JPH1078459A - 光応用計測器 - Google Patents

光応用計測器

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JPH1078459A
JPH1078459A JP8234437A JP23443796A JPH1078459A JP H1078459 A JPH1078459 A JP H1078459A JP 8234437 A JP8234437 A JP 8234437A JP 23443796 A JP23443796 A JP 23443796A JP H1078459 A JPH1078459 A JP H1078459A
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JP
Japan
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optical fiber
coating layer
optical
sensor
measuring instrument
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JP8234437A
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English (en)
Inventor
Hideki Noda
英樹 野田
Yuji Mizutani
雄二 水谷
Kiyohisa Terai
清寿 寺井
Sakae Ikuta
栄 生田
Masao Takahashi
正雄 高橋
Toru Uenishi
徹 上西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバにおける温度変化による複屈折の
発生を抑制することにより、温度変化が大きい環境でも
高精度の測定を可能とし、かつ、光ファイバの強度およ
び寿命を向上する。 【解決手段】 導体1と絶縁媒体を収納してなるガス絶
縁開閉装置の絶縁密閉タンク2のタンクフランジ4a,
4b間に、フランジ状のセンサ部10が配設される。セ
ンサ部10からは、送光用と受光用のファイバ11,1
2が引き出され、離れて配置された光源・検出器部13
の光源14と検出器15にそれぞれ接続される。光源・
検出器部13はさらに、検出器15の出力信号から通電
電流を算出する信号処理回路16と演算結果を出力する
出力端子17を備える。センサ部10には、石英ファイ
バからなる光ファイバ40が使用され、光ファイバ40
の外周には、シリコンゴムからなる1mm以下の厚さの
コーティング層41が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置
の導体通電電流、電圧、あるいは磁気等、各種の被測定
対象物における各種の物理量を計測する計測装置に係
り、特に、光のファラデー効果に伴う偏光状態に基づい
て物理量の計測を行う光応用計測器に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の光応用計測器をガス絶縁
開閉装置の電流計測に適用した場合の概略を示す構成図
である。この図8に示すように、導体1と絶縁媒体を収
納してなるガス絶縁開閉装置の絶縁密閉タンク2のう
ち、隣接する2つの管状タンク3a,3bの端部のタン
クフランジ4a,4b間には、絶縁スペーサ5が取り付
けられ、両側の管状タンク3a,3bを空間的に分離し
ている。そして、この絶縁スペーサ5と一方のタンクフ
ランジ4aとの間に、フランジ状に形成されたセンサ部
10が配設されている。このセンサ部10は、絶縁スペ
ーサ5と共に、両側のタンクフランジ4a,4bに固定
されている。
【0003】センサ部10からは、送光用ファイバ11
と受光用ファイバ12が引き出されており、これらのフ
ァイバ11,12は、センサ部10から十分離れた位置
に配置された光源・検出器部13の光源14と検出器1
5にそれぞれ接続されている。このうち、光源14は、
測定用のレーザ光を出射するレーザ光源であり、検出器
15は、センサ部10からの出力を検出して電気信号に
変換するように構成されている。光源・検出器部13
は、さらに、検出器15からの出力信号を演算して通電
電流を算出する信号処理回路16、および演算結果を外
部に出力する出力端子17を備えている。
【0004】図9は、図8に示すような光応用計測器に
おける光学システムの一例を示す構成図である。この図
9中、点線で囲まれた部分は、センサ部10に収納され
ており、光ファイバ20と結合光学箱(光学機器)30
を有する。光ファイバ20は、導体の周囲に巻回状態で
配置されており、その一端は結合光学箱30に接続さ
れ、その他端には反射材21が配置されている。また、
結合光学箱30は、光ファイバ20の一端に接続される
と共に、送光用ファイバ11と受光用ファイバ12a,
12bを介して光源・検出器部13の光源14と検出器
15a,15bにそれぞれ接続されている。
【0005】この結合光学箱30は、レンズ31a〜3
1d、偏光子32、検光子33a,33b、およびビー
ムスプリッタ34a,34bを有する。このうち、レン
ズ31a、偏光子32、ビームスプリッタ34a、およ
びレンズ31bは、送光用ファイバ11からの入射光を
ホルダ35を介して光ファイバ20に導くように、この
順で配設されている。ビームスプリッタ34bは、光フ
ァイバ20から戻されてビームスプリッタ34aで反射
する光の光路上に配設されている。ビームスプリッタ3
4bで2分割された各光路上には、検光子33aとレン
ズ31cおよび検光子33bとレンズ31dが、各受光
用ファイバ12a,12bに光を導くようにしてそれぞ
れ配設されている。このうち、検光子33a,33b
