JPH1081935A - 低合金耐熱鋼及び蒸気タービンロータ - Google Patents
低合金耐熱鋼及び蒸気タービンロータInfo
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- JPH1081935A JPH1081935A JP23324596A JP23324596A JPH1081935A JP H1081935 A JPH1081935 A JP H1081935A JP 23324596 A JP23324596 A JP 23324596A JP 23324596 A JP23324596 A JP 23324596A JP H1081935 A JPH1081935 A JP H1081935A
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Abstract
て、従来材のCrMoV鋼に比べて同等以上の靱性を有
し、かつ高温強度特性に優れた新しい低合金耐熱鋼及び
この新耐熱鋼で構成される高温用蒸気タービンロータを
提供すること。 【解決手段】 重量%で炭素:0.15〜0.35%、
ケイ素:0.005〜0.35%、マンガン:0.1〜
1.0%、クロム:0.8〜2.5%、ニッケル:0.
1〜0.3%(0.3%を含まず)、バナジウム:0.
05〜0.3%、ニオブ:0.01〜0.15%、モリ
ブデン:0.1〜1.5%、タングステン:0.1〜
2.5%を含み、残部が不可避的不純物及び鉄からなる
ことを特徴とする低合金耐熱鋼及びそれを用いた蒸気タ
ービンロータ。
Description
火力発電用蒸気タービンロータ材して優れた性能を示す
低合金耐熱鋼及びそれを用いた蒸気タービンロータに関
する。
に用いられている高温用ロータ材の例としては、低合金
系のCrMoV鋼や高Cr系の12Cr鋼が挙げられ
る。このうちCrMoV鋼は高温強度の限界から566
℃までの蒸気温度のプラントに制限され、しかも蒸気温
度によっては、ロータを冷却する必要があり構造が複雑
になる。一方、12Cr鋼製のロータ材(例えば特開昭
60−165359号公報、特開昭62−103345
号公報など)は高温強度がCrMoV鋼よりも優れてい
るため、最高600℃程度の蒸気温度のプラントに適用
することも可能であるが、素材の製造が難しく高コスト
になる。
来技術の実状に鑑み、製造が容易で安価な低合金系の耐
熱鋼であって、従来材のCrMoV鋼に比べて同等以上
の靱性を有し、かつ高温強度特性に優れた新しい低合金
耐熱鋼及びこの新耐熱鋼で構成される高温用蒸気タービ
ンロータを提供するものである。
解決すべく、CrMoV鋼を基本成分として合金元素の
厳選を行って高温強度の改善を鋭意行い、靱性が高くか
つ優れた高温特性を有する新しい高温用蒸気タービンロ
ータ材を見出した。すなわち、本発明は次の(1)〜
(6)の発明を含むものである。
%、ケイ素:0.005〜0.35%、マンガン:0.
1〜1.0%、クロム:0.8〜2.5%、ニッケル:
0.1〜0.3%(0.3%を含まず)、バナジウム:
0.05〜0.3%、ニオブ:0.01〜0.15%、
モリブデン:0.1〜1.5%、タングステン:0.1
〜2.5%を含み、残部が不可避的不純物及び鉄からな
ることを特徴とする低合金耐熱鋼。
ン及び/又はモリブデンで置換し、マンガン及び/又は
モリブデンの含有量が、重量%でマンガン:1.0
(1.0%を含まず)〜1.5%、モリブデン:1.5
(1.5%を含まず)〜2.5%の範囲にあり、不純物
元素として含まれるものを除いてはニオブを含まないこ
とを特徴とする前記(1)の低合金耐熱鋼。
置換し、不純物元素として含まれるものを除いてはマン
ガン及び/又はニッケルを含まないことを特徴とする前
記(1)の低合金耐熱鋼。 (4)ニオブを鉄で置換し、不純物元素として含まれる
ものを除いてはニオブを含まないことを特徴とする前記
(3)の低合金耐熱鋼。
のいずれか1種以上で置換し、重量%で窒素:0.01
〜0.05%、ホウ素:0.001〜0.015%、タ
ンタル:0.01〜0.15%のいずれか1種以上を含
有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか
の低合金耐熱鋼。
載の低合金耐熱鋼で構成されてなることを特徴とする蒸
気タービンロータ。
成分範囲の限定理由を述べる。 炭素:炭素は、熱処理時の焼入れ性を確保するとともに
材料強度を高める効果がある。また、炭化物を形成して
高温におけるクリープ破断強度の向上に寄与する。本合
金系では0.15%未満の添加では十分な材料強度が得
られないため、下限値を0.15%とする。一方、炭素
の添加量が多すぎると靱性が低下し、かつ、高温での使
用中に炭窒化物が凝集粗大化して、高温長時間クリープ
破断強度を劣化させる。そのため添加量の上限を0.3
5%とする。材料強度特性と優れた靱性を兼ね揃えるた
めに特に望ましい範囲は0.2〜0.3%である。
る反面、基地を脆化させる元素である。脱酸効果を十分
に期待する場合、最大0.35%までの添加を許容する
