JPH1095673A - 黒色AlN系セラミックス及びその製造方法 - Google Patents
黒色AlN系セラミックス及びその製造方法Info
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- JPH1095673A JPH1095673A JP8251392A JP25139296A JPH1095673A JP H1095673 A JPH1095673 A JP H1095673A JP 8251392 A JP8251392 A JP 8251392A JP 25139296 A JP25139296 A JP 25139296A JP H1095673 A JPH1095673 A JP H1095673A
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Abstract
解消し、耐食性と機械的特性を改善させた、黒色を呈す
る高純度AlN系セラミックスを提供するものである。 【解決手段】 本発明の黒色AlN系セラミックスは、
0.1〜30重量%の酸化アルミニウムと残部が実質的
に窒化アルミニウムより成る混合粉体を成形・焼結し、
焼結中に酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとの反応
により生じるAlON相を含有する。また、この黒色A
lN系セラミックスは、0.1〜30重量%の酸化アル
ミニウムと残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混
合粉体を成形した後、1600〜1900℃の温度で加
圧焼結することにより製造する。
Description
部材、産業機械用部材、耐熱耐食性部材、等に用いられ
る高純度でかつ黒色を呈するAlN系セラミックス及び
その製造方法に関するものである。
導特性、適度な機械的特性のため、LSIの放熱基板、
各種耐摩耗・機械構造部材として用いられ、近年、LS
I製造装置用部材への適用が検討されている。AlNは
難焼結性のため、その焼結時においては通常、焼結助剤
としてY2 O3 に代表されるイットリウム化合物かある
いはCaO、Ca2 Cに代表されるカルシウム化合物を
1〜5重量%添加して製造するのが普通である。
使用する原料粉末中の不純物、添加する焼結助剤の種類
・量によって変化するが、特に遷移金属不純物が少ない
高純度AlN原料を使用した場合、白色あるいはアイボ
リー色(灰色)を呈し、かつ透光性を有することが多
い。
イットリウム化合物、カルシウム化合物、等を用いる
が、これらの化合物は焼結中にAlNと反応し、生成物
が第2相として焼結後のAlNセラミックスの粒界や三
重点に残存する。例えば、イットリウム化合物を使用し
た場合、YAG(Al5 Y3 O12)等がAlNセラミッ
クスの粒界や三重点に生成することが知られている。
・微細に分散しているわけではなく、また、AlNが白
色、透光性なため、特にセラミックスの形状が大きい場
合、色ムラ、斑点、等の欠陥として検出される。色ム
ラ、斑点、等の欠陥発生を抑制する一つの手法として、
イットリウム化合物あるいはカルシウム化合物、等の焼
結助剤を使用しない方法が考えられるが、焼結助剤を添
加せずにAlNの高密度の焼結体を得るのは困難であ
る。そこで、AlN系セラミックスを黒色に発色させ、
色ムラ、斑点、等の欠陥発生を抑制することが望まれて
いる。また、AlN系セラミックスを赤外線加熱、等に
よる受光発熱媒体として用いる場合も、赤外線吸収効率
の点より、黒色化が望まれるものである。
方法としては、チタニウム、コバルト、亜鉛、鉄、ニッ
ケル、等の遷移金属あるいはこれらの化合物を添加する
方法が知られており、遷移金属元素を100ppm 程度以
上添加することによって、AlNセラミックスは黒色化
する。しかしながら、遷移金属元素はLSI製造プロセ
ス上、最もデバイスに悪影響を与えるものであり、遷移
金属元素添加による黒色化は、AlNセラミックスの半
導体製造装置用部材への適用を阻害するものである。
アルミニウムに対してEr(エルビウム)を金属換算で
5重量%以上添加し、シミや色ムラの発生を抑制したA
lNセラミックス焼結体について開示しているが、Er
(エルビウム)等のランタノイド元素、あるいはアクチ
ノイド元素、その他、周期律表シリコン元素(原子番号
14)より上の重金属及びアルカリ金属、アルカリ土類
金属は基本的に遷移金属元素と同様にLSIデバイスに
とって有害であり、AlNセラミックスの半導体製造装
置用部材への適用を阻害するものである。
アルミニウム化合物系のセラミックスは、塩素ガス、フ
ッ素ガス、等のハロゲンガスに対して、表面に安定なハ
