JPH1078801A - 非線形ノッチフィルタを使用する制御システム - Google Patents

非線形ノッチフィルタを使用する制御システム

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JPH1078801A
JPH1078801A JP9170439A JP17043997A JPH1078801A JP H1078801 A JPH1078801 A JP H1078801A JP 9170439 A JP9170439 A JP 9170439A JP 17043997 A JP17043997 A JP 17043997A JP H1078801 A JPH1078801 A JP H1078801A
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filter
signal
linear
input signal
notch
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JP9170439A
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Inventor
James W Fuller
ダブリュー.フラー ジェイムズ
Carl N Nett
エヌ.ネット カール
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United Technologies Corp
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    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B5/00Anti-hunting arrangements
    • G05B5/01Anti-hunting arrangements electric

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振モ−ドを有するプラントでの高応答性制
御を実現する。 【解決手段】 共振モ−ドを有するプラント56と、プラ
ント56からライン14、24においてプラント入力信号を受
信してフィルタ出力信号Vに関連する制御装置出力信号I
を供給してプラント56を制御する制御装置5とを含む。
制御装置には、プラント入力信号に関連するフィルタ入
力信号xを受信してフィルタ出力信号Vを供給する非線形
ノッチフィルタ30が設けられている。ノッチフィルタ
は、共振モ−ドのうちの一つの共振モ−ドを所定量だけ
減衰させるようにその一つの共振モ−ドの付近に少くと
も一つのノッチ周波数を有し、対応する線形ノッチフィ
ルタのノッチ周波数より低いノッチフィルタの最低のノ
ッチ周波数の10倍以下の位相遅れを有する。従って、制
御装置7では、線形ノッチフィルタを使用するシステム
より速い時間応答と増大した帯域幅が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振するプラント
を備えた制御システムに関し、詳しくは、非線形ノッチ
フィルタを使用してこのような制御システムの帯域幅を
増大することに関する。
【0002】
【従来の技術】作動機構システム又はサ−ボ機構システ
ムのような多くの制御システムは、非常に速く応答する
プラント制御を必要とする。これは、(その制御装置と
プラントを含む)閉ル−プ制御システムが高帯域又は速
い応答時間を有することを必要とする。制御システムの
帯域幅の増大は、そのプラントがその共振周波数又は固
有周波数に起こる容易に減衰する(又は高いQの)振動
(又は共振)モ−ドを含む場合には困難である。これら
の共振周波数が十分に低い周波数に存在する場合及び/
又は(そのシステムの帯域幅を増大する試みにおいて)
その制御装置のゲインを非常に高く増大する場合、この
ような共振は制御ル−プを不安定にする。
【0003】このような不安定化を防ぐ共通の方法は、
共振周波数がその制御システムの帯域幅の桁(10倍)
以内である各振動モ−ドについて、その制御装置が1つ
以上の線形ノッチフィルタを含むことである。
【0004】現在知られていノッチフィルタは、所定の
狭い周波数範囲で入力周波数を減衰させるフィルタであ
る。このようなフィルタの伝達関数は、典型的には、分
子の二次方程式と分母の二次方程式の形態である。しか
し、ノッチフィルタの1つの問題は、ある周波数で入力
信号と出力信号の間に移相を生ずることである。特に、
ノッチフィルタの周波数応答は、そのフィルタの固有周
波数(又は共振周波数又はノッチ周波数)の10倍以下
(又はそれ以上)までの有意な位相遅れを示す。ノッチ
周波数の10倍以下の位相遅れの量は、主にそのノッチ
フィルタが減衰しなければならない周波数範囲の大きさ
によって決定される。この範囲が狭くなると、そのフィ
ルタの「Q」が大きくなり、ノッチ周波数の10倍以下
の位相遅れが小さくなる。そのプラントの振動モ−ドの
固有周波数の不確実性及び可変性により、ノッチ帯域を
狭くし得る方法を制限し、これにより、より低い周波数
の位相遅れになる。
【0005】その制御装置のノッチフィルタの必要なゲ
インの変化に関連する移相を寛大に扱うためには、その
制御装置のゲインを減少させて、全制御システムの帯域
幅(及びそのシステムの応答性)を減少させなければな
らない。このように、そのプラント内で共振する制御シ
ステムは、動作特性を制限している。
【0006】従って、そのプラントが共振モ−ド(又は
共振)を有するときに増大される帯域幅又は時間応答を
提供する閉ル−プ制御システムを提供することが望まし
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、共振モ−ド
を有するプラントを備えた高応答性制御システムを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、制御シ
ステムは、共振モ−ドを有するプラントと、このプラン
トからのプラント入力信号と指令信号を受信してフィル
タ出力信号と関連する制御装置出力信号を供給すること
によりプラントを制御する制御装置とからなり、この制
御装置は、プラント入力信号及び指令信号と関連するフ
ィルタ入力信号を受信してフィルタ出力信号を供給する
非線形ノッチフィルタからなり、この非線形ノッチフィ
ルタは、共振モ−ドのうちの一つの共振モ−ドの付近に
少なくとも一つのノッチ周波数を有するとともに、その
一つの共振モ−ドを所定量だけ減衰させるように大きさ
周波数応答を有し、且つ対応する線形ノッチフィルタの
ノッチ振動するより低いノッチフィルタの最低のノッチ
周波数以下の位相遅れを有する。
【0009】さらに、本発明によれば、非線形ノッチフ
ィルタの位相遅れは、その制御システムの増大した応答
性を考慮に入れている。
【0010】本発明では、共振モ−ドを有するプラント
を備えた制御システムの制御装置の補償に非線形ノッチ
フィルタを使用することによって、従来の技術の有意な
改善をしている。このような非線形ノッチフィルタは、
周波数に対して線形ノッチフィルタと略同一のゲイン変
化を有するが、ノッチ周波数以下の非常に小さい位相遅
れを有する。その結果、本発明の制御システムは、帯域
幅を増大させ、従って、線形ノッチフィルタを利用する
従来のシステムより50%(又はそれ以上)もバルブ作
動システムのような共振プラントを備えた制御システム
の応答性を増大させる。このような制御構成は、速い応
答を必要とする共振プラントの制御の可能性と性能をか
なり改善している。また、本発明は、閉ル−プ位相遅れ
を減少させて、より高いレベル(外側のル−プ)の制御
システム内に配置したときにこのようなより高いレベル
のシステムの応答性をより高くしている。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に示すように、アクチュエ−
タ制御システム7には、破線8の左側に電子制御装置5
が設けられ、破線8の右側に制御すべきプラント又はシ
ステム6が設けられている。特に、ライン10を介して
加算器12の正入力にバルブ位置指令が供給される。ま
た、加算器12の負入力には、ライン14を介して後述
するバルブ位置フィ−ドバック信号が供給される。加算
器12は、ライン16を介して、位置指令から位置フィ
−ドバックを引いたものを示す位置誤差信号を供給す
る。位置誤差信号は、その位置誤差信号に例えば1.8
4msec-1の値を有する所定の位置誤差ゲインKpを
掛けてライン19に速度指令を供給する位置ゲイン18
に供給される。ライン19の速度指令は、その指令信号
の正負の値を+/−8.4deg/msecに制限し
て、制限された速度指令信号をライン21に供給する大
きさリミッタ20に供給される。
【0012】制限された速度指令信号は、加算器22の
正入力に供給される。後述する速度フィ−ドバック信号
が、ライン24を介して加算器22の負入力に供給され
る。
【0013】加算器22は、ライン24を介して、速度
指令から速度フィ−ドバックを引いたものを示す速度誤
差信号を供給する。速度誤差信号は、例えば4.29ms
ec-1の値を有する速度誤差ゲイン26(Kv)を掛け
て、ライン27に加速度信号を供給する。ライン27の
信号は、加速度信号の正負の値を所定の限界、例えば+/
-4.09deg/msec2に制限してライン29に制限された
加速度信号を供給する大きさリミッタ28に供給され
る。制限された加速度信号は、加速度信号の特定の周波
数帯を所定量だけ減衰させてライン32にフィルタを通
した電圧信号Vを供給する(後述する)非線形ノッチフ
ィルタ補償論理30に供給される。
【0014】所望の場合には、ゲインKv、Kp及び大
きさ限界について他の値を使用してもよい。
【0015】ライン32の電圧信号は、ライン36にお
いて電圧信号Vを電流出力信号Iに変換するサ−ボ増幅
器34に供給される。サ−ボ増幅器34の伝達関数は、
1/(s+ω1)の形態(ゲインK1=65345、折
点周波数ω1=40841rad/sec)の標準的な
一次遅れである。
【0016】所望の場合には、異なるゲイン及び/又は
折点周波数、即ち異なる伝達関数を有するサ−ボ増幅器
を使用することができる。
【0017】ライン36の電流Iは、その入力電流Iに
比例する出力トルクTをライン40に供給する既知のト
ルクモ−タ38(又は電機子制御DCモ−タ)に供給さ
れる。トルクモ−タ38からのトルクTは、それに接続
された出力軸又は駆動軸42を駆動し、ライン44の信
号8で示すように軸42の角変位を生じさせる。駆動軸
42は、所定の慣性モ−メント、粘性摩擦及び/又は他
の動特性を有する弁46、例えば、ブリ−ド弁又は他の
タイプの負荷に接続されている。
【0018】モ−タ駆動軸42の角変位8の変化に応答
して、その力学により動作する弁46は、ライン48の
弁速度信号によって示されるような弁46の速度(度/
ミリ秒)を示す。ライン48の弁速度信号は、後述する
速度フィ−ドバックとしてその制御装置の加算器22の
負入力に供給される速度フィ−ドバック信号をライン2
4に供給する速度センサ50(例えば回転速度計)に供
給される。
【0019】また、ライン48の速度信号は、弁の速度
と弁の位置の関係を示してライン52に弁位置信号を供
給する積分器50に供給される。弁の位置は、電位差計
のような位置センサ54によって測定され、ライン14
に位置フィ−ドバック信号(度)を供給し、この信号
は、後述する制御装置の加算器12の負入力に供給され
る。
【0020】図2は、トルクモ−タ38と駆動軸42と
ブリ−ド弁46からなる図1のプラントの一部56の全
伝達関数P(s)をさらに詳細に示している。電流I
は、ライン36の伝達関数P(s)に入り、例えば0.
067の値を有するゲイン100を掛ける。これは、そ
のモ−タによる電流IからトルクTへの変換を示してい
る。トルク信号Tは、ライン102を介して、加算器1
34によって加算されると電流Iから弁速度までの全伝
達関数P(s)を作成する多項式104−116の並列
の組合わせに供給される。伝達関数P(s)は、多項式
104−116の各々の分母の方程式によって表される
全伝達関数P(s)の極(又は累乗根又は固有値)を示
す伝達関数を表している既知の形式である「モ−ドの
(modal)」形式で表される。既知のように、この多項
式の分子はその議論に重大ではなく、個々に完全な伝達
関数P(s)のゼロを示すわけではなく、単にその成分
を示すに過ぎない。
【0021】伝達関数P(s)は、支配的な一次遅れ1
04と6つの共振モ−ド多項式106−116を示す。
一次遅れ104の伝達関数は、
【0022】
【数1】Ka/(s+ωa) [式1] の形式(ωa(折点周波数)=1.06Hz、Ka=6
6666)を有する標準的な一次遅れである。
【0023】多項式106−116の分母の二次方程式
は、
【0024】
【数2】s2+ξ2ωns+ωn 2 [式2] の形式(ここで、(rad/sec)は共振周波数、ξは減衰
比、ωn = 2πfn(Hz)である)の標準的な二次方
程式の形式を有する。
【0025】特に、そのシステムの第1の共振モ−ド1
06は、fn1=1578Hzに存在して、ξ1=0.0
05の減衰比を有し、そのシステムの第2の共振モ−ド
108は、fn2=2413Hzの共振周波数及びξ2
0.02の減衰比を有し、そのシステムの第3の共振モ
−ド110は、fn3=4523Hzに存在して、ξ3
0.01の減衰比を有し、そのシステムの第4の共振モ
−ド112は、fn4=5126Hzの共振周波数及びξ
4=0.015の減衰比を有し、そのシステムの第5の
共振モ−ド114は、fn5=6474Hzの共振周波数
及びξ5=0.01の減衰比を有し、そのシステムの第
6の共振モ−ド116は、fn6=8270Hzの共振周
波数及びξ6=0.01の減衰比を有する。多項式10
4−116からの出力信号は、それぞれライン120−
132を介して7入力加算器134の正入力に供給され
る。加算器134の出力は、ライン48の弁速度であ
る。
【0026】共振周波数、共振モ−ドの数及びこれらの
モ−ドの各々についての減衰は、制御すべきプラントの
各タイプについて異ならせることができる。特に、サ−
ボ制御装置について、モ−タの種類、駆動軸及び使用さ
れる負荷はもちろん、粘性摩擦の量及び各成分の慣性に
より、このようなパラメ−タの値が決定される。
【0027】図3は、部分56(図1)の伝達関数P
(s)(図2)についての近似の実例となる大きさ周波
数応答曲線146を示している。支配的な遅れ伝達関数
104(図2)は、(図示しない)約1.06Hzの折
点周波数ωaから始まり−20デシベル/デケ−ドの勾
配で減少する減少領域148によって示される。
【0028】また、図3の大きさ曲線146も、遅れ関
数の勾配から上方に突出する一連の共振ピ−ク150−
160を示し、それぞれ図2について上述した周波数f
1−fn6に共振モ−ド106−116を示している。
【0029】それぞれ最初の6つの共振モ−ドに対応す
る共振ピ−ク150−160(fn1−fn6)は、その
制御装置のゲインが非常に高く増大すると、十分に高い
ピ−クを有し、そのシステムを不安定にするのに十分に
そのシステムの帯域幅に近い周波数にある。即ち、ノッ
チフィルタは、これらの共振150−160の効果を取
り消すため、即ち、各モ−ドfn1−fn6付近の周波数
帯の信号を減衰させるために、その制御装置の補償論理
内に設けられている。共振モ−ドfn1−fn2付近のノ
ッチフィルタの幅及び深さは、これらの周波数からある
割合(粗範囲)を加減した周波数で十分に減衰させてシ
ステムの装着及び環境における変更を考慮に入れるよう
に選択される。特に、ここに記載されたアクチュエ−タ
システムについて、fn1のノッチフィルタは、少なく
ともfn1(1578Hz)共振周波数の±5%以内の
20ゲイン低減の係数と少なくともfn2(2413H
z)共振周波数の±5%以内の10低減の係数を提供す
る必要がある。また、最大ゲインと最高速度応答を提供
するために、1000Hz以下のノッチフィルタの位相
遅れを最小にしなければならない。所望の場合には、そ
の用途及び性能の要求に従って、他の粗範囲と減衰の基
準を使用してもよい。
【0030】最初の2つの共振のためのノッチフィルタ
は、最も低いノッチ周波数を有するので、より低い周波
数で低周波位相遅れの大部分を引き起こす。従って、本
発明は、これらの最初の2つのモ−ドfn1、fn2のた
めの非線形ノッチフィルタを使用することによって説明
される。
【0031】そのプラントの共振周波数fn1、fn2
取り消す上記の特性を提供するこのようなノッチフィル
タの設計は、3つの2次ノッチフィルタと2つの155
3Hz(ダブルノッチ)と1つの2413Hzのカスケ−
ド(縦続)であり、以下の全伝達関数を有する。
【0032】
【数3】 G(s)=G1(s)*G2(s)*G3(s) [式3] ここで、G1(s)=(s2+2ξn1ω1s+ω1 2)/(s2+2ξ1ω1s+ω1 2)、 G2(s)=(s2+2ξn2ω2s+ω2 2)/(s2+2ξ2ω2s+ω2 2)、 G3(s)=(s2+2ξn3ω3s+ω3 2)/(s2+2ξ3ω3s+ω3 2) であり、ω1=ω2=2*π*1553、ω3=2*π*24
13、ξ1=0.167、ξ2=0.33、ξ3=0.
5、ξn1=ξn2=ξn3=0とω=2*π*fである。所望
の場合には、ω1、ω2、ω3、ξ1、ξ2及びξ3につい
て、他の値を使用してもよい。
【0033】また、そのノッチの分子のゼロ減衰期間
(ξn1=ξn2=ξn3=0)を使用する代わりに、1以上
のノッチ(G1、G2、G3)が所望の周波数範囲で所望
の減衰を達成するために、非ゼロ減衰期間を使用しても
よい。さらに、所望の減衰目標に合う線形ノッチフィル
タについてのどのような伝達関数の形式でも使用するこ
とができる。上述したような必要とされる粗範囲をテス
トするために、ノッチ周波数ω1=ω2=2*π*1553
Hzは、fn1=1578Hzの共振からずれて、プラ
ント共振周波数fn1(1578Hz)とノッチ周波数
(1553Hz)の間で約1.5 %の差を擬似してい
る。
【0034】図4を参照すると、(最初の調和応答につ
いて)従来の線形ノッチフィルタを使用する式3のノッ
チフィルタについての大きさ周波数応答が破曲線200
で示され、本発明の非線形ノッチフィルタを使用する場
合が実曲線202で示されている。曲線200及び20
2は、実質的に同様の大きさ特性プロファイルを示して
いる。
【0035】図5を参照すると、1553Hzまでの周
波数範囲について、(最初の調和応答について)従来の
線形ノッチフィルタを使用する式3のフィルタについて
の位相周波数応答が破曲線204で示され、本発明の非
線形ノッチフィルタを使用する場合が実曲線206で示
されている。上述したように、この周波数範囲は、約1
000Hz以下のノッチフィルタの位相遅れを最小しな
ければならないので、制御システムの設計にとって重要
である。
【0036】曲線204、206の比較からわかるよう
