JPH1086882A - 車両用ブレーキ装置のケーブルアクチュエータ - Google Patents

車両用ブレーキ装置のケーブルアクチュエータ

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Publication number
JPH1086882A
JPH1086882A JP8243175A JP24317596A JPH1086882A JP H1086882 A JPH1086882 A JP H1086882A JP 8243175 A JP8243175 A JP 8243175A JP 24317596 A JP24317596 A JP 24317596A JP H1086882 A JPH1086882 A JP H1086882A
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JP
Japan
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piston
hydraulic
hole
hydraulic chamber
cylinder
Prior art date
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Application number
JP8243175A
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English (en)
Inventor
Genichi Hatagoshi
弦一 波多腰
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルアクチュエータと車輪ブレーキとを
つなぐワイヤケーブルの伸びや弛みを自動的に吸収す
る。車輪ブレーキの制動間隙を許容量に自動調整する。 【解決手段】 第1シリンダ孔20に、第1シール材2
7を介して第1ピストン21を内挿する。第1ピストン
21と第1シリンダ孔20との間に第1液圧室30を設
ける。第1シリンダ孔20の一端側にストッパ手段25
を設け、他端側に、規制手段24と戻し手段32とを設
ける。液圧配管11と第1液圧室30とを第1液通孔1
8にて連通する。第1ピストン21に第2シリンダ孔2
2を設け、第2シール材28a,28bを介して第2ピ
ストン23を内挿する。第2ピストン23と第2シリン
ダ孔22との間に第2液圧室31を設ける。第1液圧室
30と第2液圧室31とを第2液通孔26にて連通す
る。第2ピストン23にワイヤケーブル12を連結す
る。第2シール材28a,28bの締代によって、第2
ピストン23の作動ストロークを許容し、液圧の供給解
除後に、第2ピストン23を第1ピストン21と一体に
後退させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車や三・
四輪バギー車,原動機付き自転車,自転車を始めとする
走行車両にあって、ブレーキレバーやブレーキペダル等
のブレーキ操作子によって発生した液圧マスタシリンダ
の液圧を、機械的牽引力に変換して機械式の車輪ブレー
キを作動する車両用ブレーキ装置のケーブルアクチュエ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】ケーブルアクチュエータを用いた車両用
ディスクブレーキ装置として、例えば実開平2−577
67号公報に示されるものがある。このディスクブレー
キ装置は、ブレーキレバーと一体の液圧マスタシリンダ
につながれる液圧配管と、車輪ブレーキにつながれるワ
イヤケーブルとの間にケーブルアクチュエータを介装
し、ブレーキレバーの握り操作によって、液圧マスタシ
リンダに発生した液圧をケーブルアクチュエータで機械
的牽引力に変換して、ワイヤケーブルを牽引することに
よって車輪ブレーキを作動するようにしており、車輪ブ
レーキに、コンパクトで安価な機械式のディスクブレー
キまたはドラムブレーキを適用することによって、小型
