JPH1080413A - 磁気共鳴イメージング装置用電源装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置用電源装置

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JPH1080413A
JPH1080413A JP8238097A JP23809796A JPH1080413A JP H1080413 A JPH1080413 A JP H1080413A JP 8238097 A JP8238097 A JP 8238097A JP 23809796 A JP23809796 A JP 23809796A JP H1080413 A JPH1080413 A JP H1080413A
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圭一 茶畑
Keishin Hatakeyama
敬信 畠山
Hiroshi Takano
博司 高野
Takuya Domoto
拓也 堂本
Hiroya Fukuda
博也 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単相PWMスイッチング電流増幅器を並列化し
て高電圧、大容量、高応答の磁場用低リップル電流の電
源装置を提供する。 【解決手段】パルス幅変調(PWM)制御により出力電
流を制御する制御回路30を備えたスイッチング電源
A、Bを有する核磁気共鳴イメージング装置用電源装置
において、電源装置の出力電流を平滑するフィルタの電
流を検出するフィルタ電流検出手段CS1、CS2と、この
フィルタ電流の極性を判別する極性判別手段20とを備
え、1サンプリング前のフィルタ電流の極性が正のとき
は、デッドタイムの分だけPWMデューティを大きく、
1サンプリング前のフィルタ電流の極性が負のときは、
デッドタイムの分だけPWMデューティを小さくする。
デッドタイムの分だけ出力電圧が変動するのを防止して
PWMのデューティを制御できるので、フィルタ電流の
平均値を正確に検出でき、フィルタ電流と出力電圧の関
係を直線化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気共鳴イメージン
グ装置(以下、MRI装置という)に係わり、特にその
大電力を要求される静磁場、傾斜磁場、高周波磁場の発
生に必要な各種電源装置に好適な電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置の傾斜磁場コイル励磁に要求
される電流波形は、診断箇所によっては正弦波状の波形
も必要になるが、 一般的には、図8(a)に示すよう
な立ち上がり時間、立ち下がり時間が600US以下、正負
両方向の台形波状の波形である。このような電流波形を
実現するための現在の小容量MRI装置の傾斜磁場発生
用電源システムとして、電力用MOSFET(電界効果トラン
ジスタ)を用いた高周波PWMスイッチング電力増幅器
が使用されている。この方式は、従来型のトランジスタ
をリニアに作動させていた線形電力増幅器より高効率、
省エネルギー、省スペース化の点で優れている。このよ
うなスイッチング電源を用いた電源装置では、耐圧が数
百V、電流容量が数十Aで数百kHzの高周波スイッチン
グが可能である。
【0003】しかし、MRI装置において短時間で診断
に有用な画像を得るためには、更に高磁場を発生させ、
且つ高速な制御を実現することが必要となっている。こ
のためMRI装置の磁場電源として、現行に比べ電圧で
4倍、電流で2倍程度の大電流電源が必要となるが、電
力用MOSFETを用いた高周波PWMスイッチング電力増幅
器では、MOSFETの性能上限界のためにこの要求を満たす
のは困難である。
【0004】このMOSFETに対し、電力用スイッチング素
子としてIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)
モジュールは、高耐圧で大電流が扱え、保守性、コスト
面において有利であるが、MOSFETに比べ動作周波数の上
