JPH108696A - 板状体又は成形体並びにこれを用いた畳床又は床材 - Google Patents

板状体又は成形体並びにこれを用いた畳床又は床材

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JPH108696A
JPH108696A JP17863096A JP17863096A JPH108696A JP H108696 A JPH108696 A JP H108696A JP 17863096 A JP17863096 A JP 17863096A JP 17863096 A JP17863096 A JP 17863096A JP H108696 A JPH108696 A JP H108696A
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JP
Japan
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fiber
plate
oil palm
rubber
floor
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JP17863096A
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Atsushi Kobayashi
篤 小林
Hiroshi Mitsuboshi
寛 三星
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ONNETSU KANKYO KAIHATSU KK
TOA SHOJI KK
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ONNETSU KANKYO KAIHATSU KK
TOA SHOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヤシのなかでも油ヤシの空果房を解繊して得
た油ヤシ繊維を用い、それに接着剤として特にゴム状弾
性を示す樹脂を付着して圧縮することにより得られた材
料が、吸水、吸湿時の寸法変化が非常に少なく、しかも
優れた歩行感、クッション性、及び遮音性を示すことを
見いだした。これを板状体又は成形体として完成させ、
畳床又は床材の構成材とした。 【解決手段】 油ヤシの空果房を解繊して得た油ヤシ繊
維にゴム状弾性を示す樹脂を付着し、圧縮成形すること
により得られた板状体又は成形体。ゴム状弾性を示す樹
脂が、固化又は硬化したときの100%モジュラスが5
0〜3000N/cm2である。これら板状体又は成形
体を少なくとも一層として構成された畳床又は床材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木質系ファイバ
ーボードに類似する板状体、及びこれを所定形状に成形
してなる成形体と、これを用いた畳床及び床材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ヤシ繊維に接着剤を付着して成形
した畳床が知られており、この畳床によれば、良好な踏
圧感、保温性、及び調湿感が得られると共に、カビ及び
ダニの付着繁殖を防止でき、さらに変質及び腐敗に対す
る耐久性が得られるとされている(例えば実開昭59ー
104928号を参照)。
【0003】また、建築物のコンクリートスラブにじか
貼りする床材として、ヤシの実の繊維に天然ゴムラテッ
クスを付着して成形した床材が知られており、この床材
によれば、優れた防音性、耐圧縮性、及び歩行感が得ら
れるとされている(例えば実公平5ー33614号を参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】畳は、敷居等に囲まれ
て浅く凹陥形成された座敷の床に嵌め込まれる関係か
ら、高い寸法精度が求められる。それは、畳が規格の寸
法よりも小さ目に仕上がれば敷居等との間や畳同士の間
に隙間ができて見栄えが悪くなるし、逆に規格寸法より
も大き目に仕上がれば嵌め込む作業に苦労するばかり
か、嵌め込めたとしても残留する応力により変形を来す
からである。さらに、使用するにつれて寸法変化が生じ
て畳全体の反り、ねじれ等が生じることから、上記同
様、見栄えを良好に維持し、また変形を防止するために
は、使用後における寸法変化についても出来るだけ少な
くすることが望まれる。
【0005】一方、床材においても、所定形状の床下地
面に敷き詰められる関係上、畳の場合と同様の理由から
高い寸法精度が求められる。
