JPH1088295A - 希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金 - Google Patents
希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金Info
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- JPH1088295A JPH1088295A JP8247564A JP24756496A JPH1088295A JP H1088295 A JPH1088295 A JP H1088295A JP 8247564 A JP8247564 A JP 8247564A JP 24756496 A JP24756496 A JP 24756496A JP H1088295 A JPH1088295 A JP H1088295A
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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- H01F1/04—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/047—Alloys characterised by their composition
- H01F1/053—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
- H01F1/055—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
- H01F1/057—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い残留磁束密度を持ちながら、しかも、保
磁力が高い、希土類−鉄−ボロン系のボンド磁石用合金
を提供する。 【解決手段】 一般式RaFe100-a-b-c-dーeCubNbc
CodBe(但し、RはNdまたはNdとPrの混合物)
で表され、a、b、c、d、eは下記範囲を満足し、残
部不可避的不純物からなり、保磁力Hcj≧3.5kO
e、 残留磁化Br≧9.5kGであることを特徴とする
希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金である。4.0
≦a≦5.5原子%、0.1≦b≦0.7原子%、0.
5≦c≦2.0原子%、1≦d≦6原子%、15≦e≦
22.5原子%
磁力が高い、希土類−鉄−ボロン系のボンド磁石用合金
を提供する。 【解決手段】 一般式RaFe100-a-b-c-dーeCubNbc
CodBe(但し、RはNdまたはNdとPrの混合物)
で表され、a、b、c、d、eは下記範囲を満足し、残
部不可避的不純物からなり、保磁力Hcj≧3.5kO
e、 残留磁化Br≧9.5kGであることを特徴とする
希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金である。4.0
≦a≦5.5原子%、0.1≦b≦0.7原子%、0.
5≦c≦2.0原子%、1≦d≦6原子%、15≦e≦
22.5原子%
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モーター、アク
チュエーターなどに用いられるボンド磁石用希土類−鉄
−ボロン系合金のうち、同一組織内にNd2Fe14B に
代表される硬磁性相と、α−FeあるいはFe3B など
の軟磁性相とが共存してナノオーダーのコンポジットを
構成するコンポジット磁石合金を対象とし、高い残留磁
束密度(Br)と高い保磁力(Hcj)の両立を可能にする
新規な合金組成に関するものである。
チュエーターなどに用いられるボンド磁石用希土類−鉄
−ボロン系合金のうち、同一組織内にNd2Fe14B に
代表される硬磁性相と、α−FeあるいはFe3B など
の軟磁性相とが共存してナノオーダーのコンポジットを
構成するコンポジット磁石合金を対象とし、高い残留磁
束密度(Br)と高い保磁力(Hcj)の両立を可能にする
新規な合金組成に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】コン
ポジット磁石は、上記両相間の強い交換結合により単一
の硬磁性材料のように振る舞うが、同時に減磁曲線の第
二象限で磁化が外部磁界の変化に対して可逆的にスプリ
ングバックする特異な挙動を示すことから、交換スプリ