限が20kHzと低いため、応答速度の高速化、低リプル
電流化が困難である。そこで、本発明者らは、IGBTによ
る従来の回路を並列に接続し、位相差を設けることによ
り見掛け上の動作周波数を上げるとともに、大容量化に
も対応した並列型電流増幅回路を提案している(特願平
7−21989号等)。この方式による2並列の場合の
傾斜磁場電源の出力回路の構成図を図9に示す。
【0005】この回路は、負荷である傾斜磁場(GC)
コイル10(インダクタLgcと抵抗RLgcの直列回
路モデル)に並列接続された二組の単相フルブリッジP
WM電流増幅器回路A、Bから構成され、各単相フルブ
リッジPWM電流増幅器回路は4個のIGBT1〜IGBT4
(IGBT5〜IGBT8)、それに逆並列に接続されたソフト
リカバリーダイオードD1〜D4(D5〜D8)、およ
び2組のIGBTとダイオードDとから構成されるアームA
a1、Aa2、Ab1、Ab2の各々と負荷10との間に設けら
れた電流リップル除去のためのLCRフィルタ(インダ
クタLa1、La2、Lb1、Lb2、キャバシタCa1、Ca2、
Cb1、Cb2、抵抗Rca1、Rca2、Rcb1、Rcb2)から構
成されている。ここでアームAa1、Ab1を第1相、アー
ムAa2、Ab2を第2相、またアームAa1、Aa2を左側ア
ーム、アームAb1、Ab2を右側アームと呼ぶことにす
る。
【0006】この電源システムでは、2組の単相フルブ
リッジPWM電流増幅器回路の出力電圧の位相差を180
°にしてGCコイル10に流れる電流のリップルを低減
するものである。
【0007】今、図9の負荷回路系(フィルタと誘導性
負荷)を図10のように表すと、このような電源システ
ムにおける各フィルタ電流iLa1、iLa2、iLb1、iLb2
とスイッチング素子のゲートドライブ信号Va1、Va2、
Vb1、Vb2の関係は図11のようになる。即ち、1組目
のフィルタリアクトルLa1に流れる電流iLa1と2組目
のフィルタリアクトルLa2に流れる電流iLa2の位相差
は180°で、これらを合成した出力負荷電流(GCコイ
ルに流れる電流)irefは理想状態でリップルがゼロと
なる。尚、図11中、S11はIGBT1に対応し、S12はIG
BT2に、S21はIGBT5に、S22はIGBT6にそれぞれ対応
する。また図11では図9に示すPWM電流増幅器回路
の左側アームAa1、Aa2のみを示したが、右側アームA
b1、Ab2についても同様である。
【0008】そこでGCコイル10に流れる電流を検出
し、その電流に対してフィードバック制御を行えば目標
値に追従するような制御系が成立する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9のように
並列化された回路構成では第1相Aと第2相Bの相間に
回り込み電流(循環電流、横流)が発生し、相間の短絡
あるいは過大な電流不平衡などの新たな問題が生じる可
能性がある。このような回り込み電流は、GCコイルで
検出する電流フィードバック制御では抑制できないの
で、これを抑制するためには、各アームのフィルタのイ
ンダクタ電流を検出するフィードバック制御を行うこと
が考えられる。個々のフィルタのインダクタ電流を制御
することにより第1相と第2相のフィルタのインダクタ
電流の電流不平衡が抑制され、回り込み電流の発生を防
ぐことが可能となる。このフィードバック制御には、こ
の相間アンバランスの問題の他、温度ドリフトの抑制、
高精度化の点から、アナログ方式よりもディジタル制御
方式の方が有利である。
【0010】このようにフィルタ電流をディジタルフィ
ードバック制御することにより、負荷電流の制御と各相
のフィルタ電流の回り込み電流の抑制が可能となるが、
このためには各フィルタ電流を高精度に検出する必要が
ある。特に、図11に示すようにフィルタ電流(iLa
1、iLa2)には負荷電流iLgcと比べて振幅の大きな三
角波電流が含まれているので、電流検出のサンプリング
点(k−1、k、k+1、・・・)において、検出した
値に大きなばらつきが無いようにしなければならない。
【0011】しかし、実際のスイッチング制御に際して
