JPH1080408A - 携帯用小型電子機器 - Google Patents

携帯用小型電子機器

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JPH1080408A
JPH1080408A JP8239607A JP23960796A JPH1080408A JP H1080408 A JPH1080408 A JP H1080408A JP 8239607 A JP8239607 A JP 8239607A JP 23960796 A JP23960796 A JP 23960796A JP H1080408 A JPH1080408 A JP H1080408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脈拍数に対する体温や環境温度の影響の度合
いを被測定者に知らせることができる携帯用小型電子機
器を提供する。 【解決手段】 腕時計構造の装置本体中に、所定部位か
ら脈波を検出する脈波検出部2と、体温を検出する体温
検出部3と、環境温度を検出する環境温度検出部4とを
有する。監視モードにおいて、CPU10は、各部2〜
4から供給される信号に基づいて脈拍数と体温と環境温
度とを測定し、測定した体温および測定した環境温度を
液晶パネル等の表示部18に表示させるとともに、生理
的に快適な標準温度および標準環境温度における標準脈
拍数および環境標準脈拍数を当該体温および環境温度つ
いて求め、これらに対する測定された脈拍数の各偏差を
求め、表示部18に表示する。よって、使用者は、表示
部18の表示内容と自らの実感に基づいて自らの体調状
態を把握できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、現在の脈拍と生
理的に快適な標準温度における脈拍との偏差を表示する
ことができる携帯用小型電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被測定者の体調状態および運動能
力を非観血的にチェックできる装置として、例えば、実
公昭59−133988号公報に示される脈拍計測機能
を有する携帯用小型電子機器が知られている。また、特
開昭59−91389号公報、特開平5−22034号
公報には、年齢および最大運動強度から、目標脈拍数を
求め、これと運動時の脈拍とを比較する装置が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、運動時や日
常の活動時において、人体では血液の循環が体温調節に
重要な役割を果たしており、例えば、寒冷環境において
は体温の放散が進み脈拍数は減少する。すなわち、脈拍
数は外部環境温度の影響を受け変動してしまう。このた
め、体調状態や運動状態が同じであっても、外部環境温
度の違いによって脈拍数が異なってくる。また、同様に
して体温の違いがあっても、脈拍数は異なってくる。
【0004】これに対し、従来の脈拍計測装置は、温度
あるいは体温の変化にともなう脈拍変動を考慮していな
いため、単純に現時点の脈拍数を示すだけであり、体温
や体調状態を正確には判断できないという問題があっ
た。また、最適な運動を行うために、最大運動強度から
目標脈拍数を示す従来装置においても、環境温度や体温
による脈拍数の変動を考慮していないため、適切な目標
脈拍数を示すことができないという問題があった。
【0005】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、脈拍数に対する体温や環境温度の影響の度合
いを被測定者に知らせることができる携帯用小型電子機
器を提供することを目的としている。また、この発明の
他の目標は、運動を行うに際し、体温や環境温度に応じ
た目標脈拍数を指示することができる携帯用小型電子機
器を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の携帯用小型電子機器は、脈拍測
定手段を内蔵する携帯用小型電子機器において、温度を
測定し温度データを得る温度測定手段と、前記温度測定
手段によって測定された温度データに基づいて温度を表
示する温度表示手段と、前記脈拍測定手段で測定された
脈拍データと前記温度測定手段で測定された温度データ
とを用いて標準温度における標準脈拍数を算出し、該標
準脈拍数を基準とした前記脈拍データの偏差を算出する
偏差算出手段と、前記偏差を告知する偏差告知手段とを
具備したことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の携帯用小型電子機器は、請
求項1記載のものにおいて、測定対象の動きを検出する
体動検出手段と、前記体動検出手段の検出結果に基づい
て測定対象の活動量を測定する活動量測定手段と、前記
活動量測定手段によって測定された活動量と前記脈拍測
定手段によって測定された脈拍数と前記温度測定手段に
よって測定された温度データとに基づいて測定対象の体
調状態を求める体調状態測定手段とを具備することを特
徴としている。
【0008】請求項3記載の携帯用小型電子機器は、請
求項2記載のものにおいて、測定対象の活動量の基準デ
ータを記憶した記憶手段を備え、前記体調状態測定手段
は前記基準データを加味して測定対象の体調状態を求め
ることを特徴としている。請求項4記載の携帯用小型電
子機器は、請求項2または3記載のものにおいて、前記
体調状態測定手段によって求められた測定対象の体調状
態に基づいて該測定対象の運動強度を該測定対象に指示
することを特徴としている。
【0009】請求項5記載の携帯用小型電子機器は、請
求項2または4記載のものにおいて、前記基準データは
最大酸素消費量、基礎代謝時の脈拍あるいは心拍数、負
荷度に対する脈拍あるいは心拍数の変化率、身長、体
重、歩幅のうち少なくとも一つを含むことを特徴として
いる。請求項6記載の携帯用小型電子機器は、請求項3
