JPH1087722A - ヘテロポリ酸で触媒したオレフィンの重合 - Google Patents

ヘテロポリ酸で触媒したオレフィンの重合

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JPH1087722A
JPH1087722A JP9224726A JP22472697A JPH1087722A JP H1087722 A JPH1087722 A JP H1087722A JP 9224726 A JP9224726 A JP 9224726A JP 22472697 A JP22472697 A JP 22472697A JP H1087722 A JPH1087722 A JP H1087722A
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olefin
polymer
acid
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heteropolyacid
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JP9224726A
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John R Johnson
アール. ジョンソン ジョン
James D Burrington
ディー. バーリントン ジェイムズ
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Lubrizol Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘテロポリ酸で触媒したオレフィンの重合方
法を提供すること。 【解決手段】 オレフィンの重合により重合体を生成す
る方法であって、該方法は、C2〜C30オレフィンまたは
それらの誘導体を、部分的にまたは完全に中和したヘテ
ロポリ酸と接触させて、該重合体を生成する工程を包含
し、該重合体は、少なくとも約6の重合度(dp)を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】三フッ化ホウ素(BF3)を用い
てオレフィンを重合することは、周知である。そのよう
に生成した重合体は、ビニリデン構造を有する末端基が
高い割合で存在するために、非常に反応性が高い。ポリ
オレフィンの反応性は、重合体中の二重結合含量および
その位置に関係している。
【0002】
【従来の技術】BASFの米国特許第4,152,499号は、10〜1
00単位の重合度を有するポリイソブチレン重合体(PIB)
の合成を記載している。次いで、このPIBは、無水マレ
イン酸と反応され、その理論収率は、60〜90%である。
100%の収率の反応は、全てのビニリデンまたはα−オ
レフィン(>C=CH2)末端単位を有するPIBに相当する。
【0003】BPの米国特許第4,605,808号は、その末端
位置にて、少なくとも70%の不飽和を有するポリイソブ
チレンを記載している。上記第4,152,499号特許と同様
に、BF3は、そのカチオン重合触媒として使用されてい
た。
【0004】第'499号特許の課題は、無水マレイン酸と
の反応が塩素触媒を使用することなく穏やかな条件下に
て高収率で進行するように、高い末端ビニリデン含量を
有する非常に反応性が高いポリイソブチレンを生成する
ことにあった。このポリイソブチレン/無水マレイン酸
に由来の付加物は、次いで、ポリアミンと反応されて、
オイル添加剤業界で有用な無灰分散剤を形成した。
【0005】Shell Internationalによるヨーロッパ特
許出願公報第0 355 895号は、ポリオレフィン置換無水
コハク酸の形状の無水コハク酸誘導体の調製を記載して
いる。潤滑油を配合するのに使用する添加剤を形成する
他の物質とのさらなる反応では、この置換無水物を使用
する。
【0006】上記参考文献の課題は、置換無水物を形成
するために、塩素触媒経路よりもむしろ熱的経路におい
て、非常に反応性が高いポリオレフィンを使用すること
にある。この熱的経路によって、塩素を含有する生成物
が回避される。このポリオレフィンの反応性は、末端オ
レフィン(末端ビニリデン)を有する重合体中の末端基に
関連しており、そこに異性化できる末端基は、その反応
性種として確認されていた。末端ビニリデン(I)基に異
性化できる基には、表1のβ−異性体(II)がある。
【0007】従来のポリオレフィン合成は、末端オレフ
ィン(例えば、イソブテン、または触媒分解器またはエ
チレンプラントのブタン/ブテン流に由来のC4ラフィネ
ートのような化合物の混合物)とのフリーデル−クラフ
ツタイプの触媒反応を包含する。そのように合成したポ
リオレフィンは、高い末端ビニリデン含量を有するとは
認められず、それゆえ、ポリオレフィン置換無水コハク
酸を形成する熱的経路で使用するのに選択される試薬で
はない。従来のPIBは、無水マレイン酸と共に熱縮合操
作で使用するとき、収率が低く、タール含量が高く、そ
してコハク化比率が低い。非常に反応性が高いPIBを用
いた置換無水コハク酸への熱的経路は、米国特許第5,07
1,919号、第5,137,978号、第5,137,980号および第5,24
1,003号(これらは全て、Ethyl Petroleum Additives, I
nc.に発行された)に詳細に述べられている。
【0008】従来の(AlCl3)高末端ビニリデンPIBの異性
体含量を、表1に示す。従来のPIBは、およそ5%の末
端ビニリデン含量を有する。従来のPIBおよび高ビニリ
デンPIBの末端異性体基は、以下の表1およびEPO第0 35
5 895号で公開されたものに示されている。しかし、本
発明では、中程度のビニリデン含量のPIBもまた、形成
できる。このような中程度のPIBは、45%未満のビニリ
デン含量を有し、そして従来のPIBの4〜5%のビニリ
デン含量までに変化し得る。
【0009】
【表1】
【0010】表1の構造から分かるように、従来のPIB
は、非常に低い末端ビニリデン基(I)およびそれと異性
化できる種(II)により特徴づけられる。従来のPIBは、
さらに、別の三置換末端オレフィン基(III)を含有し、
これは、高ビニリデンPIBでは、ほとんどないかまたは
低レベルで存在するにすぎない。この別の末端基III
は、2-ブテンであり、その2位置の炭素は、三置換され
ている。
【0011】表1の構造IVAは、IVの酸触媒した再配置
生成物であるのに対して、Vは、内部ビニリデン基であ
る。従来のPIBおよび高ビニリデンPIBの末端基含量は、
NMR分析により測定されている。従来のPIBは、ExxonのP
arapol(登録商標)、LubrizolのLubrizol(登録商標)310
4、3108、AmocoのIndopol(登録商標)およびBPのHyvis
(登録商標)を含めた種々の商標で、市販されている。従
来のPIBは、300〜5000の範囲の数平均分子量を有する
が、好ましい数平均分子量は、500〜2000の範囲であ
る。
【0012】ヘテロポリ酸およびそれらの塩は、オレフ
ィンと反応させてオリゴマー構造を形成するのに使用さ
れている。水素化リンモリブデン酸触媒は、一酸化炭素
を不定の高分子量炭化水素に転化することが報告されて
いる。米国特許第2,825,704号で報告された系では、リ
ンモリブデン酸およびそのアンモニウム塩は、水素雰囲
気下にて、大気圧および少なくとも350℃の温度で還元
される。そのように生成した触媒は、次いで、少なくと
も200気圧の水素雰囲気および125℃〜350℃にて、一酸
化炭素と反応される。
【0013】米国特許第2,982,799号(第'799号)は、約2
0〜200℃にて、特に調製したヘテロポリ酸触媒の使用に
より、イソブチレンが重合できることを報告している。
この触媒は、固体担体上に析出したヘテロポリ酸からな
っていた。この固体担体は、担体100グラムあたり1ミ
リ当量未満のアルカリ(アンモニウムを含めて)含量、お
よび全触媒の0.5〜8重量%のケイタングステン酸濃度
を有していた。この系から、イソブチレンに由来のC16
までのオリゴマー、または4の重合度(dp)が得られた。
使用した温度は、20℃以上であった。第'799号特許で
は、ヘテロポリ酸およびそれらの塩は、炭化水素の重合
に有用であると報告されたが、参照またはデータは提示
されなかった。
【0014】しかし、第'799号特許で引用された参考文
献は、低分子量オレフィンおよびヘテロポリ酸およびそ
れらの塩からの二量体および三量体の形成を開示してい
る。例えば、米国特許第2,237,460号(第'460号)は、C3
〜C5オレフィンをカップリングして二量体および三量体
および不定の高級重合体を形成するために、ヘテロポリ
酸 Cr2(SO4)3・xH2SO4・yH2Oを使用することを開示してい
る。第'460号特許の目的は、気体状オレフィンから液体
燃料を製造することにあった。この液体燃料は、ガソリ
ンの沸点範囲内にあった。
【0015】米国特許第2,301,966号は、イソブチレン
から二量体および三量体を形成しC9およびC10オレフィ
ンを芳香族物質で縮合するために、広範囲のリンタング
ステン酸を使用することを開示している。
【0016】日本特許出願JP07/242,573(カナダ特許12
3.339126j)では、ヘテロポリ酸は、水の存在下にて、α