に、本発明では、従来の線形フィルタよりも移相を減少
させている。このような減少した位相は、典型的にノッ
チフィルタについて興味のある周波数範囲、例えば、そ
のフィルタの最低のノッチ周波数ωnからこのようなノ
ッチ周波数(ωn/10)以下の約10倍(又はそれ以
上)までの周波数範囲にわたって行われることが望まし
い。減少した位相遅れが望ましいこの範囲の部分は、各
用途のために変化させることができる。以下の表1は、
図5に示すような線形フィルタと非線形フィルタについ
ての位相遅れの比較を示している。
【0037】
【表1】 周波数(Hz) 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 線形 12.3 18.6 25.3 32.5 40.3 48.9 58.6 69.8 83.0 98.7 118. 非線形 9.0 11.1 11.9 11.2 9.0 6.5 4.4 3.9 6.5 13.0 27.1 ノッチ周波数ωn以下の周波数におけるこのような減少
した位相遅れは、先行技術に対する本発明の重要な利点
である。特に、良好なフィ−ドバック制御性能を保証す
るためには、所望の制御されたアクチュエ−タ(閉ル−
プ)帯域幅内の15°より小さい位相遅れが、ノッチフ
ィルタのために望ましい。線形ノッチフィルタの位相遅
れは243Hzより高い周波数について15°より大き
いが、非線形フィルタの遅れは1114Hzより高い周
波数について15°より大きくなっている。このよう
に、非線形ノッチフィルタは、従来の線形ノッチフィル
タで達成できるものより、高いル−プゲイン、従って設
計すべき速いアクチュエ−タ制御装置及び制御された高
いアクチュエ−タ(閉ル−プ)帯域幅を考慮に入れてい
る。
【0038】図6及び図7を参照すると、本発明に使用
する非線形ノッチフィルタ補償は、同時に出願された
「移相を減少した非線形フィルタ」という発明の名称の
米国特許出願(UTC整理番号R−3973)において
論議されているものと同様に設計され、この米国特許出
願では、G(s)は式3で上述したようになっている。
【0039】特に、移相を減少した非線形ノッチフィル
タ30は、ライン29で入力信号xを受信する式3の伝
達関数G(s)を有する線形フィルタ論理210を含
む。線形フィルタ論理210は、ライン214におい
て、入力信号xに対する線形フィルタの伝達関数G
(s)の応答を示す出力信号gを供給する。信号gは、
ゼロクロス・サンプルホ−ルド論理216に供給され
る。また、ゼロクロス・サンプルホ−ルド論理216は
ライン29で入力信号xを受信する。後述するように、
論理216は、入力信号xが零点を横切るときに信号g
のサンプリングを行い、入力信号xと同時に且つ同一の
方向に零点を横切り且つサンプリング時に信号gと等し
い振幅を有する方形波信号である信号nをライン218
に供給する。
【0040】ライン218の信号nは、線形フィルタの
伝達関数G(s)の相補形態、即ち1−G(s)として
構成される相補線形フィルタ論理220に供給される。
特に、線形フィルタ210と相補フィルタ220が共通
の入力信号によって駆動され、それらの出力が加算され
ると、結果として生じる出力は全ての回で全周波数につ
いて1になるであろう(即ち、G(s)+(1−G
(s))=1)。式3のノッチフィルタであるG(s)
について、相補線形フィルタ20の伝達関数は、2次の
狭い帯域フィルタである(1−G(s))。
【0041】相補フィルタ論理220内において、ライ
ン218は、上述した線形フィルタ関数210と同じ伝
達関数G(s)を有するもう一つの線形フィルタ222
に供給される。フィルタ222の出力は、ライン224
に供給されて、加算器226の負入力に供給される。ま
た、ライン218は、加算器226の正入力に供給され
る。加算器226の出力は、ライン228に供給され
る。これは相補線形フィルタ論理220の出力信号Cで
ある。
【0042】ライン228の信号Cは、加算器230の
正入力に供給される。また、ライン214の線形フィル
タ210からの信号gは、加算器230のもう一つの正
入力に供給される。加算器230は、ライン32に出力
信号Vを供給する。これは、移相を減少した非線形フィ
ルタ論理30の出力である。
【0043】図7に示すように、ゼロクロス・サンプル
ホ−ルド論理216は、所定の速度、例えば100KH
zでライン29の入力信号xをサンプリングし、ステッ
プ250で入力信号xの符号が変化したか否か(即ち、
入力信号xが零点を横切ったか否か)を決定する。符号
が変化していなければ、次のサンプル時に再び入力信号
xのサンプリングをする。入力の符号が変化していれ
ば、ステップ252でその符号の変化が正から負への変
化であったか否かを決定する。その変化が正から負への
変化であった場合には、ステップ254においてサンプ
リングが起こったときにnの値をgの絶対値の負の値に
セットし、論理216から出る。逆に、入力信号xの符
号の変化が負から正(即ち正から負ではない)への変化
であった場合には、ステップ256でnの値をgの絶対
値にセットし、論理216から出る。いずれの場合で
も、次のサンプリング時までnの値を一定に保持する。
【0044】従って、フィルタ入力信号xが零点を横切
る瞬間のみに、線形フィルタ出力信号gのサンプリング
(及び信号nの更新)が起こり、入力信号xが零点を横
切る方向に基づいてnの符号をセットし、そのときのg
の値と等しい値にセットする。このように、信号nは、
入力信号xと同時に且つ同一の方向に零点を横切り、且
つその時の信号gの値と等しい振幅を有する方形波関数
である。
【0045】所望の場合には入力信号xについて他のサ
ンプルレ−トを使用することができ、あるいはアナログ
方式のようにサンプリングを連続的にすることができ
る。しかし、xのサンプルレ−トと無関係に、信号gが
サンプリングされる時は、入力信号xが零点を横切るこ
とを論理が検出した時である。また、所望の場合には、
信号nについて同じ結果を得るために、他のデジタル論
理又はソフトウェア及び/又はアナログ回路を使用する
ことができる。
【0046】nは方形波型の関数であるため、奇数調波
周波数成分からなる。その結果、相補フィルタの応答は
このような入力方形波の奇数調波を示し、従って、出力
信号yはこのような調波を示す。しかし、これらの調波
の大きさは、周波数とともに自然に減少する。また、相