ないし5いずれかに記載のものにおいて、外部機器から
供給される情報を基準データとして前記記憶手段に記憶
させる手段を具備することを特徴としている。
【0010】請求項7記載の携帯用小型電子機器は、請
求項1または6いずれかに記載のものにおいて、環境温
度を測定し温度データを得る環境温度測定手段と、前記
脈拍測定手段で測定された脈拍数と前記環境温度測定手
段で測定された前記温度データとを用いて環境標準温度
における環境標準脈拍数を算出し、該環境標準脈拍数を
基準とした前記脈拍データの偏差を算出する環境偏差算
出手段とを具備し、前記温度表示手段は前記環境温度測
定手段によって測定された温度データに基づいて環境温
度を表示し、前記偏差告知手段は前記環境偏差算出手段
で算出された偏差を告知することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本実施形態による携
帯用小型電子機器は、使用者が自らの体調状態を把握で
きるようにするものであり、特にランニング時の体調状
態の把握に適した構成となっている。図1および図2は
本発明の一実施形態による携帯用小型電子機器の構成を
示すブロック図および外観図であり、図1に示す装置は
図2に示される腕時計構造の装置本体1の内部に組み込
まれている。
【0012】図1において、脈波検出部2は使用者の指
の付け根における脈波を常時測定するもの、体温検出部
3は使用者の橈骨動脈近傍の皮膚の温度(体温)を常時
測定するもの、環境温度検出部4は被測定者(使用者)
がおかれる環境の温度(以後、環境温度)を常時測定す
るもの、加速度センサ5は本装置の使用者の体動を捉え
る体動検出手段の一例であり、それぞれ、測定結果をア
ナログ信号で出力する。A/D変換器6,7,8,およ
び9は、それぞれ、脈波検出部2、体温検出部3、環境
温度検出部4、および加速度センサ5から出力されるア
ナログ信号を量子化してデジタル信号へ変換してバスへ
出力する。なお、CPU10にA/D変換機能がある場
合にはこれらのA/D変換器を設ける必要はない。
【0013】CPU10は本装置内の各回路を制御する
中枢部であり、各種演算処理を行うとともに、バスを介
してデジタル信号を送受することにより後述する各種機
能を実現する。また、ROM11には、CPU10が実
行する制御プログラムや制御データ等が格納されてい
る。一時記憶メモリ12はRAMの一種であって、CP
U10が演算を行う際の作業領域として使用される。デ
ータメモリ13はバッテリーバックアップされたRAM
等で構成される不揮発性メモリであって、後述する各種
データを格納する。
【0014】時計回路14は時刻を生成するものであ
り、この時刻は腕時計による表示やCPU10による処
理に使用される。なお、CPU10に時刻を生成する機
能があれば、時計回路14を設ける必要はない。また、
操作部15には装置本体1に設けられた各種ボタンが設
けられており、これらのボタンが押下されたことを検出
して当該ボタンの種類を出力する。ブザー16は、市販
のデジタル式腕時計に付属したアラーム機構であり、C
PU10からの鳴動開始,鳴動停止の指示に基づいてア
ラーム音を発する。
【0015】I/Oインターフェイス17は、装置の外
部に設けられた機器との間で通信(例えば、光通信)を
行うための手段である。このI/Oインターフェイス1
7を用いることで、例えば、データメモリ13に格納さ
れた各種データを外部機器へ転送することができる。1
8は現在時刻や日付を表示する液晶パネル等の表示部で
あり、図2に示されるように、腕時計構造を有する装置
本体1の上面部に、一般のデジタル腕時計と同様に設け
られている。
【0016】図2に示すように、本装置は、装置本体
1,この装置本体1に接続されたケーブル19,このケ
ーブル19の先端側に設けられたセンサユニット20か
ら構成されている。装置本体1には、腕時計の12時方
向から使用者の腕に巻き付いて、腕時計の6時方向で固
定されるリストバンド21が取り付けられている。この
装置本体1は、このリストバンド21によって使用者の
腕から着脱自在となっている。なお、図示を略すが、リ
ストバンド21において、装着時に橈骨動脈近傍の皮膚
に接触する位置には、体温検出部3の温度センサが設け
られている。
【0017】また、装置本体1表面には皮膚から遠ざか
るように立ち上がった台座4aが形成されており、この
台座4aの先端部には、環境温度検出部4に接続された
温度センサ4bが固着されている。このように温度セン
サ4bを皮膚から遠ざけるのは、環境温度の測定におい
て皮膚からの熱伝導による影響を除外するためである。
したがって、台座4aを熱伝導率の低い素材から形成す
ることが望ましい。また、台座4aを光ファイバ等の形
状を柔軟に変化させ得る素材から形成し、皮膚から十分
な距離を保ちつつ、運動等の邪魔にならないよう構成し
てもよい。なお、装置本体1表面における台座4aおよ
び温度センサ4bの取り付け位置は任意であるが、本実
施形態では、より正確な環境温度の測定を実現できるよ
う、例えば、衣服に覆われ易い位置を避ける等の工夫を
施している。
【0018】また、センサユニット20は、センサ固定
用バンド22によって遮光されており、使用者の人指し
指の付け根〜第2指関節の間に装着されている。なお、
このセンサユニットは20は、装着位置をずらすことが
可能であり、例えば、使用者の人指し指の指尖部に装着
することも可能である。センサユニット20は、例え
ば、赤外線発光ダイオード等の発光素子とフォトトラン
ジスタ等の光センサとからなる光電式脈波センサとして
機能するものであり、発光素子から放射された光は、光
電式脈波センサが接触する皮膚直下を通る血管内の赤血
球のヘモグロビンにより吸収されつつ皮下組織などから
反射され、光センサによって受光されて光電変換され
る。こうして得られた信号は、所定の吸光特性を有する
ヘモグロビンの量の変化、すなわち血流脈波を表してい
る。なお、信号対雑音(SN)比を考慮すると、発光素