は、互いに直交するように配置されている。
【0006】また、以上のような図9の光学システムの
動作原理は次の通りである。すなわち、光学・検出器部
13の光源14から出射したレーザ光は、送光用ファイ
バ11を通って結合光学箱30に入射する。結合光学箱
30に入射したレーザ光は、レンズ31aにより平行ビ
ームに変換され、偏光子32により直接偏光化された
後、ビームスプリッタ34aを介してレンズ31bに達
し、このレンズ31bで集光される。レンズ31bで集
光されたレーザ光は、ホルダ35を介して光ファイバ2
0の一端に入射し、この光ファイバ20内を通過した
後、他端に配置された反射材21に達してこの反射材2
1により反射され、光ファイバ20内を反対方向に戻
り、再びホルダ35を介して結合光学箱30に戻され
る。
【0007】結合光学箱30に戻されたレーザ光は、レ
ンズ30bを介してビームスプリッタ34aに達し、こ
のビームスプリッタ34aによって反射された後、さら
に、ビームスプリッタ34bによって2分割される。ビ
ームスプリッタ34bで2分割された各レーザ光は、互
いに直交するように配置された各検光子33a,33b
をそれぞれ通過した後、各レンズ31c,31dを介し
て各受光用ファイバ12a,12bに導かれる。各受光
用ファイバ12a,12bからの出力は、光源・検出器
部13の各検出器15a,15bによって電気信号に変
換される。さらに、各検出器15a,15bからの出力
信号は、信号処理回路16で演算され、その演算結果
は、出力端子17によって外部に出力される。なお、こ
の場合の具体的な信号処理方法などは公知であり、また
センサ部の具体的取付構造は本発明の直接の対象ではな
いため、ここでは説明を省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように、センサ部に光ファイバを使用した従来の光応用
計測器においては、設置環境によって発生する温度変化
に対して、その誤差が増大するという欠点を有する。す
なわち、光ファイバの周囲で温度変化が発生すると、光
ファイバは、この温度変化に伴って生じる応力により、
光学的に異方性となって複屈折を示す。このような複屈
折の発生は、測定誤差の一因となり、不都合である。特
に、ガス絶縁開閉装置等の高電圧機器は、運転温度が高
く、起動時や停止時における温度変化が大きいため、こ
のような機器に設置される光応用計測器のセンサ部の光
ファイバにおいては、温度変化によって大きな複屈折が
発生し、測定誤差が大きくなる可能性がある。
【0009】また、上記のような従来の光応用計測器に
使用される光ファイバは、極めて細いガラスから構成さ
れており、強度的に脆く、小さい外力によって折れやす
い。そのため、このような光ファイバをセンサ部に使用
した場合、加工時の変形や、使用時の機械的な外力や振
動によって破損する可能性がある。また、一般的に、ガ
ラスの強度低下は、大気中の湿気によりSi−Oの結合
が分解することから起こる(応力腐食割れ)ことが知ら
れており、光ファイバにおいても、このような大気中の
湿気に起因する強度低下を生じ、寿命が短くなる可能性
がある。
【0010】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
光ファイバにおける温度変化による複屈折の発生を抑制
することにより、温度変化が大きい環境でも高精度の測
定が可能であり、しかも、光ファイバの強度および寿命
を向上可能な、高性能でかつ信頼性の高い光応用測定器
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、光ファイバの外周に、温度変化による
ヤング率の変化が小さい材料からなるコーティング層を
設けることを特徴としている。このような構成を有する
ことにより、光ファイバに発生する応力を小さくして、
光ファイバにおける温度変化による複屈折の発生を抑制
することにより、測定精度を向上することができる。ま
た、コーティング層によって光ファイバを外力から保護
することができ、光ファイバの強度および寿命を向上で
きる。
【0012】すなわち、本発明は、被測定対象物の近く
に配置されたセンサと、測定用の光を発生して前記セン
サに送る光源と、前記センサからの出射光を検出する検
出器と、前記センサと光源および検出器とを光学的に結
合する結合光学部と、前記検出器からの信号を処理する
信号処理部とを備え、前記センサを含む光路の一部にコ
アとクラッド層からなる光ファイバを使用し、光の特性
の変化により物理量を計測する光応用計測器において、
前記光ファイバが次のように構成されたことを特徴とし
ている。
【0013】まず、請求項1記載の発明は、光ファイバ
のクラッド層の外周にコーティング層が設けられたこと
を特徴としている。以上のような構成を有する請求項1
記載の発明によれば、光ファイバの外周に設けたコーテ
ィング層により、光ファイバにおける温度変化による複
屈折の発生を抑制することができるため、温度変化が大
きい環境でも電流等の物理量を精度よく測定できる。ま
た、コーティング層によって光ファイバを保護すること
ができるため、光ファイバの強度・寿命を向上できる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、コーティング層の材料が、アクリル樹脂に
比べて温度変化によるヤング率の変化が小さい材料であ
ることを特徴としている。請求項3記載の発明は、請求
項2記載の発明において、コーティング層の材料がシリ
コンゴムであることを特徴としている。請求項4記載の
発明は、請求項3記載の発明において、コーティング層
の材料が熱硬化形シリコンゴムであることを特徴として
いる。
【0015】以上のような構成を有する請求項2〜4記
載の各発明によれば、光ファイバの外周のコーティング
