JPH1086598A - 転写箔 - Google Patents

転写箔

Info

Publication number
JPH1086598A
JPH1086598A JP26774496A JP26774496A JPH1086598A JP H1086598 A JPH1086598 A JP H1086598A JP 26774496 A JP26774496 A JP 26774496A JP 26774496 A JP26774496 A JP 26774496A JP H1086598 A JPH1086598 A JP H1086598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release layer
transfer foil
weight
parts
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26774496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4011653B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Suga
和宏 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP26774496A priority Critical patent/JP4011653B2/ja
Publication of JPH1086598A publication Critical patent/JPH1086598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4011653B2 publication Critical patent/JP4011653B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離層に電離放射線硬化性樹脂を使用して耐
摩耗性に優れた転写箔を作製する場合、電離放射線硬化
性モノマーは刺激性が強く、皮膚に浸透性があるため、
作業環境対策が必要である。また、紫外線照射装置や電
子線照射装置は高価なため、設備に多額の費用が必要と
なり、コスト負担が大きい。 【解決手段】 基材11の上に、離型層12、剥離層13、絵
柄層14、接着剤層15を順次積層した転写箔1 において、
該剥離層13を、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリ
オール、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された
平均粒径0.1 〜10μmの金属酸化物微粒子からなる樹脂
組成物を使用して形成し、耐摩耗性に優れた転写箔1 を
作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用部材等に使
用される転写箔に関し、特に、剥離層の樹脂組成物を改
良して耐摩耗性に優れた転写箔を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建材用部材等に耐摩耗性を賦与す
るために、転写箔を用いて転写後に、耐摩耗性の塗料を
塗布する方法が行われていた。また、剥離層に電離放射
線硬化性樹脂を用いて、転写箔製造時又は転写後に、電
離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させて
耐摩耗性の向上を図っていた。更に、剥離層の樹脂に耐
摩耗性充填材を添加して剥離層の耐摩耗性を向上させる
方法も採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 転写後に被転写体に塗装する方法は、塗装による工
程数が増加するばかりでなく、被転写体の表面に付着し
たゴミや異物の除去、又は油性物質の洗浄が必要であ
る。また、塗装がディップ方法やフローコーティングの
場合、気泡、液ダレ、液溜まりが生じないようにするた
めに、コーティング速度及び被転写体の形状に制約があ
る。更に、塗装装置を新たに設備する必要があると共
に、塗装に溶剤を使用するため、作業環境及び排出され
た溶剤の環境汚染の問題を解決する必要がある。
【0004】 剥離層に電離放射線硬化性樹脂を使用
する方法は、電離放射線硬化性モノマーが刺激性が強
く、皮膚に浸透性があるため、作業時に皮膚に接触しな
いように十分な注意が必要となる。また、紫外線硬化性
樹脂からなるインキを用いて塗膜を形成し、紫外線照射
により硬化する場合、絵柄が存在したり、塗膜が厚いと
きは、紫外線硬化性樹脂に紫外線が十分照射されずに、
硬化が不十分になる。また、基材フィルム側から照射す
る場合、照射量を増加するために、生産速度を下げる必
要がある。生産速度を上げるには、照射量の大きな高価
な設備が必要となる。更に、紫外線照射装置や電子線照
射装置が必要であり、これらの装置を設備するには、設
置場所も必要となり設備に多額の費用が必要となる。特
に、電子線照射装置は高価でありコスト負担が大きい。
【0005】 剥離層の樹脂に耐摩耗性充填材を添加
する方法は、充填材の添加により耐摩耗性は向上する
が、非架橋性樹脂は充填材の保持力が弱く、摩擦により
充填材が樹脂から脱落して表面の耐摩耗性が低下する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、転写箔を以下のような構成とした。離型性を有する
基材上に、剥離層、絵柄層、接着剤層を順次積層した転
写箔において、該剥離層が、官能基を有する変性アクリ
