JPH1095223A - 車両用補助熱源装置 - Google Patents

車両用補助熱源装置

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Publication number
JPH1095223A
JPH1095223A JP8249411A JP24941196A JPH1095223A JP H1095223 A JPH1095223 A JP H1095223A JP 8249411 A JP8249411 A JP 8249411A JP 24941196 A JP24941196 A JP 24941196A JP H1095223 A JPH1095223 A JP H1095223A
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JP
Japan
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rotor
vehicle
viscous
source device
heat source
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Pending
Application number
JP8249411A
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English (en)
Inventor
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
Shinji Aoki
青木  新治
Toshio Morikawa
敏夫 森川
Hajime Ito
肇 伊藤
Hikari Sugi
光 杉
Takashi Ban
孝志 伴
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Toyota Industries Corp
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Priority to US08/933,295 priority patent/US5778843A/en
Priority to CA002214456A priority patent/CA2214456A1/en
Priority to EP97116250A priority patent/EP0830962B1/en
Priority to DE69719133T priority patent/DE69719133T2/de
Publication of JPH1095223A publication Critical patent/JPH1095223A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスカスヒータ5のロータ9の起動時のビス
カスヒータ5の各部に加わるストレスを低減することに
より、ビスカスヒータ5の各部の耐久性を向上し、且つ
トルクを低減することにより、ベルト鳴き音等の騒音を
抑える。 【解決手段】 ロータ9より剪断力が高粘度オイルに作
用する発熱室48の下部に一時的に高粘度オイルを蓄え
る貯油室49を設けることにより、ビスカスクラッチ4
の電磁コイル31がオフの時、すなわち、ビスカスヒー
タ5のロータ9の回転停止時に、発熱室48内の高粘度
オイルが自重により貯油室49内に移動させて、発熱室
48内の高粘度オイルの液面レベルを大幅に下げるよう
にした。これにより、ビスカスクラッチ4の電磁コイル
31がオフし、ビスカスヒータ5のロータ9が起動する
時のトルクを大幅に小さくして、ロータ9に加わるスト
レスを低減した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、剪断発熱器の発
熱室内の粘性液体に剪断力を作用させることにより発生
する粘性液体の発生熱を利用することによって車室内の
暖房能力を向上させるようにした車両用補助熱源装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用暖房装置としては、水
冷式のエンジンを冷却する冷却水をダクト内のヒータコ
アに供給して、このヒータコアを通過することにより加
熱された空気を送風機によって車室内に送り込んで、車
室内の暖房を行う車両用温水式暖房装置が一般的であ
る。
【0003】ところが、例えばディーゼルエンジン車や
リーンバーンエンジン車のように、エンジンの発熱量が
少なくてエンジンの排熱により冷却水を充分に加熱する
ことができない車両の場合には、冷却水回路内の冷却水
温を所定冷却水温(例えば80℃)に維持することが困
