAlO2繊維のケースは比較例である。
【0020】
【表3】
【0021】実施例4 電解質保持材としてLiAlO2粉末、添加材としてG
23粉末、In23粉末、Y23粉末、La2(C
33粉末を1.0wt%含む保持材シートを作製し、電
解質を保持させて電解質板を形成した。この工程の詳細
はつぎの通りであった。LiAlO2粉末(粒径0.2
〜0.8μm)と添加材粉末(粒径0.1〜2μm)であ
るGa23、In23、Y23、La2(CO33を重
量比99:1で混合した。この混合粉末100gに対し
バインダー35gと可塑剤、分散剤、溶剤400gを加
え、ボールミルで48時間混合し、添加材が均一に分散
したスラリーを得た。得られたスラリーに消泡剤を加
え、脱泡・濃縮後、ドクターブレード法で保持材シート
を作製した。また、電解質シートについてもドクターブ
レード法で作製した。このようにして形成した電解質板
(保持材シート+電解質シート)を用いて、溶融炭酸塩
型燃料電池を組み、500hrの発電を行った。なお、電
解質には、Li2CO3/Na2CO3=52/48mol%
を用いて行った。発電後の比表面積を測定した結果を表
4に示す(なお、この間の電池電圧はどの電池もほぼ同
じであった)。なお、表4のLiAlO2粉末のみのケ
ースは比較例である。
【0022】
【表4】
【0023】実施例5 電解質保持材としてY23粉末、添加材としてLiAl
2粉末、Ga23粉末、La2(CO33粉末を1.0
wt%含む保持材シートを作製し、電解質を保持させて電
解質板を形成した。この工程の詳細はつぎの通りであっ
た。Y23粉末(粒径0.5〜2μm)と添加材粉末
(粒径0.1〜1μm)であるLiAlO2、Ga23
La2(CO33を重量比99:1で混合した。この混
合粉末100gに対しバインダー35gと可塑剤、分散
剤、溶剤400gを加え、ボールミルで48時間混合
し、添加材が均一に分散したスラリーを得た。得られた
スラリーに消泡剤を加え、脱泡・濃縮後、ドクターブレ
ード法で保持材シートを作製した。また、電解質シート
についてもドクターブレード法で作製した。このように
して形成した電解質板(保持材シート+電解質シート)
を用いて、溶融炭酸塩型燃料電池を組み、500hrの発
電を行った。なお、電解質には、Li2CO3/K2CO3
=62/38mol%を用いて行った。発電後の比表面積
を測定した結果を表5に示す(なお、この間の電池電圧
はどの電池もほぼ同じであった)。なお、表5のY23
粉末のみのケースは比較例である。
【0024】
【表5】
【0025】実施例6 電解質保持材としてLiAlO2粉末、添加材としてG
23粉末とY23粉末、またはGa23粉末とLa2
(CO33粉末を1.0wt%ずつ含む保持材シートを作
製し、電解質を保持させて電解質板を形成した。この工
程の詳細はつぎの通りであった。LiAlO2粉末(粒
径0.2〜0.8μm)と添加材粉末(粒径0.1〜2
μm)であるGa23、Y23、またはGa23、La2
(CO33を重量比98:1:1で混合した。この混合
粉末100gに対しバインダー35gと可塑剤、分散剤、
溶剤400gを加え、ボールミルで48時間混合し、添
加材が均一に分散したスラリーを得た。得られたスラリ
ーに消泡剤を加え、脱泡・濃縮後、ドクターブレード法
で保持材シートを作製した。また、電解質シートについ
てもドクターブレード法で作製した。このようにして形
成した電解質板(保持材シート+電解質シート)を用い
て、溶融炭酸塩型燃料電池を組み、500hrの発電を行
った。なお、電解質には、Li2CO3/K2CO3=62
/38mol%を用いて行った。発電後の比表面積を測定
した結果を表6に示す(なお、この間の電池電圧はどの
電池もほぼ同じであった)。なお、表6のLiAlO2
粉末のみのケースは比較例である。
【0026】
【表6】
【0027】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 電解質保持材と物性の近い材料を添加すること
により、保持材の溶解度を低減させることが可能とな
り、溶解・再析出が主原因であった保持材粒子の粗大化
を抑制することができ、燃料電池の長寿命化を図ること
ができる。 (2) 比較的安価な材料であるLiAlO2を保持材
とし、Ga系材料等を添加することにより、高価なGa