・軽量化と低コスト化とを図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような構成にあっ
ては、ワイヤケーブルに伸びや弛みを生じたり、制動作
用の繰り返しによって、車輪ブレーキのライニングが次
第に摩耗し、ディスクロータやブレーキドラムとライニ
ングとの制動間隙が所定量以上に拡がった場合に、アジ
ャストナット等の調整具をその都度マニュアル操作して
再設定しなければならない煩わしいものであった。
【0004】そこで本発明は、ケーブルアクチュエータ
と車輪ブレーキとをつなぐワイヤケーブルの伸びや弛み
を自動的に吸収し、また車輪ブレーキの制動間隙を許容
量に自動調整することのできる車両用ブレーキ装置のケ
ーブルアクチュエータを提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために、液圧マスタシリンダにつながれる液圧
配管と、機械式の車輪ブレーキにつながれるワイヤケー
ブルやロッド等の連繋手段との間にケーブルアクチュエ
ータを介装し、該ケーブルアクチュエータにて、前記液
圧マスタシリンダで発生した液圧を機械的牽引力に変換
して前記車輪ブレーキを作動する車両用ブレーキ装置に
おいて、前記ケーブルアクチュエータのシリンダボディ
に第1シリンダ孔を穿設し、該第1シリンダ孔に、第1
シール材を介して第1ピストンを液密且つ移動可能に内
挿し、前記第1シリンダ孔の一端側に、第1ピストンの
後退限を規制するストッパ手段を設け、前記第1シリン
ダ孔の他端側に、第1ピストンの作動ストロークを規制
する規制手段と、第1ピストンをストッパ手段方向へ弾
発して、該第1ピストンをストッパ手段に押圧する圧縮
ばね等の戻し手段とを設けると共に、第1ピストンと第
1シリンダ孔との間に第1液圧室を画成し、前記シリン
ダボディの側壁に第1液通孔を貫通形成して、前記液圧
配管と第1液圧室とを第1液通孔にて連通し、前記第1
ピストンの内部に第2シリンダ孔を穿設し、該第2シリ
ンダ孔に、第2シール材を介して第2ピストンを液密且
つ移動可能に内挿して、第2ピストンと第2シリンダ孔
との間に第2液圧室を画成し、前記第1ピストンの側壁
に第2液通孔を貫通形成して、前記第1液圧室と第2液
圧室とを第2液通孔にて連通し、前記第2ピストンの前
記ストッパ手段側に前記連繋手段を連結すると共に、前
記第2シール材の締代を、前記第2ピストンが、前記第
1液圧室と第2液通孔を通して第2液圧室へ供給される
液圧によって、前記連繋手段を第2液圧室と反対方向へ
牽引するストロークを許容し、また第2液圧室への液圧
の供給を解除した際には、第1シリンダ孔を第1液圧室
方向へ復帰する第1ピストンと一体に戻すよう設定した
ことを特徴としている。
【0006】上述のケーブルアクチュエータをリムブレ
ーキに適用する場合に、ケーブルアクチュエータは、一
対のキャリパアームのいずれか一方に取付けし、他方の
キャリパアームに前記連繋手段を連結することができ
る。
【0007】かかる構成により、運転者の制動操作によ
って、液圧マスタシリンダに発生した液圧は、液圧配管
を通してケーブルアクチュエータの第1液圧室と第2液
圧室の双方に供給され、第1ピストンが第1シリンダ孔
を規制手段方向へストロークし、第2ピストンが第2シ
リンダ孔を第1ピストンと同方向へストロークして、第
2ピストンにつながれた連繋手段を牽引し、車輪ブレー
キを制動操作する。
【0008】制動時の第1ピストンの作動ストローク
は、規制手段と当接するまでの間か、最大でも規制手段
と当接する長さに規制される。第2ピストンには、作動
スロークを規制する手段がなく、第1ピストンの作動ス
トロークに拘りなく連繋手段を牽引して、車輪ブレーキ
のライニングをディスクロータやブレーキドラムに摺接
させるまでが作動ストロークとなる。
【0009】上述の制動操作を解除すると、第1ピスト
ンが、戻し手段の付勢力によって、ストッパ手段と当接
する後退限位置へ復帰し、第2ピストンが、第1ピスト
ンとの間の第2シール材の締代によって第1ピストンと
一体に戻される。制動操作解除時の第1ピストンの戻り
ストロークは、作動ストロークと同一長であり、第2シ
ール材の締代によって第1ピストンと一体に戻される第
2ピストンの戻りストロークは、第1ピストンと同一長
となる。また、ワイヤケーブルに伸びや弛みを生じた
り、ディスクロータやブレーキドラムとライニングとの
間の制動間隙が所定量以上に拡がった場合に、第1ピス
トンは、少なくとも規制手段に当接して作動ストローク
を規制されるが、第2ピストンは、第1ピストンよりも
大きくアジャストして、ワイヤケーブルの伸びや弛みを
吸収し、或いは拡大した制動間隙を埋めて行く。
【0010】第1ピストンの作動ストロークを越えてア
ジャストした第2ピストンは、制動操作を解除した後
に、第2シール材の締代によって第1ピストンと一体に
後退方向へ戻され、作動開始前の後退位置から、第1ピ
ストンよりもアジャストした長さだけ離れた位置を後退
限として停止する。これにより、ワイヤケーブルの伸び
や弛みが吸収され、またディスクロータやブレーキドラ
ムとライニングとの間に、所定の制動間隙が自動的に再
設定されることとなる。
【0011】また、ケーブルアクチュエータを、リムブ
レーキのいずれか一方のキャリパアームに取付けし、他
方のキャリパアームに連繋手段を連結することにより、
ケーブルアクチュエータを、リムブレーキから離れた車
体等に取付けした場合に較べて、ケーブルアクチュエー
タと一方のキャリパアームとをつなぐロッド等の中継手
段が不要となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態例を図面に基
づいて説明する。図中、図1乃至図6は、本発明のケー
ブルアクチュエータを自転車用のリムブレーキに適用し
た第1形態例を、図7は本発明をバーハンドル車両のド
ラムブレーキに適用した第2形態例をそれぞれ示し、図
1はケーブルアクチュエータの非作動状態を示す断面
図、図2は自転車用ブレーキ装置の概略図、図3は図1
の断面斜視図、図4はケーブルアクチュエータの第1ピ
ストンが最大にストロークした状態を示す断面図、図5
はケーブルアクチュエータの第2ピストンが、第1ピス
トンよりもアジャストした状態を示す断面図、図6はケ
ーブルアクチュエータの第2ピストンがアジャストした
後に後退限へ復帰した状態を示す断面図、図7はバーハ
ンドル車両用ブレーキ装置の概略図である。
【0013】図1乃至図6に示す第1形態例の自転車用
ブレーキ装置1は、ハンドルバー2の右端近傍に固着さ
れる液圧マスタシリンダ3と、基端を液圧マスタシリン
ダ3に枢支してグリップ4の前方に配設されるブレーキ
レバー5と、車輪6の上部を跨いで配設されるリムブレ
ーキ7と、該リムブレーキ7の一方のキャリパアーム8
に固着されるケーブルアクチュエータ10と、該アクチ
ュエータ10及び前記液圧マスタシリンダ3とをつない
で配設される液圧配管11と、同じくアクチュエータ1
0及びリムブレーキ7の他方のキャリパアーム9とをつ
ないで配設されるワイヤケーブル12とを持っている。
【0014】リムブレーキ7のキャリパアーム8,9
は、図示しない車体に中間部を支軸13で枢支して、車
輪6の上方から両側部へアーチ型に回り込み、車輪6の
一側部やや上部位置に側端部8a,9aを突出させた形
状となっており、一方のキャリパアーム8の側端部8a
上部にはケーブルアクチュエータ10が固着され、他方
のキャリパアーム9の側端部9aにワイヤケーブル12
が連結されると共に、車輪6のリム6aの両側部に対向
する下端8b,9bの内側面に、ライニング14,14
が突設されている。
【0015】ケーブルアクチュエータ10は、液圧マス
タシリンダ3から供給される液圧を機械的作動力に変換
し、ワイヤケーブル12を牽引して、リムブレーキ7を
作動する作動力変換手段で、シリンダボディ15の両側
部に突出するガイド15c,15cをホルダ16にて保
持し、該ホルダ16を一方のキャリパアーム8の側端部
8aにねじ込んで、ロックナット17にて固定されてい
る。
【0016】シリンダボディ15は、上部底壁15dを
有する有底円筒状のボディ本体15aと、該ボディ本体
15aの下面開口部にねじ込まれるキャップ15bとか
らなっている。ボディ本体15aから突出する一方のガ
イド15cには、前記液圧配管11が連結され、該一方
のガイド15cに第1液通孔18が、またキャップ15
bの中心軸上に、大径孔19aと小径孔19bとからな
る段付き孔19が、それぞれ内外に貫通して設けられて
いる。
【0017】シリンダボディ15の内部には第1シリン
ダ孔20が形成され、該第1シリンダ孔20に第1ピス
トン21が液密且つ移動可能に内挿されており、第1ピ
ストン21に形成された第2シリンダ孔22には、第2
ピストン23が、同じく液密且つ移動可能に内挿されて
いる。第1シリンダ孔20の上部は小径に絞られてお
り、小径部との間の段部を本発明の規制手段24となす
と共に、下面開口部より第1シリンダ孔20にねじ込ま
れたキャップ15bの上端面を、本発明のストッパ手段
25となしている。
【0018】第1ピストン21は、大径円筒部21aと
中径円筒部21b及び小径円筒部21cとを連ねた段付
きのピストンで、その中心軸上には、大径孔22aと小
径孔22bとを連ねた上述の第2シリンダ孔22が貫通
形成され、また第1ピストン21の側壁には、第2液通
孔26が中径円筒部21bの外周面と大径孔22aとに
開口して設けられている。大径円筒部21aの外周面に
は第1シール材27が嵌着され、また大径孔22aと小
径孔22bには、第2シール材28a,28bが嵌着さ
れており、第1ピストン21は、大径円筒部21aと中
径円筒部21bとが第1シリンダ孔20に、また小径円
筒部21cが、段付き孔19の大径孔19aにシール材
29を介して、それぞれ液密に収容されると共に、第1
シリンダ孔20と中径円筒部21bとの間に第1液圧室
30が画成される。
【0019】第2ピストン23は、大径部23aと中径
部23b及び小径部23cとからなる段付きのピストン
で、大径部23aと中径部23bとが第2シリンダ孔2
2の大径孔22aに、また小径部23cが同じく第2シ
リンダ孔22の小径孔22bに、それぞれ液密に収容さ
れると共に、大径孔22aと中径部23bとの間に、第
2液圧室31が画成されている。
【0020】第1液圧室30は、第1液通孔18を通し
て液圧配管11と連通し、また第1液圧室30と第2液
圧室31とが第2液通孔26を通して連通しており、ブ
レーキレバー5の握り操作によって液圧マスタシリンダ
3で発生した液圧は、液圧配管11から第1液通孔18
を通して第1液圧室30に供給され、更に第1液圧室3
0から第2液通孔26を通して第2液圧室31に供給さ
れる。第2ピストン23の中心軸上には、ワイヤケーブ
ル12の一端が連結されており、該ワイヤケーブル12
は、キャップ15bの段付き孔19からホルダ16と一
方のキャリパアーム8の側端部8aを通して下方へ取り
回しされ、他端を他方のキャリパアーム9の側端部9a
に連結して、第2ピストン23の略延長上に弛みなく張
設されている。
【0021】第1ピストン21とボディ本体15aの上
部底壁15dとの間には、圧縮コイルばねを用いた戻し
手段32が縮設されており、第1ピストン21は、戻し
手段32の弾発力によって下方の第1ストッパ段部方向
へ付勢され、非作動時の後退限を中径円筒部21bとス
トッパ手段25との当接によって規制されると共に(図
1)、作動時のストロークを、規制手段24とストッパ
手段25との間に規制されている。
【0022】初期設定時の第2ピストン23は、第2シ
リンダ孔22の大径孔22a及び小径孔22bとの間の
ストッパ段部33と中径部23bとの当接によって後退
限を規制されるが(図1)、ボディ本体15aの上部底
壁15d方向については、作動ストロークを規制する手
段がなく、規制手段24との当接にて作動ストロークを
規制される第1ピストン21よりも、ボディ本体15a
の上部底壁15d方向へアジャストできるるようにして
いる。
【0023】第1ピストン21の第2シール材28a,
28bには、第2ピストン23の荷重を支える締代が設
定されており、第2ピストン23は、第1ピストン21
が、ボディ本体15aの上部底壁15d方向へ上昇した
際に、中径部23bとストッパ段部33との当接によっ
て第1ピストン21に押動され、ワイヤケーブル12を
牽引しながら、第1ピストン21と一体にボディ本体1
5aの上部底壁15d方向へ上昇し、また液圧マスタシ
リンダ3からの液圧の供給を解除した際には、第2シー
ル材28a,28bの締代によって、第1シリンダ孔2
0を下降する第1ピストン21と一体に後退限位置に戻
されるようになっている。
【0024】次に、このように構成された本形態例の作
動を説明する。図1及び図2に示すブレーキ装置1は、
ケーブルアクチュエータ10の第1,第2ピストン2
1,23が、それぞれ後退限に位置する非作動状態にあ
り、両ピストン21,23の前端面は面一となってお
り、また、リムブレーキ7のライニング14,14と車
輪6のリム6aの両側部との間には、所定の制動間隙C
が設定されている。
【0025】ブレーキレバー5の握り操作によって液圧
マスタシリンダ3で発生した液圧は、前述の如く、液圧
配管11からケーブルアクチュエータ10の第1液圧室
30に供給され、更に第1液圧室30から第2液通孔2
6を通して第2液圧室31に供給される。第1液圧室3
0に供給された液圧は、戻し手段32を圧縮しながら、
第1ピストン21を上方へ、またシリンダボディ15を
下方へと、これらを互いに外方向へ相対移動させ、第1
シリンダ孔20の第1ピストン21を、ボディ本体15
aの上部底壁15d方向へ移動し、更にストッパ段部3
3と中径部23bとの当接によって、第2ピストン23
が、ワイヤケーブル12を牽引しながら、第1ピストン
21と一体にボディ本体15aの上部底壁15d方向へ
上昇して行く。
【0026】第1及び第2ピストン21,23との相対
移動で下降するシリンダボディ15は、ホルダ16を介
して連結された一方のキャリパアーム8を、支軸13を
支点に図2の反時計方向へ回動し、側端部8aのライニ
ング14を車輪6のリム6aの一側部に摺接する。ま
た、第2ピストン23の上昇にて牽引されるワイヤケー
ブル12は、他方のキャリパアーム9を、支軸13を支
点に図2の時計方向へ回動し、側端部9aのライニング
14を車輪6のリム6aの他側部に摺接して、制動作用
が行なわれる。
【0027】また、ブレーキレバー5の握り操作を解除
すると、液圧マスタシリンダ3から第1,第2液圧室3
0,31への液圧の供給がカットされ、戻し手段32が
復元して、第1ピストン21が下方へ、シリンダボディ
15が上方へと互いに内方向へ相対移動し、更に第2ピ
ストン23が、第2シール材28a,28bの締代によ
って第1ピストン21と一体に下降し、それぞれが作動
前の後退限位置に復帰する。
【0028】作動時の第1ピストン21は、第1シリン
ダ孔20を規制手段24までの間で上昇するか、最大で
もストッパ手段25との当接によって作動ストロークを
規制され、更に第2ピストン23は、リムブレーキ7の
制動間隙Cが所定範囲にあり、ワイヤケーブル12に伸
びや弛みがない場合に、第1ピストン21と一体に昇降
する(図4参照)。
【0029】また、リムブレーキ7のライニング14,
14が摩耗して、制動間隙Cが所定範囲を越えて拡がっ
たり、ワイヤケーブル12に伸びや弛みを生じた場合に
は、第1ピストン21が、規制手段24との当接によっ
て作動ストロークを規制されたのちにも、第2ピストン
23が、第2液圧室31に供給される液圧によって、第
2シリンダ孔22を第2シール材28a,28bの締代
に抗しながら、通常の作動ストロークを越えて、第1ピ
ストン21よりも上方位置へアジャストして行き(図5
参照)、同時にシリンダボディ15も下方へ相対移動し
て行く。これにより、ワイヤケーブル12の伸びや弛み
が吸収され、双方のキャリパアーム8,9のライニング
14,14が、拡大した制動間隙Cを埋めながら、車輪
6のリム6aの両側部に摺接して、制動作用が行なわれ
る。
【0030】また、上述の制動操作を解除すると、第1
ピストン21とシリンダボディ15が互いに内方向へ相
対移動して、それぞれが作動前の後退限位置に復帰する
のに対し、第2ピストン23は、第1ピストン21より
も上方位置へアジャストしたままの状態で、第2シール
材28a,28bの締代によって第1ピストン21と一
体に下降し、その後退限をアジャスト分だけ第2シリン
ダ孔22の上部位置に変えて停止する。これにより、ワ
イヤケーブル12の伸びや弛みが吸収され、またキャリ
パアーム8,9のライニング14,14と車輪6のリム
6aの両側部との間に、所定の制動間隙Cが自動的に再
設定される。
【0031】以上のように、本形態例のブレーキ装置1
によれば、ケーブルアクチュエータ10が、ライニング
14,14と車輪6のリム6aとの間に、常時所定の制
動間隙Cを自動的に設定したり、ワイヤケーブル12の
伸びや弛みを吸収するので、ブレーキ装置1に設定され
た所定のブレーキ性能を安定して発揮できるばかりでな
く、作業者による煩わしいマニュアル調整を不要とする
ことができ、信頼性の向上とメンテナンス作業の著しい
簡素化が図れる。
【0032】更に、本形態例のケーブルアクチュエータ
10を、リムブレーキ7から離れた車体等に取付けした
場合には、シリンダボディ15とリムブレーキ7の一方
のキャリパアーム8との間にロッド等の中継手段が必要
で、動力の伝達ロスも懸念されるが、本形態例は、ケー
ブルアクチュエータ10を一方のキャリパアーム8に一
体に取付け、他方のキャリパアーム9にワイヤケーブル
12を連結したことによって中継手段が不要となるの
で、組付け作業性と経済性に優れ、また動力の伝達ロス
もなくなる。
【0033】図7は、第1形態例のケーブルアクチュエ
ータ10を、バーハンドル車両用のブレーキ装置40に
適用した第2形態例を示しており、本形態例を説明する
に当たり、第1形態例の図2乃至図6に示すケーブルア
クチュエータ10の構造を適宜参酌する。
【0034】ブレーキ装置40のケーブルアクチュエー
タ10は、ドラムブレーキ41のバックプレート42と
一体のガイドブラケット42aに、ホルダ16及びロッ
クナット17にて固着されており、ドラムブレーキ41
のブレーキアーム43の先端との間をワイヤケーブル4
4にて連結され、ハンドルバー2の液圧マスタシリンダ
3との間を液圧配管11にて連結されている。
【0035】ドラムブレーキ41は、バックプレート4
2内に対向する一対の弓形ブレーキシュー45,45
を、ケーブルアクチュエータ10に牽引されるワイヤケ
ーブル44にてアンカーピン46を支点に拡径し、外周
のライニング45a,45aを、矢印A方向へ車輪と一
体に回転するブレーキドラム(いずれも図示しない)の
内周面に摺接させて、制動作用を行なう内部拡開型の機
械式ドラムブレーキで、ドラムブレーキ41のバックプ
レート42は、フロントフォーク47の下端にフロント
アクスル48と同軸上に固設されている。
【0036】ブレーキシュー45,45の一端部は、二
面取りしたカム軸49を挟むようにして支承され、また
該シュー45,45の他端部は、上述のアンカーピン4
6を挟むようにして支承されている。カム軸49はバッ
クプレート42の背面に突出し、該カム軸49の外端
に、ブレーキアーム43の基端が固着されており、ブレ
ーキシュー45,45は、ワイヤケーブル44の牽引に
よって、ブレーキアーム43と一体に回動するカム軸4
9にて拡径される。
【0037】ブレーキシュー45,45の間には、一対
のシューリターンスプリング50,50が、ケーブルア
クチュエータ10内の第2シール材28a,28bの締
代よりも小さなセット荷重で張設されており、ブレーキ
シュー45,45は、制動時にシューリターンスプリン
グ50,50を引張しながら拡径し、また制動解除時に
は、シューリターンスプリング50,50の復元力によ
って縮径するようになっている。
【0038】制動解除時のブレーキシュー45,45
は、ライニング45a,45aとブレーキドラムとの制
動間隙が所定範囲の場合に、拡開側の一端部がカム軸4
9の面取り部分に全面当たりして後退限を規制される。
また、ライニング45a,45aとブレーキドラムとの
制動間隙が所定範囲よりも拡がったり、ワイヤケーブル
44に伸びや弛みを生じた場合には、第1形態例と同
様、制動時にケーブルアクチュエータ10の第2ピスト
ン23が、通常の作動ストロークを越えてアジャスト
し、また制動操作解除後に、第2ピストン23の後退位
置が、第1ピストン21との間の第2シール材28a,
28bの締代によって、ストッパ段部33からアジャス
ト分だけ離れた位置に規制される。これにより、ワイヤ
ケーブル44の伸びや弛みが吸収されるほか、ブレーキ
シュー45,45の縮径位置が拡径前よりも外側に規制
され、ライニング45a,45aとブレーキドラムとの
間に所定の制動間隙が自動的に再設定される。
【0039】尚、上述の形態例では、第1シリンダ孔に
ストッパ段部を設けて、第2ピストンの後退限とした
が、第2ピストンは第1ピストンとの間に、第2シール
材による締代を持つため、形態例のストッパ段部は省略
しても差支えない。この場合に、作動時の第2ピストン
は第2液圧室に供給される液圧によってストロークす
る。また、本発明の戻し手段として、形態例で示した圧
縮コイルばね以外の他のばね部材や、ゴム或いは弾性力
のある軟質の合成樹脂を用いることもできる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤケーブルやロッド等の連繋手段に伸びや弛みが生
じたり、車輪ブレーキの制動間隙が所定以上に拡がった
場合にも、第2ピストンの後退位置を、第1ピストンと
の間に設けた第2シール材の締代によって規制するの
で、ワイヤケーブルの不要な伸びや弛みが自動的に吸収
され、また所定の制動間隙を常時自動的に設定して、設
定されたブレーキ性能を安定して発揮できるばかりでな
く、作業者による煩わしいマニュアル調整を不要とする
ことができるので、信頼性の向上とメンテナンス作業の
著しい簡素化が図れる。
【0041】更に、このケーブルアクチュエータをリム
ブレーキに適用する場合には、ケーブルアクチュエータ
を、リムブレーキの一方のキャリパアームに一体に取付
け、他方のキャリパアームに連繋手段を連結することに
よって、ケーブルアクチュエータとリムブレーキの一方
のキャリパアームとの間に中継手段が不要となるので、
組付け作業性と経済性の向上が優れ、また動力の伝達ロ
スもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1形態例を示すケーブルアクチュエ
ータの非作動状態の断面図
【図2】本発明の第1形態例を示す自転車用ブレーキ装
置の概略図
【図3】本発明の第1形態例を示す図1の断面斜視図
【図4】本発明の第1形態例を示すケーブルアクチュエ
ータの第1ピストンが最大にストロークした状態の断面
【図5】本発明の第1形態例を示すケーブルアクチュエ
ータの第2ピストンが第1ピストンよりもアジャストし
た状態の断面図
【図6】本発明の第1形態例を示すケーブルアクチュエ
ータの第2ピストンがアジャスト後に後退限へ復帰した
状態の断面図
【図7】本発明の第2形態例を示すバーハンドル車両用
ブレーキ装置の概略図
【符号の説明】
1…自転車用ブレーキ装置 2…ハンドルバー 3…液圧マスタシリンダ 5…ブレーキレバー 6…車輪 7…リムブレーキ 8,9…キャリパアーム 10…ケーブルアクチュエータ 11…液圧配管 12…ワイヤケーブル(本発明の連繋手段) 13…支軸 14…ライニング 15…シリンダボディ 16…ホルダ 15a…ボディ本体 15b…キャップ 15d…上部底壁 18…第1液通孔 19…段付き孔 20…第1シリンダ孔 21…第1ピストン 21a…大径円筒部 21b…中径円筒部 21c…小径円筒部 22…第2シリンダ孔 22a…大径孔 22b…小径孔 23…第2ピストン 23a…大径部 23b…中径部 23c…小径部 24…規制手段 25…ストッパ手段 26…第2液通孔 27…第1シール材 28a,28b…第2シール材 30…第1液圧室 31…第2液圧室 32…戻し手段 33…ストッパ段部 40…バーハンドル車両用ブレーキ装置 41…ドラムブレーキ 42…バックプレート 43…ブレーキアーム 44…ワイヤケーブル 45…ブレーキシュー 45a…ライニング 46…アンカーピン 49…カム軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧マスタシリンダにつながれる液圧配
    管と、機械式の車輪ブレーキにつながれるワイヤケーブ
    ルやロッド等の連繋手段との間にケーブルアクチュエー
    タを介装し、該ケーブルアクチュエータにて、前記液圧
    マスタシリンダで発生した液圧を機械的牽引力に変換し
    て前記車輪ブレーキを作動する車両用ブレーキ装置にお
    いて、前記ケーブルアクチュエータのシリンダボディに
    第1シリンダ孔を穿設し、該第1シリンダ孔に、第1シ
    ール材を介して第1ピストンを液密且つ移動可能に内挿
    し、前記第1シリンダ孔の一端側に、第1ピストンの後
    退限を規制するストッパ手段を設け、前記第1シリンダ
    孔の他端側に、第1ピストンの作動ストロークを規制す
    る規制手段と、第1ピストンをストッパ手段方向へ弾発
    して、該第1ピストンをストッパ手段に押圧する圧縮ば
    ね等の戻し手段とを設けると共に、第1ピストンと第1
    シリンダ孔との間に第1液圧室を画成し、前記シリンダ
    ボディの側壁に第1液通孔を貫通形成して、前記液圧配
    管と第1液圧室とを第1液通孔にて連通し、前記第1ピ
    ストンの内部に第2シリンダ孔を穿設し、該第2シリン
    ダ孔に、第2シール材を介して第2ピストンを液密且つ
    移動可能に内挿して、第2ピストンと第2シリンダ孔と
    の間に第2液圧室を画成し、前記第1ピストンの側壁に
    第2液通孔を貫通形成して、前記第1液圧室と第2液圧
    室とを第2液通孔にて連通し、前記第2ピストンの前記
    ストッパ手段側に前記連繋手段を連結すると共に、前記
    第2シール材の締代を、前記第2ピストンが、前記第1
    液圧室と第2液通孔を通して第2液圧室へ供給される液
    圧によって、前記連繋手段を第2液圧室と反対方向へ牽
    引するストロークを許容し、また第2液圧室への液圧の
    供給を解除した際には、第1シリンダ孔を第1液圧室方
    向へ復帰する第1ピストンと一体に戻すよう設定したこ
    とを特徴とする車両用ブレーキ装置のケーブルアクチュ
    エータ。
  2. 【請求項2】 前記ケーブルアクチュエータを、車輪外
    周のリム両側面にライニングを摺接する一対のキャリパ
    アームのいずれか一方に取付けし、キャリパアームの他
    方に前記連繋手段を連結したことを特徴とする請求項1
    記載の車両用ブレーキ装置のケーブルアクチュエータ。
JP8243175A 1996-09-13 1996-09-13 車両用ブレーキ装置のケーブルアクチュエータ Pending JPH1086882A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999029846A1 (en) * 1997-12-06 1999-06-17 Lg Chemical Ltd. Transgenic mice expressing the h/k-ras 4b chimeric gene
JP2002187778A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Koei Chem Co Ltd 耐水蒸気性を有するボロシリケート成型体
JP2011178247A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Honda Motor Co Ltd スレーブシリンダ及びそれを備えた鞍乗型車両
CN102616328A (zh) * 2012-04-12 2012-08-01 黄石职业技术学院 一种手刹装置
GB2501540A (en) * 2012-04-27 2013-10-30 David William Liggins Rising, lowering or variable rate lever or piston

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