は、各アームのスイッチング時に上下のスイッチ、例え
ばIGBT1とIGBT2が短絡故障を起こさないようにするため
に図12に示すように上下のスイッチが両方ともオフに
なる休止時間Td(デッドタィム)を設ける必要があ
り、このようなデッドタイムを設けることにより、1)
サンプリング点における電流のばらつきが大きくなり、
フィルタ電流の値を正確に検出できない、2)デッドタ
イムの分だけオンしている期間が短くなるのでパルス幅
変調パルス(PWMパルス)のデューティが所望値、例
えば50%にならない、即ち、フィルタの平均電流を増
やしても出力電圧(GCコイルにかかる電圧)が増加し
ない領域ができるという問題が発生する。
【0012】このため図13に示すようにフィルタ電流
と出力電圧の関係に段差ができ非線形を呈し、フィルタ
電流のフィードバック制御が困難となる。この結果、傾
斜磁域コイル電流波形も図8(a)のような理想的な波
形とはならず、図8(b)に示すように歪んだり、応答
も同図(c)のように遅くなり、MRI画像に悪影響を
及ぼすものとなる。
【0013】そこで本発明は、IGBTのようなスイッチン
グ素子による単相PWMスイッチング電流増幅器を備え
た電源装置において、デッドタイムを設けても応答性が
良く高精度の制御を可能とし、これにより高電圧、大容
量、高応答の磁場用低リップル電流の電源装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電源装置は、スイッチング電源であるPWM
電流増幅器回路をディジタル制御する際に、PWM電流
増幅器回路内のフィルタ電流を検出し、この電流の極性
によってPWMパルス幅を制御してデッドタイムを生成
し、出力電流の平均値を検出するとともに、出力電圧へ
の影響を小さくすることを可能とするものである。
【0015】即ち、本発明による磁気共鳴イメージング
装置用電源装置は、負荷である磁気共鳴イメージング装
置の磁場発生用コイルに接続されたスイッチング電源
と、磁場発生用コイルに流れる電流の検出値と電流指令
値とを入力し、検出値と電流指令値との差がゼロになる
ようにスイッチング電源を構成するスイッチのデューテ
ィをパルス幅変調制御するPWM制御手段と、スイッチ
ング電源に設けられたフィルタ回路の電流を検出するフ
ィルタ電流検出手段と、このフィルタ電流検出手段によ
り検出されたフィルタ電流の極性を判別する極性判別手
段とを備え、PWM制御手段は、極性判別手段の判別結
果に基づきデューティを増減する手段を備えている。こ
のような本発明の電源装置は、複数のスイッチング電源
を並列接続した電源装置に好適に適用される。
【0016】PWM制御手段は、具体的には、複数のス
イッチを所定のデッドタイムを設けて制御し、フィルタ
電流の極性が正のときはデッドタイムの分だけデューテ
ィを大きくし、フィルタ電流の極性が負のときはデッド
タイムの分だけデューティを小さくするように制御す
る。
【0017】スイッチング電源の出力電圧は、デッドタ
イムを設けた場合、デッドタイムの分だけ小さく或いは
大きくなり、サンプリング時点で正確な平均出力電流を
検出することができなくなる。この出力電圧の変動は、
フィルタ電流の極性により異なる。従って、フィルタ電
流の極性に応じてPWMパルス幅を制御することによっ
て、デッドタイムを設けてもデッドタイムの分だけ出力
電圧が小さくあるいは大きくならず、またフィルタ電流
の平均値を正確に検出できるので、フィルタ電流と出力
電圧の関係を直線化できる。
【0018】これによって図8(b)に示したような電
流波形の歪みや同図(c)に示したような応答遅れの問
題を回避でき、診断に有効な高画質のMRI画像を得る
ことができる。
【0019】
【発明の実施の態様】以下本発明の磁気共鳴イメージン
グ装置用電源装置を図面に示す実施例により更に詳細に
説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例であるPWM制御
方式による電源装置の全体回路ブロック図を示すもの
で、この電源装置は図9の電源装置と同様に直流電源E
に並列接続された2並列のスイッチング電源であるフル
ブリッジPWM電流増幅回路A、B(図ではAのみが示
されている)と、各アームのフィルタ電流を検出する検
出器CS1、CS2と、これらフィルタ電流の極性を判別す
るフィルタ電流判別回路20と、フィルタ電流の検出値
及び極性に基づき各スイッチ(ここではIGBT1〜IGBT
4)のPWMパルス幅を演算し、PWMパルスを発生す
るPWM制御回路30と、PWM制御回路30の発生す
るPWMパルスを増幅するパルス増幅回路40とを備え
ており、各PWM電流増幅回路A、Bの出力は負荷であ
るGCコイル10に印加される。
【0021】PWM電流増幅回路A、Bは、基本的には
図9の単相フルブリッジPWM電流増幅器回路と同様で
あり、対応する要素は同じ符号で示している。即ち、P
WM電流増幅回路Aは4組のIGBT1〜IGBT4及びこれら
IGBTに逆並列に接続されたダイオードD1〜D4と、2
組のIGBTとダイオードとから成るアームAa1、Ab1とG
Cコイル10との間にそれぞれ接続されたLCRフィル
タ(インダクタLa1、Lb1、キャバシタCa1、Cb1、抵
抗Rca1、Rcb1)とを備えている。フィルタのリアクト
ル(インダクタLa1、Lb1)は瞬間的な電位差を吸収
し、CRのフィルタはGCコイル10の両端の電圧リッ
プルをコンデンサ(キャバシタCa1、Cb1)で平滑化す
るとともに、抵抗Rca1、Rcb1がフィルタのリアクトル
と平滑コンデンサによる電流共振現象を抑制する。
【0022】尚、図1では図示省略されているが、他方
のPWM電流増幅回路Bも図示されたPWM電流増幅回
路Aと同様の構成を有している。
【0023】フィルタ電流を検出する検出器CS1、CS2
及び極性判別回路20は、例えば左側アームAa1のフィ
ルタ電流について図2に示すように、1対の電流検出器
CS11とCS12と、これら電流検出器CS11、CS12に
それぞれ接続されたトランジスタQ1、Q2とから構成
される。電流検出器としては、ホール素子、CT等の公
知の電流検出器が使用できる。Vccは回路20の電源電
圧である。このような構成の極性判別回路20は、フィ
ルタ電流iLa1の極性を判別する場合、電流検出器CS1
1とCS12で検出するフィルタ電流iLa1を入力し、iLa
1が正の場合はCS11の巻始めの極性に正の電圧を出力
するので、トランジスタQ1が導通してその出力にオン
信号を出力する。また、iLa1が負の場合はCS12の巻
終わりの極性に正の電圧を出力するので、トランジスタ
Q2が導通してその出力にオン信号を出力する。
【0024】同様に右側アームのフィルタ電流iLb1に
ついても、またもう一方の単相フルフリッジPWM電流
増幅回路Bのフィルタ電流についても極性を判別し、こ
れらの信号をPWMパルス幅計算に利用する。
【0025】PWM制御回路30は、GCコイル10に
流れる電流の検出値と電流指令値とを入力し、検出値と
電流指令値との差がゼロになるように各PWM電流増幅
回路A、BのスイッチをPWM制御するとともに、この
際、上述したように検出されたフィルタ電流及びその極
性に応じてPWMパルス幅を補正する。このようなPW
M制御回路30(PWMパルスの計算及びPWMパルス
の発生)は公知のマイクロコンピュータで構成すること
ができ、フィルタ電流の極性判別信号を利用してパルス
幅の計算を行い、これに応じたパルスに分配して発生す
る。
【0026】次にこのような構成における電源装置の動
作及びPWM制御回路30におけるPWMパルス幅制御
について説明する。説明を簡単にするために、図3に、
図1の電源回路装置の1組のPWM電流増幅回路(A或
いはB)とGCコイルのみの回路を示した。図3におい
て、スイッチS11はIGBT1或いはIGBT5に対応し、スイ
ッチS12はIGBT2或いはIGBT6に、スイッチS21はIGBT
3或いはIGBT7に、スイッチS22はIGBT4或いはIGBT8
にそれぞれ対応する。またダイオードD11〜D22は、そ
れぞれダイオードD1〜D4或いはD5〜8に対応す
る。
【0027】この電源装置では、図4のスイッチングシ