ング磁石とも呼ばれ、近年注目を集めている。
ポジット磁石は、上記両相間の強い交換結合により単一
の硬磁性材料のように振る舞うが、同時に減磁曲線の第
二象限で磁化が外部磁界の変化に対して可逆的にスプリ
ングバックする特異な挙動を示すことから、交換スプリ
ング磁石とも呼ばれ、近年注目を集めている。
【0003】希土類−鉄−ボロン系のコンポジット磁石
合金の組成や製法については、特開平5−135928
号公報に、『組成式がFe100-x-y-zCoxByRz(但
し、RはPrまたはNdの1種または2種)であって、
x、y、zが、0.05≦x≦15at%、16≦y≦
22at%、3≦z≦6at%を満足し、Fe3B 型化
合物(軟磁性相)を主相とし、Nd2Fe14B 型結晶構
造を有する強磁性相(硬磁性相)を有し、平均結晶粒径
が0.01〜0.1μmの微細結晶集合体からなる希土
類磁石』が記載されている。このタイプの磁石用合金を
樹脂と混練し、成形・着磁してボンド磁石とした場合、
コンポジット組織でない従来の希土類−鉄−ボロン系磁
石と比較して高い残留磁束密度を有する反面、保磁力が
低いという特徴がある。保磁力が低い場合、着磁は容易
であるので、小型で複雑な形状の多極着磁が必要なスピ
ンドルモータ用等に対象が限定され、大きな残留磁束密
度を生かした用途への適用が図られていない。
合金の組成や製法については、特開平5−135928
号公報に、『組成式がFe100-x-y-zCoxByRz(但
し、RはPrまたはNdの1種または2種)であって、
x、y、zが、0.05≦x≦15at%、16≦y≦
22at%、3≦z≦6at%を満足し、Fe3B 型化
合物(軟磁性相)を主相とし、Nd2Fe14B 型結晶構
造を有する強磁性相(硬磁性相)を有し、平均結晶粒径
が0.01〜0.1μmの微細結晶集合体からなる希土
類磁石』が記載されている。このタイプの磁石用合金を
樹脂と混練し、成形・着磁してボンド磁石とした場合、
コンポジット組織でない従来の希土類−鉄−ボロン系磁
石と比較して高い残留磁束密度を有する反面、保磁力が
低いという特徴がある。保磁力が低い場合、着磁は容易
であるので、小型で複雑な形状の多極着磁が必要なスピ
ンドルモータ用等に対象が限定され、大きな残留磁束密
度を生かした用途への適用が図られていない。
【0004】保磁力を高めるためには、硬磁性相の異方
性磁界を高めることが考えられるが、例えば、希土類成
分のNdの一部をTb、Dy等に置き換える方法では、
これらの元素が高価であるため、合金コストの上昇を招
く。また、硬磁性相の相率を上げる方向では軟磁性相の
相率を下げることになり、残留磁束密度の低下をもたら
すので、コンポジット磁石の特徴を生かすことができな
い。
性磁界を高めることが考えられるが、例えば、希土類成
分のNdの一部をTb、Dy等に置き換える方法では、
これらの元素が高価であるため、合金コストの上昇を招
く。また、硬磁性相の相率を上げる方向では軟磁性相の
相率を下げることになり、残留磁束密度の低下をもたら
すので、コンポジット磁石の特徴を生かすことができな
い。
【0005】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い
残留磁束密度を持ちながら、しかも、保磁力が高い、希
土類−鉄−ボロン系のボンド磁石用合金を提供すること
にある。
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い
残留磁束密度を持ちながら、しかも、保磁力が高い、希
土類−鉄−ボロン系のボンド磁石用合金を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、R−Fe−B系合金に結晶粒微細化効果を
有するCu、Nbを複合添加するとともに各成分のバラ
ンスがとれた組成を採用することにより、保磁力が高
く、残留磁束密度の高いボンド磁石用合金を提供するこ
とができる。
に本発明は、R−Fe−B系合金に結晶粒微細化効果を
有するCu、Nbを複合添加するとともに各成分のバラ
ンスがとれた組成を採用することにより、保磁力が高
く、残留磁束密度の高いボンド磁石用合金を提供するこ
とができる。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の要旨は、一般
式RaFe100-a-b-c-dーeCubNbcCodBe(ただし、
RはNdまたはNdとPrの混合物)で表され、a、
b、c、d、eは下記範囲を満足し、残部不可避的不純
物からなり、保磁力Hcj≧3.5kOe、残留磁化Br