ロゲン化アルミニウムを形成することによって耐食性に
優れることが知られている。しかしながら、通常の、イ
ットリウム化合物あるいはカルシウム化合物を含有する
AlN系セラミックスでは、AlNが耐食性に優れても
第2相として存在する反応生成物が耐食性に劣るため、
セラミックスとしては良好な耐食性を維持できない問題
がある。
スの中でも炭化ケイ素(SiC)並に破壊靭性値が低
く、極めて脆い。このため、AlNセラミックス焼結体
の研削加工時には、チッピング等の欠損が入りやすく加
工条件に注意が必要であり、さらに、AlNセラミック
スを部材として使用するときにも機械的衝撃、熱的衝撃
を低減するよう注意を払わねばならない。AlNセラミ
ックスの信頼性の向上、製造効率の改善のためには、A
lNの機械的特性、特に破壊靭性の向上が強く望まれて
いる。
は、平均粒径が8μm以下のAlNを80〜98重量
%、平均粒径が5μm以下のAlONを2〜20重量%
含有してなる耐摩耗材料について開示しているが、本公
開明細書ではAlN原料粉に対して平均粒径0.5〜1
μmのAlON原料粉を添加し、1650〜2000℃
で焼結することによって耐摩耗材料を製造している。し
かしながら、AlON原料粉は極めて高価でありかつ不
純物の少ない高純度原料を入手するのが困難であるばか
りか、AlONそれ自体も難焼結性であるため、焼結助
剤を添加しない本公報の場合、緻密な焼結体を得るのは
困難で、従ってAlNセラミックスの機械的特性、特に
破壊靭性を改善するのは困難である。また、本公報には
焼結体の色調に関する記載はないが、AlNに白色のA
lONを添加しても焼結体が黒色に発色することはな
く、従って、色ムラ、等の欠陥発生を抑制することはで
きない。
来のAlN系セラミックスは焼結助剤としてイットリウ
ム化合物あるいはカルシウム化合物を用いるため、アル
ミニウム以外の元素を含有し純度が低下するばかりでな
く、白色あるいは灰色透光性で色ムラ等の欠陥が発生し
やすく、耐食性も低下しやすい。また機械的特性、特に
破壊靭性に劣るという問題点があった。
でかつ耐食性、機械的特性に優れた黒色のAlN系セラ
ミックス及びその製造方法を提供することを目的とする
ものである。
のAlNに酸化アルミニウムを添加することにより緻密
な焼結体が得られ、その焼結時に格子欠陥を有するAl
ON相が生成することによって、焼結体が黒色に発色し
AlNの色ムラの問題が解決され、かつ、AlN粒子と
AlON粒子との分散強化によって焼結体の機械的特性
が向上することを新たに発見したものである。
化アルミニウムと残部が実質的に窒化アルミニウムより
成る混合粉体を成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニウ
ムと窒化アルミニウムとの反応により生じるAlON相
を含有することを特徴とする密度が理論値の90%以上
であり、かつ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素
周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素
の化合物の含有量が全て30ppm 以下で、実質AlNと
AlONの2相とからなる高純度な黒色AlN系セラミ
ックスである。また、本発明の黒色AlN系セラミック
スは、0.1〜30重量%の酸化アルミニウムと残部が
実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を成形した
後、1600〜1900℃の温度で加圧焼結することに
より製造できるものである。
ルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番
以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量
が全て30ppm 以下で、実質AlNとAlONの2相と
からなる高純度な焼結体である。周期律表シリコン元素
(原子番号14)より上の重金属元素及びアルカリ金属
元素、アルカリ土類金属元素はLSIデバイスにとって
有害でありAlNセラミックスの半導体製造装置用部材
の適用を阻害するものであるため、その含有量は可能な
限り低レベルでなければならない。また、これら不純物
としての非アルミニウム元素は、塩素ガス、フッ素ガス
等のハロゲン含有ガスに対する耐食性に劣るため、Al
Nセラミックスの耐食性の観点からもその含有量は可能
な限り低レベルでなければならない。これら不純物金属
元素の含有量としては、各々が30ppm 以下であり、か
つ、総量として100ppm 以下であることが望ましい。
本発明のAlN系セラミックスは、これら不純物金属元
