JPH1094704A - 汚濁水処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚濁水の大量連続処理においては、凝集剤の
混入装置、攪拌装置などが設けられた薬剤混合槽と、沈
澱槽とを組み合わせて汚濁水処理装置を構成するが、粉
末状あるいは顆粒状の凝集剤の場合には、連続的に使用
すると、凝集剤を薬剤混合槽に混入するための薬剤混入
パイプの内面に凝集剤が付着し、凝集剤の混入量が狂っ
てしまったり、詰まってしまったりすることもある。こ
のような場合には、この薬剤混入パイプを取り外して掃
除しなければならず、装置を定期的に停止してメンテナ
ンスすることが必要となる。 【解決手段】 汚濁水に凝集剤などを混入させて凝集さ
せ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させることにより浄化
処理する汚濁水処理装置において、汚濁水に凝集剤など
を混入させるための薬剤混入パイプの内面に付着した凝
集剤を除去するための掻き落とし手段が設けられてお
り、該掻き落とし手段は、棒状体が薬剤混入パイプの内
周面に沿って回動するように設けられていることを特長
とする汚濁水処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、赤水や工事排水な
どの汚濁水を浄化するための処理装置に関し、特に、凝
集剤を混入させて汚濁物を凝集させ、凝集物を沈澱分離
することにより浄化処理するための汚濁水処理装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】工事排水などの汚濁水の浄化において、
近年、凝集剤を用いて汚濁物を凝集させて汚濁粒子を粗
大化させ、沈澱層で沈澱させて、汚濁物を分離して浄化
するようにしたものが急速に普及しつつある。これは、
汚濁水による環境汚染の問題が深刻になってきており、
また、連続的に大容量の汚濁水を確実に浄化処理するこ
とが求められており、従来の沈砂池や濾過材による浄化
処理では、対応できなくなってきているためである。す
なわち、沈砂池のみでの処理では、汚濁水を十分に浄化
処理しきらずに放流してしまうことが多い。また、従来
の濾過材などの濾過方式の浄化では、目詰まりなどのメ
ンテナンス性の問題があり、連続的な大量処理は困難で
ある。

【０００３】近年では、各種の凝集剤が盛んに開発され
ており、その性能は著しく向上しており、中には凝集剤
の混入後、数秒で凝集するものもあり、凝集剤の連続混
入により、連続的に大量に処理することが可能になって
きた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような汚濁水の大
量連続処理においては、凝集剤の混入装置、攪拌装置な
どが設けられた薬剤混合槽と、沈澱槽とを組合わせて汚
濁水処理装置を構成するが、粉末状あるには顆粒状の凝
集剤の場合には、連続的に使用すると、凝集剤を薬剤混
合槽に混入するための薬剤混入パイプの内面に凝集剤が
付着し、凝集剤の混入量が狂ってしまったり、詰ってし
まったりすることもある。このような場合には、この薬
剤混入パイプを取り外して掃除しなければならず、装置
を定期的に停止してメンテナンスすることが必要とな
る。

【０００５】また、小型の装置で大量に処理することが
求められており、処理流量を高めるため、混合・攪拌を
高速にかつ効果的に行わせる必要がある。

【０００６】さらにまた、小型の沈澱槽で大量に分離処
理させるためには、沈澱槽底部に堆積した沈澱物を頻繁
に除去しなければならず、効率良く除去できることが求
められる。

【０００７】本発明は、上記のような汚濁水の連続大量
処理における種々の問題点に鑑みてなされたものであ
り、薬剤混入が確実にかつスムースに行なえ、大きな処
理量に対しても、凝集剤を確実に混合攪拌することがで
き、また、沈澱槽底部に堆積した沈澱物を効率良く、槽
外に排除することができる汚濁水処理装置を実現するた
めになされたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１は、薬剤混入パ
イプの内面に付着した凝集剤により、詰ったり、混入量
不足となったりしないように、該薬剤混入パイプ内面の
清掃手段を設けたものである。

【０００９】汚濁水の浄化処理中に、連続して粉末状や
顆粒状の凝集剤を混入すると、湿分により薬剤混入パイ
プの内面に凝集剤が付着する。付着した凝集剤は、湿気
を含むと、さらに凝集剤が付着しやすくなるため、除々
に付着が増えて行き、混入不足となったり、詰ってしま
うこともある。このため、定期的に清掃する必要があ
り、手間がかかり、浄化処理を一時停止しなければなら
ない。