ル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、及びカップリン
グ処理された平均粒径が0.1〜10μmの金属酸化物
微粒子からなることを特徴とする転写箔とした。また、
前記剥離層における官能基を有する変性アクリル樹脂、
ポリオール、熱架橋性単量体の混合割合が、官能基を有
する変性アクリル樹脂100重量部に対して、ポリオー
ル10〜400重量部、熱架橋性単量体20〜80重量
部であることを特徴とする転写箔とした。更に、前記熱
架橋性単量体が、エポキシ化合物、シラン化合物、イソ
シアネート化合物からなることを特徴とする転写箔とし
た。そして、前記金属酸化物微粒子が、シリコン(S
i)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛
(Zn)、錫(Sn)、インジウム(In)の酸化物の
1種又は複数種の微粒子からなることを特徴とする転写
箔とした。
【0007】即ち、転写箔の剥離層として、官能基を有
する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、
及びカップリング処理された金属酸化物微粒子からなる
樹脂組成物を使用して、剥離層の耐摩耗性を向上させた
ものである。そして、該樹脂組成物を構成する官能基を
有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体
の混合割合を一定範囲に規制し、また、金属酸化物の微
粒子の大きさを平均粒径0.1〜10μmとすることに
より、剥離層の耐摩耗性をより向上させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照にしながら本発
明を詳細に説明する。図1は本発明の転写箔の一例を示
す模式断面図である。本発明は、図1に示すように、基
材11の上に、離型層12、剥離層13、絵柄層14、
接着剤層15を順次積層した転写箔1であって、該剥離
層13に、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオー
ル、熱架橋性単量体、及びカップリング処理された平均
粒径0.1〜10μmの金属酸化物微粒子からなる樹脂
組成物を使用したことに特徴がある。そして、該樹脂組
成物の構成を、官能基を有する変性アクリル樹脂100
重量部に対して、ポリオール10〜400重量部、熱架
橋性単量体20〜80重量部としたことに特徴がある。
また、熱架橋性単量体には、エポキシ化合物、シラン化
合物、イソシアネート化合物を用い、金属酸化物微粒子
には、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタ
ン(Ti)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、インジウム
(In)の酸化物の1種又は複数種の微粒子を使用した
ものである。
【0009】本発明に用いられる基材としては合成樹脂
フィルムが使用される。例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(以下PETとする)、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド等
のフィルムが挙げられる。成形性、耐熱性、印刷適性等
を考慮すると二軸延伸PETフィルムが最も好ましい。
基材の厚さは9〜200μmの範囲で使用されるが、1
6〜100μmが好ましい。16μm未満ではフィルム
の強度が不足する場合があり、100μm以上では、ロ
ール転写では熱伝達が悪くなり、転写不良の原因となる
ことがある。また、コスト高となる。
【0010】離型層は、使用される基材フィルムの離型
性に応じて形成される。即ち、基材フィルムの離型性が
悪い時には形成されるが、基材フィルム自体に離型性が
ある場合は省略される。離型層としては、メラミン、シ
リコーン、アミノアルキッド、ウレタン、尿素、エポキ
シ等の樹脂を用いて、基材フィルムにコーティングして
厚さ0,01〜5.0μmの範囲で形成される。また、
離型層の剥離強度を調整するために、コーティング樹脂
組成物にシリコーン、フッ素、ポリエステル、ポリエチ
レン等の樹脂を添加する場合もある。更に、転写後の表
面の艶を調整するために、シリカ等の公知のマット剤を
添加する場合もある。
【0011】本発明に使用される剥離層は、官能基を有
する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体、
及びカップリング処理された平均粒径0.1〜10μm
の金属酸化物微粒子からなる樹脂組成物を使用して形成
される。アクリル樹脂は官能基を変性することにより、
ポリオール及び熱架橋性単量体によって三次元に架橋さ
れ、耐摩耗性に優れた表面保護層を形成するようにな
る。剥離層は、グラビアコート、ロールコート、スクリ
ーン印刷等公知のコーティング方法により形成される。
【0012】アクリル樹脂の官能基としては、水酸基、
エステル基、アミノ基、エポキシ基、アリル基、ビニル
基、ハロゲン基、カルボキシル基、アミド基、メルカプ
ト基、イソシアネート基、ニトリル基、シラノール基等
が挙げられるが、反応性、汎用性、変性コスト等を考慮
すると、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシ
ル基等が好ましい。官能基が水酸基の場合、水酸基価が
3以上のものがよく、3未満の場合は、架橋密度が小さ
くなり、金属酸化物粒子の保持力が低下する。また、剥
離層には、転写後の表面滑性をよくするために、添加剤
