JPH1083005A - 光機能素子 - Google Patents

光機能素子

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JPH1083005A
JPH1083005A JP9149157A JP14915797A JPH1083005A JP H1083005 A JPH1083005 A JP H1083005A JP 9149157 A JP9149157 A JP 9149157A JP 14915797 A JP14915797 A JP 14915797A JP H1083005 A JPH1083005 A JP H1083005A
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diffraction grating
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顕司 都鳥
Shuji Hayase
修二 早瀬
Toshiro Hiraoka
俊郎 平岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな設置スペースで光信号を遅延させるこ
とができる光機能素子、および光信号の遅延や屈折率制
御を利用して各種光機能材料の機能を有効に発揮できる
光機能素子を提供する。 【解決手段】 互いに対向して配置され、表面にそれぞ
れ金属膜(22)が形成された、フォトニック・バンド
を形成する2個の回折格子(21)と、これらの回折格
子(21)の間に挟まれた光機能膜(23)とを有する
光機能素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光遅延素子、波長
変換素子、光スイッチ、光変調素子、光増幅器、光メモ
リ、分散補償器、ソリトン発生素子などとして用いるこ
とができる光機能素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信や光回路においては、種々の光機
能素子の改良が要望されている。例えば、光通信では通
信経路を設定するために光遅延素子を備えた光交換器が
必要となる。これは、光交換器では複数の光信号を同時
に処理することができないので、複数の光信号のうちい
くつかの光信号を遅延させることにより、光交換器に複
数の光信号を順次導入したり、光信号の順序を入れ換え
て処理するためである。従来、光遅延素子としては信号
線としての光ファイバーとは別に設けられた、所望の遅
延時間に見合う長さの光ファイバーが用いられ、光スイ
ッチによりこの光ファイバーへ遅延すべき光信号を導入
して取り出すようにしている。しかし、光遅延素子とし
て用いられる光ファイバーの長さは数十mとなり、これ
を設置するためには大きなスペースが必要になる。
【0003】二次の非線形光学効果を利用する波長変換
素子(第2高調波発生、SHG)では、波長変換効率の
面から基本波と第2高調波(SH波)との位相整合を実
現することが重要になる。しかし、物質の屈折率は光の
波長に依存するため、位相整合を実現することは困難で
ある。従来、位相整合を実現する方法としては、単結晶
の複屈折を利用する角度同調方式、チェレンコフ放射方
式、擬似位相整合方式などが知られている。変換効率を
考慮すれば、単結晶方式が有利である。しかし、大きな
結晶を製造することは困難である。また、バルクでは角
度同調が実現しているが、導波路では結晶方位を3次元
的に微調整できないため角度同調の実現は困難である。
チェレンコフ放射方式では、SH波との基本波の角度条
件が厳しく、実質的に低い変換効率しか得られない。擬
似位相整合方式では素子構造が複雑になるため製造が困
難である。また、疑似位相整合は、ずれた位相にオフセ
ットを加えたものであり、正確には位相整合していな
い。
【0004】これらの問題点があるため、波長変換素子
は光ディスクの光源など幅広い用途が期待されているに
もかかわらず、実用化は困難である。特に、有機非線形
光学材料は無機材料と比較して非線形感受率が非常に大
きい点で有利であるが、素子の製造プロセスなどに問題
があるため実用化には至っていない。また、高分子の二
次非線形材料や高分子中に有機非線形光学材料を分散さ
せた材料を用いる場合には、ポーリングによる配向処理
が必要となり、配向緩和に対する対策も必要となる。
【0005】光スイッチなど三次の非線形光学特性を利
用する素子では、位相緩和時間が長い方が非線形感受率
が上昇することが知られている。このため、非線形感受
率は、吸収の共鳴領域では大きく、非共鳴領域では小さ
くなる。しかし、共鳴領域ではシグナル光が吸収される
ため、スイッチされる光の強度が小さくなったり、吸収
により発生する熱によって材料破壊が起こる。この点
で、共鳴領域で動作する三次の非線形光学素子は実用上
望ましくない。そこで、非共鳴領域で動作する素子が望
まれているが、上述したように非線形感受率が小さいた
め実用化には至っていない。
【0006】光変調方法としては、ポッケルス効果など
を用いた電気光学変調(EO変調)、電場印加により吸
収を変化させて変調する吸収変調、半導体レーザーの注
入電流を制御する直接変調などが知られている。直接変
調は特別な変調器を必要とせず、総部品数が少なくてす
むが、高速変調が難しく、波長半値幅が広がるという欠
点がある。そこで、GaAlAs、LiNb3 などの材
料を用いた高速な外部変調器の研究開発が進められてい
るが、十分な性能は得られていない。このため、製作が
容易で、高速変調が可能であり、さらにオン−オフ比の
高い変調器が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小さ
な設置スペースで光信号を遅延させることができる光機
能素子、および光信号の遅延や屈折率制御を利用して各
種光機能材料の機能を有効に発揮できる光機能素子を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光機能素子は、
フォトニック・バンドを形成するように、屈折率の異な
る材料を周期的に配列した構造を有し、フォトニック・
バンド端に対応する光の波長が、透過させようとする光
の波長の近傍に設定されていることを特徴とするもので
ある。
【0009】本発明の他の光機能素子は、フォトニック
・バンドを形成する回折格子と、その表面に形成された
光機能膜とを有することを特徴とするものである。本発
明のさらに他の光機能素子は、フォトニック・バンドを
形成する回折格子と、その表面に順次形成された金属
膜、光機能膜、および金属膜とを有することを特徴とす
るものである。
【0010】本発明の光機能素子は、フォトニック・バ
ンドを形成する2個の回折格子の表面にそれぞれ金属膜
を形成してこれらを互いに対向させて配置し、これらの
間に光機能膜を挟んだ構造でもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。まず、フォトニック・バンドについて説明する。
ここで、フォトニック・バンドは半導体のバンドから類
推すると理解が容易になる。半導体結晶中では周期的に
並んだ原子により電子波がブラッグ反射される結果、エ
ネルギーEと波数kとの分散関係、すなわちバンドが生
成する。このバンドの生成は、電子波の波長と半導体結
晶の格子定数とが同程度であることが一因となってい
る。容易に類推できるように、このような現象は電子波
に限らずあらゆる波で起こり得る。フォトニック・バン
ドは、光の波長領域でのバンドをいう。
【0012】フォトニック・バンドは2種類以上の屈折
率の異なる物質を周期的に配列することによって形成さ
れ、フォトニック・バンドを形成する媒質をフォトニッ
ク結晶という。光は屈折率の周期性を有する媒質により
ブラッグ反射され、電子波と同じようにバンドを形成す
る。ある条件下では、半導体のエネルギーギャップのよ
うに、光が存在できない領域が観測される。これをフォ
トニック・バンドギャップという。フォトニック結晶で
は特有の透過スペクトル、吸収スペクトル、反射スペク
トルが観測される。これらのスペクトルは、フォトニッ
ク結晶の構成物質の配置や、構成物質の屈折率の変化に
伴い変化する。
【0013】本発明の光機能素子は、フォトニック・バ
ンドを形成するように、屈折率(または誘電率)の異な
る材料を周期的に配列した構造を有し、フォトニック・
バンド端に対応する光の波長を、透過させようとする光
の波長の近傍に設定したものである。
【0014】このような構造を有する光機能素子に照射
された光の波数kは、2つの材料の周期および屈折率に
依存する。これは、単純な一次元構造を考えた場合に
は、以下の式で表される。
【0015】
【数1】
【0016】ここで、n1 およびn2 はそれぞれ第1お
よび第2の材料の屈折率、aおよびbはそれぞれ第1お
よび第2の材料の厚み、dは周期でd=a+b、ωは角
振動数、cは真空中の光速度である(J.P.Dowl
ing and C.M.Bowden,J.Mod.