子に用いる発光ダイオードとしては青色光のものが好適
である。
【0019】一方、腕時計の6時の方向の表面側には、
コネクタ部23が設けられている。このコネクタ部23
にはケーブル19の端部に設けられたコネクタピース2
4が着脱自在に取り付けられており、コネクタピース2
4をコネクタ部23から外すことにより、本装置を通常
の腕時計やストップウオッチとして用いることができ
る。
【0020】なお、コネクタ部23を保護する目的か
ら、ケーブル19とセンサユニット20をコネクタ部2
3から外した状態では所定のコネクタカバーを装着す
る。このコネクタカバーは、コネクタピース24と同様
に構成された部品から電極部などを除いたものが用いら
れる。
【0021】次に、図2におけるその他の部品について
図3を参照して説明する。図3は、本実施形態における
装置本体1の詳細を、ケーブル19やリストバンド21
を外した状態で示したものである。ここで、同図におい
て、図2と同一の部品には同一の符号を付してありその
説明を省略する。
【0022】図3において、装置本体1は樹脂製の時計
ケース25を具備している。時計ケース25の表面に
は、現在時刻や日付に加えて、脈拍数などの脈波情報を
デジタル表示するための表示部18が設けられている。
この表示部18は、表示面の左上側に位置する第1のセ
グメント表示領域18-1,右上側に位置する第2のセグ
メント領域18-2,右下側に位置する第3のセグメント
領域18-3,左下側に位置するドット表示領域18-Dか
ら構成されている。
【0023】ここで、第1のセグメント領域18-1には
日付,曜日,現在時刻などが表示される。また、第2の
セグメント領域18-2には各種の時間測定を実施するに
あたって経過時間などが表示される。また、第3のセグ
メント領域18-3には後述する偏差や、温度、ピッチ等
の各種の計測値または目標値などが表示される。さら
に、ドット表示領域18-Dには各種の情報をグラフィッ
ク表示することが可能であるとともに、ある時点におい
て装置がどのようなモードにあるかを表すモード表示、
棒グラフ表示などの様々な表示が可能である。
【0024】なお、本装置が有するモードとしては、普
通の腕時計およびストップウォッチとして使用する「通
常使用モード」と、標準の脈拍数に対する現在の脈拍数
の偏差を求めて使用者に知らせる「監視モード」と、適
正なランニングのピッチを使用者に知らせる「調整モー
ド」と、標準の脈拍数の基準となる基準データを設定す
るための「設定モード」との4つのモードを有する。こ
れらのモードにおける機能ついては後述する。
【0025】時計ケース25の外周部と表面部には、各
種ボタンスイッチ26〜32が設けられている。腕時計
の4時の方向にあるボタンスイッチ27は、装置が有す
る各種モードの切り換えを指示するためのものであり、
このボタンを押す度に、CPU10(図1参照)が各回
路を制御して上記各モードを巡回的に切り替える。な
お、電源投入時は通常使用モードに初期化される。ま
た、表示部18の上側に位置するボタンスイッチ32
は、測定動作の開始/停止の指示を行うために使用され
る。
【0026】また、この腕時計の電源として用意されて
いるのは、時計ケース25に内蔵されたボタン形の電池
33であって、図2に示すケーブル19は電池33から
センサユニット20に電力を供給し、センサユニット2
0の検出結果を脈波検出部2に送出する役割を果たして
いる。また、時計ケース25の内部には、電池33に対
して9時の方向に、ブザー16として用いられる偏平な
圧電素子34が配置されている。なお、図示を略すが、
環境温度検出部4の温度センサは装置本体1上の皮膚に
接触しない位置に設けられている。
【0027】次に、CPU10の機能を設定モードにお
ける機能と監視モードにおける機能と調整モードにおけ
る機能とに分けて説明する。なお、通常使用モードにお
ける機能は通常のデジタル腕時計およびストップウォッ
チにおける機能と同様であるため、その説明を省略す
る。
【0028】A.設定モードにおけるCPU10の機能 設定モードにおいて、CPU10は、操作部15の操作
によって入力される基準データをデータメモリ13に格
納する。ここでいう基準データとは、個人差のあるデー
タであり、具体的には、使用者の体重、歩幅(あるいは
身長)、最大酸素消費量、基底状態(基礎代謝状態)に
おける脈拍数(以後、基底脈拍数)、体調状態が正常な
場合の最大酸素消費量に対するエネルギー消費量の割合
(活動量:運動強度)に対する脈拍数の変化率(以後、
負荷−脈拍変化率)などである。
【0029】ところで、脈拍数はエネルギー消費量のみ
ならず、環境温度および体温に応じて変動する(なお、
人間は恒温動物であるので、その深部体温は基本的に変
動しない。しかしながら、特に体表(例えば、橈骨動脈
付近)において測定される体温には環境温度に応じた少
なからぬ変動があり得るので、ここでは、体温が変動し
得るものとして説明する)。例えば、図4に示すよう
に、酸素消費量(エネルギー消費量)が同一であっても
環境温度の上昇に伴って心拍数(脈拍数)が高くなる。
また、環境温度あるいは体温が異なると、運動強度に対
する脈拍数の変化率も異なることが知られている。
【0030】したがって、CPU10は、各環境温度毎
および各体温毎に基底脈拍数および負荷−脈拍変化率を
設定する機能を備えている。なお、本実施形態では、図
5(a),図5(b)に示されるように、環境温度につ
いては10℃間隔で代表値(例えば、10℃、20℃、
30℃)を設定し、体温については1℃間隔で代表値
(例えば、35.5℃、36.5℃、37.5℃)を設
定し、当該代表値に対して基底脈拍数および負荷−脈拍
変化率を設定するようにしている。もちろん、各間隔は
適宜設計すべき事項である。
【0031】上述した基底脈拍数および負荷−脈拍変化
率の設定は環境温度と体温とで独立して行うようにして
もよいし、実質的に同一となる環境温度および体温につ