補フィルタ関数1−G(s)は、所望の最初の調波の付
近の帯域通過であるので、ノッチフィルタの高調波をさ
らに減衰させる。
【0047】図8に示すように、特にフィルタ30の出
力信号Vは、最初の調和信号に加えて高調波を含んでい
る。図8には、純粋な正弦波入力についての出力信号V
の1番目と3番目と5番目の調波の相対的な振幅が示さ
れている。出力信号Vには偶数調波はない。最初の調波
は、図4の曲線202の大きさプロットに示されるが直
線の縦軸の上に示されるものと同じである。3番目と5
番目の調波は、アクチュエ−タの性能を低下させないよ
うに十分小さくなっている。
【0048】あるいは、任意の乗算器260によって示
されるように、図6において信号nにゲインKnを掛け
てもよい。この場合、Knの値は、その方形波信号nの
振幅をサンプル時の信号gの所定の比にセットするよう
にセットされる。これにより、移相低減の量が調節され
(減少し)、出力信号の非線形性(高調波歪み)の量が
減少する。例えば、Kn=0.5であれば、移相の低減
はより少なくなるが、出力信号は減少し高調波の振幅を
示すであろう。ここに示す図については、ゲインKnを
1にセットする。
【0049】図9に示すように、伝達関数G(s)がそ
の分子と分母と両方で同じ次数を有し、いずれも高周波
数で同じ値に近づく(即ち、伝達関数が高周波数で1の
値を有する)場合には、式3のように、伝達関数G
(s)をG(s)=1−T(s)(T(s)は減少した
次数の分子を有する伝達関数である)の形式に書き直し
てもよい。
【0050】この場合、図6のブロック図を図9に示さ
れるように単純化することができる。特に、線形フィル
タ論理210内では、ライン29の入力信号xが、伝達
関数T(s)を有する減少した次数の線形フィルタ論理
300に供給される。論理300は、ライン302の信
号を加算器304の負入力に供給する。また、ライン2
9の入力信号xも加算器304の正入力に供給される。
この加算器は、信号g(線形フィルタG(s)への応
答)をライン214に供給する。所望の場合には、線形
フィルタ論理210を伝達関数G(s)として実行でき
る。しかし、1−T(s)の形式を使用することによっ
て、より低い次数の伝達関数をこの論理に使用すること
ができる。
【0051】また、G(s)=1−T(s)を代用する
場合、即ち1−(1−T(s))=T(s)の場合に
は、相補フィルタの伝達関数1−G(s)はT(s)に
単純化される。従って、図9では、相補フィルタ論理2
20を単に減少した次数の伝達関数T(s)の論理30
0に単純化している。
【0052】例えば、伝達関数G(s)=(s2+2ξ1ωn
n 2)/(s2+2ξ2ωns+ωn 2)を有するノッチフィルタ
について、G(s)を次のように書き直してもよい。
【0053】
【数4】 G(s)=1−2ξ3ωns/(s2+2ξ2ωns+ωn 2)=1−T(s) (ξ1=ξ2−ξ3、T(s)=2ξ3ωns/(s2+2ξ2ωns+ωn 2) このように、T(s)は分母より1つ次数の低い(即ち
s乗)の分子を有し、これは、G(s)の二次の分子よ
りハ−ドウェア及び/又はソフトウェアで単純に実施し
得る。このような簡略化は、上述したノッチフィルタの
ように、分子と分母が同じ次数(sの最も高い累乗)を
有するどのような伝達関数によっても行うことができ
る。
【0054】あるいは、図6について上述したように、
任意の乗算器260によって示されるように信号nにゲ
インKnを掛けてもよい。その場合、Knの値は、方形
波信号nの振幅をサンプル時の信号gの所定の比にセッ
トするようにセットされる。これにより、移相の低減の
量を調節し(減少させ)、出力信号の非線形性(高調波
歪み)の量を減少させることができる。例えば、Kn=
0.5であれば、移相の低減は少なくなるが、出力信号
は減少した高調波振幅を示すであろう。
【0055】さらに、所望の場合には、線形フィルタブ
ロック210とゼロクロス・サンプルホ−ルド論理21
6との間のライン214に、図6及び図9で説明した任
意のゲインKnを代わりに配置して、論理216による
サンプリングに先立って信号gをゲインシフトしてもよ
い。
【0056】上記特許出願に詳述されているように、論
理30(図1、図6、図9)又はその何れかの部分を、
デジタル及び/又はアナログのハ−ドウェア論理におい
て、あるいはソフトウェアのディジタルコンピュ−タ及
び/又はアナログコンピュ−タによって実行してもよ
い。
【0057】また、上記特許出願に説明されているよう
に、(図9の減少した次数の伝達関数に関する限りで
は)通過帯域周波数範囲及び/又は高周波における本発
明の種々のフィルタのゲインは、線形フィルタの伝達関
数と対応する相補フィルタの伝達関数の両方を縮尺する
ことによって1以外にすることができる。さらに、フィ
ルタのゲインは、一般に線形フィルタの伝達関数と対応
する相補フィルタの伝達関数の両方を縮尺することによ
って、どのような値にもセットすることができる。
【0058】本発明は、種々の異なるタイプのシステム
について、高帯域のバルブアクチュエ−タ制御論理を提
供する。線形ノッチフィルタを使用する従来のシステム
では、そのシステムの帯域幅は、線形ノッチフィルタの
低周波位相遅れのために、所望のレベルよりも小さく制
限される。線形ノッチフィルタを非線形ノッチフィルタ
に取り替えられると、位相遅れの低減により、制御装置
のゲインKp、KVを増大させ、それによってアクチュ
エ−タの帯域幅を所望のように増大させることができ
る。
【0059】特に、図2に記載されたプラント用の制御
論理30(図1)と同等の線形フィルタ制御装置は、6
つの共振モ−ドを取り消すために7つの線形ノッチフィ
ルタを使用することができる。これらのノッチフィルタ
の3つは3つの2次のノッチフィルタの縦続であり、1
553Hzの2つと2413Hzの1つは上述した式3の
伝達関数を有する。残りの4つのノッチフィルタは、残
りのモ−ドfn3−fn6の各々について、それぞれ以下
の形式を有する。
【0060】
【数5】 (s2+2ξ1ωns+ωn 2)/(s2+2ξ2ωns+ωn 2) ここで、4つのすべてのノッチフィルタについてξ1
0であり、モ−ドfn3−fn6に対応する4つのノッチ
フィルタについてωn=4412、5055、6166、8270rad/se
c、ξ2=0.1667、0.4、0.5、0.5である。所望の場合に
は、これらのモ−ドの各々についてのξ1、ξ2及びωn
について他の値を使用し、あるいは他のフィルタの形式
を使用することができる。これらの4つのノッチフィル
タについて、興味のある範囲(1000Hz以下)に反
映される位相の量は最小である。また、所望の性能の要
求を満たすことができれば、ノッチフィルタの幾つかを
除去することができる。
【0061】このような線形フィルタ制御装置は、以下
の工程を実行することによって、非線形フィルタ制御装
置に変更することができる。
【0062】(1)(fn1、fn2で共振モ−ドを減衰
させる)式3の最初の3つのノッチフィルタを上述した
非線形ノッチフィルタと取り替える。
【0063】(2)線形フィルタを使用するシステムの
開ル−プゲインマ−ジンと適合する開ル−プゲインマ−
ジンが得られるまで、ゲインKp、Kvを増大させる。
この例では、3dBのゲインマ−ジンを使用し、これは
ル−プゲインの45%の増加に対応していた。
【0064】(3)15°(全範囲の50%)のステッ
プ弁の位置指令に対するオ−バ−シュ−トの量が線形ノ
ッチフィルタを使用するときのアクチュエ−タの場合と
略等しくなるように、速度指令限界20(図1)を減少
させる。この例では、その限界は、+/-9deg/ミリ秒か
ら+/-8.4deg/ミリ秒まで減少させた。
【0065】より高い共振モ−ド(fn3−fn6)が所
望のシステムの帯域幅から十分に離れているので、これ
らの共振fn3−fn6のために使用されるタイプのノッ
チフィルタ(線形対非線形)が、興味のある周波数、即
ち1000Hz以下で制御装置の位相遅れに重大な影響
を与えないを理解しなければならない。しかし、所望の
場合には、これらを非線形の形式に変換してもよい。
【0066】線形フィルタ補償と比較して、非線形フィ
ルタ補償を使用することによって得られる、ステップ入
力に対する閉ル−プ・アクチュエ−タ制御システムの時
間応答の改善を、以下の表2に示す。
【0067】
【表2】 線形応答 非線形応答 ステップ 0-95% %O/S 95% 0-95% %O/S 95% サイズ RisTime StlTime RisTime Stltime 1% 1.18ms 1.16 3.56ms 0.89ms 1.27 8.27ms* 10% 1.6ms 16.4 3.4ms 1.5ms 25.9 2.8ms 50% 3.0ms 42.7 8.3ms 2.9ms 42.0 8.6ms *:90%セットリングタイムは十分に低い(約2msec) 上記の表2に示すように、弁範囲(30Deg)の1.
0 %(0.3Deg)の小信号ステップに対するシス
テム応答について、95%の立上り時間(即ち出力信号
が入力ステップの0から95%進む時間)は、線形フィ
ルタでは1.18ミリ秒(ミリ秒)であり、非線形フィ
ルタシステムでは0.89msである。このように、非
線形フィルタは、ステップ入力に対して線形フィルタよ
り速い時間応答を提供する。また、線形フィルタについ
ては、パ−セント・オ−バ−シュ−トは1.16%であ
り、最終値の95 %になるまでのセットリングタイム
は3.56 msである。非線形フィルタについては、
パ−セント・オ−バ−シュ−トは1.27%であり、9
5%セットリングタイムは8.27msである。
【0068】非線形についての小信号の立上り時間が線
形のフィルタ補償よりも改善されると同時に、非線形シ
ステムの性能は大信号の入力について低下しない。表2
に示すように、10%及び50%のステップ入力につい
て、システムが殆ど制限20、28(図1)で作動して
いる場合には、時間応答が線形及び非線形フィルタシス
テムについて略同様である。
【0069】図10に示すように、アクチュエ−タ・ル
−プの他の重要な性能の測定基準は、周波数について導
入する閉ル−プ位相遅れである。既知のように、閉ル−
プ方式のアクチュエ−タ・システムの位相遅れ(所定位
置への位置指令)が約15Degである周波数は、アク
チュエ−タ・ル−プを組み込んだ外部の制御ル−プの達
成可能な最大の閉ル−プ帯域幅と関係がある。
【0070】特に、アクチュエ−タ制御システム7(図
1)は、より大きな外部制御ル−プシステム350、例
えば、ゲインと、動的な補償と、ライン356のエンジ
ン354(例えばガスタ−ビンエンジン)から信号を受
信してライン10を介してアクチュエ−タ・ル−プ7に
バルブ位置指令を供給する他の論理とからなる電子式エ
ンジン制御(EEC)352内に配置することができ
る。その場合、アクチュエ−タ、例えばブリ−ド弁アク
チュエ−タは、エンジンから抽気するようにエンジン3
54に配置される。ル−プ7は、バルブ位置指令入力に
応答して、アクチュエ−タ位置(度)をライン52を介
してエンジン354に供給し、EEC352へのライン
356の信号を変更するエンジン状態を変える。所望の
場合には、ブロック352、354の代わりにEECと
エンジン以外の装置を使用することができる。
【0071】アクチュエ−タ・ル−プ7の閉ル−プ伝達
関数が15°の位相遅れを示す周波数は、ル−プ7の線
形フィルタでは53Hzであるが、ル−プ7の非線形フ
ィルタでは77Hzに起こる。このようなより低い位相
遅れにより、EECのゲインを増大することができ、そ
れによって外部ル−プの閉ル−プ帯域幅を増大すること
ができる。
【0072】さらに、閉ル−プ位相遅れが90°である
周波数は、線形システム7では308Hzであるが、非
線形システムでは447Hzであり、非線形システムの
位相遅れが少ないことを示す。また、閉ル−プゲイン・
ロ−ルオフが−4.5デシベルである周波数は、線形シ
ステム7について(位相遅れの132°に対応する)6
00Hzであり、非線形システム7について(位相遅れ
の114°に対応する)750Hzである。さらに、1
2°ピ−ク又は24°の振幅(30°のバルブ全範囲の
80%)を有する85Hz正弦入力の両システムへの入
力信号について、ピ−ク間の位相遅れは、線形システム
7では24°であるが、非線形システム7では16°に
すぎない。
【0073】このように、ここに記載された非線形フィ
ルタを使用する制御ル−プ7は、より少ない位相遅れを
示し、それによって、EEC352のゲインを増大させ
て、同じ安定マ−ジンを達成すると同時に、より速い時
間応答を提供し、従って線形フィルタ補償よりも広い帯
域幅を提供する。
【0074】典型的なゲイン、伝達関数、限界などを有