【0006】ところが、上記従来のヤシ繊維を素材とし
た畳床や床材は、水分を含んだときに生じる寸法変化が
少なくないことから、吸水、吸湿時における寸法安定性
の改善が強く望まれていた。
【0007】さらに、上記従来の畳床や床材には、歩行
感、クッション性、及び遮音性において、より一層の改
良が要求されている。
【0008】特に、畳や床材を薄く形成したときには、
剛性の低下により変形し易くなる上、歩行感、クッショ
ン性、及び遮音性の点でも不利となり、改善が強く望ま
れることになる。
【0009】本発明者らは、このような点に留意して鋭
意研究した結果、ヤシのなかでも油ヤシの空果房を解繊
して得た油ヤシ繊維を用い、それに接着剤として特にゴ
ム状弾性を示す樹脂を付着して圧縮することにより得ら
れた材料が、吸水、吸湿時の寸法変化が非常に少なく、
しかも優れた歩行感、クッション性、及び遮音性を示す
ことを見いだして、本発明を完成するに到った。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の板状体又は成
形体は、油ヤシの空果房を解繊して得た油ヤシ繊維にゴ
ム状弾性を示す樹脂を付着し、圧縮成形することにより
得られた板状体又は成形体という構成である。
【0011】ここで、ゴム状弾性を示す樹脂にはゴム及
び熱可塑性エラストマーが含まれ、ゴムには天然ゴム及
び合成ゴムが含まれる。また、上記圧縮成形の際には、
必要に応じて加熱も行う。
【0012】上記板状体又は成形体の作用を推測に基づ
いて以下に説明する。油ヤシの空果房を解繊して得た油
ヤシ繊維は、例えばココヤシ繊維などの他のヤシ繊維に
比して、繊維表面にパームオイルが付着しているために
繊維の撥水性が優れていると共に、繊維中に含まれるセ
ルロース及びリグニンの量が相対的に多いので、耐水性
に優れる。加えて、油ヤシ繊維は、例えばココヤシ繊維
などの他のヤシ繊維に比して、繊維強度が大であると共
に、繊維径が大きく、且つ繊維長が長いので、寸法安定
性が優れている。また、油ヤシ繊維は、その表面の凹凸
が大きいと共に屈曲の強度が大きくて繊維同士のからみ
あいが大きいから、このことによっても寸法安定性が高
められると考えられる。
【0013】そのため、この板状体又は成形体は、吸
水、吸湿時における寸法安定性が優れているものと考え
られる。
【0014】また、油ヤシ繊維表面の凹凸が大きいの
で、ゴム状弾性を示す樹脂が油ヤシ繊維の表面の空隙に
侵入して固化又は硬化し、これが釘又はくさびのように
作用して、いわゆるアンカー効果を発揮するから、油ヤ
シ繊維はゴム状弾性を示す樹脂により強く結合する。こ
のことも吸水、吸湿時における寸法安定性の向上に寄与
していると考えられる。
【0015】油ヤシ繊維は、例えばココヤシ繊維などの
他のヤシ繊維に比して、繊維の剛性及び強度が大である
と共に、繊維径が大きく、且つ繊維長が長いので、弾性
回復性に優れている。また、油ヤシ繊維は、繊維の屈曲
の強度が大きくて繊維同士のからみあいが大きいので、
このことによっても弾性回復性が高められると考えられ
る。
【0016】そして、ゴム状弾性を示す樹脂は弾性回復
性が高い。
【0017】そのため、油ヤシ繊維がゴム状弾性を示す
樹脂により連結されている板状体又は成形体は、優れた
弾性回復性を示し、歩行感及びクッション性が良く、し
かも遮音性が良いものと考えられる。
【0018】この板状体又は成形体では、油ヤシ繊維を
使用するから、他の種類のヤシ繊維に比して解繊等に要
する労力が少なく、そのために製造に要するエネルギー
が節減できて、コスト的に安くつく。例えばココヤシ繊
維では、ヤシ殻を軟化させるために長期間水中に浸漬
し、その後に機械的に繊維状に解繊するために長期間多
大のエネルギーを必要とする。これに対して油ヤシで
は、もともと繊維状のままで集合体となっている空果房
を解繊するから、水中浸漬の必要はなく、解繊のために
要するエネルギーも非常に少なくて済む。又、油ヤシ繊
維はココヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取り扱
いにおいて作業環境の悪化が避けられ、好ましい。
【0019】油ヤシ繊維の繊維間に大きな隙間が形成さ
れるので、噴霧または浸漬によりゴム状弾性を示す樹脂
を供給したときには、樹脂が上記隙間を介して全繊維に
まんべんなく付着し、このことにより板状体又は成形体
の強度分布が均一になる。
【0020】油ヤシ繊維は繊維径が太いので、圧縮の程
度にもよるが繊維間に、例えば100μm〜5mm程
度、好ましくは200μm〜3mm程度の大きさの隙間