層の材料として、アクリル樹脂に比べて温度変化による
ヤング率の変化の小さい材料を使用することにより、コ
ーティング層の材料としてアクリル樹脂を使用した場合
に比べて、光ファイバにおける温度変化による複屈折の
発生を抑制することができるため、温度変化が大きい環
境でも電流等の物理量を高精度に測定できる。
【0016】すなわち、請求項1記載の発明において、
コーティング層の材料としては、例えばアクリル樹脂を
使用することが考えられるが、この場合には、アクリル
樹脂の温度変化によるヤング率の変化が比較的大きいた
め、光ファイバにおける温度変化による複屈折の発生を
十分に抑制することができない。これに対して、請求項
2〜4記載の発明のように、少なくともアクリル樹脂に
比べて温度変化によるヤング率の変化が小さい材料を使
用することにより、温度変化による複屈折の発生を十分
に抑制して高い測定精度を確保することができる。特
に、請求項3記載の発明においては、アクリル樹脂に比
べて温度変化によるヤング率の変化が格段に小さいシリ
コンゴムを使用しているため、測定精度をより向上する
ことができる。そしてまた、請求項4記載の発明におい
ては、温度変化によるヤング率の変化がほぼフラットで
ある熱硬化形シリコンゴムを使用しているため、測定精
度をより向上することができる。
【0017】次に、請求項5記載の発明は、光ファイバ
のクラッド層の外周に、2層以上のコーティング層が設
けられ、この2層以上のコーティング層のうち、光ファ
イバのクラッド層の外周面に直接接触する第1のコーテ
ィング層の材料と、この第1のコーティング層の外周面
に直接接触する第2のコーティング層の材料とが異なる
ことを特徴としている。
【0018】以上のような構成を有する請求項5記載の
発明によれば、光ファイバの外周に性質の異なる複数種
類の材料からなる2層以上のコーティング層を設けたこ
とにより、材料の選択を含む設計の自由度が得られると
共に、性質の異なる複数の材料を組み合わせて光ファイ
バの光学的・機械的品質の両立を図ることができる。す
なわち、温度変化によるヤング率の変化が小さく、温度
変化による複屈折の発生を抑制可能な材料は、概してヤ
ング率自体が小さいことから、脆く、破断伸びも小さい
ため、光ファイバの機械的品質の向上が難しい。また逆
に、温度変化によるヤング率の変化が大きい材料は、概
してヤング率自体が大きいことから、堅く、破断伸びも
大きいため、光ファイバの機械的品質の向上に貢献可能
である反面、温度変化による複屈折を発生しやすい。請
求項5記載の発明によれば、これらの相反する材料を組
み合わせて各材料の長所を活用することにより、光ファ
イバにおける温度変化による複屈折の発生を十分に抑制
して高い測定精度を確保すると同時に、光ファイバの強
度・寿命を向上することができる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、第1のコーティング層の材料が、第2のコ
ーティング層よりも温度変化によるヤング率の変化の小
さい材料であることを特徴としている。以上のような構
成を有する請求項6記載の発明によれば、温度変化によ
るヤング率の変化が小さい第1のコーティング層が、温
度変化による複屈折の発生を抑制する複屈折抑制層とし
て作用すると共に、温度変化によるヤング率の変化が比
較的大きい第2のコーティング層が、光ファイバと第1
のコーティング層を外力から保護する機械的保護層とし
て作用する。したがって、光ファイバにおける温度変化
による複屈折の発生を十分に抑制して高い測定精度を確
保すると同時に、光ファイバの強度・寿命を向上するこ
とができる。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項5または請
求項6記載の発明において、第1のコーティング層の材
料がシリコンゴムであることを特徴としている。請求項
8記載の発明は、請求項7記載の発明において、第1の
コーティング層の材料が熱硬化形シリコンゴムであるこ
とを特徴としている。請求項9記載の発明は、請求項5
〜8のいずれか一つに記載の発明において、第2のコー
ティング層の材料がアクリル樹脂であることを特徴とし
ている。
【0021】以上のような構成を有する請求項7〜9記
載の各発明によれば、第1または第2のコーティング層
の材料を限定することにより、測定精度の向上あるいは
光ファイバの強度・寿命の向上に貢献することができ
る。すなわち、請求項7記載の発明においては、第1の
コーティング層の材料として、アクリル樹脂に比べて温
度変化によるヤング率の変化が格段に小さいシリコンゴ
ムを使用しているため、請求項3記載の発明と同様に、
測定精度をより向上することができる。そしてまた、請
求項8記載の発明においては、第1のコーティング層の
材料として、温度変化によるヤング率の変化がほぼフラ
ットである熱硬化形シリコンゴムを使用しているため、
請求項4記載の発明と同様に、測定精度をより向上する
ことができる。一方、請求項9記載の発明においては、
第2のコーティング層の材料として、ヤング率が大き
く、硬くて破断伸びの大きいアクリル樹脂を使用してい
るため、光ファイバの強度・寿命をより向上することが
できる。また、アクリル樹脂は、水蒸気の透過率が極め
て小さいため、光ファイバを湿気の影響から保護するこ
とができる。
【0022】請求項10記載の発明は、請求項1〜9の
いずれか一つに記載の発明において、コーティング層の
1層の厚さが1mm以下であることを特徴としている。
以上のような構成を有する請求項10記載の発明によれ
ば、各コーティング層における温度変化時のヤング率の
変化に起因する応力を小さくすることができるため、光
ファイバにおける温度変化による複屈折の発生を抑制す
ることができる。また、曲がりに対するコーティング層