難であるため、車室内の暖房能力が不足するという不具
合があった。
【0004】上記のような不具合を解消する目的で、従
来より、特開平2−246823号公報において次のよ
うな車両用暖房装置が提案されている。その車両用暖房
装置は、エンジンからヒータコアに冷却水を供給するた
めの冷却水回路途中に剪断発熱器を設置し、その冷却水
回路中の冷却水温が設定冷却水温以下の時に剪断発熱器
を作動させることによって、車室内の暖房能力を向上さ
せるようにしたものである。
【0005】ここで、剪断発熱器は、エンジンの回転動
力をベルト伝動機構および電磁クラッチを介してシャフ
トに伝達し、ケース内に発熱室を設けて、その発熱室の
外周に冷却水路を形成し、更に発熱室内にシャフトと一
体的に回転するロータを配置すると共に、ロータの回転
によりその発熱室内に封入されたシリコンオイル等の粘
性液体に剪断力を作用させて熱を発生させ、その粘性液
体の発生熱により冷却水路内を還流する冷却水を加熱す
るようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
な剪断発熱器を備えた車両用暖房装置においては、剪断
発熱器の起動時、すなわち、ロータにエンジンの回転動
力が伝達され始める時に、粘性液体内でロータが起動す
ることにより、ロータ、電磁クラッチおよびベルト伝動
機構に大きなトルクが加わる。このため、電磁クラッチ
に滑りが生じたり、ベルト伝動機構のベルトに滑りが生
じたりすることによる異音(所謂ベルト鳴き音)が発生
するという問題が生じる。
【0007】特に、外気温の低い冬場に長時間車両を放
置した後に剪断発熱器を起動する時には粘性液体の温度
が低温であると粘度が非常に高いため、ロータに加わる
ショックが非常に大きく、剪断発熱器の各部品に加わる
ストレスが非常に大きくなる。このため、剪断発熱器の
各部の耐久性が低下するという問題が生じる。また、電
磁クラッチをオン、オフすることにより車室内の暖房能
力制御を行っているが、その際にも剪断発熱器の起動時
と同様な問題が生じる。
【0008】
【発明の目的】この発明は、剪断発熱器のロータの起動
時の剪断発熱器の各部に加わるストレスを低減すること
により、剪断発熱器の各部の耐久性を向上することので
きる車両用補助熱源装置の提供を目的とする。また、剪
断発熱器のロータの起動時のトルクを低減することによ
り、騒音の発生を抑制することのできる車両用補助熱源
装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、発熱室の下部に配設された液面降下手段によっ
て剪断発熱器のロータの回転速度が所定回転速度以下の
時に、発熱室内の粘性液体の液面レベルを一時的に降下
させることにより、ロータの起動時のトルクを低減でき
るので、ロータのショックが緩和される。それによっ
て、剪断発熱器の各部に加わるストレスを低減できると
共に、騒音の発生を抑制できる。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、液面降下
手段によって剪断発熱器のロータの回転速度が所定回転
速度以下の時に、発熱室内の粘性液体の液面レベルを一
時的に降下させることにより、ロータの起動時のトルク
を低減できるので、ロータの回転速度が所定回転速度以
下の時のショックが緩和される。それによって、剪断発
熱器の各部、動力伝達手段およびクラッチ手段に加わる
ストレスを低減できると共に、動力伝達手段およびクラ
ッチ手段の滑りが抑制されて騒音の発生を抑制できる。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、剪断発熱
器のロータの回転速度が所定回転速度以下となると、発
熱室内の粘性液体が自重により貯蓄部に降下流入するこ
とにより、ロータの回転速度が所定回転速度以下の時の
発熱室内の粘性流体の液面レベルが降下する。それによ
って、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、液面降下
手段によって剪断発熱器のロータの回転速度が所定回転
速度以下の時に、ロータの回転中心よりも下方となるよ
うに発熱室内の粘性液体の液面レベルを降下させること
により、ロータの起動時のトルクを大幅に低減できる。
それによって、請求項1に記載の発明と同様な効果が得
られる。
【0013】請求項5に記載の発明によれば、液面降下
手段によって剪断発熱器のロータの外周面に接触する程
度の量だけ発熱室内の粘性液体が残るように発熱室内の
粘性液体の液面レベルを降下させることにより、ロータ
の起動時のトルクを更に大幅に低減できる。それによっ
