JPH1079767A - データ受信装置および方法 - Google Patents

データ受信装置および方法

Info

Publication number
JPH1079767A
JPH1079767A JP8231744A JP23174496A JPH1079767A JP H1079767 A JPH1079767 A JP H1079767A JP 8231744 A JP8231744 A JP 8231744A JP 23174496 A JP23174496 A JP 23174496A JP H1079767 A JPH1079767 A JP H1079767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metric
bit
data
circuit
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8231744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3606412B2 (ja
Inventor
Tamotsu Ikeda
保 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP23174496A priority Critical patent/JP3606412B2/ja
Publication of JPH1079767A publication Critical patent/JPH1079767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3606412B2 publication Critical patent/JP3606412B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な回路でメトリックを計算し、多値多位
相変調方式で伝送されてきたデータを正確に復号化す
る。 【解決手段】 確率計算回路111−1により計算され
た、I成分の値が同一であるシンボルの集合SI00に
対する事後確率と、確率計算回路111−2により計算
された、集合SI01に対する事後確率の和を、シンボ
ルの第1のビットに対するメトリックとして出力し、確
率計算回路111−1により計算された、集合SI00
に対する事後確率と、確率計算回路111−3により計
算された、集合SI10に対する事後確率の和を、第3
のビットに対するメトリックとして出力する。同様に、
他の回路で、Q成分の値が同一であるシンボルの集合に
対する事後確率から、シンボルの第2のビットに対する
メトリックと、第4のビットに対するメトリックを算出
して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ受信装置お
よび方法に関し、特に、シンボルが伝送され、かつ、そ
のシンボルが受信された事後確率を、I成分またはQ成
分の値が同一であるシンボルの集合毎に計算し、その成
分を表すビットのうちの1つが所定の値であるシンボル
の集合に対する事後確率の総和を、その1つのビットに
対するメトリックとして計算するデータ受信装置および
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】米国においては、デジタル放送が既に開
始されている。ヨーロッパでも、デジタルテレビ放送を
導入するために、標準化組織Digital Video Broadcasti
ng(DVB)が結成され、その標準方式がまとめられようと
している。このデジタル放送については、例えば、日経
エレクトロニクス1996.1.15(no.653)
の第139頁乃至第151頁に、「ディジタル放送,米
国についで欧州も実用へ」として紹介されている。
【0003】デジタル放送を行う場合、その消費電力が
できるだけ少なくなるようにすることが望まれる。この
ような電力制限の厳しいこのような通信路においては、
一般的に、誤り訂正符号を用いて符号化利得を得て電力
の低減が図られている。この様なシステムにおいては、
送信側で誤り訂正符号化を行い、受信側で誤り訂正復号
を行うのが一般的である。特に信号電力対雑音電力比
(C/N比)の小さい通信路においては、畳み込み符号
が有利であり、この符号はビタビ復号法を用いることに
より、容易に軟判定復号を行うことができ、高利得を得
ることができる。
【0004】さらに、畳み込み符号化器の符号出力の系
列を、ある一定の規則に従って、間引くことにより、同
一の復号器を用いて、複数の符号化率を容易に実現でき
るパンクチャド符号が知られている。また、パンクチャ
ド符号化器の符号出力の系列をある一定の規則に従っ
て、ビット毎に拡散することによって、伝送路上で重畳
される雑音に対する耐性を向上させることができる。
【0005】図9は、DVBの地上波テレビジョン放送
のための規格DVB−Tにおいて提案されている送信装
置の構成例を表している。この装置では、パンクチャド
畳み込み符号、ビット拡散、QPSK変調方式が用いら
れている。
【0006】即ち、図9の例においては、情報源1より
出力された1ビットシリアルデータは、畳み込み符号化
器2に入力され、パンクチャド符号の母符号系列X,Y
が生成される。この例では、符号化率が1/2とされて
いる。X,Yは、それぞれ1ビットの符号系列を表して
いる。
【0007】この符号系列X,Yは、ビット消去回路3
に入力され、所定の規則に従って、ビット消去処理が行
われるようになされている。ビット消去回路3より出力
されたシリアル化されたパンクチャド符号系列は、直並
列変換器4に入力され、1系列のデータから2系列のデ
ータに変換されるようになされている。
【0008】直並列変換器4より出力された2系列のデ
ータx,yは、ビット拡散回路5−1,5−2にそれぞ
れ入力され、ビットの順番が拡散(交錯)されるビット
拡散処理が行われるようになされている。ビット拡散回
路5−1,5−2より出力されたビット拡散後のデータ
x’,y’は、信号点割当回路6に入力され、伝送路上
のシンボルへ割り当てられる。信号点割当回路6は、相
互に直交する同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)
で表される信号点の座標データI’,Q’を出力する。
【0009】シンボル拡散回路7は、信号点割当回路6
より出力された座標データI’,Q’により規定される
シンボルの順番を拡散するシンボル拡散処理を実行し、
拡散後のシンボルのI成分とQ成分を出力する。変調器
8は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Divisi
on Multiplex)方式で、I成分とQ成分をデジタル変調
し、アンテナ9を介して電波で出力するようになされて
いる。
【0010】図10は、畳み込み符号化器2の構成例を
表している。但し、この構成例は、DVB−Tで規定さ
れているものではなく、畳み込み処理の説明のための原
理的構成を示すものである。この例においては、情報源
1より出力された1ビットのシリアルデータが端子21
から入力され、遅延回路22,23により、それぞれ1
クロック分ずつ順次遅延された後、加算回路24と25
に出力されている。加算回路24にはまた、端子21の
出力と遅延回路22の出力とが供給されており、加算回
路24は、これらのデータを加算(排他的論理和演算)
した後、端子26からデータXとして出力するようにな
されている。また、加算回路25は、端子21の出力と
遅延回路23の出力を加算(排他的論理和演算)して、
端子27からデータYとして出力するようになされてい
る。
【0011】即ち、この実施例においては、1ビットの
入力に対して、遅延回路22と23の内部状態から定ま
る2ビットの母符号が出力されることになる。この例の
場合、拘束長が3、内部遅延素子が2、状態数が4、符
号化率が1/2となる。
【0012】図11は、この畳み込み符号化器2の状態
遷移図を表している。この畳み込み符号化器2の状態遷
移は、次のようになる。
【0013】即ち、例えば、状態00(遅延素子22の
出力と遅延素子23の出力が共に0の状態)において、
端子21から0が入力されると、端子26,27から、
(XY)=(00)が出力され、状態00に遷移する。
状態00から1が入力されると、(XY)=(11)が
出力され、状態は10に遷移する。状態01から0が入
力されると、(XY)=(11)が出力され、状態00
に遷移する。状態01から1が入力されると、(XY)
=(00)が出力され、状態10に遷移する。
【0014】他の状態においても、図11に示すよう
に、0または1の入力に対して、図示した出力が出さ
れ、図示した状態に遷移する。
【0015】ビット消去回路3では、ある規則に従っ
て、母符号系列(XY)から適当な位置のデータを消去
することによって、結果として符号化率を変えることが
できる。以下に、例えば、 X:10 Y:11 のような消去マップに従ってビットが消去される場合に
ついて説明する。
【0016】消去マップの1に対応するビットは伝送さ
れ、0に対応するビットは伝送されない(消去され
る)。消去マップによれば、ある時点での畳み込み符号
化器2の出力X(=X1)とY(=Y1)は、X1Y1
の順で伝送され、次の時点では、畳み込み符号化器2の
出力X(=X2)は消去されて伝送されず、Y(=Y
2)のみ伝送されることになる。即ち、この2つの時点
で伝送されるビットは、X1Y1Y2となる。この操作
で畳み込み符号化器2に入力されるビット数は2ビッ
ト、ビット消去回路3から出力されるビット数は3ビッ
トとなるので、符号化率Rは2/3となる。この操作は
2単位時間ごとに繰り返される。
【0017】直並列変換器4では、入力される1系列の
データX1,Y1,Y2,・・・が2系列のデータ
(x,y)に変換される。
【0018】ビット拡散回路5−1,5−2は、入力デ
ータ系列x,yの順番を所定の規則に従って入れ替える
ことによって、ビットを拡散する。このとき、一般にビ
ット拡散回路5−1と5−2の拡散方法は異なるものと
される。
【0019】以下にビット拡散の例を示す。Mビットの
入力データを1ブロックとし、適当な数値sを定める。
ビット拡散は、Mビットの入力系列からなるベクトル
(B0,B1,・・・,Bk,・・・,BM−1)か
ら、拡散後のMビットの出力系列からなるベクトル
(B’0,B’1,・・・,B’n,・・・,B’M−
1)への置換を意味する。このとき、B’n=Bk(n
=k+s mod M)である。
【0020】ビット拡散回路5−1,5−2で異なるs
を用いることによって、同じアルゴリズムで異なるビッ
ト拡散回路を構成することができる。
【0021】信号点割当回路6では、入力されたデータ
(x’,y’)を伝送路上のシンボルへ割り当てる。割
り当ては、例えば図12に示すように、QPSK方式に
従って行われる。即ち、 (x’,y’)=(0,0)のとき、(I’,Q’)=
(1/√2,1/√2)、 (x’,y’)=(0,1)のとき、(I’,Q’)=
(1/√2,−1/√2)、 (x’,y’)=(1,0)のとき、(I’,Q’)=
(−1/√2,1/√2)、 (x’,y’)=(1,1)のとき、(I’,Q’)=
(−1/√2,−1/√2) として割り当てが行われる。
【0022】シンボル拡散回路7は、(I’,Q’)で
表されるシンボルS’の順番を所定の規則に従って入れ
替えることによって、シンボルの拡散を行い、シンボル
S(I,Q)を得るものであり、これによって、伝送路
上で受けたバースト的な誤りを拡散することができる。
【0023】具体的な例を示すと、N−1個のシンボル
を拡散の単位ブロックとして、N未満の、Nと互いに素
な数Gを定めたとき、拡散は、拡散前のシンボルを要素
とするベクトル(S’1,S’2,・・・,S’k,・
・・,S’N−1)から拡散後のシンボルを要素とする
ベクトル(S1,S2,・・・,Sn,・・・,SN−
1)への置換として実行される。このとき、Sn=S’
k(n=G^k mod N)である。
【0024】変調器8では、入力されるシンボルSのI
成分とQ成分に従って、搬送波を変調し、アンテナ9を
介して送信する。
【0025】図13は、図9の送信装置より送信された
データを受信する受信装置の構成例を表している。復調
器32は、アンテナ31を介して受信した電波を復調