【００１０】該薬剤混入パイプの内面の清掃手段は、該
パイプの内周面に沿って棒状体を回動させることによ
り、付着した凝集剤を掻き落とすことが出来るようにし
たものである。該棒状体は、細長い剛性の金属線材など
でも良く、該薬剤混入パイプの途中に該パイプとほぼ同
じ内径となっているリング状の回転体を設け、該回転体
の内周部に棒状体を固着し、該回転体の回転により棒状
体が、該薬剤混入パイプの内面に沿って摺動しながら回
転するようにしたものでも良い。

【００１１】該回転体の回転は、モーター駆動やハンド
ルなどを設けて手動回転できるようにしても良く、回転
体に羽根部を設け、この羽根部にエアーや水などを噴出
させて回転させるようにしても良い。

【００１２】請求項２は、回転羽根をモーターなどで回
転させる攪拌装置において、凝集剤と大量の汚濁水を十
分に混合することができるようにしたものであり、回転
羽根は、回転軸に複数の円板体が固着され、該円板体に
垂直で、かつ回転軸に対して放射状に羽根板が取り付け
られ、さらに、円板体には、連通穴が設けられている。

【００１３】この回転羽根による混合装置は、回転軸に
放射状に設けられた羽根板の回転により、汚濁水は、回
転流を発生する。この場合、羽根板は、円板体に固着さ
れているため、この円板体で上下の回転流は遮断され
る。すなわち、回転軸に複数段の羽根板付き円板体が取
り付けられているため、各段の羽根板により発生する回
転流は円板体により遮断され、各々独立した回転流を発
生することになる。また、羽根板の回転により汚濁水は
周囲に飛ばされ、連通穴より新しい汚濁水が流入する。

【００１４】凝集剤が混入された汚濁水の流れは、連通
穴から流入し、羽根板により攪拌容器の内周部に飛ばさ
れて回転流となり攪拌される。しかも格段毎に新たな回
転流が発生するため、攪拌効果がさらにアップする。

【００１５】円板体がない場合には、羽根板が複数段に
設けられていても、回転方向、回転力など各回転板の条
件がすべて同じのため、全体が一つの回転流となって螺
旋状に流動することになる。

【００１６】上記のように独立した回転流となることに
より、格段を通過する汚濁水は、複数の攪拌槽を流動す
る場合と同様の攪拌効果が得られる。

【００１７】請求項３は、沈澱槽底部に堆積する沈澱物
を自動的に除去できるように、沈澱物除去手段を設けた
ものであり、沈澱物を掻き集めるための掻き寄せ装置
と、かき集めた沈澱物を沈澱槽外部に排出するための排
出装置が設けられたものである。

【００１８】掻き寄せ装置は、板状の掻き寄せ板が沈澱
槽底面を摺動し、沈澱物を自動的にかき集めるようにし
たものであり、該掻き寄せ板を支持アームなどで支え、
摺動を繰り返すように駆動させるようにしたもので、駆
動方法としては、チェーンコンベアや走行レールなどを
用いても良い。

【００１９】排出装置は、上記の掻き寄せ装置で掻き集
めた沈澱物を沈澱槽外部へ排出できるものならばいずれ
でも良く、例えば、沈澱槽底部に掻き集めた沈澱物を溜
めることができ、沈澱槽外部まで導かれる排出溝を設
け、該排出溝内にスクリューコンベアなどを設置し、沈
澱槽外部へ移送できるようにしたものでも良い。

【００２０】通常、凝集剤により一度凝集した沈澱物
は、元の細かな粒子に戻ったり、溶け出したりすること
はないが、大量に堆積してしまうと、流速が増え、沈澱
分離効果が低下したり、また、上澄み液とともに流出し
てしまうなどの問題が生じるため、適時に堆積した沈澱
物を排除しなければならない。

【００２１】沈澱物の排除は、処理装置を停止し、上澄
み液をできるだけ分離した状態で汲み出さなければなら
ない。この場合、バキューム装置などで排出することも
できるが、多くの場合、手作業で処理されており、たい
へんな労力を要している。