−メチルスチレンを二量化することが報告された。100
℃にて、H3PW12O40および水は、α−メチルスチレン二
量体86.1%を生じることが報告された。
【0017】日本特許出願08/012601では、α−メチル
スチレンは、50℃で1時間にわたり、リンタングステン
酸で処理したとき、83.1重量%のオリゴマーを生じるこ
とが報告された。四量体は、8.0重量%の収率で生じる
ことが報告され(dp=4)、さらに高級なオリゴマーは、
6.6重量%であることが報告された。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
の重合により重合体を生成する方法を提供することを目
的とする。より詳細には、本発明は、ヘテロポリ酸また
はその誘導体を触媒として用いたオレフィンの重合によ
り重合体の生成方法、および該方法により生成した生成
物を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、オレフィンの
重合により重合体を生成する方法を提供する。該方法
は、C2〜C30オレフィンまたはそれらの誘導体を、部分
的にまたは完全に中和したヘテロポリ酸と接触させて、
該重合体を生成する工程を包含し、該重合体は、少なく
とも約6の重合度(dp)を有する。
【0020】1実施態様では、上記の部分的にまたは完
全に中和したヘテロポリ酸は、リンタングステン酸、ケ
イタングステン酸、リンモリブデン酸またはケイモリブ
デン酸である。
【0021】他の実施態様では、上記の部分的にまたは
完全に中和したヘテロポリ酸は、周期表の第1A族、第2A
族および第3A族に由来のカチオンを含有する。
【0022】さらに他の実施態様では、上記の部分的に
または完全に中和したヘテロポリ酸は、カチオンCs+、M
g2+、NH4 +またはZn+2またはそれらの混合物を含有す
る。
【0023】さらに他の実施態様では、上記重合体の末
端ビニリデン(I)およびβ−異性体(II)の合計含量は、
少なくとも30%である。
【0024】さらに他の実施態様では、前記重合体の末
端ビニリデン(I)およびβ−異性体(II)の合計含量は、
少なくとも60%である。
【0025】さらに他の実施態様では、上記オレフィン
は、イソブチレンであり、そして上記重合体は、Mn=30
0〜20,000のポリイソブチレンである。
【0026】さらに他の実施態様では、上記の部分的に
または完全に中和したヘテロポリ酸は、上記オレフィン
と接触する前にか焼される。
【0027】さらに他の実施態様では、上記リンタング
ステン酸は、Cs2.5H0.5PW12O40である。
【0028】さらに他の実施態様では、上記の部分的に
または完全に中和したヘテロポリ酸は、担持されたヘテ
ロポリ酸である。
【0029】本発明はまた、上記の方法により生成した
生成物を提供する。
【0030】本発明者らは、ヘテロポリ酸の完全なおよ
び部分的な塩の形状の固体酸触媒が、末端オレフィンを
重合して、ポリオレフィンを生じることを発見した。こ
のポリオレフィンは、上記の高ビニリデンPIBで報告さ
れたものと同じ量で、末端ビニリデン単位(I)およびそ
れと共鳴している異性体(II)の同じ反応基を有していて
もよい。本発明の文脈では、PIBは、C2〜C30オレフィン
およびそれらの誘導体から形成し6以上の重合度(dp)を
有する全てのオリゴマーおよびポリオレフィンの代表例
として存在している。本発明の方法は、約350までのdp
のポリオレフィンを提供する。その結果、およそ300と2
0,000の間のMnのポリイソブチレンが得られる。
【0031】オリゴマーまたは重合体中の反応性末端基
は、表1の構造(I)および(II)に相当する。この反応生
成物は、好ましくは、約30%以上、好ましくは、約60%
以上の合計量の基(I)および(II)末端を含有する。
【0032】
【発明の実施の形態】ヘテロポリ酸触媒は、遊離酸また
はヘテロポリアニオン塩として存在できる。ヘテロポリ
アニオンは、例えば、以下のような1種またはそれ以上
の異なるオキソアニオンの縮合反応により形成した重合
体オキソアニオンである:
【0033】
【化1】 12WO4 2- + HPO4 2- +23H+ → (PW12O40)3- + 12H2O これらの物質については、種々の構造が公知である。こ
れらには、例えば、いわゆるKeggin構造を含めることが
でき、ここで、12個のWO6八面体は、中心PO4四面体(リ
ンを使用する場合)を取り囲んでいる。他の構造および
関連した式もまた、公知であり、これには、PW12O42、P
W18O62、P2W5O23、PW9O32、PW6O24、P2W18O62、PW
11O39、およびP2W17O61が含まれ、ここで、PおよびW