いて同時に行うようにしてもよい。また、基準データの
モデルとなる複数のモデルデータをデータメモリ13に
予め記憶させ、これらのモデルデータから使用者が任意
のモデルデータを選択して基準データとするようにして
もよい。
【0032】また、データメモリ13に、環境温度に対
する基底脈拍数および負荷−脈拍変化率の関係を表す情
報と、体温に対する基底脈拍数および負荷−脈拍変化率
の関係を表す情報とを格納し、ある温度における基底脈
拍数および負荷−脈拍変化率が設定された場合には、C
PU10が当該情報を利用し、他の温度における基底脈
拍数および負荷−脈拍変化率を近似的に求めて、あるい
は複数のモデルデータから最適なモデルデータを選択し
て、基準データとして設定するようにしてもよい。
【0033】基底脈拍数は、例えば、体温が最も低下し
た時の測定値とする。この測定は、被測定者(使用者)
が深い睡眠状態にある時に行われるのが望ましく、レム
睡眠状態における測定は避けるべきである。また、負荷
−脈拍変化率は既知の統計データをデータメモリ13に
記憶させておくようにしてもよいし、より好適には、使
用者に対する負荷試験(図5(a)および図5(b)に
示されるグラフを得るための試験)の試験結果を用いる
ようにしてもよい。
【0034】ところで、図4に示されるように、環境温
度に対する心拍数(脈拍数)の変動の仕方は、酸素消費
量(エネルギー消費量)によらずほぼ同じである(それ
ぞれの酸素消費量における曲線の傾向がほぼ同じであ
る)。したがって、測定された環境温度と測定時の脈拍
数とが既知であれば、当日の環境標準温度(後述する)
に換算した脈拍数(以後、環境標準脈拍数)を求めるこ
とができる。
【0035】また、図5(a)および図5(b)に示さ
れるように、環境温度が一定であれば、エネルギー消費
量に対する心拍数(脈拍数)の変化率は一定であるの
で、当該環境温度における基底脈拍数および負荷−脈拍
変化率と測定されたエネルギー消費量および最大酸素消
費量とから、当該環境温度において期待される脈拍数
(以後、期待脈拍数)を求めることができる。よって、
上記標準脈拍数に対する脈拍数の偏差と、上記期待脈拍
数に対する脈拍数の偏差を求めることができる。これら
の偏差は、体調状態の指標となり得る。なお、上述した
ことは、体温についても同様にあてはまる。以後、環境
標準温度に対応する体温を標準温度と称す。
【0036】前述の環境標準温度および標準温度は生理
的に快適な環境温度および体温であり、統計的手法によ
って得られる。本実施形態においては、これらの環境標
準温度および標準温度を、一年を一周期として経日変動
するよう設定するが、以下、その理由について、図6お
よび図7を参照して説明する。図6(a)〜(d)は複
数の被測定者の直腸温の一日における変動を示すグラフ
であり、それぞれ、春、夏、秋、冬における測定結果を
示している。図6(a)〜(d)から明らかなように、
人間の体温は一年を通じて変動している。また、図7は
被測定者の直腸温の一日における変動を環境温度別に示
すグラフであり、この図から、環境温度に応じて体温が
変動することが分かる。したがって、季節の移り変わり
に伴った環境温度(気温)の変化に応じて、体温が一年
を一周期として経日変動すること、すなわち体温が年内
変動を伴うことが明らかである。このように、体温は年
内変動を伴うので、生理的に快適な環境温度および体温
は当該年内変動に応じて変動することが予測される。こ
れが、環境標準温度および標準温度を、一年を一周期と
して経日変動するよう設定する理由である。
【0037】ここで、環境標準温度の設定手順の一例に
ついて具体的に説明する。まず、一日平均の環境温度が
最も高くなる日(夏)と最も低くなる日(冬)において
環境標準温度(例えば、26℃および22℃)を統計的
に特定する。次に、上記両日の中間となる日(両日との
間の日数が等しい日、あるいは環境温度が両日の環境温
度の平均値となる日)において環境標準温度(例えば、
24℃)を統計的に特定する。なお、上記中間となる日
は、春と秋とでそれぞれ有り得るが、いずれの日におい
ても標準環境温度は同一となることが予測されるので、
いずれか一方の環境標準温度を特定すれば、それを他方
の環境標準温度とすることができる。次に、上記各日に
おいて対応する標準環境温度となり、かつ、年間の環境
温度と同様に推移する曲線の式を求めれば、これを環境
標準温度の算出式として使用することができる。なお、
標準温度についても上述した環境標準温度の設定手順と
同様な指針で設定することができる。
【0038】B.監視モードにおけるCPU10の機能 監視モードにおいて、CPU10は、脈波検出部2から
A/D変換器6を介して出力されるデジタル信号をパル
ス信号として捉え、その計数を一定時間だけ行い、1分
間あたりの計数値、すなわち脈拍数を求めるとともに、
体温検出部3からA/D変換器7を介して出力されるデ
ジタル信号に基づいて体温、環境温度検出部4からA/
D変換器8を介して出力されるデジタル信号に基づいて
環境温度(例えば、25℃)を求め、表示部18のセグ
メント領域18-3に表示する。また、CPU10は、求
めた環境温度および体温と測定時の脈拍数とに基づい
て、当日の環境標準温度および標準温度に換算した環境
標準脈拍数および標準脈拍数を求め、これらの環境標準
脈拍数および標準脈拍数に対する測定された脈拍数の各
偏差(例えば、15および7)を算出し、表示部18の
セグメント領域18-3に表示する。
【0039】ところで、使用者は、自らの運動強度(エ
ネルギー消費量/最大酸素消費量)を把握し、当該運動
に対する負担感(主観的運動強度)を感じているため、
表示部18に表示された偏差を視認することにより、自
らの体調状態を概ね把握することができる。例えば、実
感に一致して偏差が正の方向に大きくなる場合には体調
状態が悪いこと、実感に一致して偏差が負の方向に大き
くなる場合には体調状態が向上したこと(例えば、運動
