JPH1080467A - 医療用物品 - Google Patents
医療用物品Info
- Publication number
- JPH1080467A JPH1080467A JP9165928A JP16592897A JPH1080467A JP H1080467 A JPH1080467 A JP H1080467A JP 9165928 A JP9165928 A JP 9165928A JP 16592897 A JP16592897 A JP 16592897A JP H1080467 A JPH1080467 A JP H1080467A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catheter
- acid
- antimicrobial agent
- medical article
- salt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M25/00—Catheters; Hollow probes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L29/00—Materials for catheters, medical tubing, cannulae, or endoscopes or for coating catheters
- A61L29/14—Materials characterised by their function or physical properties, e.g. lubricating compositions
- A61L29/16—Biologically active materials, e.g. therapeutic substances
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2300/00—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
- A61L2300/20—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices containing or releasing organic materials
- A61L2300/204—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices containing or releasing organic materials with nitrogen-containing functional groups, e.g. aminoxides, nitriles, guanidines
- A61L2300/208—Quaternary ammonium compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2300/00—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
- A61L2300/20—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices containing or releasing organic materials
- A61L2300/21—Acids
- A61L2300/214—Amino acids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2300/00—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
- A61L2300/40—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
- A61L2300/404—Biocides, antimicrobial agents, antiseptic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2300/00—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
- A61L2300/40—Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
- A61L2300/45—Mixtures of two or more drugs, e.g. synergistic mixtures
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Oncology (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Anesthesiology (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Hematology (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療用物品、とくに人間または動物への流体の
投与を意図するカテーテルのような物品の抗菌剤処理を
提供する。 【解決手段】医療用物品、とくに中心静脈カテーテル
は、アミノ酸または他のアミン置換有機酸の第四級アン
モニウム塩以外の第四級化合物を含む第1の医療上許容
しうる抗菌剤およびアミノ酸または他のアミン置換有機
酸もしくは該アミノ酸または該他のアミン置換有機酸の
酸付加塩を含む第2の医療上許容しうる抗菌剤を放出可
能なように含む。該第1抗菌剤は好ましくはベンザルコ
ニウムクロリドであり該第2抗菌剤は好ましくはL−ア
ルギニンまたはL−アルギニン塩酸塩である。
投与を意図するカテーテルのような物品の抗菌剤処理を
提供する。 【解決手段】医療用物品、とくに中心静脈カテーテル
は、アミノ酸または他のアミン置換有機酸の第四級アン
モニウム塩以外の第四級化合物を含む第1の医療上許容
しうる抗菌剤およびアミノ酸または他のアミン置換有機
酸もしくは該アミノ酸または該他のアミン置換有機酸の
酸付加塩を含む第2の医療上許容しうる抗菌剤を放出可
能なように含む。該第1抗菌剤は好ましくはベンザルコ
ニウムクロリドであり該第2抗菌剤は好ましくはL−ア
ルギニンまたはL−アルギニン塩酸塩である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用物品、とくに
人間または動物への流体の投与を意図するカテーテルの
ような物品に関する。
人間または動物への流体の投与を意図するカテーテルの
ような物品に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】カテ
ーテル、とくに中心静脈カテーテルは医療に広く用いら
れ、その臨床的用途には中心静脈圧観察、薬剤投与、流
体交換および総体的な非経口栄養補給がある。遺憾なこ
とに、このようなカテーテルはカテーテル挿入時に関連
する初期および後期の発症感染を含む多くの合併症に結
び付く。得られる感染は局部的な血栓静脈炎から敗血症
までさまざまであり、静脈へのカニューレ挿入のかなり
の部分を難しくする静脈治療の危険性は挿入部位に限定
される場合もあれば、敗血症の例のように全身的である
場合もある。生物がカテーテルの血管内の部分に接近す
ることができる4つの経路がある。該経路は、血行によ
ってひろがるかまたは汚染滲出物による血管外、血管内
の経路であり、これら経路の内前の2つが支配的であ
る。カテーテル敗血症に関連する生物の主要源は皮膚の
挿入部位およびカテーテルのハブである。
ーテル、とくに中心静脈カテーテルは医療に広く用いら
れ、その臨床的用途には中心静脈圧観察、薬剤投与、流
体交換および総体的な非経口栄養補給がある。遺憾なこ
とに、このようなカテーテルはカテーテル挿入時に関連
する初期および後期の発症感染を含む多くの合併症に結
び付く。得られる感染は局部的な血栓静脈炎から敗血症
までさまざまであり、静脈へのカニューレ挿入のかなり
の部分を難しくする静脈治療の危険性は挿入部位に限定
される場合もあれば、敗血症の例のように全身的である
場合もある。生物がカテーテルの血管内の部分に接近す
ることができる4つの経路がある。該経路は、血行によ
ってひろがるかまたは汚染滲出物による血管外、血管内
の経路であり、これら経路の内前の2つが支配的であ
る。カテーテル敗血症に関連する生物の主要源は皮膚の
挿入部位およびカテーテルのハブである。
【0003】多くの細菌種および真菌種がカテーテル敗
血症に関係する。中心静脈カテーテルに関する感染にも
っとも一般的に関係する細菌はコアグラーゼー陰性ブド
ウ球菌、とくにStaphylococcus epi
dermisである。該細菌は、血管に埋め込まれる装
置と結び付けて考えた場合、日和見病原菌と認められて
いるグラム陽性皮膚共生寄生体である。しかし、グラム
陰性細菌も、患者のカテーテル法に起因する少なからぬ
ケースの敗血症と結びつけて考えられる。
血症に関係する。中心静脈カテーテルに関する感染にも
っとも一般的に関係する細菌はコアグラーゼー陰性ブド
ウ球菌、とくにStaphylococcus epi
dermisである。該細菌は、血管に埋め込まれる装