は、代表的な元素として選択され、指示した構造は、適
切な電荷を有するイオンである。このKeggin構造の中心
原子は、代表的には、ここで示すようにリンであるが、
また、第IIIA族から第VIIA族(ACS番号表示)メタロイド
または非遷移金属のいずれか(P、As、Si、Ge、B、Al、S
b、およびTeを含めて)であり得る。上式のタングステン
(W)は、「ポリ原子」として公知の役割を果たし、これ
は、第VB族または第VIB族の遷移金属(W、V、Cr、Nb、M
o、またはTaを含めて)のいずれかであり得る。それゆ
え、適切な物質には、好ましくは、リンモリブデン酸
塩、リンタングステン酸塩、ケイモリブデン酸塩、およ
びケイタングステン酸塩が挙げられる。上記元素のうち
から選択した他の組合せもまた可能であり、これには、
ホウタングステン酸塩、チタノタングステン酸塩、スタ
ノタングステン酸塩、アルセノモリブデン酸塩、テルロ
モリブデン酸塩、アルミノモリブデン酸塩、およびホス
ホバナジルタングステン酸塩が含まれ、後者は、PW11VO
40の式(アニオン部分に関して)を有する混合物質を表わ
す。好ましい物質は、リンタングステン酸塩であり、こ
の用語は、一般に、酸、および以下で記載の種々の塩を
包含する。
【0034】このヘテロポリ酸触媒は、共に、その酸形
状(ここで、このアニオンは、対応する数の水素イオン
と会合している)として、完全な塩形状(この場合、この
水素イオンは、他のカチオン(例えば、金属イオン)で置
換されている)で、または部分的に交換した塩形状(ここ
で、この水素イオンの一部は、それゆえ、置換されてい
る)で、活性である。それゆえ、この触媒は、周期表の
第IA族、第IIA族および第IIIA族の元素、第IB-VIIB族の
元素および第VIII族の金属(マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ビス
マス、またはアンモニウムまたはヒドロカルビル置換ア
ンモニウム塩を含めて)に由来のカチオンで部分的にま
たは完全に交換できる。アルカリ金属には、周期表のIA
欄の金属(特に、ナトリウム、カリウムおよびセシウム)
が挙げられる。アルカリ土類金属には、周期表のIIA欄
の金属(特に、マグネシウム、カルシウム、およびバリ
ウム)が挙げられる。これらの物質の正確な化学量論
は、その構造で使用する金属およびメタロイドの素性に
依存する。それゆえ、この酸形状で有用な一般的な塩に
は、H3PW12O40がある。セシウム塩形状での対応する物
質には、Cs3PW12O40がある。種々の部分的に交換した形
状(具体的には、Cs2.5H0.5PW12O40を含めて)もまた、本
発明で特に有用である。後者の物質では、3個の初期水
素イオンのうちの2.5個が、セシウムイオンで置き換え
られている。これは、比較的によく分かっている化学物
質である。CsとHの分率から、別の実験式では、Cs5HP2W
24O80になることが指摘されるが、前者の表現が、より
一般的に使用される。対応する部分アンモニウム塩、(N
H4)2.5H0.5PW12O40もまた、そのアルミニウム塩Al0.83H
0.5PW12O40と同様に、公知であり効果的である。
【0035】ヘテロポリ触媒の構造に関するさらに詳細
な情報については、Misono、「Heterogeneous Catalysi
s by Heteropoly Compounds of Molybdenum and Tungst
en」、Catal. Rev.−Sci. Eng.、29(2&3)、269〜321
頁(1987年)、特に、270〜271頁および278〜280頁に注目
せよ。
【0036】ヘテロポリ酸は、市販の物質である(例え
ば、Aldrich Chemical Company、#22,420-0)。その塩も
同様に、市販されている。他方、それらは、適切な量の
塩基で中和することにより、その酸物質から調製でき
る。例えば、前記Cs2.5塩は、H3PW12O40を2.5当量の水
酸化セシウムで中和することにより、調製される。この
生成物は、過剰の水を蒸発させることにより、単離され
る。
【0037】ヘテロポリ酸は、一般に水和した形状で入
手される。それらは、この形状(か焼していない)で、う
まく使用できるか、または、処理(か焼)されて、水和水
の一部または全部を除去でき、すなわち、脱水した種を
提供でき、これは、時には、改良された反応性を示す。
か焼は、単に、この水和物質を適切な温度まで加熱し
て、所望の量の水を追い出すことにより、行うことがで
きる。この加熱は、常圧下または減圧下で行うことがで
き、または、空気または不活性気体(例えば、窒素)の流
れの下にて、行うことができる。このか焼は、好ましく