ーケンスに示すようにスイッチS11とS22が同時にオン
オフし、スイッチS12とS21が同時にスイッチS11とS
22とは逆にオンオフするように制御される。この際、P
WM制御回路30は、PWMパルス幅を制御し、これら
スイッチS11〜S22のオン時間(デューティ)を制御す
る。またスイッチング素子の特性のばらつきによる短絡
を防止するために、全てのスイッチが共にオフとなるデ
ッドタイムTdが設けられている。図3のPWM電流増
幅回路における出力電流iLは、フィルタ電流検出器C
S1、CS2で検出されたフィルタ電流に対応し、スイッチ
のオン又はオフに伴い変化する電流波形となり、これに
対応する出力電圧Vabが得られる。
【0028】ここで、出力電流iLが図4に示すように
ゼロをクロスする状態では、デッドタイムがあっても、
PWMデューティはそのまま出力電圧Vabに対応する。
即ち、出力電流iLの波形は負の状態では、スイッチS
12、S21の立ち下がりで変化し、正の状態ではスイッチ
S11、S22の立ち下がりで変化するので、出力電圧はP
WMデューティをそのまま反映したものとなる。従って
各サンプリング点における電流検出の精度にも変動を与
えることがなく、またフィルタ電流と出力電圧の関係も
リニアな関係が得られる。
【0029】一方、図5(a)に示すように出力電流i
Lがゼロをクロスせず常に正の場合には、出力電流iL
の波形はオン時間の長いスイッチS11、S22の立ち上が
り及び立ち下がりに支配される。従ってこのような場合
にデッドタイムTdがあると、PWMデューティよりデ
ッドタイム分だけ出力電圧Vabの平均値が小さくなり、
フィルタ電流と出力電圧の関係も図13の正領域に示す
ように非線形特性を呈するようになる。また、サンプリ
ング点において検出されるフィルタ電流も平均電流と異
なる値となり、検出に大きな誤差を生じる。
【0030】このように出力電流iLが常に正の場合に
は、PWMデューティよりデッドタイムの分だけ出力電
圧Vabの平均値が小さくなるので、その分だけPWMデ
ューティを大きく、つまりスイッチS11、S22のオン時
間を長くなるようにPWMパルス幅制御する。即ち、図
5(b)に示すように、1サンプリング前のk−1のサ
ンプリング点のフィルタ電流の極性が正であると判別さ
れると、スイッチS12、S21のオフの時点を早くし、次
いでデッドタイムTdを設けた後にスイッチS11、S22
をオンして、結果的にスイッチS12、S21のオン期間を
デッドタイムの分だけ短くし、スイッチS11、S22のオ
ン期間をデッドタイムの分だけ長くするようにPWM制
御する。
【0031】これに対し、出力電流iLがゼロをクロス
せず常に負の場合には、図6(a)に示すように出力電
流iLの波形はオン時間の長いスイッチS12、S21の立
ち上がり及び立ち下がりに支配される。従ってこのよう
な場合にデッドタイムTdがあると、PWMデューティ
よりデッドタイム分だけ出力電圧Vabの平均値が大きく
なり、フィルタ電流と出力電圧の関係も図13の負の領
域を示すような非線形特性を呈するようになる。また、
サンプリング点においても平均電流と異なる値となり、
検出に大きな誤差を生じる。
【0032】従って、出力電流iLが常に負の場合に
は、図6(b)に示すように1サンプリング前のk−1
のサンプリング点のフィルタ電流の極性が負であると判
別されると、スイッチS12、S21のオフの時点を遅く
し、デッドタイムTdを設けた後にスイッチS11、S22
をオンして、スイッチS12、S21のオン時間をデッドタ
イムの分だけ長く、スイッチS11、S22のオン期間をデ
ッドタイムの分だけ短くする。すなわち、出力電流iL
が常に負の場合、PWMデューティよりデッドタイムの
分だけVabの平均値が大きくなるので、その分だけPW
Mデューティを小さく、つまりスイッチS11、S22のオ
ン時間を短くするようにPWMパルス幅制御する。
【0033】尚、図4〜図6においては、説明を簡単に
するために各スイッチのオン時間(パルス幅)をほぼ同
じに記載しているが、実際には出力電流iLが常に正で
ある図5ではスイッチ11、S22のオン時間がスイッチS
12、S21のオン時間より長く、また出力電流iLが常に
負である図6ではスイッチS12、S21のオン時間がスイ
ッチ11、S22のオン時間より長くなる。
【0034】このようにPWM制御回路30は、フィル
タ電流の極性判別信号を利用してパルス幅の計算を行
い、これに応じたパルスに分配してPWMパルスを発生
する。このPWMパルスは、PWMパルス増幅回路40
により増幅された後、各PWM電流増幅回路A、BのIG
BT1〜IGBT8のゲートに入力され、IGBTを駆動制御して
PWM電流増幅回路の各出力電流を制御する。
【0035】以上説明したようにフィルタ電流の極性に
基づきPWMのデューティを制御することによって、デ
ッドタイムを設けてもデッドタイムの分だけ出力電圧が
小さくあるいは大きくならず、またフィルタ電流の平均
値を正確に検出できるので、図7に示しすようにフィル
タ電流と出力電圧の関係を直線化できる。これによって
図8(b)に示したような電流波形の歪みを解消でき、
また図8(c)に示したような応答遅れの問題も回避で
き、診断に有効な高画質のMRI画像を得ることができ
る。
【0036】また並列接続したPWM電流増幅回路の各
出力電流を精度よく制御できるので、各PWM電流増幅
回路A、Bの位相を180゜ずらすことにより極めて低リ
ップルの出力電流が得られる。
【0037】尚、以上説明した実施例では、スイッチン
グ電源として2並列のPWM電流増幅回路を備えた場合
を説明したが、本発明は1のPWM電流増幅回路を備え
た電源装置にも、また3(N個)以上の並列接続するス
イッチング電源にも適用できる。複数並列の場合、各ス
イッチング電源の位相を360゜/Nずらして駆動するこ
とにより、低リップル化を図ることができる。更に本実
施例では、スイッチング素子としてIGBTを用いたPWM
電流増幅回路を例にして説明したが、本発明にはMOSFET
を用いた電流増幅回路への適用も含まれる。
【0038】更に本発明の電源装置は、MRI装置のG
Cコイルのみならず他の磁場発生用コイル用の電源とし
て用いることもできる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電源装置
によれば、スイッチング電源の各スイッチをデッドタイ
ムを設けてPWM制御する際に、デッドタイムの分だけ
出力電圧が小さくあるいは大きくならないようにPWM
のデューティを制御することによって、フィルタ電流の
平均値を正確に検出でき、フィルタ電流と出力電圧の関
係を直線化できる。これによって電流波形の歪みや応答
遅れの問題を回避でき、診断に有効な高画質のMRI画
像を得ることができる。
【0040】また本発明の電源装置によれば、フィルタ
電流を正確に制御できるので、スイッチング電源を並列
接続した電源装置に好適に適用でき、この場合複数のス
イッチング電源の位相をずらして駆動することにより、
低リップルの電源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のPWM制御手段を備えた電源回路の
一実施例を示す全体ブロック図。
【図2】 フィルタ電流の極性判別回路の一実施例を示
す図。
【図3】 図1の電源回路の一部を簡略化して示した
図。
【図4】 図3の回路の出力電流iLがゼロクロスし、
デッドタィムがある場合のスイッチングシーケンスを示
す図で、。
【図5】 図3の回路の出力電流iLが常に正で、デッ
ドタィムがある場合のスイッチングシーケンスを示す図
で、(a)は従来のPWM制御を示す図、(b)は本発
明によるPWM制御を示す図。
【図6】 図3の回路の出力電流iLが常に負で、デッ
ドタィムがある場合のスイッチングシーケンスを示す図
で、(a)は従来のPWM制御を示す図、(b)は本発
明によるPWM制御を示す図。
【図7】 本発明のPWM制御におけるフィルタ電流と
負荷出力電圧の関係を示す図。
【図8】 MRI装置のGCコイルの電流波形を示す図
で、(a)は理想電流波形、(b)は従来の電源装置に
よる電流波形、(c)は従来の電源装置による立ち上が
り波形を示す。
【図9】 傾斜磁場電源の出力回路の構成を示す図。