≧9.5kGであることを特徴とする希土類−鉄−ボロ
ン系ボンド磁石用合金にある。
式RaFe100-a-b-c-dーeCubNbcCodBe(ただし、
RはNdまたはNdとPrの混合物)で表され、a、
b、c、d、eは下記範囲を満足し、残部不可避的不純
物からなり、保磁力Hcj≧3.5kOe、残留磁化Br
≧9.5kGであることを特徴とする希土類−鉄−ボロ
ン系ボンド磁石用合金にある。
【0008】4.0≦a≦5.5原子%、0.1≦b≦
0.7原子%、0.5≦c≦2.0原子%、1≦d≦6
原子%、15≦e≦22.5原子% 各成分の限定理由は以下のとおりである。
0.7原子%、0.5≦c≦2.0原子%、1≦d≦6
原子%、15≦e≦22.5原子% 各成分の限定理由は以下のとおりである。
【0009】Rが4.0%未満では保磁力が低下する傾
向があり、3.5kOe以上のHcjが得られない。一
方、Rが5.5%を超えると、残留磁化が著しく減少
し、9.5kG以上のBr が得られない。
向があり、3.5kOe以上のHcjが得られない。一
方、Rが5.5%を超えると、残留磁化が著しく減少
し、9.5kG以上のBr が得られない。
【0010】NbおよびCuは結晶粒の微細化に効果の
ある元素であり、微細化の結果、粒子間の磁気的な相互
作用により、高保磁力および高残留磁束密度が達成され
る。従って、Cuは0.1%以上必要であり、Nbは
0.5%以上必要である。しかし、多量に加えると、磁
化の急速な減少を招くので、、Cuの添加は0.7%以
下に抑え、Nbの添加は2.0%以下に抑えるのが好ま
しい。
ある元素であり、微細化の結果、粒子間の磁気的な相互
作用により、高保磁力および高残留磁束密度が達成され
る。従って、Cuは0.1%以上必要であり、Nbは
0.5%以上必要である。しかし、多量に加えると、磁
化の急速な減少を招くので、、Cuの添加は0.7%以
下に抑え、Nbの添加は2.0%以下に抑えるのが好ま
しい。
【0011】Coは磁気性能の改善に効果のある元素で
あり、1%以上必要であるが、6%を超えると保磁力が
低下する。Bの含有量が15%未満では保磁力が小さ
く、3.5kOe以上のHcjが得られない。一方、Bが
22.5%を超えると、残留磁化が低下し、9.5kG
以上のBr が得られない。
あり、1%以上必要であるが、6%を超えると保磁力が
低下する。Bの含有量が15%未満では保磁力が小さ
く、3.5kOe以上のHcjが得られない。一方、Bが
22.5%を超えると、残留磁化が低下し、9.5kG
以上のBr が得られない。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。実験に用
いた組成は、以下のとおりである。
いた組成は、以下のとおりである。
【0013】(a) Nd5Fe95-mBm (17.5≦m≦
25.0) (b) Nd5Fe75-uCuuB20 (0≦u≦1) (c) Nd5Fe74.5-vCu0.5NbvB20 (0≦v≦
2) (d) Nd5Fe73.5-wCu0.5Nb1.0CowB20 (0≦
w≦7) (e) NdXFe73.5-XCu0.5Nb1Co5B20 (4≦X
≦6) (f) Nd5Fe88.5ーYCu0.5Nb1Co5BY (17.
5≦Y≦22.5) 以上の各組成の母合金は、高周波溶解炉を用いてArガ
ス雰囲気中で溶解し、真空吸い上げ法により作製した。
そして、酸化防止のためにArガス雰囲気において、底
部に0.5mm径のオリフィスを有する石英製の射出管
に上記母合金を入れ、高周波誘導炉で溶解した後、この
溶湯を高純度Arガスにより射出ガス圧39.2kPa
で加圧してロール周速度20.7m/秒で回転する直径
150mmのCu製ロール(Crメッキ済)の表面に射
出することによって、冷却速度15.2m/秒の下で、
幅約1mm、厚さ20〜30μmの超急冷薄帯を得た。
次に、この薄帯試料300mgを高純度Arガス雰囲気
下の電気炉に装入し、昇温速度約20℃/分で昇温し、
600〜725℃で0〜30分保持し、その後室温まで
冷却し、各試料の磁気特性を振動試料型磁気磁力計(V
SM)により測定した。
25.0) (b) Nd5Fe75-uCuuB20 (0≦u≦1) (c) Nd5Fe74.5-vCu0.5NbvB20 (0≦v≦
2) (d) Nd5Fe73.5-wCu0.5Nb1.0CowB20 (0≦
w≦7) (e) NdXFe73.5-XCu0.5Nb1Co5B20 (4≦X
≦6) (f) Nd5Fe88.5ーYCu0.5Nb1Co5BY (17.
