JPH108180A - 水素吸蔵合金 - Google Patents

水素吸蔵合金

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JPH108180A
JPH108180A JP8161476A JP16147696A JPH108180A JP H108180 A JPH108180 A JP H108180A JP 8161476 A JP8161476 A JP 8161476A JP 16147696 A JP16147696 A JP 16147696A JP H108180 A JPH108180 A JP H108180A
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伸 藤谷
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育郎 米津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 資源的に豊富なCa、Siを使用し、水素吸
収量が少なくともLaNi5合金と同等以上の特性を有
し、初期活性にすぐれ、水素吸収放出サイクル経過後も
水素吸収量の低下の小さい水素吸蔵合金を提供する。 【解決手段】 CaSinの組成をもつ金属間化合物で
あって、nは、1.6≦n≦2.4であり、結晶構造がC
12型である。Siの一部をBで置換してもよく、この
合金はCa(Si2-xx)yで表わされ、x及びyは、0
<x≦0.5、0.8≦y≦1.2である。また、Ca、
Si、Bのどれか元素の一部をM(但し、Mは、Fe、
Cr、Cu、Zn、Ni、Mn、Al及びCoからなる
群から選択される1種又は2種以上の元素)の元素でさ
らに置換することができる。この合金は、Ca1-s(Mg
2-x-tx-r)ys+ty+ryで表わされ、x及びyは、0≦
x≦0.5、0.8≦y≦1.2であり、s、t及びr
は、0<s+ty+ry≦0.5である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素を可逆的に吸
収、放出する水素吸蔵合金、より具体的には、新規なC
a−Si系水素吸蔵合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油等の化石燃料の枯渇と炭酸ガ
スの増加に起因する地球環境問題から、クリーンな水素
エネルギーが注目されている。この中で、多量の水素と
反応熱を伴って可逆的に反応する水素吸蔵合金は、不可
欠な水素吸蔵媒体及びエネルギー変換媒体として位置づ
けられている。
【0003】これまで、CaCu5型結晶構造のLaN
5合金が開示(特公昭49−34315)されて以来、
これと同じ構造をもつCaCu5型の水素吸蔵合金が数
多く提案されてきた(例えば、特公昭59−28626
参照)。LaNi5合金は、水素吸収量(合金単位重量当
たりの水素含有率)は1.5重量%程度であるが、平衡水
素圧が低く、初期活性化が容易で、水素の吸収・放出反
応速度も速い等、水素吸蔵合金としてすぐれた特性を有
している。
【0004】しかし、Laのような希土類元素は資源的
に希少で、コストも高くつく問題がある。このため、L
aに代えて資源的に豊富で安価な元素を使用し、少なく
ともLaNi5合金と同等以上の水素吸収量を、初期活
性段階及び水素吸収・放出サイクル経過後において維持
できる水素吸蔵合金が望まれている。資源的に豊富な元
素を使用した水素吸蔵合金として、Mg、Ca、Siの
3元素を基本構成とする水素吸蔵合金が知られている。
しかし、Mgを含むと、初期活性を行なうための温度、
圧力が高くなり、初期活性化が困難という問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、資源
的に豊富なCa、Siを使用し、少なくともLaNi5
合金と同等以上の水素吸収量を有し、初期活性にすぐれ
る水素吸蔵合金を提供することである。本発明の他の目
的は、水素吸収放出サイクル経過後も水素吸収量の低下
の小さい水素吸蔵合金を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金
は、CaSin の組成をもつ金属間化合物であって、n
は、1.6≦n≦2.4であり、結晶構造がC12型とな
るようにしたものである。また、本発明の水素吸蔵合金
は、前記Ca−Si合金のSiの一部をBと置換したも
ので、Ca(Si2-xx)yの組成をもつ金属間化合物と
して表わされ、x及びyは、0<x≦0.5、0.8≦y
≦1.2であり、結晶構造がC12型となるようにした
ものである。さらに、本発明の水素吸蔵合金は、前記水
素吸蔵合金中、Ca、Si、Bのどれか元素の一部を、
M(但し、Mは、Fe、Cr、Cu、Zn、Ni、M
n、Al及びCoからなる群から選択される1種又は2
種以上の元素)の元素で置換したもので、Ca1-s(Si
2-x-tx-r)ys+ty+ryの組成をもつ金属間化合物とし
て表わされ、x及びyは、0≦x≦0.5、0.8≦y≦
1.2であり、s、t及びrは、0<s+ty+ry≦
0.5であり、結晶構造がC12型となるようにしたも
のである。C12型の結晶構造は六方晶である。
【0007】
【作用】本発明の水素吸蔵合金は、CaとSiの金属間
化合物を形成することにより、結晶構造はC12型とな
り、また、CaとSiの組成比を1:1.6乃至1:2.