に慣れてきた場合など)を判断できる。
【0040】ところで、上記体調状態の把握は、偏差を
表示することによって可能となるものである。例えば、
偏差を表示するのではなく、単に、測定された脈拍数を
特定の環境温度または体温に換算した脈拍数を表示する
だけでは、当該特定の環境温度または体温における適正
な脈拍数を使用者が知っている必要がある。仮に、当該
特定の環境温度または体温における適正な脈拍数を併せ
て表示するようにしても、使用者自らが両者を見比べな
ければならない。これに対して、偏差を表示するように
すれば、使用者は当該偏差のみを読みとり、これを自身
の主観的運動強度と照らし合わせるだけでるだけ体調状
態を把握することができるので、運動中の使用者であっ
ても容易に自らの体調状態を把握することができる。
【0041】また、上記偏差に応じて、主観的運動強度
を表示部18に表示するようにしてもよい。主観的運動
強度としては、「非常にきつい」、「かなりきつい」、
「きつい」、「ややきつい」、「楽である」、「かなり
楽である」、「非常に楽である」といったグレードが考
えられ、上記偏差が正の方向に大であれば「非常にきつ
い」、負の方向に大であれば「非常に楽である」とグレ
ード分けすることで主観的運動強度を表すことができ
る。実際の表示は、上記グレードを表す数値を用いて行
うのが一般的であると考えられるが、この際、表示され
る数値は人間の実感に線形に対応していることが望まれ
る。なお、グレードを表す数値の例としては、「非常に
きつい」が19、「かなりきつい」が17、「きつい」
が15、「ややきつい」が13、「楽である」が11、
「かなり楽である」が9、「非常に楽である」が7、と
いったものが挙げられるが、統計に基づいて他のグレー
ド分けおよび数値化を採用してもよい。
【0042】また、CPU10は、加速度センサ5から
A/D変換器9を介して出力されるデジタル信号から、
使用者の挙動、具体的にはランニング中の使用者の腕の
振りの周波数を求め、当該周波数からランニングのピッ
チを求め、このピッチと、データメモリ13に格納され
た使用者の基準データ、具体的には使用者の体重および
歩幅とから、エネルギー消費量を求め、このエネルギー
消費量とデータメモリ13に格納されている最大酸素消
費量から運動強度を算出する。なお、腕の振りの周波数
は、通常、ピッチの周波数の1/2となることから、2
倍して単位時間あたりの数に換算することにより、単位
時間あたりの歩数(ピッチ)が得られる。したがって、
このピッチに使用者の体重(質量)を乗算することによ
りエネルギー消費量が得られるのである。
【0043】さらに、CPU10は、求めた運動強度、
脈拍数、および環境温度または体温と、当該環境温度ま
たは体温に対応してデータメモリ13に格納された基底
脈拍数および負荷−脈拍変化率とに基づいて、当該環境
温度または体温における期待脈拍数を求め、当該期待脈
拍数に対する測定された脈拍数の偏差を求める。なお、
期待脈拍数を求める場合には、公知の補間手法を用い
て、代表値でない温度(例えば、25℃の環境温度)に
おける期待脈拍数を求めるようにしてもよいし、当該温
度が含まれる温度幅の代表値をそのまま採用して期待脈
拍数を求めるようにしてもよい。
【0044】これらの偏差は、当該偏差が得られた時点
の運動強度に対応付けてデータメモリ13に格納される
とともに、表示部18の所定領域に表示される。また、
CPU10は、操作部15の操作に応じて、データメモ
リ13に格納された偏差および運動強度を読み出し、こ
れらを関連付けて表示部18の所定セグメント領域に表
示する機能を有する。
【0045】さらに、CPU10は、期待脈拍数に対す
る偏差に応じて、体調状態のグレードを判定する機能を
有する。具体的には、予め設定された複数(例えば、5
個)の閾値に基づいて数段階(例えば、6段階)にグレ
ード分けする。ROM11には、例えば、図8に示され
るようなフェイスチャートの各図形データ(例えば、ビ
ットマップデータ)が上記グレードに対応して格納され
ており、CPU10は、判定したグレードに対応する図
形をROM11から読み出し、偏差と併せて表示部18
のセグメント領域18-Dに表示する。
【0046】C.調整モードにおけるCPU10の機能 調整モードにおいて、CPU10は、監視モードと同様
の機能に加えて、求めた偏差が所定の閾値を超過した場
合にはランニングのピッチを調整するための情報を使用
者に知らせる機能を有する。
【0047】CPU10は、期待脈拍数に対する偏差を
求める際に、加速度センサ5による測定結果からランニ
ングのピッチを求めており、当該偏差が上記所定の閾値
を超過した場合には、当該偏差が上記所定の閾値を超過
した度合い(差)に対応する割合で当該ピッチより低い
(遅い)ピッチを目標ピッチとして設定し、当該目標ピ
ッチでブザー16を鳴動させる。あるいは、当該目標ピ
ッチで表示部18の全領域あるいは所定の領域を点滅さ
せる。
【0048】以上説明したように、上述した実施形態の
携帯用小型電子機器によれば、使用者は、環境温度を考
慮した環境標準脈拍数に対する現在の脈拍数の偏差を知
ることができる。したがって、使用者は、正確かつ直感
的に体調状態を評価することができるとともに、運動能
力の変化、向上を評価することができる。また、使用者
は、体温の変動を考慮した偏差と、反応が体温よりも遥
かに速い環境温度を考慮した偏差との両方を知ることが
できるので、正常な体調状態からのズレを的確に把握す
ることができるとともに、実感に即した情報を即座に取
得することができる。
【0049】ところで、生体の状態、特に循環器系の状
態はストレス等の負荷によって変動するのみならず、一
定のリズムによって変動することがわかってきている。
この変動周期が一日となる変動を日内変動というが、デ
ータメモリ13に使用者の体温や脈拍あるいは心拍数な
どの日内変動を表す情報を格納し、この情報に基づいて
時刻に応じた日内変動による変動量(例えば、「+0.