5≦Y≦22.5) 以上の各組成の母合金は、高周波溶解炉を用いてArガ
ス雰囲気中で溶解し、真空吸い上げ法により作製した。
そして、酸化防止のためにArガス雰囲気において、底
部に0.5mm径のオリフィスを有する石英製の射出管
に上記母合金を入れ、高周波誘導炉で溶解した後、この
溶湯を高純度Arガスにより射出ガス圧39.2kPa
で加圧してロール周速度20.7m/秒で回転する直径
150mmのCu製ロール(Crメッキ済)の表面に射
出することによって、冷却速度15.2m/秒の下で、
幅約1mm、厚さ20〜30μmの超急冷薄帯を得た。
次に、この薄帯試料300mgを高純度Arガス雰囲気
下の電気炉に装入し、昇温速度約20℃/分で昇温し、
600〜725℃で0〜30分保持し、その後室温まで
冷却し、各試料の磁気特性を振動試料型磁気磁力計(V
SM)により測定した。
【0014】各組成の薄帯試料の磁気特性の測定結果に
ついて、順次説明する。
ついて、順次説明する。
【0015】(1) Nd5Fe95-mBm(図1参照) 本試料の焼鈍条件は675℃×15分であり、図1に示
すように、m=20.0付近において、最大磁気エネル
ギー積((BH)max)、残留磁束密度(Br)および保磁
力(Hcj、HcB)は、最も大きくなっている。
すように、m=20.0付近において、最大磁気エネル
ギー積((BH)max)、残留磁束密度(Br)および保磁
力(Hcj、HcB)は、最も大きくなっている。
【0016】そこで、Nd5Fe75B20 をベースとし
て、この組成のものにCuを1%以下の範囲で添加する
ことによって磁気特性がどのように変化するかについて
次に調査した。
て、この組成のものにCuを1%以下の範囲で添加する
ことによって磁気特性がどのように変化するかについて
次に調査した。
【0017】(2) Nd5Fe75-uCuuB20(図2参照) 本試料の焼鈍条件は675℃×10分であり、図2に示
すように、u=0.5において、HcjおよびHcBは最大
となり、(BH)maxおよびBrはu=0.5を境にして
その値は大きく低下している。すなわち、Nd5F
e74.5Cu0.5 B20の組成が磁気特性のバランス上優
れていると思われ、その磁気特性値は、(BH)max=
6.80MGOe, Br=9.40kG、Hcj=3.3
7kOe、HcB=2.65kOeであった。
すように、u=0.5において、HcjおよびHcBは最大
となり、(BH)maxおよびBrはu=0.5を境にして
その値は大きく低下している。すなわち、Nd5F
e74.5Cu0.5 B20の組成が磁気特性のバランス上優
れていると思われ、その磁気特性値は、(BH)max=
6.80MGOe, Br=9.40kG、Hcj=3.3
7kOe、HcB=2.65kOeであった。
【0018】このように、Cuを微量添加することによ
って、残留磁束密度および保磁力共に高い高性能磁石合
金が得られることが分かったので、Nd5Fe74.5Cu
0.5B20をベースとして、この組成のものにNbを2%
以下の範囲で添加することによって磁気特性がどのよう
に変化するかについて次に調査した。
って、残留磁束密度および保磁力共に高い高性能磁石合
金が得られることが分かったので、Nd5Fe74.5Cu
0.5B20をベースとして、この組成のものにNbを2%
以下の範囲で添加することによって磁気特性がどのよう
に変化するかについて次に調査した。
【0019】(3) Nd5Fe74.5-vCu0.5NbvB20 本試料の焼鈍条件は675℃×10分であり、図3に示
すように、(BH)max、HcjおよびHcBはv=1.0
付近で最大となり、Brはv=1.5までの間において
漸増している。すなわち、Nd5Fe73.5Cu0.5Nb1
B20 の組成が磁気特性のバランス上優れていると思わ
れ、その磁気特性値は、(BH)max= 7.33MGO
e、Br =10.3kG、Hcj=3.35kOe、HcB
=2.69kOeであった。
すように、(BH)max、HcjおよびHcBはv=1.0
付近で最大となり、Brはv=1.5までの間において
漸増している。すなわち、Nd5Fe73.5Cu0.5Nb1
B20 の組成が磁気特性のバランス上優れていると思わ
