JPH1081370A - 収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物を箱に収納して運搬するに際し、経費
の大幅削減を可能とする為に使用する気密袋の温度変化
による膨らみや萎みの体積の変動を吸収補填して箱の破
壊や収容物の損壊を防止する為のものである。 【構成】 柔軟な合成樹脂製の気密袋であり、該気密袋
にはエァー注出可能の栓を設けると共に、箱内面と気密
袋の間にスプリングで構成された緩衝体を積層し、温度
変化による気密袋の膨らみや萎みの体積の変動を吸収．
補填出来るようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】物品を収納したのち、気密袋にエ
ァーを充填して物品を把握して固定させる箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】物品の形態及び大きさは、まちまちであ
り、その物品が一種類で多数量の場合はその物品の形状
に合わせ無駄の無い大きさの容器を使用する事が可能で
あるが、多種小量の場合、収納せんとする容器の大きさ
は数種に限定されるから、必ずしも全ての物品に適応す
るものでない。従って収容物の保護の為挿入する緩衝材
は膨大な数量を必要とし、且つ、物品の形態及び大きさ
は、まちまちであるから、空間を埋める為に細かい緩衝
材料を袋に入れたものを使用している。この方法は緩衝
材を挿入するだけであるから、内部の収納物は移動し易
いので収納物同士が接触しないようにする為緩衝材を多
く入れることとなる。又これの保管及び運送経費等は膨
大であり、使用後の廃棄処分に要する費用も大きな負担
となり、更に大気汚染防止の為焼却処分も侭ならないの
が現状である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】その為緩衝材に替わる
ものとして気密袋の使用が試みられている。気密袋は使
用前は単なるフィルム状であり、使用後エァーを抜けば
フィルム状となるから従来の緩衝材と比し、保管及び運
送経費等０と等しく、反復使用出来るし、最後の焼却時
にも単なる１枚の袋であるから公害発生の憂いは無く、
従来の緩衝材とは比較にならない効果を有するのであ
る。然し乍ら気密袋の欠点として見逃せない問題は温度
の上昇下降及び気圧変化による体積の変動である。気密
袋の使用が一定場所で短時間の場合は温度変化による影
響は少ないが、遠隔地間の輸送や長期間保管の場合等に
外気温度の変化が激しい場合や、気圧が変化により膨
張．収縮を起こす。気密袋のエァー充填は外側が箱の内
面に密着し、内側は収納物を覆い包むように密着して固
定されるから、膨張を起こすと箱や収納物に必要以上の
圧力が掛かり箱や収納物を破壊することとなる。収縮す
ると固定圧が甘くなり、収納物同士がぶつかり合い壊れ
たりする。気密袋を形成しているフィルムは当然ガスバ
リア性が高い材質のものを採用するがガスバリア１００
％のものは無く若干の通気性があるから、長時間経過す
る固定圧が甘くなる憂いが有る。これ等の要因が価値有
る気密袋の巾広い使用を阻んでいるのである。本発明は
温度の上昇下降による体積の変化が生じても固定圧を一
定に保つ収納箱を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】本発明に係る収納箱を使用
するに当たり気密袋に注入するエァーの量は一定圧を掛
け、空間を十分埋め且つ収容物を覆って完全に固定させ
るから、容積の許容範囲に余裕が少ない。然し乍ら充填
された気密袋は温度変化により、膨張．収縮を起こすか
ら、膨張によってケースを壊したり、収縮により固定圧
が甘くなって収納物が飛び出したり壊れたりするのであ
り、本発明は膨張．収縮から起こされるこれ等の欠点を
カバーする為に、箱の内面とボードの間にスプリングを
挟んだ緩衝部を設け、ボードの内面側に気密袋を積層す
る事により、該緩衝部に気密袋の膨張．収縮率を吸収．
補填させるようにしたのである。

【０００５】

【作用】気密袋に充填されたエァーの膨張．収縮率は試
験結果により、圧力１気圧、気温２０℃を基準とした場
合、気温が１℃の上昇．下降で、体積は０．３３２％の
膨張．収縮をする。夏期や冬期の輸送中、一番苛酷な条
件を考慮して、夏期の外気温が３０℃、荷物室の温度を
６０℃にした場合、膨張率は９．９６％となり、冬期の
積載場所の気温が１５℃、荷到着場所の温度を−２０℃
にした場合、収縮率は１１．６２％となるから、余裕を
見て１５％の膨張．収縮率を吸収出来る高さのスプリン
グを組み込んだ固定圧調整部に気密袋を積層してあるか
ら、固定圧調整部は上記の条件での温度変化による膨
張．収縮量を吸収．補填する事となる。

【０００６】

【実施例】図に基づいて説明すれば、箱（１）の天井下
面（２）又は側面内側（３）に複数個のスプリング
（４）を内部に向け突出するように取り付け、箱の天井
下面（２）又は側面（３）の寸法より若干小さ目のボー
ド（５）をボード（５）がスプリング（４）の先端を覆
うよう取り付けて固定圧調整部（６）を形成している。
ボード（５）の内面側には柔軟な合成樹脂フィルムで形
成された気密袋（７）を脱着自在に積層し、該気密袋
（７）の一箇所には、エァー注出可能の栓（８）を設け
る。発明者は実施例に於いてスプリング（４）にコイル
スプリングを用いたが、特に限定するものでなく、圧
縮．復元可能であれば板バネであってもよい。発明者は
過去に固定圧調整部に圧縮．復元可能な発泡体を使用し
たものも申請に及んでいる。又エァー注出可能の栓
（８）には逆止弁を採用したが、注出可能の栓であれば
必ずしも逆止弁でなくともよいのは勿論である。これ
は、エァー注入に際し注入完了後エァーノズルを抜けば
直ちに逆止弁が作用して閉鎖されることと、充填量の調
節するためのストロー等の使用を可能にしたものであ
る。（９）は排出栓であって注出用の栓（８）が有れば
必ずしも必要としないが、早急の排出を望む場合は排出
栓（９）が有れば早期排出が可能となる。気密袋（７）
の奥行き幅と横幅は収納物（１０）が収納された箱の奥
行き寸法と横幅寸法より、膨らんだ時の詰まりを見て大
き目の寸法とし、エァーの充填量は半分程度で固定出来
るようにするのが望ましい。エァー充填完了時の固定圧
調整部（６）のスプリング（４）がエァー充填前の高さ
の半分程度の高さに圧縮された状態とする。従って温度
変化による膨張．収縮には余裕を見て１５％の膨張．収
縮率を吸収出来る高さのスプリングを内蔵した固定圧調
整部（６）に積層してあるから、固定圧調整部（６）は
上記の条件での温度変化による膨張．収縮量を吸収．補
填する事となり、膨張によるの箱（１）の破壊や収縮に
る収納物（１０）の壊れの憂いはない。

【０００７】

【発明の効果】エァーの充填圧は０．２Ｋｇｆ／ｃｍ^２
（ｇ）程度であるから、圧力ゲージに頼っても微妙に変
化して、調整が難しいのであって、不特定多数の現場作
業員には無理である。本発明に係るエァーパットのエァ
ー充填量の目安を、固定圧調整部の高さが半分程度に潰
される程度とし、視覚で確認出来るようにしたから気密
袋の欠点である温度による膨張．収縮に対し、余裕のあ
るコントロールが出来るようにし、微妙で難しいエァー
の充填量も説明不足の作業員にも安心して任せる事が出
来る様にしたものである。且つ、０００３ の項で述べ
たように保管．運送費及び廃棄処分．その他の経費等大
幅な削減が出来るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の一実施例を示すエァー充填前の状態
を模式的に表わす正面図、

【図２】は図１のエァー充填後の把握固定状態を模式的
に表わす正面図、

【図３】は本発明の他の実施例を示すエァー充填後の把
握固定状態を模式的に表わす正面図、

【図４】は図１の円内を示す拡大図である。

【符号の説明】

１…箱 ６…固定圧調整部 ２…天井下面 ７…気密袋 ３…側面 ８…エァー注出可能の栓 ４…スプリング ９…排出栓 ５…ボード １０…収容物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】収納箱の天井下面又は側面内壁に複数個の
   スプリングを内部に向け突出するように取り付け、収納
   箱の天井下面又は側面の寸法より若干小さ目のボード
   を、ボードがスプリングの先端を覆うよう取り付け、ボ
   ードの内面側には柔軟な合成樹脂フィルムで形成された
   気密袋を脱着自在に積層し、該気密袋の一箇所には、エ
   ァー注出可能の栓を設けた事を特徴とする収納箱。