置と結び付けて考えた場合、日和見病原菌と認められて
いるグラム陽性皮膚共生寄生体である。しかし、グラム
陰性細菌も、患者のカテーテル法に起因する少なからぬ
ケースの敗血症と結びつけて考えられる。
【0004】したがって中心静脈カテーテルの表面に抗
菌剤を塗布することが提案されている。EP−A−52
0 160によれば、この抗菌剤はベンザルコニウムハ
ライド(好ましくはベンザルコニウムクロリド)であ
る。他の第四級アンモニウム化合物も抗菌作用を有する
ことが知られている。ベンザルコニウムクロリドは親水
性で、主にグラム陽性球菌(たとえばStaphylo
coccus aureus)に対し、また多少はグラ
ム陰性細菌およびCandida albicansに
対して生体外で活性を示す。ベンザルコニウムクロリド
は高分子の中心静脈カテーテルに含有させるのに適する
抗菌剤である。というのは日常的に感染の治療に用いら
れていないからである(しかもWOA−95/3041
4ではコンタクトレンズ貯蔵用のレンズ保存液にベンザ
ルコニウムクロリドを入れることは提案されていない。
酸性または中性アミノ酸は該液中に抗菌活性を高めるた
めに用いることもでき、また塩基生アミノ酸は該液中に
刺激を軽減するために用いることもできる)。したがっ
て、抵抗力のある生物の考えられる出現がカテーテルの
医療上の利用を将来難しくすることはありそうにない。
さらにベンザルコニウムクロリドは幅広い抗菌スペクト
ルを示し、少なくとも7日間までは体外のカテーテル中
で活性を保持することができ、また局部的にも全身的に
も毒性がない。
菌剤を塗布することが提案されている。EP−A−52
0 160によれば、この抗菌剤はベンザルコニウムハ
ライド(好ましくはベンザルコニウムクロリド)であ
る。他の第四級アンモニウム化合物も抗菌作用を有する
ことが知られている。ベンザルコニウムクロリドは親水
性で、主にグラム陽性球菌(たとえばStaphylo
coccus aureus)に対し、また多少はグラ
ム陰性細菌およびCandida albicansに
対して生体外で活性を示す。ベンザルコニウムクロリド
は高分子の中心静脈カテーテルに含有させるのに適する
抗菌剤である。というのは日常的に感染の治療に用いら
れていないからである(しかもWOA−95/3041
4ではコンタクトレンズ貯蔵用のレンズ保存液にベンザ
ルコニウムクロリドを入れることは提案されていない。
酸性または中性アミノ酸は該液中に抗菌活性を高めるた
めに用いることもでき、また塩基生アミノ酸は該液中に
刺激を軽減するために用いることもできる)。したがっ
て、抵抗力のある生物の考えられる出現がカテーテルの
医療上の利用を将来難しくすることはありそうにない。
さらにベンザルコニウムクロリドは幅広い抗菌スペクト
ルを示し、少なくとも7日間までは体外のカテーテル中
で活性を保持することができ、また局部的にも全身的に
も毒性がない。
【0005】しかしベンザルコニウムクロリドおよび他
の第四級アンモニウム抗菌剤には2つの欠点がある。第
1に、グラム陰性細菌Pseudomonas Aer
uginosaに対するその活性が、とくに、中心静脈
カテーテルに容易に含有させることができる濃度では不
十分である。第2に、ヒトの血しょうが存在するとその
活性が著しく低下する。実際に、ヒトの血しょうの25
%溶液が存在すると活性が16分の1低下することが認
められている。したがってベンザルコニウムクロリドは
体外よりも体内の方が効果的でない。
の第四級アンモニウム抗菌剤には2つの欠点がある。第
1に、グラム陰性細菌Pseudomonas Aer
uginosaに対するその活性が、とくに、中心静脈
カテーテルに容易に含有させることができる濃度では不
十分である。第2に、ヒトの血しょうが存在するとその
活性が著しく低下する。実際に、ヒトの血しょうの25
%溶液が存在すると活性が16分の1低下することが認
められている。したがってベンザルコニウムクロリドは
体外よりも体内の方が効果的でない。
【0006】本発明の目的は前記の欠点を軽減すること
ができる医療用物品を提供することにある。
ができる医療用物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、アミノ
酸または他のアミン置換有機酸の第四級アンモニウム塩
以外の第四級アンモニウム化合物を含む第1の医療上許
容しうる抗菌剤、およびアミノ酸または他のアミン置換
有機酸もしくは該アミノ酸または該他のアミン置換有機
酸の酸付加塩を含む第2の医療上許容しうる抗菌剤を放
出可能なように含む医療用物品が提供される。
酸または他のアミン置換有機酸の第四級アンモニウム塩
以外の第四級アンモニウム化合物を含む第1の医療上許
容しうる抗菌剤、およびアミノ酸または他のアミン置換
有機酸もしくは該アミノ酸または該他のアミン置換有機
酸の酸付加塩を含む第2の医療上許容しうる抗菌剤を放
出可能なように含む医療用物品が提供される。
【0008】この医療用物品はプラスチック材料の部材
を含むのが好ましい。該医療用物品は、治療上人間もし
くは動物への流体の投与または人間もしくは動物からの
体液の排出に用いるのに適する少なくとも1つの通路を
有するのが好ましい。したがってこの医療用物品はカニ
ューレ、またはカテーテル、とくに中心静脈カテーテ
ル、または使用時にカテーテルもしくはカニューレに付
随させることができるとりわけプラスチック材料製の装
置、たとえばLuerロックであることができる。
を含むのが好ましい。該医療用物品は、治療上人間もし
くは動物への流体の投与または人間もしくは動物からの
体液の排出に用いるのに適する少なくとも1つの通路を
有するのが好ましい。したがってこの医療用物品はカニ
ューレ、またはカテーテル、とくに中心静脈カテーテ
ル、または使用時にカテーテルもしくはカニューレに付
随させることができるとりわけプラスチック材料製の装
置、たとえばLuerロックであることができる。
【0009】このプラスチック材料は医療上許容しうる
熱可塑性ポリウレタンが好ましい。医療上許容しうる好
ましいポリウレタンの例は、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコールジフェニルメタンジイソシアナート(「M
DI」)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールトル
エンジイソシアナート(「TDI」)、ポリ(1,4−
オキシブチレン)グリコールジフェニルメタンジイソシ
アナート、ポリプロビレングリコールトルエンジイソシ
アナート、ポリエチレンアジペートジフェニルメタンジ
イソシアナート、およびポリエチレンポリプロピレンア
ジペートイソホロンイソシアナートポリウレタン類等な
らびにこれらの混合物である。とりわけ好ましい医療上
許容しうるポリウレタンはメチレンビス(p−フェニル
イソシアナート)ポリテトラメチレングリコール類と
1,4−ブタンジオールから合成される1種のポリエー
テルポリウレタンで、Dow Chemical Co
mpanyから市販されているPELLETHANE
(登録商標)シリーズ2363ポリウレタンである。
熱可塑性ポリウレタンが好ましい。医療上許容しうる好
ましいポリウレタンの例は、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコールジフェニルメタンジイソシアナート(「M
DI」)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールトル
エンジイソシアナート(「TDI」)、ポリ(1,4−
オキシブチレン)グリコールジフェニルメタンジイソシ
アナート、ポリプロビレングリコールトルエンジイソシ
アナート、ポリエチレンアジペートジフェニルメタンジ
イソシアナート、およびポリエチレンポリプロピレンア
ジペートイソホロンイソシアナートポリウレタン類等な
らびにこれらの混合物である。とりわけ好ましい医療上
許容しうるポリウレタンはメチレンビス(p−フェニル
イソシアナート)ポリテトラメチレングリコール類と
1,4−ブタンジオールから合成される1種のポリエー
テルポリウレタンで、Dow Chemical Co
mpanyから市販されているPELLETHANE
(登録商標)シリーズ2363ポリウレタンである。
【0010】このポリウレタンや他のプラスチック部材
は、体液に触れると滑らかになる親水層を含むコーティ
ングを有するのが好ましい。この層は、N−ビニルラク
タム、たとえばN−ビニルピロリドン、N−ビニルブチ
ロラクタム、N−ビニルカプロラクタムの医療上許容し
うるホモポリマーまたはコポリマーもしくは該ホモポリ
マーまたはコポリマーの2種以上の混合物を有するのが
好ましい。好ましいN−ビニルラクタムポリマーは重量
平均分子量が1,000,000から1,200,00
0の範囲のポリビニルピロリドン(PVP)ホモポリマ
ーである。
は、体液に触れると滑らかになる親水層を含むコーティ
ングを有するのが好ましい。この層は、N−ビニルラク
タム、たとえばN−ビニルピロリドン、N−ビニルブチ
ロラクタム、N−ビニルカプロラクタムの医療上許容し
うるホモポリマーまたはコポリマーもしくは該ホモポリ
マーまたはコポリマーの2種以上の混合物を有するのが
好ましい。好ましいN−ビニルラクタムポリマーは重量