素の含有量が全て30ppm以下で総量も100ppm 以下
と高純度なため、半導体製造装置用部材への適用性に優
れ、また、耐食性にも優れるものである。
では、従来AlNセラミックスの製造時に焼結助剤とし
て用いられているイットリウム化合物、カルシウム化合
物、等を添加しない。これらイットリウム化合物、カル
シウム化合物は、焼結中にAlNと反応し生成物が第2
相として焼結後のAlNセラミックスに残存し、色ム
ラ、斑点、等の欠陥の原因となるばかりでなく、アルカ
リ土類金属、元素周期律表第19番以降の重金属元素で
あるため、半導体製造装置用部材への適用性を阻害し、
また耐食性を劣化させるものである。
従来のイットリウム化合物、カルシウム化合物に替わっ
て、添加する酸化アルミニウム(アルミナ)が焼結助剤
の働きをする。AlNは非酸化物系セラミックスで難焼
結性を示すものの、アルミナは易焼結性なため、AlN
に酸化アルミニウムを添加することによって容易に高密
度の焼結体が得られるものである。
ることによって、焼結中に酸化アルミニウムとAlNと
の反応によりAlON(酸素化アルミニウム)が生成す
るが、AlONは非定比化合物なためその結晶中に格子
欠陥を生成し易い。AlON結晶中に生成した格子欠陥
は色中心となり、セラミックスを黒色に発色させ、か
つ、この格子欠陥は高温まで比較的安定である。一方、
AlNに直接AlONを添加した場合は、このような格
子欠陥が生成することはなく、従って、AlNセラミッ
クスが黒色に発色する事もない。このようにして本発明
のAlN系セラミックスは黒色を呈するが、イットリウ
ム化合物、カルシウム化合物、等の焼結助剤を含有しな
いので、色ムラ、斑点、等の欠陥発生は完全に抑制さ
れ、かつアルミニウウム元素以外の不純物金属元素が極
めて低レベルなため、半導体製造装置用部材への適用性
に優れ、かつ極めて良好な耐食性を示すものである。さ
らに、AlNセラミックスを赤外線吸収率が高く、優れ
た特性を示すものである。
に表現するのは困難であるが、例えば、JIS Z87
29にて規定されるL* a* b* 表示(CIELAB表
示系)において、明度指数:L* 値が0〜50の範囲で
あり、かつ彩度:C* (=(a* )2 +(b* )2 )
1/2 )が0〜10の範囲であること、さらに望ましく
は、明度指数:L* 値が0〜40の範囲であることが好
ましい。あるいは、可視光領域である400〜800n
mの波長領域における焼結体表面の光の反射率が20%
以下、さらに望ましくは、15%以下であることが好ま
しい。
は、酸化アルミニウムとAlNとの反応により生じるA
lON相と、残部がAlNの2相から成る組織を呈し、
各々の粒子は互いに分散した微構造となっており、この
ため、いわゆる粒子分散効果により破壊源からのクラッ
ク進展が偏向し、機械的特性、特に、破壊靭性及び破壊
強度が向上している。
に説明する。使用するAlN粉体としては、平均粒径1
0μm以下、望ましくは平均粒径1μm以下(サブミク
ロン)の微粒子であり、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら
金属元素の化合物の含有量が全て30ppm 以下で、アル
ミニウム以外の不純物金属元素の総量が100ppm 以下
の化学的に高純度なものである。
体は、通常はα型アルミナ(Al2O3 )であるが、そ
の他β型、γ型、θ型、κ型等の結晶でも構わず、ある
いは加熱中にα型アルミナを生成する水酸化アルミニウ
ム(Al(OH)3 )、AlOOH等でも良い。酸化ア
ルミニウム粉体の粒径として、通常は焼結性の優れる1
0μm以下のものが好ましく、1μm以下(サブミクロ
ン)の微細なものはさらに望ましい。また、酸化アルミ
ニウム粉体は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素
周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素
の化合物の含有量が全て30ppm 以下で、アルミニウム
以外の不純物金属元素の総量が100ppm 以下の高純度
なものである。
は、0.1〜30重量%である。AlN原料はその粉体
表層部に通常、0.2重量%程度の酸化層を有するが、
この酸化層は不均一に存在するため、焼結体を均質に黒
色化させるためには酸化アルミニウムの添加が必要であ
る。添加する酸化アルミニウムの量が0.1重量%未満
では、粉体混合時にAlNと酸化アルミニウムとが必ず
しも均一には分散せず、格子欠陥生成による黒色化が不
十分で、部分的に色ムラが発生する場合があり、かつ、
AlNとAlONとの粒子分散の効果が見られず、破壊
靭性の向上は期待できない。酸化アルミニウムの量が3