【００２２】処理量が多くなると、それだけ沈澱物量も
増えるため、頻繁なメンテナンスが求められたため、省
力化が必要となってきた。

【００２３】掻き寄せ装置と排出装置により大幅に省力
化となる。また、掻き寄せ装置の掻き寄せ操作をゆっく
り行なうことにより、浄化処理を続けながら、沈澱物を
排除することも可能である。

【００２４】請求項４は、沈澱槽に堆積した沈澱物を簡
単に排出できるように、沈澱槽の側面に上部が軸支さ
れ、下部が外側に開く、水密構造の開閉扉を設け、該開
閉扉の反対側をクレーンなどで吊り上げ、沈澱槽を傾斜
させて沈澱物を排出できるようにしたものであり、沈澱
物の排出に労力をかけて汲み出す必要がなくなり、ま
た、バキューム装置などの特別な機器を必要としない。

【００２５】クレーンなどで吊り上げるため、沈澱槽
は、比較的小さくものが良く、処理量を増やす場合に
は、小型の沈澱槽を複数基接続して使用すると良い。ま
た、予めジャッキアップ装置を組み込んでおいても良
い。

【００２６】また、濾過材充填部の仕切り板も同様に、
下方開きの開閉扉とすると、充填材の交換、排出も同時
に行うことができる。

【００２７】

【発明の実施の形態】請求項１は、汚濁水中の汚濁物を
凝集剤で凝集させ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させて
浄化処理する汚濁水処理装置において、汚濁水に凝集剤
などを混入させるための薬剤混入パイプの内面に付着し
た凝集剤を除去するための掻き落とし手段が設けられて
おり、該掻き落とし手段は、棒状体が薬剤混入パイプの
内周面に沿って回動するようにもうけられている汚濁水
処理装置である。

【００２８】該棒状体は、薬剤混入パイプに対して十分
に細く、薬剤注入に支障のない太さのものを用いる。ま
た、掻き落とし操作により、曲ってしまったりすること
のないような剛性を有するもので、湿分に対する耐腐食
性を有する材料を用いる。例えば、ステンレス製線材な
どでも良い。

【００２９】該棒状体を薬剤混入パイプの内面に沿って
回転させる手段としては、該薬剤混入パイプの途中に、
ベアリングなどを用いて回転可能なパイプ部分を設け、
この回転パイプの内面に前記の棒状体を固着し、回転パ
イプを外部より回転させることにより、棒状体を回転さ
せ、薬剤混入パイプの内面に付着した凝集剤を掻き落と
すようにしても良い。

【００３０】この回転パイプの回転駆動は、手動あるい
は、モーターや空気圧、水圧などの機械駆動のいずれで
も良く、常時回転する必要はないので、タイマーなどで
断続的に回転させるようにしても良い。

【００３１】図１は、本発明による薬剤混入パイプ内面
の清掃装置の実施例であり、棒状体を用いた掻き落とし
手段が設けられている。（１）は、回転羽根部の概略図
で有り、（２）は垂直断面図である。

【００３２】この清掃装置は、薬剤混入パイプと同内径
となるリング状の回転羽根が設けられており、該回転羽
根の内面に棒状体が固着されている。該棒状体は、直径
３ｍｍ程度のステンレス製の線材が用いられている。

【００３３】該回転羽根は、薬剤混入パイプと同径の短
パイプの外周部に放射状に羽根板が取り付けられてお
り、該羽根板の上下を覆うように、リング板を取り付け
たものである。この回転羽根は、上下からベアリングに
よる回転ガイドで回転可能に支持されている。

【００３４】また、該回転羽根の外周をケーシングが覆
っており、該ケーシングには、エアー噴出ノズルが設け
られており、図示しないエアー供給装置よりエアーが噴
射注入できるようになっている。

【００３５】このように構成された清掃装置は、ケーシ
ングに設けられたエアー噴出ノズルよりエアーが噴射注
入され、回転羽根が回転する。回転羽根の回転に伴い、
棒状体も薬剤混入パイプの内面に沿って回転するため、
該パイプ内面に付着した凝集剤は掻き落とされる。

