JPH1096238A - 壁面緑化用袋及び壁面緑化方法 - Google Patents

壁面緑化用袋及び壁面緑化方法

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JPH1096238A
JPH1096238A JP275297A JP275297A JPH1096238A JP H1096238 A JPH1096238 A JP H1096238A JP 275297 A JP275297 A JP 275297A JP 275297 A JP275297 A JP 275297A JP H1096238 A JPH1096238 A JP H1096238A
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JP
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soil
bag
value
greening
wall
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JP275297A
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Riyouji Morimoto
良自 森元
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌などのない壁面においても速やかに自然
緑化を可能とする壁面緑化用袋、緑化方法を提供する。 【解決手段】 入口部が補強部分で形成され、メッシュ
の大きさが0.01〜25.0cm2 の範囲にある植生
用メッシュ袋体であって、透水係数10-4〜10 1 cm
/secの透水シートが内張りされてなる壁面緑化用
袋、及びW値1〜20の土壌を袋内に詰め込み幼苗を植
え込む壁面緑化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木建築分野にお
ける壁面、とりわけコンクリート壁、石壁、モルタル
壁、コンクリート被覆による崩落防止法面又は高速道路
の防音壁などを緑化するための壁面緑化用袋及び壁面緑
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、法面の自然緑化方法としては、種
々あるが、これらの方法は、法面に地盤土壌がある場合
を利用するものが多く、地山の土壌を通して法面土壌内
に浸透してくる浸透水を利用できるので、植物への水分
補給は比較的容易なことであった。
【0003】しかし、これらの方法を、岩壁、コンクリ
ート壁、またはこれらと類似の場所に利用することは困
難である。
【0004】例えば、建造物の緑化を目的とする植物の
栽培方法装置(特開平5−227843)は、ポリエス
テル系不織布からなる土のうに人工軽量土を充填して、
建造物側面とフェンス間に積み重ねる方法である。しか
し、この方法は、ポリエステル系不織布を袋として用い
ているのみで、排水性、透水性などについて充分な配慮
が見られない。そして、この方法は、タイマー付き自動
散水装置を設けて給水するもので自然降雨のみでは植物
を栽培するには不充分なものである。
【0005】また、造成地等の法面に貼設されるネット
体に係留される肥料等の植生材料を内包した細長状の袋
体であって、該袋体内には吸水性樹脂が内包されている
植生袋体(特開平4−143317)は、袋体内の吸水
性樹脂によって雨水を吸い取り、雨水による種子の流逃
を防止するもので、土壌を用いていないために、根ばり
が弱くなって生長しにくいという問題を有している。
【0006】さらにまた、植物の発芽・生育に支障を来
たさないでしかも土が漏れにくい目合にポリエチレンの
フラットヤーン又はモノフィラメントで織成された粗目
のネットの間に、水溶性フイルム、水脆弱性の紙又は不
織布からなる袋体に種子遅効性肥料、土壌改良材等の植
生材を充填して植生基盤付張芝帯(実開平4−4153
0)は、排水性に対する配慮が乏しく、また、幼苗を植
生するための工夫に欠けるものである。
【0007】また、地山保護などに使用される緑化体
(特開平4−5328)は、種子を混ぜ合わせた植生材
料を表裏のある網状体袋に入れ、裏側の網状組織中に溶
ける繊維または腐食する繊維を混ぜることにより地表面
に多く接触することで生育を良くするもので、あくまで