て、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕図1ないし図5はこの発明の第
1実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置
の全体構造を示した図で、図2はエンジンとベルト伝動
機構を示した図である。
【0015】車両用空気調和装置1は、車両のエンジン
ルームに設置された水冷式のディーゼルエンジン(以下
エンジンと略す)Eと、車室内の空調を行う室内空調ユ
ニット(以下エアコンと呼ぶ)3、エンジンEに駆動連
結されたベルト伝動機構と、このベルト伝動機構に駆動
連結されたビスカスクラッチ4、このビスカスクラッチ
4を介してエンジンEの回転動力が伝達されると発生す
る熱を車両用補助熱源装置として利用するビスカスヒー
タ5と、エンジンEを制御するエンジン制御装置(図示
せず)と、エアコン3を制御するエアコン制御装置(図
示せず)とを備える。
【0016】エンジンEは、本発明の駆動源であって、
冷却水が循環する冷却水回路2中に設けられ、内部にウ
ォータジャケットを有している。なお、冷却水回路2に
は、冷却水回路2中に冷却水を循環させるウォータポン
プ11が設けられている。また、エンジンEのクランク
軸(出力軸)12には、ベルト伝動機構と駆動連結する
ためのクランクプーリ13が取り付けられている。
【0017】エアコン3は、ダクト14、ブロワ15、
冷凍サイクルのエバポレータ16、冷却水回路2のヒー
タコア17等から構成されている。ダクト14の風上側
には、外気吸込口18aおよび内気吸込口18bを選択
的に開閉して吸込口モードを切り替える内外気切替ドア
18が回動自在に取り付けられている。ダクト14の風
下側には、デフロスタ吹出口19a、フェイス吹出口1
9bおよびフット吹出口19cを選択的に開閉して吹出
口モードを切り替える吹出口モード切替ドア19が回動
自在に取り付けられている。ブロワ15は、ブロワモー
タ20により回転駆動されて、ダクト14内に車室内へ
向かう空気流を発生する送風機である。
【0018】エバポレータ16は、ダクト14内を流れ
る空気を冷却する空気冷却手段(冷媒蒸発器)で、コン
プレッサ、コンデンサ(冷媒凝縮器)、レシーバ(気液
分離器)、エキスパンション・バルブ(膨張弁、減圧手
段)と共に冷凍サイクルを構成する。なお、コンプレッ
サは、エンジンEの回転動力が与えられると冷媒を圧縮
し吐出する冷媒圧縮機である。このコンプレッサの駆動
軸21に駆動連結されたVプーリ22は、後記するベル
ト伝動機構のVベルトを介してエンジンEのクランクプ
ーリ13に駆動連結している。
【0019】ヒータコア17は、ダクト14内において
エバポレータ16よりも空気の流れ方向の下流側(風下
側)に設置され、且つ冷却水回路2のビスカスヒータ5
よりも冷却水の流れ方向の下流側に接続されている。ヒ
ータコア17は、エバポレータ16を通過した空気と冷
却水とを熱交換して空気を加熱する暖房用熱交換器(空
気加熱手段、放熱器)である。なお、ヒータコア17の
風上側には、エアミックスドア23が回動自在に取り付
けられている。このエアミックスドア23は、ドア開度
に応じて、ヒータコア17を通過する空気量(温風量)
とヒータコア17を迂回する空気量(冷風量)とを調節
して車室内に吹き出す空気の吹出温度を調節する吹出温
度調節手段である。
【0020】ベルト伝動機構は、エンジンEのクランク
プーリ13とビスカスクラッチ4のVプーリ10とコン
プレッサのVプーリ22とを駆動連結する多段式のVベ
ルト6よりなる。このVベルト6は、本発明の動力伝達
手段であって、エンジンEの回転動力をビスカスヒータ
5とコンプレッサとに与えるベルト伝動手段である。ま
た、Vベルト6には、エンジンEの補機(例えばエンジ
ンEの潤滑油を汲み上げるポンプ)のVプーリや、ウォ
ータポンプ11のVプーリ等を共掛けしても良い。
【0021】ビスカスクラッチ4は、本発明のクラッチ
手段であって、図3に示したように、エンジンEからビ
スカスヒータ5のシャフト7およびロータ9への回転動
力の伝達を断続する電磁クラッチである。そして、ビス
カスクラッチ4は、通電されると起磁力を発生する電磁
コイル31、エンジンEによって回転駆動されるロータ
32、電磁コイル31の起磁力によってロータ32に吸
着するアーマチャ33、およびこのアーマチャ33に板
ばね34を介して連結され、ビスカスヒータ5のシャフ
ト7に回転動力を与えるインナーハブ35等から構成さ
れている。
【0022】電磁コイル31は、絶縁皮膜を施した導電
線を巻回したもので、鉄等の磁性材料で形成されたステ
ータ36内に収容され、エポキシ系樹脂によってステー
タ36内にモールド固定されている。なお、ステータ3
6は、ビスカスヒータ5のハウジング8の前面に固定さ