し、I成分信号とQ成分信号を出力する。シンボル逆拡
散回路33は、図9のシンボル拡散回路7におけるシン
ボル拡散処理と逆の処理、即ち、シンボル拡散回路7に
おいて入れ替えたシンボルの順番を元の順番に戻す処理
を行い、I信号成分I’とQ信号成分Q’を出力する。
【0026】ビット逆拡散回路34−1,34−2は、
シンボル逆拡散回路33より出力されたI’信号とQ’
信号に対して、図9のビット拡散回路5−1,5−2に
おいて変更したビットの順番を、元の順番に戻す処理を
実行する。
【0027】ビット逆拡散回路34−1,34−2より
出力されたI’信号成分に対応するデータxと、Q’信
号成分に対応するデータyは、並直列変換器35に入力
され、2系列のデータ(x,y)から1系列のデータに
変換され、ビット挿入回路36に供給される。
【0028】ビット挿入回路36においては、図9のビ
ット消去回路3におけるビット消去処理と反対に、ビッ
ト挿入処理が行われる。ビット挿入回路36により、ビ
ットが挿入されたI信号成分のデータxとQ信号成分の
データyは、ビタビ復号器37に入力され、ビタビ復号
され、再生情報38として出力されるようになされてい
る。
【0029】次に、その動作について説明する。
【0030】アンテナ31で受けた受信信号は、復調器
32で復調されて、各シンボルのI成分とQ成分のデー
タが得られる。このI成分とQ成分のデータは、シンボ
ル逆拡散回路33に入力され、そこで、シンボル拡散回
路7における場合と逆の操作が行なわれ、逆拡散された
データI’とQ’が得られる。
【0031】即ち、この逆拡散の操作は、シンボル拡散
回路7で用いた場合と同じ値N,Gを用いて表すと、逆
拡散前のシンボルを要素とするベクトル(S1,S2,
・・・,Sn,・・・,SN−1)を、逆拡散後のシン
ボルを要素とするベクトル(S’1,S’2,・・・,
S’k,・・・,S’N−1)へ置換する処理となる。
このとき、Sn=S’k(n=G^k mod N)であ
る。
【0032】シンボル逆拡散回路33から供給されたI
成分データI’と、Q成分データQ’は、それぞれビッ
ト逆拡散回路34−1,34−2に供給される。
【0033】ビット逆拡散回路34−1,34−2は、
それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2に対応し、そ
れぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2と逆の操作を行
う。
【0034】即ち、M個の入力データを1ブロックと
し、適当な数値sを定め、M個の入力系列からなるベク
トル(B’0,B’1,・・・,B’n,・・・,B’
M−1)から、逆拡散後のM個の出力系列からなるベク
トル(B0,B1,・・・,Bk,・・・,BM−1)
が求められる。このとき、B’n=Bk(n=k+s m
od M)である。
【0035】ここで、ビット逆拡散回路34−1,34
−2のビット逆拡散で用いる数値sは、それぞれ、ビッ
ト拡散回路5−1,5−2で用いる数値sと同じ値を用
いる。
【0036】こうしてビット逆拡散されたデータ系列
(x,y)は、次段の並直列変換器35に供給され、そ
こで直並列変換器4と逆の操作が行なわれ、2系列のデ
ータ(x,y)から1系列のデータに変換される。
【0037】ビット挿入回路36では、ビット消去回路
3と逆の操作が行われる。即ち、前述の例の消去マップ X:10 Y:11 を用いたビット消去回路3の処理に対応して、ビット挿
入回路36は、 X1,Y1,Y2(今の場合、x1,y1,y2) の順で入力されるデータに対して、消去されているデー
タX2(x2)に相当する位置で任意のダミーデータ
(ここでは0とする)を挿入して、Xデータとして、X
1(x1),0を、Yデータとして、Y1(y1),Y
2(y2)を、この順で出力する。また、ダミーデータ
を挿入した位置を示す挿入フラグをビタビ復号器37に
供給する。
【0038】ビタビ復号器37では、畳み込み符号化器
2の状態遷移(図11)に従ってビタビ復号を行う。図
14にビタビ復号器37の例を示す。入力端子62−
1,62−2には、ビット挿入回路36より出力された
データX,Yが、それぞれ入力される。これらのデータ
X,Yは、ブランチメトリック演算回路63−1乃至6
3−4に入力されている。ブランチメトリック演算回路
63−1においては、入力データ(X,Y)と図12に
示した座標点(1/√2,1/√2)との距離を、ブラ
ンチメトリックとして演算する。同様に、ブランチメト
リック演算回路63−2乃至63−4においては、入力
データ(X,Y)と座標点(1/√2,−1/√2),
(−1/√2,1/√2)または(−1/√2,−1/
√2)との距離が演算されるようになされている。
【0039】ブランチメトリック演算回路63−1,6
3−4の出力(ブランチメトリック)BM00,BM1
1は、ACS(Add Compare Select)回路64−1,6
4−3に入力されている。同様に、ブランチメトリック
演算回路63−2の出力(ブランチメトリック)BM0
1とブランチメトリック演算回路63−3の出力(ブラ
ンチメトリック)BM10が、ACS回路64−2,6
4−4に入力されている。
【0040】ACS回路64−1,64−3にはまた、
ステートメトリック記憶装置66−1の出力(ステート
メトリック)SM00とステートメトリック記憶装置6
6−2の出力(ステートメトリック)SM01が入力さ
れており、ACS回路64−2,64−4には、ステー
トメトリック記憶装置66−3の出力(ステートメトリ
ック)SM10とステートメトリック記憶装置66−4
の出力(ステートメトリック)SM11が入力されてい
る。
【0041】ACS回路64−1乃至64−4は、入力
された一方のブランチメトリックBMとそれに対応する
ステートメトリックSMを加算するとともに、他方のブ
ランチメトリックBMとそれに対応するステートメトリ
ックSMを加算する。そして、ACS回路64−1乃至
64−4は、2つの加算結果を比較し、その比較結果に
対応して、小さい方の加算値をステートメトリック記憶
装置66−1乃至66−4に、新たなステートメトリッ
クSMとして出力するとともに、その選択結果を表す信
号SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力し
ている。さらに、パスメモリ65には、ステートメトリ
ック記憶装置66−1乃至66−4からステートメトリ
ックSM00乃至SM11が入力されている。
【0042】ステートメトリック記憶装置66−1乃至
66−4は、端子61から入力される信号によりリセッ
トされるようになされている。パスメモリ65は、端子
67から復号結果を出力するようになされている。
【0043】次に、その動作について説明する。
【0044】ブランチメトリック演算回路63−1で
は、入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,1/√
2)との距離がブランチメトリックBM00として計算
される。同様にブランチメトリック演算回路63−2で
は入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,−1/√
2)との距離、ブランチメトリック演算回路63−3で
は入力データ(X,Y)と座標点(−1/√2,1/√
2)との距離、ブランチメトリック演算回路63−4で
は入力データ(X,Y)と座標点(−1/√2,−1/
√2)との距離が、ブランチメトリックBM01,BM
10,BM11としてそれぞれ計算される。なお、ここ
では、前段のビット挿入回路36から供給される挿入フ
ラグに従って、挿入されたダミーデータに関する距離計
算は省略される。即ち、挿入されたビットと比較すべき
座標との距離は、すべて同じ(例えば0)とされる。
【0045】ACS回路64−1では畳み込み符号化器
2の状態遷移に従って次の2つの式が計算され、尤度の
大きい方、即ち、計算結果の小さい方が選択され、その
選択情報SELは後段のパスメモリ65に、その計算結
果SMはステートメトリック記憶装置66−1に、それ
ぞれ供給される。
【0046】SM00+BM00 (1) SM01+BM11 (2)
【0047】ここで、SM00は、1単位時間前のステ
ートメトリック記憶装置66−1の値、SM01は、1
単位時間前のステートメトリック記憶装置66−2の
値、BM00は、ブランチメトリック演算回路63−1
の演算結果、BM11は、ブランチメトリック演算回路
63−4の演算結果を、それぞれ表している。
【0048】式(1)の計算結果の方が小さければSE
L00=0が、式(2)の計算結果の方が小さければS
EL00=1が、後段のパスメモリ65に供給される。
そして、前者の場合、SM00+BM00が、後者の場
合、SM01+BM11が、それぞれステートメトリッ
ク記憶装置66−1に、新たなステートメトリックSM
00として記憶される。
【0049】この計算を図11の状態遷移図に沿って説
明する。状態00に到達するパスは2本あり、1本目は
状態00で0が入力され、00を出力するパスで、比較
される計算式は式(1)のようになり、2本目は状態0
1で0が入力され、11を出力するパスで、比較される
計算式は式(2)のようになる。計算結果のうち小さい
ほうが新たなステートメトリックSM00としてステー
トメトリック記憶装置66−1に供給される。
【0050】同様の動作が、ACS回路64−2乃至6
4−4においても行われる。なお、ステートメトリック
記憶装置66−1乃至66−4は、システムが動作する
初期段階で0にリセットされる。この制御は図には示し
ていない制御装置から端子61を介して行われる。
【0051】パスメモリ65では、図11の状態遷移図
に従って、ACS回路64−1乃至64−4からの選択
情報SEL00乃至SEL11を用いて、入力データ即
ち復号データの選択、記憶、伝搬を行う。
【0052】図15は、ブランチメトリック演算回路6
3−1の構成例を表している。端子62−1より入力さ
れたデータXは、減算回路51に入力され、発生回路5
2からの1/√2で減算されるようになされている。減
算回路51の出力は、乗算回路53に分岐して入力さ
れ、乗算される(即ち、自乗される)ようになされてい
る。セレクタ203は、乗算回路53の出力と、発生回
路202の出力の供給を受け、端子201を介してXに
対する挿入フラグが、ビット挿入回路36より入力され
たとき、発生回路202が発生する0を選択し、その他
のとき、乗算回路53の出力を選択し、加算回路54に
出力する。
【0053】同様に、端子62−2より入力されたデー
タYが、減算回路55に入力され、発生回路56からの
1/√2で減算されるようになされている。減算回路5
5の出力は、乗算回路57に分岐して入力され、乗算
(自乗)されるようになされている。セレクタ206
は、乗算回路57の出力と、発生回路205の出力の供
給を受け、端子204を介してYに対する挿入フラグが
ビット挿入回路36より入力されたとき、発生回路20
5が発生する0を選択し、その他のとき、乗算回路57
の出力を選択し、加算回路54に出力している。加算回
路54は、セレクタ203の出力とセレクタ206の出
力とを加算し、ブランチメトリックBM00として出力
するようになされている。
【0054】即ち、この例においては、挿入フラグが入
力されていないとき、減算回路51が、X−1/√2を
出力し、これが乗算回路53において自乗され、乗算回
路53から(X−1/√2)2が出力される。同様に、
減算回路55が、Y−1/√2を出力し、この値が乗算
回路57により自乗され、乗算回路57は(Y−1/√
2)2を出力する。加算回路54は、乗算回路53の出
力と乗算回路57の出力の加算値(X−1/√2)2
(Y−1/√2)2をブランチメトリックBM00とし
て出力する。
【0055】一方、Xに対する挿入フラグが入力された
とき、セレクタ203は、0を出力するので、加算回路
54の出力は、(Y−1/√2)2となり、Yに対する
挿入フラグが入力されたとき、セレクタ206は、0を
出力するので、加算回路54の出力は、(X−1/√
2)2となる。
【0056】ブランチメトリック演算回路63−2乃至
63−4においても、図15に示した場合と同様の構成
の回路により、同様の演算が行われる。但し、ブランチ
メトリック演算回路63−2においては、発生回路52
の出力は1/√2、発生回路56の出力は−1/√2と
される。また、ブランチメトリック演算回路63−3に
おいては、発生回路52と56の出力は、それぞれ−1
/√2と1/√2とされ、ブランチメトリック演算回路
63−4においては、それぞれ−1/√2と−1/√2
とされる。
【0057】図16にパスメモリ65のブロック図を示
す。端子71−1乃至71−4には、ACS回路64−
1乃至64−4より出力された選択情報SEL00乃至
SEL11が入力されている。これらの選択情報SEL
00乃至SEL11は、それぞれ2入力1出力のセレク
タ73−1乃至73−4に制御信号として入力されてい
る。また、セレクタ73−1には、2つの入力として、
端子72−1から固定データ0が入力されている。同様
に、セレクタ73−2乃至73−4には、端子72−2
乃至72−4から、それぞれ2入力として固定データ
0,1または1が入力されている。
【0058】セレクタ73−1乃至73−4は、選択情
報SEL00乃至SEL11に対応して、2つの入力の
うちの一方を選択し、後段のレジスタ81−1乃至81
−4に出力する。但し、この第1列目のセレクタ73−
1乃至73−4には、上述したように、端子72−1乃
至72−4から2入力として同一のデータが入力されて
いるため、レジスタ81−1乃至81−4には、それぞ
れ0,0,1または1が記憶されることになる。
【0059】以下、同様に、n列(図16の例の場合、
4列)のセレクタとレジスタからなる構成が設けられて
いる。即ち、第2列目においては、セレクタ74−1乃
至74−4とレジスタ82−1乃至82−4が設けられ
ている。セレクタ74−1,74−3には、前列のレジ
スタ81−1の出力とレジスタ81−2の出力が供給さ
れている。セレクタ74−2,74−4には、レジスタ
81−3の出力とレジスタ81−4の出力が入力されて
いる。そして、セレクタ74−1乃至74−4は、選択
情報SEL00乃至SEL11の値に対応して、2入力
のうちの一方を選択し、後段のレジスタ82−1乃至8
2−4に出力する処理を行う。例えば、レジスタ74−
1は、選択情報SEL00が0であるとき、レジスタ8
1−1の出力を選択し、選択情報SEL00が1である
とき、レジスタ81−2の出力を選択し、出力するよう
になされている。
【0060】最終列のレジスタ84−1乃至84−4の
出力は、4入力1出力のセレクタ85に入力されてい
る。
【0061】最小値比較回路88には、端子87−1乃
至87−4から、図14のステートメトリック記憶装置
66−1乃至66−4より出力されたステートメトリッ
クSM00乃至SM11が入力されている。最小値比較
回路88は、4つのステートメトリックの大きさを比較
し、最小のものを選択する。そして、ステートメトリッ
クSM00が最小であったとき、データ00を出力し、
ステートメトリックSM01が最小であったとき、デー
タ01を出力し、ステートメトリックSM10が最小で
あったとき、データ10を出力し、ステートメトリック
SM11が最小であったとき、データ11を出力する。
セレクタ85は、最小値比較回路88からの入力が00
であるとき、レジスタ84−1の出力を選択し、01で
あるとき、レジスタ84−2の出力を選択し、10であ
るとき、レジスタ84−3の出力を選択し、11である
とき、レジスタ84−4の出力を選択し、端子86から
復号結果として出力するようになされている。端子72
−1乃至72−4の固定値は、それぞれの画素に対応す
る復号情報を意味する。
【0062】このような、パスメモリ65の結線は、図
11の状態遷移図に基づいている。パスメモリ65の構
成のうち、最上行は状態00に、第2行目は状態01
に、第3行目は状態10に、最下行は状態11に、それ
ぞれ対応する。また、第1列目は復号情報の取り込みを
行う。図11によれば、状態00に到達するパスは、状
態00と状態01からの2本存在する。それぞれのパス
に対応する入力ビット即ち復号情報は、いずれの場合も
0である。そこで、状態00(最上行)における第1列
では、選択情報SEL00によってそれに対応する復号
情報0が選択されるように、セレクタ73−1の入力端
子が配線されている。
【0063】第1列目においては、状態01、状態1
0、状態11に対しても同様にして結線されている。
【0064】第2列目以降においては、復号系列の選
択、伝搬および記憶が行われる。図11によれば、状態
00に到達するパスは、状態00、状態01からの2本
存在する。そこで、状態00における第2列では、選択
情報SEL00によって、それに対応する状態からのデ
ータが選択されるように、セレクタ74−1の入力端子
が配線されている。
【0065】第2列目以降においても、同様に結線され
ている。さらに、第2行乃至第3行の状態01、状態1
0、状態11においても同様にして結線されている。
【0066】パスメモリ65の最終列では、記憶された
4つの復号データから、最も尤度の大きいパスに対応す
るデータが最終的な復号データとして出力される。「最
も尤度の大きいパス」とは、4つのステートメトリック
SM00乃至SM11のうち、最小の値を持つものに対
応するパスであり、セレクタ85で、その時点における
ステートメトリックの最小値に対応するパス、即ち、最
も尤度の大きいパスが選択されることになる。
【0067】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、高速
(高ビットレート)の伝送が叫ばれる中、前述のデジタ
ルデータ伝送システムの変調方式を、QPSKから16
QAM、64QAM、256QAM等に拡張することが
考えられる。こうすると、伝送できるビット数は、QP
SKの2ビットに対してそれぞれ、4ビット、6ビッ
ト、または8ビットとなり、QPSKに対して2倍、3
倍、6倍に増加することになる。
【0068】図17に16QAMによるデータ送信装置
のブロック図を示す。図17において、図9における場
合と対応する部分には、同一の符号を付してある。即
ち、この例においては、直並列変換器4において、ビッ
ト消去回路3より出力されたシリアルデータが、4ビッ
トを単位とするデータu,v,x,yに変換される。そ
して、各データ毎に、ビット拡散回路91−1乃至91
−4において、ビット拡散処理が行われ、データu’,
v’,x’,y’として、信号点割当回路6に供給され
るようになされている。その他の構成は、図9における
場合と同様である。
【0069】即ち、この例においては、直並列変換器4
において、1系列のデータが16QAMに対応する4系
列のデータ(u,v,x,y)に変換され、それぞれが
ビット拡散回路91−1乃至91−4において、所定の
規則に従って、ビットの順番を入れ替えることにより、
ビット拡散処理が行われる。その処理は、図9における
ビット拡散回路5−1,5−2における処理と同様の処
理であり、それぞれが異なる数値sを用いて、異なるビ
ット拡散処理を実行する。
【0070】信号点割当回路6では、入力された4ビッ
トのデータ(u’,v’,x’,y’)を伝送路上のシ
ンボルへ割り当てる。割り当ては、例えば図18に従っ
て行われる。即ち、例えば、 (u’,v’,x’,y’)=(0,0,0,0)のと
き、 (I’,Q’)=(3/√10,3/√10)、 (u’,v’,x’,y’)=(0,0,0,1)のと
き、 (I’,Q’)=(3/√10,1/√10) として割り当てが行われる。
【0071】他の入力に関しても同様に割り当てが行わ
れる。
【0072】以下、図9における場合と同様の処理が行
われ、データが送信される。
【0073】図17に示す送信装置で、図18に示すよ
うな16QAM方式で信号点割り当てを行い、送信した
データを受信する場合、受信装置は、図13に対応し
て、図19に示すように構成することが考えられる。し
かしながら、実際には、図19に示すように受信装置を
構成することはできない。
【0074】即ち、上述したように、シンボル逆拡散回
路33に復調器32より入力されるデータ(I,Q)の
それぞれの成分I,Qは、QPSK方式の場合、それぞ
れが1ビットを表していたが、16QAM方式の場合、
それぞれが2ビットを表すことになる。例えば、図18
に示す信号点配置の場合、Iは、第1のビットと第3の
ビットのデータを表し、Qは、第2のビットと第4のビ
ットのデータを表している。しかしながら、例えば、I
は、1/√10や3/√10といった1つの値であり、
Qも同様に1つの値である。従って、これを図19に示
すように、u’,v’に分割したり、x’,y’に分割
することはできない。その結果、16QAM方式の場合
におけるデータ受信装置は、やはり図13に示すように
構成されることになる。
【0075】その結果、図13のビット挿入回路36に
おいて行われる処理は、次のようになると考えられる。
【0076】例えば、図20(A)に示すように、ビッ
ト挿入回路36に、x1,y1,x2,y2,x3,y
3,・・・のようにデータが入力されたとすると、同図
(B)に示すように、x1,y1が、データX1,Y1
として出力され、次にダミーデータdが、データX2と
して出力され、データx2が、データY2として出力さ
れる。また、同様に、データy2,x3が、データX
3,Y3として出力された後、ダミーデータdが、デー
タX4として出力され、次に、データy3が、データY
4として出力される。
【0077】しかしながら、この処理は、図17のビッ
ト消去回路3における処理と逆の処理を実行しているこ
とにはならない。即ち、ビット消去回路3において行っ
ていたビット消去(ビット操作)処理は、1ビット単位
で行っていたものである。これに対して、図20(B)
に示すデータx1,y2などは、それぞれが2ビットの
データに対応しているものであり、その後に1ビットの
ダミーデータdを挿入し、さらにその次に2ビットのデ
ータx2を出力すると、結局、元のデータ配列とは全く
異なるデータ配列が出力されてしまうことになる。
【0078】その結果、ビット挿入回路36の出力を、
ビタビ復号器37でビタビ復号すると、復号結果は、成
分が若干劣化するといった類のものではなく、全く異な
るものになるため、復号は不可能となる。
【0079】これに対して、例えば図19に示すデータ
受信装置のシンボル逆拡散回路33において、硬判定を
行うようにすれば、図19に示すように、(I,Q)か
ら、u’,v’,x’,y’を生成することができると
考えられる。即ち、この場合、(I,Q)の座標と図1
8に示す各信号点との距離が計算され、(I,Q)が最
も距離の短い信号点に対応されるので、この信号点か
ら、u’,v’,x’,y’を生成することが可能であ
る。しかしながら、このような硬判定を行うと、正確な
データの復号が困難になる。
【0080】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、16QAM、64QAM、256QAM
などの多値多位相変調方式で伝送されてきたデータを正
確に復号化することができるようにするものである。
【0081】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のデータ
受信装置は、受信した信号からI成分およびQ成分を復
調する復調手段と、I成分およびQ成分のうちの少なく
とも一方に対して、その成分の値が同一であるシンボル
の集合毎に、シンボルが伝送され、かつ、そのシンボル
が受信された事後確率を計算し、その成分を表すビット
のうちの1つが所定の値であるシンボルの集合に対する
事後確率の総和を、すべてのシンボルの集合に対する事
後確率の総和で除した値を、その1つのビットに対する
メトリックとして計算するメトリック計算手段と、メト
リックを利用してデータの復号を行う復号手段とを備え
ることを特徴とする。
【0082】請求項4に記載のデータ受信方法は、受信
した信号からI成分およびQ成分を復調するステップ
と、I成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対し
て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、シ
ンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事
後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1つが
所定の値であるシンボルの集合に対する事後確率の総和
を、すべてのシンボルの集合に対する事後確率の総和で
除した値を、その1つのビットに対するメトリックとし
て計算するステップと、メトリックを利用してデータの
復号を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0083】請求項5に記載のデータ受信装置は、受信
した信号からI成分およびQ成分を復調する復調手段
と、I成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対し
て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、シ
ンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事
後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1つが
所定の値であるシンボルの集合に対する事後確率の総和
を、その1つのビットに対するメトリックとして計算す
るメトリック計算手段と、メトリックを利用してデータ
の復号を行う復号手段とを備えることを特徴とする。
【0084】請求項8に記載のデータ受信方法は、受信
した信号からI成分およびQ成分を復調するステップ
と、I成分およびQ成分のうち少なくとも一方に対し
て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、シ
ンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事
後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1つが
所定の値であるシンボルの集合に対する事後確率の総和
を、その1つのビットに対するメトリックとして計算す
るステップと、メトリックを利用してデータの復号を行
うステップとを備えることを特徴とする。
【0085】請求項1に記載のデータ受信装置において
は、復調手段は、受信した信号からI成分およびQ成分
を復調し、メトリック計算手段は、I成分およびQ成分
のうちの少なくとも一方に対して、その成分の値が同一
であるシンボルの集合毎に、シンボルが伝送され、か
つ、そのシンボルが受信された事後確率を計算し、その
成分を表すビットのうちの1つが所定の値であるシンボ
ルの集合に対する事後確率の総和を、すべてのシンボル
の集合に対する事後確率の総和で除した値を、その1つ
のビットに対するメトリックとして計算し、復号手段
は、メトリックを利用してデータの復号を行う。
【0086】請求項4に記載のデータ受信方法において
は、受信した信号からI成分およびQ成分を復調し、I
成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対して、そ
の成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、シンボル
が伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率
を計算し、その成分を表すビットのうちの1つが所定の
値であるシンボルの集合に対する事後確率の総和を、す
べてのシンボルの集合に対する事後確率の総和で除した
値を、その1つのビットに対するメトリックとして計算
し、そのメトリックを利用してデータの復号を行う。
【0087】請求項5に記載のデータ受信装置において
は、復調手段は、受信した信号からI成分およびQ成分
を復調し、メトリック計算手段は、I成分およびQ成分
のうちの少なくとも一方に対して、その成分の値が同一
であるシンボルの集合毎に、シンボルが伝送され、か
つ、そのシンボルが受信された事後確率を計算し、その
成分を表すビットのうちの1つが所定の値であるシンボ
ルの集合に対する事後確率の総和を、その1つのビット
に対するメトリックとして計算し、復号手段は、メトリ
ックを利用してデータの復号を行う。
【0088】請求項8に記載のデータ受信方法において
は、受信した信号からI成分およびQ成分を復調し、I
成分およびQ成分のうち少なくとも一方に対して、その
成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、シンボルが
伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率を
計算し、その成分を表すビットのうちの1つが所定の値
であるシンボルの集合に対する事後確率の総和を、その
1つのビットに対するメトリックとして計算し、そのメ
トリックを利用してデータの復号を行う。
【0089】
【発明の実施の形態】図1は、図17のデータ送信装置
で送信されたデータを受信する、本発明のデータ受信装
置の第1の実施例を表している。図1において、従来の
図13に示す場合と対応する部分には、同一の符号を付
してある。図1の実施例においては、シンボル逆拡散回
路33は、図17のシンボル拡散回路7におけるシンボ
ル拡散処理と逆の処理、即ち、シンボル拡散回路7にお
いて入れ替えたシンボルの順番を元の順番に戻す処理を
行い、I信号成分I’とQ信号成分Q’をメトリック計
算回路39−1,39−2(メトリック計算手段)にそ
れぞれ出力するようになされている。
【0090】メトリック計算回路39−1は、受信信号
のI成分I’により規定されるシンボルの第1のビット
に対するメトリックu’および第3のビットに対するメ
トリックx’を計算し、第1のビットに対するメトリッ
クu’をビット逆拡散回路101−1に出力するととも
に、第3のビットに対するメトリックx’をビット逆拡
散回路101−3に出力するようになされている。
【0091】メトリック計算回路39−2は、受信信号
のQ成分Q’により規定されるシンボルの第2のビット
に対するメトリックv’および第4のビットに対するメ
トリックy’を計算し、第2のビットに対するメトリッ
クv’をビット逆拡散回路101−2に出力するととも
に、第4のビットに対するメトリックy’をビット逆拡
散回路101−4に出力するようになされている。
【0092】本実施例のメトリック計算回路39−1,
39−2は、受信信号のI成分I’またはQ成分Q’の
値が同一であるシンボルの集合毎に、受信したデータが
そのシンボルの集合に属する事後確率をそれぞれ計算す
る。
【0093】本実施例においては、図18に示すように
16QAMで信号点割り当て処理が行われた信号を受信
する。このうち、図18に示す、I成分の値が3/√1
0である、16QAMの信号点0000、0001、0
101および0100に対応するシンボルが、図2に示
すシンボルの集合SI00を構成し、I成分の値が1/
√10である、16QAMの信号点0010、001
1、0111および0110に対応するシンボルが、図
2に示すシンボルの集合SI01を構成する。
【0094】さらに、図18に示す、I成分の値が−1
/√10である、16QAMの信号点1010、101
1、1111および1110に対応するシンボルは、図
2に示すシンボルの集合SI11を構成し、I成分の値
が−3/√10である、16QAMの信号点1000、
1001、1101および1100に対応するシンボル
は、図2に示すシンボルの集合SI10を構成する。
【0095】また、同様に、図18に示す、Q成分の値
が3/√10である、16QAMの信号点0000、0
010、1010および1000に対応するシンボル
は、図2に示すシンボルの集合SQ00を構成し、Q成
分の値が1/√10である、16QAMの信号点000
1、0011、1011および1001に対応するシン
ボルは、図2に示すシンボルの集合SQ01を構成す
る。
【0096】さらに、図18に示す、Q成分の値が−1
/√10である、16QAMの信号点0101、011
1、1111および1101に対応するシンボルは、図
2に示すシンボルの集合SQ11を構成し、Q成分の値
が−3/√10である、16QAMの信号点0100、
0110、1110および1100に対応するシンボル
は、図2に示すシンボルの集合SQ10を構成する。
【0097】メトリック計算回路39−1は、図3に示
すように構成されている。図3に示すように、シンボル
逆拡散回路33より供給された受信信号のI成分I’
は、上述の各シンボルの集合に対する事後確率を計算す
るn個の確率計算回路111−1乃至111−nに入力
される。今の場合、図18に示すように、16QAMで
信号点割り当て処理が行われているので、このnは4
(=161/2)とされる。
【0098】確率計算回路111−1は、集合SI00
に属するシンボルが送信され、受信信号Rを受信した確
率P(SI00∩R)を計算する。以下、同様に、確率
計算回路111−2は、集合SI01に属するシンボル
が送信され、受信信号Rが受信された確率P(SI01
∩R)を計算し、確率計算回路111−3は、集合SI
10に属するシンボルが送信され、受信信号Rが受信さ
れた確率P(SI10∩R)を計算する。そして、確率
計算回路111−4は、集合SI11に属するシンボル
が送信され、受信信号Rが受信された確率P(SI11
∩R)を計算する。
【0099】加算回路112−1は、確率計算回路11
1−1により計算されたシンボルの集合SI00に対す
る事後確率P(SI00∩R)と、確率計算回路111
−2により計算されたシンボルの集合SI01に対する
事後確率P(SI01∩R)の和(P(SI00∩R)
+P(SI01∩R))を計算し、その計算結果を割算
回路114−1に出力するようになされている。
【0100】加算回路112−2は、確率計算回路11
1−1により計算されたシンボルの集合SI00に対す
る事後確率P(SI00∩R)と、確率計算回路111
−3により計算されたシンボルの集合SI10に対する
事後確率P(SI10∩R)の和(P(SI00∩R)
+P(SI01∩R))を計算し、割算回路114−2
に出力するようになされている。
【0101】加算回路113は、確率計算回路111−
1乃至111−4より供給された事後確率の総和(P
(SI00∩R)+P(SI01∩R)+P(SI11
∩R)+P(SI10∩R))を計算し、その計算結果
を割算回路114−1,114−2に出力するようにな
されている。
【0102】割算回路114−1は、加算回路112−
1より供給された値(P(SI00∩R)+P(SI0
1∩R))を、加算回路113より供給された値(P
(SI00∩R)+P(SI01∩R)+P(SI11
∩R)+P(SI10∩R))で除算し、その計算結果
を、シンボルの第1のビットに対するメトリックu’と
してビット逆拡散回路101−1に出力するようになさ
れている。
【0103】割算回路114−2は、加算回路112−
2より供給された値(P(SI00∩R)+P(SI1
0∩R))を、加算回路113より供給された値(P
(SI00∩R)+P(SI01∩R)+P(SI11
∩R)+P(SI10∩R))で除算し、その計算結果
を、シンボルの第3のビットに対するメトリックx’と
してビット逆拡散回路101−3に出力するようになさ
れている。
【0104】図4は、メトリック計算回路39−2の構
成例を示している。図4に示すように、シンボル逆拡散
回路33より供給された受信信号のQ成分Q’は、上述
の各シンボルの集合に対する事後確率を計算するn個の
確率計算回路121−1乃至121−nに入力される。
【0105】確率計算回路121−1は、集合SQ00
に属するシンボルが送信され、受信信号Rを受信した確
率P(SQ00∩R)を計算する。以下、同様に、確率
計算回路121−2は、集合SQ01に属するシンボル
が送信され、受信信号Rが受信された確率P(SQ01
∩R)を計算し、確率計算回路121−3は、集合SQ
10に属するシンボルが送信され、受信信号Rが受信さ
れた確率P(SQ10∩R)を計算する。そして、確率
計算回路121−4は、集合SQ11に属するシンボル
が送信され、受信信号Rが受信された確率P(SQ11
∩R)を計算する。
【0106】加算回路122−1は、確率計算回路12
1−1により計算されたシンボルの集合SQ00に対す
る事後確率P(SQ00∩R)と、確率計算回路121
−2により計算されたシンボルの集合SQ01に対する
事後確率P(SQ01∩R)の和(P(SQ00∩R)
+P(SQ01∩R))を計算し、その計算結果を割算
回路124−1に出力するようになされている。
【0107】加算回路122−2は、確率計算回路12
1−1により計算されたシンボルの集合SQ00に対す
る事後確率P(SQ00∩R)と、確率計算回路121
−3により計算されたシンボルの集合SQ10に対する
事後確率P(SQ10∩R)の和(P(SQ00∩R)
+P(SQ10∩R))を計算し、割算回路124−2
に出力するようになされている。
【0108】加算回路123は、確率計算回路121−
1乃至121−4より供給された事後確率の総和(P
(SQ00∩R)+P(SQ01∩R)+P(SQ11
∩R)+P(SQ10∩R))を計算し、その計算結果
を割算回路124−1,124−2に出力するようにな
されている。
【0109】割算回路124−1は、加算回路122−
1より供給された値(P(SQ00∩R)+P(SQ0
1∩R))を、加算回路123より供給された値(P
(SQ00∩R)+P(SQ01∩R)+P(SQ11
∩R)+P(SQ10∩R))で除算し、その計算結果
を、シンボルの第2のビットに対するメトリックv’と
してビット逆拡散回路101−2に出力するようになさ
れている。
【0110】割算回路124−2は、加算回路122−
2より供給された値(P(SQ00∩R)+P(SQ1
0∩R))を、加算回路123より供給された値(P
(SQ00∩R)+P(SQ01∩R)+P(SQ11
∩R)+P(SQ10∩R))で除算し、その計算結果
を、シンボルの第4のビットに対するメトリックy’と
してビット逆拡散回路101−4に出力するようになさ
れている。
【0111】図1のビット逆拡散回路101−i(i=
1,・・・,4)は、メトリック計算回路39−1,3
9−2より供給された第iのビットに対するメトリック
に対して、図17のビット拡散回路91−iにおいて変
更したビットの順番を元の順番に戻す処理を実行した
後、各メトリックを並直列変換器35に出力するように
なされている。
【0112】並直列変換器35は、4系列のデータから
1系列のデータに変換されるようになされている。
【0113】図5は、図1のビタビ復号器37の構成例
を表している。この実施例においては、入力端子62−
1にビット挿入回路36の出力X(第1のビットに対す
るメトリックuまたは第3のビットに対するメトリック
xに対応する値)が入力され、入力端子62−2にビッ
ト挿入回路36の出力Y(第2のビットに対するメトリ
ックvまたは第4のビットに対するメトリックyに対応
する値)が入力されるようになされている。
【0114】そして、入力端子62−1より入力された
値Xは、セレクタ134−1に入力されるとともに、反
転回路131−1に入力され、そのビットがすべて反転
された後、セレクタ134−3に入力されるようになさ
れている。また、入力端子62−2より入力された値Y
は、セレクタ134−2に入力されるとともに、反転回
路131−2に入力され、そのすべてのビットが反転さ
れた後、セレクタ134−4に入力されるようになされ
ている。
【0115】セレクタ134−1は、定数発生回路13
5−1の出力である値1と、入力端子62−1を介して
値Xの供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対す
る挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路135−
1が発生した値1を選択し、その他のとき、値Xを選択
し、選択した値を乗算回路132−1,132−2に出
力するようになされている。
【0116】セレクタ134−2は、定数発生回路13
5−2の出力である値1と、入力端子62−2を介して
値Yの供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対す
る挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路135−
2が発生した値1を選択し、その他のとき、値Yを選択
し、選択した値を乗算回路132−1,132−3に出
力するようになされている。
【0117】セレクタ134−3は、定数発生回路13
5−3の出力である値1と、反転回路131−1の出力
である、値Xを反転した値の供給を受け、ビット挿入回
路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、
定数発生回路135−3が発生した値1を選択し、その
他のとき、値Xを反転した値を選択し、選択した値を乗
算回路132−3,132−4に出力するようになされ
ている。
【0118】セレクタ134−4は、定数発生回路13
5−4の出力である値1と、反転回路131−2の出力
である、値Yを反転した値の供給を受け、ビット挿入回
路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、
定数発生回路135−4が発生した値1を選択し、その
他のとき、値Yを反転した値を選択し、選択した値を乗
算回路132−2,132−4に出力するようになされ
ている。
【0119】乗算回路132−1は、セレクタ134−
1より供給された値と、セレクタ134−2より供給さ
れた値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM0
0として出力するようになされている。乗算回路132
−2は、セレクタ134−1より供給された値と、セレ
クタ134−4より供給された値を乗算し、乗算結果を
ブランチメトリックBM01として出力している。同様
に、乗算回路132−3は、セレクタ134−2より供
給された値と、セレクタ134−3より供給された値を
乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM10として
出力し、乗算回路132−4は、セレクタ134−3よ
り供給された値と、セレクタ134−4より供給された
値を乗算し、その乗算結果をブランチメトリックBM1
1として出力するようになされている。
【0120】乗算回路132−1の出力BM00と、乗
算回路132−4の出力BM11は、ACS回路133
−1,133−3に入力されている。同様に、乗算回路
132−2の出力BM01と、乗算回路132−3の出
力BM10が、ACS回路133−2,133−4に入
力されている。
【0121】ACS回路133−1,133−3にはま
た、ステートメトリック記憶装置66−1の出力SM0
0とステートメトリック記憶装置66−2の出力SM0
1が入力されており、ACS回路133−2,133−
4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力S
M10とステートメトリック記憶装置66−4の出力S
M11が入力されている。
【0122】ACS回路133−1乃至133−4は、
入力されたブランチメトリックとステートメトリックか
ら、新たなステートメトリックを計算し、その計算結果
をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に
出力するとともに、選択されたパスに対応する情報SE
L00乃至SEL11をパスメモリ65に出力するよう
になされている。
【0123】なお、本実施例のビタビ復号器37のその
他の構成は、図14における場合と同様であるので、そ
の説明を省略する。
【0124】また、図1のデータ受信装置におけるその
他の構成は、図13における場合と同様であるので、そ
の説明を省略する。
【0125】次に、図1のデータ受信装置の動作につい
て説明する。
【0126】復調器32(復調手段)は、アンテナ31
で受けた受信信号を復調し、シンボルのI成分とQ成分
のデータを、シンボル逆拡散回路33に出力する。シン
ボル逆拡散回路33は、そのI成分とQ成分のデータに
対して、シンボル逆拡散の処理を行った後、I成分I’
をメトリック計算回路39−1に出力し、Q成分Q’を
メトリック計算回路39−2に出力する。
【0127】メトリック計算回路39−1では、供給さ
れたI成分I’から、16QAMのシンボルを構成する
第1のビットに対するメトリックu’および第3のビッ
トに対するメトリックx’を計算し(その計算方法の詳
細は後述する)、第1のビットに対するメトリックu’
をビット逆拡散回路101−1に出力し、第3のビット
に対するメトリックx’をビット逆拡散回路101−3
に出力する。
【0128】同様に、メトリック計算回路39−2で
は、供給されたQ成分Q’から、16QAMのシンボル
を構成する第2のビットに対するメトリックv’および
第4のビットに対するメトリックy’を計算し、第2の
ビットに対するメトリックv’をビット逆拡散回路10
1−2に出力し、第4のビットに対するメトリックy’
をビット逆拡散回路101−4に出力する。
【0129】次に、メトリック計算回路39−1,39
−2におけるメトリック計算について説明する。ここに
おけるメトリックとは、例えば、次式によって規定され
る、所定の受信信号を受信したときに、その受信信号を
構成するビットに対する条件付き事後確率を意味する。 P(bi=0|R)=P(bi=0∩R)/P(R) (3)
【0130】ここで、P(bi=0|R)は、受信信号
R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビ
ットが0である条件付き事後確率を、P(R)は、受信
信号R(I,Q)を受信する確率を、P(bi=0∩
R)は、第iのビットが0であるシンボルが送信され、
受信信号R(I,Q)が受信された確率を、それぞれ表
している。
【0131】同様に、次式(4)によって、受信信号R
(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビッ
トが1である条件付き事後確率を求めることができる。 P(bi=1|R)=P(bi=1∩R)/P(R) (4)
【0132】ここで、P(bi=1|R)は、受信信号
R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビ
ットが1である条件付き事後確率を、P(bi=1∩
R)は、第iのビットが1であるシンボルが送信され、
受信信号R(I,Q)が受信された確率を、それぞれ表
している。
【0133】また、次式(5)によっても、受信信号R
(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビッ
トが1である条件付き事後確率を求めることができる。 P(bi=1|R)=1−P(bi=0|R) (5)
【0134】本実施例においては、メトリック計算回路
39−1が、受信信号のI成分I’から、シンボルの第
1のビットに対するメトリックと第3のビットに対する
メトリックを計算し、メトリック計算回路39−2が、
Q成分Q’から、シンボルの第2のビットに対するメト
リックと第4のビットに対するメトリックを計算してい
る。
【0135】メトリック計算回路39−1は、シンボル
の第1のビットに対するメトリックu’(=P(b1=
0|R))として、受信信号RのI成分RIを表すビッ
ト列(例えば、集合SI00における00)の第1のビ
ットb’1が0である事後確率P(b’1=0|RI)
を出力し、シンボルの第3のビットに対するメトリック
x’(=P(b3=0|R))として、受信信号RのI
成分RIを表すビット列の第2のビットb’2が0であ
る事後確率P(b’2=0|RI)を出力する。
【0136】即ち、16QAMのシンボルの第1のビッ
トに対するメトリックは、信号点0000,0001,
0010,0011,0100,0101,0110,
0111に対応するシンボルS0abc(a,b,c
は、0または1)に対する条件付き事後確率P(S0a
bc|R)の総和となるが、本実施例においては、最初
に16個のシンボルを、I成分の値に応じて4個の集合 SI00={S0000,S0001,S0101,S
0100}, SI01={S0010,S0011,S0111,S
0110}, SI11={S1010,S1011,S1111,S
1110}, SI10={S1000,S1001,S1101,S
1100} に分類し、次に、このうち、シンボルの第1のビットが
0であるシンボルの集合SI00,SI01(b’1=
0)に対する事後確率P(SI00∩RI),P(SI
01∩RI)の和を、第1のビットに対するメトリック
として算出している。
【0137】即ち、メトリック計算回路39−1におい
ては、第1のビットに対するメトリックおよび第3のビ
ットに対するメトリックは、次式に従って算出されてい
る。
【0138】 P(b’i=0|RI)=P(b’i=0∩RI)/P(RI) =(1/4・ΣP(SIj∩RI))/(1/4・ΣP(SIk∩RI)) =ΣP(SIj∩RI)/ΣP(SIk∩RI) (6)
【0139】ここで、P(SIj∩RI)は、集合を表
すビット列の第iのビットb’iが0であるシンボルの
集合SIjに属するシンボルが送信され、かつ、受信信
号Rが受信された確率を表し、ΣP(SIj∩RI)
は、すべてのシンボルの集合SIjに対する確率P(S
j∩RI)の総和を表している。
【0140】b’1=0の場合(即ち、第1のビットに
対するメトリックを算出する場合)、ΣP(SIj∩R
I)は、P(SI00∩RI)+P(SI01∩RI)
であり、b’2=0の場合(即ち、第3のビットに対す
るメトリックを算出する場合)、ΣP(SIj∩RI)
は、P(SI00∩RI)+P(SI10∩RI)であ
る。
【0141】また、ΣP(SIk∩RI)は、シンボル
に対する確率P(SIk∩RI)の総和を表している。
今の場合、ΣP(SIk∩RI)は、P(SI00∩R
I)+P(SI01∩RI)+P(SI11∩RI)+
P(SI10∩RI)である。
【0142】従って、図3の確率計算回路111−1
は、P(SI00∩RI)、即ち、集合SI00に属す
るシンボル(16QAMの0000、0001、010
1、および、0100のいずれかに対応するシンボル)
が送信され、受信信号Rを受信した事後確率を計算し、
確率計算回路111−2は、P(SI01∩RI)、即
ち、集合SI01に属するシンボル(16QAMの00
10、0011、0111、および、0110のいずれ
かに対応するシンボル)が送信され、受信信号Rを受信
した事後確率を計算している。
【0143】また、確率計算回路111−3は、P(S
I11∩RI)、即ち、集合SI11に属するシンボル
(16QAMの1010、1011、1111、およ
び、1110のいずれかに対応するシンボル)が送信さ
れ、受信信号Rを受信した事後確率を計算し、確率計算
回路111−4は、P(SI10∩RI)、即ち、集合
SI10に属するシンボル(16QAMの1000、1
001、1101、および、1100のいずれかに対応
するシンボル)が送信され、受信信号Rを受信した事後
確率を計算している。
【0144】そして、加算回路112−1は、式(6)
の分子に対応して、集合SI00乃至SI11のうち、
第1のビットb’1が0のシンボル、即ち、SI00お
よびSI01に対する上述の事後確率の和を算出し、加
算回路112−2は、式(6)の分子に対応して、集合
SI00乃至SI11のうち、第2のビットb’2が0
のシンボル、即ち、SI00およびSI10に対する上
述の事後確率の和を算出する。
【0145】加算回路113は、式(6)の分母に対応
して、集合SI00乃至SI11に対する上述の事後確
率の総和を求める。
【0146】割算回路114−1は、式(6)に従っ
て、加算回路112−1の出力を加算回路113の出力
で割算し、シンボルの第1のビットに対するメトリック
u’を算出し、割算回路114−2は、式(6)に従っ
て、加算回路112−2の出力を加算回路113の出力
で割算し、シンボルの第3のビットに対するメトリック
x’を算出する。
【0147】メトリック計算回路39−2は、シンボル
の第2のビットに対するメトリックv’(=P(b2=
0|R))として、受信信号RのQ成分RQを表すビッ
ト列(例えば、集合SQ00における00)の第1のビ
ットb’1が0であるときの確率P(b’1=0|R
Q)を出力し、シンボルの第4のビットに対するメトリ
ックy’(=P(b4=0|R))として、受信信号R
のQ成分RQを表すビット列の第2のビットb’2が0
であるときの確率P(b’2=0|RQ)を出力する。
【0148】即ち、16QAMのシンボルの第2のビッ
トに対するメトリックは、信号点0000,0001,
0010,0011,1000,1001,1010,
1011に対応するシンボルSa0bc(a,b,c
は、0または1)に対する条件付き事後確率P(Sa0
bc|R)の総和となるが、本実施例においては、最初
に16個のシンボルを、Q成分の値に応じて4個の集合 SQ00={S0000,S0010,S1010,S
1000}, SQ01={S0001,S0011,S1011,S
1001}, SQ11={S0101,S0111,S1111,S
1101}, SQ10={S0100,S0110,S1110,S
1100} に分類し、次に、このうち、シンボルの第1のビットが
0であるシンボルの集合SQ00,SQ01(b’1=
0)に対する事後確率P(SQ00∩RI),P(SQ
01∩R)の総和を、第2のビットに対するメトリック
として算出している。
【0149】即ち、第2のビットに対するメトリックお
よび第4のビットに対するメトリックは、次式に従って
算出されている。
【0150】 P(b’i=0|RQ)=P(b’i=0∩RQ)/P(RQ) =(1/4・ΣP(SQj∩RQ))/(1/4・ΣP(SQk∩RQ)) =ΣP(SQj∩RQ)/ΣP(SQk∩RQ) (7)
【0151】ここで、P(SQj∩RQ)は、集合を表
すビット列の第iのビットb’iが0であるシンボルの
集合SQjに属するシンボルが送信され、かつ、受信信
号Rが受信された確率を表し、ΣP(SQj∩RQ)
は、すべてのシンボルの集合SQjに対する確率P(S
j∩RQ)の総和を表している。
【0152】b’1=0の場合(即ち、第2のビットに
対するメトリックを算出する場合)、ΣP(SQj∩R
Q)は、P(SQ00∩RQ)+P(SQ01∩RQ)
であり、b’2=0の場合(即ち、第4のビットに対す
るメトリックを算出する場合)、ΣP(SQj∩RQ)
は、P(SQ00∩RQ)+P(SQ10∩RQ)であ
る。
【0153】また、ΣP(SQk∩RQ)は、シンボル
に対する確率P(SQk∩RQ)の総和を表している。
今の場合、ΣP(SQk∩RQ)は、P(SQ00∩R
Q)+P(SQ01∩RQ)+P(SQ11∩RQ)+
P(SQ10∩RQ)である。
【0154】なお、メトリック計算回路39−2は、メ
トリック計算回路39−1と同様に動作し、式(7)に
従って、第2のビットに対するメトリックv’と第4の
ビットに対するメトリックy’の計算を行う。即ち、第
2のビットに対するメトリックv’は、確率計算回路1
21−1により計算されたSQ00に対する事後確率
と、確率計算回路121−2により計算されたSQ01
に対する事後確率の和を、確率計算回路121−1乃至
121−4により計算されたSQ00乃至SQ11に対
する事後確率の総和で除算して算出される。
【0155】一方、第4のビットに対するメトリック
y’は、確率計算回路121−1により計算されたSQ
00に対する事後確率と、確率計算回路121−3によ
り計算されたSQ10に対する事後確率の和を、確率計
算回路121−1乃至121−4により計算されたSQ
00乃至SQ11に対する事後確率の総和で除算して算
出される。
【0156】なお、図3の確率計算回路111−1乃至
111−4および図4の確率計算回路121−1乃至1
21−4における計算方法として、伝送路に応じて様々
な方法が考えられるが、ガウス伝送路を仮定した場合に
は、例えば、確率計算回路111−1において、以下の
ように確率を計算することができる。 P(SI00∩R) =(1/(2π)1/2σ)exp(−(‖SI00−RI‖2)/(2σ2) ) (8)
【0157】ここで、σは伝送路の雑音電力の1/2の
平方根を表す。即ち、2σ2が伝送路の雑音電力を表
す。‖SI00−RI‖は、シンボルの集合SI00の
I成分の値と受信信号のI成分RIの値とのユークリッ
ド距離である。この場合、SI00のI成分の値とRI
は、スカラであるので、‖SI00−RI‖は、|SI
00−RI|(絶対値)と同一である。
【0158】なお、式(8)の右辺の係数(1/(2
π)1/2σ)は、ビタビ復号器37(復号手段)による
最尤パスの選択に影響を与えないので、省略してもよ
い。その場合、確率P(SI00∩RI)は、次のよう
に計算される。 P(SI00∩RI) =exp(−(‖SI00−RI‖2)/(2σ2)) (8’)
【0159】確率計算回路111−2乃至111−4に
おいても、同様にして、上述の事後確率を計算すること
ができる。
【0160】以上のようにしてメトリック計算回路39
−1,39−2により算出されたメトリックu’,
v’,x’,y’は、ビット逆拡散回路101−1乃至
101−4によりビット逆拡散の処理を施された後、後
段の並直列変換器35で、図17の直並列変換器4と逆
の操作を行い、4系統のデータから1系列のデータに変
換される。
【0161】ビット挿入回路36では、図17のビット
消去回路3と逆の操作が行われる。即ち、前述の例の消
去マップ X:10 Y:11 を用いて、 u1,v1,x1,y1,u2,v2,x2,y2・・
・ の順で入力されるデータに対して、3ビットを周期とし
て、最後の3ビット目の直前に、任意のダミーデータ
(ここでは0)を挿入して、 データXとして、u1,0,y1,0,x2,・・・ データYとして、v1,x1,u2,v2,y2,・・
・ を、この順で出力するとともに、ダミーデータを挿入し
た位置を示す挿入フラグをビタビ復号器37に供給す
る。
【0162】ビタビ復号器37では、畳み込み符号化器
2の状態遷移に従ってビタビ復号を行い、再生情報38
を得る。次に、ビタビ復号器37の動作について詳細に
説明する。
【0163】セレクタ134−1およびセレクタ134
−3は、ビット挿入回路36においてXとしてダミーデ
ータが挿入され、Xに対する挿入フラグが入力された場
合、ダミーデータに対するメトリックの確率計算を無効
にするため、値1を出力する。
【0164】同様に、セレクタ134−2およびセレク
タ134−4は、ビット挿入回路36においてYとして
ダミーデータが挿入され、Yに対する挿入フラグが入力
された場合、ダミーデータに対するメトリックの確率計
算を無効にするため、値1を出力する。
【0165】即ち、乗算回路132−1乃至132−4
によるブランチメトリックの算出およびACS回路13
3−1乃至133−4によりステートメトリックの算出
は、すべて乗算によって行われているので(後述)、ダ
ミーデータに対応して値1を出力することにより、メト
リックの計算結果に影響を与えないようにしている。
【0166】Xとしてダミーデータが挿入されていない
場合においては、ビット挿入回路36より供給された値
Xが、セレクタ134−1を介して乗算回路132−
1,132−2に供給され、値Xを反転した値が、乗算
回路132−3,132−4に供給される。
【0167】同様に、Yとしてダミーデータが挿入され
ていない場合においては、ビット挿入回路36より供給
された値Yが、セレクタ134−2を介して乗算回路1
32−1,132−3に供給され、値Yを反転した値
が、乗算回路132−2,132−4に供給される。
【0168】乗算回路132−1では、シンボルの第1
のビットの値が0である確率または第3のビットの値が
0である確率に対応するデータXと、第2のビットの値
が0である確率または第4のビットの値が0である確率
に対応するデータYの積(即ち、第1のビットの値が0
であり、かつ、第2のビットの値が0である確率、ある
いは、第3のビットの値が0であり、かつ、第4のビッ
トの値が0である確率)を計算し、ブランチメトリック
BM00として出力する。このブランチメトリックBM
00は、畳み込み符号化器2の符号出力00に対応して
いる。
【0169】同様にして、乗算回路132−2は、シン
ボルの第1ビットの値が0である確率または第3のビッ
トの値が0である確率に対応する値Xと、第2のビット
の値が1である確率または第4のビットの値が1である
確率に対応する値(値Yを反転した値)の積(即ち、第
1のビットの値が0であり、かつ、第2のビットの値が
1である確率、あるいは、第3のビットの値が0であ
り、かつ、第4のビットの値が1である確率)を計算
し、ブランチメトリックBM01として出力する。この
ブランチメトリックBM01は、畳み込み符号化器2の
符号出力01に対応している。
【0170】乗算回路132−3は、シンボルの第1の
ビットの値が1である確率または第3のビットの値が1
である確率に対応する値(値Xを反転した値)と、第2
のビットの値が0である確率または第4のビットの値が
0である確率に対応する値Yの積(即ち、第1のビット
の値が1であり、かつ、第2のビットの値が0である確
率、あるいは、第3のビットの値が1であり、かつ、第
4のビットの値が0である確率)を計算し、ブランチメ
トリックBM10として出力する。このブランチメトリ
ックBM10は、畳み込み符号化器2の符号出力10に
対応している。
【0171】乗算回路132−4は、シンボルの第1の
ビットの値が1である確率または第3のビットの値が1
である確率に対応する値(値Xを反転した値)と、第2
のビットの値が1である確率または第4のビットの値が
1である確率に対応する値(値Yを反転した値)の積
(即ち、第1のビットの値が1であり、かつ、第2のビ
ットの値が1である確率、あるいは、第3のビットの値
が1であり、かつ、第4のビットの値が1である確率)
を計算し、ブランチメトリックBM11として出力す
る。このブランチメトリックBM11は、畳み込み符号
化器2の符号出力11に対応している。
【0172】なお、XまたはYとしてダミーデータが挿
入されている場合、セレクタ134−1乃至134−4
は、そのダミーデータの代わりに、1を選択するので、
乗算回路132−1乃至132−4は、ダミーデータに
対応しない入力の値を、そのまま(1を乗じて)、ブラ
ンチメトリックとして出力する。
【0173】ACS回路133−1は、畳み込み符号化
器2の状態遷移(図9)に従って、次の2つの式の計算
を行う。 SM00×BM00 (9) SM01×BM11 (10)
【0174】ここでSM00は、1単位時間前のステー
トメトリック記憶装置66−1の値、SM01は、1単
位時間前のステートメトリック記憶装置66−2の値、
BM00は、乗算回路132−1の演算結果、BM11
は、乗算回路132−4の演算結果をそれぞれ表してい
る。
【0175】そして、ACS回路133−1は、尤度の
大きい方、すなわち、式(9)と式(10)のうち、計
算結果の大きい方を選択し、その選択情報SEL00を
後段のパスメモリ65に出力するとともに、式(9)と
式(10)を計算して得られた結果のうち大きい方を、
後段のステートメトリック記憶装置66−1に供給し、
記憶させる。すなわち式(9)の計算結果の方が大きけ
れば、SEL00=0とし、式(10)の計算結果の方
が大きければ、SEL00=1とする。また、前者の場
合、SM00×BM00が、後者の場合、SM01×B
M11が、それぞれステートメトリック記憶装置66−
1に、新たなステートメトリックSM00として記憶さ
れる。
【0176】なお、ACS回路133−2乃至133−
4も同様に動作し、新たなステートメトリックSM01
乃至SM11を計算する。
【0177】ビタビ復号器37におけるその他の動作
は、図14における場合と同様であるので、その説明は
省略する。
【0178】なお、上述のメトリック計算回路39−
1,39−2の出力の対数に−1を乗じた値をビット逆
拡散回路101−1乃至101−4に供給し、さらに、
ビタビ復号器37におけるブランチメトリックおよびパ
スメトリックの算出を加算にで行うようにしてもよい。
【0179】次に、本発明のデータ受信装置の第2の実
施例について説明する。
【0180】第2の実施例においては、メトリックの計
算に使用する式およびメトリック計算回路39−1,3
9−2の構成が、第1の実施例のものと異なるだけであ
るので、メトリックに使用する式およびメトリック計算
回路39−1,39−2についてだけ説明を行い、その
他の構成要素の説明を省略する。
【0181】図6は、第2の実施例のメトリック計算回
路39−1の構成例を示している。このメトリック計算
回路39−1においては、確率計算回路111−1によ
り計算された、集合SI00に対する事後確率と、確率
計算回路111−2により計算された、集合SI01に
対する事後確率の和を、第1のビットに対するメトリッ
クu’として出力し、確率計算回路111−1により計
算された、集合SI00に対する事後確率と、確率計算
回路111−3により計算された、集合SI10に対す
る事後確率の和を、第3のビットに対するメトリック
x’として出力する。
【0182】また同様に、第2の実施例の図示せぬメト
リック計算回路39−2においては、図4の確率計算回
路121−1により計算された、集合SQ00に対する
事後確率と、確率計算回路121−2により計算され
た、集合SQ01に対する事後確率の和を、第2のビッ
トに対するメトリックv’として出力し、確率計算回路
121−1により計算された、集合SQ00に対する事
後確率と集合SQ10に対する事後確率の和を、確率計
算回路121−3により計算された、第4のビットに対
するメトリックy’として出力する。
【0183】即ち、式(6)の分母ΣP(SIk∩R
I)は、どのメトリックを算出する場合においても同一
であり、最尤パスの選択に影響を与えないので、第2の
実施例においては、式(6)の分子を、第1または第3
のビットに対するメトリックとして利用している。
【0184】同様に、式(7)の分母ΣP(SQk∩R
Q)は、どのメトリックを算出する場合においても同一
であり、最尤パスの選択に影響を与えないので、第2の
実施例においては、式(7)の分子を、第2または第4
のビットに対するメトリックとして利用している。
【0185】このように、式(6)および式(7)の分
子をメトリックとして利用することにより、メトリック
を算出する式が簡単になり、回路規模を小さくすること
ができる。
【0186】なお、第1の実施例および第2の実施例に
おけるメトリック計算回路39−1,39−2は、図7
に示すように、ROM42−1,42−2を利用して実
現することもできる。
【0187】図7に示すメトリック計算回路39−1に
おいては、A/D変換器41は、シンボル逆変換回路3
3より供給されたI成分I’の信号をデジタル値に変換
し、そのデジタル値をROM42−1,42−2に出力
する。
【0188】そして、ROM42−1は、供給されたデ
ジタル値が指すアドレスに予め記憶されている値(即
ち、I成分I’の値に対応する、第1のビットに対する
メトリックu’)を出力し、ROM42−2は、供給さ
れたデジタル値が指すアドレスに予め記憶されている値
(即ち、I成分I’の値に対応する、第3のビットに対
するメトリックx’)を出力する。
【0189】なお、図7のメトリック計算回路39−1
と同様に、メトリック計算回路39−2を、ROMとA
/D変換器で構成してもよい。
【0190】また、これらのROMには、第1の実施例
におけるメトリックを、対応するアドレスに予め記憶さ
せておく。あるいは、第2の実施例におけるメトリック
を、予めROMに記憶させておいてもよい。
【0191】図8は、本発明のデータ受信装置の第3の
実施例の構成を示している。第3の実施例においては、
第1の実施例または第2の実施例における2つのメトリ
ック計算回路39−1,39−2の代わりに、並直列変
換器51、メトリック計算回路39、および、直並列変
換器52が使用されている。
【0192】並直列変換器51は、シンボル逆拡散回路
33より2系列で供給されたI成分の信号I’およびQ
成分の信号Q’を、1系列でメトリック計算回路39に
出力する。
【0193】メトリック計算回路39は、上述のメトリ
ック計算回路39−1,39−2と同様に構成されてお
り、I成分の信号I’が供給されると、シンボルの第1
のビットに対するメトリックu’と第3のビットに対す
るメトリックx’を計算し、その計算結果を直並列変換
器52に出力し、Q成分の信号Q’が供給されると、シ
ンボルの第2のビットに対するメトリックv’と第4の
ビットに対するメトリックy’を計算し、その計算結果
を直並列変換器52に出力する。
【0194】そして、直並列変換器52は、メトリック
計算回路39より供給されたメトリックu’,x’また
はv’,y’を、第1のビットおよび第3のビットに対
するメトリック、または、第2のビットおよび第4のビ
ットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101
−1,101−3または101−2,101−4にそれ
ぞれ出力する。
【0195】このようにして、第3の実施例において
は、メトリック計算回路39を1個だけ使用して、第1
のビット乃至第4のビットに対するメトリックを計算す
るので、回路規模を小さくすることができる。
【0196】上記実施例においては、16QAM方式で
データを変調し、復調するようにしたが、このほか、6
4QAM、256QAMなどの、I成分とQ成分が、そ
れぞれ2以上のビットに対応する多値多位相変調方式を
採用する場合においても、本発明を適用することが可能
である。
【0197】
【発明の効果】以上のごとく、請求項1に記載のデータ
受信装置および請求項4に記載のデータ受信方法によれ
ば、I成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対し
て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、シ
ンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事
後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1つが
所定の値であるシンボルの集合に対する事後確率の総和
を、すべてのシンボルの集合に対する事後確率の総和で
除した値を、その1つのビットに対するメトリックとし
て計算するようにしたので、簡単な回路でメトリックを
計算し、I成分とQ成分がそれぞれ2ビット以上に対応
する多値多位相変調方式で伝送されてきたデータを正確
に復号化することができる。
【0198】請求項5に記載のデータ受信装置および請
求項8に記載のデータ受信方法によれば、I成分および
Q成分のうち少なくとも一方に対して、その成分の値が
同一であるシンボルの集合毎に、シンボルが伝送され、
かつ、そのシンボルが受信された事後確率を計算し、そ
の成分を表すビットのうちの1つが所定の値であるシン
ボルの集合に対する事後確率の総和を、その1つのビッ
トに対するメトリックとして計算するようにしたので、
さらに簡単な回路でメトリックを計算し、I成分とQ成
分がそれぞれ2ビット以上に対応する多値多位相変調方
式で伝送されてきたデータを正確に復号化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成例を示すブロック
図である。
【図2】16QAMの信号点についてI成分またはQ成
分の値が同一であるシンボルの集合を示す図である。
【図3】図1のメトリック計算回路39−1の構成例を
示すブロック図である。
【図4】図1のメトリック計算回路39−2の構成例を
示すブロック図である。
【図5】図1のビタビ復号器の構成例を示すブロック図
である。
【図6】本発明の第2の実施例のメトリック計算回路の
構成例を示すブロック図である。
【図7】メトリック計算回路の他の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図8】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図9】従来のデータ送信装置の構成例を示すブロック
図である。
【図10】図9の畳み込み符号化器の構成例を示すブロ
ック図である。
【図11】図10の畳み込み符号化器の状態遷移を説明
する図である。
【図12】QPSKの信号点配置を説明する図である。
【図13】従来のデータ受信装置の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図14】図13のビタビ復号器の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図15】図14のブランチメトリック演算回路の構成
例を示すブロック図である。
【図16】図14のパスメモリの構成例を示すブロック
図である。