【図10】 図9の回路の負荷回路系を示す図。
【図11】 図10の回路におけるフィルタ電流とゲー
トドライブ信号との関係を示す図で、デッドタイムのな
い場合を示す。
【図12】 図10の回路におけるフィルタ電流とゲー
トドライブ信号との関係を示す図で、デッドタイムを設
けた場合を示す。
【図13】 従来のPWM制御においてデッドタィムを
設けた場合のフィルタ電流と負荷出力電圧の関係を示す
図。
【符号の説明】
E・・・・・・直流電源 IGBT1〜IGBT8・・・・・・絶縁ゲート形バイポーラトランジ
スタ(スイッチ) S11、S12、S21、S22・・・・・・スイッチ D1〜D8・・・・・・ソフトリカバリィダイオード La1、La2、Lb1、Lb2・・・・・・インダクタ(フィルタ回
路) Ca1、Ca2、Cb1、Cb2・・・・・・キャパスタ(フィルタ回
路) Rca1、Rca2、Rcb1、Rcb2・・・・・・抵抗(フィルタ回
路) 10・・・・・・傾斜磁場コイル(負荷) A、B・・・・・・PWM電流増幅回路(スイッチング電源) 20・・・・・・フィルタ電流極性判別回路 30・・・・・・PWM制御手段 40・・・・・・パルス増幅回路 Td・・・・・・デッドタイム CS1、CS2・・・・・・フィルタ電流検出器
フロントページの続き (72)発明者 堂本 拓也 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 福田 博也 大阪府大阪市東淀川区菅原6丁目21番3号 ヴェルドール淡路306号室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷である磁気共鳴イメージング装置の磁
    場発生用コイルに接続されたスイッチング電源と、前記
    磁場発生用コイルに流れる電流の検出値と電流指令値と
    を入力し、前記検出値と電流指令値との差がゼロになる
    ように前記スイッチング電源を構成するスイッチのデュ
    ーティをパルス幅変調制御するPWM制御手段とを備え
    た磁気共鳴イメージング装置用電源装置において、 前記スイッチング電源に設けられたフィルタ回路の電流
    を検出するフィルタ電流検出手段と、このフィルタ電流
    検出手段により検出されたフィルタ電流の極性を判別す
    る極性判別手段とを備え、 前記PWM制御手段は、前記極性判別手段の判別結果に
    基づき前記デューティを増減する手段を備えたことを特
    徴とする磁気共鳴イメージング装置用電源装置。
  2. 【請求項2】負荷である磁気共鳴イメージング装置の磁
    場発生用コイルに並列に接続された複数のスイッチング
    電源と、前記磁場発生用コイルに流れる電流の検出値と
    電流指令値とを入力し、前記検出値と電流指令値との差
    がゼロになるように前記スイッチング電源を構成するス
    イッチのデューティをパルス幅変調制御するPWM制御
    手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置用電源装置に
    おいて、 前記スイッチング電源の各々に設けられたフィルタ回路
    の電流を検出するフィルタ電流検出手段と、このフィル
    タ電流検出手段により検出されたフィルタ電流の極性を
    判別する極性判別手段とを備え、 前記PWM制御手段は、前記極性判別手段の判別結果に
    基づき前記デューティを増減する手段を備えたことを特
    徴とする磁気共鳴イメージング装置用電源装置。
  3. 【請求項3】前記PWM制御手段は、前記複数のスイッ
    チを所定のデッドタイムを設けてオンオフ制御するとと
    もに、前記フィルタ電流の極性が正のときは前記デッド
    タイムの分だけ前記デューティを大きくし、前記フィル
    タ電流の極性が負のときは前記デッドタイムの分だけ前
    記デューティを小さくすることを特徴とする請求項1又
    は2記載の磁気共鳴イメージング装置用電源装置。
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