が形成される。従って、板状体又は成形体は透湿性に優
れる。
【0021】請求項2の板状体又は成形体は、上記ゴム
状弾性を示す樹脂を、固化又は硬化したときの100%
モジュラスが50〜3000N/cm2とした構成であ
る。
【0022】この構成によれば、油ヤシ繊維の示す弾性
回復性と、ゴム状弾性を示す樹脂の示す弾性回復性とが
近似するから、板状体又は成形体により弾性回復性を得
るうえで好ましく、これにより優れた歩行感、クッショ
ン性、及び遮音性が得られるものと考えられる。
【0023】請求項3は、請求項1又は2記載の板状体
又は成形体を少なくとも一層として構成された畳床又は
床材に関し、上記板状体又は成形体の作用から、この畳
床又は床材は吸水、吸湿時における寸法安定性に優れ、
歩行感及びクッション性が良く、遮音性が良い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は第1の実施形態に係る板状体
1を示す。この板状体1は、油ヤシの空果房を解繊して
得た油ヤシ繊維にゴム状弾性を示す樹脂を付着し、圧縮
成形することにより得られるものである。
【0025】上記板状体1は、例えば解繊した油ヤシ繊
維から繊維マットを形成し、この繊維マットにゴム状弾
性を示す樹脂を付着してから、圧縮成形することにより
製造される。
【0026】油ヤシ繊維により繊維マットを形成するに
は、ニードルパンチ等によりヤシ繊維を不織布様又は三
次元網組織状に絡み合わせる処理を行って剥離強度を上
げ、さらに必要に応じてプレス又は熱プレス等により繊
維マットを緻密にする。なお、この繊維マットの厚み
は、通常10mm〜100mm程度にすると使い易いと
云われるが、勿論これに限定されることなく用途に応じ
て任意に設定すればよく、さらに、この繊維マットの目
付は0.1kg/m2〜5kg/m2が好ましく、さらに
0.2kg/m2〜3kg/m2が好ましい。また複数枚
重ねて使用してもよい。また、解繊の前後には、油分及
び臭いを除去するために必要に応じて洗浄を行ってもよ
い。この油ヤシ繊維の単体は、剛性度が高く、断面径が
100〜600μm程度であり、その毛足、すなわち長
さも約5〜30cm程度であり、これを解繊することに
より、その絡み合いも高度なものが期待できる。しか
も、油ヤシの果実からは油ヤシ油が搾取できるが、この
果実を搾取したあとに残る空果房には現在のところ特定
の用途がなく通常は廃棄される運命にあるので、低コス
トで入手できるという利点がある。
【0027】次に、上記ゴム状弾性を示す樹脂である
が、この樹脂には、天然ゴム及び合成ゴムを含むゴム、
並びに熱可塑性エラストマーが含まれ、更にこれらを混
合したものも含まれる。
【0028】ゴムには、天然ゴム、イソプレンゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−
プロピレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニト
リルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩
素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、シ
リコーンゴム、フッ化シリコーンゴム、フッ素ゴム、多
硫化ゴム、ウレタンゴム、クロロスルホン化ゴム、フル
オロシリコーンゴム、ポリサルファイド、ノルボルネン
ゴムなどが例示される。
【0029】熱可塑性エラストマーには、スチレン系、
オレフィン系、エステル系、ウレタン系、イソプレン
系、1.2−ブタジエン系、塩化ビニル系、アミド系、
アイオノマー系、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド
系、塩化ビニル系、結晶性1.2−ポリブタジエン系、
フッ素樹脂系などが例示される。
【0030】さらに、ゴム状弾性を示す樹脂には、エチ
レンアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ポ
リペンテナマー、液状ポリサルファイドゴム、液状シリ
コーンゴムも含まれる。
【0031】これらのなかで好ましいとされるものを例
示する。まず、エマルジョン又は水溶液にして油ヤシ繊
維に付着されるものとしては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、ポリクロロプレン、ポリスチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリアクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリエチレン−プロピレン共重合体、ポリエピクロ