として、ポリエチレンワックス、テフロンワックス、カ
ルナバワックス、パラフィンワックスを添加してもよ
い。
【0013】前記ポリオールとしては、アクリルポリオ
ール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ウレタンポリ
オール樹脂、セルロースのような繊維素系樹脂が使用さ
れる。変性アクリル樹脂に対するポリオールの混合割合
は、変性アクリル樹脂100重量部に対して、10〜4
00重量部の範囲で使用可能であるが、好ましくは20
〜300重量部がよい。ポリオールの添加量が20重量
部未満では、熱架橋単量体と架橋するOH基が不足し
て、架橋密度が少なくなり、表面の耐摩耗性が不十分と
なる。また、ポリオールの添加量が300重量部を超え
ると、熱架橋単量体との架橋が多くなり、延伸性に欠け
る。そのため、射出成形機により3次元成形品に対し
て、成形と同時に表面に絵柄層を転写する場合、コーナ
ー部にクラックが発生し易くなる。
【0014】また、種々の物性試験、例えば、70℃7
日間の耐熱性試験、80℃100時間の耐熱水試験、ヒ
ートサイクル試験(−30℃〜80℃における12サイ
クル試験)等において、表面層、絵柄層、接着剤層を形
成する樹脂の熱膨張係数の相違による熱応力のため、ク
ラックが発生する。この熱応力を緩和するために剥離層
の延伸性が必要である。
【0015】熱架橋単量体としては、イソシアネート
系、エポキシ系、シラン系の化合物から選定される。熱
架橋単量体の添加割合としては、変性アクリル樹脂10
0重量部に対して、20〜80重量部がよい。熱架橋単
量体の添加量が20重量部未満では、架橋密度が少なく
なり耐摩耗性が悪くなる。又、添加量が80重量部を超
えると、架橋密度が多くなり、延伸性が不足してクラッ
クが発生し易くなる。又、熱架橋単量体によるタック性
が残るため、次工程の印刷ができなくなる。
【0016】金属酸化物の微粒子としては、シリカ、ア
ルミナ、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウ
ム等の中から用途に応じて1種又は数種の微粒子が適宜
選択される。微粒子の粒径は0.1〜10μmが好まし
い。粒径が0.1μm未満では耐摩耗性の効果が発現さ
れない。粒径が10μmを超えると透明性が低下すると
共に、塗工適性も低下する。また、金属酸化物の微粒子
の添加量は、剥離層の樹脂成分100重量部に対して、
5〜80重量部がよい。5重量部未満では耐摩耗性が不
十分であり、80重量部を超えると塗膜が脆くなり、ク
ラックが発生し易くなるため伸びが低下する。アルミナ
や酸化チタン等は白色になり塗膜が不透明となる。
【0017】例えば、転写箔を屋外用途に使用する場合
は、紫外線吸収性能が必要となるため、紫外線吸収性能
に優れた酸化亜鉛の微粒子が好ましい。一般の成形品用
途の場合は、低価格のアルミナやシリカが多く使用され
る。また、帯電防止性能を必要とする場合は、酸化錫や
酸化インジウムが使用される。更に、金属酸化物の微粒
子は、バインダー樹脂の保持力の向上、インキ中での分
散性の向上、及び塗工被膜の透明性の向上のために、表
面処理が施される。
【0018】金属酸化物の微粒子の表面処理方法として
は、以下の方法が採られている。処理液に使用される化
合物は、分子中にラジカル重合性不飽和結合を有するア
ルコキシシラン(シランカップリング剤とも言われる)
として、例えば、γーメタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γーメタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γーメタクリロキシプロピルジメチルメト
キシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γーメタクリロキシプロピルジエトキシシラ
ン、γーメタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γーアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
ーアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γー
アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γーア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γーアクリロ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γーアクリロキ
シプロピルジメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0019】シリカ微粒子又はアルミナ微粒子を前記シ
ランカップリング剤で処理する方法には、特に、制限は
なく、公知の処理方法に従って行えばよい。例えば、次
のような乾式法と湿式法がある。乾式法としては、シリ
カ粉末又はアルミナ粉末を激しく攪拌しながら、所定の
シランカップリング剤を吹きつける方法がある。湿式法
としては、トルエン等の溶剤中にシリカ粉末又はアルミ
ナ粉末を分散させた後、所定量のシランカップリング剤
を加えて反応させる方法がある。表面処理を均一に行う
には湿式法が好ましい。
【0020】シリカ粉末又はアルミナ粉末に対するシラ
ンカップリング剤の処理量は、シリカ粉末又はアルミナ
粉末の比表面積100に対して、シランカップリング剤
の最小被覆面積が10〜100となる範囲が好ましい。
最小被覆面積が10以下の場合は、処理効果がなく、ま