も地山から水分を補給する方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、土壌のない
壁面を速やかに自然緑化にすべく種子を用いずに幼苗を
生育させるに適した壁面緑化用袋及びこの袋内に特定の
土壌を幼苗とともに詰め込んで壁面を緑化にする方法を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決すべく、下記の手段を採用するものである。すなわ
ち、請求項1の発明はメッシュを有する植生用メッシュ
袋体であって、入口部が補強部分で形成され、該メッシ
ュの大きさが面積で0.01〜25.0cm2の範囲に
あり、前記メッシュ袋体内に透水係数10-4〜101
m/secの透水シートが内張りされていることを特徴
とする壁面緑化用袋である。
【0010】また、請求項2の発明は、土壌のW値が
1.0〜20.0である土壌を請求項1の壁面緑化用袋
内に詰め込み幼苗を植え込むことを特徴とする壁面緑化
方法である。ここに、W値とは抱水倍率を絶乾時仮比重
で除した値であり、そして抱水倍率は、使用土壌の絶乾
時の一定体積に含ませた最大保水量を使用土壌の絶乾時
の一定体積の重量で除した値であり、また、絶乾時仮比
重とは使用土壌の絶乾時一定体積の重量を使用土壌の絶
乾時の一定体積で除した値をいう。
【0011】さらに、請求項3の発明は、壁面に請求項
1の壁面緑化用袋を懸架する前に請求項2の方法を行な
うことを特徴とする壁面緑化方法である。
【0012】また、請求項4の発明は、壁面に請求項1
の壁面緑化用袋を懸架した後に請求項2の方法を行なう
ことを特徴とする壁面緑化方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の壁面緑化用袋は、例えば図1に示される。
図1において植生用メッシュ袋体1はメッシュ2を有
し、メッシュ2の大きさは、面積で0.01〜25.0
cm2 である。好ましくは0.25〜4cm2 である。
0.01cm2 未満であると根腐れの問題が生じ、好ま
しくない。他方、25.0cm2 をこえると植生経過後
の内張りした透水シートが風化損傷したとき、根域の発
達で土壌がメッシュよりもれる恐れがあり好ましくな
い。また、ラッセルでは問題はないものの、織物による
メッシュでは目ずれが発生しやすくなり好ましくない。
【0014】植生用メッシュ袋体1は、横方向に長い筒
状になっており、素材としてポリエステル繊維、ポリオ
レフィン繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維などが挙
げられ、さらに合成繊維を樹脂で被覆してあっても良
い。なお、植生用メッシュ袋体1の深さは、土壌重量を
考慮して2.5m以下が好ましく、植生種類にもよる
が、蔦などでは40〜120cmが好ましい。前記樹脂
は難燃処理剤、耐候性向上剤で処理されても更には抗菌
処理されても良く、更にまた着色されていても良い。
【0015】植生用メッシュ袋体1の内部には透水係数
10-4〜101 cm/secの透水シート3が内張りさ
れている。透水係数が10-4cm/sec未満になると
排水性が悪く根腐れが発生しやすく、101 cm/se
cを超えると敷設時に土壌が洩れることがあり好ましく
ない。なお、透水シートの例としては、合成繊維なら特
に制限はないが、好ましくはポリエステルスパンボンド
不織布(目付50〜200g/m2 )、ポリエステルマ
ルチフィラメント糸やポリエステル紡績糸で製織した織
物(目付40〜150g/m2 )があげられる。透水係
数はJIS A1218に準拠して測定したものであ
る。
【0016】該植生用メッシュ袋体1の入口部は一対の
補強部分4で形成されている。補強部分4で形成されて
いる。補強部分4の深さは10cm以上なら特に大きな
問題はないが補強部分4が目立ちすぎ、美感上から好ま
しくないので20cm以下、好ましくは15cm以下が
好ましい。補強部分4の例としてメッシュ状織物におけ
る10〜20cm幅の耳組織(平織組織)が挙げられ
る。
【0017】植生用メッシュ袋体1の入口部(一対の補
強部分)は、縫製、ハトメ、ステープラー、ボルトとナ
ット、接着、融着等により合わされ、固定化されるが、
図5、6のように幼苗を補強部分4の上より挿入する場
合には、完全に密封せず、ここから幼苗を入れられるよ
うにする。補強部分4の上端は、例えば金属棒5を巻き
こみ、さらにロープ6で50cmピッチでメッシュ2と
金属棒5とが巻きこまれている。ロープ6を潜って挿入