Opt.41(1994)345)。
【0017】上記の式に基づき、n1 =1、n2 =1.
7、a=b=2.35×10-7m、d=4.7×10-7
mのときに、振動数νと波数kとの関係を図1に示す。
また、群速度(パルス状の光の波束エネルギーが進む速
度)は、角振動数ω(k)の微分すなわちdω(k)/
dkであるので、波長と光の速度との関係は図2のよう
になる。図1および図2において曲線が存在しない領域
がフォトニック・バンドギャップであり、この波長域の
光は透過せずに反射される。
【0018】この現象を定性的に説明すると以下のよう
になる。真空中でのkとωとの関係は比例関係であるの
で、k空間(位相空間という)におけるk−ω関係は直
線になる。しかし、この空間に規則正しい屈折率の周期
性を与えると、k−ω関係はあるkの値で折り返されて
ジグザグ状になる。このとき、折り返し点(第一ブリリ
アン・ゾーン端)では、ωに対してkの値が存在しない
領域ができ、これがバンドギャップとなる。このため、
特に一次元の周期性を考えれば、kが0または最小とな
る点と最大となる点で、そのバンドの枝(ブランチ)内
での最小または最大のエネルギー値をとる。このバンド
端において一般に群速度の減少が見られる。
【0019】また、折り返されるまでのバンドの屈折率
の振動数依存性は通常の屈折率の振動数依存性と同様に
考えられる。しかし、折り返されたバンドの屈折率は光
の振動数の変化に対して0から1の間で変化する。すな
わち、バンドを制御できれば、屈折率を0から1の間で
制御できる。これはフォトニック・バンドに特有の屈折
率である。
【0020】なお、金属例えばアルミニウムを用いて光
機能素子を作製すると、アルミニウムは屈折率の分散を
示し、しかも屈折率に複素部を持っているため、複雑な
バンド構造を示す。アルミニウムと空気をa=2.35
×10-8m、b=4.465×10-7m、d=4.7×
10-7mとして周期的に配列した光機能素子について、
振動数νと波数kとの関係を図3に示す。図3に示され
るように、この場合には明確なバンドギャップは形成さ
れない。しかし、この場合でもkが最小となる点と最大
となる点で群速度の減少が見られる。
【0021】本発明は、上述したようにフォトニック・
バンド端の近傍で群速度dω(k)/dkが低下して0
に近づくことに着目してなされたものである。本発明の
光機能素子は、上記の現象を利用して、フォトニック・
バンド端に対応する光の波長を、透過させようとする光
の波長の近傍に設定することにより、光パルスの遅延効
果を示すものである。この素子は、光通信における光遅
延素子としてだけでなく、複数の光パルスの群速度を合
わせて光混合する場合などに用いることもできる。しか
も、光ファイバーからなる従来の光遅延素子と比較し
て、本発明の光機能素子を設置するスペースは小さくて
すむ。
【0022】屈折率(または誘電率)の異なる材料を周
期的に配列したフォトニック・バンド構造を形成するに
は、2種の材料を面心立方構造または体心立方構造に配
列することが考えられる。従来、フォトニック結晶の代
表例としては、ドリルで誘電体に規則的な孔を開けたマ
イクロ波領域のフォトニック結晶(E.Yablono
vitch,T.J.Gmitter and K.
M.Leung,Phys.Rev.Lett.,6
7,2295(1991))や、ガラスファイバーの束
を加工して作製された赤外領域のフォトニック結晶
(K.Inoue,M.Wada,K.Sakoda,
A.Yamanaka,M.Hayashi,and
J.W.Haus,Jpn.J.Appl.Phy
s.,33,L1463(1994))が知られてい
る。しかし、可視光の波長程度の周期で三次元的な配列
を実現することは困難である。したがって、フォトニッ
ク・バンド構造を形成するには、2種の材料を一次元的
に配列することが現実的である。
【0023】一次元的な配列でフォトニック・バンド構
造を形成し得るものとして、バンドパスフィルターに適
用される誘電体多層膜が考えられる。この誘電体多層膜
バンドパスフィルターは、反射防止膜および誘電体多層
膜ミラーを応用したものである。反射防止膜は基板から
反射する光に対してπだけ位相がずれた光を反射するこ
とにより基板からの反射光を打ち消すものである。誘電
体多層膜ミラーはその逆の原理を有するものである。誘
電体多層膜バンドパスフィルターはこれらの応用により
特定波長の光を反射するものである。しかし、波束の空
間領域内で屈折率の周期性がこわれれば、フォトニック
・バンドは形成されないので、最低でも100μm程度
の光路長が必要となる。また、波束の中で離れた部分で
あっても位相は一致していることが必要となる。これら
の点を考慮すると、誘電体多層膜でフォトニック・バン
ド構造を形成することは困難である。
【0024】本発明においては、例えばレジストを露光
・現像して所定幅を有するラインパターンを所定ピッチ
で形成することにより、屈折率の異なる材料(この例で
はレジストと空気)を周期的に配列した構造を有する光
機能素子を容易に製造することができる。特に、2方向
からレーザー光を照射し干渉光を利用してレジストを直
接的に露光する方法は、長周期性に優れたパターンを形
成することができる。この場合、レジストパターンをそ
のまま導波路として用いてもよいし、レジストパターン
の間隙に屈折率の異なる他の材料を埋め込んで導波路と
して用いてもよい。
【0025】本発明においては、発振波長248nmま
たは193nmのエキシマレーザー光をフェーズマスク
を通して光ファイバーのコアに照射して露光する方法に
より、光ファイバーのコア中に屈折率の異なる材料を周
期的に配列した構造を形成してもよい。この方法は、ゼ
ロ次光を抑えられる点で有効である(K.O.Hil
l,OPTRONICS,14(1995)135)。
【0026】本発明においては、媒質上にマスクを形成
した後、電場を印加してTi+ やK+ などをイオン注入
したり、溶液を接触させ電場を印加してイオンを注入す
ることにより、誘電率の異なる材料を周期的に配列した
構造を形成することもできる。
【0027】本発明においては、屈折率の異なる材料を
周期的に配列した構造を有する媒質として、後述するよ
うに、回折格子や、規則正しい相分離構造を持つブロッ
ク共重合体を用いてもよい。
【0028】本発明において、屈折率の異なる2種の材
料の周期(2種の材料1組の厚さ)は、10μm以下で
あることが好ましく、使用する光の波長を考慮して決定
することが好ましい。例えば、光通信の使用波長1.5
5μmを考慮すると、周期間隔はおおよそこの使用波長
の約半分に設定する。本発明において、フォトニック・
バンド端に対応する光の波長を、透過させようとする光
の波長の近傍に設定するということは、フォトニック・
バンド端の波長に対して少なくとも±15%以内の範囲
に透過させようとする光の波長が収まることを意味す
る。
【0029】本発明において、フォトニック・バンド構
造を形成する導波路型または光ファイバー型の光機能素
子中に複数の光信号が導入されている場合、任意の光信
号を取り出すには、光機能素子からしみだすエバネッセ
ント波を走査型近接場顕微鏡で取り出す方法を用いるこ
とができる。
【0030】本発明の光機能素子では、2種の材料の配
列の周期性を乱せば、フォトニック・バンドが成立しな
くなるので、光遅延はなくなる。このような手段とし
て、超音波発生器または温度調節器が挙げられる。超音
波発生器または温度調節器は2種の材料の格子点を移動
させるので、フォトニック・バンドを壊す手段として最
適である。超音波を用いる場合、遅延すべき光パルスの
空間的な領域内で超音波の波長が1つ以上、例えば数個
程度立つような振動数を選択すればよい。なお、2つの
超音波発振器または超音波共振器を用いて、超音波の定
常波を立たせると、これだけで一次元フォトニック・バ
ンド構造を形成できる。
【0031】本発明の光機能素子(光遅延素子)はメモ
リとしても応用できる。すなわち、光遅延素子に超音波
を照射した状態で光信号を注入した後、超音波の照射を
停止すれば、光信号はゆっくりと進行するので一時的な
メモリとなる。このとき、超音波停止時に光遅延素子を
透過しない波長域の光を超音波を照射しながら注入すれ
ば、超音波停止中に光信号は光遅延器の中で停止する。
この光信号を取り出すには、再び超音波を照射するか、
またはエバネッセント波を取り出す方法を用いることが
できる。
【0032】本発明の光遅延素子において分散効果によ
り振動数(波長)に広がりが生じる場合には、グレーテ
ィング対やプリズム対により分散を補正してもよいが、
分散を補正しあう2つの光遅延素子を組み合わせるのが
効果的である。
【0033】次に、本発明の他の光機能素子について説
明する。上述したようにフォトニック・バンド構造で
は、バンド端の近傍で透過光の群速度が遅くなる。した
がって、フォトニック・バンド構造と光機能材料とを組
み合わせることができれば、群速度が遅くなった光と光
機能材料の電子との相互作用が強くなるので、光機能材
料の機能を発揮させるのに有利になる。しかし、従来知
られている誘電体多層膜のようなフォトニック・バンド
構造では、光機能材料と組み合わせて素子を構成するこ
とが困難である。これに対して、本発明ではフォトニッ
ク・バンドを形成でき、かつ光機能材料を保持できる空
間を有する回折格子を用いることにより、光機能材料の
機能を有効に発揮しうる光機能素子を提供する。
【0034】本発明において、光機能材料としては、二
次または三次の非線形光学材料、発光材料、光増幅材
料、電気光学材料など種々の機能を有する材料を用いる
ことができる。これらの光機能材料はポリマーに分散さ
せて用いてもよい。
【0035】回折格子を用いれば、1mm当りの格子溝
の本数を制御することにより、フォトニック・バンド構
造を容易に制御できる。本発明で用いられる回折格子と
しては、光の干渉を用いて作製された溝間隔が正確なホ
ログラフィック回折格子が挙げられる。ホログラフィッ
ク回折格子は基板上にレジストを塗布し、レーザー光を
2光束に分けて2方向からレジストに照射して干渉縞を
露光した後、現像することにより形成され、干渉縞の強
度分布に応じた正弦波状断面の格子溝を有する。
【0036】本発明の光機能素子において、周期の間隔
すなわち格子の間隔は10μm以下であれば十分である
ので、回折格子の1mm当りの格子溝の本数は100本
以上であれば十分である。ここで、格子間隔は用いよう
とする光の波長の半分程度であることが好ましい。例え
ば、1mm当り3600本の格子溝を有するホログラフ
ィック回折格子が市販されており、これを用いれば格子
間隔の2倍が約556nmとなるので、可視領域のフォ
トニック・バンドを形成することができる。なお、バン
ド端は、エネルギーの最も低い(すなわち波長の最も長
い)ものを用いる必要はなく、エネルギーの高いもので
もよい。この場合には、1mm当りの格子溝の本数は少
なくてもよい。
【0037】本発明においては、回折格子と光機能材料
とを適宜配置することにより種々の構造の光機能素子を
作製できる。例えば、単に回折格子表面に光機能材料を
スピンコーティングして、格子溝に沿うように光機能膜
を形成してもよい。回折格子の表面に金属膜を蒸着し、
その上に光機能膜をスピンコートし、さらにその上に金
属膜を蒸着してもよい。2個の回折格子の表面にそれぞ
れ金属膜を形成してこれらを互いに対向させて配置し、
これらの間に光機能膜を挟むようにしてもよい。また、
表面に金属膜を形成した1個の回折格子と平坦な金属体
とを互いに対向させて配置し、回折格子と平坦な金属体
との間に光機能膜を挟むようにしてもよい。これらのい
ずれの構造でもフォトニック・バンドを形成でき、しか
も光機能材料を容易に配置することができる。特に金属
膜を形成した素子では、回折効率が良好であり、フォト
ニック・バンドを容易に形成できる。
【0038】本発明において、2個の回折格子を互いに
対向させた素子では、山と山との相対的な位置関係は特
に限定されない。この素子は、偏光異方性を示す。この
ような素子では、一方の回折格子と他方の回折格子と
で、金属膜を変化させたり、材質を変えて屈折率を変化
させることにより、フォトニック・バンド構造を変化さ
せることもできる。
【0039】なお、2個の回折格子を互いに対向させた
素子では、回折格子間の距離は光路長(素子の長さ)の
1/50以内、具体的には5mm以内とすることが好ま
しい。このように2個の回折格子を互いに対向させたも
のを光遅延素子として考えた場合、2個の回折格子間の
距離を変えることにより、光遅延のオン・オフを制御で
きる。すなわち、素子中に導入した光信号を遅延時間だ
け保持することができ、オン・オフ可能な光メモリとな
る。また、回折格子の格子密度を制御して光の群速度の
波長分散性もある程度制御できる。例えば、短波長の光
より長波長の光の速度を遅くして異常分散を実現でき
る。
【0040】次いで、回折格子と各種の光機能材料とを
用いた光機能素子について個別的に説明する。本発明に
おいて、二次の非線形光学材料を用いれば波長変換素子
を作製できる。この波長変換素子を構成する非線形光学
材料中での光の進行速度が遅くなるということは、位相
緩和時間が長くなるのと等価である。このため、非共鳴
領域であっても、一つの励起双極子モーメントが振動す
る時間は長くなる。したがって、二次の非線形感受率も
大きくなり、波長変換効率も大きくなる。しかも非共鳴
領域では吸収がないので素子材料として都合がよい。ま
た、二次非線形光学材料本来の特性を変えることなく、
屈折率を制御できるため、基本波と第二高調波の光速度
を合わせて位相整合させることができる。特に非線形光
学材料の薄膜の両側に金属膜を設けた構造の波長変換素
子では、金属膜を電極として用いて電場を印加すること
ができ、ポーリングを容易に実施できる。ポーリングに
よりポリマー中の有機分子の永久双極子モーメントを電
場の方向に配向させた後に電場を印加し続ければ、配向
を保持でき、配向緩和を防止できる。
【0041】上記のような構造を有する波長変換素子に
おいて位相整合が実現できることを示す計算例を説明す
る。具体的には、1mm当り1800本の格子溝を有す
るホログラフィック回折格子と、屈折率が約1.8の二
次非線形光学材料とを用いた波長変換素子における屈折
率の波長依存性の計算結果を図4に示す。ここでは、電
場ベクトルの方向が格子溝に垂直な偏光を用いている。
図中の破線は、横軸の数値の2倍の波長を有する光に対
する屈折率を示す。この図において、実線と破線とが交
わった点で位相速度が一致し、位相整合が実現できる。
【0042】さらに、2つの回折格子と三次非線形光学
材料とを用いた光機能素子において異常分散を実現すれ
ば、ソリトン発生素子として使用することもできる。本
発明において、三次の非線形光学を利用すれば光スイッ
チを作製できる。この場合も、光信号の進行速度が遅く
なることは、位相緩和時間が長くなるのと等価であり、
非線形感受率は大きくなる。一般に共鳴領域のように位
相緩和時間が長く非線形感受率が大きい場合、スイッチ
ング速度および反応速度が遅くなる。これに対して本発
明の光スイッチでは、光信号が出射されると光の速度は
速くなるので、非線形感受率が大きくなっても、信号処
理のビット・レートは低くならないという大きな利点も
ある。
【0043】本発明において、フォトニック・バンドギ
ャップを示し、光機能材料として発光材料を用いた光機
能素子では、発光材料の発光波長帯が幅広い場合でも、
波長選択的に発光を制御できる。このため、単なるバン
ドパスフィルターではなく、特定の波長にエネルギーを
集中できる発光素子を形成できる。
【0044】本発明において、ポッケルス効果(1次電
気光学効果)やカー効果(2次電気光学効果)を持つ材
料や、液晶などの配向が変わる材料を用いれば、光変調
素子を作製できる。この場合、回折効率を上げるために
回折格子の表面にコートされている金属膜を電極として
用いる。金属膜によりポッケルス効果やカー効果を有す
る材料に電場を印加し、屈折率を変化させ、フォトニッ
ク・バンドを変化させることができる。そして、電場を
制御して、透過させる光の波長がフォトニック・バンド
ギャップの範囲内および範囲外になるようにすることに
より変調する。すなわち、透過させる光の波長がフォト
ニック・バンドギャップの範囲内であれば光は素子内に
進入できず、範囲外であれば光は素子内へ進入可能とな
る。また、素子内に光が進入した後に、フォトニック・
バンドギャップが形成されれば、光は素子内に停止す
る。
【0045】図5に、ポッケルス効果を示す材料を用い
た光変調素子において、屈折率を1.6から1.7へ
0.1だけ変化させたときの透過率の変化を示す。この
図から、例えば波長約625nmの光をオン・オフでき
ることがわかる。この変調方法では、透過光の偏光方向
が決まってさえいれば、一般のEO変調器のように2枚
の偏光板を必要とすることもない。
【0046】フォトニック・バンド素子を用いて群速度
を遅くし、その状態で光変調した場合には、これらの素
子を出た変調光は、元の光速に戻るので変調速度がより
高速になる。すなわち、変調する材料の性能以上の高速
で光変調することができる。この手法は、従来の変調素
子への適用も可能である。
【0047】また、カー効果を示す材料を用いた光変調
素子では、電場の代わりに、光照射のオン・オフでフォ
トニック・バンドを制御することもできる。このような
素子では、回折格子の表面に金属膜をコーティングする
必要もない。
【0048】本発明において、光機能材料として光増幅
材料などその他の材料を適用した場合でも、光の速度が
遅くなる結果、光と電子との相互作用が強くなるので、
効率のよい光増幅器などの光機能素子を形成できる。
【0049】本発明の光機能素子は、光通信における光
ファイバーのシグナルパルスの変形を補正する素子、い
わゆる分散補償器にも適用可能である。また、本発明の
光機能素子は負の群速度分散を達成できるため、非線形
光学材料を併用することによりソリトン発生素子として
も使用できる。
【0050】本発明の光機能素子は光導波路の一種であ
り、使用する光の導波モードがシングルモードになるよ
うに2個の回折格子間の距離を規定すれば、機能をより
高めることができる。また、本発明の光機能素子におい
て光の導波方向に平行な2面を誘電体多層膜や金属膜で
覆い、光散乱などによる導波方向以外への導波光の放出
を防ぐことも機能を高めるのに有効であり、光ファイバ
ーなどとの結合にも有利になる。
【0051】本発明においては、屈折率の異なる材料を
周期的に配列した構造を有する媒質として、規則正しい
相分離構造を持つブロック共重合体を用いることもでき
る。ある種のブロック共重合体は、規則正しい相分離構
造を形成し、しかもそれが規則正しく配列することが知
られている(E.L.Thomas,D.B.Alwa
rd,D.J.Kinning,and D.C.Ma
rtin,Macromolecules 19,21
97(1986);H.Hasegawa,H.Tan
aka,K.Yamasaki,and T.Hash
imoto,Macromolecules 20,1
651(1987))。これらの共重合体をトルエンな
どの溶媒に溶解し、キャスト法やスピンコート法により
薄膜を形成すると、自己形成力によりミクロ相分離構造
を示す。ミクロ相分離構造は、海島構造、ラメラ構造、
シリンダー構造、バイコンティニュアス構造などと呼ば
れている。このようなブロック共重合体の薄膜において
は、屈折率が異なる二種の相が規則的に配列しているの
で、フォトニック結晶となり得る。このようなフォトニ
ック結晶は作製が容易で製造コストを低減できる。
【0052】ブロック共重合体を用いたフォトニック結
晶では、2種の高分子の側鎖を変化させることにより屈
折率を制御することができる。また、オスミウム錯体な
どの錯体を一方の高分子鎖に選択的に染み込ませて屈折
率を制御することもできる。共重合体を形成する高分子
として感光性のものを用いれば、フォトニック結晶を形
成した後に、導波路を形成することもできる。導波路が
形成できれば、光通信分野における分散補償器として使
用できる。
【0053】上記のようなブロック共重合体を用いたフ
ォトニック結晶中に、不純物として屈折率の周期的な変
化を乱す物質を混入すると、フォトニック・バンドギャ
ップ中に特定の波長域の光が透過する領域を形成するこ
とができる。このような領域は、半導体における不純物
準位に相当するものである。この場合、ブロック共重合
体の側鎖にレーザー色素を導入するか、一方の高分子鎖
と特異的に親和性の高いレーザー色素を混合し、レーザ
ー色素の発振波長域を不純物準位に合わせれば、フォト
ニック結晶レーザーを作製することができる。このよう
なフォトニック結晶レーザーは、不純物準位以外のバン
ドギャップの波長域の光を発することができないので、
発振損失が少なくなる。逆に、ブロック共重合体を用い
たフォトニック結晶を3次元共振器として用いることも
できる。
【0054】ブロック共重合体の側鎖に非線形光学材料
を導入したり、非線形光学効果を持つポリマーを用いて
もよい。この場合、不純物により光の振動子強度が増強
したり、群速度が遅くなる条件では、非線形効果を増強
することができる。また、位相速度を制御することによ
り、第二高調波発生における位相整合を実現できる。三
次の非線形光学特性を示す材料を用いた素子は、光スイ
ッチとして応用できる。
【0055】本発明の光機能素子は、今後発展が期待さ
れる光回路や光システムにおいて様々な用途に適用で
き、電子回路や電子システムにおける抵抗素子やコンデ
ンサー素子に相当する基本的な素子となり得る。
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 実施例1 本実施例ではレジストを電子線で露光して現像すること
により、図6に示す光機能素子を作製した。厚さ100
μmのガラス基板1上にレジスト2(シップレー社製、
商品名SAL601)を厚さ約1.5μmになるように
スピンコートした。ガラス基板1上のレジスト2を幅
0.25μmのパターンが0.25μm間隔で形成され
るように電子線露光した後、現像した。このレジスト2
をさらにパターニングして、レジストの縦方向の長さを
300μmとし、レジストの幅方向に沿う長さが7cm
の導波路型光機能素子を形成した。図6に示すように、
この導波路型光機能素子は、厚み0.25μmのレジス
ト2および厚み0.25μmの空気をd=0.5μmの
周期で配列した構造を有する。
【0057】プリズム(図示せず)を通して、この導波
路型光機能素子の一端から100フェムト秒のパルス幅
でTi:サファイヤレーザー光を入射し、他端で透過光
を測定した(図においては入射光および透過光をそれぞ
れ矢印で示す)。このとき入射光の波長を変えて透過光
を測定したところ、振動数370THz(波長810n
m)より高エネルギー(短波長)側で透過光が観測され
ない波長領域が存在することが判明した。また、振動数
333THz(波長900nm)の光の透過時間は35
0psec(350×10-12 sec)、振動数36
9.5THz(波長812nm)の光の透過時間は2.
3nsec(2.3×10-9sec)であった。このよ
うに、波長812nmの光では遅延が生じていることが
確認された。
【0058】実施例2 本実施例では図7に示す光機能素子を作製した。まず実
施例1と同様にして、光路長7cmの導波路を形成した
後、スパッタ法により厚さ約1nmの金および厚さ約1
0nmのSiO2 をレジスト2間の溝部に交互に堆積し
て埋め込んだ。図7に示すように、この導波路型光機能
素子は、厚み0.25μmのレジスト2および厚み0.
25μmの金・ガラス多層膜3をd=0.5μmの周期
で配列した構造を有する。
【0059】実施例1と同様に、プリズム(図示せず)
を通して、この導波路型光機能素子の一端から100フ
ェムト秒のパルス幅でTi:サファイヤレーザー光を入
射し、他端で透過光を測定した。この場合、1.04μ
mより長波長側で透過光が観測されない波長領域が存在
することが判明した。また、波長1.03μmの光の透
過時間は5.2nsec(5.2×10-9sec)、波
長0.98μmの光の透過時間は370psec(37
0×10-12 sec)であった。このように、波長1.
03μmの光では遅延が生じていることが確認された。
【0060】実施例3 本実施例では図8に示す光機能素子を作製した。図8に
示すように、8μm径のコア11と200μm径のクラ
ッド12とを有する長さ2mのシングルモードファイバ
ーを用意した。このファイバーに波長1534nmの光
を導入したところ、透過時間は10nsecであった。
【0061】次に、フェーズマスク・フォトリソグラフ
ィー法によって、繰り返し50パルス/sec、パワー
300mJ/cm2 /パルス、波長248nmのエキシ
マレーザー光を400分照射し、干渉光によりこのファ
イバーのコア11の長さ5mmの部分を露光し、5mm
の間で屈折率の異なる2つの材料が周期的に配列した構
造を形成した。このような構造を1mmの間隔をあけて
形成し、長さ2mのファイバー中に約330個の光機能
性素子を作製した。このファイバーに波長1534nm
の光を導入したところ、透過時間は220nsecとな
り、遅延が生じていることが確認された。
【0062】実施例4 本実施例では図9に示す光機能素子を作製した。1mm
当り1250本の格子溝を有するホログラフィック回折
格子21を用意した。このホログラフィック回折格子2
1上に銀22を200nmの厚さに蒸着した。この上
に、非線形光学材料である2−メチル−4−ニトロアニ
リン(MNA)およびポリメチルメタクリレート(PM
MA)のTHF溶液をスピンコートした後、溶媒を蒸発
して厚さ4μmの光機能膜(MNAドープPMMA膜)
23を形成した。この光機能膜23の屈折率は不明であ
る。この光機能膜23上に銀24を200nmの厚さに
蒸着した。次に、120℃において、2層の銀22、2
4を電極として光機能膜23に0.3MV/cmの電場
を30分間にわたって印加してポーリングを行った後、
室温に戻した。この後、配向緩和を防ぐために、光機能
膜23に50kV/cmの電場を印加しつづけた。
【0063】この光機能素子の光機能膜23の一端か
ら、電場ベクトルの方向が格子溝に垂直な偏光を導入
し、他端から出射する第二高調波の強度を測定した。こ
のとき入射光の波長を0.9〜1.1μmの範囲で変化
させた。図10に、入射光の波長と第二高調波の強度と
の関係を示す。図10から、入射光(基本波) の波長が
1μmのときに位相整合していることがわかる。
【0064】実施例5 本実施例では図11に示す光機能素子を作製した。1m
m当り1800本の格子溝を有し、表面にアルミニウム
22を蒸着したホログラフィック回折格子21を2個用
意した。また、2−メチル−4−ニトロアニリン(MN
A)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)を重
量比で1:0.55となるようにTHFに溶解した溶液
を調製した。一方のホログラフィック回折格子上に、溶
液をスピンコートした後、溶媒を蒸発して厚さ5μmの
光機能膜(MNAドープPMMA膜)23を形成した。
この光機能膜23の上に、他方のホログラフィック回折
格子21を対向させて設けた。次に、80℃において、
2層のアルミニウム22を電極として用い、電源25か
ら30Vの直流電圧を光機能膜23に30時間にわたっ
て印加してポーリングを行った後、室温に戻した。
【0065】この素子におけるMNA/PMMAの屈折
率は不明である。波長可変のレーザーを用い、800n
m〜2μmの波長範囲のレーザー光を基本波として、こ
の光機能素子の光機能膜23の一端から入射した。この
入射レーザー光は、電場ベクトルの方向が格子溝に垂直
な偏光である。こうして光機能膜23の他端から出射す
る第二高調波の強度を測定した。図12に、第二高調波
の波長と強度との関係を示す。図12から、波長980
nmでSHG強度が高くなっており、基本波(波長1.
96μm)と位相整合していることがわかる。
【0066】実施例6 本実施例では図13に示す光機能素子を作製した。銀コ
ーティング(図示せず)を施した、格子溝の本数360
0本/mmのホログラフィック回折格子を2個用意し
た。一方のホログラフィック回折格子31の上に、ロー
ダミン110およびPMMAのTHF溶液をスピンコー
トした後、溶媒を蒸発させて厚さ3μmの光機能膜33
を形成した。この上に他方のホログラフィック回折格子
31を設けて2個の回折格子31、31で光機能膜33
を挟んだ。この光機能膜33の上方にシリンドリカルレ
ンズ34を設けた。
【0067】また、比較のために、回折格子の代わりに
平坦な石英ガラス基板を用いて上記と同様な構造の素子
を作製した。CWアルゴンイオンレーザー(図示せず)
からシリンドリカルレンズ34を通して波長514.5
nmのレーザー光をパワー1Wで格子溝に沿う方向に導
入した。この状態で、モードロックYAGレーザーの第
二高調波で励起した色素レーザーから波長580nmの
パルスレーザー光(時間幅約1psec)を繰返し82
MHz、ピークパワー約100Wで格子溝に直交するよ
うに光機能膜33の一端から導入し、光機能膜33の他
端からの出射光を測定した。このとき、出射光のピーク
パワーは30kWであり、光機能素子による増幅効果が
確認された。
【0068】一方、平坦な石英ガラス基板を用いた素子
では、出射光のピークパワーは700Wであり、増幅効
果は小さかった。 実施例7 実施例6と同様な方法により、銀コーティングを施した
格子溝の本数3600本/mmの2個のホログラフィッ
ク回折格子の間に厚さ2μmのポリジヘキシルシランか
らなる光機能膜を挟んだ光機能素子を作製した。この光
機能素子は、ポリジヘキシルシランの三次非線形光学効
果を利用する光スイッチの原型である。
【0069】また、比較のために、回折格子の代わりに
平坦な石英ガラス基板を用いて上記と同様な構造の素子
を作製した。上記の2つの素子について、縮退四光波混
合法に基づいて波長565nm、パワー密度2×106
W/cm2 、幅約100フェムト秒の3本のレーザー光
を用い、シグナル光を光機能膜に入射し光機能膜から出
射するシグナル光のパワーの比を測定した。この結果、
シグナル光パワーは、回折格子を用いた素子では、平坦
な石英ガラス基板を用いた素子の約1600倍であっ
た。これを三次の非線形感受率に換算すると、回折格子
を用いた素子では、平坦な石英ガラス基板を用いた素子
の約40倍であることに相当する。
【0070】実施例8 格子溝の本数3600本/mmのホログラフィック回折
格子の上に銀コーティングを施し、さらに厚さ3μmの
PMMA膜を形成した。
【0071】また、比較のために石英ガラス基板上に銀
コーティングを施し、さらに厚さ3μmのPMMA膜を
形成した。上記の2つの素子について、モードロックY
AGレーザーの第二高調波で励起した色素レーザーか
ら、580nmのレーザー光を格子溝に直交するように
PMMA膜へ入射し、透過光を測定した。この結果、同
一の光路長で比較した透過時間は、回折格子を用いた素
子では、平坦な石英ガラス基板を用いた素子の約10倍
であった。
【0072】実施例9 格子溝の本数2900本/mmのホログラフィック回折
格子の上にアルミニウムを50nmの厚さに蒸着したも
のを2個用意した。一方のホログラフィック回折格子の
上にポリメチルフェニルシランのTHF溶液をスピンコ
ートした後、溶媒を蒸発させて0.6μmの厚みのポリ
メチルフェニルシラン薄膜を形成した。この上に、他方
のホログラフィック回折格子を対向させて配置し、光機
能素子を作製した。この素子において、ポリメチルフェ
ニルシラン薄膜の両面にあるアルミニウムは電極を兼ね
ており、ポリメチルフェニルシランは発光材料として機
能する。
【0073】また、比較のために、回折格子の代わりに
平坦な石英ガラス基板を用いて上記と同様な構造の素子
を作製した。まず、ポリメチルフェニルシラン薄膜の一
端から種々の波長の光を入射し、他端から出射する透過
光を測定した。この結果、平坦な石英ガラス基板を用い
た素子では全ての波長の光が透過した。一方、回折格子
を用いた素子では450〜600nmの波長範囲の光は
透過しなかった。
【0074】次に、−240℃において、アルミニウム
電極間に11Vの電圧を印加したところ、界面から発光
が確認された。このとき、平坦な石英ガラス基板を用い
た素子では、350nm付近の鋭い発光ピークのほか
に、不純物に起因する460〜620nmのブロードな
発光ピークが観測された。一方、回折格子を用いた素子
では、600nmより短波長側では350nmの発光ピ
ークしか観測されなかった。350nmの発光ピークに
おける発光量については、回折格子を用いた素子では、
平坦な石英ガラス基板を用いた素子と比較して4倍程度
大きかった。
【0075】実施例10 1800本/mmの格子溝を有し、表面にアルミニウム
を蒸着したホログラフィック回折格子を2個用意した。
また、メチル(2,4−ジニトロフェニル)アミノ−2
−プロパノエート(MAP)をジオキサンに1×10-4
mol/Lの濃度で溶解した溶液を調製した。一方の回
折格子上にMAP溶液をスピンコートし、溶媒を蒸発さ
せて厚さ10μmの光機能膜を形成した。この光機能膜
の上に、他方のホログラフィック回折格子を対向させて
設けた。この素子の光路長は1cmであった。
【0076】この素子に、CW色素レーザーから波長5
30nmのレーザー光を入射し、回折格子上のアルミニ
ウム膜から、パルス幅1μsec、電場1kV/mmの
駆動電圧を印加し、透過光強度を測定した。その結果、
図14に示すように駆動電圧の印加により透過光が検出
され、変調されていた。
【0077】実施例11 本実施例では図15に示す光機能素子(光変調素子)を
作製した。1800本/mmの格子溝を有し、表面にア
ルミニウム42を蒸着したホログラフィック回折格子4
1を2個用意した。また、2−メチル−4−ニトロアニ
リン(MNA):ポリ(メチルメタクリレート)=1:
0.55(重量比)をTFTに溶解した溶液を調製し
た。一方の回折格子上にこの溶液をスピンコートし、溶
媒を蒸発させて厚さ5μmの光機能膜43を形成した。
この光機能膜43の上に、他方のホログラフィック回折
格子41を対向させて配置した。この素子の光路長は3
0μmであった。この素子を80℃に加熱し、直流電源
44から2層のアルミニウム42を通して80Vの直流
電圧を30時間印加してポーリングを行った。また、2
層のアルミニウム42には、MNA/PMMAからなる
光機能膜43にAC電圧を印加して光機能膜43の屈折
率を変化させるための駆動回路45が接続されている。
この光変調素子の後段に、1920本/mmの格子溝を
有し、表面にアルミニウム52を蒸着した、2個のホロ
グラフィック回折格子51を対向させて設けた。これら
のホログラフィック回折格子51は、光が光変調素子か
ら出た後に光の群速度を遅延させる光遅延素子として作
用する。
【0078】CW色素レーザーから波長530nmのレ
ーザー光を光変調素子および光遅延素子に入射した。こ
の入射光は、電場ベクトルの方向が格子溝に垂直な偏光
である。光変調素子および光遅延素子中において、光の
群速度は真空中の光速の約1/8になる。駆動回路45
から2層のアルミニウム42を通してピーク電圧300
V、周波数240MHzのAC電圧を印加することによ
り、光機能膜43の屈折率を変化させてAM変調した。
後段の光遅延素子部からシグナルを取り出した結果、出
力光の周波数は1.7GHzとなっていた。このよう
に、光の群速度が素子内で遅延した後、素子を出る際に
高速化していることがわかる。
【0079】実施例12 ブロック共重合体を構成するモノマーとして、下記化学
式に示すスチレンおよびイソプレンを用いた。
【0080】
【化1】
【0081】スチレンおよびイソプレンをテトラヒドロ
フラン中において、sec−ブチルリチウムを開始剤と
して用い、逐次リビングアニオン重合した。その結果、
分子量34×104 のポリスチレン鎖と分子量18×1
4 のポリイソプレン鎖からなるブロック共重合体が得
られた。得られたブロック共重合体を溶媒に溶解し、基
板上にキャストして薄膜を形成した。電子顕微鏡で観察
したところ、この薄膜は格子定数が約200nmのダイ
ヤモンド構造を有していた。この薄膜を共重合体膜Aと
する。
【0082】一方、モノマー比を変化させた以外は上記
と同様に逐次リビングアニオン重合により、分子量47
万のポリスチレン鎖と分子量11万のポリイソプレン鎖
からなるブロック共重合体を合成した。上記と同様に、
得られたブロック共重合体を溶媒に溶解し、基板上にキ
ャストして薄膜を形成した。電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、この薄膜は格子定数が約200nmの面心立方(F
CC)構造を有していた。この薄膜を共重合体膜Bとす
る。
【0083】共重合体膜AおよびBの透過スペクトルを
測定した。このうち共重合体膜Aの透過スペクトルを図
16に示す。この図に示されるように、共重合体膜Aは
約400nm近傍の波長領域の光を透過せず、フォトニ
ック・バンドギャップが形成されていることがわかる。
一方、図示しないが、共重合体膜Bにはフォトニック・
バンドギャップは形成されなかった。これらの結果は、
FCC構造ではフォトニック・バンドギャップが現れに
くく、対称性の低いダイヤモンド構造では現れやすいと
いう知見と一致している。
【0084】実施例13 実施例12と同様に逐次リビングアニオン重合により、
下記化学式で表されるレーザー色素モノマーとイソプレ
ンとのブロック共重合体を合成した。
【0085】
【化2】
【0086】得られたブロック共重合体を溶媒に溶解し
た後、溶媒に不溶な直径約100nmの架橋変性ポリイ
ソプレン球を混入した。この液を基板上にキャストして
薄膜を形成した。この薄膜を共重合体膜Cとする。ポリ
イソプレン球は、相分離したブロック共重合体における
屈折率の周期的な変化を乱す不純物となる。共重合体膜
Cの透過スペクトルを図17に示す。この図に示される
ように、フォトニック・バンドギャップの中央部に、薄
膜を透過する波長領域が現われている。
【0087】この共重合体膜Cに、窒素レーザーから波
長337nm、繰り返し10Hz、時間幅10nsec
のレーザー光を照射し、平均パワーを徐々に上げて出力
エネルギーを測定した。このときの入力エネルギーと出
力エネルギーとの関係を図18に示す。この図に示され
るように、入力エネルギーがしきい値以上になると入力
エネルギーに比例して出力エネルギーが大きくなってい
る。このことから、レーザー発振が起こっていることが
わかる。
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、小
さな設置スペースで光信号を遅延させることができる光
機能素子、および光信号の遅延や屈折率制御を利用して
各種光機能材料の機能を有効に発揮できる光機能素子を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトニック・バンド構造を透過する光の振動
数と波束の波数との関係を示す図。
【図2】フォトニック・バンド構造を透過する光の波長
と光の速度との関係を示す図。
【図3】金属を含むフォトニック・バンド構造を透過す
る光の振動数と波束の波数との関係を示す図。
【図4】基本波および第2高調波の波長と屈折率との関
係を示す図。
【図5】光変調素子の屈折率の変化に伴う、波長と透過
率との関係を示す図。
【図6】本発明の実施例1における光遅延素子の斜視
図。
【図7】本発明の実施例2における光遅延素子の斜視
図。
【図8】本発明の実施例3における光遅延素子の斜視
図。
【図9】本発明の実施例4における波長変換素子の断面
図。
【図10】本発明の実施例4における波長変換素子で測
定された、入射光の波長と、第二高調波の強度との関係
を示す図。
【図11】本発明の実施例5における光波長変換素子の
断面図。
【図12】本発明の実施例5における波長変換素子で測
定された、第二高調波の波長と強度との関係を示す図。
【図13】本発明の実施例6における光増幅器の斜視
図。
【図14】本発明の実施例10における光変調素子によ
り得られた変調信号を示す図。
【図15】本発明の実施例11における光変調器の断面
図。
【図16】本発明の実施例12の共重合体膜Aの透過ス
ペクトル。
【図17】本発明の実施例13の共重合体膜Cの透過ス
ペクトル。
【図18】本発明の実施例13の共重合体膜Cの入力エ
ネルギーと出力エネルギーとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…レジスト 3…金・ガラス多層膜 11…コア 12…クラッド 21…ホログラフィック回折格子 22…銀 23…光機能膜 24…銀 25…直流電源 31…ホログラフィック回折格子 33…光機能膜 34…シリンドリカルレンズ 41…ホログラフィック回折格子 42…アルミニウム 43…光機能膜 44…直流電源 45…駆動回路 51…ホログラフィック回折格子 52…アルミニウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/10 H01S 3/10 Z 3/16 3/16

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトニック・バンドを形成するよう
    に、屈折率の異なる材料を周期的に配列した構造を有
    し、フォトニック・バンド端に対応する光の波長が、透
    過させようとする光の波長の近傍に設定されていること
    を特徴とする光機能素子。
  2. 【請求項2】 屈折率の異なる材料を周期的に配列した
    構造が、パターニングされたレジストラインと空気とで
    構成されることを特徴とする請求項1記載の光機能素
    子。
  3. 【請求項3】 屈折率の異なる材料を周期的に配列した
    構造が、パターニングされたレジストラインとレジスト
    ライン間に埋め込まれた無機材料とで構成されることを
    特徴とする請求項1記載の光機能素子。
  4. 【請求項4】 屈折率の異なる材料を周期的に配列した
    構造が、周期的に露光された光ファイバーのコアにより
    構成されることを特徴とする請求項1記載の光機能素
    子。
  5. 【請求項5】 屈折率の異なる材料を周期的に配列した
    構造が、回折格子により構成されることを特徴とする請
    求項1記載の光機能素子。
  6. 【請求項6】 屈折率の異なる材料を周期的に配列した
    構造が、規則的な相分離構造を有するブロック共重合体
    により構成されることを特徴とする請求項1記載の光機
    能素子。
  7. 【請求項7】 透過させようとする光の波長とフォトニ
    ック・バンド端に対応する光の波長との差が、15%以
    内である請求項1記載の光機能素子。
  8. 【請求項8】 屈折率の異なる材料の周期性を変化させ
    る、超音波発生器または温度調節器を有することを特徴
    とする請求項1記載の光機能素子。
  9. 【請求項9】 フォトニック・バンドを形成する回折格
    子と、その表面に形成された光機能膜とを有することを
    特徴とする請求項1記載の光機能素子。
  10. 【請求項10】 フォトニック・バンドを形成する回折
    格子と、その表面に順次形成された金属膜、光機能膜、
    および金属膜とを有することを特徴とする請求項1記載
    の光機能素子。
  11. 【請求項11】 互いに対向して配置され、フォトニッ
    ク・バンドを形成する、表面にそれぞれ金属膜が形成さ
    れた2個の回折格子または表面に金属膜が形成された回
    折格子および平坦な金属体の組と、前記2個の回折格子
    の間または回折格子と平坦な金属体との間に挟まれた光
    機能膜とを有することを特徴とする光機能素子。
  12. 【請求項12】 前記光機能膜が、光機能材料を分散さ
    せたポリマーからなることを特徴とする請求項11記載
    の光機能素子。
  13. 【請求項13】 光機能材料が二次非線形光学材料であ
    ることを特徴とする請求項11記載の光機能素子。
  14. 【請求項14】 光機能材料が三次非線形光学材料であ
    ることを特徴とする請求項11記載の光機能素子。
  15. 【請求項15】 光機能材料が発光材料であることを特
    徴とする請求項11記載の光機能素子。
  16. 【請求項16】 互いに対向して配置され、表面にそれ
    ぞれ金属膜が形成された、フォトニック・バンドを形成
    する2個の回折格子と、これらの回折格子の間に挟まれ
    た電気光学材料と、前記金属膜に接続され、前記電気光
    学材料の屈折率を変化させるための電圧を印加する駆動
    回路とを有することを特徴とする光機能素子。
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