れ、その磁気特性値は、(BH)max= 7.33MGO
e、Br =10.3kG、Hcj=3.35kOe、HcB
=2.69kOeであった。
【0020】このように、Cu及びNbを微量添加する
ことによって、残留磁束密度および保磁力共に高い高性
能磁石合金が得られることが分かったので、 Nd5Fe
73.5Cu0.5 Nb1B20 をべースとして、この組成のも
のにCoを7%以下の範囲で添加することによって磁気
特性がどのように変化するかについて次に調査した。
ことによって、残留磁束密度および保磁力共に高い高性
能磁石合金が得られることが分かったので、 Nd5Fe
73.5Cu0.5 Nb1B20 をべースとして、この組成のも
のにCoを7%以下の範囲で添加することによって磁気
特性がどのように変化するかについて次に調査した。
【0021】 (4) Nd5Fe73.5-wCu0.5Nb1CowB20 本試料の焼鈍条件は675℃×10分であり、図4に示
すように、w=5付近で(BH)maxは最大となり、Br
はw=1〜5で最大値を示し、HcjとHcBはw=7まで
の間において漸増している。すなわち、 Nd5Fe68.5
Cu0.5Nb1Co5B20 の組成のものが磁気特性のバラン
ス上優れていると思われ、その磁気特性値は、(BH)
max=8.94MGOe、Br=9.73kG、Hcj=
3.89kOe、HcB=3.22kOeであった。
すように、w=5付近で(BH)maxは最大となり、Br
はw=1〜5で最大値を示し、HcjとHcBはw=7まで
の間において漸増している。すなわち、 Nd5Fe68.5
Cu0.5Nb1Co5B20 の組成のものが磁気特性のバラン
ス上優れていると思われ、その磁気特性値は、(BH)
max=8.94MGOe、Br=9.73kG、Hcj=
3.89kOe、HcB=3.22kOeであった。
【0022】このように、微量のCuおよびNbと、こ
れにCoを添加することによって、残留磁束密度および
保磁力共に高い高性能磁石合金が得られることが分かっ
たので、Nd5Fe68.5Cu0.5Nb1Co5B20をベース
として、この組成の中のNdの量を若干変化させた場合
に磁気特性がどのように変化するかについて次に調査し
た。
れにCoを添加することによって、残留磁束密度および
保磁力共に高い高性能磁石合金が得られることが分かっ
たので、Nd5Fe68.5Cu0.5Nb1Co5B20をベース
として、この組成の中のNdの量を若干変化させた場合
に磁気特性がどのように変化するかについて次に調査し
た。
【0023】 (5) NdXFe73.5-XCu0.5Nb1Co5B20 本試料の焼鈍条件は675℃×10分であり、図5に示
すように、X=5で(BH)max 、HcjおよびHcB は
最大となり、BrはX=5を境にしてその値は大きく減
少している。すなわち、Nd5Fe68.5Cu0.5Nb1C
o5B20の組成が磁気特性のバランス上優れていると思
われ、その磁気特性値は、上記したとおりである。
すように、X=5で(BH)max 、HcjおよびHcB は
最大となり、BrはX=5を境にしてその値は大きく減
少している。すなわち、Nd5Fe68.5Cu0.5Nb1C
o5B20の組成が磁気特性のバランス上優れていると思
われ、その磁気特性値は、上記したとおりである。
【0024】このように、Nd5Fe68.5Cu0.5Nb1
Co5B20の組成のものの磁気特性値は極めて優れてい
ることが分かったので、この組成の中のBの量を若干変
化させた場合に磁気特性がどのように変化するかについ
て次に調査した。
Co5B20の組成のものの磁気特性値は極めて優れてい
ることが分かったので、この組成の中のBの量を若干変
化させた場合に磁気特性がどのように変化するかについ
て次に調査した。
【0025】 (6) Nd5Fe88.5-YCu0.5Nb1Co5BY 本試料の焼鈍条件は675℃×10分であり、図6に示
すように、Y=17.5においてすべての磁気特性値は
最高値を示しており、Nd5Fe71Cu0.5Nb1Co5B
17.5が最も優れた磁気特性を有する磁石用合金であるこ
とが分かる。その磁気特性値は、(BH)max=13.
17MGOe、Br=11.15kG、Hcj=4.25
kOe、HcB=3.80kOeであった。
すように、Y=17.5においてすべての磁気特性値は
最高値を示しており、Nd5Fe71Cu0.5Nb1Co5B
17.5が最も優れた磁気特性を有する磁石用合金であるこ
とが分かる。その磁気特性値は、(BH)max=13.
17MGOe、Br=11.15kG、Hcj=4.25
kOe、HcB=3.80kOeであった。
【0026】以上のように、Nd5Fe71Cu0.5Nb1
Co5B17.5の組成のものが磁気特性的に最も優れてい
ることが分かったので、次に、磁気特性に及ぼす加熱条
件(加熱温度および加熱時間)の影響について調査し
た。
Co5B17.5の組成のものが磁気特性的に最も優れてい
ることが分かったので、次に、磁気特性に及ぼす加熱条
件(加熱温度および加熱時間)の影響について調査し
た。
【0027】(7) 加熱温度の影響 (a) Nd5Fe73.5Cu0.5Nb1B20 の組成のものにつ
いて、加熱温度を600〜725℃と変化させ、その温
度で10分間保持した。磁気特性測定結果を図7に示す
が、675℃の場合が磁気特性のバランス上、最も優れ
ている。このときの(BH)max=7.33MGOe、
Br=9.65kG、Hcj=3.35kOe、HcB=
2.69kOeであった。
いて、加熱温度を600〜725℃と変化させ、その温
度で10分間保持した。磁気特性測定結果を図7に示す
が、675℃の場合が磁気特性のバランス上、最も優れ
ている。このときの(BH)max=7.33MGOe、
Br=9.65kG、Hcj=3.35kOe、HcB=
2.69kOeであった。
【0028】(b) Nd5Fe71Cu0.5Nb1Co5B17.5
の組成のものについて、同様に加熱温度を625〜70
0℃と変化させ、その温度で10分間保持した。磁気特
性測定結果を図8に示すが、650℃の場合が磁気特性
のバランス上、最も優れている。このときの(BH)ma
x=14.40MGOe、Br=11.75kG、Hcj=
4.30kOe、HcB=3.80kOeであった。本試
料について磁気測定の際、減磁曲線の第二象限において
外部磁界を0に戻したときに生じるマイナーループの形
を測定した。結果は図9に示すように、本発明で対象と
するコンポジット磁石に特有のスプリングバック挙動を
示し、保磁力付近(Hcj約4.3kOe)から磁化を戻
したとき、残留磁束密度Br は75.3%回復すること
が知られた。
の組成のものについて、同様に加熱温度を625〜70
0℃と変化させ、その温度で10分間保持した。磁気特
性測定結果を図8に示すが、650℃の場合が磁気特性
のバランス上、最も優れている。このときの(BH)ma
x=14.40MGOe、Br=11.75kG、Hcj=
4.30kOe、HcB=3.80kOeであった。本試
料について磁気測定の際、減磁曲線の第二象限において
外部磁界を0に戻したときに生じるマイナーループの形
を測定した。結果は図9に示すように、本発明で対象と
するコンポジット磁石に特有のスプリングバック挙動を
示し、保磁力付近(Hcj約4.3kOe)から磁化を戻
したとき、残留磁束密度Br は75.3%回復すること
が知られた。
【0029】(8) 加熱時間の影響 (a) Nd5Fe73.5Cu0.5Nb1B20 の組成のものにつ
いて、加熱温度=675℃において、加熱時間を0〜3
0分間と変化させた。磁気特性測定結果を図10に示す
が、10分間の場合が磁気特性のバランス上、最も優れ
ている。このときの磁気特性値は上記したとおりであ
る。
いて、加熱温度=675℃において、加熱時間を0〜3
0分間と変化させた。磁気特性測定結果を図10に示す
が、10分間の場合が磁気特性のバランス上、最も優れ
ている。このときの磁気特性値は上記したとおりであ
る。
【0030】(b) Nd5Fe71Cu0.5Nb1Co5B17.5
の組成のものについて、同様に加熱温度=650℃にお
いて、加熱時間を5〜20分間と変化させた。磁気特性
測定結果を図11に示すが、10分間の場合が磁気特性
のバランス上、最も優れている。このときの磁気特性値
は上記したとおりである。
の組成のものについて、同様に加熱温度=650℃にお