の機械的な劣化を極力少なくし、各コーティング材およ
び光ファイバの寿命を延ばすことができる。
【0023】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
のいずれか一つに記載の発明において、光ファイバが石
英ファイバであることを特徴としている。請求項12記
載の発明は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の発
明において、光ファイバが前記センサとして使用される
ことを特徴としている。
【0024】以上のような構成を有する請求項11、1
2記載の各発明によれば、次のような作用が得られる。
すなわち、本発明においては、各種の材料からなる光フ
ァイバを使用可能であるが、特に、請求項11記載の発
明のように、光ファイバが石英ファイバである場合に
は、石英ファイバの有するファラデー効果の特性によ
り、電力分野での短絡電流(63kA×23/2 )までを
測定可能な高精度の計測器を実現できる。また、請求項
12記載の発明のように、本発明の光ファイバをセンサ
として使用することにより、このセンサが、ガス絶縁開
閉装置のように温度変化の影響を受けやすい部分に取り
付けられた場合に、温度変化の影響による測定精度の低
下を有効に防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下には、図8、図9に示したよ
うなガス絶縁開閉装置の電流計測用の光応用計測器に本
発明を適用した場合の複数の実施の形態について、図面
を参照して具体的に説明する。
【0026】[1.第1の実施の形態] [1−1.構成]図1は、本発明による第1の実施の形
態として、請求項3、10〜12記載の各発明を実施し
た光応用計測器の一形態を示しており、特に、センサ用
の光ファイバとして使用する光ファイバを示す構成図で
ある。この図1に示すように、石英ファイバからなる光
ファイバ40の外周には、シリコンゴムからなるコーテ
ィング層41が設けられており、その厚さは、1mm以
下に設定されている。
【0027】また、図2は、図1の光ファイバを収納し
てセンサを形成するセンサドラム部を示す図であり、
(a)は正面図、(b)は(a)のA−A´断面図であ
る。この図2に示すように、リング状のセンサドラム5
1の外周面には、渦巻き状の溝52が形成されており、
この溝52に、図1に示すような光ファイバ40が挿入
される。このように溝52内に挿入された光ファイバ4
0は、この溝52とセンサドラム51の外周に装着され
るカバー53とによって溝52内に保持される。なお、
他の部分については、図8および図9に示した光応用計
測器と同様に構成されている。
【0028】[1−2.作用・効果] [1−2−1.作用・効果の概要]以上のような構成を
有する本実施の形態の光応用計測器によれば、温度が変
化した時に、シリコンゴムからなるコーティング層41
のヤング率の変化が小さいため、光ファイバ40に発生
する応力を小さくすることが可能であり、光ファイバ4
0に光学的な異方性となって発生する複屈折を抑制でき
る。特に、本実施の形態においては、コーティング層4
1の厚さを1mm以下に設定しているため、複屈折の発
生を十分に抑制できる。したがって、ガス絶縁開閉装置
等の高電圧機器における大きな温度変化に対しても、複
屈折に起因して測定誤差が大きくなることはなく、測定
精度を向上することができる。
【0029】また、本実施の形態における光ファイバ
は、実際には、125μmという極めて細い石英ガラス
より構成される。前述したように、このように細いガラ
スは、脆く、小さい外力で折れやすいため、このような
光ファイバをセンサ部に使用した場合、加工時の変形
や、使用時の機械的な外力や振動によって破損する可能
性があり、また、大気中の湿気に起因する強度低下によ
り寿命が短くなる可能性がある。これに対して、本実施
の形態によれば、光ファイバ40の外周に設けたコーテ
ィング層41により、光ファイバ40を保護できるた
め、光ファイバ40の機械的強度および寿命を向上する
ことができる。
【0030】さらに、センサ用の光ファイバ40として
石英ファイバを使用しているため、石英ファイバの有す
るファラデー効果の特性により、電力分野での短絡電流
(63kA×23/2 )までを測定可能な高精度の計測器
を実現できる。
【0031】[1−2−2.作用・効果の補足説明]以
下には、本実施の形態の作用・効果をより明瞭にするた
めに、光ファイバに複屈折が発生するメカニズムの解
明を説明すると共に、それに関連付ける形で、シリコ
ンゴムの使用による作用・効果、およびコーティング
層の適切な厚さについてより詳細に説明する。
【0032】光ファイバに複屈折が発生するメカニズ
ムの解明 以上のように、本実施の形態によれば、光ファイバ40
の外周にコーティング層41を設けたことにより、光フ
ァイバにおける温度変化による複屈折の発生を抑制でき
ると共に、光ファイバの強度・寿命を向上できるが、コ
ーティング層41の厚さや形、材料定数(例えば、ヤン
グ率、熱膨張率)等によっては、光ファイバに複屈折が
発生する原因となる。以下には、光ファイバに複屈折が
発生するメカニズムについて説明する。
【0033】まず、複屈折は、光ファイバの縦断面(光
軸Z方向に対する垂直断面XY)でのX方向の主応力ベ
クトルσxxとY方向の主応力ベクトルσyyとの差が
大きくなるのに伴って大きくなる。このような複屈折と
応力ベクトルとの関係は、次の式(1)で表される。
【数1】Δn=C(σxx−σyy) …式(1) この式(1)において、Δnは、X方向とY方向の屈折
率の差であり、これが複屈折である。また、Cは光弾性
係数、σxx、σyyは、それぞれの方向の主応力ベク
トルである。ここで、互いに直交するX方向とY方向の
主応力ベクトルσxx、σyyは、固体の主応力面を表
現するものである。
【0034】すなわち、体積を有する固体内に応力が発
生している場合には、この固体内には法線応力とせん断
応力の両方が存在するが、ある面においては、せん断応
力が零で法線応力のみとなる。このような法線応力のみ
となる面を主応力面と言い、この主応力面は、互いに直
交するXとY方向のベクトルで表現できる。また、これ
らのベクトルは最大主応力と最小主応力と言われ、この
2つの差は主応力差と言われる。
【0035】このように、複屈折とは、光ファイバの断
面内での光の振動方向によって(正確には、右回りの光
と左回りの光の進む速さが異なることによって)光の屈
折率が異なる現象を言い、この原因の一つが、光媒体
(ここでは、光ファイバ)中に発生した主応力差であ
る。
【0036】以上の考察から、複屈折を下げるために
は、式(1)の応力σxxとσyyの差を下げるか、そ
れぞれの絶対値を下げればよいことがわかる。ここで、
複屈折の主原因として着眼している応力は、次の式
(2)に示すように、コーティング材料のヤング率と歪
みの大きさにより決まる。
【数2】σ=εE …(2) この式(2)において、εは歪み、Eはヤング率であ
る。歪みεは、外力に起因する変形によるものや、温度
変化がある場合には、材料の熱膨脹率による寸法変化を
含む。
【0037】さらに、温度変化のある場合の最も単純な
歪みの例を次の式(3)に示す。
【数3】ε=1−ΔαΔT …(3) この式(3)において、Δαは材料の違いによる熱膨脹
率の差、ΔTは温度変化である。
【0038】以上のことから、光ファイバに発生する応
力を下げるためには、コーティング材料として、温度変
化によるヤング率の変化およびヤング率の絶対値が小さ
く、しかも、熱膨脹率が小さいという条件を満足する材
料を使用すればよいことがわかる。
【0039】シリコンゴムの使用による作用・効果 しかしながら、以上のような応力を下げるための条件を
即座に満足する材料は、現実的には存在しない。そこ
で、本発明者等は、光応用計測器が使用される広い温度
範囲において、熱膨脹率とヤング率の積が最も小さくな
る材料を研究し、その結果、シリコンゴムが最も優れた
材料であることを発見した。以下には、コーティング材
としてのシリコンゴムの使用による作用・効果を、アク
リル樹脂との比較によって説明する。
【0040】まず、下記の表1と表2は、シリコンゴム
とアクリル樹脂の物性をそれぞれ比較的に示している。
【0041】
【表1】
【表2】 これらの表に示すように、シリコンゴムは、−50〜+
100℃の温度範囲において、ヤング率0.4〜0.6
MPa、熱膨脹率3.1×10-4〜4.3×10-4(1
/℃)の特性を有する。また、アクリル樹脂は、−50
〜+100℃の温度範囲において、ヤング率3488〜
60MPa、熱膨脹率1.6×10-4〜1.8×10-4
(1/℃)の特性を有する。すなわち、これらの表か
ら、シリコンゴムに関して、そのヤング率はアクリル樹
脂に比べて格段に小さく、また、その熱膨脹率はアクリ
ル樹脂に比べて若干大きい程度であり、極めて小さいこ
とがわかる。
【0042】次に、図3と図4は、シリコンゴムのヤン
グ率と伸びの温度特性をそれぞれ示すグラフである。表
1と図3に示すように、シリコンゴムのヤング率は、光
応用計測装置の使用温度範囲(−50℃〜100℃)で
0.4MPaと低く、ほぼ一定である。この状態は、丁
度柔らかいゼリーの中に光ファイバを入れた状態とな
り、定性的にも光ファイバに余計な力が発生しないであ
ろうことが容易に推測される。この状態においては、前
述したような複屈折発生のメカニズムから、光ファイバ
の複屈折は生じ難くなる。そして、表1と図4に示すよ
うに、シリコンゴムの熱膨脹率は極めて小さく、温度変
化による伸びは極めて小さいため、複屈折の発生の原因
となることはない。
【0043】一方、図5と図6は、アクリル樹脂のヤン
グ率と伸びの温度特性をそれぞれ示すグラフである。表
2と図5に示すように、アクリル樹脂のヤング率は、高
温では比較的低いが、温度が室温付近まで下がると急激
に増加する。そのため、このようなアクリル樹脂を光フ
ァイバのクラッドの上に直接塗布した場合には、温度変
化によって、複屈折が発生し、この光ファイバからの光
出力の精度が極端に低下することになる。なお、表2と
図6に示すように、アクリル樹脂の熱膨脹率は極めて小
さく、温度変化による伸びは極めて小さく、この点に関
しては、シリコンゴムよりも優れているが、このこと
は、アクリル樹脂のヤング率による複屈折の発生の問題
を解決するものではない。
【0044】コーティング層の適切な厚さ さらに、本発明者等の研究によれば、シリコンゴム等か
らなるコーティング層の厚さが1mmを越えた場合に
は、光ファイバのマイクロベンディング現象により光損
失が増大し、センサとして使用できないことを確認して
いる。このマイクロベンディング現象とは、コーティン
グ材が硬化する時や、特に室温以下の低温度に変化した
際に、コーティング材が極僅かではあるが収縮するため
に、光ファイバが圧縮されて微小に波打ち、光ファイバ
が光を閉じ込めておくことができなくなる現象である。
このような現象を生じると、光ファイバ中の光は、光フ
ァイバの外に散乱し、光損失が大きくなるだけでなく、
場合によっては全く光が透過しなくなることもある。
【0045】これに対して、本実施の形態によれば、シ
リコンゴムからなるコーティング層の厚さを1mm以下
とすることにより、以上のようなマイクロベンディング
現象の発生を防止し、広い温度範囲で複屈折の発生を極
力抑制可能な、高性能で信頼性の高いセンサ構造を実現
することができる。
【0046】[2.第2の実施の形態] [2−1.構成]図7の(a)と(b)は、本発明によ