4の範囲内にすることにより、少なくとも1.5重量%
以上の水素吸収量を確保することができる。本発明のC
a−Si系水素吸蔵合金がBを含む場合、本体となる合
金構造の隙間に水素原子を導入し易くする触媒的働きを
すると共に、結晶粒の微粉化を促進して初期活性化を向
上させる。本発明のCa−Si系又はCa−Si−B系
水素吸蔵合金が、Fe、Cr、Cu、Zn、Ni、M
n、Al及びCoからなる群から選択的に含まれる1種
又は2種以上の元素を含む場合、それらの元素は、水素
の吸収・放出サイクルに伴う合金微粉化において、Ca
−Si合金相、Ca−Si−B合金相の分解又は崩壊を
抑制する働きをし、長寿命が達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の水素吸蔵合金は、所定の
合金組成となるように調合した原料金属を、アーク溶解
炉、高周波誘導溶解炉等の溶解炉の中で不活性雰囲気下
にて溶融した後、溶湯を自然冷却することにより得られ
る。なお、合金鋳造時の凝固段階で生ずる偏析を少なく
するために、液体急冷ロール凝固法等により水素吸蔵合
金を作製するのが好ましい。液体急冷凝固ロール法で
は、アーク溶解又は高周波誘導溶解等により溶融させた
合金溶湯を、高速回転しているロール上に噴出させて急
冷凝固させることにより、リボン状の薄帯合金が得られ
る。このときの溶湯の冷却速度は、102℃/秒以上で
ある。得られた水素吸蔵合金は、通常の場合、結晶相を
均質化するために、或は急冷による生じる結晶の不均一
歪みをなくすために、合金の融点以下の温度で所定時間
熱処理が施される。
【0009】本発明の水素吸蔵合金は、前記の溶融凝固
法に代えて、メカニカルアロイングの手法により作製す
ることもできる。メカニカルアロイング法では、所定の
合金組成となるように調合した原料金属を、鋼球の入れ
られた遊星型ボールミルの中に投入し、室温、アルゴン
ガス雰囲気下の条件で所定時間攪拌処理することによ
り、機械的に合金化した水素吸蔵合金が得られる。
【0010】
【実施例】実施例1 この実施例では、CaSinの2元合金について、Ca
とSiの組成比と、水素吸収量との関係を調べるもので
ある。所定の成分組成となるように原料金属を調合し、
これをArガス雰囲気の高周波誘導炉で溶解し、溶湯を
放冷してボタン状インゴットを得た。これを石英管の中
に封入し、真空中で600℃の温度で2時間の熱処理を
施した。得られた供試用の水素吸蔵合金を粒径約100
μmに粉砕し、その5gをステンレス製反応容器(内容
積:5cc)に充填し、次の条件で容器の真空排気を行
なった後、水素を供給し、活性化処理を行なった。活性
化条件は次の通りである。 ・真空排気温度:250℃ ・水素印加圧力:20atm ・水素吸収時間:1時間 活性化処理後、水素吸収量をジーベルツ装置により測定
した。供試合金の成分組成と、水素吸収量を表1に示
す。
【0011】
【表1】
【0012】表1の測定データを、図1にプロットして
示す。図1中、従来のLaNi5合金の水素吸収量1.5
重量%を破線で示している。表1及び図1から明らかな
ように、xの値が1.6〜2.4の範囲内では、少なくと
も従来のLaNi5合金を超える水素吸収量を確保でき
ることがわかる。より多くの水素吸収量を確保するに
は、xの値を1.8〜2.2にすることがより好ましい。
【0013】実施例2 この実施例は、CaSi2-xxの3元合金について、B
の置換量xと、初期活性、水素吸収量との関係を調べる
ものである。実施例1と同じ要領にて、水素吸蔵合金の
インゴットを作製し、熱処理を施し、粉砕した後、ステ
ンレス製反応容器に5g充填し、活性化処理を行なっ
た。活性化条件は次の通りである。 ・真空排気温度:180℃ ・水素印加圧力:20atm ・水素吸収時間:1時間 活性化処理後、水素吸収量をジーベルツ装置により測定
した。供試合金の成分組成と、水素吸収量を表2に示
す。
【0014】
【表2】
【0015】表2の測定データを、図2にプロットして
示す。図2中、従来のLaNi5合金の水素吸収量1.5
重量%を破線で示している。表2及び図2から明らかな
ように、Bの置換量xが0.5以下の範囲内では、少な
くともLaNi5合金と同等又はそれ以上の水素吸収量
を確保できることがわかる。
【0016】実施例1の活性化条件は、250℃、20
atmであったのに対し、実施例2の活性化条件は、1
80℃、20atmである。このように、実施例2と実
施例1を比べると、同じ20atmの圧力条件下では、
実施例2は実施例1よりも70℃低い温度条件で、合金
成分に固有の水素吸収量を確保することができる。つま
り、Bの含有により、初期活性がさらに改善されること
がわかる。
【0017】実施例3 この実施例は、CaSi2-xxの3元合金において、C
aと、Si−B(Siの一部をBで置換)の組成比と、初
期活性、水素吸収量の関係を調べるものである。Ca
(Si2-xx)yにおいて、Bの置換量xを0.3とし、y
の量を変化させて、水素吸収量を調べた。実施例1と同
じ要領にて、水素吸蔵合金のインゴットを作製し、熱処
理を施し、粉砕した後、ステンレス製反応容器に5g充
填し、活性化処理を行なった。活性化条件は次の通りで
ある。 ・真空排気温度:200℃ ・水素印加圧力:15atm ・水素吸収時間:30分 活性化処理後、水素吸収量をジーベルツ装置により測定
した。供試合金の成分組成と、水素吸収量を表3に示
す。
【0018】
【表3】
【0019】表3の測定データを、図3にプロットして
示す。図3中、従来のLaNi5合金の水素吸収量1.5
重量%を破線で示している。表3及び図3から明らかな
ように、yの値を0.8〜1.2の範囲内に設定すること
により、少なくとも従来のLaNi5合金と同等又はそ
れ以上の水素吸収量を確保できることがわかる。
【0020】実施例3における活性化処理条件は上述し
たように、200℃、15atm、30分であり、実施
例1の活性化処理条件よりも温度を若干高く(180℃
→200℃)したため、圧力は低くなっている(20at
m→15atm)。しかし、実施例3の活性化処理条件
を、実施例1のCaSin合金の活性化処理の条件、2
50℃、20atm、1時間と比較すると、温度、圧
力、時間のどのパラメータに関しても、より緩和された
条件で所定の水素吸収量を確保することができることを
示しており、Bの含有により初期活性が改善されている
ことがわかる。
【0021】実施例4 この実施例は、本発明の水素吸蔵合金の組成と、寿命と
の関係を調べるものである。まず、Ca1-s(Si2-x-t
x-r)ys+ty+ryにおいて、Siの一部をBで置換した
ときの置換量xを0.3、yを1、つまり、Ca1-s(S
1.7-t0.3-r)Ms+ t+rとし、この組成式においてs+
t+r=0.2としたとき、活性化処理後の水素吸収量
と、水素吸収放出サイクル経過後の水素吸収量を調べ
た。なお、上記組成式において、Mは、Fe、Cr、C
u、Zn、Ni、Mn、Al又はCoである。
【0022】実施例1と同じ要領にて、水素吸蔵合金の
インゴットを作製し、熱処理を施し、粉砕した後、ステ
ンレス製反応容器に5g充填し、次の条件で活性化処理
を行なった。 ・真空排気温度:180℃ ・水素印加圧力:15atm ・水素吸収時間:30分
【0023】次に、反応容器内の供試水素吸蔵合金に対
して、200℃、20atmの条件で水素ガスを吸収さ
せ、300℃の温度で真空引きして水素ガスを放出する
工程を1サイクルとする水素吸収放出試験を行ない、5
サイクル後、10サイクル後、15サイクル後及び20
サイクル後における水素吸収量を測定した。次に、「容
量維持率」として、20サイクル後における水素吸収量
を、活性化処理後の水素吸収量で除算して求めた。この
容量維持率は、当初の水素吸収量が、サイクル経過後ど
のように維持されるかを示しており、水素吸蔵合金の寿
命の指標となるものである。
【0024】水素吸収量の測定結果と容量維持率の算出
結果を表4に示す。実施例1のCaSi2、実施例2の
CaSi1.70.3についても、同じ様に前記条件で水素
吸収放出試験を実施し、その水素吸収量を測定した。そ
の測定結果と算出した容量維持率を併せて表4に示して
いる。なお、表4の供試合金の成分組成中、Fe、C
r、Cu、Zn、Ni、Mn、Al又はCoの置換量が
0.2であり、被置換元素は、Ca、Si、Bのどれか
の元素であるから、s、t、rは、s+t+r=0.2
となる。
【0025】
【表4】
【0026】表4を参照すると、CaSi2、CaSi
1.70.3と、その他の合金との比較により、Ca−Si
−B合金の一部元素を、Fe、Cr、Cu、Zn、N
i、Mn、Al又はCoと置換すれば、容量維持率は少
なくとも50%以上改善されることを示している。置換
量を多くする程、容量維持率は改善されるが、サイクル
開始前の初期段階における水素吸収量の低下を招く。こ
のため、水素吸蔵合金の組成をCa1-s(Si
2-x-tx-r)ys+ty+ryで表わしたとき、置換元素Mの
置換量s+ty+ryの範囲は、0.5以下にすること
が好ましい。
【0027】実施例5 この実施例は、溶湯の冷却速度と水素吸蔵合金の寿命と
の関係を調べるものである。実施例2で得られたCaS
1.70.3の水素吸蔵合金を再び溶融し、これを高速回
転しているロールに吹き付けて、約120℃/秒の冷却
速度で急冷凝固させて薄帯状合金を作製した。これを石
英管の中に封入し、真空中で600℃の温度で2時間の
熱処理を施した。得られた供試用の水素吸蔵合金を、実
施例4と同じ要領にて、活性化処理と水素吸収放出試験
を行ない、水素吸収量を測定すると共に容量維持率を算
出した。水素吸収量の測定結果と容量維持率を表5に示
している。なお、急冷合金との比較のために、実施例2
のCaSi1.70.3(溶湯を自然冷却して得た合金)の水
素吸収量と容量維持率を表5に併せて示している。
【0028】
【表5】
【0029】表5から明らかなように、水素吸蔵合金の
溶製時、溶湯を急冷した合金の方が、容量維持率が大き
く、高寿命を得られることがわかる。
【0030】実施例6 この実施例は、メカニカルアロイングにより調製した水
素吸蔵合金と、反応速度との関係を調べるものである。
Ca、Si及びBの金属元素を、原子比で、1:1.
7:0.3の組成となるように調合し、これら原料金属
をステンレス鋼球と共にステンレス製ポットの中に入
れ、ポットの中を不活性ガス雰囲気にした後、800r
pmの回転数で8時間メカニカルアロイング処理を行な
った。得られた供試用の水素吸蔵合金を粒径約100μ
mに粉砕し、その5gをステンレス製反応容器に充填
し、活性化処理を行なった。活性化条件は次の通りであ
る。 ・真空排気温度:130℃ ・水素印加圧力:15atm ・水素吸収時間:20分
【0031】比較例として、Ca、Si及びBの金属元
素を、原子比で、1:1.7:0.3の組成となるように
調合した原料金属を、不活性雰囲気のアーク溶解炉で溶
解し、溶湯を自然冷却してボタン状インゴットを得た。
これを石英管の中に封入し、600℃の温度で2時間の
熱処理を施した。得られた供試用の水素吸蔵合金を粒径
約100μmに粉砕し、その5gをステンレス製反応容
器に充填し、活性化処理を行なった。活性化条件は次の
通りである。 ・真空排気温度:180℃ ・水素印加圧力:20atm ・水素吸収時間:1時間
【0032】上記の活性化条件を比較すると、メカニカ
ルアロイングによる水素吸蔵合金の方が、条件が緩和さ
れており、初期活性にすぐれることを示している。これ
は、合金どうしを単に混合した場合と異なり、合金相と
合金相の間に接合面が形成されているものと推定され、
この接合面の活性度が非常に高くなっており、合金活性
化の際の活性点となって活性化が容易になったものと推
定される。
【0033】次に、水素ガス吸収における反応速度を調
べた。反応容器内を真空引きした後、温度200℃、圧
力20atmの水素ガスを供給し、水素吸収量と吸収時
間を測定した。その測定結果を図4に示す。図4に示さ
れるように、メカニカルアロイングによる水素吸蔵合金
の方が、アーク溶解による水素吸蔵合金よりも反応速度
が速いことを示している。これも、メカニカルアロイン
グによる合金の方が、合金相と合金相の間に接合面を有
し、その接合面での活性度が高いためと考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金は、Ca、Siを
基本元素とする構成としており、これら元素は資源的に
も豊富で入手容易であり、しかも軽量であるという利点
を有する。また、本発明の水素吸蔵合金は、初期活性が
容易であり、さらに、水素吸収・放出サイクルに伴う微
粉化において合金相の分解が抑制されるため、長寿命を
得ることができる。従って、水素貯蔵媒体やヒートポン
プなどの熱利用媒体として、或はアルカリ二次電池の電
極としてその利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1の測定データをプロットして示すグラフで
ある。
【図2】表2の測定データをプロットして示すグラフで
ある。
【図3】表3の測定データをプロットして示すグラフで
ある。
【図4】水素の吸収量と吸収時間の関係を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaSinの組成をもつ金属間化合物で
    あって、nは、1.6≦n≦2.4であり、結晶構造がC
    12型である水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】 Ca(Si2-xx)yの組成をもつ金属間
    化合物であって、x及びyは、0<x≦0.5、0.8≦
    y≦1.2であり、結晶構造がC12型である水素吸蔵
    合金。
  3. 【請求項3】 Ca1-s(Si2-x-tx-r)ys+ty+ry
    組成をもつ金属間化合物であって、Mは、Fe、Cr、
    Cu、Zn、Ni、Mn、Al及びCoからなる群から
    選択される1種又は2種以上の元素であり、x及びy
    は、0≦x≦0.5、0.8≦y≦1.2であり、s、t
    及びrは、0<s+ty+ry≦0.5であり、結晶構
    造がC12型である水素吸蔵合金。
  4. 【請求項4】 水素吸蔵合金は、溶湯を102℃/秒以
    上の冷却速度で冷却して得られた合金である請求項1乃
    至3の何れかに記載の水素吸蔵合金。
  5. 【請求項5】 水素吸蔵合金は、メカニカルアロイング
    により得られた合金である請求項1乃至3の何れかに記
    載の水素吸蔵合金。
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