【００３６】棒状体の回転速度は、早くする必要はな
く、毎分３０回程度で良く、また、連続回転させるので
はなく、タイマー制御などで継続回転させ、１時間に１
分程度の掻き落とし操作が行えるようにすると良い。

【００３７】請求項２は、汚濁水に凝集剤などを混入さ
せて凝集させ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させること
により浄化処理する汚濁水処理装置において、該汚濁水
と凝集剤とを混合・攪拌するための回転羽根を有する攪
拌装置が設けられており、該回転羽根は、垂直な回転軸
に複数枚の円板が取り付けられており、該円板に垂直
で、かつ回転軸から放射状に複数枚の羽根板が固着され
ており、該円板には連通孔が設けられていめ汚濁水処理
装置である。

【００３８】該回転羽根は、モーター駆動による回転軸
に、羽根板付きの円板が複数取り付けられたものであ
り、円板には、連通穴が設けられている。羽根板は、回
転軸に対して放射状に設けられていれば良く、円板の上
下いずれかあるいは両方に取り付けられる。回転軸に直
接固着させなくても良い。連通穴は、円板の中心寄りに
開けることが好ましい。

【００３９】図２は、本発明による攪拌装置の実施例で
あり、（１）は、回転羽根部の概略図であり、（２）
は、垂直断面図である。

【００４０】この攪拌装置は、円筒状のケーシング内
に、垂直な回転軸を有する攪拌羽根が設けられている。
該ケーシングの下部側が汚濁水の流入口となっており、
上部側が流出口となっている。攪拌羽根は上段・中段・
下段の３段設けられており、上段は、円板の上部に羽根
板が取り付けられており、中段は、円板の上下両側に羽
根板が設けられており、下段は、円板の下側に羽根板が
設けられている。各段の羽根板は、回転軸に対して放射
状に、６枚づつ設けられている。また、連通穴は、各羽
根板間の回転軸側に扇形状に開けられている。円板とケ
ーシングとの隙間は、円板径の１０分の１程度が良い。
また、各円板の取付間隔は、羽根板の高さの２倍以上が
良い。

【００４１】このように構成される攪拌装置において、
攪拌槽内の凝集剤が混入した汚濁水は、ケーシングの下
部側より流入し、各段の攪拌羽根で回転攪拌されながら
流動してケーシング上部より流出する。この時の流動
は、中心側の連通穴を通って各段に流動し、各段で羽根
板に飛ばされてケーシングの内周部に分散される流動と
なる。すなわち、ケーシングの下部より中心部を上昇
し、各段で周囲方向に分散されて流動し、内周部で回転
流となり、螺旋状に流動してケーシング上部より流出す
る。

【００４２】通常の攪拌装置のように、回転軸に羽根板
を数段取り付けただけでは、全体に渦流が発生するだけ
であり、上記のように、各段が独立した流動を発生させ
ることはできないため、大量処理の場合には攪拌効果は
低い。

【００４３】請求項３は、汚濁水に凝集剤などを混入さ
せて凝集させ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させること
により浄化処理する汚濁水処理装置において、該沈澱槽
低部に堆積した沈澱物を除去するための沈澱物除去手段
が備えられており、該沈澱物除去手段は、沈澱槽の低部
に排出溝が設けられ、該排出溝に沈澱物を掻き集めるた
めの掻き寄せ装置と、該排出溝内の沈澱物を沈澱槽外部
に排出するためのスクリューコンベアとが設けられてい
る汚濁水処理装置である。

【００４４】該排出溝は、沈澱槽の底面より低く掘下げ
られており、掻き寄せ装置のストローク毎に設けられ
る。また、掻き寄せ装置は、沈澱槽と同じ幅の板体を一
定範囲を繰り返して移動できるものであり、掻き寄せ方
向に移動する時には、板体が底面を摺動し、元の位置に
戻る時は、底面より浮かせて移動できるようにしたもの
であるならばいずれでも良い。

【００４５】図３は本発明による沈澱物の排出装置の実
施例である。該排出装置は、沈澱槽の底部に一定間隔に
排出溝が設けられており、該排出溝内に沈澱物を掻き集
めるための掻き寄せ装置が設けられている。

【００４６】該掻き寄せ装置は、沈澱槽の上部に設けら
れた走行レールより、アームが吊り下げられており、該
アームの先端には、掻き寄せ板が取り付けられている。
該掻き寄せ板は、Ｌ形に折り曲げた板体で、沈澱槽の幅
と同じ長さに形成されており、両端部がアームに軸支さ
れている。アームの上部には走行レール上を走行するた
めのローラーが取り付けられており、駆動チェーンで往
復動できるようになっている。

【００４７】ローラーの往復動により、アームの先端部
に取り付けられた掻き寄せ板が移動し、Ｌ形の先端面が
沈澱槽の底部を摺動して、排出溝に沈澱物を掻き集める
ことができるようになっている。掻き寄せ板が元の位置
に戻る場合には、ガイド板により押上げられ、底面から
離れ、ガイド板の上部を摺動して戻るため、沈澱物を押
し戻すことなく、絶えず同じ方法に掻き寄せ動作を繰り
返すことができる。

【００４８】排出溝は沈澱槽外部に連通しており、処理
中は、密閉扉を閉めて仕切られている。また、排出溝内
には、スクリューコンベアが設けられており、排出作業
時に密閉扉を開けて、スクリューコンベアにより、沈澱
物を沈澱槽外部まで送り出して排出する。

【００４９】また、浄化処理中でも、沈澱物の排出操作
ができるように、排出溝に連通するように沈澱物槽を併
設し、排出溝内の沈澱物をスクリューコンベアで沈澱物
槽に移送し、沈澱物槽より、バキューム装置やスクリュ
ーコンベアなどで排出できるようにしても良い。

【００５０】請求項４は、汚濁水に凝集剤などを混入さ
せて凝集させ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させること
により浄化処理する汚濁水処理装置において、該沈澱槽
は、その側面に水密性扉が設けられており、該扉は、上
端部が軸支され、下部側が外側に開放できるように設け
られている汚濁水処理装置である。

【００５１】該水密性扉は、ダンプカーの荷台後部のよ
うに、傾斜させることにより、下部側が外側に開くよう
に、上部が軸支されている扉である。浄化処理中は、汚
濁水が漏洩しないように、扉は水密性能を有するよう
に、扉の周辺部はゴム張りなどのシール構造とする。

【００５２】図４は、本発明による開閉扉を有する沈澱
槽の実施例を示し、（１）は、沈澱・分離処理中の状態
を示し、（２）は、沈澱物の排出操作時の状態を示す。
この沈澱槽は、箱形の沈澱槽の１側面を上部が軸支され
た開閉扉とし、反対側の側面外部に吊り下げ用フックが
設けられている。沈澱槽内は、濾過材槽が設けられ、フ
ィルターによる仕切り板が設けられ、該仕切り板は、上
部が軸支され、下部側が外側に開くように取り付けられ
ている。

【００５３】汚濁水は、図中の右側より流入し、沈澱物
は底部に堆積する。さらにフィルターで濾過され、濾過
材で浄化されて、出口ノズルより排出される。沈澱物を
排出する場合には、開閉扉の留め具を外し、図４（２）
に示すように、フック部をクレーンなどで吊り上げ、沈
澱槽を傾斜させ、沈澱物を排出する。濾過材を交換する
場合には、さらに、フィルターである仕切り板の留め具
を外すことにより、同様に排出することができる。

【００５４】沈澱物の排出作業は非常に労力がかかる
が、上記のように排出すると、短時間でかつ、簡単に排
出できる。また、クレーンなどの外部の吊り上げ装置を
用いず、沈澱槽の底部に予め、ジャッキアップ装置を組
み込んでおいても良い。

【００５５】

【発明の効果】請求項１のように、汚濁水に凝集剤など
を混入させるための薬剤混入パイプの内面に付着した凝
集剤を除去するための掻き落とし手段が設けられてお
り、該掻き落とし手段は、棒状体が薬剤混入パイプの内
周面に沿って回動するように設けられていることによ
り、薬剤混入パイプの詰りを防止することができ、凝集
剤を確実に投入することができるので、凝集剤の混入不
足による浄化能力の低下などの問題を解消することがで
き、凝集剤の投入量の微調整も可能となる。