が、本発明材の製造において、製鋼過程での真空カーボ
ン脱酸法を適用する場合は、特にケイ素による脱酸効果
をさほど期待しなくてもよく、添加量を最小限度にとど
めることが可能となる。ただし、極端にケイ素量を低く
するためには原料の厳選が必要となりコストが上昇する
ため、下限を0.005%とする。よってケイ素の成分
範囲を0.005〜0.3%とする。望ましい範囲は、
0.005〜0.05%であるが、この場合は真空カー
ボン脱酸法を採用することを前提とする。
るとともに鍛造時の熱間割れを防止するのに有効な元素
である。また、熱処理時の焼入れ性を高める作用があ
る。しかし、マンガンを加えるとその量に応じてクリー
プ破断強度が劣化するため添加の最大量を1.0%とし
た。ただし、含有量を0.1%未満に制御するために
は、原料鋼の厳選と過度の精錬工程が必要となりコスト
高を招くため、最低量を0.1%に設定している。
めるとともに炭化物及び/又は炭窒化物を形成してクリ
ープ破断強度の改善に寄与し、かつマトリックス中に溶
け込んで耐酸化性を改善する。またマトリックス自体を
強化することでもクリープ破断強度の向上に寄与する。
0.8%未満であるとその効果が十分でなく、2.5%
を越える量を添加すると本合金系ではクリープ破断強度
が低下する傾向にある。したがって、添加範囲を0.8
〜2.5%とする。望ましい範囲は1.2〜1.6%で
ある。
を高め、引張強さや耐力を向上させるほか、特に靱性を
高めるのに有効である。しかしその反面、長時間クリー
プ破断強度はニッケル添加により低下する。本発明合金
の特徴の一つは、ニッケル添加による焼入れ性や靱性向
上を期待せず、逆に長時間クリープ破断強度に及ぼすニ
ッケルの悪影響を排除することを目的に、ニッケル含有
量の上限を長時間クリープ破断強度に及ぼす悪影響が極
端には現れない0.3%未満に制限している点である。
長時間クリープ破断強度を最重視する場合、ニッケル含
有量は低いほど望ましいが、0.1%未満に抑制するた
めには原料の厳選が必要となりコストが上昇するため、
下限を0.1%とする。
れ性を高めるとともに炭化物及び/又は炭窒化物となっ
てクリープ破断強度を改善する。0.05%未満では十
分な効果が得られない。また、逆に0.3%を越える量
を添加するとむしろクリープ破断強度は低下してしま
う。このため、成分範囲を0.05〜0.3%とする。
に炭化物及び/又は炭窒化物を形成して高温強度の改善
に寄与する。また、高温加熱時の結晶粒成長を適度に抑
制し、組織の均質化に寄与する。添加量が0.01%未
満ではその効果はなく、また0.15%を越える量を添
加すると、鋼塊製造時に生成したニオブの炭化物あるい
は炭窒化物が熱処理(溶体化処理)時にマトリックスに
十分に固溶できず、使用中に粗大化して長時間のクリー
プ破断強度を低下させる。そこで成分範囲を0.01%
〜0.15%に限定する。
れ性を高めるとともにマトリックス中や炭化物及び/又
は炭窒化物中に固溶してクリープ破断強度を改善する。
添加量が0.1%未満であれば顕著な効果は期待されな
い。一方、多量に添加すると靱性が低下するとともにコ
スト高を招くために、添加量の上限を1.5%に制限し
ている。
ス中や炭化物中に固溶してクリープ破断強度を改善す
る。添加量が0.1%未満であれば顕著な効果は期待さ
れない。一方、過剰に添加すると偏析する恐れがあり、
またフェライト相が出現、増加するため添加量の上限を
2.5%に制限している。望ましい添加量は1.0%〜
2.0%である。
を述べる。なお、前述の発明(1)に関する説明で既に
述べた成分については限定理由は同じなので、ここで
は、ニオブを無添加とした理由及びマンガン、モリブデ
ンの成分限定理由について説明する。
たように重要な役割を有する元素であるが、発明(1)
の範囲内の添加量でも、他の強化元素添加量との兼ね合
いや、鋼塊の製造や鍛造、熱処理工程での微妙な温度差
などにより、得られた素材の靱性が異常に低下したり、
クリープ破断特性において切欠弱化傾向が現れる危険性
がある。そこでこのような危険性を回避するために、発
明(1)における成分系からニオブを排除した点が本発
明(2)の特徴である。しかし、ニオブを排除した結
果、焼入れ性や高温強度特性の低下あるいは高温加熱時
の結晶粒成長に起因した局所的な高温強度低下が懸念さ
れる。そこでこれらの点を補うため、マンガン及び/又
はモリブデンの添加量を増し、マンガン及び/又はモリ
ブデンの含有量が重量%でマンガン:1.0(1.0%
含まず)〜1.5%、モリブデン:1.5(1.5%含
まず)〜2.5%となるようにしている。
不足分を補うための添加であり、その分高温強度特性や
靱性を若干犠牲にしている。最低添加量を発明(1)の
上限値とし、最大添加量を1.5%としている。最大添
加量を1.5%としたのは、これ以上の添加では高温強
度特性や靱性の低下が大きすぎるためである。
高温強度特性不足を補うために添加するものであり、そ
の分コストの上昇や靱性の低下を若干容認している。最
低添加量を発明(1)の上限値とし、最大添加量を2.
5%としている。最大添加量を2.5%としたのは、こ
れ以上の添加では靱性の低下が大きすぎるためである。
を述べる。マンガン、ニッケル以外の元素については発
明(1)の場合と同じであるのでこでは省略し、マンガ
ン及び/又はニッケルを排除する目的及び作用について
のみ説明する。
るとともに鍛造時の時間割れを防止するのに有効な元素
である。また、熱処理時の焼入れ性を高める作用があ
る。しかし、マンガンを加えるとその量に応じてクリー
プ破断強度が劣化する。含有量を0.1%以下に制御す
るためには、原料鋼の厳選と過度の精錬工程が必要とな
りコスト高を招くが、コストの上昇をあえて許容し、か
つ、マンガン添加によるその他の利点も期待せず、クリ
ープ破断強度の確保を最重点に考えてマンガンを排除し
た点に本発明(3)の新規性がある。
を高め、引張強さや耐力を向上させるほか、特に靱性を
高めるの有効である。しかし、ニッケルを加えるとその
量に応じてクリープ破断強度が劣化する。含有量を0.
1%以下に制御するためには、原料鋼の厳選と過度の精
錬工程が必要となりコスト高を招くが、コストの上昇を
あえて許容し、かつ、ニッケル添加によるその他の利点
も期待せず、クリープ破断強度の確保を最重点に考えて
ニッケルを排除した点に本発明(3)の新規性がある。
を述べる。ニオブ以外の元素については前記発明(1)
及び(3)と同じであるのでこでは省略し、ニオブを排
除する目的及び作用についてのみ説明する。 ニオブ:ニオブは発明(1)の説明で述べたように重要
な役割を有する元素であるが、発明(1)の範囲内の添
加量でも、他の強化元素添加量との兼ね合いや、鋼塊の
製造や鍛造、熱処理工程での微妙な温度差などにより、
得られた素材の靱性が異常に低下したり、クリープ破断
特性において切欠弱化傾向が現れる危険性がある。そこ
でこのような危険性を回避するために、クリープ破断強
度を若干犠牲にして、発明(3)における成分系からニ
オブを排除した点が本発明(4)の特徴である。
を述べるが、窒素、タンタル、ホウ素以外の元素につい
ては発明(1)〜(4)と同じであるのでこでは省略
し、特に窒素、タンタル、ホウ素を添加する目的及び作
用についてのみ説明する。 窒素:窒素は炭素や合金元素とともに炭窒化物を形成し
て高温強度の改善に寄与する。0.01%未満では十分
な炭窒化物を形成することができないために、クリープ
破断強度への寄与が十分に得られない。また0.05%
を越える量を添加すると、長時間側で炭窒化物が凝集粗
大化して、十分なクリープ破断強度を得ることができな
くなる。また、靱性の低下も引き起こす。このため、
0.01〜0.05%とする。
化物を形成して高温強度の改善に寄与する。また、高温
で析出する炭化物及び/又は炭窒化物を微細にして長時
間クリープ破断強度の改善に寄与する。添加量が0.0
1%未満ではその効果はなく、また0.15%を越える
量を添加すると、鋼塊製造時に生成したタンタルの炭化
物及び/又は炭窒化物が熱処理(溶体化処理)時にマト
リックスに十分に固溶できず、使用中に粗大化して長時
間のクリープ破断強度を低下させる。そこで成分範囲を
0.01%〜0.15%に限定する。
に粒界強度を高くする作用がある。このため、クリープ
破断強度の改善に寄与する。しかし、過剰に添加すると
かえって焼入れ性が低下したり、靱性が低下するといっ
た悪影響が現れる。したがって、実際に添加量を制御で
きる最低量の0.001%を下限値とし、上限値を悪影
響が現れない0.015%とする。望ましい範囲として
は0.002〜0.006%である。
耐熱鋼は、従来材のCrMoV鋼に比べて同等以上の靱
性を有し、かつ高温強度特性に優れた新しい低合金耐熱
鋼であり、特に高温用蒸気タービンロータ材として優れ
た性能を有している。
明する。各実施例において、全ての材料は、50kg真
空高周波溶解炉にて溶製し、加熱温度:1200℃にて
鍛造を行った。各種試験に用いた試験材熱処理は、胴径
1200φのロータを油冷したときの中心部を模擬した
焼入れ処理を行い、次いで焼戻しは0.2%耐力がおよ
そ70±2kgf/mm2 になるように各材料の焼戻し
温度を決めて行った。ただし、実施例1における一部の
比較材では、目標の0.2%耐力を得られないものがあ
った。
学成分を示す。試料番号1〜8が発明(1)に係る本発
明材、試料番号9〜14が比較材に相当する。表2に本
発明材及び比較材の機械的性質及びクリープ破断特性を
示す。比較材のうち、試料番号9及び10は十分に焼き