る第2の実施の形態として、請求項6、7、9〜12記
載の各発明を実施した光応用計測器の一形態を示してい
る。この図7において、(a)は、図1と同様に、セン
サ部の光ファイバとして使用する光ファイバを示す構成
図であり、(b)は断面図である。この図7の(a)と
(b)に示すように、石英ファイバからなる光ファイバ
40の外周には、シリコンゴムからなる厚さ1mm以下
の第1のコーティング層42が設けられている。そし
て、この第1のコーティング層42の外周には、アクリ
ル樹脂からなる厚さ1mm以下の第2のコーティング層
43が設けられている。
【0047】また、このような光ファイバ40は、図2
に示したようなセンサドラム51に形成された渦巻き状
の溝52に挿入され、この溝52とカバー53とによっ
て溝52内に保持される。なお、他の部分については、
前記第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0048】[2−2.作用・効果] [2−2−1.作用・効果の概要]以上のような構成を
有する本実施の形態の光応用計測器によれば、第1のコ
ーティング層42は、第1の実施の形態におけるコーテ
ィング層41と同様の構成を有するため、この第1のコ
ーティング層42により、光ファイバ40における複屈
折の発生を十分に抑制できる。そして、この第1のコー
ティング層42の外周に、さらに第2のコーティング層
43を設けているため、この第1、第2のコーティング
層42,43の組み合わせによって、光ファイバ40の
曲げ強度などの機械的強度を向上すると共に、湿気によ
る影響を防止して光ファイバの寿命を向上することがで
きる。特に、本実施の形態においては、第2のコーティ
ング層43の材料として、表2および図5に示したよう
にヤング率が大きく、硬くて破断伸びの大きいアクリル
樹脂を使用しているため、光ファイバ40と第1のコー
ティング層42を外力から十分に保護することができ、
光ファイバ40の強度および寿命を十分に向上できる。
また、アクリル樹脂は、水蒸気の透過率が極めて小さい
ため、このアクリル樹脂からなる第2のコーティング層
43により、光ファイバ40を湿気の影響からも十分に
保護することができ、湿気に起因する強度低下を有効に
防止できるため、この点からも光ファイバ40の寿命を
向上できる。
【0049】すなわち、本実施の形態においては、第1
と第2のコーティング層42,43が、温度変化による
複屈折を抑制する機能と、光ファイバ40を機械的に保
護する機能とを、それぞれ分担して十分に果たすことが
できる。そのため、このような光ファイバ40をセンサ
として使用することにより、温度変化が大きい環境でも
高精度の測定が可能であり、しかも、光ファイバの十分
な強度および寿命を確保した高性能でかつ信頼性の高い
光応用計測器を実現できる。
【0050】さらに、前記第1の実施の形態と同様に、
センサ用の光ファイバ40として石英ファイバを使用し
ているため、石英ファイバの有するファラデー効果の特
性により、電力分野での短絡電流(63kA×23/2
までを測定可能な高精度の計測器を実現できる。
【0051】[2−2−2.作用・効果の補足説明]以
下には、本実施の形態の作用・効果をより明瞭にするた
めに、シリコンゴムとアクリル樹脂の組み合わせによ
る作用・効果、およびシリコンゴムとアクリル樹脂の
適切な厚さについてより詳細に説明する。
【0052】第2のコーティング層へのアクリル樹脂
の使用による作用・効果 本実施の形態において、光ファイバ40は、センサドラ
ム51に形成された溝52内に保持されるため、機械的
な振動等の外力から保護される。しかし、実際に設備さ
れたセンサの取り替えを行う場合、例えば、ガス絶縁遮
断器や変電設備の母線に設置された状態で、センサの取
り替えを行う場合には、長い光ファイバ40を手作業で
溝52に沿わせながら嵌め入れる必要がある。このよう
な作業を行う場合に、前記第1の実施の形態のような、
ヤング率の小さいシリコンゴムからなるコーティング層
41のみを有する光ファイバ40においては、光ファイ
バ40が柔らかいため、小さい外力で大きく変形し、大
きな応力が光ファイバに発生することになる。場合によ
っては、キンクが生じたり絡まったりして、光ファイバ
が切れる可能性もある。すなわち、ヤング率の小さいシ
リコンゴムは、脆くて破断伸びが非常に小さいため、少
ない変形でも容易に切れる可能性がある。
【0053】これに対して、本実施の形態においては、
光ファイバ40の外周に、シリコンゴムからなる第1の
コーティング層42に加えて、アクリル樹脂からなる第
2のコーティング層43を設けているため、光ファイバ
40にある程度の硬さを持たせ、以上のような取り替え
時等の光ファイバの取り扱い性を向上することができ
る。すなわち、アクリル樹脂は、表2および図5に示し
たように、温度変化によるそのヤング率の変化は大きい
ものの、光ファイバの巻き替えで光ファイバを取り扱う
温度である室温付近(正確には、樹脂のガラス転移温度
(Tg)以下で、この場合、約50℃前後)では、その
ヤング率が大きいために硬く、破断伸びも大きいので容
易には切れない特性を有する。このような特性を有する
アクリル樹脂からなる第2のコーティング層43を設け
たことにより、光ファイバ40が絡み合ってキンクが生
じたり、容易に切れたりすることがないため、光ファイ
バの取り扱い性を著しく改善することができる。
【0054】このように、本実施の形態において、機械
的強度と柔軟性を有するアクリル樹脂からなる第2のコ
ーティング層43は、第1のコーティング層42を構成
するシリコンゴムの脆さを補い、光ファイバ40および
第1のコーティング層42を外力に対して保護する機械
的保護層として作用する。また、水蒸気の透過率につい
ては、シリコンゴムは非常に大きいことが良く知られて
おり、アクリル樹脂はシリコンゴムの10000分の1
より小さいため、アクリル樹脂からなる第2のコーティ
ング層43は、光ファイバ40を湿気の影響からも十分
に保護することができる。これに対して、シリコンゴム
からなる第1のコーティング層42は、前述したような
複屈折の抑制という、アクリル樹脂では十分に得られな
い機能を果たしている。このように、本実施の形態にお
いては、シリコンゴムとアクリル樹脂を、それぞれの長
所により互いの欠陥を補うように有効に活用している。
【0055】シリコンゴムとアクリル樹脂の適切な厚
さ 本実施の形態において、第1のコーティング層42を形
成するシリコンゴムは、石英ファイバからなる光ファイ
バ40の外周面に直接コーティングされる。この場合の
コーティング層の厚さは重要であり、実験によれば、シ
リコンゴムからなるコーティング層42は、厚さ20μ
m〜200μmとした場合に有効に機能する。すなわ
ち、このシリコンゴムからなるコーティング層の厚さが
200μmを越えた場合には、前述したようなマイクロ
ベンディング現象が発生してしまい、逆に、厚さが20
μmに満たない場合には複屈折が増大する。
【0056】そして、このような厚さ条件で形成された
シリコンゴムからなるコーティング層は、光ファイバの
複屈折を増加させることなしにこの光ファイバを保護す
る有効なクッション材となる。これに加えて、光ファイ
バが最初から有するクラッド層表面の傷(この傷が、光
ファイバの疲労破壊の起点となる)をシリコンゴムで埋
めることができるため、見かけの破壊じん性値を向上す
ることができる。
【0057】次に、本実施の形態において、アクリル樹
脂からなる第2のコーティング層43は、製造時の外力
による光ファイバの変形や衝撃を防止するものである。
この場合のコーティング層の厚さも重要であり、実験に
よれば、アクリル樹脂からなるコーティング層は、厚さ
50μm〜500μmとした場合に有効に機能する。す
なわち、このアクリル樹脂からなるコーティング層の厚
さが50μmに満たない場合には、外力を防止する効果
が十分に得られず、逆に、厚さが500μmを越えた場
合には、温度変化により大きな力が発生するために、光
ファイバの複屈折が増大する。
【0058】[3.他の実施の形態]なお、本発明は、
前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の
範囲内で他にも多種多用な変形例を実施可能である。
【0059】例えば、請求項4または8記載の発明を適
用して、前記第1の実施の形態におけるコーティング層
41または前記第2の実施の形態における第1のコーテ
ィング層42の材料として、熱硬化形シリコンゴムを用
いる構成が可能である。このような構成を有する光応用
計測器によれば、熱硬化形シリコンゴムの温度変化によ
るヤング率の変化がフラットに近いために、温度変化に
対する光ファイバの特性をより安定させることができ
る。
【0060】また、本発明において、コーティング層に
使用する材料は、シリコンゴムや熱硬化性シリコンゴ
ム、およびアクリル樹脂に限定されるものではなく、ヤ
ング率や機械的強度の条件を満たす他の各種の材料を同
様に適用可能である。さらに、本発明においては、光フ
ァイバの外周に3層以上のコーティング層を設けること
も可能であり、その場合には、設計の自由度がより向上
する。
【0061】一方、本発明において、コーティング層を
設ける光ファイバは、センサとして使用される光ファイ
バに限定されるものではなく、光応用計測器における光
路を構成する全ての光ファイバの各々に対して、同様に
コーティング層を設けることが可能であり、同様に優れ
た作用・効果を得ることができるものである。また、本
発明において、コーティング層を設ける光ファイバは、
石英ファイバに限定されるものではなく、各種の光ファ
イバを同様に使用可能である。
【0062】そしてまた、前記実施の形態においては、
図8、図9に示したような光応用計測器に本発明を適用
した場合について説明したが、本発明は、光応用計測器
の一部として使用される光ファイバの改良に係るもので
あるため、光ファイバを含む限り、各種の構成を有する
光応用計測器に同様に適用可能であり、同様に優れた作
用効果が得られるものである。さらに、前記実施の形態
においては、ガス絶縁開閉装置の電流計測用の光応用計
測器について説明したが、本発明は、ガス絶縁開閉装置
に限らず各種の被測定対象物における電流、電圧あるい
は磁気等の各種の物理量を計測する各種の光応用計測器
に同様に適用可能であり、同様に優れた作用・効果を得
ることができるものである。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、光ファイバの外周に、温度変化によるヤング率の変
化が小さい材料からなるコーティング層を設けることに
より、光ファイバにおける温度変化による複屈折の発生
を抑制することができ、また、コーティング層によって
光ファイバを外力から保護することができる。したがっ
て、温度変化が大きい環境でも高精度の測定が可能であ
り、しかも、光ファイバの強度および寿命を向上可能
な、高性能でかつ信頼性の高い光応用測定器を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態に係る光応用計
測器の一部に使用する光ファイバを示す構成図。
【図2】図1の光ファイバを収納してセンサを形成する
センサドラム部を示す図であり、(a)は正面図、
(b)は(a)のA−A´断面図。
【図3】シリコンゴムのヤング率の温度特性を示すグラ
フ。
【図4】シリコンゴムの伸びの温度特性を示すグラフ。
【図5】アクリル樹脂のヤング率の温度特性を示すグラ
フ。
【図6】アクリル樹脂の伸びの温度特性を示すグラフ。
【図7】本発明による第2の実施の形態に係る光応用計
測器の一部に使用する光ファイバを示す図であり、
(a)は構成図、(b)は断面図。
【図8】従来の光応用計測器をガス絶縁開閉装置の電流
計測に適用した場合の概略を示す構成図。
【図9】図8の光応用計測器における光学システムの一
例を示す構成図。
【符号の説明】
1:導体 2:絶縁密閉タンク 3a,3b:管状タンク 4a,4b:タンクフランジ 5:絶縁スペーサ 10:センサ部 11:送光用ファイバ 12,12a,12b:受光用ファイバ 13:光源・検出器部 14:光源 15,15a,15b:検出器 16:信号処理回路 17:出力端子 20:光ファイバ 21:反射材 30:結合光学箱 31a〜31d:レンズ 32:偏光子 33a,33b:検光子 34a,34b:ビームスプリッタ 35:ホルダ 40:光ファイバ 41:コーティング層 42:第1のコーティング層 43:第2のコーティング層 51:センサドラム 52:溝 53:カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生田 栄 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 高橋 正雄 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 上西 徹 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定対象物の近くに配置されたセンサ
    と、測定用の光を発生して前記センサに送る光源と、前
    記センサからの出射光を検出する検出器と、前記センサ
    と光源および検出器とを光学的に結合する結合光学部
    と、前記検出器からの信号を処理する信号処理部とを備
    え、前記センサを含む光路の一部にコアとクラッド層か
    らなる光ファイバを使用し、光の特性の変化により物理
    量を計測する光応用計測器において、 前記光ファイバのクラッド層の外周にコーティング層が
    設けられたことを特徴とする光応用計測器。
  2. 【請求項2】 前記コーティング層の材料は、アクリル
    樹脂に比べて温度変化によるヤング率の変化が小さい材
    料であることを特徴とする請求項1記載の光応用計測
    器。
  3. 【請求項3】 前記コーティング層の材料は、シリコン
    ゴムであることを特徴とする請求項2記載の光応用計測
    器。
  4. 【請求項4】 前記コーティング層の材料は、熱硬化形
    シリコンゴムであることを特徴とする請求項3記載の光
    応用計測器。
  5. 【請求項5】 被測定対象物の近くに配置されたセンサ
    と、測定用の光を発生して前記センサに送る光源と、前
    記センサからの出射光を検出する検出器と、前記センサ
    と光源および検出器とを光学的に結合する結合光学部
    と、前記検出器からの信号を処理する信号処理部とを備
    え、前記センサを含む光路の一部にコアとクラッド層か
    らなる光ファイバを使用し、光の特性の変化により物理
    量を計測する光応用計測器において、 前記光ファイバのクラッド層の外周に、2層以上のコー
    ティング層が設けられ、 前記2層以上のコーティング層のうち、光ファイバのク
    ラッド層の外周面に直接接触する第1のコーティング層
    の材料と、この第1のコーティング層の外周面に直接接
    触する第2のコーティング層の材料とが異なることを特
    徴とする光応用計測器。
  6. 【請求項6】 前記第1のコーティング層の材料は、前
    記第2のコーティング層よりも温度変化によるヤング率
    の変化が小さい材料であることを特徴とする請求項5記
    載の光応用計測器。
  7. 【請求項7】 前記第1のコーティング層の材料は、シ
    リコンゴムであることを特徴とする請求項5または請求
    項6記載の光応用計測器。
  8. 【請求項8】 前記第1のコーティング層の材料は、熱
    硬化形シリコンゴムであることを特徴とする請求項7記
    載の光応用計測器。
  9. 【請求項9】 前記第2のコーティング層の材料は、ア
    クリル樹脂であることを特徴とする請求項5から請求項
    8までのいずれか一つに記載の光応用計測器。
  10. 【請求項10】 前記コーティング層の1層の厚さは、
    1mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項
    9までのいずれか一つに記載の光応用計測器。
  11. 【請求項11】 前記光ファイバは、石英ファイバであ
    ることを特徴とする請求項1から請求項10までのいず
    れか一つに記載の光応用計測器。
  12. 【請求項12】 前記光ファイバは、前記センサとして
    使用されることを特徴とする請求項1から請求項11ま
    でのいずれか一つに記載の光応用計測器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010075325A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Fujifilm Corp 内視鏡軟性部及び内視鏡
CN104297845A (zh) * 2014-10-13 2015-01-21 武汉锐科光纤激光器技术有限责任公司 一种可监控包层光及反馈光的激光光纤传输系统
CN106404353A (zh) * 2016-08-31 2017-02-15 长飞光纤光缆股份有限公司 一种光纤测试系统

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