ルヒドリンゴム、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポ
リウレタンなどが挙げられる。また、溶液にして油ヤシ
繊維に付着されるものとしては、ポリウレタン、ポリク
ロロプレン、ポリスチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレンなどが挙げられる。さらに、溶剤を
用いずに油ヤシ繊維に付着されるものとしては、ポリウ
レタン、変成シリコーン、エポキシ変成シリコーン、ポ
リシロキサンなどが挙げられる。しかし、これらはあく
まで例示に過ぎない。
【0032】また、ゴム状弾性を示す樹脂としては、固
化又は硬化したときの100%モジュラスが50〜30
00N/cm2のものが好ましい。
【0033】本発明の樹脂には、必要に応じて可塑剤、
充填剤、補強剤、垂れ防止剤、着色剤、老化防止剤、接
着促進剤、硬化触媒、物性調整剤などを配合し得る。
尚、接着付与剤としてコンニャク、小麦粉、デンプン等
を添加し得る。
【0034】本発明の板状体1の厚さは、3mm〜50
mmが好ましく、5mm〜30mmがさらに好ましい。
板状体1の密度は0.1g/cm3〜1.0g/cm3
好ましく、さらに0.2g/cm3〜0.8g/cm3
好ましく、最も好ましくは、0.2g/cm3〜0.6
g/cm3である。また、板状体1の目付は、例えば、
板状体1の厚さが10mmの場合、密度が0.4g/c
3で目付が4kg/m2となり、密度が0.6kg/m
3では目付が6kg/m2となる。
【0035】上記板状体1の一製法を例示する。この例
は繊維マットの形成と、ゴム状弾性を示す樹脂の付着を
連続的に行うものである。この製法に使われる機構は、
例えば図2に示すようにベルトコンベヤ11の上方に第
1、第2・・・の複数のホッパ12,12・・・をベル
ト進行方向に直列に設け、各ホッパ12の出口付近に指
向させてスプレーガン13をそれぞれ配置し、ホッパ1
2の下流にベルトコンベヤ11に対向させて加熱圧着ロ
ーラ14を設置したものである。各ホッパ12には油ヤ
シ繊維を入れ、スプレーガン13,13・・・にゴム状
弾性を示す樹脂を加圧供給しておく。そして、ベルトコ
ンベヤ11の稼働と同時に各ホッパ12からベルトコン
ベヤ11上に油ヤシ繊維を落下供給すると共に、各スプ
レーガン13から油ヤシ繊維に向けて樹脂を噴射供給す
ることにより、ベルトコンベヤ11上に、第1ホッパ1
2からの油ヤシ繊維により最下の第1層を形成し、その
上に第2ホッパ12からの油ヤシ繊維により第2層を形
成し、順次その上に油ヤシ繊維層を形成してゆき、その
後に加熱圧着ローラ14で加圧成形することにより繊維
マット2を形成する。勿論、ホッパ12及びスプレーガ
ン13を1つにしてもよい。また、第1、第2・・・の
複数のホッパ12,12・・・に供給する油ヤシ繊維の
特質(混合比、繊維太さ、繊維長さ)を変えれば、各層
を構成する油ヤシ繊維の特質を変えることができる。特
に繊維マット2の中心部に太いヤシ油ヤシ繊維を配し、
両表面部に細い油ヤシ繊維を配したものは、繊維マット
2の表面側の繊維の接触密度が高まる結果、これから成
形される板状体1は良好なものが得られる。
【0036】このように連続成形する製法の他に、1枚
ごとに成形する方法もある。その場合には、繊維マット
2に樹脂を付着させて型成形し、熱プレス等により熱圧
縮成形するものである。
【0037】また、油ヤシ繊維に樹脂を添加して攪拌
し、繊維の全表面にほぼ均一に樹脂を付着させ、これを
型枠に充填し、熱プレス等で所定の厚さ及び所定の密度
をもって成形することにより、板状体1を得てもよい。
【0038】また、樹脂はスプレーガン13等で噴霧す
ることにより繊維に付着させたが、繊維を樹脂に浸漬さ
せることにより付着させてもよい。
【0039】樹脂の使用量は、板状体1に要求される物
性によって異なるので一概に規定できないが、例えば繊
維マット2の重量に対して5〜100重量%、好ましく
は10〜80重量%、更に好ましくは20〜60重量%
が例示される。
【0040】上記第1実施形態の板状体1は、吸水、吸
湿時の寸法変化が非常に少なく、しかも優れた歩行感、
クッション性、遮音性を示す。
【0041】また、油ヤシ繊維の繊維間に大きな隙間が
形成されるので、スプレーガン13による噴霧または浸
漬によりゴム状弾性を示す樹脂を供給することにより、
樹脂が上記隙間を介して全繊維にまんべんなく付着し、
このことにより板状体又は成形体の強度分布が均一にな
る。
【0042】油ヤシ繊維は繊維径が太いので、圧縮の程
度にもよるが繊維間に、例えば100μm〜5mm程
度、好ましくは200μm〜3mm程度の大きさの隙間
が形成される。従って、上記板状体又は成形体は透湿性
に優れる。
【0043】また、圧縮成形する際の樹脂量又は成形時
の圧縮の程度により、得られる板状体又は成形体の繊維
間の隙間の大きさや隙間の密度を種々に変化させること
ができる。そのことにより板状体又は成形体の透湿性の
コントロールが出来る。
【0044】油ヤシ繊維は、直径が約100〜600μ
mと太く、長さが約5〜30cmと長く、屈曲しており
繊維同士のからまりも大きいので、板状体又は成形体は
釘を打ちつけた場合の、釘を保持する力に優れる。
【0045】以上の例では、正面視が矩形で一定厚さの
板状体1についてのみ説明したが、圧縮成形時に種々形
状の型により所望の形状にした成形体としてもよく、そ
の場合においても上記板状体1と同様の作用お及び効果
を得ることができる。
【0046】上記板状体又は成形体を少なくとも一層と
して構成された畳床又は床材は、上記板状体又は成形体
の作用から、吸水、吸湿時における寸法安定性に優れ、
歩行感及びクッション性が良く、遮音性が良い。
【0047】
【実施例】油ヤシの果実から油を搾取したあとに残る空
果房をスクリュープレスで更に圧搾したあと、ハンマー
ミルにて解繊し、油ヤシ繊維を得た。この繊維は約30
〜100mmの長さを有し、直径は約200〜400μ
m程度であった。この繊維からマットフォーミング機械
により層厚約25mmの繊維マットを形成し、この繊維
マットにスチレン−ブタジエンゴムラテックス(SB
R)をスプレー機にて塗布して含浸させた。SBRの使
用量は繊維マットの重量に対して約50重量%であっ
た。この繊維マットを所望の寸法に裁断し、圧力約7k
g/m2、温度約140℃で9mmのスペーサを使用
し、約10分間熱圧プレスを行い、厚さ約9mmの実施
例の板状体を得た。また、ココヤシの繊維を原料とし
て、これと同様の条件で比較例の板状体を得た。
【0048】これら2枚の板状体を室温で水中に4週間
浸漬したあと、それぞれの板状体の反りを測定した。こ
の反りは、板状体の長手方向1.8m当たりで生じる面
垂直方向の変位として測定した。その結果、実施例の板
状体の反りは約20mmであったが、比較例の板状体の
反りは約80mmにも達した。
【0049】また、上記2枚の板状体を畳床として歩行
感、クッション性を比較実験したところ、実施例の板状
体は比較例の板状体よりも沈み込みが少なく、クッショ
ン性に優れていた。
【0050】さらに、上記2枚の板状体を床材としてコ
ンクリートスラブの上に配置して歩行感、クッション性
を比較評価したところ、実施例の板状体は比較例の板状
体よりもクッション性に優れ、しかも遮音性にも優れて
いることが判った。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の板状体
又は成形体によれば、吸水、吸湿時における寸法安定性
と、歩行感、クッション性及び遮音性とを共に高度なレ
ベルで両立させることができると共に、コストを安くす
ることができ、畳床及び床材を構成する板状体又は成形
体として好適である。
【0052】請求項2の板状体又は成形体によれば、さ
らに優れた歩行感、クッション性、及び遮音性が得られ
る。
【0053】請求項3の畳床又は床材によれば、吸水、
吸湿時における寸法安定性と、歩行感、クッション性及
び遮音性とを共に高度なレベルで達成できる畳床又は床
材が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る板状体の斜視図である。
【図2】実施形態に係る板状体の製法の説明図である。
【符合の説明】
1 板状体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油ヤシの空果房を解繊して得た油ヤシ繊
    維にゴム状弾性を示す樹脂を付着し、圧縮成形すること
    により得られた板状体又は成形体。
  2. 【請求項2】 ゴム状弾性を示す樹脂が、固化又は硬化
    したときの100%モジュラスが50〜3000N/c
    2である請求項1記載の板状体又は成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の板状体又は成形体
    を少なくとも一層として構成された畳床又は床材。
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