平均分子量が1,000,000から1,200,00
0の範囲のポリビニルピロリドン(PVP)ホモポリマ
ーである。
【0011】この層は、1ないし10重量%、好ましく
は2.5ないし5重量%のN−ビニルラクタムポリマー
を含む適当な有機溶剤の溶液をプラスチック部材に適用
することによってつくるのが好ましい。この溶剤はメチ
ルエチルケトン、エチルラクテートおよびトリクロロエ
チレンの混合物が好ましい。このプラスチック部材は、
浸漬または吹付のような通常の方法によって該溶液と接
触させることができる。過剰のコーティング液は除去
し、塗布したプラスチック部材は、残留溶剤を追い出す
ために高温のオーブンで乾燥する。
は2.5ないし5重量%のN−ビニルラクタムポリマー
を含む適当な有機溶剤の溶液をプラスチック部材に適用
することによってつくるのが好ましい。この溶剤はメチ
ルエチルケトン、エチルラクテートおよびトリクロロエ
チレンの混合物が好ましい。このプラスチック部材は、
浸漬または吹付のような通常の方法によって該溶液と接
触させることができる。過剰のコーティング液は除去
し、塗布したプラスチック部材は、残留溶剤を追い出す
ために高温のオーブンで乾燥する。
【0012】プラスチック部材に抗菌剤を含有させる種
々の方法がある。たとえば一方または両方の抗菌剤を、
選んだモノマーと重合前に混合することができる。得ら
れたポリマーは重合中かその後に所望の形状に成形す
る。他の例では、一方または両方の抗菌剤を選んだポリ
マーと硬化前に混合する。さらに別の例では、一方また
は両方の抗菌剤を選んだポリマーと混合し、押出して好
きな医療用物品をつくる。種々の量の抗菌剤を含有する
種々のポリマー混合物を用いることにより、同時押出法
によって、種々の抗菌剤または種々の濃度の抗菌剤を含
有する複数の層を有するカテーテルのような成形医療用
物品をつくることができる。概して、抗菌剤とくにベン
ザルコニウムハライドは必要な高温および高圧に曝すと
劣化を生じることがあるので前記の例はすべて好ましい
ものではない。
々の方法がある。たとえば一方または両方の抗菌剤を、
選んだモノマーと重合前に混合することができる。得ら
れたポリマーは重合中かその後に所望の形状に成形す
る。他の例では、一方または両方の抗菌剤を選んだポリ
マーと硬化前に混合する。さらに別の例では、一方また
は両方の抗菌剤を選んだポリマーと混合し、押出して好
きな医療用物品をつくる。種々の量の抗菌剤を含有する
種々のポリマー混合物を用いることにより、同時押出法
によって、種々の抗菌剤または種々の濃度の抗菌剤を含
有する複数の層を有するカテーテルのような成形医療用
物品をつくることができる。概して、抗菌剤とくにベン
ザルコニウムハライドは必要な高温および高圧に曝すと
劣化を生じることがあるので前記の例はすべて好ましい
ものではない。
【0013】また適用前の一方または両方の抗菌剤をプ
ラスチック部材に、体液に触れると滑らかになる層をコ
ーティングとして適用することもできる。このような例
は、プラスチック部材と、体液に触れると滑らかになる
コーティングとの結合が、抗菌剤の存在によって弱めら
れる場合があるので、これも好ましくない。
ラスチック部材に、体液に触れると滑らかになる層をコ
ーティングとして適用することもできる。このような例
は、プラスチック部材と、体液に触れると滑らかになる
コーティングとの結合が、抗菌剤の存在によって弱めら
れる場合があるので、これも好ましくない。
【0014】したがって、塗布プラスチック部材に第1
および第2の抗菌剤を含浸させるのが好ましい。抗菌剤
は、プラスチック部材またはその選んだ少なくとも一部
分を第1および第2抗菌剤の溶液に浸漬し、カテーテル
を該溶液から取り出して、カテーテルを乾燥することに
よって適用するのが好ましい。この溶液は水性が好まし
い。該溶液は、典型的には、合計で1から10重量%、
より典型的には2から5重量%の抗菌剤を含有する。典
型的には浸漬時間は5から60秒間である。これらパラ
メータの好ましい値は塗布する部材の大きさおよびプラ
スチック部材に付加するのが望ましい各抗菌剤の量によ
って決まり、たとえば中心静脈カテーテルの場合に、カ
テーテルの単位長さ当りの抗菌剤の重量が少な過ぎると
体内で抗菌剤を放出する速度が臨床的に有効であるには
低過ぎることがあるが、カテーテルの単位長さ当りの抗
菌剤の重量が多過ぎると、抗菌剤の放出速度が、軽度の
溶血のような有害な薬剤効果を生じるほど高い場合があ
ることを心に留めておく必要がある。この範囲内では、
体内で溶血を生じることなく効果的な速度で抗菌剤を放
出することができる抗菌性カテーテルとすることができ
るように、コーティング時間や含浸液の濃度を容易に選
ぶことができるだけの適応性がある。
および第2の抗菌剤を含浸させるのが好ましい。抗菌剤
は、プラスチック部材またはその選んだ少なくとも一部
分を第1および第2抗菌剤の溶液に浸漬し、カテーテル
を該溶液から取り出して、カテーテルを乾燥することに
よって適用するのが好ましい。この溶液は水性が好まし
い。該溶液は、典型的には、合計で1から10重量%、
より典型的には2から5重量%の抗菌剤を含有する。典
型的には浸漬時間は5から60秒間である。これらパラ
メータの好ましい値は塗布する部材の大きさおよびプラ
スチック部材に付加するのが望ましい各抗菌剤の量によ
って決まり、たとえば中心静脈カテーテルの場合に、カ
テーテルの単位長さ当りの抗菌剤の重量が少な過ぎると
体内で抗菌剤を放出する速度が臨床的に有効であるには
低過ぎることがあるが、カテーテルの単位長さ当りの抗
菌剤の重量が多過ぎると、抗菌剤の放出速度が、軽度の
溶血のような有害な薬剤効果を生じるほど高い場合があ
ることを心に留めておく必要がある。この範囲内では、
体内で溶血を生じることなく効果的な速度で抗菌剤を放
出することができる抗菌性カテーテルとすることができ
るように、コーティング時間や含浸液の濃度を容易に選
ぶことができるだけの適応性がある。
【0015】あるいはまた、完成プラスチック部材に、
先ず一方の抗菌剤を含浸させ、次に他の抗菌剤を含浸さ
せることもできる。典型的には第1の抗菌剤を最初に適
用する。抗菌剤の含浸後、プラスチック部材を湿潤雰囲
気中で70℃までの温度で乾燥するのが好ましい。内面
のみならず外面からもプラスチック部材に第1および第
2抗菌剤を含浸させるのが好ましい。第1および第2抗
菌剤を含む含浸溶液は、使用時に患者に挿入するカテー
テルの長さ(すなわち末端)までおよびカテーテルハブ
に適用することがとくに重要である。
先ず一方の抗菌剤を含浸させ、次に他の抗菌剤を含浸さ
せることもできる。典型的には第1の抗菌剤を最初に適
用する。抗菌剤の含浸後、プラスチック部材を湿潤雰囲
気中で70℃までの温度で乾燥するのが好ましい。内面
のみならず外面からもプラスチック部材に第1および第
2抗菌剤を含浸させるのが好ましい。第1および第2抗
菌剤を含む含浸溶液は、使用時に患者に挿入するカテー
テルの長さ(すなわち末端)までおよびカテーテルハブ
に適用することがとくに重要である。
【0016】第1の抗菌剤は、抗菌作用を有することが
公知の第四級アンモニウム化合物(アミノ酸や他のアミ
ン置換有機酸の第四級塩以外の)であることができる。
このような第四級アンモニウム化合物には、セチルジメ
チルエチルアンモニウムハライド、とくにセチルジメチ
ルエチルアンモニウムブロミド、およびヘキサデシルト
リメチルアンモニウムハライド、とくにヘキサデシルト
リメチルアンモニウムブロミド、およびベンゼトニウム
ハライド、とくにベンゼトニウムクロリドがある。しか
し、好ましい第1の抗菌剤は、好ましくは式(1)の1
種以上の医療上許容しうる無置換ベンザルコニウム塩で
ある。
公知の第四級アンモニウム化合物(アミノ酸や他のアミ
ン置換有機酸の第四級塩以外の)であることができる。
このような第四級アンモニウム化合物には、セチルジメ
チルエチルアンモニウムハライド、とくにセチルジメチ
ルエチルアンモニウムブロミド、およびヘキサデシルト
リメチルアンモニウムハライド、とくにヘキサデシルト
リメチルアンモニウムブロミド、およびベンゼトニウム
ハライド、とくにベンゼトニウムクロリドがある。しか
し、好ましい第1の抗菌剤は、好ましくは式(1)の1
種以上の医療上許容しうる無置換ベンザルコニウム塩で
ある。
【0017】式1 〔C6 H5 CH2 N (CH3 )2 Cn H2n+1+ 〕+ X-
(式中、nは8から18の整数、Xは医療上許容しうる
アニオン、好ましくはハライド、より好ましくはクロリ
ドである。)式1による好ましいベンザルコニウムハラ
イドはテトラデシルジメチルベンジルアンモニウムハラ
イド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムハラ
イド、およびオクタデシルジメチルベンジルアンモニウ
ムハライド、とくにそのクロリドを含む。
(式中、nは8から18の整数、Xは医療上許容しうる
アニオン、好ましくはハライド、より好ましくはクロリ
ドである。)式1による好ましいベンザルコニウムハラ
イドはテトラデシルジメチルベンジルアンモニウムハラ
イド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムハラ
イド、およびオクタデシルジメチルベンジルアンモニウ
ムハライド、とくにそのクロリドを含む。
【0018】あるいはまた、必要ならば、第1のベンジ
ル基は1種以上の置換基を含有することができる。たと
えば、該ゼンザルコニウム塩はアルキルジメチルジクロ
ロベンジルアンモニウム塩、とくにアルキルジメチルジ
クロロベンジルアンモニウムハライドであることができ
る。
ル基は1種以上の置換基を含有することができる。たと
えば、該ゼンザルコニウム塩はアルキルジメチルジクロ
ロベンジルアンモニウム塩、とくにアルキルジメチルジ
クロロベンジルアンモニウムハライドであることができ
る。
【0019】第2の抗菌剤は、塩基性アミノ酸または医
療上許容しうるその付加塩を含むのが好ましい。適当な
塩基性アミノ酸はリジン(lysine)、アルギニン
(arginine)、ヒドロキシリジン(hydro
xylysine)、オルニチン(ornithin
e)およびヒスチジン(histidine)を含む。
アルギニンおよび医療上許容しうるその付加塩(たとえ
ばハライド)がとくに好ましい。
療上許容しうるその付加塩を含むのが好ましい。適当な
塩基性アミノ酸はリジン(lysine)、アルギニン
(arginine)、ヒドロキシリジン(hydro
xylysine)、オルニチン(ornithin
e)およびヒスチジン(histidine)を含む。
アルギニンおよび医療上許容しうるその付加塩(たとえ
ばハライド)がとくに好ましい。
【0020】第2の抗菌剤は、代りにまたはさらに中性
アミノ酸または医療上許容しうるその酸付加塩を含むこ
とができる。適当な中性アミノ酸はグリシン(glyc
ine)、アルシニン(alcinine)、バリン
(valine)、ロイシン(leucine)、イソ
ロイシン(isoleucine)、メチオニン(me
thionine)、プロリン(proline)、ヒ
ドロキシプロリン(hydroxyproline)、
アスパラギン(asparagine)、グルタミン
(glutamine)、フェニルアラニン(phen
ylalanine)、チロシン(tyrosin
e)、トリプトファン(tryptophan)、セリ
ン(serine)およびトレオニン(threoni
ne)を含む。
アミノ酸または医療上許容しうるその酸付加塩を含むこ
とができる。適当な中性アミノ酸はグリシン(glyc
ine)、アルシニン(alcinine)、バリン
(valine)、ロイシン(leucine)、イソ
ロイシン(isoleucine)、メチオニン(me
thionine)、プロリン(proline)、ヒ
ドロキシプロリン(hydroxyproline)、
アスパラギン(asparagine)、グルタミン
(glutamine)、フェニルアラニン(phen
ylalanine)、チロシン(tyrosin
e)、トリプトファン(tryptophan)、セリ
ン(serine)およびトレオニン(threoni
ne)を含む。
【0021】第2の抗菌剤は、代りにまたはさらにアミ
ン置換酢酸、酒石酸、シュウ酸、またはクエン酸、もし
くは医療上許容しうるその付加塩を含むことができる。
たとえば、第2の抗菌剤はエチレンジアミン四酢酸(E
DTA)塩、とくにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ムを含むことができる。
ン置換酢酸、酒石酸、シュウ酸、またはクエン酸、もし
くは医療上許容しうるその付加塩を含むことができる。
たとえば、第2の抗菌剤はエチレンジアミン四酢酸(E
DTA)塩、とくにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ムを含むことができる。
【0022】第2の抗菌剤を含有する含浸溶液はpHが
好ましくは7.0から9.5の範囲、より好ましくは
7.5から9.5の範囲である。必要ならば、pHを所
望の値に保つように、含浸溶液に適当な緩衝剤を加える
ことができる。
好ましくは7.0から9.5の範囲、より好ましくは
7.5から9.5の範囲である。必要ならば、pHを所
望の値に保つように、含浸溶液に適当な緩衝剤を加える
ことができる。
【0023】第2の抗菌剤は、第1の抗菌剤のグラム陽
性のみならずグラム陰性細菌に対する生体外の有効性を
高めることが見出された。さらに、第2の抗菌剤はま
た、ヒトの血しょうが存在するとグラム陰性細菌に対す
る第1の抗菌剤の有効性を高めることも見出された。実
際に、グラム陽性のみならずグラム陰性細菌に対する有
効な予防法を与えるという点で、第1および第2抗菌剤
の相乗的相互作用は、本発明による医療用物品、とくに
中心静脈カテーテルを臨床的に用いてとくに効果的なも
のとする。
性のみならずグラム陰性細菌に対する生体外の有効性を
高めることが見出された。さらに、第2の抗菌剤はま
た、ヒトの血しょうが存在するとグラム陰性細菌に対す
る第1の抗菌剤の有効性を高めることも見出された。実
際に、グラム陽性のみならずグラム陰性細菌に対する有
効な予防法を与えるという点で、第1および第2抗菌剤
の相乗的相互作用は、本発明による医療用物品、とくに
中心静脈カテーテルを臨床的に用いてとくに効果的なも
のとする。
【0024】
【実施例】さて、本発明を次の実施例によってさらに深
く説明する。
く説明する。
【0025】実施例1 下記の実験では対照品のそれぞれ2cmの18本の親水
性ポリビニルピロリドン(PVP)ホモポリマーコーテ
ィングを施したポリウレタン製市販中心静脈カテーテル
およびさらにそれぞれ2cmの18本の同じ中心静脈カ
テーテルではあるか式: 〔C6 H5 - CH2-NR. (CH3 )2 〕+ Cl- (式中、ベンザルコニウムクロリドのRの50重量%が
C12H25基、30重量%がC14H29基、17重量%がC
16H33基、および3重量%がC18H37基であった)の市
販ベンザルコニウムクロリド組成物を含浸させたコーテ
ィングを有する中心静脈カテーテルを使用した。
性ポリビニルピロリドン(PVP)ホモポリマーコーテ
ィングを施したポリウレタン製市販中心静脈カテーテル
およびさらにそれぞれ2cmの18本の同じ中心静脈カ
テーテルではあるか式: 〔C6 H5 - CH2-NR. (CH3 )2 〕+ Cl- (式中、ベンザルコニウムクロリドのRの50重量%が
C12H25基、30重量%がC14H29基、17重量%がC
16H33基、および3重量%がC18H37基であった)の市
販ベンザルコニウムクロリド組成物を含浸させたコーテ
ィングを有する中心静脈カテーテルを使用した。
【0026】各実験では3本のカテーテルをPseud
omonas aeruginosa含有(5×105
cfu/ml)栄養ブロス中に垂直に懸垂した。37
℃、1時間の培養後、それぞれのカテーテルを取り出し
てリン酸塩緩衝食塩水中で8回洗った。この洗浄ではカ
テーテルに付着していない細菌を除去した。次に各カテ
ーテルを栄養ブロス中に再懸垂した。実施例の半分で
は、ブロスは0.5重量%のL−アルギニンを含有し
た。他の半分ではブロスはL−アルギニンを含まなかっ
た。37℃、3時間の培養後、カテーテルを取り出して
リン酸塩緩衝食塩水中で8回洗った。CLED(シスチ
ン−ラクトーゼ−電解質不足)、寒天板の表面全体に各
カテーテルを3回転がすことによってカテーテル表面に
残留する生物数を調べた。37℃、24時間の培養後コ
ロニーの数を数えた。
omonas aeruginosa含有(5×105
cfu/ml)栄養ブロス中に垂直に懸垂した。37
℃、1時間の培養後、それぞれのカテーテルを取り出し
てリン酸塩緩衝食塩水中で8回洗った。この洗浄ではカ
テーテルに付着していない細菌を除去した。次に各カテ
ーテルを栄養ブロス中に再懸垂した。実施例の半分で
は、ブロスは0.5重量%のL−アルギニンを含有し
た。他の半分ではブロスはL−アルギニンを含まなかっ
た。37℃、3時間の培養後、カテーテルを取り出して
リン酸塩緩衝食塩水中で8回洗った。CLED(シスチ
ン−ラクトーゼ−電解質不足)、寒天板の表面全体に各
カテーテルを3回転がすことによってカテーテル表面に
残留する生物数を調べた。37℃、24時間の培養後コ
ロニーの数を数えた。
【0027】それぞれ4組の実験を行った。 a)アルギニンを含まないブロス中の対照カテーテル b)アルギニン含有ブロス中の対照カテーテル c)アルギニンを含まないブロス中の含浸カテーテル d)アルギニン含有ブロス中の含浸カテーテル 3本のカテーテルを用いて各組の実験を行い、さらに2
回繰返した。表1に示す結果が得られた。
回繰返した。表1に示す結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】この結果は、ベンザルコニウムクロリド単
独(実験bと実験aを比較)のみならずL−アルギニン
単独(実験cと実験aを比較)も、Pseudomon
asaeruginosaに対していくらかの抗菌効果
を示すが、この2つの抗菌剤を組合わせると実質的に強
力な効果を有することを示す(実験dと他の実験を比
較)。
独(実験bと実験aを比較)のみならずL−アルギニン
単独(実験cと実験aを比較)も、Pseudomon
asaeruginosaに対していくらかの抗菌効果
を示すが、この2つの抗菌剤を組合わせると実質的に強
力な効果を有することを示す(実験dと他の実験を比
較)。
【0030】アルギニンを含まないブロスのpHは7.
5でアルギニン含有ブロスのpHは9.4であった。
5でアルギニン含有ブロスのpHは9.4であった。
【0031】実施例2 Pseudomonas aeruginosa に対す
るベンザルコニウムクロリド(BZC)の最小発育阻止
濃度(MIC)に及ぼすL−アルギニンの影響を標準細
菌学的方法を用いて検討した。MICは生体外の細菌生
育を阻止するのに必要な抗菌剤の最小濃度である。結果
を下記表2に示す。
るベンザルコニウムクロリド(BZC)の最小発育阻止
濃度(MIC)に及ぼすL−アルギニンの影響を標準細
菌学的方法を用いて検討した。MICは生体外の細菌生
育を阻止するのに必要な抗菌剤の最小濃度である。結果
を下記表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2において、BZCへの付加は、BZC
溶液中のアルギニンの重量パーセントによって示す。
溶液中のアルギニンの重量パーセントによって示す。
【0034】表2の結果は、L−アルギニンとベンザル
コニウムクロリドとの組合せがPseudomonas
aeruginosaに対してとくに有効であること
を示す。
コニウムクロリドとの組合せがPseudomonas
aeruginosaに対してとくに有効であること
を示す。
【0035】実施例3 Staphylococcus epidermidi
s に対するベンザルコニウムクロリド(BZC)の最小
発育阻止濃度(MIC)に及ぼすL−アルギニンの影響
を標準細菌学的方法を用いて検討した。結果を下記表3
に示す。
s に対するベンザルコニウムクロリド(BZC)の最小
発育阻止濃度(MIC)に及ぼすL−アルギニンの影響
を標準細菌学的方法を用いて検討した。結果を下記表3
に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3において、BZCへの付加はアルギニ
ン溶液中のアルギニンの重量パーセントによって示す。
ン溶液中のアルギニンの重量パーセントによって示す。
【0038】表3の結果は、Staphylococc
us epidermis(主要グラム陽性細菌)に対
してベンザルコニウムクロリドと組合わせたL−アルギ
ニンがとくに有効であることを示す。
us epidermis(主要グラム陽性細菌)に対
してベンザルコニウムクロリドと組合わせたL−アルギ
ニンがとくに有効であることを示す。
【0039】実施例4 25容量%のヒトの血しょうがある場合とない場合にお
いて、標準倍加ブロス希釈ミクロタイタープレート法に
よってPseudomonas aeruginosa
に対するBZCおよびL−アルギニン塩酸塩の最小発育
阻止濃度(MIC)および最小細菌濃度(MBC)を調
べた。MBCは細菌の99.9%を死滅させる抗菌剤の
最小濃度である。ある実験では細菌のプランクトン的成
育があり、他の実験では、選択した抗菌剤の存在下でヒ
トの血しょうを存在させ、またはさせずに培養する前に
一定期間(「付着期間」)の間細菌を基質上のバイオフ
ィルムとして培養した。
いて、標準倍加ブロス希釈ミクロタイタープレート法に
よってPseudomonas aeruginosa
に対するBZCおよびL−アルギニン塩酸塩の最小発育
阻止濃度(MIC)および最小細菌濃度(MBC)を調
べた。MBCは細菌の99.9%を死滅させる抗菌剤の
最小濃度である。ある実験では細菌のプランクトン的成
育があり、他の実験では、選択した抗菌剤の存在下でヒ
トの血しょうを存在させ、またはさせずに培養する前に
一定期間(「付着期間」)の間細菌を基質上のバイオフ
ィルムとして培養した。
【0040】結果を下記表4に示す。L−アルギニン塩
酸塩が培養ブロスのpHを7.5から約7.1に低下さ
せることがわかった。1組の実験では、pHを7.5に
戻すために水酸化カリウムを加えた。
酸塩が培養ブロスのpHを7.5から約7.1に低下さ
せることがわかった。1組の実験では、pHを7.5に
戻すために水酸化カリウムを加えた。
【0041】
【表4】
【0042】この結果は、ヒトの血しょうを存在させ、
かつPseudomonas aeruginosaを
バイオフィルムとして生育させると、BZCのMICが
実質的に増大することを示す。
かつPseudomonas aeruginosaを
バイオフィルムとして生育させると、BZCのMICが
実質的に増大することを示す。
【0043】しかし、L−アルギニン塩酸塩のMICは
これら2つの因子によっては実質的に影響を受けない。
これら2つの因子によっては実質的に影響を受けない。
【0044】さらに、L−アルギニン塩酸塩ブロスのp
Hを高め、これによってL−アルギニンとL−アルギニ
ン塩酸塩との混合物を生成させると、MICが低下する
ことが認められた。したがって、L−アルギニンと医療
上許容しうるL−アルギニン酸付加塩との混合物は、第
2の抗菌剤としてとりわけ有用であることができる。
Hを高め、これによってL−アルギニンとL−アルギニ
ン塩酸塩との混合物を生成させると、MICが低下する
ことが認められた。したがって、L−アルギニンと医療
上許容しうるL−アルギニン酸付加塩との混合物は、第
2の抗菌剤としてとりわけ有用であることができる。
【0045】実施例5 何本かのベンザルコニウムクロリド(BZC)含浸カテ
ーテルおよび非含浸カテーテルをつくった。このBZC
は実施例1と同じ組成物であった。カテーテルは同じ長
さを有し、実施例1で用いたと同じ組成であった。10
0ml BHI(脳心臓混合物)ブロス、または75m
l BHIおよび25mlヒトの血しょうに、Pseu
domonas aeruginosaの試験菌種を1
夜間培養して、生物の数を培養期間中に対照カテーテル
に200から300cfuが付着するように選択して、
1×106 生物/mlの最終濃度が得られるように接種
した。次に3本のBZC含浸カテーテルをブロス培地に
入れた。同じ容器を作ったがBZCカテーテルを3本の
対照CVCに代えた。両方の容器を2時間または24時
間の間、200rpmで振とうしながら37℃で好気的
に培養して細菌をカテーテル表面に付着させた。培養後
カテーテルをブロスから取り出して、カテーテルに集落
をつくっているものではなくて緩く付着している生物を
除くために、40回徐々に反転させながら10mlを8
等分したそれぞれの無菌PBS(pH7.2)(リン酸
塩緩衝食塩水)で洗った。実施例1に述べたロール板カ
テーテル培養法を採用して、カテーテル外面に集落をつ
くっている生育しうる生物の数を半定量的に概算した。
各カテーテルはCLED寒天板表面全体に3回転がし
た。空気中における37℃、24時間の培養後コロニー
形成単位(cfu)の数を計測した。
ーテルおよび非含浸カテーテルをつくった。このBZC
は実施例1と同じ組成物であった。カテーテルは同じ長
さを有し、実施例1で用いたと同じ組成であった。10
0ml BHI(脳心臓混合物)ブロス、または75m
l BHIおよび25mlヒトの血しょうに、Pseu
domonas aeruginosaの試験菌種を1
夜間培養して、生物の数を培養期間中に対照カテーテル
に200から300cfuが付着するように選択して、
1×106 生物/mlの最終濃度が得られるように接種
した。次に3本のBZC含浸カテーテルをブロス培地に
入れた。同じ容器を作ったがBZCカテーテルを3本の
対照CVCに代えた。両方の容器を2時間または24時
間の間、200rpmで振とうしながら37℃で好気的
に培養して細菌をカテーテル表面に付着させた。培養後
カテーテルをブロスから取り出して、カテーテルに集落
をつくっているものではなくて緩く付着している生物を
除くために、40回徐々に反転させながら10mlを8
等分したそれぞれの無菌PBS(pH7.2)(リン酸
塩緩衝食塩水)で洗った。実施例1に述べたロール板カ
テーテル培養法を採用して、カテーテル外面に集落をつ
くっている生育しうる生物の数を半定量的に概算した。
各カテーテルはCLED寒天板表面全体に3回転がし
た。空気中における37℃、24時間の培養後コロニー
形成単位(cfu)の数を計測した。
【0046】L−アルギニン塩酸塩を存在させ、または
させないで数組の実験を行った。L−アルギニン塩酸塩
を用いる実験は0.5MICおよび0.1MIC濃度で
行った。ある実験ではpHを7.5に戻すためにブロス
にKOHを加えた。他の実験ではKOHを加えなかっ
た。0.5MIC濃度のL−アルギニン塩酸塩を用いる
2組の実験では、25容量%濃度のヒトの血しょうをブ
ロスに補給した。
させないで数組の実験を行った。L−アルギニン塩酸塩
を用いる実験は0.5MICおよび0.1MIC濃度で
行った。ある実験ではpHを7.5に戻すためにブロス
にKOHを加えた。他の実験ではKOHを加えなかっ
た。0.5MIC濃度のL−アルギニン塩酸塩を用いる
2組の実験では、25容量%濃度のヒトの血しょうをブ
ロスに補給した。
【0047】結果を下記表5、6および7に示す。表5
は、2時間の集落化期間およびさらにBHI単独ブロス
またはL−アルギニン塩酸塩補給BHIブロスへの4時
間曝露後のカテーテルへの細菌付着を示す。表6は24
時間の集落化期間およびさらにBHI単独ブロスまたは
L−アルギニン塩酸塩補給BHIブロスへの4時間、曝
露後のカテーテルへの細菌付着を示す。表7は24時間
の集落化期間およびさらにBHI単独ブロス、ヒトの血
しょう(25容量%溶液)補給BHIブロス、L−アル
ギニン塩酸塩補給BHIブロス、およびヒトの血しょう
(25容量%溶液)とL−アルギニン塩酸塩との補給B
HIブロスへの4時間曝露後のカテーテルへの細菌付着
を示す。
は、2時間の集落化期間およびさらにBHI単独ブロス
またはL−アルギニン塩酸塩補給BHIブロスへの4時
間曝露後のカテーテルへの細菌付着を示す。表6は24
時間の集落化期間およびさらにBHI単独ブロスまたは
L−アルギニン塩酸塩補給BHIブロスへの4時間、曝
露後のカテーテルへの細菌付着を示す。表7は24時間
の集落化期間およびさらにBHI単独ブロス、ヒトの血
しょう(25容量%溶液)補給BHIブロス、L−アル
ギニン塩酸塩補給BHIブロス、およびヒトの血しょう
(25容量%溶液)とL−アルギニン塩酸塩との補給B
HIブロスへの4時間曝露後のカテーテルへの細菌付着
を示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】表5ないし7は、ある含浸レベルのBZC
はPaseudomonas aeruginosaに
対して独力ではとくに有効ではないことを示す。BZC
含浸カテーテルとともにL−アルギニン塩酸塩を0.1
MIC濃度で用いた場合には、ヒトの血しょうがなけれ
ばほとんど有効な効果はなかった。しかしL−アルギニ
ンを0.5MIC濃度で加えると、ヒトの血しょうがあ
ろうと無かろうと抗菌効果の明らかな向上があった。ヒ
トの血しょうが存在しない短かい培養時間において、ア
ルギニン塩酸塩単独では細菌集落化の著しい減少を生じ
た。しかし、24時間の培養時間に、さらにアルギニン
塩酸塩に24時間曝露すると、この薬剤とBZCとの組
合せはアルギニン塩酸塩単独よりも一層有効であること
が認められた。ヒトの血しょうにおける結果はとくに良
好であって、この2つの抗菌剤間の相乗作用を明らかに
示す。
はPaseudomonas aeruginosaに
対して独力ではとくに有効ではないことを示す。BZC
含浸カテーテルとともにL−アルギニン塩酸塩を0.1
MIC濃度で用いた場合には、ヒトの血しょうがなけれ
ばほとんど有効な効果はなかった。しかしL−アルギニ
ンを0.5MIC濃度で加えると、ヒトの血しょうがあ
ろうと無かろうと抗菌効果の明らかな向上があった。ヒ
トの血しょうが存在しない短かい培養時間において、ア
ルギニン塩酸塩単独では細菌集落化の著しい減少を生じ
た。しかし、24時間の培養時間に、さらにアルギニン
塩酸塩に24時間曝露すると、この薬剤とBZCとの組
合せはアルギニン塩酸塩単独よりも一層有効であること
が認められた。ヒトの血しょうにおける結果はとくに良
好であって、この2つの抗菌剤間の相乗作用を明らかに
示す。
【0052】BZCおよび他の第四級アンモニウムの抗
菌作用が細菌の細胞に及ぼす機構は多様であって、エネ
ルギーを生成する酸化酵素、たとえばグルコース、スク
シネートおよびピルベート系の不活性化、必須細胞タン
パク質の変性、および細胞膜の崩壊によるものとされて
いる。BZCは細菌細胞の表面で作用すると考えられ
る。細菌自体が粒状であるので、細菌はBZCを吸着す
るようにも働らく。細胞への吸着に続く細胞内への浸透
は細胞の崩壊をもたらす。BZCが中心静脈カテーテル
の細菌集落化を妨害する機構は、BZCがポリマー表面
に密に並んだ生物に直接作用を及ぼし、恐らくまたその
着生プロセスを制限し、この結果浸出してその数を減ら
すのではなくて集落化を減少させることである。概し
て、Pseudomonas aeruginosaに
対するBZCの活性にもかかわらず、この細菌による集
落化からカテーテルを保護する点で、この薬剤は独力で
は非常に有能であるとは認められなかった。BZCの不
十分な作用に、要因の組合せが効果を示すことがある。
それにもかかわらず、BZCのような抗菌剤に対するP
seudomonas aeruginosaのような
グラム陰性ロッド状細菌の相対的抵抗性の多くは、おそ
らくこの種の生物に特異の外膜によって示される透過性
バリヤーの複雑な性状の結果であろう。
菌作用が細菌の細胞に及ぼす機構は多様であって、エネ
ルギーを生成する酸化酵素、たとえばグルコース、スク
シネートおよびピルベート系の不活性化、必須細胞タン
パク質の変性、および細胞膜の崩壊によるものとされて
いる。BZCは細菌細胞の表面で作用すると考えられ
る。細菌自体が粒状であるので、細菌はBZCを吸着す
るようにも働らく。細胞への吸着に続く細胞内への浸透
は細胞の崩壊をもたらす。BZCが中心静脈カテーテル
の細菌集落化を妨害する機構は、BZCがポリマー表面
に密に並んだ生物に直接作用を及ぼし、恐らくまたその
着生プロセスを制限し、この結果浸出してその数を減ら
すのではなくて集落化を減少させることである。概し
て、Pseudomonas aeruginosaに
対するBZCの活性にもかかわらず、この細菌による集
落化からカテーテルを保護する点で、この薬剤は独力で
は非常に有能であるとは認められなかった。BZCの不
十分な作用に、要因の組合せが効果を示すことがある。
それにもかかわらず、BZCのような抗菌剤に対するP
seudomonas aeruginosaのような
グラム陰性ロッド状細菌の相対的抵抗性の多くは、おそ
らくこの種の生物に特異の外膜によって示される透過性
バリヤーの複雑な性状の結果であろう。
【0053】BZCは中性または弱アルカリ性pHにお
いて細菌に対してもっとも有効であることが知られてお
り、またpHが3.5を下回るとほとんど不活性にな
る。pHの上昇によって得られる結果はこの知識と一致
する。たった0.48pH単位の僅かな上昇は、BZC
の抗菌効果を高めるのに極めて十分であって、BZCと
アルギニン塩酸塩との組合せが高いpHにおいてカテー
テルに付着するPseudomonas aerugi
nosaの数を減らすのに大きな効果を示した。
いて細菌に対してもっとも有効であることが知られてお
り、またpHが3.5を下回るとほとんど不活性にな
る。pHの上昇によって得られる結果はこの知識と一致
する。たった0.48pH単位の僅かな上昇は、BZC
の抗菌効果を高めるのに極めて十分であって、BZCと
アルギニン塩酸塩との組合せが高いpHにおいてカテー
テルに付着するPseudomonas aerugi
nosaの数を減らすのに大きな効果を示した。
【0054】ヒトの血しょうについて得られた結果は、
タンパク質が存在すると、BZCの活性を低下させたこ
とを示唆する。対照的に、アルギニン塩酸塩の作用に及
ぼすヒトの血しょうの低減効果は見られなかった。アミ
ノ酸の両性的化学性により、アミノ酸はタンパク質によ
って不活性化されないと思われる。さらにヒトの血しょ
うについて得られた結果は、BZC含浸カテーテルが抗
菌活性を失わなかったことを示し、したがってアルギニ
ン塩酸塩はその両性によって、何らかの点で血清タンパ
ク質へのBZCの結合を妨害する一方それにもかかわら
ずそれ自身抗菌効果を保持し、表現することができるこ
とを示唆する。すべての塩基性および中性アミノ酸は塩
基性基および酸性基を有するので、L−アルギニン塩酸
塩の代りに他の塩基性アミノ酸(もしくはその酸付加
塩)または中性アミノ酸を用いることができる。また実
施例1から、L−アルギニン自身がその酸付加塩よりも
本発明において有効でもあることも明らかである。
タンパク質が存在すると、BZCの活性を低下させたこ
とを示唆する。対照的に、アルギニン塩酸塩の作用に及
ぼすヒトの血しょうの低減効果は見られなかった。アミ
ノ酸の両性的化学性により、アミノ酸はタンパク質によ
って不活性化されないと思われる。さらにヒトの血しょ
うについて得られた結果は、BZC含浸カテーテルが抗
菌活性を失わなかったことを示し、したがってアルギニ
ン塩酸塩はその両性によって、何らかの点で血清タンパ
ク質へのBZCの結合を妨害する一方それにもかかわら
ずそれ自身抗菌効果を保持し、表現することができるこ
とを示唆する。すべての塩基性および中性アミノ酸は塩
基性基および酸性基を有するので、L−アルギニン塩酸
塩の代りに他の塩基性アミノ酸(もしくはその酸付加
塩)または中性アミノ酸を用いることができる。また実
施例1から、L−アルギニン自身がその酸付加塩よりも
本発明において有効でもあることも明らかである。
【0055】本発明によるカテーテルの調製法を下記実
施例6に示す。
施例6に示す。
【0056】実施例6 三本の管腔を有し、14ゲージで長さが20cmのDo
w Pellethane2363ポリウレタン管状部
材に、固形分2.8重量%含有PVP溶液中に浸漬し
て、ほぼその全長にポリビニルピロリドン(PVP)コ
ーティングを施す。(該溶剤はメチルエチルケトン、ト
リクロロエチレンおよびエチルラクケートの混合物を含
む。)該ポリウレタン部材は該コーティング溶液中に2
5℃および1バールの圧力において60秒間浸漬させ
る。得られた塗布部材を55℃の温度で1時間オーブン
で乾燥する。
w Pellethane2363ポリウレタン管状部
材に、固形分2.8重量%含有PVP溶液中に浸漬し
て、ほぼその全長にポリビニルピロリドン(PVP)コ
ーティングを施す。(該溶剤はメチルエチルケトン、ト
リクロロエチレンおよびエチルラクケートの混合物を含
む。)該ポリウレタン部材は該コーティング溶液中に2
5℃および1バールの圧力において60秒間浸漬させ
る。得られた塗布部材を55℃の温度で1時間オーブン
で乾燥する。
【0057】次に、得られた塗布カテーテルは、STE
PAN BTC 50 USP(登録商標)(米国、6
0093イリノイ州、Northfield、Step
anCompanyから入手可能)抗菌剤を有効成分3
重量%含有する希釈水溶液に2重量%のL−アルギニン
塩酸塩を添加した溶液に浸漬する。この溶液はpH7.
5に緩衝させる。次式:
PAN BTC 50 USP(登録商標)(米国、6
0093イリノイ州、Northfield、Step
anCompanyから入手可能)抗菌剤を有効成分3
重量%含有する希釈水溶液に2重量%のL−アルギニン
塩酸塩を添加した溶液に浸漬する。この溶液はpH7.
5に緩衝させる。次式:
【化1】 に示すすべてのベンザルコニウムクロリドの有効成分の
Rは高級アルキル基であった。有効成分Rの50重量%
はC12H25基、30重量%はC14H29基、17重量%は
C16H33基、および3重量%はC18H37基であった。該
カテーテルは25℃および1バールにおいて30秒浸漬
させる。得られたベンザルコニウムクロリド/L−アル
ギニン塩酸塩含浸カテーテルを55℃の温度および1バ
ールの圧力において1時間乾燥する。得られたカテーテ
ルは、カテーテル1cm当り194マイクログラムのベ
ンザルコニウムクロリドを吸収していることが認められ
た。
Rは高級アルキル基であった。有効成分Rの50重量%
はC12H25基、30重量%はC14H29基、17重量%は
C16H33基、および3重量%はC18H37基であった。該
カテーテルは25℃および1バールにおいて30秒浸漬
させる。得られたベンザルコニウムクロリド/L−アル
ギニン塩酸塩含浸カテーテルを55℃の温度および1バ
ールの圧力において1時間乾燥する。得られたカテーテ
ルは、カテーテル1cm当り194マイクログラムのベ
ンザルコニウムクロリドを吸収していることが認められ
た。
【0058】次に含浸カテーテルを、75容量%の酸化
エチレンおよび25容量%の二酸化炭素より成る無菌ガ
ス混合物の湿潤雰囲気の室内で50℃の温度および85
kPaの圧力において4時間殺菌する。(この湿度は4
時間の殺菌時間の中31/4時間の間だけ雰囲気中に存
在する。)
エチレンおよび25容量%の二酸化炭素より成る無菌ガ
ス混合物の湿潤雰囲気の室内で50℃の温度および85
kPaの圧力において4時間殺菌する。(この湿度は4
時間の殺菌時間の中31/4時間の間だけ雰囲気中に存
在する。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス・スチュアート・ジャクソン・エ リオット イギリス国ビー74・3エイイー,ウエス ト・ミドランズ,サットン・コールドフィ ールド,リトル・アストン,ローマン・レ イン 57
Claims (12)
- 【請求項1】 アミノ酸または他のアミン置換有機酸の
第四級アンモニウム塩以外の第四級アンモニウム化合物
を含む第1の医療上許容しうる抗菌剤、およびアミノ酸
または他のアミン置換有機酸もしくは該アミノ酸または
該他のアミン置換有機酸の酸付加塩を含む第2の医療上
許容しうる抗菌剤を放出可能なように含む医療用物品。 - 【請求項2】 該第1の抗菌剤が少なくとも1種の医療
上許容しうるベンザルコニウム塩を含む請求項1に記載
の医療用物品。 - 【請求項3】 該ベンザルコニウム塩が式 〔C6 H5 CH2 N+ (Cn H2n+1)(CH3 )2 〕+
X- (式中nは8から18の整数、Xは医療上許容しうるア
ニオンである)を有する請求項2に記載の医療用物品。 - 【請求項4】 Xがクロリドである請求項3に記載の医
療用物品。 - 【請求項5】 該ベンザルコニウム塩がアルキルジメチ
ルジクロロベンジルアンモニウム塩である請求項2に記
載の医療用物品。 - 【請求項6】 該第2の抗菌剤が1方または両方のアル
ギニンおよび医療上許容しうるその付加塩を含む前記請
求項中いずれか1つの項に記載の医療用物品。 - 【請求項7】 該第2の抗菌剤が(a)リジン、ヒドロ
キシリジン、オルニチンならびにヒスチジンの1種以上
から選ばれる塩基性アミノ酸および医療上許容しうるそ
の酸付加塩;(b)グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、ヒドロキ
シプロリン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラ
ニン、チポシン、トリプトファン、セリン、ならびにト
レオニンの1種以上から選ばれる中性アミノ酸および医
療上許容しうるその酸付加塩;(c)アミン置換酢酸、
酒石酸、シュウ酸またはクエン酸、もしくは医療上許容
しうるその付加物;または(d)エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウムを含む請求項1ないし5のいずれか1つ
の項に記載の医療用物品。 - 【請求項8】 プラスチック材料を含みかつ医療上、人
間または動物への流体の投与または体液の排出に用いる
ための少なくとも1つの通路を有する前記請求項中いず
れか1つの項に記載の医療用物品。 - 【請求項9】 Luerロック、カニューレまたはカテ
ーテルである前記請求項中いずれか1つの項に記載の医
療用物品。 - 【請求項10】 該カテーテルが中心静脈カテーテルで
あって、体液に触れると滑らかになる親水層を含むコー
ティングを有する請求項9に記載の医療用物品。 - 【請求項11】 該カテーテルまたはその少なくとも1
つの選んだ部分を、該第1および第2抗菌剤の水溶液中
に浸漬し、該カテーテルと該溶液から取り出して、該カ
テーテルを乾燥する請求項10に記載の医療用物品の製
造法。 - 【請求項12】 該アミノ酸またはその塩を、第四級ア
ンモニウム化合物(アミノ酸または他のアミン置換有機
酸の第四級アンモニウム塩以外の)を含む第1の抗菌剤
と混合させることによって抗菌性組成物をつくる場合の
アミノ酸または医療上許容しうるその酸付加塩の使用に
おいて、該第1の抗菌剤をカテーテル中に含浸させる使
用。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
GB9613010.9 | 1996-06-21 | ||
GBGB9613010.9A GB9613010D0 (en) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | Medical article |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1080467A true JPH1080467A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=10795659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9165928A Pending JPH1080467A (ja) | 1996-06-21 | 1997-06-23 | 医療用物品 |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0818207A3 (ja) |
JP (1) | JPH1080467A (ja) |
KR (1) | KR980000485A (ja) |
AU (1) | AU2614497A (ja) |
GB (1) | GB9613010D0 (ja) |
NO (1) | NO972896L (ja) |
PL (1) | PL320683A1 (ja) |
SG (1) | SG71026A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8685427B2 (en) | 2002-07-31 | 2014-04-01 | Boston Scientific Scimed, Inc. | Controlled drug delivery |
US8133501B2 (en) | 2002-02-08 | 2012-03-13 | Boston Scientific Scimed, Inc. | Implantable or insertable medical devices for controlled drug delivery |
US8920826B2 (en) | 2002-07-31 | 2014-12-30 | Boston Scientific Scimed, Inc. | Medical imaging reference devices |
CA3151058A1 (en) * | 2019-09-19 | 2021-03-25 | Mats AHLENIUS | Preparation for removal and/or prevention of an infection associated with staphylococcus epidermidis |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3272706D1 (en) * | 1981-05-27 | 1986-09-25 | Unitika Ltd | Urethral catheter capable of preventing urinary tract infection and process for producing the same |
US4879135A (en) * | 1984-07-23 | 1989-11-07 | University Of Medicine And Dentistry Of New Jersey | Drug bonded prosthesis and process for producing same |
US4749585A (en) * | 1986-04-11 | 1988-06-07 | University Of Medicine And Dentistry Of New Jersey | Antibiotic bonded prosthesis and process for producing same |
DE4216271A1 (de) * | 1992-05-16 | 1993-11-18 | Siegel Rolf | Verfahren zur naßchemischen Oberflächenmodifizierung von Formkörpern aus Organopolysiloxanen sowie Verwendung der Verfahrenserzeugnisse |
US5504113A (en) * | 1994-03-02 | 1996-04-02 | Allergan, Inc. | Enhancement of benzalkonium chloride preservative activity in formulations containing an incompatible drug |
-
1996
- 1996-06-21 GB GBGB9613010.9A patent/GB9613010D0/en active Pending
-
1997
- 1997-06-17 EP EP97304227A patent/EP0818207A3/en not_active Withdrawn
- 1997-06-18 SG SG1997002090A patent/SG71026A1/en unknown
- 1997-06-19 AU AU26144/97A patent/AU2614497A/en not_active Abandoned
- 1997-06-20 KR KR1019970026001A patent/KR980000485A/ko not_active Application Discontinuation
- 1997-06-20 NO NO972896A patent/NO972896L/no unknown
- 1997-06-20 PL PL97320683A patent/PL320683A1/xx unknown
- 1997-06-23 JP JP9165928A patent/JPH1080467A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
PL320683A1 (en) | 1997-12-22 |
NO972896L (no) | 1997-12-22 |
GB9613010D0 (en) | 1996-08-28 |
EP0818207A2 (en) | 1998-01-14 |
EP0818207A3 (en) | 1999-06-02 |
KR980000485A (ko) | 1998-03-30 |
AU2614497A (en) | 1998-01-08 |
NO972896D0 (no) | 1997-06-20 |
SG71026A1 (en) | 2000-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4999842B2 (ja) | 医療用デバイス上における微生物バイオフィルムの生育および増殖を抑制するための抗菌性組成物 | |
US6843784B2 (en) | Triclosan and silver compound containing medical devices | |
US7329412B2 (en) | Antimicrobial medical devices containing chlorhexidine free base and salt | |
CA2897860C (en) | Devices with anti-thrombogenic and anti-microbial treatment | |
CA1156891A (en) | Catheterization | |
US20050049181A1 (en) | Synergistic antimicrobial compositions and methods of inhibiting biofilm formation | |
US20050131356A1 (en) | Medical devices exhibiting antibacterial properties | |
US20040208908A1 (en) | Antimicrobial medical articles containing a synergistic combination of anti-infective compounds and octoxyglycerin | |
WO2012013577A1 (en) | Composition for coating medical devices containing lae and a polycationic amphoteric polymer | |
EP2754413B1 (en) | Medical devices containing nitroprusside and antimicrobial agents | |
WO2005018701A1 (en) | Synergistic antimicrobial compositions and methods of inhibiting biofilm formation | |
JPH1080467A (ja) | 医療用物品 | |
AU2018205685B2 (en) | Antimicrobial compositions, including antimicrobial hydrogels, effective against mature biofilms | |
CN104159446B (zh) | 透皮静脉通路锁定溶液 | |
JPH1024100A (ja) | 医用物品の製造方法 | |
Thomas et al. | Improvements in medicated tulle dressings | |
WO2017134049A1 (en) | Implantable medical products, a process for the preparation thereof, and use thereof | |
CA2452032C (en) | Synergistic antimicrobial compositions and methods of inhibiting biofilm formation |