系材料等を単独で使用する場合よりも、大幅な低コスト
化を図ることができ、しかも、燃料電池の性能を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による溶融炭酸塩型燃
料電池の構造を示す斜視図である。
【図2】図1における電解質板の一例を示す拡大断面図
である。
【図3】図1における電解質板の他の例を示す拡大断面
図である。
【図4】本発明の実施の第2形態による溶融炭酸塩型燃
料電池の構造を示す斜視図である。
【図5】従来の溶融炭酸塩型燃料電池の構造を示す斜視
図である。
【図6】図5における電解質板の一例を示す拡大断面図
である。
【符号の説明】
10、11 電解質板 12、13 アノード(燃料極) 14 カソード(空気極) 16 セパレータ 18 保持材 19 保持材と添加材との混合物 20 補強繊維 21 添加材を含む補強繊維又は添加材からなる補強繊

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属炭酸塩を電解質とし、この
    電解質を電解質保持材とともに板状に加工して電解質板
    を形成し、この電解質板を燃料極と空気極との間に保持
    した溶融炭酸塩型燃料電池において、 元素周期表3B族であるAl,Ga,In,元素周期表
    3A族であるSc,Y,ランタノイドの群から選ばれた
    少なくとも一種の金属の酸化物、又はリチウム化された
    上記3B族及び3A族の群から選ばれた少なくとも一種
    の金属の酸化物を電解質保持材とし、この電解質保持材
    にこの電解質保持材と異種の元素周期表3B族であるA
    l,Ga,In,元素周期表3A族であるSc,Y,ラ
    ンタノイドの群から選ばれた少なくとも一種の金属の酸
    化物もしくは炭酸塩、又はリチウム化された上記3B族
    及び3A族の群から選ばれた少なくとも一種の金属の酸
    化物を添加材として加えたことを特徴とする溶融炭酸塩
    型燃料電池。
  2. 【請求項2】 添加材が粉末状である請求項1記載の溶
    融炭酸塩型燃料電池。
  3. 【請求項3】 添加材が繊維状である請求項1記載の溶
    融炭酸塩型燃料電池。
  4. 【請求項4】 添加材が粗粒状である請求項1記載の溶
    融炭酸塩型燃料電池。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属炭酸塩を電解質とし、この
    電解質を電解質保持材とともに板状に加工して電解質板
    を形成し、この電解質板を燃料極と空気極との間に保持
    した溶融炭酸塩型燃料電池において、 元素周期表3B族であるAl,Ga,In,元素周期表
    3A族であるSc,Y,ランタノイドの群から選ばれた
    少なくとも一種の金属の酸化物、又はリチウム化された
    上記3B族及び3A族の群から選ばれた少なくとも一種
    の金属の酸化物を電解質保持材とし、この電解質保持材
    と異種の元素周期表3B族であるAl,Ga,In,元
    素周期表3A族であるSc,Y,ランタノイドの群から
    選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物もしくは炭酸
    塩、又はリチウム化された上記3B族及び3A族の群か
    ら選ばれた少なくとも一種の金属の酸化物を添加材とし
    て燃料極及び空気極の少なくとも一方に添加したことを
    特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
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JP2003007315A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Kenichiro Ota 溶融炭酸塩型燃料電池
JP2012506612A (ja) * 2008-10-29 2012-03-15 ドゥサン ヘヴィー インダストリーズ アンド コンストラクション カンパニー リミテッド 溶融炭酸塩燃料電池用電解質含浸強化マトリックスおよびその製造方法

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