する制御システム7(図1)内で使用されるものとして
本発明を説明したが、このようなシステムは単なる例示
であり、本発明は、ここで説明した形式以外の形式を有
する共振モ−ドを備えた他の制御システムにより同様に
実施される。また、プラント6から制御装置5までの内
部及び外部ル−プ(位置と速度)フィ−ドバック信号を
必要としない。所望の場合には、制御システム7に他の
フィ−ドバック信号、多少のフィ−ドバック信号及び多
少のル−プを使用することもできる。非線形フィルタ
は、性能を改善するのに必要な正しい位置に配置するこ
とができる。特に、局所ル−プの内側にある必要がなく
そのル−プの前方への(誤差)経路にある必要がない非
線形フィルタ30、例えばフィルタ30は、制御性能を
改善するために、所望の場合にフィ−ドバック経路及び
/又は指令信号パスに配置することができる。さらに、
制御性能を改善するために、所望の場合に制御装置5内
の種々の異なる位置に1つ以上の非線形ノッチフィルタ
を設けることができる。
【0075】以上、本発明を要約すると、本発明に係る
制御システムは、共振モ−ドを有するプラント56と、
プラント56からライン14、24においてプラント入
力信号を受信してフィルタ出力信号Vに関連する制御装
置出力信号Iを供給してプラント56を制御する制御装
置5とを含む。制御装置には、プラント入力信号に関連
するフィルタ入力信号xを受信してフィルタ出力信号V
を供給する非線形ノッチフィルタ30が設けられてい
る。ノッチフィルタは、共振モ−ドのうちの一つの共振
モ−ドを所定量だけ減衰させるようにその一つの共振モ
−ドの付近に少くとも一つのノッチ周波数を有し、対応
する線形ノッチフィルタのノッチ周波数より低いノッチ
フィルタの最低のノッチ周波数の10倍以下の位相遅れ
を有し、それによって、制御装置7が、線形ノッチフィ
ルタを使用するシステムより速い時間応答と増大した帯
域幅を示すことができるようにしている。
【0076】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、共振
モ−ドを有するプラントを備えた高応答性制御システム
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による非線形ノッチフィルタを備えた制
御装置と共振のプラントを有するアクチュエ−タ制御ル
−プの制御システムのブロック図である。
【図2】本発明による図1のプラントの一部の制御シス
テムの伝達関数のブロック図である。
【図3】本発明による図2の伝達関数の大きさ周波数応
答を示すグラフである。
【図4】本発明による線形ノッチフィルタ及び非線形ノ
ッチフィルタの大きさ周波数応答を示すグラフである。
【図5】本発明による線形ノッチフィルタ及び非線形ノ
ッチフィルタの位相周波数応答を示すグラフである。
【図6】本発明による図1の制御装置の非線形ノッチフ
ィルタのブロック図である。
【図7】本発明によるゼロクロス・サンプルホ−ルド論
理のフロ−チャ−トである。
【図8】本発明による非線形ノッチフィルタの調波分を
示すグラフである。
【図9】本発明による非線形ノッチフィルタの他の実施
例のブロック図である。
【図10】本発明による図1のアクチュエ−タ・ル−プ
を含む外部制御ル−プのブロック図である。
【符号の説明】
5 電子制御装置 6…プラント 7…アクチュエータ制御システム 8…破線 12、22、134…加算器 18…位置ゲイン 20、28…大きさリミッタ 26…速度誤差ゲイン 34…サーボ増幅器 38…トルクモータ 42…駆動軸 46…ブリード弁 50…速度センサ 54…位置センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カール エヌ.ネット アメリカ合衆国,コネチカット,トールラ ンド,パインヒル ロード 64

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振モ−ドを有するプラントと、 このプラントからのプラント入力信号と指令信号を受信
    し、フィルタ出力信号と関連する制御装置出力信号を供
    給して前記プラントを制御する制御装置とからなり、 前記制御装置が、前記プラント入力信号と関連するフィ
    ルタ入力信号と前記指令信号を受信して前記フィルタ出
    力信号を供給する非線形ノッチフィルタからなり、 前記非線形ノッチフィルタが、前記共振モ−ドのうちの
    一つの共振モ−ドの付近に少なくとも一つのノッチ周波
    数を有するとともに、前記一つの共振モ−ドを所定量だ
    け減衰させるように大きさ周波数応答を有し、且つ対応
    する線形ノッチフィルタのノッチ周波数より低い前記ノ
    ッチフィルタの最低のノッチ周波数以下の位相遅れを有
    することを特徴とする、制御システム。
  2. 【請求項2】 前記非線形ノッチフィルタが、 前記フィルタ入力信号に応答するとともに線形ノッチ伝
    達関数を有し、線形ノッチフィルタ信号を供給する線形
    ノッチフィルタ論理と、 前記フィルタ入力信号と前記線形ノッチフィルタ信号に
    応答して、前記フィルタ入力信号を監視し、前記フィル
    タ入力信号と同時に且つ同一の方向に零点を横切るとと
    ともに前記フィルタ入力信号が零点を横切るときに前記
    線形ノッチフィルタ信号の値と比例する振幅を有する方
    形波信号を供給するゼロクロス論理と、 前記方形波信号に応答するとともに、前記線形ノッチ伝
    達関数と相補的な相補伝達関数を有し、相補ノッチフィ
    ルタ信号を供給する相補ノッチフィルタ論理とからな
    り、 前記相補ノッチフィルタ信号と前記線形ノッチフィルタ
    信号を加算して、ある周波数帯にわたって前記フィルタ
    入力信号と前記フィルタ出力信号の間の移相を前記線形
    ノッチ伝達関数の移相より少なくする前記フィルタ出力
    信号を供給することを特徴とする、請求項1に記載の制
    御システム。
  3. 【請求項3】 前記相補ノッチ伝達関数が、分母の多項
    式より低い次数の分子の多項式を有する減少次数伝達関
    数からなることを特徴とする、請求項2に記載の制御シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記ゼロクロス論理が、前記フィルタ入
    力信号が零点を負から正に横切るときに前記線形ノッチ
    フィルタ信号の絶対値に比例して前記方形波信号の振幅
    をセットし且つ前記フィルタ入力信号が正から負に横切
    るときに前記線形ノッチフィルタ信号の絶対値に負値に
    比例して前記方形波信号の振幅をセットする論理からな
    ることを特徴とする、請求項2に記載の制御システム。
  5. 【請求項5】 前記方形波信号の振幅が、前記フィルタ
    入力信号が零点を横切るときに前記線形フィルタ信号の
    値と等しいことを特徴とする、請求項2に記載の制御シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記プラントがアクチュエ−タからなる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の制御システム。
  7. 【請求項7】 前記アクチュエ−タがブリ−ド弁アクチ
    ュエ−タからなることを特徴とする、請求項1に記載の
    制御システム。
  8. 【請求項8】 前記プラントが、トルクモ−タと、この
    トルクモ−タに接続された駆動軸と、この駆動軸に接続
    されたアクチュエ−タとからなることを特徴とする、請
    求項1に記載の制御システム。
  9. 【請求項9】 前記制御装置が、前記プラント入力信号
    を受信して前記フィルタ入力信号を供給する制御論理か
    らなることを特徴とする、請求項1に記載の制御システ
    ム。
  10. 【請求項10】 前記制御装置が、電子式エンジン制御
    装置から指令入力信号を受信する制御論理からなり、前
    記プラントがガスタ−ビンエンジンに配置されたアクチ
    ュエ−タからなることを特徴とする、請求項1に記載の
    制御システム。
  11. 【請求項11】 前記非線形ノッチフィルタの移相が、
    前記制御システムの増大した応答性を考慮することを特
    徴とする、請求項1に記載の制御システム。
  12. 【請求項12】 共振モ−ドを有するプラント手段と、 前記プラントからプラント入力信号を受信してフィルタ
    出力信号と関連する制御装置出力信号を供給し、前記プ
    ラントを制御する制御手段とからなり、 前記制御手段が、前記プラント入力信号と関連するフィ
    ルタ入力信号と指令信号とを受信して前記フィルタ出力
    信号を供給する非線形ノッチフィルタ手段からなり、 前記ノッチフィルタ手段が、前記共振モ−ドのうちの一
    つの共振モ−ドの付近に少なくとも一つのノッチ周波数
    を有し且つ前記一つの共振モ−ドを所定量だけ減衰させ
    るように大きさ周波数応答を有し、且つ対応する線形ノ
    ッチフィルタのノッチ周波数より低い前記ノッチフィル
    タの最低のノッチ周波数の10倍以下の位相遅れを有す
    ることを特徴とする、制御システム。
  13. 【請求項13】 前記非線形ノッチフィルタ手段が、 フィルタ入力信号に応答するとともに線形伝達関数を有
    し、線形フィルタ信号を供給する線形フィルタ手段と、 前記フィルタ入力信号と前記線形フィルタ信号に応答し
    て、前記フィルタ入力信号を監視し、前記フィルタ入力
    信号と同時に且つ同一の方向に零点を横切るととともに
    前記フィルタ入力信号が零点を横切るときに前記線形フ
    ィルタ信号の値と比例する振幅を有する方形波信号を供
    給するゼロクロス手段と、 前記方形波信号に応答するとともに、前記線形伝達関数
    と相補的な相補伝達関数を有し、相補フィルタ信号を供
    給する相補フィルタ手段と、 前記相補フィルタ信号と前記線形フィルタ信号に応答し
    て、前記相補フィルタ信号と前記線形フィルタ信号を加
    算し、ある周波数帯にわたって前記フィルタ入力信号と
    フィルタ出力信号の間の移相を前記線形伝達関数の移相
    より少なくするフィルタ出力信号を供給する加算手段と
    からなる、請求項12に記載の制御システム。
  14. 【請求項14】 前記相補伝達関数が、分母の多項式よ
    り低い次数の分子の多項式を有する減少次数伝達関数か
    らなることを特徴とする、請求項13に記載のフィル
    タ。
  15. 【請求項15】 前記ゼロクロス手段が、前記フィルタ
    入力信号が零点を負から正に横切るときに前記線形フィ
    ルタ信号の絶対値に比例して前記方形波信号の振幅をセ
    ットし且つ前記フィルタ入力信号が正から負に横切ると
    きに前記線形フィルタ信号の絶対値に負値に比例して前
    記方形波信号の振幅をセットする手段からなることを特
    徴とする、請求項13に記載のフィルタ。
  16. 【請求項16】 前記方形波信号の振幅が、前記フィル
    タ入力信号が零点を横切るときに前記線形フィルタ信号
    の値と等しいことを特徴とする、請求項13に記載のフ
    ィルタ。
  17. 【請求項17】 前記プラント手段がアクチュエ−タか
    らなることを特徴とする、請求項12に記載の制御シス
    テム。
  18. 【請求項18】 前記アクチュエ−タがブリ−ド弁アク
    チュエ−タからなることを特徴とする、請求項16に記
    載の制御システム。
  19. 【請求項19】 前記プラント手段が、トルクモ−タ
    と、このトルクモ−タに接続された駆動軸と、この駆動
    軸に接続されたアクチュエ−タとからなることを特徴と
    する、請求項12に記載の制御システム。
  20. 【請求項20】 前記制御手段が、前記プラント入力信
    号を受信して前記フィルタ入力信号を供給する制御論理
    からなることを特徴とする、請求項12に記載の制御シ
    ステム。
  21. 【請求項21】 前記制御手段が、電子式エンジン制御
    装置から指令入力信号を受信する制御論理からなり、前
    記プラントがガスタ−ビンエンジンに配置されたアクチ
    ュエ−タからなることを特徴とする、請求項12に記載
    の制御システム。
  22. 【請求項22】 前記非線形ノッチフィルタ手段の移相
    が、前記制御システムの増大した応答性を考慮すること
    を特徴とする、請求項12に記載の制御システム。
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