は、空気中にて、少なくとも150℃、好ましくは、少な
くとも200℃、さらに好ましくは、少なくとも250℃、例
えば、375℃までで行われる。空気は、この酸が高酸価
状態になることを確実にする。か焼に必要な時間は、装
置および規模に関係しているが、実験室レベルでは、こ
のか焼は、代表的には、少なくとも30分間、好ましく
は、少なくとも1時間、さらに好ましくは、少なくとも
2時間または3時間でさえある。温度および時間の上限
は、大部分は、工程の経済性により決められる。350℃
を大きく上回る温度、または約5時間より長い時間は、
一般的には、あまり有利ではない。
【0038】この触媒は、純粋な酸または塩の粒子とし
て使用できるか、または、不活性物質の固体担体(例え
ば、アルミナ、シリカ/アルミナ、アルミノリン酸塩、
ゼオライト、炭素、粘土、または好ましくは、シリカ)
上で提供できる。この触媒は、周知の触媒含浸法(例え
ば、この触媒を溶液として塗布し、続いて、乾燥するこ
と)により、この担体に被覆できる。シリカのような担
体を使用するなら、この活性触媒成分とシリカ担体との
重量比は、好ましくは、0.5:99.5〜50:50の範囲、好
ましくは、3:97〜40:60の範囲、さらに好ましくは、
10:90〜30:70の範囲である。
【0039】ある種の担持したヘテロポリ酸触媒は、別
の様式で調製される。このような触媒には、ある種のヘ
テロポリ酸塩および金属塩またはアンモニウム塩が挙げ
られ、これらでは、形成後すぐに、水中にて、不溶なヘ
テロポリ酸塩が沈澱する。これらの場合には、ヘテロポ
リ酸および他の金属塩(例えば、酸性金属塩)の混合物が
調製でき、これらは、混合後、不溶な中和生成物を沈澱
させない。次いで、この中間物質を加熱して、水および
他の溶媒を除去し、続いて、か焼して、このアニオンの
揮発性生成物を除去することにより、所望の固形状ヘテ
ロポリ酸塩が調製できる。例えば、水性のH3PW12O40
よびAl(NO3)3またはB(OH)3の混合物は、安定な溶液であ
り得る。このような溶液は、乾燥および加熱処理前に、
通常の方法(例えば、含浸)により、担体に被覆できる。
水の除去後、この担体上の金属−ヘテロポリ酸の加熱処
理により、窒素酸化物が遊離し、この担体に均一に被覆
した不溶性の活性触媒が得られる。この触媒の装填を増
すためには、処理および乾燥サイクルを繰り返し使用で
きる。
【0040】本発明でオレフィンの重合において使用す
る温度は、好ましくは、20℃以下であり、さらに好まし
くは、10℃以下である。好ましい生成物は、約300より
大きいMnを有するポリイソブチレンである。C4イソブチ
レンについては、これは、約5.3の平均重合度(dp)に相
当する。アルキレート無水マレイン酸との反応に使用す
るとき、ポリイソブチレンの好ましいMnは、約1000〜20
00の範囲である。イソブチレンだけでなく、他のC2〜C
30オレフィンおよびそれらの誘導体は、スチレンおよび
それらの誘導体、共役ジエン(例えば、ブタジエンおよ
びイソプレン)および非共役ポリエンと同様に、本発明
で使用できる。重合体を生成する反応は、共重合体を形
成するように、出発オレフィンの混合物と共に行うこと
ができる。本発明におけるオレフィン基質と触媒とのモ
ル比は、1,000:1〜100,000:1の範囲である。
【0041】本発明の方法により生成した重合体は、C2
〜C30オレフィンモノマーおよぴそれらの混合物および
それらの誘導体から誘導される。本発明の用語体系で
は、スチレンおよびその誘導体は、フェニル基で置換さ
れたC2オレフィンである。
【0042】本発明のポリオレフィンが誘導できる有用
なオレフィンモノマーは、1個またはそれ以上の不飽和
二重結合(すなわち、>C=C<)の存在により特徴づけら
れる重合可能なオレフィンモノマーである;すなわち、
これらは、モノオレフィン性モノマー(例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、イソブテンおよびオクテン
-1)またはポリオレフィン性モノマー(通常、ジオレフィ
ン性モノマー;例えば、ブタジエン-1,3およびイソプレ
ン)である。
【0043】これらのオレフィンモノマーは、好ましく
は、重合可能な末端オレフィン(すなわち、その構造内
に、−R'−CH=CH2基(ここで、R'は、Hまたはヒドロカ
ルビル基である)が存在することにより特徴づけられる
オレフィン)である。しかし、その構造内に以下の基が
存在することにより特徴づけられる重合可能な内部オレ
フィンモノマー(特許文献では、しばしば、中間オレフ
ィン(medial olefin)として呼ばれる)もまた、ポリアル
ケンを形成するために、使用できる:
【0044】
【化2】
【0045】内部オレフィンモノマーが使用されると
き、それらは、通常、末端オレフィンと共に使用され、
インターポリマーであるポリアルケンを生成する。本発
明の目的上、特定の重合したオレフィンモノマーが、末
端オレフィンおよび内部オレフィンの両方として分類で
きるとき、それは、末端オレフィンと見なされる。それ
ゆえ、例えば、ペンタジエン-1,3(すなわち、ピペリレ
ン)は、本発明の目的上、末端オレフィンと考えられ
る。
【0046】本発明のポリアルケンは、一般に、炭化水
素ポリアルケンであるものの、それらは、置換炭化水素
基(例えば、低級アルコキシおよびカルボニル)を含有で
きるが、但し、その非炭化水素部分は、本発明の機能化
反応を実質的に妨げない。好ましくは、このような置換
炭化水素基は、通常、このポリアルケンの全重量の約10
重量%以下を構成する。このポリアルケンは、このよう
な非炭化水素置換基を含有できるので、ポリアルケンが
製造されるオレフィン性モノマーもまた、このような置
換基を含有できることが明らかである。しかし、通常、
実用性や費用の点から、このオレフィン性モノマーおよ
びポリアルケンは、非炭化水素基を含有しない。(本明
細書中で用いられるように、「低級の」との用語は、
「低級アルキル」または「低級アルコキシ」のような化
学基と共に用いられるとき、7個までの炭素原子を有す
る基を記載するべく意図される)。
【0047】本発明のポリアルケンは、芳香族基(特
に、フェニル基、および低級アルキル置換されたおよび
/または低級アルコキシ置換されたフェニル基、例え
ば、パラ-(第三級ブチル)フェニル基)、および環状脂肪
族基(例えば、重合可能な環状オレフィン、または環状
脂肪族置換した重合可能な非環式オレフィンから得られ
るもの)を含有できるものの、このポリアルケンは、通
常、このような基を含有しない。また、ポリアルケンに
は芳香族基および環状脂肪族基が存在できるので、この
ポリアルケンが調製されるオレフィン性モノマーは、芳
香族基および環状脂肪族基を含有できる。
【0048】2個〜約16個の炭素原子を有する末端水素
オレフィンの単独重合体およびインターポリマーからな
る群から誘導したポリアルケンは、一般的に好ましい。
さらに好ましい種類のポリアルケンには、2個〜約6個
の炭素原子、さらに好ましくは、2個〜4個の炭素原子
を有する末端オレフィンの単独重合体およびインターポ
リマーからなる群から選択したものがある。
【0049】本発明のポリアルケンを調製するために使
用できる末端オレフィンモノマーおよび内部オレフィン
モノマーの特定の例には、プロピレン;ブテン-1;ブテ
ン-2;イソブチレン;ペンテン-1;ヘキセン-1;ヘプテ
ン-1;オクテン-1;ノネン-1;デセン-1;ペンテン-2;
プロピレンテトラマー;ジイソブチレン;イソブチレン
トリマー;ブタジエン-1,2;ブタジエン-1,3;ペンタジ
エン-1,2;ペンタジエン-1,3;イソプレン;ヘキサジエ
ン-1,5;2-クロロブタジエン-1,2;2-メチルヘプテン-
1;3-シクロヘキシルブテン-1;2-メチル-5-プロピルヘ
キセン-1;ペンテン-3;オクテン-4;3,3-ジメチルペン
テン-1;スチレン;2,4-ジクロロスチレン;ジビニルベ
ンゼン;酢酸ビニル;アリルアルコール;1-メチル酢酸
ビニル;アクリロニトリル;アクリル酸エチル;メタク
リル酸メチル;エチルビニルエーテル;およびメチルビ
ニルケトンが包含される。これらのうち、炭化水素系の
重合可能なモノマーは、好ましい。これら炭化水素系モ
ノマーのうち、末端オレフィンモノマーは、特に好まし
い。
【0050】本発明で形成される有用な重合体には、α
−オレフィン単独重合体およびインターポリマー、およ
びエチレン/α−オレフィン共重合体および三元共重合
体が挙げられる。ポリアルケンの特定の例には、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共
重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、イソブチレ
ン−ブタジエン-1,3共重合体、プロペン−イソプレン共
重合体、イソブチレンクロロプレン共重合体、イソブテ
ン−(パラメチル)スチレン共重合体、ヘキセン-1とヘキ
サジエン-1,3との共重合体、オクテン-1の共重合体、3,
3-ジメチルペンテン-1とヘキセン-1との共重合体、およ
びイソブチレンとスチレンとピペリレンとの三元共重合
体が包含される。このようなインターポリマーのさらに
特定の例には、95重量%イソブチレンと5重量%スチレ
ンとの共重合体;98%イソブチレンと1%ピペリレンと
1%クロロプレンとの三元共重合体;95%イソブチレン
と2%ブテン-1と3%ヘキセン-1との三元共重合体;60
%イソブチレンと20%ペンテン-1と20%オクテン-1との
三元共重合体;90%イソブチレンと2%シクロヘキセン
と8%プロピレンとの三元共重合体;および80%エチレ
ンと20%プロピレンとの共重合体が包含される。米国特
許第5,334,775号は、多くのタイプのポリオレフィン系
重合体およびそれらのモノマー前駆体を記載しており、
その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0051】
【実施例】実施例1 ポリイソブチレン(PIB)のバッチ様の合成において、イ
ソブテン59グラム(100ml、1.05モル)を、以下の様式
で、か焼したCs2.5H0.5PW12O40(0.40グラム、0.000125
モル)とシクロヘキサン中で反応させた。
【0052】ヒュームフードにて、窒素下の4ッ口丸底
フラスコに、シクロヘキサン溶媒100 mlおよびこの触媒
を充填した。このフラスコに、コールドフィンガー、温
度計、窒素注入口およびジャケット付き添加漏斗を固定
した。この溶媒および触媒を、N2下にて30分間撹拌し
た。次いで、このジャケット付き添加漏斗にて、イソブ
テンを凝縮し、この混合物に添加して、これを、撹拌し
ながら、約8℃で30分間保持した。次いで、メタノール
を添加して、この反応を停止し、そして揮発性物質を、
触媒から分離後に、減圧下にて150℃で除去した。この
操作により、25グラムのPIBが得られた。このポリオレ
フィン生成物は、約2300のMn、約4.7のMw/Mn比および77
%の末端ビニリデン含量(I)を有していた。異性体IIお
よびIIIの合計含量は、約22%であった。
【0053】実施例2 類似の実験にて、イソブテンを、−10℃の初期温度で、
シクロヘキサンに添加した。この温度は、3℃まで急速
に上昇し、次いで、8℃で維持し、そしてメタノールで
反応停止した。これにより、ビニリデン末端基(I)75
%、およびβ−異性体(II)および三置換異性体(III)合
計21%を有するポリイソブチレンが、約60%の収率で得
られた。この重合体は、1584のMnおよび3.86のMw/Mn比
を有していた。
【0054】実施例3 上記実施例1および2で列挙したものと同じ装置および
項目を用いて行った実験において、このフラスコにて、
窒素雰囲気を作り、そしてシクロヘキサン100mlを添加
した。N2下にて30分間撹拌した後、(NH4)2.5H0.5PW12O
40(0.1グラム)を添加した。この添加漏斗に、イソブチ
レン(59グラム、1.05モル)を凝縮し、撹拌した反応フラ
スコに添加した。30分間後、メタノールを添加して、反
応を停止した。これにより、1328のMnおよび11.13のMw/
Mn比の重合体が、約49%の収率で得られた。その異性体
分布は、ビニリデン(I)24%、およびβ−異性体(II)お
よび三置換異性体(III)合計50%であった。
【0055】実施例4 ヘテロポリ酸で触媒したα−オレフィンの重合と共に、
連続重合系を使用することもまた、可能である。この一
例をここで述べる。本実験で使用した装置は、2ッ口収
集フラスコ、2個の等圧のジャケット付き添加漏斗、コ
ールドフィンガーおよび窒素注入口を有する。反応は、
窒素条件下で行う。本実験では、か焼したCs2.5H0.5PW
12O40(0.5グラム)と共に、砂8グラムを、1個の添加漏
斗に添加した。イソブテン(176グラム、3.14モル)を、
コールドフィンガーによって、第二のジャケット付き等
圧漏斗で凝縮した。この触媒と共に、添加漏斗に、液状
イソブテンを添加し、次いで、この触媒/砂床を介し
て、収集フラスコに滴下した。触媒床は、反応中で常に
液体で覆った。4時間後、収集容器中の物質を水で洗浄
し、そして真空ストリッピングした。これにより、2452
のMn、6.35のMw/Mn、末端ビニリデン基(I)64%、およ
び三置換異性体(III)およびβ−異性体(II)合計17%を
有するポリイソブチレンが、およそ50%の収率で得られ
た。
【0056】従来の高ビニリデンポリイソブチレン中の
末端単位の相対量は、NMRスペクトルから測定し、これ
は、Burker AMX300または500装置およびUXNMRPソフトウ
ェア(スペクトルを調整するため)を使用して行った。ス
ペクトルは、CDCl3中にて、300または500 MHzで測定し
た。種々の異性体に対するNMRにおけるバンドの帰属
は、テトラメチルシランからのダウンフィールドシフト
の百万分率(ppm)として、以下に示す:末端ビニリデン
4.68および4.89、β−異性体5.18、三置換異性体5.17お
よび5.35、四置換異性体2.88。
【0057】異性体の分子量は、代表的には、テトラヒ
ドロフラン溶媒を用いて操作するWaters 150装置上のGP
Cにより、測定した。そのカラムは、104Å、103Å、500
Åおよび300Åの気孔サイズのWatersウルトラスチロゲ
ルであり、これは、PIB標準で校正した。スチレンの分
子量標準もまた、有用である。MnおよびMwは、比較溶離
容量データから決定した。本発明の方法により生成した
重合体の分子量値は、その重合度に従って変化する。本
発明の生成物のdp範囲は、約6〜350またはそれ以上で
ある。
【0058】Mw/Mn比から決定した本発明の生成物の多
分散性は、1.5〜2.0の値であるが、反応条件に依存し
て、11までの範囲である。いずれの一定反応温度でも、
Mw/Mnは、反応中において、オレフィンと触媒と接触時
間およびオレフィンの濃度により制御される。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、ヘテロポリ酸またはそ
の誘導体を触媒として用いたオレフィンの重合により重
合体の生成方法を提供することができる。本発明の方法
により、高い重合度および高い収率でポリオレフィンが
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591131338 29400 Lakeland Boulev ard, Wickliffe, Ohi o 44092, United State s of America (72)発明者 ジェイムズ ディー. バーリントン アメリカ合衆国 オハイオ 44143, メ イフィールド ビレッジ, ブランブルウ ッド レーン 6858

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンの重合により重合体を生成す
    る方法であって、該方法は、C2〜C30オレフィンまたは
    それらの誘導体を、部分的にまたは完全に中和したヘテ
    ロポリ酸と接触させて、該重合体を生成する工程を包含
    し、該重合体は、少なくとも約6の重合度(dp)を有す
    る。
  2. 【請求項2】 前記部分的にまたは完全に中和したヘテ
    ロポリ酸が、リンタングステン酸、ケイタングステン
    酸、リンモリブデン酸またはケイモリブデン酸である、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記部分的にまたは完全に中和したヘテ
    ロポリ酸が、周期表の第1A族、第2A族および第3A族に由
    来のカチオンを含有する、請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記部分的にまたは完全に中和したヘテ
    ロポリ酸が、カチオンCs+、Mg2+、NH4 +またはZn+2また
    はそれらの混合物を含有する、請求項1または2に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記重合体の末端ビニリデン(I)および
    β−異性体(II)の合計含量が、少なくとも30%である、
    請求項1または2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記重合体の末端ビニリデン(I)および
    β−異性体(II)の合計含量が、少なくとも60%である、
    請求項1または2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記オレフィンが、イソブチレンであ
    り、そして前記重合体が、Mn=300〜20,000のポリイソ
    ブチレンである、請求項1または2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記部分的にまたは完全に中和したヘテ
    ロポリ酸が、前記オレフィンと接触する前にか焼され
    る、請求項1または2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記リンタングステン酸が、Cs2.5H0.5P
    W12O40である、請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記部分的にまたは完全に中和したヘ
    テロポリ酸が、担持されたヘテロポリ酸である、請求項
    1または2に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1または2に記載の方法により
    生成した生成物。
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