が入らず、焼戻し温度を下げても目標の0.2%耐力に
到達しなかった鋼種である。
験)は、本発明材、比較材を問わず、炭素含有量の影響
が強く現れており、高炭素材ほど低い値を示している。
しかし、本発明材のシャルピー衝撃吸収エネルギーは、
いずれも3.7kgf−m以上の値を示しており、ター
ビンロータ材としての使用を考えた場合、十分に高い衝
撃値を確保できていることがわかる。600℃で15k
gf/mm2 の荷重を負荷した場合のクリープ破断時間
に着目すると、本発明材は比較材を大幅に上回る破断時
間を示しており、クリープ破断特性が十分に高いことが
わかる。以上のことは、本発明材における各種元素の適
切な成分設計が靱性の確保とクリープ破断強度の向上に
有効であったことを示している。
(2)に係る本発明材料の化学成分を、表4に機械的性
質及びクリープ破断特性を示す。試料番号15〜18の
試験材の特性を表2に示した発明(1)に係る本発明材
の特性と比較すると、シャルピー衝撃吸収エネルギー
(常温試験)は同一炭素量レベルで比較して若干低め、
600℃で15kgf/mm2 の荷重を負荷した場合の
クリープ破断時間もいくぶん短めであるが、それでも表
2の比較材に比べて優れた特性を有していることがわか
る。以上のことは、発明(1)の成分系において制御が
難しいニオブを添加しない材料でも、マンガンやモリブ
デンの適切な添加によって、適度な靱性、クリープ破断
強度を確保できることを示している。
(3)に係る本発明材料の化学成分を示す。試料番号1
9は実施例1で用いた試料番号2の鋼の成分をベースと
した発明(3)に係る本発明材、試料番号20、21、
22は実施例1で用いた試料番号5の鋼の成分をベース
とした発明(3)に係る本発明材である。
性質及びクリープ破断特性を示す。本発明材のシャルピ
ー衝撃値吸収エネルギー(常温試験)はベース材とほぼ
同レベルにある。かつ、600℃で15kgf/mm2
の荷重を負荷した場合のクリープ破断時間に着目する
と、発明(3)に係る本発明材は実施例1のベース材に
比べて確実に破断時間がのびていることがわかる。以上
のことは、発明(1)の組成の低合金耐熱鋼のマンガン
及び/又はニッケルを鉄で置換することで、クリープ破
断強度がより一層向上することを示している。
(4)に係る本発明材料の化学成分を示す。試料番号2
3は実施例3で用いた試料番号19の鋼の成分をベース
とした発明(4)に係る本発明材(試料番号19のベー
ス材は実施例1の試料番号2の鋼)、試料番号24、2
5、26はそれぞれ実施例3で用いた試料番号20、2
1、22の鋼の成分をベースとした発明(4)に係る本
発明材(試料番号20、21、22のベース材は実施例
1の試料番号5の鋼)である。
性質及びクリープ破断特性を示す。発明(4)に係る本
発明材のシャルピー衝撃値吸収エネルギー(常温試験)
はベース材とほぼ同レベルにある。かつ、600℃で1
5kgf/mm2 の荷重を負荷した場合のクリープ破断
時間に着目すると、発明(4)に係る本発明材の破断時
間は、実施例3のベース材に比べて若干短くなってい
る。しかし実施例1の試料番号2、5の鋼に比べると破
断時間は長いことがわかる。以上のことは、発明(3)
の組成の材料において、制御が難しいニオブを添加しな
い材料でも、適度な靱性、クリープ破断強度を確保でき
ることを示している。
(5)に係る材料の化学成分を示す。試料番号27、2
8は実施例1の試料番号2の鋼の成分をベースとした発
明(5)に係る本発明材、試料番号29、30は実施例
1の試料番号5の鋼の成分をベースとした発明(5)に
係る本発明材、試料番号31、32、33、34及び3
5はそれぞれ実施例2の試料番号16、実施例2の試料
番号18、実施例3の試料番号21、実施例3の試料番
号22及び実施例4の試料番号26の鋼の成分をベース
とした発明(5)に係る本発明材である。
的性質及びクリープ破断特性を示す。発明(5)に係る
本発明材のシャルピー衝撃値吸収エネルギー(常温試
験)はベース材とほぼ同レベルにある。かつ、600℃
で15kgf/mm2 の荷重を負荷した場合のクリープ
破断時間に着目すると、発明(5)に係る本発明材はベ
ース材に比べて確実に破断時間がのびていることがわか
る。以上のことは、発明(1)〜(4)の組成の低合金
耐熱鋼の鉄の一部を、窒素、ホウ素、タンタルのいずれ
か1種以上で適切に置換することで、クリープ破断強度
がより一層向上することを示している。
MoV鋼に比べて同等以上の靱性を有し、かつ高温強度
特性に優れた新しい低合金耐熱鋼であり、特に高温用蒸
気タービンロータ材として優れた性能を有している。ま
た、本発明の蒸気タービンロータは、優れた高温強度及
び靱性を有しており、これにより、低コストで高効率の
発電プラントの建設が可能となり、化石燃料の節約に寄
与するとともに二酸化炭素の発生量を抑制するうえで有
用である。
ス中や炭化物中に固溶してクリープ破断強度を改善す
る。添加量が0.1%未満であれば顕著な効果は期待さ
れない。一方、過剰に添加すると偏析する恐れがあり、
靱性が低下するとともにコスト高を招くため添加量の上
限を2.5%に制限している。望ましい添加量は1.0
%〜2.0%である。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%で炭素:0.15〜0.35%、
ケイ素:0.005〜0.35%、マンガン:0.1〜
1.0%、クロム:0.8〜2.5%、ニッケル:0.
1〜0.3%(0.3%を含まず)、バナジウム:0.
05〜0.3%、ニオブ:0.01〜0.15%、モリ
ブデン:0.1〜1.5%、タングステン:0.1〜
2.5%を含み、残部が不可避的不純物及び鉄からなる
ことを特徴とする低合金耐熱鋼。 - 【請求項2】 ニオブの全部と鉄の一部を、マンガン及
び/又はモリブデンで置換し、マンガン及び/又はモリ
ブデンの含有量が、重量%でマンガン:1.0(1.0
%を含まず)〜1.5%、モリブデン:1.5(1.5
%を含まず)〜2.5%の範囲にあり、不純物元素とし
て含まれるものを除いてはニオブを含まないことを特徴
とする請求項1に記載の低合金耐熱鋼。 - 【請求項3】 マンガン及び/又はニッケルを鉄で置換
し、不純物元素として含まれるものを除いてはマンガン
及び/又はニッケルを含まないことを特徴とする請求項
1に記載の低合金耐熱鋼。 - 【請求項4】 ニオブを鉄で置換し、不純物元素として
含まれるものを除いてはニオブを含まないことを特徴と
する請求項3に記載の低合金耐熱鋼。 - 【請求項5】 鉄の一部を窒素、ホウ素、タンタルのい
ずれか1種以上で置換し、重量%で窒素:0.01〜
0.05%、ホウ素:0.001〜0.015%、タン
タル:0.01〜0.15%のいずれか1種以上を含有
することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
低合金耐熱鋼。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の低合金
耐熱鋼で構成されてなることを特徴とする蒸気タービン
ロータ。
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---|---|---|---|
JP23324596A JP3576328B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 低合金耐熱鋼及び蒸気タービンロータ |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1081935A true JPH1081935A (ja) | 1998-03-31 |
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ID=16952056
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JP23324596A Expired - Lifetime JP3576328B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 低合金耐熱鋼及び蒸気タービンロータ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3576328B2 (ja) |
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-
1996
- 1996-09-03 JP JP23324596A patent/JP3576328B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3576328B2 (ja) | 2004-10-13 |
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