JPH109406A - 弁の軸封装置 - Google Patents

弁の軸封装置

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JPH109406A
JPH109406A JP16477196A JP16477196A JPH109406A JP H109406 A JPH109406 A JP H109406A JP 16477196 A JP16477196 A JP 16477196A JP 16477196 A JP16477196 A JP 16477196A JP H109406 A JPH109406 A JP H109406A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁棒の回動トルクに与える影響が少なく、耐
久性、潤滑性を有し、且つシール性能の優れた弁の軸封
装置を提供すること。 【解決手段】 本体10の弁軸筒11外に延出する弁棒
15に挿通しつつ、フランジ12の軸孔部に形成された
段部12Aの下段12aに配置した弁棒ガイド18と、
中段12bに配置した弾性密封材19と、上段12cに
配置した押え板20を互いに当接して、ボルト21によ
って適正な圧力で押圧する。また当接面には、互いに嵌
合する環状の突部と環状の溝部を設け、弾性密封材19
の内径部及び外径部には締め代を設けると共に、内径部
に潤滑剤の環状保持溝を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バタフライ弁等の
各種弁における弁体を軸支する弁棒と本体(弁本体)と
の間の軸封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バタフライ弁のように弁体の駆動
手段が本体外に位置しているような型式の弁において
は、弁を軸支する弁棒が本体外に延び出しており、弁棒
と本体との間からの流体の漏洩防止、或いは外部からの
流体、雨水、塵埃等の侵入防止のために、弁棒と本体と
の間に両者の間隙を密封する軸封装置が配設されてい
る。
【0003】上記軸封装置の最も一般的な従来の構造
は、本体弁軸筒の端部に一体に形成されたフランジの弁
棒嵌入部の近傍に段部を形成し、該段部に石綿等のガス
ケットを嵌挿し、弁棒外周面に密着させたものである
が、このものは、ガスケットの種類、嵌挿する段数及び
嵌挿方法によって、弁棒の回動トルクが一定せず、且つ
寸法形状が大きくなるという問題点があった。
【0004】上記の問題点に対処するために、図5に示
すように、弁棒1を取り巻くOリング2を嵌挿する溝3
を、弁軸筒4の内周壁に形成するようにしたものが提案
されているが、このものは、小口径弁において該弁軸筒
4の内周壁に溝を加工することが極めて困難であるとい
う問題点があったし、他方、弁棒の外周に溝を形成し、
該溝にOリングを嵌挿して弁軸筒の内周面に密着させる
ようにしたものも提案されているが、溝の形成によって
弁棒が部分的に小径となり、そのため、強度、特に捩り
強度が低下するという問題点があった。
【0005】これらの問題点に対処するために、本出願
人は、図4(a)とその組立前の要部拡大図(b)に示
すように、本体の弁軸筒4を貫通する弁棒1に軸孔5a
を介して挿通しつつ、弁軸筒4の上端面に弾性密封板5
を配置し、該弾性密封板5の上面に重ねるようにして別
体の押え板6を、軸孔6aに弁棒1を挿通させて配し、
両者をねじ7によって一体に取付けるようにし、該押え
板6の下面に環状突起6bを形成すると共に、該環状突
起6bと嵌合する環状溝5bを弾性密封板5に設け、該
環状突起6bより内方の板部6cにより弾性密封板5の
内方部上面を押えて、弁棒1と軸封部8との圧縮率を一
定に保つようにしたものが提案されている。なお、図
中、5cは、弾性密封板5を弁軸筒4の凹部4a内に安
定して位置させるために下面に突設された突起で、凹部
4aの穴4bに嵌入されるようになっている(実公平8
−10716号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した本出願人の出
願に係るもの(図4)は、弾性密封板5を押え板6で固
着するねじ7の締め具合により弾性密封板5の圧縮量が
不定となり、弁棒1の回動トルクや、耐久性、潤滑性に
問題点があった。又、軸封部(シール部分)8も単一で
あるため、摩耗、損傷時において対応が困難であると同
時に、弾性密封板5の取替えコストも高価になるという
問題点があった。
【0007】本発明は、上記した従来技術、特に本出願
人の先の提案に係る軸封装置の問題点を解決せんとする
もので、弁軸筒の上部に配置され弁棒によって貫通され
る弾性密封材による、弁棒の回動トルクに与える影響が
少なく、耐久性、潤滑性を有し且つシール性能の優れた
弁の軸封装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、本体の弁軸筒外に延び出す
弁棒に軸孔を挿通しつつ、該弁軸筒のフランジの軸孔部
に形成された段部の下段に配置した弁棒ガイドと、同様
に弁棒に軸孔を挿通しつつ、上記フランジの段部の中段
に配置した弾性密封材と、同様に弁棒に軸孔を挿通しつ
つ、上記フランジの段部の上段に配置した押え板とを、
互いに当接するようにしてそれぞれ別体の部材によって
構成し、上記弾性密封材の上下の当接面に、上記押え板
の下面及び上記弁棒ガイドの上面にそれぞれ弁軸方向に
対向するように突設された環状突部と嵌合する環状の溝
部を設けると共に、該弾性密封材の弁棒と摺動する内径
部及びフランジに形成された段部の内面と嵌合する外径
部にそれぞれ締め代を設け、更に該内径部に潤滑剤の環
状保持溝を形成したことを特徴としている。
【0009】また、上記弁軸筒のフランジに形成された
段部の下段に当接する弁棒ガイドを、断面L字状に形成
し、その端部によって弁棒の外方突出を防止すると共
に、スラスト及びラジアル軸受を兼ねることを特徴とし
ている。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に記載した実施例を用いて説明する。図1は、本発明
の一実施形態を示す中心形バタフライ弁の下方を省略し
た要部断面図である。
【0011】図において、本体(弁本体)10は、上方
に弁軸筒11を備え、その上面にフランジ12を一体に
形成しており、また、本体10の内周面に弾性シートリ
ング13を嵌め込み、その内面に接離するように弁体1
4が弁棒15に軸支され、該弁棒15を介して弁体14
を回動して流体通路を開閉制御するようになっている。
【0012】上記弁体14と弁棒15は、本実施例では
角穴と角軸の接合による連結部16によって一体化され
ており、従って、上方から弁棒15を角穴に挿嵌してい
るために、抜け止め手段として、弁棒15の上方部にロ
ールピン(止めピン)17を挿し込み、後記する弁棒ガ
イド18の下端部に係止させるようにし、該弁棒ガイド
18にストッパの役目をさせるようにしている。
【0013】上記弁棒15が弁軸筒11の上端のフラン
ジ12を貫通する軸孔部には、下段12a、中段12
b、上段12cからなる段部12Aが形成されており、
下段12aには、中心に弁棒15が貫通される断面L字
状の、ステンレス鋼、黄銅、硬質の樹脂等の金属又は非
金属からなる弁棒ガイド18が、段部に係止するように
して嵌入され、また、下段12aと上段12cの中間の
円筒部に相当する中段12bには、中心に弁棒15が貫
通される弾性密封材19が、上記弁棒ガイド18の上面
と当接するようにして嵌入され、更に上段12cには、
中心に弁棒15が貫通される板状の上記弁棒ガイド18
と同様の金属又は非金属からなる押え板20が、上記弾
性密封材19の上面に当接するようにして嵌入され、上
記三つの段部12a〜12cにそれぞれ嵌入されるこれ
ら三者18〜20は、押え板20をフランジ12に固着
するボルト21を締め付けることにより、一定の押圧力
をもって固定されるようになっている。
【0014】また、上記弾性密封材19の上下の当接面
には、押え板20の下面及び弁棒ガイド18の上面にそ
れぞれ弁軸方向に対向するように突設された環状突部2
0a及び18aとそれぞれ嵌合する環状溝部ニ,ホ(図
3)が設けられている。
【0015】更に、図2のA部を拡大して示す図3
(a)において、Bは弁棒15の中心軸(弁軸)を、C
は弁棒15の外径部を示しており、また、イ部は弁棒外
径部Cに定着される摺動用の締め代であり、同図におい
て弁棒15に重複して示されている。又、ハ部は、本体
フランジ12に定着される固定用の締め代であり、同様
に仮想線に重複して示されている。又、ロ部は、上・下
方向の固定用の締め代を示し、同様に仮想線に重複して
示されている。
【0016】上記イ,ロ,ハの締め代(圧縮代)は、摺
動用、固定用の目的が異なるために形状、寸法及び構成
が異なる。即ち、内径部の締め代イは、過大であればシ
ール性は大であるが耐摩耐久性に問題が出る。同様に過
小であれば、その逆となる。従って、これらの問題点を
考慮したのが潤滑剤を封入した環状保持溝ヘであり、そ
の導入溝トである。潤滑剤の一例として、グリース、シ
リコン系潤滑油がある。これら潤滑剤は組立前に内径部
を上下に拡大し保持溝ヘに封入することにより、弁棒1
5の回動による若干の捩り現象に伴なうポンピング作用
により、弾性密封材19のイ部に相当するリップに適度
の潤滑性を与え、耐摩、耐久性及び、円滑な回動トルク
を現出することができる。
【0017】弾性密封材19の材質一例として、ニトリ
ル系(NBR)、エチレン・プロピレン系(EPD
M)、フッ素系(FKM)、フッ素樹脂系(PTFE)
等がある。
【0018】上記押え板20の下面及び弁棒ガイド18
の上面にそれぞれ形成された環状突部20a,18aと
嵌合する弾性密封材19の環状溝ニ,ホは、上下の押え
板20及び弁棒ガイド18の環状突部20a,18aに
より、強圧されるのでなく、適正な押圧により、ブロー
バイ(blow-bye)即ち、内圧、高速回動等により、上下の
押え板20、弁棒ガイド18との隙間への吹き漏れ防止
として作用する。
【0019】図3の(b)(c)及び(d)は、同図
(a)と同様の他の実施例を示し、図中、同図(a)に
記載した符号と同一の記号は同一ないし同類部分を示す
ものとする。即ち、同図(b)の実施例では、固定用の
締め代ロが省略されており、摺動部締め代イ及び固定部
締め代ハが共に丸形に形成されており、同図(c)の実
施例では、摺動部締め代イがリップ形をなし、固定部締
め代ハが球形をなし、更に、同図(d)の実施例では、
摺動部締め代イを弁棒周面に沿った複数(図で2個)の
山形とし、固定部締め代ハを球形に形成しているが、こ
れらの組合せ又は他の形状によるものも同様に適用する
ことが可能である。
【0020】なお、図1,2において、15aは植込キ
ー、22は空隙部、22aはノー加工面、23は下部軸
受部である。
【0021】上記のように構成したことにより、弾性密
封材19と弁棒ガイド18、押え板20がそれぞれ別体
の部材から構成されているため、弾性密封材19を弁棒
15に挿通する時、内径摺動部及び外径固定部の弾性変
形を規制することなく、自由度があり、挿通による摩耗
もなく容易に組立てることができる。また、組立て挿着
後、弁棒ガイド18及び押え板20の環状突部18a,
20aにより、前記、内・外径部の摺動部、固定部が所
定の形状に定着支持される。即ち、弁棒ガイド18及び
押え板20の環状突部18a,20aが弾性密封材19
の環状溝部ホ,ニをバックアップ(押圧)して、シール
作用を確実にし、ブローバイ(blow-bye)即ち、流体圧力
によるシール部のリップの吹き漏れ(変形)を防止す
る。
【0022】又、弾性密封材19の挿着状態を一定にす
るために、弁軸筒11のフランジ12の軸孔部の段部1
2Aの深さa〜c及び弁棒ガイド18、押え板20の厚
みを規制しているので、ボルト21による押え板20の
締め具合に拘らず弾性密封材19に対する押圧力が一定
している。また、弾性密封材19の内径部の摺動に伴な
う潤滑作用は、潤滑剤の環状保持溝ヘを形成したことに
より、弁棒15の回動により該保持溝ヘに充填された潤
滑剤にシール部のリップイの若干の捩れ現象に伴なうポ
ンピング作用が生じ、当該部に潤滑剤を送り出す。
【0023】又シール部のリップイを複数にすることに
より、内・外圧力の流出・流入を防止する作用を行なう
ことができる。同時に外圧力(塵埃)に対してダストシ
ール作用を行なう。又内径部と外径部の締め代イとハを
変えることにより、それぞれのシール作用を確実に保持
することができる。
【0024】上記した実施形態において、中心形バタフ
ライ弁の構造について説明したが、弁棒が本体を貫通し
て外部へ延び出し、弁棒と本体との間に軸封が必要とさ
れるその他の弁、例えは、ボール弁等の回転弁にも同様
に適用できることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本体の弁軸筒外に延び出す弁棒に軸孔を挿通しつつ、該
弁軸筒のフランジの軸孔部に形成された段部の下段に配
置した弁棒ガイドと、同様に弁棒に軸孔を挿通しつつ、
上記フランジの段部の中段に配置した弾性密封材と、同
様に弁棒に軸孔を挿通しつつ、上記フランジの段部の上
段に配置した押え板とを、互いに当接するようにしてそ
れぞれ別体の部材によって構成し、上記弾性密封材の上
下の当接面に、上記押え板の下面及び上記弁棒ガイドの
上面にそれぞれ弁軸方向に対向するように突設された環
状突部と嵌合する環状の溝部を設けたことにより、次の
ような効果を奏することができる。
【0026】(i)弾性密封材と弁棒ガイド、押え板が
それぞれ別体の部材から構成されているため、弾性密封
材を弁棒に挿通する時、内径摺動部及び外径固定部の弾
性変形を規制することなく、自由度があり、挿通による
摩耗もなく容易に組立てることができる。
【0027】(ii)弾性密封材は、弁軸筒のフランジの
軸孔部に形成された各段部によって変位が規制された押
え板と弁棒ガイドとによって弁軸方向に一定圧力で押圧
され、また環状突部と環状溝部との嵌合により内、外径
部の摺動部、固定部が共に所定の形状に定着・支持され
るので、シール作用を確実にし、流体圧力によるシール
部の吹き漏れ(ブローバイ)を防止することができる。
【0028】また、弾性密封材の弁棒と摺動する内径部
及びフランジに形成された段部の内面と嵌合する外径部
にそれぞれ締め代を設け、更に該内径部に潤滑剤の環状
保持溝を形成したことにより、次のような効果を奏する
ことができる。
【0029】(i)弁棒の回動により、環状保持溝に充
填された潤滑剤が弾性密封材の内径部の摺動部のシール
部(締め代)の若干の捩れ現象に伴うポンピング作用に
より、シール部の潤滑作用を良好にして弾性密封部材の
摩耗を防止し、適正な潤滑作用に伴い一定の回動トルク
で弁の開閉を行なうことができる。
【0030】(ii)弾性密封材のシール部の内径部及び
外径部の締め代を変えることにより、それぞれのシール
作用を、より確実に保持することができる。
【0031】また、弁軸筒のフランジに形成された段部
の下段に当接する弁棒ガイドを、断面L字状に形成した
ことにより、その端部によって弁棒の外方突出を防止す
るストッパの機能を持たせることができると共に、スラ
スト及びラジアル軸受を兼ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施例)を示す弁の軸封
装置の断面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】(a)ないし(d)は、図2のA部の拡大図
で、弾性密封材の異った実施例を示す。
【図4】従来例を示し、(a)は組立状態を示す一部断
面斜視図、(b)は組立前の一部拡大断面図である。
【図5】他の従来例である。
【符号の説明】
10 本体 11 弁軸筒 12 フランジ 12a 下段 12b 中段 12c 上段 12A 段部 13 弾性シートリング 14 弁体 15 弁棒 16 連結部 17 ロールピン 18 弁棒ガイド 19 弾性密封材 20 押え板 21 ボルト 22 空隙部 23 下部軸受部 24 Oリング a 段部の弁棒ガイド厚み b 段部の弾性密封材の厚み c 段部の押え板の厚み イ 内径部の締め代 ロ 厚みの圧縮代 ハ 外径部の締め代 ニ 突部が嵌合する環状溝 ホ 突部が嵌合する環状溝 へ 環状保持溝(潤滑剤) ト 導入溝(潤滑剤)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体の弁軸筒外に延び出す弁棒に軸孔を
    挿通しつつ、該弁軸筒のフランジの軸孔部に形成された
    段部の下段に配置した弁棒ガイドと、同様に弁棒に軸孔
    を挿通しつつ、上記フランジの段部の中段に配置した弾
    性密閉材と、同様に弁棒に軸孔を挿通しつつ、上記フラ
    ンジの段部の上段に配置した押え板とを、互いに当接す
    るようにしてそれぞれ別体の部材によって構成し、上記
    弾性密封材の上下の当接面に、上記押え板の下面及び上
    記弁棒ガイドの上面にそれぞれ弁軸方向に対向するよう
    に突設された環状突部と嵌合する環状の溝部を設けると
    共に、該弾性密封材の弁棒と摺動する内径部及びフラン
    ジに形成された段部の内面と嵌合する外径部にそれぞれ
    締め代を設け、更に該内径部に潤滑剤の環状保持溝を形
    成したことを特徴とする弁の軸封装置。
  2. 【請求項2】 弁軸筒のフランジに形成された段部の下
    段に当接する弁棒ガイドを、断面L字状に形成し、その
    端部によって弁棒の外方突出を防止すると共に、スラス
    ト及びラジアル軸受を兼ねることを特徴とする請求項1
    記載の弁の軸封装置。
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