3」等)を表示部18の所定セグメント領域に表示する
ようにしてもよい。ここで表示される変動量は、脈拍数
および体温の不自然な変動(使用者の実感を伴わない変
動)が日内変動によるものなのか他の要因(例えば、情
動)によるものなのかを使用者が判断する指標となり得
る。
【0050】なお、環境温度および体温に加えて、体温
に比較して環境温度の影響をより受けやすい末梢の皮膚
温を測定するようにしてもよい。この場合には、図5
(a)または図5(b)に相当する、末梢の皮膚温に対
応した基底脈拍数および負荷−脈拍変化率に基づいた処
理が行われる。
【0051】さらに、音声合成ICおよび発音手段(例
えば、アンプおよびスピーカ)を付加し、当該音声合成
ICおよび発音手段を用いて偏差やグレード、ピッチの
指示等を使用者に知らせるようにしてもよい。また、図
9に示すように、装置本体1の下面内側の一部に70μ
m程度の厚さの凹部を形成し、ここにピエゾ素子PZT
を取り付けても良い。このピエゾ素子PZTに適切な周
波数の交流電圧を印加すると、ピエゾ素子PZTが振動
して携帯機器を装着している使用者に伝達される。した
がって、ピエゾ素子PZTの振動周期をピッチに応じた
周期とするよう回路を構成すればよい。なお、ピエゾ素
子PZTの厚みは1μm,その直径は凹部の直径の80
%程度にすると良い。このように、ピエゾ素子PZTの
直径を凹部のそれの80%程度とすると、告知音の音圧
を大きくすることができる。さらに、アナログ針を用い
て偏差やグレードを表すことも可能である。
【0052】また、脈波から脈拍数を求めるのではな
く、心電から心拍数を求めるようにし、この心拍数の変
化に基づいて上述と同様の処理を行うようにしてもよ
い。もちろん、この場合には、心臓を挟んで対向するよ
う胸部に2つの電極を配し、これらの電極に接続された
アンプ等の回路を用いて、心電を測定し、心電から心拍
数を求める必要がある。
【0053】<変形例1>上述した実施形態の変形例と
して、腕時計構造の装置本体のみで上記実施形態による
装置と同様の機能を有する構成を、図10を参照して説
明する。なお、この図に示す携帯用小型電子機器35
は、図1に示される構成を全て有している。携帯用小型
電子機器35には、モード切替ボタン36が取り付けら
れている。モード切替ボタン21は通常使用モードと監
視モードと設定モードとを切り替えるためのボタンであ
って、このボタンを押す度に、CPU10(図1参照)
が各回路を制御して前述の各モードを巡回的に切り替え
る。なお、電源投入時は通常使用モードに初期化され
る。また、図示を略すが、携帯用小型電子機器35に
は、測定動作の開始/停止の指示を行うために使用され
るスイッチが設けられている。
【0054】図8において、脈波センサと温度センサと
を兼ねたセンサ37は、取り付け具38によって時計の
バンド39に取り付けられている。取り付け具38の取
り付け位置は、腕時計の装着時にセンサ37が使用者の
橈骨動脈近傍に位置するよう設定される。センサ37の
脈波センサ部分は図1の脈波検出部2に、温度センサ部
分は体温検出部3に包含されている。
【0055】なお、脈波センサとしては、光電式(光学
式)や圧力式などの任意の構造の脈波センサ、およびこ
れらの組み合わせを使用することができる。また、携帯
用小型電子機器35の表面には、環境温度検出部4に包
含されるサーミスタ等の温度センサが、皮膚からの熱伝
導による影響を除外するための台座を介して設けられて
いる。このような構成によれば、腕時計構成の装置本体
のみで前述の作用効果が得られる。
【0056】<変形例2>また、前述の実施形態の携帯
用小型電子機器から加速度センサ5およびA/D変換器
9を取り除き、エネルギー消費量の検出をしない構成と
してもよい。もちろん、この際、基準データに使用者の
負荷−脈拍変化率、体重、および歩幅(身長)を含めな
くても、環境標準脈拍数および標準脈拍数に対する現在
の脈拍数の各偏差を求めることができる。すなわち、使
用者は自らの実感と上記各偏差とに基づいて自身の体調
状態を把握することができる。
【0057】さらに、上述した実施形態の携帯用小型電
子機器から、適正なランニングのピッチを知らせる機能
を取り除いた態様や、環境温度を検出しない態様も考え
られる。環境温度を検出しない場合、標準脈拍数からの
偏差や体調状態の判断結果等が即座に変動することはな
いので、使用者の実感に即した結果を即座に出すことは
できない。しかしながら、体温もある程度の範囲でゆっ
くりと環境温度に追従していくので、タイムラグはある
ものの、使用者の実感に即した結果を出すことができ
る。
【0058】<変形例3>他の変形例について図11を
参照して説明する。図11に示す携帯用小型電子機器は
腕時計ではなく、ネックレスを使用した態様を示す図で
あり、この図において、40はセンサパッドであって、
たとえばスポンジ状の緩衝材で構成される。センサパッ
ド40の中には、前述した光電式脈波センサとしての機
能と接触している皮膚の温度を測定する温度センサとし
ての機能とを有するセンサ41が皮膚面に接触するよう
に取り付けられている。これにより、このネックレスを
首にかけると、光電式脈波センサ41が首の後ろ側の皮
膚に接触して脈波および接触している皮膚の温度を測定
することができる。
【0059】また、中空部を有する本体42の表面に
は、皮膚からの熱伝導による影響を除外するための台座
を介して環境温度を測定するための温度センサが設けら
れている。さらに、本体42の中空部には、CPUやR
OM、RAM、各種検出部等の本装置の主要部分が組み
込まれている。この本体42はブローチ様の形状をした
ケースであって、その前面には例えばグラフィック表示
部やボタンが設けられている。また、センサ41と本体
42はそれぞれ鎖43に取り付けられており、この鎖4
3の中に埋め込まれたリード線(図示略)を介して電気
的に接続されている。なお、センサ41に隣接して加速
度センサが取り付けられている。
【0060】<変形例4>その他の変形例について図1
2を参照して説明する。図12は眼鏡を使用した態様を
示す図であり、この図に示すように、装置本体は本体4
4aと本体44bに分かれ、それぞれ別々に眼鏡の蔓4
5に取り付けられており、これら本体が蔓45内部に埋
め込まれたリード線を介して互いに電気的に接続されて
いる。
【0061】本体44aは表示制御回路を内蔵してお
り、この本体44aのレンズ46側の側面には全面に液
晶パネル47が取り付けられ、また、該側面の一端には
鏡48が所定の角度で固定されている。さらに本体44
aには、光源(図示略)を含む液晶パネル47の駆動回
路と、表示データを作成するための回路が組み込まれて
いる。この光源から発射された光は、液晶パネル47を
介して鏡48で反射されて、眼鏡のレンズ46に投射さ
れる。また、本体44bには、装置の主要部が組み込ま
れており、その上面には各種のボタンが設けられてい
る。なお、これらボタン49,50の機能は装置毎に異
なる。
【0062】一方、光電式脈波センサを構成する青色光
を発する赤外線発光ダイオードおよび光センサはパッド
51,52に内蔵されると共に、パッド51,52を耳
朶へ固定するようになっている。これらのパッド51,
52は、本体44bから引き出されたリード線53,5
3によって電気的に接続されており、少なくとも一方の
パッドには耳朶の温度を測定する温度センサが内蔵され
ている。また、眼鏡のフレーム表面(皮膚と相対する面
の裏面)には、環境温度を測定するための温度センサが
設けられており、この温度センサはフレームおよび蔓4
5内部に埋め込まれたリード線を介して本体44bに接
続されている。なお、本変形性において熱伝導による影
響を除外するための台座を使用していないのは、温度セ
ンサの位置が皮膚から十分に離れているためである。な
お、図示を略すが、本体44bには加速度センサおよび
環境温度検出部が組み込まれている。
【0063】<応用例>次に、前述した実施形態による
携帯用小型電子機器をコンピュータシステムと組み合わ
せた応用例について、図13を参照して説明する。図1
3において、パーソナルコンピュータは本体54,ディ
スプレイ55,キーボード56,プリンタ57などから
構成されており、以下の点を除いて通常のパーソナルコ
ンピュータから構成されているため、その内部構成の説
明の詳細は省略する。
【0064】すなわち、本体54は、光信号によるデー
タを送受信するための図示しない送信制御部及び受信制
御部を内蔵しており、これら送信制御部と受信制御部
は、それぞれ光信号を送信するためのLED58と光信
号を受信するためのフォトトランジスタ59を有する。
これらLED58,フォトトランジスタ59は何れも近
赤外線用のもの(例えば中心波長が940nmのもの)
が用いられ、可視光を遮断するための可視光カット用の
フィルタ60を介し、本体54の前面に設けられた光通
信用の通信窓61から光通信を行う。
【0065】一方、パーソナルコンピュータと接続され
る装置側では、以下のような構成となっている。ここで
は、図1ないし図3に示される腕時計構造の携帯用小型
電子機器を例に挙げて説明するが、ネックレスや眼鏡等
の各種の携帯機器であっても何ら問題ない。前述したよ
うに、腕時計の装置本体1では、コネクタ部23が着脱
可能に構成されている。したがって、コネクタ部23が
取り外されたコネクタ部分に対して、コネクタカバーの
代わりに、図13に示すように通信コネクタ62を取り
付けるようにすれば良い。この通信コネクタ62には、
パーソナルコンピュータ側と同様にLEDとフォトトラ
ンジスタ及び光通信用のインターフェイスとが組み込ま
れている。また、腕時計の装置本体1の内部には光通信
のための光インターフェイス部(図示略)が設けられて
いる。
【0066】パーソナルコンピュータ側のRAMやハー
ドディスク等に格納された各種の情報を、当該パーソナ
ルコンピュータ側から腕時計側へ転送するには、例え
ば、キーボード56から転送コマンドを投入する。これ
により、パーソナルコンピュータ側の情報が、LED5
8及び通信窓61を介して近赤外光で出力される。一
方、腕時計側ではこの近赤外光が通信コネクタ62を介
して腕時計の光インターフェイス部へ送られる。
【0067】他方、腕時計側からパーソナルコンピュー
タ側へ生体状態の計測値などの各種の情報を転送する場
合は、通信方向が上記と逆になる。すなわち、携帯機器
の使用者は、腕時計に設けられたボタンスイッチを操作
するなどして、携帯機器をデータ転送のためのモードに
設定する。これにより、装置に内蔵されたプロセッサ等
が転送すべき情報をRAM等から読み出して、これらを
光インターフェイス部へ送出する。これにより、計測値
が光信号へ変換されて通信コネクタ62から送出され、
通信窓61及びフォトトランジスタ60を介してパーソ
ナルコンピュータ側へ転送される。
【0068】ところで、上記のような光通信を行う場合
には、何れの機器が情報を発信したかどうかを識別でき
ないと、本来は他の機器が受け取るべき情報を誤って受
信してしまうことが起こりうる。そこで、本発明に係る
I/Oインターフェイス手段には、情報を送信或いは受
信するにあたって、何れの装置が情報を発信したかを示
す識別情報を用いている。
【0069】以上のように外部機器と通信可能とするこ
とで、携帯用小型電子機器側の情報を外部機器側へ転送
することができると共に、外部機器から携帯用小型電子
機器側に対して各種の設定や指示を行うことが可能にな
る。したがって、例えば、各温度毎の基底脈拍数や負荷
−脈拍変化率等の設定を容易に行うことができるという
利点がある。また、携帯用小型電子機器と外部機器との
間を圧縮情報を用いた通信で実現するように構成すれ
ば、転送すべき情報量を削減することができる。なお、
このような圧縮情報を用いた通信は、外部機器側から携
帯機器側へ情報を転送する場合であっても全く同様であ
る。なお、携帯用小型電子機器と外部機器との通信は、
光通信に限定されるものではなく、無線電波を用いた通
信や有線通信であってもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
使用者(被測定者)が感じている負担感や活動状態と標
準脈拍数からの偏差とを比べて、体調状態を自己判断す
ることができる。この判断は、例えば、測定した脈拍数
を所定の温度に換算した脈拍数と当該温度の標準的な脈
拍数とを比較するよりも、遥かに容易となる。また、活
動状態を測定し、測定した活動状態を加味して体調状態
を自らが判断するので、例えば、体調状態に応じて使用
者に警告することも可能となる。
【0071】さらに、使用者の活動量の基準データに基
づいて体調データを求めるので、各人毎に適切な体調状
態の判定を行うことができる。また、使用者の体調状態
に応じて運動強度(ランニングのピッチなど)を指示で
きるので、使用者は安全で効率のよい運動を行うことが
できる。さらに、使用者の基準データとして様々な値の
組み合わせを許容しているので、基準データを使用者が
入力する際には、使用者の要望に即した体調状態の判
定、および運動強度の指示を得ることができる。
【0072】また、外部機器からの情報を基準データと
して使用できるため、小さな形態用小型電子機器を用い
て基準データを入力するよりも効率よく基準データを入
力することができる。さらに、体温のみならず、体温に
比較して著しく応答速度が速い環境温度をも測定するよ
うにしたので、使用者の実感を即座に反映した偏差の測
定、体調状態の判断、運動強度の指示を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による携帯用小型電子機
器の構成を示すブロック図である。
【図2】 同携帯用小型電子機器の外観構成を示す斜視
図である。
【図3】 同携帯用小型電子機器の一部外観構成を示す
図である。
【図4】 環境温度に対する心拍数の変化に酸素摂取量
が与える影響を示すグラフである。
【図5】 運動強度に対する心拍数の変化を表してお
り、(a)は当該変化に環境温度が与える影響、(b)
は当該変化に環境温度が与える影響を示す図である。
【図6】 複数の被測定者の直腸温の一日における変動
を示すグラフであり、(a)〜(d)はそれぞれ、春、
夏、秋、冬における測定結果を示す。
【図7】 被測定者の直腸温の一日における変動を環境
温度別に示すグラフである。
【図8】 本発明の一実施形態において使用されるフェ
イスチャートの一例を示す図である。
【図9】 ランニングピッチを振動にて知らせる手段の
一例を示す一部断面図である。
【図10】 本発明の一実施形態による携帯用小型電子
機器の変形例を示す外観斜視図である。
【図11】 同携帯用小型電子機器の他の変形例を示す
外観斜視図である。
【図12】 同携帯用小型電子機器の他の変形例を示す
外観斜視図である。
【図13】 同携帯用小型電子機器の応用例を示す外観
図である。
【符号の説明】
1 装置本体 2 脈波検出部 3 体温検出部 4 環境温度検出部 4a 台座 4b 温度センサ 5 加速度センサ 10 CPU 11 ROM 12 一時記憶メモリ 13 データメモリ 15 操作部 16 ブザー 18 表示部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脈拍測定手段を内蔵する携帯用小型電子
    機器において、 温度を測定し温度データを得る温度測定手段と、 前記温度測定手段によって測定された温度データに基づ
    いて温度を表示する温度表示手段と、 前記脈拍測定手段で測定された脈拍データと前記温度測
    定手段で測定された温度データとを用いて標準温度にお
    ける標準脈拍数を算出し、該標準脈拍数を基準とした前
    記脈拍データの偏差を算出する偏差算出手段と、 前記偏差を告知する偏差告知手段とを具備したことを特
    徴とする携帯用小型電子機器。
  2. 【請求項2】 測定対象の動きを検出する体動検出手段
    と、 前記体動検出手段の検出結果に基づいて測定対象の活動
    量を測定する活動量測定手段と、 前記活動量測定手段によって測定された活動量と前記脈
    拍測定手段によって測定された脈拍数と前記温度測定手
    段によって測定された温度データとに基づいて測定対象
    の体調状態を求める体調状態測定手段とを具備すること
    を特徴とする請求項1記載の携帯用小型電子機器。
  3. 【請求項3】 測定対象の活動量の基準データを記憶し
    た記憶手段を備え、 前記体調状態測定手段は前記基準データを加味して測定
    対象の体調状態を求めることを特徴とする請求項2記載
    の携帯用小型電子機器。
  4. 【請求項4】 前記体調状態測定手段によって求められ
    た測定対象の体調状態に基づいて該測定対象の運動強度
    を該測定対象に指示することを特徴とする請求項2また
    は3記載の携帯用小型電子機器。
  5. 【請求項5】 前記基準データは最大酸素消費量、基礎
    代謝時の脈拍あるいは心拍数、負荷度に対する脈拍ある
    いは心拍数の変化率、身長、体重、歩幅のうち少なくと
    も一つを含むことを特徴とする請求項3または4記載の
    携帯用小型電子機器。
  6. 【請求項6】 外部機器から供給される情報を基準デー
    タとして前記記憶手段に記憶させる手段を具備すること
    を特徴とする請求項3ないし5いずれかに記載の携帯用
    小型電子機器。
  7. 【請求項7】 環境温度を測定し温度データを得る環境
    温度測定手段と、 前記脈拍測定手段で測定された脈拍数と前記環境温度測
    定手段で測定された前記温度データとを用いて環境標準
    温度における環境標準脈拍数を算出し、該環境標準脈拍
    数を基準とした前記脈拍データの偏差を算出する環境偏
    差算出手段とを具備し、 前記温度表示手段は前記環境温度測定手段によって測定
    された温度データに基づいて環境温度を表示し、 前記偏差告知手段は前記環境偏差算出手段で算出された
    偏差を告知することを特徴とする請求項1ないし6いず
    れかに記載の携帯用小型電子機器。
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