された金属棒5は壁面に打ちこまれたアンカーに架けら
れる。なお、7はロープの端部であり、8は収納端部を
閉じるロープである。
【0018】図2は、メッシュを有する植生用メッシュ
袋体1を製造する前の状態を示すもので、ラッセル編機
で編んだ編地を塩ビ樹脂で被覆したものである。図2に
おいて中央部の300mmの補強部分4は、樹脂加工後
にその真ん中をセンターカットされ、一挙に2枚分が得
られる。
【0019】図3は、叙上の方法によって得られた補強
部分4を有するメッシュ地9を示すもので、左右の補強
部分4を重ね合わすようにメッシュ地9を折り曲げ、中
に透水シートを内張りして図1の袋体1が得られること
になる。
【0020】次に本発明の壁面緑化方法について説明す
る。壁面緑化に使用する土壌は、そのW地が1.0〜2
0.0、好ましくは2.0〜15.0である。W値と
は、抱水倍率を絶乾時仮比重で除した値をいい、抱水倍
率とは、使用土壌の絶乾時の一定体積に含ませた最大保
水量を、使用土壌の絶乾時の一定体積重量で除した値を
いう。絶乾時仮比重とは、使用土壌の絶乾時一定体積の
重量を使用土壌の絶乾時の一定体積で除した値をいう。
なお、ここで述べる絶乾時条件とは、使用土壌を容器に
入れ、110℃の恒温乾燥炉に24時間乾燥した後、デ
シケータの中で室温になるまで冷ました状態をいう。
【0021】本発明においては袋体1の中に土壌を入れ
て吊り下げる方法が採用されているので、土壌は、軽量
であり長期間の無降雨でも植物を生かす保水性に優れる
ことが好ましく、そのために乾燥時の重量が軽く、水を
良く吸収、蓄水する必要がある。土壌粒子間の間隙蓄水
では十分な蓄水量が得られず、むしろ土壌粒子自身が多
孔質な構造でその空隙内に蓄水されるものが好ましい。
その結果として前記のW値が1.0〜20.0の範囲に
あるものがこの要求に沿うことが判明した。W値が小さ
くなると仮比重が重く抱水倍率が大きくない土壌とな
り、W値が大きくなるとその逆となる。W値が大きい土
壌は一般に多孔質的構造でその中に水を多く蓄え、植生
を長期間無降雨による枯死から守る。土壌は、数種類を
混合しても良く、また単品でも良い。
【0022】なお、W値は有機物を含まない状態での測
定値である。一般に有機物を含む土壌は柔らかく仮比重
も小さくなる傾向がある。W値が1.0未満になると土
壌内の水分保持量が少なく、土壌自身も重たくなり、ア
ンカーやロープにかかる負担が増大する結果、好ましく
なく、他方W値が20.0をこえると単品で満足するも
のが少なく、天然品でも人工品でもかまわないが、保水
材等を混入する必要があり、コスト高となって好ましく
ない。もちろん、土壌に肥料や有機系や無機系物質等を
植生向上の目的で混入しても良い。
【0023】前記土壌を壁面緑化用袋の中に詰めこみ幼
苗を植えこむ。これは、速やかに自然緑化にするためで
ある。植物によっては種子から1年経過してやっと幼苗
に成長する遅い植物もあり、種子でスタートすれば発芽
率の関係や成長の遅さで1年目はハダカの状態となって
期待した緑化効果が得られない。
【0024】また、本発明では自然降雨以外に擁壁裏側
排水の排水口を土壌収納部に接するように敷設してもよ
い。また、本発明では敷設配置形式はヨコ方向に段々に
する配置や、ナナメ方向、タテ方向に一定間隔をおいて
敷設しても良い。
【0025】図4は、壁面に架けた本発明の袋体1に土
壌を詰めこんでいる状態の側面図である。ベルトコンベ
アー12により搬送される土壌11は補強部分4を分け
て挿入されたホッパー13を介して袋体1の収納部に詰
めこまれる。他方、ロープ6を潜って挿入された金属棒
5は、壁面に打ちこまれたアンカー10に架けられる。
この際、土壌投入による重量の片寄りでロープが引きつ
らないようにアンカーとロープとを仮止めしておいても
良い。
【0026】図5は、本発明の敷設状況を示すもので正
面図、図6はその側面図である。14は幼苗、15は被
覆岩盤またはコンクリートであり、16は地山であり、
10はアンカーである。
【0027】図7〜12は、補強部分を接続して孔18
から幼苗を植えこむもので、図7は、ロープ6をハトメ
孔17に通し、金属棒5を巻きこんだ後アンカー10に
引掛けるものである。18は幼苗を植え込む孔である。
図8は、ミシン目19によって一対の補強部分を固定一
体化したものである。
【0028】図9は、ステープラー20によって一対の
補強部分を固定一体化したものであり、図10は接着部
又は融着部によって一対の補強部分を固定一体化したも
のである。
【0029】図11は、ボルトとナットで結合した例を
22で示すもので、図12は壁面に併設された格子状物
体23に懸架した例を示す。17はハトメ孔である。
【0030】
【実施例】
実施例1 166.5テックスのポリエステルマルチフィラメント
糸を使用して9ゲージ緯糸挿入ラッセルでメッシュ地を
製造した。メッシュ地を構成するタテ軸に166.5テ
ックス×3本の引揃糸、ヨコ軸に166.5テックス×
3本の40回/m撚糸を用いて、27.7テックスのポ
リエステルマルチフィラメント糸の鎖編糸で目合いの大
きさがタテ10mm×ヨコ10mmの、幅70cmのメ
ッシュ地と、166.5テックス×1本をタテ糸として
9本/インチで打ち込み、ヨコ糸としてポリエステルマ
ルチフィラメント糸を用い27.7テックスのポリエス
テルマルチフィラメント糸の鎖編糸によってタテ糸とヨ
コ糸を一体化させ、全幅において両端が幅15cmの補
強部、その内側が70cmのメッシュ地、さらに内側が
30cmの補強部とする全幅200cmの編地を作り、
この編地を黒色に着色した塩化ビニール樹脂に漬け込み
絞った後、190℃で90秒のタイミングで炉を通過さ
せ、巻き取り直前で円形の回転刃により中央部の30c
m補強部の真ん中で二つに分離させて両サイドに補強部
分の付いたメッシュ地を得た(図2、3)。次に、この
メッシュ地を長さ5mに切断し、メッシュ地の上にポリ
エステル不織布の100g/m2 の目付で透水係数が1
-2cm/secであるシートを敷き、長手方向に折っ
て両端補強部分を合わせ、そこを50cmピッチで直径
10mmのロープを図1のように通して予め50cmピ
ッチにコンクリート面に打ち込んだアンカーピンに係合
した。両端部はメッシュの目合いを利用してロープで閉
じた。次に補強部分のロープの間を開けて下記の実験よ
り選んだW値11.74の真珠岩発泡材土壌に化成肥料
を混ぜて詰め込み(図4)、50cmピッチにヘデラ
(蔦)の徒長1m幼苗3本を植生した(図5)。この植
生方法で高さ90cmピッチで壁面に取りつけた後、初
期の潅水としてホースにて十分に行った。施工直後より
6カ月間は、露出コンクリート面をブルーシートで覆
い、コンクリート面よりの輻射熱を遮る工夫をした。潅
水は自然降雨に任せた。この収納部には前記の土壌が1
m幅中に約30リットル収納出来、6本/1mの幼苗を
生かしている。更に水分を要求する植物には、保水剤を
混入させてW値を上げれば対応出来る。この方式で枯死
せずに土壌のない壁面の自然緑化が可能になった。次に
軽量で水分保持に優れた本発明に適した土壌を選定した
実験を記す。
【0031】(土壌実験)保水性に優れ、且つ軽量であ
る土壌を選定するために次の土壌種を使用して栽培実験
を行った。用意した土壌(化成肥料を含む)を1リット
ルのプラスチックビーカー(底部中心に15mm径の孔
を空け、内側に1mm目合いの金網を敷いて格土壌を1
リットルの目盛りになるように詰め込んだ。この詰め込
み方法は、各土壌が0.2リットルピッチの目盛りに達
するとビーカー内径よりやや小さめの発泡スチロール円
盤を土壌の上に置き、上から500gの分銅を乗せてい
く方法で最後に分銅をのせて1リットルの目盛りになる
まで各土壌を詰め込んだ。次にこれらのビーカーの約1
/2が浸かるように大きな容器に水を入れて10分間置
き、引き上げた後にビーカー上部より少しずつ全体に水
を注ぎ、底の孔より水が出て来るのを確認したら注水を
止めて、水が止まるまで放置した。次にこれらのビーカ
ーの土壌に深さ3cmの孔を空け、別に発芽させたアサ
ガオの苗を1本とヘデラの1年物の苗1本をビーカーご
とに植え込み、24時間の日陰放置後に自然降雨に漏れ
ないで採光が取れるビニルハウス内に宙ずり状態で置
き、以後は一度も潅水せずに枯死するまでの期間を測定
した。いずれのビーカーからも土壌表面よりの水分蒸散
はある。実験結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】なお、表1で一般土壌としては発明者の勤
務先の庭園の土壌を採取した。土壌の粒度は小さいが粘
度質ではなく、少しやせた畑土のような特に特徴ある土
壌ではない。
【0034】表1でNO1は本発明の無機多孔質土壌を
使用した組合せでW値も11.74をを示し、アサガ
オ、ヘデラとも長命であった。また、NO2は一般土壌
として試用した例であり、NO1にはとても及ばぬ結果
であった。
【0035】NO3の4号硅砂は粒状という点で無機多
孔質土壌と似ているが、多孔質でないために粒の間隙に
しか水を保有できず、しかも多孔構造でないために仮比
重が大きい。従って単独使用はW値が小さい値であるた
めに水もちが悪い(逆に言えば不適である。但し、4号
硅砂に人工または天然保水剤を混合し、仮比重を小さく
するために破砕した発泡スチロール片等を多量に混合し
てW値を1.0以上にすることの方法が適合できる。し
かし、保水剤を混合しない土壌だけの状態でのW値が
1.0を割ると、自然降雨のみに頼る植生土壌としては
真夏の晴天が続く時期や冬場の降雨量の少ないときは緑
を維持することが出来ずに枯死してしまう。この実験結
果から本発明の実施例の土壌として真珠岩を加工した多
孔質土壌(NO1)を選んだ。
【0036】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明は、幼苗を根腐
れさせずに速やかに植生させうる袋体であり、また、請
求項2の発明は、叙上の袋体と特定条件の土壌との組合
わせにより、土壌のない岩壁、壁などにおいても速やか
に自然緑化しうる方法を提供しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁面緑化用袋に土壌を入れない場合の
正面図である。
【図2】袋にする前のメッシュ地と補強部分とからなる
編地に塩ビ樹脂を被覆した正面図である。
【図3】図2のメッシュ地を補強部分の真ん中から切断
した平面図である。
【図4】壁面に架けた袋体に土壌を詰めこんでいる場合
の袋体の側面図である。
【図5】本発明の敷設状況を示す正面図である。
【図6】本発明の敷設状況を示す側面図である。
【図7】本発明の袋体の接続方法を示す説明図である。
【図8】本発明の袋体の接続方法を示す説明図である。
【図9】本発明の袋体の接続方法を示す説明図である。
【図10】本発明の袋体の接続方法を示す説明図であ
る。
【図11】本発明の袋体の接続方法を示す説明図であ
る。
【図12】本発明の袋体の接続方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 植生用メッシュ袋体 2 メッシュ 3 透水シート 4 補強部分 5 金属棒 6 ロープ 10 アンカー 18 幼苗を植えこむ孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッシュを有する植生用メッシュ袋体で
    あって、入口部が補強部分で形成され、該メッシュの大
    きさが面積で0.01〜25.0cm2 の範囲にあり、
    前記メッシュ袋体内に透水係数10-4〜101 cm/s
    ecの透水シートが内張りされていることを特徴とする
    壁面緑化用袋。
  2. 【請求項2】 土壌のW値が1.0〜20.0である土
    壌を請求項1の壁面緑化用袋内に詰め込み幼苗を植えこ
    むことを特徴とする壁面緑化方法。ここに、W値とは抱
    水倍率を絶乾時仮比重で除した値であり、そして抱水倍
    率は、使用土壌の絶乾時の一定体積に含ませた最大保水
    量を使用土壌の絶乾時の一定体積の重量で除した値であ
    り、また、絶乾時仮比重とは使用土壌の絶乾時一定体積
    の重量を使用土壌の絶乾時の一定体積で除した値をい
    う。
  3. 【請求項3】 壁面に請求項1の壁面緑化用袋を懸架す
    る前に請求項2の方法を行なうことを特徴とする壁面緑
    化方法。
  4. 【請求項4】 壁面に請求項1の壁面緑化用袋を懸架し
    た後に請求項2の方法を行なうことを特徴とする壁面緑
    化方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104635A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Kureha Ltd 不織布
JP2014079211A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Sadashi Utsumi 鶏舎構造
JP2018066159A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 有限会社エコプロ 法面の施工方法とそれに用いるシート体

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