た、100以上の場合は、性能面の不都合は生じない
が、100以上にしても特別の効果はなく、コスト高と
なり、経済的負担が大きくなる。上記表面処理は、シラ
ンカップリング剤について説明したが、他のカップリン
グ剤として、チタネート系カップリング剤やアルミネー
ト系カップリング剤を使用することもできる。
【0021】絵柄印刷は、既知の樹脂、顔料、染料、添
加剤等で作られたインキを使用して、用途に適合した印
刷方法によっ行われる。インキのバインダーとしては、
アクリル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テル、セルロース、ウレタン等の樹脂より1種又は2種
以上の樹脂が選定される。印刷方法は特に限定されず、
従来のグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセットグラ
ビア印刷方法等が使用できるが、木目柄の印刷にはグラ
ビア印刷方式が好適である。
【0022】木目柄と組み合わせて光輝性インキを用い
て、ベタ印刷により光輝性樹脂層を形成する場合も、公
知の樹脂、光輝性顔料、染料、添加剤等を添加して作っ
た光輝性インキが使用され、印刷方式も主にグラビア印
刷が使用される。光輝性顔料としては、アルミニウム
粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属箔片、金属蒸着合成
樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢を有する顔料、二酸
化チタン被覆雲母、魚鱗箔、三塩化ビスマス等の真珠光
沢や干渉光沢を有する顔料等が使用される。更に、着色
熱可塑性樹脂シートには上記絵柄印刷及び光輝性樹脂層
の他に、蒸着膜、帯電防止層、赤外線遮断層、隠蔽層等
を設けてもよい。
【0023】接着剤層としては、感熱接着剤が使用さ
れ、アクリル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピ
レン、塩素化ゴム等が使用される。感熱接着剤は被転写
体の材質や転写製品の用途等に応じて選定すればよい。
感熱接着剤の塗工方法としては、グラビアコーティン
グ、ロールコーティング等公知のコーティング方法が使
用できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて、更に本発明を詳細
に説明する。 (実施例1)図1に示すように、基材フィルム11とし
て厚さ38μmのポリエステルフィルム(ダイアホイル
ヘキスト(株)製)の上に、アクリルメラミン樹脂(大
日精化工業(株)製)を用いてグラビアコート法にて、
乾物として塗布量が0.5g/m2 になるように塗布
し、160℃、30秒間加熱処理して離型層12を形成
した。次に、離型層12の上に、下記組成の剥離層用イ
ンキ(A)(ザ・インクテック(株)製)を用いてグラ
ビアコートし、乾燥後の塗膜厚が2μmとなるようにし
て剥離層13を形成した。
【0025】 剥離層インキ(A)の組成 ・アミノ変性アクリル樹脂 40重量部 ・セルロース 10重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部 ・エポキシシラン系架橋剤 10重量部 ・表面処理アルミナ(平均粒径1μm) 6重量部 (γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランにて処理) ・メチルエチルケトン 100重量部 ・トルエン 100重量部
【0026】上記剥離層13の上に、アクリル、塩化ビ
ニルー酢酸ビニル共重合体をバインダーとしたグラビア
インキ((昭和インク工業所(株)「BCT」製)を用
いて、グラビア印刷して絵柄印刷14を形成した。更
に、絵柄層14の上に、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合
体系の接着剤(昭和インク工業所(株)製)を用いて、
グラビアコート法にて塗布し、乾物として塗布量1g/
2 の接着剤層15を形成して、図1に示すようにな転
写箔1を作製した。上記転写箔1を、40℃のオーブン
中に7日間放置して、熱養生により剥離層を硬化させて
本発明の転写箔1を得た。
【0027】(比較例1)実施例1と同様に、基材フィ
ルム11として厚さ38μmのポリエステルフィルムに
乾物として塗布量0.5g/m2 の離型層15を形成し
た。次に、離型層12の上に、下記組成の剥離層用イン
キ(B)(ザ・インクテック(株)製)で剥離層用イン
キ(A)とエポキシシラン系架橋剤の混合割合だけが異
なるもの)を用いてグラビアコートし、実施例1と同様
に、塗膜厚が2μmの剥離層13を形成した。更に、実
施例1と同様に、絵柄印刷14及び接着剤層15を形成
して、図1に示すような転写箔1を得た。
【0028】 剥離層インキ(B)の組成 ・アミノ変性アクリル樹脂 40重量部 ・セルロース 10重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部 ・エポキシシラン系架橋剤 45重量部 ・表面処理アルミナ(平均粒径1μm) 6重量部 (γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランにて処理) ・メチルエチルケトン 100重量部 ・トルエン 100重量部
【0029】(比較例2)実施例1と同様に、基材フィ
ルム11として厚さ38μmのポリエステルフィルムに
乾物として塗布量0.5g/m2 の離型層15を形成し
た。次に、離型層12の上に、下記組成の剥離層用イン
キ(C)(ザ・インクテック(株)製で剥離層用インキ
(A)とアルミナが添加されていない点で異なるもの)
を用いてグラビアコートし、実施例1と同様に、塗膜厚
が2μmの剥離層13を形成した。更に、実施例1と同
様に、絵柄印刷14及び接着剤層15を形成して、転写
箔1を作製した。
【0030】 剥離層インキ(C)の組成 ・アミノ変性アクリル樹脂 40重量部 ・セルロース 10重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部 ・エポキシシラン系架橋剤 10重量部 ・メチルエチルケトン 100重量部 ・トルエン 100重量部
【0031】実施例1及び比較例1、2で作製した転写
箔を用いて、射出成形機((株)松田製作所製)の金型
内に配置し、アクリル樹脂(住友化学工業(株)製)を
樹脂温度250℃にて射出成形し、成形品表面に転写層
を転写して絵付成形品を作製した。上記絵付成形品につ
いて、テーバー式摩耗試験及びスチールウール摩耗試験
を行って、表面の耐摩耗性を測定した。また、射出成形
品のコーナー部のクラックの発生具合を観察して転写箔
の成形性を判定した。結果は表1に示すとおりである。
【0032】 テーバー式摩耗試験:テーバー式摩耗
試験機を用いて、摩耗輪CS-104、荷重500gで100
回転後のヘイズを測定して、初期の値との変化量ΔHを
算出した。ヘイズは直読ヘイズメーター(東洋精機製作
所製)にて測定した。 スチールウール摩耗試験:スチールウール#000
0、荷重500gで100往復後の表面のグロスを測定
し、初期の値との変化量ΔGを算出した。グロスはグロ
スメーター(村上色彩研究所製「GM-3」)にて測定し
た。 成形性:転写層を転写した射出成形品のコーナー部
のクラックの発生具合を目視により観察して成形性を判
定した。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、実施例1で作製した転
写箔は、耐摩耗性に優れ、且つ成形性も良好であった。
従って、本発明によって、紫外線照射装置や電子線照射
装置等の高価な装置を使用することなく、耐摩耗性に優
れた転写箔が得られることが実証された。これに反し
て、比較例1で示されるように、剥離層の樹脂組成物に
金属酸化物の微粒子を添加しても、熱架橋単量体の混合
割合の多いものは、剥離層の被膜が硬過ぎて、成形品の
コーナー部にクラックが発生して良好な成形品を得るこ
とができなかった。また、比較例2で示されるように、
金属酸化物の微粒子を添加しないものは、成形性は良好
であるが、剥離層の耐摩耗性が悪く、転写箔としては問
題がのこるものであった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋
性単量体、及びカップリング処理された平均粒径が0.
1〜10μmの金属酸化物微粒子からなる組成物を用い
て剥離層を形成することにより、耐摩耗性に優れた転写
箔を得ることができた。また、本発明の転写箔は、高価
な紫外線照射装置や電子線照射装置を必要とせず、加熱
装置だけで生産できるので、安価に耐摩耗性に優れた転
写箔を得ることができる。更に、本発明では、耐摩耗性
に優れた転写箔を熱処理だけで生産できるので、紫外線
照射装置を使用して転写箔を生産する場合に比較して、
生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写箔の一例を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 転写箔 11 基材 12 離型層 13 剥離層 14 絵柄層 15 接着剤層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性を有する基材上に、剥離層、絵柄
    層、接着剤層を順次積層した転写箔において、該剥離層
    が、官能基を有する変性アクリル樹脂、ポリオール、熱
    架橋性単量体、及びカップリング処理された平均粒径が
    0.1〜10μmの金属酸化物微粒子からなることを特
    徴とする転写箔。
  2. 【請求項2】 前記剥離層における官能基を有する変性
    アクリル樹脂、ポリオール、熱架橋性単量体の混合割合
    が、官能基を有する変性アクリル樹脂100重量部に対
    して、ポリオール10〜400重量部、熱架橋性単量体
    2〜80重量部であることを特徴とする請求項1に記載
    の転写箔。
  3. 【請求項3】 前記熱架橋性単量体が、エポキシ化合
    物、シラン化合物、イソシアネート化合物からなること
    を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の転写箔。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化物微粒子が、シリコン(S
    i)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛
    (Zn)、錫(Sn)、インジウム(In)の酸化物の
    1種又は複数種の微粒子からなることを特徴とする請求
    項1、請求項2及び請求項3に記載の転写箔。
JP26774496A 1996-09-19 1996-09-19 転写箔 Expired - Fee Related JP4011653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26774496A JP4011653B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 転写箔