れている。
【0023】ロータ32は、外周にVプーリ10が溶接
等の接合手段により接合され、Vベルト6を介して伝達
されたエンジンEの回転動力によって常時回転する回転
体(ビスカスクラッチ4の入力部)である。なお、Vプ
ーリ10は、Vベルト6(図1および図2参照)が掛け
渡され、Vベルト6を介して伝達されたエンジンEの回
転動力によって常時回転する。また、ロータ32は、鉄
等の磁性材料により断面コの字形状に形成された第1摩
擦部材であって、内周側に設けたボールベアリング等の
軸受37を介してビスカスヒータ5のハウジング8の外
周に回転自在に支持されている。
【0024】アーマチャ33は、ロータ32の円環板形
状の摩擦面に軸方向のエアギャップ(例えば0.5mm
の空隙)を隔てて対向する円環板形状の摩擦面を有し、
鉄等の磁性材料により円環板形状に形成された第2摩擦
部材である。なお、アーマチャ33は、電磁コイル31
の起磁力によりロータ32の摩擦面に吸着(係合)され
るとロータ32からエンジンEの回転動力が伝達され
る。
【0025】板ばね34は、外周側がアーマチャ33に
リベット等の固定手段により固定され、内周側がインナ
ーハブ35にリベット等の固定手段により固定されてい
る。この板ばね34は、電磁コイル31の通電停止時に
アーマチャ33をロータ32の摩擦面から離脱(解放)
させる方向(図示左方向)へ変位させて初期位置に戻す
弾性部材である。
【0026】インナーハブ35は、入力側が板ばね34
を介してアーマチャ33に駆動連結し、出力側がビスカ
スヒータ5のシャフト7にスプライン嵌合により駆動連
結したビスカスクラッチ4の出力部である。
【0027】ビスカスヒータ5は、本発明の剪断発熱器
であって、図3ないし図5に示したように、Vベルト6
およびビスカスクラッチ4を介してエンジンEの回転動
力が与えられるシャフト7、このシャフト7を回転自在
に支持するハウジング8、このハウジング8の内部空間
をオイル室41と冷却水路51とに区画するセパレータ
50、およびハウジング8内に回転可能に配されたロー
タ9等から構成されている。
【0028】シャフト7は、ビスカスクラッチ4のイン
ナーハブ35にボルト等の締結部材42により締め付け
固定され、アーマチャ33と一体的に回転する回転軸
(入力軸)である。このシャフト7は、ボールベアリン
グ等の軸受43およびシール材44を介してハウジング
8の内周に回転自在に支持されている。なお、シール材
44には高粘度オイルの漏れを防ぐオイルシールが利用
されている。
【0029】ハウジング8は、アルミニウム合金等の金
属部材よりなり、後端部に円環板形状のカバー45をボ
ルトやナット等の締結部材46により締め付け固定して
いる。なお、ハウジング8とカバー45との接合面に
は、セパレータ50およびシール材47が装着されてい
る。そのシール材47には高粘度オイルの漏れを防ぐO
リングが利用されている。ハウジング8の後端面とセパ
レータ50の前端面との間に形成されるオイル室41に
は、剪断力が作用すると発熱する高粘度オイル(例えば
高粘性シリコンオイル等の粘性液体)が封入された発熱
室(剪断室)48および貯油室(貯油槽)49が設けら
れている。なお、発熱室48および貯油室49の両方
で、ロータ9の回転停止時に、約30g(約30cc)
の高粘度オイルを蓄える。
【0030】貯油室49は、本発明の貯蓄部であって、
図3および図4に示したように、発熱室48に連通する
ように発熱室48の下部に設けられており、発熱室48
の前後方向の寸法よりも前後に大きく膨出形成されてお
り、且つロータ9の回転方向の前後にも大きく膨出形成
されている。なお、発熱室48に対する貯油室49の膨
出方向は、ロータ9の回転停止時に発熱室48内の高粘
度オイルの量を減らすことができれば、ロータ9の径方
向の下方(地方向)に膨出形成されていれば良い。
【0031】そして、貯油室49は、ロータ9の回転停
止時に発熱室48内の高粘度オイルが自重により流入す
ることにより、シャフト7およびロータ9の回転中心よ
りも下方となるように発熱室48内の高粘度オイルの液
面レベルを降下させる液面降下手段である。そして、貯
油室49の容量は、ロータ9の回転停止時、すなわち、
高粘度オイルが全て貯油室49内にある時に、ロータ9
の外周部と接触する程度(ロータ9とのオーバーラップ
代が5mm、あるいはロータ9の外表面の20%以下5
%以上)とする。なお、貯油室49は、ロータ9の回転
停止時、発ロータ9の外周面に接触する程度の量だけ発
熱室48内の粘性液体が残るように発熱室48内の粘性
液体の液面レベルを降下させるようにすれば良い。ま
た、セパレータ50とロータ9との間で1以上屈曲した
空間を有するラビリンスシールを形成して、そのラビリ
ンスシールを発熱室48としても良い。
【0032】セパレータ50は、アルミニウム合金等の
熱伝導性に優れた金属部材よりなり、外周部がハウジン
グ8の円筒状部とカバー45の円筒状部とに挟み込まれ
た仕切り部材である。そして、セパレータ50の後端面
とカバー45の内部には、外部と液密的に区画され、エ
ンジンEを冷却した冷却水が還流する冷却水路51が形
成されている。さらに、セパレータ50の下方側の後端
面には、高粘度オイルの熱を冷却水に効率良く伝達する
ための略円弧形状のフィン部(図示せず)が多数一体成
形されている。なお、フィン部の代わりにセパレータ5
0の後端面を凸凹にしたり、コルゲートフィンや微細ピ
ンフィン等の熱伝達促進部材をセパレータ50の後端面
に設けたりしても良い。
【0033】冷却水路51は、セパレータ50の後端面
に一体成形された仕切り壁(図示せず)により上流側冷
却水路と下流側冷却水路とに区画されている。そして、
カバー45の外壁面の上端部には、冷却水路51内に冷
却水を流入させる冷却水配管(図示せず)、および冷却
水路51より冷却水を流出させる冷却配管52が接続さ
れている。
【0034】ロータ9は、発熱室48内に回転可能に配
され、シャフト7の後端部の外周に固定されている。こ
のロータ9の外周面または両側壁面には、複数の溝部
(図示せず)が形成され、隣設する溝部間に突起部(歯
部)が形成されている。そして、ロータは、シャフト7
にエンジンEの回転動力が与えられるとシャフト7と一
体的に回転して発熱室48内の高粘度オイルに剪断力を
作用させる。
【0035】〔第1実施形態の作用〕次に、本実施形態
の車両用空気調和装置1の作動を図1ないし図5に基づ
いて簡単に説明する。
【0036】エンジンEが始動することによりクランク
軸12が回転し、クランクプーリ13、Vベルト6およ
びVプーリ10を介してビスカスクラッチ4のロータ3
2にエンジンEの回転動力が伝達されるが、ビスカスク
ラッチ4(電磁コイル31)がオフされている時には、
アーマチャ33がロータ32の摩擦面に吸着されず、エ
ンジンEの回転動力がインナーハブ35およびシャフト
7に伝達されず、ロータ32が空転するのみである。
【0037】これにより、シャフト7およびロータ9が
回転しないので、発熱室48内の高粘度オイルの一部に
も剪断力が作用せず、図5(a)に示したように、高粘
度オイルの大部分は貯油室49内に留まり、高粘度オイ
ルが発熱しない。したがって、エンジンEを冷却した冷
却水は、ビスカスヒータ5の冷却水路51を通っても加
熱されることなく、ヒータコア17に供給される。この
ため、小さい暖房能力で車室内の暖房が開始される。
【0038】ここで、冷却水回路2中の冷却水温が設定
冷却水温(設定値)よりも低温の場合には、ビスカスク
ラッチ4(電磁コイル31)がオンされるので、電磁コ
イル31の起磁力によってアーマチャ33がロータ32
の摩擦面に吸着し、エンジンEの回転動力がインナーハ
ブ35およびシャフト7に伝達される。
【0039】これにより、シャフト7およびロータ9が
回転し、貯油室49内の高粘度オイルがロータ9の外周
部に絡まり、次第に貯油室49内の高粘度オイルをロー
タ9の前表面に接触するように吸い上げて、図5(b)
に示したように、発熱室48全体に高粘度オイルが充満
する(ワイセンベルク効果)。
【0040】このため、発熱室48内の高粘度オイルに
剪断力が作用することにより、高粘度オイルが発熱す
る。したがって、エンジンEを冷却した冷却水は、ビス
カスヒータ5の冷却水路51を通過する際に、高粘度オ
イルの発生熱を吸熱することにより加熱される。そし
て、ビスカスヒータ5で加熱された冷却水がヒータコア
17に供給されることにより、大きい暖房能力で車室内
の暖房が行われる。以上の作動を冷却水回路2中の冷却
水温と設定冷却水温との関係に基づいて電磁コイル31
をオン、オフすることにより繰り返す。
【0041】〔第1実施形態の効果〕以上のように、本
実施形態のビスカスヒータ5は、発熱室48の下部(地
方向)に貯油室49を設けて、ビスカスクラッチ4(電
磁コイル31)のオフ時、すなわち、ロータ9の回転停
止時に、図3および図5(a)に示したように、発熱室
48内の高粘度オイルが自重により貯油室49内に移動
することにより、発熱室48内の高粘度オイルの液面レ
ベルがロータ9の外周部にのみ接触する程度まで下が
る。
【0042】それによって、ビスカスクラッチ4(電磁
コイル31)のオン時、すなわち、ロータ9の始動時の
トルクを大幅に低減できるので、ロータ9の始動時のシ
ョックを緩和できる。これにより、ビスカスヒータ5の
各部、特にシャフト7とロータ9との結合部、ビスカス
ヒータ5とシャフト7との結合部、ビスカスヒータ5お
よびVベルト6に加わるストレスを低減でき、ビスカス
ヒータ5の各部、ビスカスヒータ5およびVベルト6の
耐久性を向上できる。
【0043】また、ビスカスヒータ5のロータ9の始動
時のショックを緩和できるので、Vベルト6およびビス
カスヒータ5のロータ32とアーマチャ33との間の滑
りを抑制できるので、ベルト鳴き音等の騒音を抑えるこ
とができる。よって、本実施形態のように発熱室48の
下部に貯油室49を設けることには、特に問題となる冬
場の車両の長時間放置後のビスカスヒータ5の起動時に
特に有効である。
【0044】そして、暖房用主熱源としてのエンジンE
に対して、ビスカスヒータ5の発生熱を暖房用補助熱源
として利用してヒータコア17に供給される冷却水を充
分加熱することができる。したがって、例えばディーゼ
ルエンジン車やリーンバーンエンジン車のように、エン
ジンEの発熱量が少なくてエンジンEの排熱により冷却
水を充分に加熱することができない車両であっても、冷
却水回路2内の冷却水温を所定冷却水温(例えば80
℃)程度に維持することでき、車室内の暖房能力の不足
を防止できる。
【0045】〔第2実施形態〕図6はこの発明の第2実
施形態を示したもので、ビスカスヒータを示した図であ
る。
【0046】本実施形態では、ビスカスヒータ5が傾斜
した状態で車両に搭載された場合でも、第1実施形態と
同様な効果を得るために、貯油室48をロータ9の回転
方向の前後に延長することにより、貯油室48を円弧形
状に形成している(例えばθ=30°〜45°程度)。
なお、ロータ9の回転方向に対する延長方向は前方また
は後方のいずれか一方でも良く、あるいはロータ9の回
転方向に対する接線方向(幅方向)は前方または後方の
いずれか一方でも良い。
【0047】〔他の実施形態〕上記実施形態では、エン
ジンEのクランク軸12にVベルト6およびビスカスク
ラッチ4を駆動連結してビスカスヒータ5のロータ9を
回転駆動したが、エンジンEのクランク軸12にビスカ
スクラッチ4を直接連結してビスカスヒータ5のロータ
9を回転駆動しても良い。また、ロータ9とエンジンE
のクランク軸12との間に一段以上の歯車変速機やVベ
ルト式無段変速機等の伝動手段を連結しても良い。な
お、クラッチ手段として、油圧式多板クラッチ等の他の
クラッチ手段を用いても良い。
【0048】上記実施形態では、駆動源として水冷式の
エンジンEを使用したが、駆動源として電動モータや流
体圧モータを使用しても良い。また、暖房用熱源として
利用しない水冷式のエンジンや空冷式のエンジン等のそ
の他の内燃機関を利用してビスカスヒータ5のロータ9
を回転駆動しても良い。
【0049】上記実施形態では、本発明を車室内の暖房
と冷房とを行うことが可能な車両用空気調和装置1に適
用したが、本発明を車室内の暖房のみを行うことが可能
な車両用暖房装置に適用しても良い。また、水冷式のエ
ンジンEの即効暖機を行うエンジン暖機装置に本発明を
利用しても良い。
【0050】ここで、冷却水としては、エチレングリコ
ール水溶液等の不凍液を添加した冷却水、不凍液や防錆
剤等の混合したロングライフクーラント(L.L.C)
などを使用しても良い。また、冷却水の代わりに、熱媒
体としてオイル、冷凍サイクルの冷媒等を使用しても良
い。
【0051】上記実施形態では、ビスカスクラッチ4
(電磁コイル31)がオフの時、すなわち、ロータ9の
回転速度が所定回転速度(0rpm)の時に発熱室48
から貯油室49内に高粘度オイルが移動するようにした
が、ロータ9の回転速度が所定回転速度(例えば800
rpm)以下の時に発熱室48から貯油室49内に高粘
度オイルが移動するように弁装置を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の全体構造を示した概略図
である(第1実施形態)。
【図2】エンジンとベルト伝動機構を示した概略図であ
る(第1実施形態)。
【図3】ビスカスクラッチおよびビスカスヒータを示し
た横断面図である(第1実施形態)。
【図4】ビスカスヒータを示した縦断面図である(第1
実施形態)。
【図5】(a)、(b)はロータの作動状態に対する高
粘度オイルの液面レベルの変化を示した説明図である
(第1実施形態)。
【図6】ビスカスヒータを示した縦断面図である(第2
実施形態)。
【符号の説明】
E エンジン(駆動源) 1 車両用空気調和装置 4 ビスカスクラッチ(クラッチ手段) 5 ビスカスヒータ(車両用補助熱源装置、剪断発熱
器) 6 Vベルト(動力伝達手段) 7 シャフト 8 ハウジング 9 ロータ 17 ヒータコア 48 発熱室 49 貯油室(液面降下手段、貯蓄部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 敏夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 伊藤 肇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 伴 孝志 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源の回転動力が加わると回転するロー
    タ、およびこのロータに回転動力が加わると剪断力が作
    用されて熱を発生する粘性液体を内部に収容した発熱室
    を有し、この発熱室内の粘性液体の発生熱により熱媒体
    を加熱する剪断発熱器を備えた車両用補助熱源装置であ
    って、 前記剪断発熱器は、前記ロータの回転速度が所定回転速
    度以下の時に、前記発熱室内の粘性液体の液面レベルを
    一時的に降下させる液面降下手段を前記発熱室内に有す
    ることを特徴とする車両用補助熱源装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用補助熱源装置にお
    いて、 前記駆動源にベルト、チェーンまたは変速機等の動力伝
    達手段を介して駆動連結され、前記駆動源から前記ロー
    タへの回転動力の伝達を断続するクラッチ手段を備えた
    ことを特徴とする車両用補助熱源装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用補
    助熱源装置において、 前記液面降下手段は、前記発熱室の下部に配設されると
    共に、前記発熱室内の粘性液体が自重により流入する貯
    蓄部を有することを特徴とする車両用補助熱源装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の車両用補助熱源装置において、 前記液面降下手段は、前記ロータの回転中心よりも下方
    となるように前記発熱室内の粘性液体の液面レベルを降
    下させることを特徴とする車両用補助熱源装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の車両用補助熱源装置において、 前記液面降下手段は、前記ロータの外周面に接触する程
    度の量だけ前記発熱室内の粘性液体が残るように前記発
    熱室内の粘性液体の液面レベルを降下させることを特徴
    とする車両用補助熱源装置。
JP8249411A 1996-09-20 1996-09-20 車両用補助熱源装置 Pending JPH1095223A (ja)

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CA002214456A CA2214456A1 (en) 1996-09-20 1997-09-18 Auxiliary heat source apparatus for vehicle and heating apparatus employing the same
EP97116250A EP0830962B1 (en) 1996-09-20 1997-09-18 Auxiliary heat source apparatus for vehicle and heating apparatus employing the same
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE3832966A1 (de) * 1988-09-29 1990-04-05 Bosch Gmbh Robert Heizvorrichtung fuer den fahrgastraum eines eine fluessigkeitsgekuehlte brennkraftmaschine aufweisenden kraftfahrzeuges
JP2712510B2 (ja) * 1989-03-21 1998-02-16 アイシン精機株式会社 車両用暖房装置
JPH07115581B2 (ja) * 1989-07-25 1995-12-13 アイシン精機株式会社 車両用暖房装置
JP3254990B2 (ja) * 1995-11-13 2002-02-12 株式会社豊田自動織機 車両用暖房システム

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DE69719133T2 (de) 2003-07-31
CA2214456A1 (en) 1998-03-20
EP0830962A2 (en) 1998-03-25

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