いて、加熱時間を5〜20分間と変化させた。磁気特性
測定結果を図11に示すが、10分間の場合が磁気特性
のバランス上、最も優れている。このときの磁気特性値
は上記したとおりである。
【0031】(9) CuおよびNbの添加による結晶粒径
の変化 『Nd5Fe75B20』、『Nd5Fe73.5Cu0.5Nb1B
20』および 『Nd5Fe71Cu0.5Nb1Co5B17.5』
の組成のものについて、同上条件で得た薄帯試料の組織
を電子顕微鏡で観察した。Nb−Fe−B系のものの組
織を図12(a)に示し、Nd−Fe−Cu−Nb−B
系のものの組織を図12(b)に示し、Nd−Fe−C
u−Nb−Co−B系のものの組織を図12(c)に示
す。同図に明らかなように、CuおよびNbを添加する
ことによって、結晶粒は微細化することが分かる。図1
2(a)、(b)、(c)の各結晶粒の平均粒径は25
nm、15nm、18nmである。
の変化 『Nd5Fe75B20』、『Nd5Fe73.5Cu0.5Nb1B
20』および 『Nd5Fe71Cu0.5Nb1Co5B17.5』
の組成のものについて、同上条件で得た薄帯試料の組織
を電子顕微鏡で観察した。Nb−Fe−B系のものの組
織を図12(a)に示し、Nd−Fe−Cu−Nb−B
系のものの組織を図12(b)に示し、Nd−Fe−C
u−Nb−Co−B系のものの組織を図12(c)に示
す。同図に明らかなように、CuおよびNbを添加する
ことによって、結晶粒は微細化することが分かる。図1
2(a)、(b)、(c)の各結晶粒の平均粒径は25
nm、15nm、18nmである。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高い残留磁束密度を持
ちながら、しかも、保磁力が高い、希土類−鉄−ボロン
系のボンド磁石用合金を提供することができる。
ちながら、しかも、保磁力が高い、希土類−鉄−ボロン
系のボンド磁石用合金を提供することができる。
【図1】Nd−Fe−B系ボンド磁石用合金の磁気特性
を示す図である。
を示す図である。
【図2】Nd−Fe−Cu−B系ボンド磁石用合金の磁
気特性を示す図である。
気特性を示す図である。
【図3】Nd−Fe−Cu−Nb−B系ボンド磁石用合
金の磁気特性を示す図である。
金の磁気特性を示す図である。
【図4】Nd−Fe−Cu−Nb−Co−B系ボンド磁
石用合金の磁気特性を示す図である。
石用合金の磁気特性を示す図である。
【図5】Nd−Fe−Cu−Nb−Co−B系ボンド磁
石用合金の磁気特性を示す別の図である。
石用合金の磁気特性を示す別の図である。
【図6】Nd−Fe−Cu−Nb−Co−B系ボンド磁
石用合金の磁気特性を示すさらに別の図である。
石用合金の磁気特性を示すさらに別の図である。
【図7】磁気特性に及ぼす加熱温度の影響を示す図であ
る。
る。
【図8】磁気特性に及ぼす加熱温度の影響を示す別の図
である。
である。
【図9】Nd−Fe−Cu−Nb−Co−B系ボンド磁
石用合金の減磁曲線を示す図である。
石用合金の減磁曲線を示す図である。
【図10】磁気特性に及ぼす加熱時間の影響を示す図で
ある。
ある。
【図11】磁気特性に及ぼす加熱時間の影響を示す別の
図である。
図である。
【図12】図12(a)はNd−Fe−B系ボンド磁石
用合金の結晶組織を示す図、図12(b)はNd−Fe
−Cu−Nb−B系ボンド磁石用合金の結晶組織を示す
図、図12(c)はNd−Fe−Cu−Nb−C0ーB
系ボンド磁石用合金の結晶組織を示す図である。
用合金の結晶組織を示す図、図12(b)はNd−Fe
−Cu−Nb−B系ボンド磁石用合金の結晶組織を示す
図、図12(c)はNd−Fe−Cu−Nb−C0ーB
系ボンド磁石用合金の結晶組織を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式RaFe100-a-b-c-dーeCubNbc
CodBe(ただし、RはNdまたはNdとPrの混合
物)で表され、a、b、c、d、eは下記範囲を満足
し、残部不可避的不純物からなり、保磁力Hcj≧3.5
kOe、残留磁化Br ≧9.5kGであることを特徴と
する希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金。4.0≦
a≦5.5原子%、0.1≦b≦0.7原子%、0.5
≦c≦2.0原子%、1≦d≦6原子%、15≦e≦2
2.5原子%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8247564A JPH1088295A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8247564A JPH1088295A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006290083A Division JP4519118B2 (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | ボンド磁石に用いる希土類−鉄−ボロン系コンポジット磁石用合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1088295A true JPH1088295A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17165377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8247564A Pending JPH1088295A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 希土類−鉄−ボロン系ボンド磁石用合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1088295A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007077506A (ja) * | 2006-10-25 | 2007-03-29 | Santoku Corp | ボンド磁石に用いる希土類−鉄−ボロン系コンポジット磁石用合金及びその製造方法 |
JP2011159981A (ja) * | 2003-02-06 | 2011-08-18 | Magnequench Inc | フェライトと置き換えるための高度に急冷可能なFe系希土材料 |
WO2012090765A1 (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-05 | Tdk株式会社 | 磁性体 |
-
1996
- 1996-09-19 JP JP8247564A patent/JPH1088295A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011159981A (ja) * | 2003-02-06 | 2011-08-18 | Magnequench Inc | フェライトと置き換えるための高度に急冷可能なFe系希土材料 |
JP2007077506A (ja) * | 2006-10-25 | 2007-03-29 | Santoku Corp | ボンド磁石に用いる希土類−鉄−ボロン系コンポジット磁石用合金及びその製造方法 |
JP4519118B2 (ja) * | 2006-10-25 | 2010-08-04 | 株式会社三徳 | ボンド磁石に用いる希土類−鉄−ボロン系コンポジット磁石用合金 |
WO2012090765A1 (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-05 | Tdk株式会社 | 磁性体 |
JP5527434B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2014-06-18 | Tdk株式会社 | 磁性体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050315 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050322 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060829 |