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26774496A JP4011653B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 転写箔

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1086598A true JPH1086598A (ja) 1998-04-07
JP4011653B2 JP4011653B2 (ja) 2007-11-21

Family

ID=17448978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26774496A Expired - Fee Related JP4011653B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 転写箔

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4011653B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013230575A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Toppan Printing Co Ltd 転写箔、加飾成形品製造方法および加飾成形品
JP2016172384A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 ゼネラル株式会社 転写テープおよび転写具
JP2017105108A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 フジコピアン株式会社 金属光沢熱転写記録媒体
KR20200021918A (ko) * 2017-06-26 2020-03-02 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 열 전사 시트

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013230575A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Toppan Printing Co Ltd 転写箔、加飾成形品製造方法および加飾成形品
JP2016172384A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 ゼネラル株式会社 転写テープおよび転写具
JP2017105108A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 フジコピアン株式会社 金属光沢熱転写記録媒体
KR20200021918A (ko) * 2017-06-26 2020-03-02 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 열 전사 시트

Also Published As

Publication number Publication date
JP4011653B2 (ja) 2007-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6349931B2 (ja) 転写フィルム
JP6163925B2 (ja) マット調転写フィルム、及びそれを用いた成形品
KR101833561B1 (ko) 투명성 방열 코팅 조성물
JP2020163760A (ja) 加飾シート及びこれを利用した樹脂成形品の製造方法
JPH11208193A (ja) 転写シート
US3283036A (en) Non-reflective coating composition containing finely divided polypropylene
JP5285996B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法
JP4011653B2 (ja) 転写箔
JPH07110531B2 (ja) スエード調成形用シートおよびその製造方法
JP2004277629A (ja) 耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法
JP3457666B2 (ja) 熱成形性導電性積層物及び方法
JPH11209650A (ja) 艶消しコーティング剤及びそれを硬化させた白板の筆記シート
JPH08216598A (ja) 転写シート
JP5659605B2 (ja) 化粧シート及びその化粧シートを用いた化粧鋼板
JP3844255B2 (ja) 車両用防曇性被覆合成樹脂製窓材
JP5659606B2 (ja) 化粧シート及びその化粧シートを用いた化粧鋼板
JP3090743B2 (ja) 転写材およびそれを用いた転写物
JP2015214031A (ja) 転写フィルムおよび装飾成形品
JP3885980B2 (ja) 転写シート
JP2003276105A (ja) 帯電防止塗料及び帯電防止成形体
JPH05311104A (ja) 転写層形成用インキ又は塗料組成物、転写シートの製造方法及び転写シート
JP3045565B2 (ja) 透明性及びスリップ性に優れたフィルム
JP2007505962A (ja) 効果顔料が添加された粉末状の被覆材料、その製造方法及びその使用
JPS6226333B2 (ja)
JP2014218018A (ja) 転写加飾シート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060906

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20061227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070525

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees