JPH108170A - 焼結体の製造方法および焼結体 - Google Patents
焼結体の製造方法および焼結体Info
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- JPH108170A JPH108170A JP16499396A JP16499396A JPH108170A JP H108170 A JPH108170 A JP H108170A JP 16499396 A JP16499396 A JP 16499396A JP 16499396 A JP16499396 A JP 16499396A JP H108170 A JPH108170 A JP H108170A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】低温、短時間で焼結を行うことができ、高品質
でかつ機械加工性に優れた焼結体の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】まず、金属粉末の成形体を例えば金属粉末
射出成形法により製造する。金属粉末は、最終的に所望
組成のFe−Co系合金またはFe−Co−V系合金の
焼結体が得られるような組成の混合粉末または合金粉末
を用いる。次に、得られた成形体に対し、2段階の焼
結、すなわち第1の焼結と第2の焼結とを連続して行
う。第1の焼結は、例えば水素雰囲気中で低温で行われ
る。また、第2の焼結は、例えば真空または不活性ガス
雰囲気中で、第1の焼結より高い温度でかつ1170℃
を超えない温度で行われる。
でかつ機械加工性に優れた焼結体の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】まず、金属粉末の成形体を例えば金属粉末
射出成形法により製造する。金属粉末は、最終的に所望
組成のFe−Co系合金またはFe−Co−V系合金の
焼結体が得られるような組成の混合粉末または合金粉末
を用いる。次に、得られた成形体に対し、2段階の焼
結、すなわち第1の焼結と第2の焼結とを連続して行
う。第1の焼結は、例えば水素雰囲気中で低温で行われ
る。また、第2の焼結は、例えば真空または不活性ガス
雰囲気中で、第1の焼結より高い温度でかつ1170℃
を超えない温度で行われる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属粉末の成形体
を焼結してなる焼結体およびその製造方法に関するもの
である。
を焼結してなる焼結体およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】Fe−Co系合金は、飽和磁束密度が高
い等、磁気特性の優れた軟磁性材料であることから、高
性能モータのコアやヨークへの利用が期待されている。
しかしながら、その反面、非常に脆く、加工がしにくい
という欠点を有するため、複雑な形状のものを製造する
には不利である。
い等、磁気特性の優れた軟磁性材料であることから、高
性能モータのコアやヨークへの利用が期待されている。
しかしながら、その反面、非常に脆く、加工がしにくい
という欠点を有するため、複雑な形状のものを製造する
には不利である。
【0003】このようなFe−Co系合金の製品は、一
般に、鋳造法により製造されているが、鋳造法では、微
細な形状のものを精密な寸法で製造することが困難であ
り、寸法精度の確保は、鋳造品に対して施される二次加
工に依存されている。
般に、鋳造法により製造されているが、鋳造法では、微
細な形状のものを精密な寸法で製造することが困難であ
り、寸法精度の確保は、鋳造品に対して施される二次加
工に依存されている。
【0004】また、鋳造法に代わる方法として、Feお
よびCoを含む合金粉末を所定の形状に成形し、この成
形体を焼結炉で焼結してFe−Co系合金の焼結体を製
造する方法が提案されている(特公平7−15121号
公報)。この場合、成形体の製造は、金属粉末と有機バ
インダーと混合、混練し、この混練物を用いて射出成形
する金属粉末射出成形法により行われる。
よびCoを含む合金粉末を所定の形状に成形し、この成
形体を焼結炉で焼結してFe−Co系合金の焼結体を製
造する方法が提案されている(特公平7−15121号
公報)。この場合、成形体の製造は、金属粉末と有機バ
インダーと混合、混練し、この混練物を用いて射出成形
する金属粉末射出成形法により行われる。
【0005】このようなFe−Co系焼結合金の製造に
おいては、焼結後、不純物として残存する酸素(O)お
よび炭素(C)の量が多いと、磁気特性を低下させるた
め、これらの含有量は、できるだけ少なくすることが必
要とされる。さらに、焼結体の機械的特性を確保するた
めに、焼結密度を高くすること、すなわち空孔率を低く
することが必要である。そのために、焼結時の温度(最
高温度)は、例えば1350℃程度と、非常に高温に設
定されており、また、焼結時間も長い。
おいては、焼結後、不純物として残存する酸素(O)お
よび炭素(C)の量が多いと、磁気特性を低下させるた
め、これらの含有量は、できるだけ少なくすることが必
要とされる。さらに、焼結体の機械的特性を確保するた
めに、焼結密度を高くすること、すなわち空孔率を低く
することが必要である。そのために、焼結時の温度(最
高温度)は、例えば1350℃程度と、非常に高温に設
定されており、また、焼結時間も長い。
【0006】しかしながら、このように焼結温度が高い
と、焼結体の結晶粒が粗大化し、焼結体の機械加工性が
低下するという問題がある。
と、焼結体の結晶粒が粗大化し、焼結体の機械加工性が
低下するという問題がある。
【0007】また、高温、長時間の焼結は、消費エネル
ギーの増大を招くとともに、焼結炉や焼結治具へ大きな
負担をかけることとなるので、消耗等によりその寿命が
短くなり、また、生産性を低下させることにもなる。
ギーの増大を招くとともに、焼結炉や焼結治具へ大きな
負担をかけることとなるので、消耗等によりその寿命が
短くなり、また、生産性を低下させることにもなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低
温、短時間で焼結を行うことができ、高品質でかつ機械
加工性に優れた焼結体およびその製造方法を提供するこ
とにある。
温、短時間で焼結を行うことができ、高品質でかつ機械
加工性に優れた焼結体およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1)〜(14)の本発明により達成される。
【0010】(1) 金属粉末の成形体を焼結すること
により、Feと、Coとを含むFe−Co系合金の焼結
体を製造する方法において、第1の焼結と、該第1の焼
結より高い温度での第2の焼結とを連続して行い、か
つ、前記第2の焼結は、1170℃を超えない温度で行
われることを特徴とする焼結体の製造方法。
により、Feと、Coとを含むFe−Co系合金の焼結
体を製造する方法において、第1の焼結と、該第1の焼
結より高い温度での第2の焼結とを連続して行い、か
つ、前記第2の焼結は、1170℃を超えない温度で行
われることを特徴とする焼結体の製造方法。
【0011】(2) 金属粉末の成形体を焼結すること
により、Feと、Coと、Vとを含むFe−Co−V系
合金の焼結体を製造する方法において、第1の焼結と、
該第1の焼結より高い温度での第2の焼結とを連続して
行い、かつ、前記第2の焼結は、1170℃を超えない
温度で行われることを特徴とする焼結体の製造方法。
により、Feと、Coと、Vとを含むFe−Co−V系
合金の焼結体を製造する方法において、第1の焼結と、
該第1の焼結より高い温度での第2の焼結とを連続して
行い、かつ、前記第2の焼結は、1170℃を超えない
温度で行われることを特徴とする焼結体の製造方法。
【0012】(3) 金属粉末の成形体を焼結すること
により、Feと、Co:15〜60wt%と、V:0.5
〜3.5wt%とを含むFe−Co−V系合金の焼結体を
製造する方法において、第1の焼結と、該第1の焼結よ
り高い温度での第2の焼結とを連続して行い、かつ、前
記第2の焼結は、1170℃を超えない温度で行われる
ことを特徴とする焼結体の製造方法。
により、Feと、Co:15〜60wt%と、V:0.5
〜3.5wt%とを含むFe−Co−V系合金の焼結体を
製造する方法において、第1の焼結と、該第1の焼結よ
り高い温度での第2の焼結とを連続して行い、かつ、前
記第2の焼結は、1170℃を超えない温度で行われる
ことを特徴とする焼結体の製造方法。
【0013】(4) 前記第1の焼結は、450℃以
上、700℃未満の温度で行われる上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
上、700℃未満の温度で行われる上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
【0014】(5) 前記第1の焼結における焼結雰囲
気は、水素または水素ガス分圧が25%以上の非酸化性
ガスである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の
焼結体の製造方法。
気は、水素または水素ガス分圧が25%以上の非酸化性
ガスである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の
焼結体の製造方法。
【0015】(6) 前記第2の焼結における焼結雰囲
気は、5×10-2 Torr 以下の減圧下または不活性ガス
である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の焼結
体の製造方法。
気は、5×10-2 Torr 以下の減圧下または不活性ガス
である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の焼結
体の製造方法。
【0016】(7) 前記第2の焼結における焼結雰囲
気は、最初に5×10-2 Torr 以下の減圧下とし、次い
で不活性ガスとする上記(1)ないし(5)のいずれか
に記載の焼結体の製造方法。
気は、最初に5×10-2 Torr 以下の減圧下とし、次い
で不活性ガスとする上記(1)ないし(5)のいずれか
に記載の焼結体の製造方法。
【0017】(8) 前記成形体は、金属粉末射出成形
法により製造されたものである上記(1)ないし(7)
のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
法により製造されたものである上記(1)ないし(7)
のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
【0018】(9) 前記第1の焼結と前記第2の焼結
を行うことにより、焼結体の平均結晶粒径を20μm 以
上、50μm 未満とする上記(1)ないし(8)のいず
れかに記載の焼結体の製造方法。
を行うことにより、焼結体の平均結晶粒径を20μm 以
上、50μm 未満とする上記(1)ないし(8)のいず
れかに記載の焼結体の製造方法。
【0019】(10) 前記第1の焼結と前記第2の焼結
を行うことにより、焼結体の空孔率を5%以下とする上
記(1)ないし(9)のいずれかに記載の焼結体の製造
方法。
を行うことにより、焼結体の空孔率を5%以下とする上
記(1)ないし(9)のいずれかに記載の焼結体の製造
方法。
【0020】(11) 前記第1の焼結と前記第2の焼結
を行うことにより、焼結体中の酸素(O)量を0.6wt
%以下、炭素(C)量を0.02wt%以下とする上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載の焼結体の製造方
法。
を行うことにより、焼結体中の酸素(O)量を0.6wt
%以下、炭素(C)量を0.02wt%以下とする上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載の焼結体の製造方
法。
【0021】(12) 上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載の焼結体の製造方法により製造された焼結体で
あって、焼結体の平均結晶粒径が20μm 以上、50μ
m 未満であることを特徴とする焼結体。
かに記載の焼結体の製造方法により製造された焼結体で
あって、焼結体の平均結晶粒径が20μm 以上、50μ
m 未満であることを特徴とする焼結体。
【0022】(13) 焼結体の空孔率が5%以下である
上記(12)に記載の焼結体。
上記(12)に記載の焼結体。
【0023】(14) 焼結体中の酸素(O)量が0.6
wt%以下、炭素(C)量が0.02wt%以下である上記
(12)または(13)に記載の焼結体。
wt%以下、炭素(C)量が0.02wt%以下である上記
(12)または(13)に記載の焼結体。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の焼結体およびその
製造方法について詳細に説明する。まず、焼結体の製造
方法について説明する。
製造方法について詳細に説明する。まず、焼結体の製造
方法について説明する。
【0025】[1]成形体の製造 焼結に供される成形体は、(A)金属粉末射出成形法
(MIM:Metal Injection Molding )、(B)圧粉成