0重量%超では、生成するAlON相が過剰となり、焼
結阻害が発生し不都合である。
中に両者の反応で生じる格子欠陥を有するAlON相を
含有することにより、黒色を呈し、機械的特性に優れる
AlN系セラミックスが作製可能となる。焼結体中の格
子欠陥の定量的測定は、通常極めて困難であるが、例え
ば、ESR(Electron Spin Resonance )を用いた解析
により格子欠陥発生の有無、大小が確認される。
方法としては常圧焼結法、ホットプレス焼結法、ガス圧
焼結法、熱間静水圧加圧(HIP)焼結法等、公知の焼
結法のいづれも用いることができるが、機械的特性に優
れた緻密質の焼結体を得るには、加圧焼結法を用いるの
が有利である。加圧焼結の温度としては、1600〜1
900℃が好ましい。1600℃未満では黒色AlN系
セラミックスは十分には緻密化せず、従って得られる焼
結体の特性も劣ってしまう。1900℃超の焼成温度で
は、AlNあるいはAlON粒子の粒成長が顕著にな
り、やはり特性が劣化するため、1900℃を上限とす
るのが望ましい。また、焼成中の雰囲気としては、不活
性ガス雰囲気、特に窒化物の焼成に有利な窒素ガス含有
不活性雰囲気が望ましい。また、加圧焼結の圧力として
は、通常、10MPa 以上、望ましくは20MPa 以上が好
ましく、焼成時間としては、焼結が充分完了するよう
に、1時間以上が望ましい。
生成するAlONは不定比化合物であるため本発明の様
な複合セラミックスの理論密度を正確に求めることは容
易ではないが、例えば、Al2 O3 ・AlN(比重:
3.837)結晶相が主たる生成物の場合、複合則によ
り理論値を算出可能である。焼結体の相対密度として
は、少なくとも理論値の90%以上でなければ前述の好
ましい特性は損なわれ、望ましいものではない。以下、
実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明は実施
例の範囲に限定されるものではない。
アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元
素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て20pp
m 以下で、かつこれら不純物の総量が50ppm 以下の高
純度AlN粉末に、表1中実施例1〜7に示す重量比で
平均粒径0.2μm、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら
金属元素の化合物の含有量が全て20ppm 以下で、かつ
これら不純物の総量が100ppm 以下の高純度アルミナ
粉末を添加し、ボールミルを用いて充分混合した後、混
合粉体をφ100mmのグラファイト製ダイスに充填し、
1750℃の温度で2時間、窒素ガス気流中で40MPa
の圧力でホットプレス焼結を行った。
のダイヤモンド砥石にて順次平面研削した後、片面をラ
ップ仕上げして、焼結体の色調及び色ムラ・斑点の有無
を検査した。尚、色調については、色差色度計を用い
て、L* a* b* 表示(CIELAB表示系)にて定量
的測定も行った。また、焼結体をJIS R1601に
準拠し、3×4×38mmの試験片に加工し、アルキメデ
ス法により密度を測定した後、常温にて3点曲げ試験を
行った。尚、焼結体の相対密度は、生成したAlONを
Al2 O3 ・AlN(比重:3.837)として算出し
た。また、焼結体の靭性についてはJIS R1608
に準拠しSEPB法にて破壊磁性値KICを測定した。
の全てのサンプルからはAlNとAlON(Al2 O3
・AlN)のピークのみが検出され、焼結体は実質、A
lNとAlONの2相から構成されることが判明した。
表1に実施例1〜7の各々の組成に対する焼結体の相対
密度(理論値に対して百分率で示す)、3点曲げ強さ、
破壊靭性値、色調(色及びL* a* b* 値)、色ムラ・
斑点の有無、及びX線回折でのAlNの(100)ピー
クとAlONの(400)ピークとから算出したAlO
N相の含有量を示す。
ルミナを添加しないAlN単体の焼結体、及びアルミナ
を40重量%と過剰に添加した焼結体について、実施例
1〜7と同様に特性を比較している。
ルミナを添加しAlON相を生成させることにより、焼
結体は黒色化し、かつ色ムラ・斑点の発生を抑制できる
ことが明らかである。また、AlN中にAlON相を分
散させることにより、破壊靭性、曲げ強さ、等の機械的
特性を向上させることが可能である。また、実施例1〜
7と比較例2より、アルミナを過剰に添加すると焼結体
の密度が低下し、従って機械的特性が劣化することが明
らかである。
と同様の高純度AlN粉体と高純度アルミナ粉体を、A
lN−1重量%アルミナ組成に秤量し、ボールミルを用
いて充分混合した後、混合粉体をφ100mmのグラファ
イト製ダイスに充填し、1600〜1900℃の温度で
2時間、窒素ガス気流中で40MPa の圧力でホットプレ
ス焼結を行った。得られた焼結体について、実施例1〜
7と同様に各種特性を評価した。表2に実施例8〜1
2、及び比較例3、4の各々の焼結体の相対密度、3点
曲げ強さ、破壊靭性値を示す。
00℃以下の焼成温度では焼成不十分で焼結体の密度が
低く、また2000℃超の焼成温度では過焼成による異
常粒成長のため密度が低下し、共に機械的特性が著しく
劣化するため、1600〜1900℃が適正焼成温度で
あることが明白である。
−2重量%アルミナ組成、1750℃焼成)と、比較と
してアルミナの代わりに焼結助剤として2重量%のイッ
トリアを添加し1750℃でホットプレス焼成した焼結
体(比較例5)との耐食性評価を行った。ESR(Elec
tron Spin Resonance)を用いた解析により、実施例3の
焼結体からは格子欠陥発生に対応するピークが極めて強
く検出されたのに対し、比較例5の焼結体からは極めて
弱いピークのみが観察され、本発明の焼結体中には多数
の格子欠陥が存在することが確認された。
×30×10mmに切断し片面をラップ仕上げしたものを
サンプルとし、10%HF水溶液に50時間浸漬する実
験と、5%フッ素を含むアルゴンガス中で500℃に加
熱し50時間放置する実験とを行った。
後、重量減少もなく、サンプル表面にも変化がなかった
のに対し、比較例5の焼結体では、どちらの腐食条件に
おいても2〜3%の重量減少が測定され、サンプル表面
は白色の粉を吹いていた。
酸化アルミニウムと残部が実質的に窒化アルミニウムよ
り成る混合粉体を成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニ
ウムと窒化アルミニウムとの反応により生じるAlON
相を含有させることにより、高純度で黒色を呈するAl
N系セラミックスが得られる。本高純度黒色AlN系セ
ラミックスは、従来のAlN系セラミックスが有してい
た、色ムラ、低耐食性、低機械的特性、等の課題を解決
するものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 0.1〜30重量%の酸化アルミニウム
と残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を
成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニウムと窒化アルミ
ニウムとの反応により生じるAlON相を含有し、実質
AlNとAlONの2相とから成り、密度が理論値の9
0%以上で黒色を呈することを特徴とするAlN系セラ
ミックス。 - 【請求項2】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素
周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素
の化合物の含有量が全て30ppm 以下で、実質AlNと
AlONの2相とからなる請求項1記載の高純度な黒色
AlN系セラミックス。 - 【請求項3】 焼結体の黒色度が、L* a* b* 表示
(CIELAB表示系)において、明度指数:L* 値が
0〜50、かつ彩度:C* 値が0〜10の範囲であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の黒色AlN系セラ
ミックス。 - 【請求項4】 400〜800nmの波長領域における
焼結体表面の光の反射率が20%以下であることを特徴
とする請求項1〜3のいずれか1項記載の黒色AlN系
セラミックス。 - 【請求項5】 0.1〜30重量%の酸化アルミニウム
と残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を
成形した後、1600〜1900℃の温度で加圧焼結す
ることを特徴とする黒色AlN系セラミックスの製造方
法。
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---|---|---|---|
JP25139296A JP3769081B2 (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | 黒色AlN系セラミックスの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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