【００５６】請求項２のように、汚濁水と凝集剤とを混
合・撹拌するための回転羽根を有する撹拌装置におい
て、該回転羽根が、垂直な回転軸に複数枚の円板が取り
付けられており、該円板に垂直で、かつ回転軸から放射
状に複数枚の羽根板が固着されており、該円板には連通
孔が設けられていることにより、各円板間が独立した撹
拌領域となり、汚濁水の流動が複雑で拡散しやすくなる
ため、混合、撹拌効果を著しく高めることができる。

【００５７】請求項３のように、沈澱槽底部に堆積した
沈澱物を除去するための沈澱物除去手段が備えられてお
り、該沈澱物除去手段は、沈澱槽の底部に排出溝が設け
られ、該排出溝に沈澱物を掻き集めるための掻き寄せ装
置と、排出溝内の沈澱物を沈澱槽外部に排出するための
スクリューコンベアとが設けられていることにより、沈
澱槽内に堆積した沈澱物を確実に、かつ自動的に排出す
ることができる。また、浄化処理を停止することなく、
沈澱物の掻き寄せおよび排出操作を行なうことが可能で
ある。

【００５８】請求項４のように、沈澱槽の側面に水密性
の扉が設けられており、該扉は、上端部が軸支され、下
部側が外側に開放できるように設けられていることによ
り、沈澱槽を傾斜させることにより、沈澱物を簡単に排
出することができ、沈澱物の排出作業の大幅な省力化と
なる。

【００５９】以上のように本発明によると、凝集剤の混
入が確実で正確となり、かつ混合・撹拌を高速にかつ確
実にでき、沈澱物を確実にかつ簡単に排出することがで
きるため、汚濁水の大量、かつ高速な浄化処理に適した
汚濁水処理装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による汚濁水処理装置の薬剤混入パイプ
の清掃装置の実施例を示す図である。

【図２】本発明による汚濁水処理装置の撹拌装置の実施
例を示す図である。

【図３】本発明による汚濁水処理装置の沈澱物掻き寄せ
・排出装置の実施例を示す図である。

【図４】本発明による汚濁水処理装置の沈澱物排出装置
の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ 回転羽根 ２ 撹拌羽根 ３ 掻き寄せ板 ４ 開閉扉

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｃ０２Ｆ 1/52 Ｃ０２Ｆ 1/52 Ｚ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 汚濁水に凝集剤などを混入させて凝集さ
   せ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させることにより浄化
   処理する汚濁水処理装置において、 汚濁水に凝集剤などを混入させるための薬剤混入パイプ
   の内面に付着した凝集剤を除去するための掻き落とし手
   段がもうけられており、該掻き落とし手段は、棒状体が
   薬剤混入パイプの内周面に沿って回動するように設けら
   れていることを特徴とする汚濁水処理装置。
2. 【請求項２】 汚濁水に凝集剤などを混入させて凝集さ
   せ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させることにより浄化
   処理する汚濁水処理装置において、 該汚濁水と凝集剤とを混合・攪拌するための回転羽根を
   有する攪拌装置が設けられており、該回転羽根は、垂直
   な回転軸に複数枚の円板が取り付けられており、該円板
   に垂直で、かつ回転軸から放射状に複数枚の羽根板が固
   着されており、該円板には連通孔が設けられていること
   を特徴とする汚濁水処理装置。
3. 【請求項３】 汚濁水に凝集剤などを混入させて凝集さ
   せ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させることにより浄化
   処理する汚濁水処理装置において、 該沈澱槽底部に堆積した沈澱物を除去するための沈澱物
   除去手段が備えられており、該沈澱物除去手段は、沈澱
   槽の底部に排出溝が設けられ、該排出溝に沈澱物を掻き
   集めるための掻き寄せ装置と、排出溝内の沈澱物を沈澱
   槽外部に排出するためのスクリューコンベアとが設けら
   れていることを特徴とする汚濁水処理装置。
4. 【請求項４】 汚濁水に凝集剤などを混入させて凝集さ
   せ、沈澱槽で凝集物を沈澱・分離させることにより浄化
   処理する汚濁水処理装置において、 該沈澱槽は、その側面に水密性の扉が設けられており、
   該扉は、上端部が軸支され、下部側が外側に開放できる
   ように設けられていることを特徴とする汚濁水処理装
   置。