形法のいずれの方法で成形されたものでもよい。なお、
金属粉末射出成形法は、複雑で微細な形状の焼結体を高
い寸法精度で製造することができる利点を有するので、
本発明を適用する上でその効果が有効に発揮され、好ま
しい。以下、各方法について順次説明する。
(MIM:Metal Injection Molding )、(B)圧粉成
形法のいずれの方法で成形されたものでもよい。なお、
金属粉末射出成形法は、複雑で微細な形状の焼結体を高
い寸法精度で製造することができる利点を有するので、
本発明を適用する上でその効果が有効に発揮され、好ま
しい。以下、各方法について順次説明する。
【0026】(A−1) 最終的に後述するような組成
が得られるような金属粉末と結合材(有機バインダー)
とを用意し、これらを混練機により混練し、混練物(コ
ンパウンド)を得る。
が得られるような金属粉末と結合材(有機バインダー)
とを用意し、これらを混練機により混練し、混練物(コ
ンパウンド)を得る。
【0027】Fe−Co系合金の焼結体を製造する場
合、金属粉末としては、Fe−Co系合金粉末、Fe粉
末とCo粉末の混合粉末、またはこれらを組み合わせた
ものを用いることができる。
合、金属粉末としては、Fe−Co系合金粉末、Fe粉
末とCo粉末の混合粉末、またはこれらを組み合わせた
ものを用いることができる。
【0028】Fe−Co−V系合金の焼結体を製造する
場合、金属粉末としては、Fe−Co−V系合金粉末、
Fe−Co系合金粉末とV粉末、Fe−V系合金粉末と
Co粉末、Fe粉末とCo−V系合金粉末、Fe粉末と
Co粉末とV粉末の混合粉末、またはこれらのうちのい
ずれか2以上を組み合わせたものを用いることができ
る。
場合、金属粉末としては、Fe−Co−V系合金粉末、
Fe−Co系合金粉末とV粉末、Fe−V系合金粉末と
Co粉末、Fe粉末とCo−V系合金粉末、Fe粉末と
Co粉末とV粉末の混合粉末、またはこれらのうちのい
ずれか2以上を組み合わせたものを用いることができ
る。
【0029】Fe、Co、V以外の添加元素としては、
例えば、P、Cu、Cr、Pd、Zr、Al、Mo、S
n、Ag、Ni、Ti、Mn、W、Nb等が挙げられ、
これらのうちの1種または2種以上を合金粉末または混
合粉末として添加することができる。
例えば、P、Cu、Cr、Pd、Zr、Al、Mo、S
n、Ag、Ni、Ti、Mn、W、Nb等が挙げられ、
これらのうちの1種または2種以上を合金粉末または混
合粉末として添加することができる。
【0030】金属粉末の製造方法は、特に限定されず、
例えばアトマイズ法、還元法、カルボニル法により製造
されたものを用いることができる。
例えばアトマイズ法、還元法、カルボニル法により製造
されたものを用いることができる。
【0031】このような金属粉末の平均粒径は、特に限
定されないが、通常、0.2〜200μm 程度が好まし
く、1〜50μm 程度(特にMIMの場合)がより好ま
しく、1〜30μm 程度がさらに好ましい。
定されないが、通常、0.2〜200μm 程度が好まし
く、1〜50μm 程度(特にMIMの場合)がより好ま
しく、1〜30μm 程度がさらに好ましい。
【0032】一方、結合材としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、
ポリビニルアルコール、またはこれらの共重合体等の各
種樹脂や、各種ワックス、パラフィン、高級脂肪酸
(例:ステアリン酸)、高級アルコール、高級脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられ、これらのうち
の1種または2種以上を混合して用いることができる。
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、
ポリビニルアルコール、またはこれらの共重合体等の各
種樹脂や、各種ワックス、パラフィン、高級脂肪酸
(例:ステアリン酸)、高級アルコール、高級脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられ、これらのうち
の1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0033】また、さらに可塑剤が添加されていてもよ
い。この可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル
(例:DOP、DEP、DBP)、アジピン酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、セバシン酸エステル等が
挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合し
て用いることができる。
い。この可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル
(例:DOP、DEP、DBP)、アジピン酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、セバシン酸エステル等が
挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合し
て用いることができる。
【0034】このような結合材の合計添加量は、4〜2
5wt%程度が好ましく、8〜15wt%程度がより好ま
しい。4wt%未満では、成形時における流動性が乏し
くなり、射出成形が不能または困難となるか、あるいは
成形物の組成が不均一となり、25wt%を超えると、射
出成形により得られた成形体を焼成した際の収縮率が増
大し、寸法精度が低下し、また、焼結体における空孔率
や含有C量が増大する傾向を示す。
5wt%程度が好ましく、8〜15wt%程度がより好ま
しい。4wt%未満では、成形時における流動性が乏し
くなり、射出成形が不能または困難となるか、あるいは
成形物の組成が不均一となり、25wt%を超えると、射
出成形により得られた成形体を焼成した際の収縮率が増
大し、寸法精度が低下し、また、焼結体における空孔率
や含有C量が増大する傾向を示す。
【0035】なお、混練に際しては、前記金属粉末、結
合材、可塑剤の他に、例えば、潤滑剤、酸化防止剤、脱
脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加
することができる。
合材、可塑剤の他に、例えば、潤滑剤、酸化防止剤、脱
脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加
することができる。
【0036】混練条件は、用いる金属粉末の粒径、結合
材、添加剤の組成およびその配合量等の諸条件により異
なるが、その一例を挙げれば、混練温度:常温〜200
℃程度、混練時間:20〜210分程度とすることがで
きる。
材、添加剤の組成およびその配合量等の諸条件により異
なるが、その一例を挙げれば、混練温度:常温〜200
℃程度、混練時間:20〜210分程度とすることがで
きる。
【0037】(A−2) 前記(A−1)の工程で得ら
れた混練物(または該混練物より造粒されたペレット)
を用いて、射出成形機により射出成形し、所望の形状の
成形体を製造する。この場合、成形金型の選択により、
複雑で微細な形状の成形体をも容易に製造することがで
きる。
れた混練物(または該混練物より造粒されたペレット)
を用いて、射出成形機により射出成形し、所望の形状の
成形体を製造する。この場合、成形金型の選択により、
複雑で微細な形状の成形体をも容易に製造することがで
きる。
【0038】射出成形の成形条件としては、用いる金属
粉末の粒径、結合材の組成およびその配合量等の諸条件
により異なるが、その一例を挙げれば、材料温度(金型
温度)が好ましくは80〜200℃程度、射出圧力が好
ましくは20〜150kgf/cm2 程度とされる。
粉末の粒径、結合材の組成およびその配合量等の諸条件
により異なるが、その一例を挙げれば、材料温度(金型
温度)が好ましくは80〜200℃程度、射出圧力が好
ましくは20〜150kgf/cm2 程度とされる。
【0039】(A−3) 前記(A−2)の工程で得ら
れた成形体に脱脂処理(脱バインダー処理)を施す。こ
の脱脂処理としては、非酸化性雰囲気、例えば真空また
は減圧状態下(例えば1×10-1〜1×10-6 Torr
)、あるいは窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス
中で、熱処理を行うことによりなされる。
れた成形体に脱脂処理(脱バインダー処理)を施す。こ
の脱脂処理としては、非酸化性雰囲気、例えば真空また
は減圧状態下(例えば1×10-1〜1×10-6 Torr
)、あるいは窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス
中で、熱処理を行うことによりなされる。
【0040】この場合、熱処理条件としては、好ましく
は温度50〜700℃程度で3〜72時間程度、より好
ましくは温度100〜550℃程度で6〜36時間程度
とされる。
は温度50〜700℃程度で3〜72時間程度、より好
ましくは温度100〜550℃程度で6〜36時間程度
とされる。
【0041】なお、この脱脂処理は、結合材や添加剤中
の特定成分を所定の溶媒(液体、気体)を用いて溶出さ
せることにより行ってもよい。
の特定成分を所定の溶媒(液体、気体)を用いて溶出さ
せることにより行ってもよい。
【0042】(B−1) 圧粉成形法の場合、前述した
金属粉末と、成形助剤等の添加剤とを均一に混合し、こ
の混合物を、加圧成形機の金型内に充填し、加圧成形す
る。これにより、所望形状の成形体を得る。
金属粉末と、成形助剤等の添加剤とを均一に混合し、こ
の混合物を、加圧成形機の金型内に充填し、加圧成形す
る。これにより、所望形状の成形体を得る。
【0043】成形助剤としては、例えば、各種ワック
ス、パラフィン、高級脂肪酸(例:ステアリン酸)等が
挙げられる。このような成形助剤の添加量は、例えば、
0.5〜5wt%程度とされる。
ス、パラフィン、高級脂肪酸(例:ステアリン酸)等が
挙げられる。このような成形助剤の添加量は、例えば、
0.5〜5wt%程度とされる。
【0044】また、加圧成形時の材料温度(金型温度)
は、好ましくは常温〜80℃程度、圧力は、好ましくは
20〜120kgf/cm2 程度とされる。
は、好ましくは常温〜80℃程度、圧力は、好ましくは
20〜120kgf/cm2 程度とされる。
【0045】(B−2) 必要に応じ、前記と同様の脱
脂処理を施す。
脂処理を施す。
【0046】[2]成形体の焼結 以上のようにして得られた成形体を焼結炉で焼成して焼
結し、金属焼結体を製造する。本発明において、焼結
は、少なくとも2段階で、すなわち、第1の焼結と第2
の焼結とを行う。以下、順次説明する。
結し、金属焼結体を製造する。本発明において、焼結
は、少なくとも2段階で、すなわち、第1の焼結と第2
の焼結とを行う。以下、順次説明する。
【0047】1.第1の焼結 第1の焼結は、予備焼結と考えることもでき、その焼結
温度は、特に限定されないが、好ましくは450℃以
上、700℃未満、より好ましくは500〜650℃程
度とされる。焼結温度が450℃未満であると、焼結時
間を長くしないと脱炭が不十分となり、また、700℃
以上であると、残留炭素量が多くなり、製品の特性を低
下させることとなる。
温度は、特に限定されないが、好ましくは450℃以
上、700℃未満、より好ましくは500〜650℃程
度とされる。焼結温度が450℃未満であると、焼結時
間を長くしないと脱炭が不十分となり、また、700℃
以上であると、残留炭素量が多くなり、製品の特性を低
下させることとなる。
【0048】前記焼結温度とした場合の焼結時間は、好
ましくは5〜24時間程度、より好ましくは6〜15時
間程度とされる。
ましくは5〜24時間程度、より好ましくは6〜15時
間程度とされる。
【0049】また、焼結雰囲気は、水素または水素ガス
分圧が25%以上(より好ましくは40%以上)の非酸
化性ガスであるのが好ましい。焼結雰囲気が水素を含有
することにより、水素が成形体中に残存する結合材等の
炭素分を炭水化物の形で除去し、炭素の残存量を低減す
ることができるからである。この段階で、例えば、炭素
(C)の残存量を0.04wt%以下とすることができ
る。
分圧が25%以上(より好ましくは40%以上)の非酸
化性ガスであるのが好ましい。焼結雰囲気が水素を含有
することにより、水素が成形体中に残存する結合材等の
炭素分を炭水化物の形で除去し、炭素の残存量を低減す
ることができるからである。この段階で、例えば、炭素
(C)の残存量を0.04wt%以下とすることができ
る。
【0050】なお、前記非酸化性ガス中の水素以外の成
分は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスが挙げら
れる。
分は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスが挙げら
れる。
【0051】2.第2の焼結 第2の焼結は、第1の焼結の焼結温度より高い温度で行
われる。この場合、焼結温度は、1170℃を超えない
温度とされる。すなわち、焼結温度は、経時的に変動
(上昇または下降)してもよいが、その最高温度が11
70℃を超えてはならない。この焼結温度は、高いほど
焼結時間の短縮にとって有利であるが、その反面、焼結
体の結晶粒の粗大化を招く。従って、焼結温度が117
0℃を超えると、焼結体の平均結晶粒径を50μm 未満
とすることが困難となり、焼結体の機械加工性の低下を
もたらす。
われる。この場合、焼結温度は、1170℃を超えない
温度とされる。すなわち、焼結温度は、経時的に変動
(上昇または下降)してもよいが、その最高温度が11
70℃を超えてはならない。この焼結温度は、高いほど
焼結時間の短縮にとって有利であるが、その反面、焼結
体の結晶粒の粗大化を招く。従って、焼結温度が117
0℃を超えると、焼結体の平均結晶粒径を50μm 未満
とすることが困難となり、焼結体の機械加工性の低下を
もたらす。
【0052】なお、第2の焼結における焼結温度の下限
(冷却時、アニール時の温度を除く)は、特に限定され
ないが、1000℃程度が好ましく、1050℃程度が
より好ましい。1000℃未満であると、焼結時間が長
くなるからである。
(冷却時、アニール時の温度を除く)は、特に限定され
ないが、1000℃程度が好ましく、1050℃程度が
より好ましい。1000℃未満であると、焼結時間が長
くなるからである。
【0053】前記焼結温度とした場合の焼結時間は、好
ましくは1〜10時間程度、より好ましくは2〜8時間
程度とされる。
ましくは1〜10時間程度、より好ましくは2〜8時間
程度とされる。
【0054】また、焼結雰囲気は、5×10-2 Torr 以
下(より好ましくは1×10-2〜1×10-6 Torr )の
減圧(真空)下、または窒素ガス、アルゴンガス等の不
活性ガスであるのが好ましい。また、焼結雰囲気は、途
中で変更(入れ替え)されてもよく、特に、最初に5×
10-2 Torr 以下(より好ましくは1×10-2〜1×1
0-6 Torr )の減圧(真空)下とし、次いで前記のよう
な不活性ガスとするのが好ましい。
下(より好ましくは1×10-2〜1×10-6 Torr )の
減圧(真空)下、または窒素ガス、アルゴンガス等の不
活性ガスであるのが好ましい。また、焼結雰囲気は、途
中で変更(入れ替え)されてもよく、特に、最初に5×
10-2 Torr 以下(より好ましくは1×10-2〜1×1
0-6 Torr )の減圧(真空)下とし、次いで前記のよう
な不活性ガスとするのが好ましい。
【0055】このような焼結雰囲気の下で前記焼結条件
により焼結を行うことにより、残存する炭素と酸素とが
結合し、炭酸ガスとして排出、除去され、その結果、焼
結体中の炭素量および酸素量は、後述するような低値と
なる。
により焼結を行うことにより、残存する炭素と酸素とが
結合し、炭酸ガスとして排出、除去され、その結果、焼
結体中の炭素量および酸素量は、後述するような低値と
なる。
【0056】以上のような第2の焼結は、前記第1の焼
結に連続して行われる。ここで、「連続して」とは、第
1の焼結と第2の焼結との間に、例えば炉内温度を50
%以上下げる、長時間休止(放置)する、焼結炉を開放
して炉内に空気を導入する、第1の焼結後の半焼結物を
一旦炉外へ出す等の工程が介在しないことを言う。
結に連続して行われる。ここで、「連続して」とは、第
1の焼結と第2の焼結との間に、例えば炉内温度を50
%以上下げる、長時間休止(放置)する、焼結炉を開放
して炉内に空気を導入する、第1の焼結後の半焼結物を
一旦炉外へ出す等の工程が介在しないことを言う。
【0057】例えば、焼結炉の開放等により第1の焼結
後の半焼結物が空気中の酸素に触れると、その酸素が半
焼結物に付着し、酸素過剰の状態となる。この状態で第
2の焼結を行った場合、1170℃以下の焼結温度で所
定の高密度(低空孔率)を得、かつ低酸素量、低炭素量
とすることは困難である。すなわち、従来のように、焼
結温度を1300〜1400℃程度にしなければならな
くなる。しかし、この場合には、焼結体の結晶粒が50
μm 以上と粗大化し、前述したような悪影響が生じる。
後の半焼結物が空気中の酸素に触れると、その酸素が半
焼結物に付着し、酸素過剰の状態となる。この状態で第
2の焼結を行った場合、1170℃以下の焼結温度で所
定の高密度(低空孔率)を得、かつ低酸素量、低炭素量
とすることは困難である。すなわち、従来のように、焼
結温度を1300〜1400℃程度にしなければならな
くなる。しかし、この場合には、焼結体の結晶粒が50
μm 以上と粗大化し、前述したような悪影響が生じる。
【0058】したがって、本発明では、第1の焼結後の
半焼結物を、酸素付着量を過剰に増大させることなく、
そのままの状態で第2の焼結に供することにより、焼結
効率を向上し、低温かつ短時間の焼結でも、最終的な酸
素量、炭素量を後述するような低い値に抑えることが可
能となった。
半焼結物を、酸素付着量を過剰に増大させることなく、
そのままの状態で第2の焼結に供することにより、焼結
効率を向上し、低温かつ短時間の焼結でも、最終的な酸
素量、炭素量を後述するような低い値に抑えることが可
能となった。
【0059】なお、本発明の焼結体の製造方法におい
て、少なくとも第1の焼結および第2の焼結が行われれ
ばよく、これら以外の他の工程が含まれていてもよい。
て、少なくとも第1の焼結および第2の焼結が行われれ
ばよく、これら以外の他の工程が含まれていてもよい。
【0060】以上のようにして製造された本発明の焼結
体は、次のような特徴を有する。
体は、次のような特徴を有する。
【0061】焼結体の組成は、Feと、Coとを含むF
e−Co系合金、あるいは、Feと、Coと、Vとを含
むFe−Co−V系合金である。Vを含有することによ
り、一次加工性および二次加工性が向上するとともに、
電気抵抗が高くなり、うず電流の発生および発熱の抑制
に寄与する。
e−Co系合金、あるいは、Feと、Coと、Vとを含
むFe−Co−V系合金である。Vを含有することによ
り、一次加工性および二次加工性が向上するとともに、
電気抵抗が高くなり、うず電流の発生および発熱の抑制
に寄与する。
【0062】Fe−Co系合金の場合、Coの含有量
は、好ましくは15〜60wt%程度、より好ましくは4
5〜55wt%程度とされる。
は、好ましくは15〜60wt%程度、より好ましくは4
5〜55wt%程度とされる。
【0063】また、Fe−Co−V系合金の場合、Co
の含有量は、好ましくは15〜60wt%程度、より好ま
しくは45〜55wt%程度とされ、Vの含有量は、0.
5〜3.5wt%程度、より好ましくは1〜3wt%程度と
される。
の含有量は、好ましくは15〜60wt%程度、より好ま
しくは45〜55wt%程度とされ、Vの含有量は、0.
5〜3.5wt%程度、より好ましくは1〜3wt%程度と
される。
【0064】Coの含有量が15wt%未満かまたは60
wt%を超えると、飽和磁束密度の向上効果が小さい。ま
た、Vの含有量が0.5wt%未満であると、前記Vの添
加による加工性の向上や電気抵抗の改善効果が少なく、
また、3.5wt%を超えると、磁気特性が著しく低下す
る。
wt%を超えると、飽和磁束密度の向上効果が小さい。ま
た、Vの含有量が0.5wt%未満であると、前記Vの添
加による加工性の向上や電気抵抗の改善効果が少なく、
また、3.5wt%を超えると、磁気特性が著しく低下す
る。
【0065】また、本発明の焼結体は、前述したような
各種添加元素を1種または2種以上含んでいてもよい。
各種添加元素を1種または2種以上含んでいてもよい。
【0066】また、焼結体の平均結晶粒径は、20μm
以上、50μm 未満であるのが好ましく、25〜45μ
m 程度であるのがより好ましい。焼結体の平均結晶粒径
が20μm 未満であると、磁気特性の低下が生じ、ま
た、50μm 以上であると、結晶粒の粗大化により、焼
結体の機械加工性(二次加工の加工性)が劣る。
以上、50μm 未満であるのが好ましく、25〜45μ
m 程度であるのがより好ましい。焼結体の平均結晶粒径
が20μm 未満であると、磁気特性の低下が生じ、ま
た、50μm 以上であると、結晶粒の粗大化により、焼
結体の機械加工性(二次加工の加工性)が劣る。
【0067】また、焼結体の空孔率は、5%以下である
のが好ましく、3.5%以下であるのがより好ましく、
2.5%以下であるのがさらに好ましい。空孔率が5%
を超えると、焼結体の機械的強度が低下するとともに、
磁気特性も低下する。
のが好ましく、3.5%以下であるのがより好ましく、
2.5%以下であるのがさらに好ましい。空孔率が5%
を超えると、焼結体の機械的強度が低下するとともに、
磁気特性も低下する。
【0068】また、焼結体中の酸素(O)量は、0.6
wt%以下であるのが好ましく、0.4wt%以下であるの
がより好ましい。また、焼結体中の炭素(C)量は、
0.02wt%以下であるのが好ましく、0.015wt%
以下であるのがより好ましい。
wt%以下であるのが好ましく、0.4wt%以下であるの
がより好ましい。また、焼結体中の炭素(C)量は、
0.02wt%以下であるのが好ましく、0.015wt%
以下であるのがより好ましい。
【0069】酸素量が0.6wt%を超え、または炭素量
が0.02wt%を超えると、最大透磁率が低下し、保磁
力が増大するため、軟磁性材料として使用した場合に、
磁気特性が低い。
が0.02wt%を超えると、最大透磁率が低下し、保磁
力が増大するため、軟磁性材料として使用した場合に、
磁気特性が低い。
【0070】以上のように、本発明の焼結体は、高品
質、すなわち高強度、高硬度で、O、C等の含有量も低
く、また、形状も均一で(バラツキがなく)、寸法精度
も高いものである。
質、すなわち高強度、高硬度で、O、C等の含有量も低
く、また、形状も均一で(バラツキがなく)、寸法精度
も高いものである。
【0071】本発明の焼結体は、前述したように、優れ
た磁気特性を有することから、軟磁性材料として、例え
ば、モータのコアやヨーク、プリンタヘッドヨーク、受
話器用振動板、CD用レンズアクチュエーターヨーク等
の磁気製品への利用に好適であるが、その用途は、この
ような軟磁性材料として用いる場合に限定されないこと
は言うまでもない。
た磁気特性を有することから、軟磁性材料として、例え
ば、モータのコアやヨーク、プリンタヘッドヨーク、受
話器用振動板、CD用レンズアクチュエーターヨーク等
の磁気製品への利用に好適であるが、その用途は、この
ような軟磁性材料として用いる場合に限定されないこと
は言うまでもない。
【0072】
【実施例】次に、本発明の焼結体の製造方法の具体的実
施例について説明する。
施例について説明する。
【0073】(実施例1〜5)平均粒径2μm のCo
粉、平均粒径3.2μm カルボニル鉄粉および平均粒径
5μm のFe−V合金粉を、表1に示す最終組成となる
ように混合し、さらにこの金属粉末に、ポリエチレン
(熱可塑性樹脂):5wt%およびワックス:5wt%から
構成される結合材と、ジブチルフタレート(可塑剤):
2wt%とを混合し、これらを混練機にて110℃、2時
間の条件で混練した。
粉、平均粒径3.2μm カルボニル鉄粉および平均粒径
5μm のFe−V合金粉を、表1に示す最終組成となる
ように混合し、さらにこの金属粉末に、ポリエチレン
(熱可塑性樹脂):5wt%およびワックス:5wt%から
構成される結合材と、ジブチルフタレート(可塑剤):
2wt%とを混合し、これらを混練機にて110℃、2時
間の条件で混練した。
【0074】次に、この混練物を用い、射出成形機にて
金属粉末射出成形し、焼結上がりで外径30mm、内径2
0mm、厚さ3mmとなるようなリング形状の成形体を製造
した。なお、成形体の寸法は、焼結による収縮を考慮し
て、前記焼結上がりの寸法より大きい。射出成形時にお
ける成形条件は、金型温度25℃、射出圧力50kgf/cm
2 であった。
金属粉末射出成形し、焼結上がりで外径30mm、内径2
0mm、厚さ3mmとなるようなリング形状の成形体を製造
した。なお、成形体の寸法は、焼結による収縮を考慮し
て、前記焼結上がりの寸法より大きい。射出成形時にお
ける成形条件は、金型温度25℃、射出圧力50kgf/cm
2 であった。
【0075】次に、得られた成形体に対し、450℃の
窒素ガス雰囲気中で24時間脱脂した。脱脂後の成形体
中のC量およびO量を表1に示す。
窒素ガス雰囲気中で24時間脱脂した。脱脂後の成形体
中のC量およびO量を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】次に、得られた成形体(それぞれ約8kg)
をそれぞれ、1つの焼結炉で焼結して、焼結体を製造し
た。この焼結は、次の2段階(第1の焼結、第2の焼
結)で行い、第1の焼結と第2の焼結とは、同一焼結炉
で連続して行った。焼結温度の経時変化は、図1のグラ
フに示す通りである。
をそれぞれ、1つの焼結炉で焼結して、焼結体を製造し
た。この焼結は、次の2段階(第1の焼結、第2の焼
結)で行い、第1の焼結と第2の焼結とは、同一焼結炉
で連続して行った。焼結温度の経時変化は、図1のグラ
フに示す通りである。
【0078】1.第1の焼結 焼結温度(図1中の温度A):表2に示す。
【0079】焼結時間:図1に示す。
【0080】焼結雰囲気:水素ガス 2.第2の焼結 焼結温度(図1中の温度B):表2に示す。
【0081】焼結時間:図1に示す。
【0082】焼結雰囲気:前半は真空(1×10-3Tor
r)、後半はアルゴンガス (実施例6)第1の焼結の際の焼結雰囲気を、水素ガス
分圧40%、アルゴンガス分圧60%の非酸化性ガスと
し、その他の焼結条件を表2に示す通りとした以外は実
施例1と同様とした。
r)、後半はアルゴンガス (実施例6)第1の焼結の際の焼結雰囲気を、水素ガス
分圧40%、アルゴンガス分圧60%の非酸化性ガスと
し、その他の焼結条件を表2に示す通りとした以外は実
施例1と同様とした。
【0083】(実施例7)第1の焼結の際の焼結雰囲気
を、水素ガス分圧70%、窒素ガス分圧30%の非酸化
性ガスとし、その他の焼結条件を表2に示す通りとした
以外は実施例3と同様とした。
を、水素ガス分圧70%、窒素ガス分圧30%の非酸化
性ガスとし、その他の焼結条件を表2に示す通りとした
以外は実施例3と同様とした。
【0084】(実施例8)表1に示す最終組成となるよ
うな実施例1と同様の金属粉末と、ステアリン酸(成形
助剤):1wt%とを均一に混合し、この混合物を加圧成
形機の金型内に充填し、圧粉成形して、焼結上がりで外
径30mm、内径20mm、厚さ3mmとなるようなリング形
状の成形体を製造した。なお、成形は、常温、成形圧7
5kgf/cm2で行った。
うな実施例1と同様の金属粉末と、ステアリン酸(成形
助剤):1wt%とを均一に混合し、この混合物を加圧成
形機の金型内に充填し、圧粉成形して、焼結上がりで外
径30mm、内径20mm、厚さ3mmとなるようなリング形
状の成形体を製造した。なお、成形は、常温、成形圧7
5kgf/cm2で行った。
【0085】(比較例1)成形体の焼結を図2のグラフ
に示すパターンで次のようにして行った以外は、実施例
2と同様にした。
に示すパターンで次のようにして行った以外は、実施例
2と同様にした。
【0086】成形体(それぞれ約8kg)をまず予備焼結
炉で予備焼結し、次いで、予備焼結炉から本焼結炉へ搬
送して本焼結を行った。予備焼結における焼結雰囲気
は、水素ガスとし、本焼結における焼結雰囲気は、前半
が真空(1×10-3Torr)、後半がアルゴンガスとし
た。その他の焼結条件は、図2および表2に示す通りで
ある。
炉で予備焼結し、次いで、予備焼結炉から本焼結炉へ搬
送して本焼結を行った。予備焼結における焼結雰囲気
は、水素ガスとし、本焼結における焼結雰囲気は、前半
が真空(1×10-3Torr)、後半がアルゴンガスとし
た。その他の焼結条件は、図2および表2に示す通りで
ある。
【0087】それぞれ、1つの焼結炉で焼結して、焼結
体を製造した。この焼結は、次の2段階(第1の焼結、
第2の焼結)で行い、第1の焼結と第2の焼結とは、同
一焼結炉で連続して行った。焼結温度の経時変化は、図
1のグラフに示す通りである。
体を製造した。この焼結は、次の2段階(第1の焼結、
第2の焼結)で行い、第1の焼結と第2の焼結とは、同
一焼結炉で連続して行った。焼結温度の経時変化は、図
1のグラフに示す通りである。
【0088】(比較例2)成形体の焼結を図2のグラフ
に示すパターンで比較例1と同様にして行った以外は、
実施例2と同様にした。
に示すパターンで比較例1と同様にして行った以外は、
実施例2と同様にした。
【0089】前記実施例1〜8、比較例1、2で得られ
たリング状の焼結体について、空孔率、含有するC量、
O量および平均結晶粒径を分析・測定するとともに、機
械加工性を調べた。これらの結果を下記表2に示す。
たリング状の焼結体について、空孔率、含有するC量、
O量および平均結晶粒径を分析・測定するとともに、機
械加工性を調べた。これらの結果を下記表2に示す。
【0090】なお、平均結晶粒径は、各焼結体サンプル
の切断面を研磨、エッチングし、光学顕微鏡(倍率:4
00倍)にて写真を撮影し、この写真より測定した。
の切断面を研磨、エッチングし、光学顕微鏡(倍率:4
00倍)にて写真を撮影し、この写真より測定した。
【0091】また、機械加工性は、各焼結体サンプルの
表面にラッピング研磨(二次加工)を行い、研磨面エッ
ジ部のバリの発生量と加工のし易さとを総合的に評価
し、バリの発生量が少なくかつ加工がし易かったものか
ら順に、◎、○、△、×の4段階で評価した。
表面にラッピング研磨(二次加工)を行い、研磨面エッ
ジ部のバリの発生量と加工のし易さとを総合的に評価
し、バリの発生量が少なくかつ加工がし易かったものか
ら順に、◎、○、△、×の4段階で評価した。
【0092】
【表2】
【0093】表2、図1、図2に示すように、実施例1
〜8では、いずれも、第2の焼結における焼結温度が低
く、短時間で焼結体の製造が可能であった。この焼結温
度に関しては、比較例1、2に比べ、200℃以上も低
いため、焼結炉や焼結治具への負担が大幅に低減され
た。また、製造時間の短縮(約半分)により、生産性の
向上も図れる。
〜8では、いずれも、第2の焼結における焼結温度が低
く、短時間で焼結体の製造が可能であった。この焼結温
度に関しては、比較例1、2に比べ、200℃以上も低
いため、焼結炉や焼結治具への負担が大幅に低減され
た。また、製造時間の短縮(約半分)により、生産性の
向上も図れる。
【0094】また、実施例1〜8では、いずれも、比較
例1、2に比べ、含有するC量、O量が低減しており、
特に、O量の低減は著しい(比較例に比べ、0.1wt%
程度減少)。また、比較例1、2と同等の低空孔率を達
成しており、機械的強度も十分に確保されていると言え
る。
例1、2に比べ、含有するC量、O量が低減しており、
特に、O量の低減は著しい(比較例に比べ、0.1wt%
程度減少)。また、比較例1、2と同等の低空孔率を達
成しており、機械的強度も十分に確保されていると言え
る。
【0095】さらに、実施例1〜8では、いずれも、平
均結晶粒径が50μm 未満であり、結晶粒径が小さいた
め、機械加工性に優れている。
均結晶粒径が50μm 未満であり、結晶粒径が小さいた
め、機械加工性に優れている。
【0096】これに対し、比較例1、2では、焼結温度
が高く、焼結体の製造時間も長いので、焼結炉や焼結治
具への負担が大きく、生産性も低い。さらに、焼結温度
が高い(1350〜1380℃)ために、結晶粒の粗大
化が生じ、すなわち平均結晶粒径が65μm 以上とな
り、その結果、機械加工性が劣っている。
が高く、焼結体の製造時間も長いので、焼結炉や焼結治
具への負担が大きく、生産性も低い。さらに、焼結温度
が高い(1350〜1380℃)ために、結晶粒の粗大
化が生じ、すなわち平均結晶粒径が65μm 以上とな
り、その結果、機械加工性が劣っている。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、低
温、短時間で焼結を行うことができ、よって、焼結炉や
焼結治具への負担が少なく、焼結のための消費エネルギ
ーも少なく、また、生産性も高く、製造コストの低減が
図れる。
温、短時間で焼結を行うことができ、よって、焼結炉や
焼結治具への負担が少なく、焼結のための消費エネルギ
ーも少なく、また、生産性も高く、製造コストの低減が
図れる。
【0098】低C量、低O量、低空孔率である高品質な
焼結体が提供され、特に、焼結温度が低いため、結晶粒
径が小さく、これにより、機械加工性が向上する。
焼結体が提供され、特に、焼結温度が低いため、結晶粒
径が小さく、これにより、機械加工性が向上する。
【0099】この焼結体への機械加工性の向上は、例え
ば金属粉末射出成形法による成形体を焼結する場合のよ
うに、複雑で微細な形状の焼結体製品を高い寸法精度で
製造する場合に、特に有利である。
ば金属粉末射出成形法による成形体を焼結する場合のよ
うに、複雑で微細な形状の焼結体製品を高い寸法精度で
製造する場合に、特に有利である。
【図1】本発明の実施例における焼結時の温度変化を示
すグラフである。
すグラフである。
【図2】比較例における焼結時の温度変化を示すグラフ
である。
である。
Claims (14)
- 【請求項1】 金属粉末の成形体を焼結することによ
り、Feと、Coとを含むFe−Co系合金の焼結体を
製造する方法において、 第1の焼結と、該第1の焼結より高い温度での第2の焼
結とを連続して行い、かつ、前記第2の焼結は、117
0℃を超えない温度で行われることを特徴とする焼結体
の製造方法。 - 【請求項2】 金属粉末の成形体を焼結することによ
り、Feと、Coと、Vとを含むFe−Co−V系合金
の焼結体を製造する方法において、 第1の焼結と、該第1の焼結より高い温度での第2の焼
結とを連続して行い、かつ、前記第2の焼結は、117
0℃を超えない温度で行われることを特徴とする焼結体
の製造方法。 - 【請求項3】 金属粉末の成形体を焼結することによ
り、Feと、Co:15〜60wt%と、V:0.5〜
3.5wt%とを含むFe−Co−V系合金の焼結体を製
造する方法において、 第1の焼結と、該第1の焼結より高い温度での第2の焼
結とを連続して行い、かつ、前記第2の焼結は、117
0℃を超えない温度で行われることを特徴とする焼結体
の製造方法。 - 【請求項4】 前記第1の焼結は、450℃以上、70
0℃未満の温度で行われる請求項1ないし3のいずれか
に記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 前記第1の焼結における焼結雰囲気は、
水素または水素ガス分圧が25%以上の非酸化性ガスで
ある請求項1ないし4のいずれかに記載の焼結体の製造
方法。 - 【請求項6】 前記第2の焼結における焼結雰囲気は、
5×10-2 Torr 以下の減圧下または不活性ガスである
請求項1ないし5のいずれかに記載の焼結体の製造方
法。 - 【請求項7】 前記第2の焼結における焼結雰囲気は、
最初に5×10-2 Torr 以下の減圧下とし、次いで不活
性ガスとする請求項1ないし5のいずれかに記載の焼結
体の製造方法。 - 【請求項8】 前記成形体は、金属粉末射出成形法によ
り製造されたものである請求項1ないし7のいずれかに
記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項9】 前記第1の焼結と前記第2の焼結を行う
ことにより、焼結体の平均結晶粒径を20μm 以上、5
0μm 未満とする請求項1ないし8のいずれかに記載の
焼結体の製造方法。 - 【請求項10】 前記第1の焼結と前記第2の焼結を行
うことにより、焼結体の空孔率を5%以下とする請求項
1ないし9のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項11】 前記第1の焼結と前記第2の焼結を行
うことにより、焼結体中の酸素(O)量を0.6wt%以
下、炭素(C)量を0.02wt%以下とする請求項1な
いし10のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項12】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
焼結体の製造方法により製造された焼結体であって、 焼結体の平均結晶粒径が20μm 以上、50μm 未満で
あることを特徴とする焼結体。 - 【請求項13】 焼結体の空孔率が5%以下である請求
項12に記載の焼結体。 - 【請求項14】 焼結体中の酸素(O)量が0.6wt%
以下、炭素(C)量が0.02wt%以下である請求項1
2または13に記載の焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16499396A JPH108170A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 焼結体の製造方法および焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16499396A JPH108170A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 焼結体の製造方法および焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108170A true JPH108170A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15803811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16499396A Withdrawn JPH108170A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 焼結体の製造方法および焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH108170A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189631A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Tohno Seimitsu Co Ltd | インサート成形品及びインサート成形品の製造方法 |
JP2013021228A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Denso Corp | 軟磁性焼結材料 |
-
1996
- 1996-06-25 JP JP16499396A patent/JPH108170A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011189631A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Tohno Seimitsu Co Ltd | インサート成形品及びインサート成形品の製造方法 |
JP2013021228A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Denso Corp | 軟磁性焼結材料 |
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