【図17】16QAMを用いた場合のデータ送信装置の
構成例を示すブロック図である。
【図18】16QAMの信号点配置を説明する図であ
る。
【図19】図17の装置で送信したデータを受信するデ
ータ受信装置の構成例を示す図である。
【図20】図19の実施例の動作を説明する図である。
【符号の説明】
32 復調器, 33 シンボル逆拡散回路, 35
並直列変換器, 36ビット挿入回路, 37 ビタビ
復号器, 38 再生情報, 39,39−1,39−
2 メトリック計算回路, 41 A/D変換器, 4
2−1,42−2 ROM, 101−1乃至101−
4 ビット逆拡散回路, 111−1乃至111−4
確率計算回路, 112−1,112−2 加算回路,
113 加算回路, 114−1,114−2 割算
回路, 121−1乃至121−4 確率計算回路,
122−1,122−2 加算回路, 123 加算回
路, 124−1,124−2 割算回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多値多位相方式でデジタル変調されて伝
    送されたデータを受信するデータ受信装置において、 受信した信号からI成分およびQ成分を復調する復調手
    段と、 前記I成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対し
    て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、前
    記シンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信され
    た事後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1
    つが所定の値である前記シンボルの集合に対する前記事
    後確率の総和を、すべての前記シンボルの集合に対する
    前記事後確率の総和で除した値を、その1つのビットに
    対するメトリックとして計算するメトリック計算手段
    と、 前記メトリックを利用して前記データの復号を行う復号
    手段とを備えることを特徴とするデータ受信装置。
  2. 【請求項2】 前記メトリック計算手段は、受信したデ
    ータをデジタル値に変換し、そのデジタル値に対応し
    て、所定の記憶部に予め記憶されている前記メトリック
    を出力することを特徴とする請求項1に記載のデータ受
    信装置。
  3. 【請求項3】 前記メトリック計算手段は、前記I成分
    およびQ成分を、1成分ずつ入力され、入力された成分
    に対して、前記メトリックを計算することを特徴とする
    請求項1に記載のデータ受信装置。
  4. 【請求項4】 多値多位相方式でデジタル変調されて伝
    送されたデータを受信するデータ受信方法において、 受信した信号からI成分およびQ成分を復調するステッ
    プと、 前記I成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対し
    て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、前
    記シンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信され
    た事後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1
    つが所定の値である前記シンボルの集合に対する前記事
    後確率の総和を、すべての前記シンボルの集合に対する
    前記事後確率の総和で除した値を、その1つのビットに
    対するメトリックとして計算するステップと、 前記メトリックを利用して前記データの復号を行うステ
    ップとを備えることを特徴とするデータ受信方法。
  5. 【請求項5】 多値多位相方式でデジタル変調されて伝
    送されたデータを受信するデータ受信装置において、 受信した信号からI成分およびQ成分を復調する復調手
    段と、 前記I成分およびQ成分のうちの少なくとも一方に対し
    て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、前
    記シンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信され
    た事後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1
    つが所定の値である前記シンボルの集合に対する前記事
    後確率の総和を、その1つのビットに対するメトリック
    として計算するメトリック計算手段と、 前記メトリックを利用して前記データの復号を行う復号
    手段とを備えることを特徴とするデータ受信装置。
  6. 【請求項6】 前記メトリック計算手段は、受信したデ
    ータをデジタル値に変換し、そのデジタル値に対応し
    て、所定の記憶部に予め記憶されている前記メトリック
    を出力することを特徴とする請求項5に記載のデータ受
    信装置。
  7. 【請求項7】 前記メトリック計算手段は、前記I成分
    およびQ成分を、1成分ずつ入力され、入力された成分
    に対して、前記メトリックを計算することを特徴とする
    請求項5に記載のデータ受信装置。
  8. 【請求項8】 多値多位相方式でデジタル変調されて伝
    送されたデータを受信するデータ受信方法において、 受信した信号からI成分およびQ成分を復調するステッ
    プと、 前記I成分およびQ成分のうち少なくとも一方に対し
    て、その成分の値が同一であるシンボルの集合毎に、前
    記シンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信され
    た事後確率を計算し、その成分を表すビットのうちの1
    つが所定の値である前記シンボルの集合に対する前記事
    後確率の総和を、その1つのビットに対するメトリック
    として計算するステップと、 前記メトリックを利用して前記データの復号を行うステ
    ップとを備えることを特徴とするデータ受信方法。
JP23174496A 1996-09-02 1996-09-02 データ受信装置および方法 Expired - Fee Related JP3606412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23174496A JP3606412B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 データ受信装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23174496A JP3606412B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 データ受信装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1079767A true JPH1079767A (ja) 1998-03-24
JP3606412B2 JP3606412B2 (ja) 2005-01-05

Family

ID=16928368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23174496A Expired - Fee Related JP3606412B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 データ受信装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3606412B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112234999A (zh) * 2015-03-02 2021-01-15 三星电子株式会社 发送方法和接收方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112234999A (zh) * 2015-03-02 2021-01-15 三星电子株式会社 发送方法和接收方法
CN112234999B (zh) * 2015-03-02 2023-08-29 三星电子株式会社 发送方法和接收方法
US12074613B2 (en) 2015-03-02 2024-08-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Transmitter and shortening method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3606412B2 (ja) 2005-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6858857B2 (ja) 受信機及び復号方法
EP0967730B1 (en) Convolutional decoder with modified metrics
JP3684560B2 (ja) データ受信装置および方法
USRE38010E1 (en) Trellis encoder and decoder based upon punctured rate ½ convolutional codes
JP3654392B2 (ja) データ受信装置および方法
CN110741557A (zh) 通过合并极化码图的级的低延迟极化编码和解码
EP0827299B1 (en) Data receiver and data receiving method with soft decoding
JP4070831B2 (ja) 衛星伝送と、地上伝送と、ケーブル伝送されたディジタルtvデータを復調し復号化する方法
US8009773B1 (en) Low complexity implementation of a Viterbi decoder with near optimal performance
EP3619811A1 (en) Distributed crc polar codes
JP3606412B2 (ja) データ受信装置および方法
JP2000092139A (ja) パケットバイナリ畳み込み符号
JP3654393B2 (ja) データ受信装置および方法
JP3684559B2 (ja) データ受信装置および方法
JP3684562B2 (ja) データ受信装置および方法
JP3606413B2 (ja) データ受信装置および方法
JP3654391B2 (ja) データ受信装置および方法
US11012181B2 (en) Transmission apparatus and transmission method
US7054357B1 (en) Error rate estimating device, method, and information recording medium
JP4025226B2 (ja) 誤り訂正伝送装置
Tuntoolavest et al. On adjusting vector symbol decoding for many different nonbinary convolutional codes
KR100479020B1 (ko) 비트메트릭스를 사용한 데이터 수신장치 및 방법
Wang Energy Efficient Digital Baseband Modulator for Cable Terminal Systems Targeted on Field Programmable Gate Array
JP2003244261A (ja) 軟判定復号装置及び無線通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040930

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091015

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees