JPH1077311A - メルカプト基含有重合体 - Google Patents

メルカプト基含有重合体

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JPH1077311A
JPH1077311A JP23291496A JP23291496A JPH1077311A JP H1077311 A JPH1077311 A JP H1077311A JP 23291496 A JP23291496 A JP 23291496A JP 23291496 A JP23291496 A JP 23291496A JP H1077311 A JPH1077311 A JP H1077311A
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JP
Japan
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mercapto group
containing polymer
hydrosulfide
reaction
structural unit
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JP23291496A
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English (en)
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Hiroyuki Takagi
浩之 高木
Junichi Josa
淳一 帖佐
Jiro Iriguchi
治郎 入口
Yuichi Kita
裕一 喜多
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣合う2つの炭素原子に何れもメルカプト基
を有する構造単位および/または1つの炭素原子に2つ
のメルカプト基を有する構造単位を主鎖に有するメルカ
プト基含有重合体を提供する。 【解決手段】 メルカプト基含有重合体は、例えば、隣
合う2つの炭素原子に何れもクロル基を有する構造単位
および/または1つの炭素原子に2つのクロル基を有す
る構造単位を主鎖に有する塩素化ポリエチレンに、アル
カリ金属の水硫化物を反応させることにより得られる。
上記のメルカプト基含有重合体は、反応性を有する官能
基であるメルカプト基を有しており、かつ、種々の合成
樹脂との相溶性に優れている。それゆえ、メルカプト基
含有重合体は、ポリエン樹脂やエポキシ樹脂等の各種合
成樹脂の架橋剤、各種合成樹脂の改質剤、各種物品の製
造、接着剤、塗料、繊維処理剤、金属捕捉剤、重合開始
剤等の、種々の用途に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ポリエン
樹脂やエポキシ樹脂等の各種合成樹脂の架橋剤、各種合
成樹脂の改質剤、各種物品の製造、接着剤、塗料、繊維
処理剤、金属捕捉剤、重合開始剤等の、種々の用途に好
適なメルカプト基含有重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、農芸化学会誌,第3
1巻,第10号,p703−706,(1957)等に
開示されているように、メルカプト基含有重合体として
のポリビニルメルカプタンの製造方法が知られている。
この製造方法では、ポリ塩化ビニルと水硫化ナトリウム
とを反応させることにより、該ポリ塩化ビニルが有する
クロル基(−Cl)を、メルカプト基(−SH)に置換
(チオール化)している。
【0003】上記従来のメルカプト基含有重合体は、該
重合体の主鎖にメルカプト基が結合しており、一般式
(5)
【0004】
【化5】
【0005】で表される構造単位を有している。
【0006】また、例えば、特公昭45−40301号
公報には、架橋構造を有するポリビニルメルカプタンの
製造方法が開示されている。この製造方法では、ポリ塩
化ビニルと水硫化ナトリウムとを反応させることによ
り、該ポリ塩化ビニルの主鎖を、スルフィド結合(−S
−,−S−S−,等)等によって架橋している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のメルカプト
基含有重合体は、該重合体の主鎖に上記一般式(5)で
表される構造単位を有しているか、若しくは、スルフィ
ド結合等による架橋構造を有している。ところが、主鎖
において、隣合う2つの炭素原子に何れもメルカプト基
を有する重合体や、1つの炭素原子に2つのメルカプト
基を有する重合体は知られていない。
【0008】本発明の目的は、隣合う2つの炭素原子に
何れもメルカプト基を有する構造単位、および/また
は、1つの炭素原子に2つのメルカプト基を有する構造
単位を主鎖に有する重合体、即ち、新規な構造単位を主
鎖に有するメルカプト基含有重合体を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記構
造単位を有するメルカプト基含有重合体について鋭意検
討した。その結果、例えば、主鎖において、隣合う2つ
の炭素原子に何れもクロル基を有する構造単位を有する
塩素化ポリエチレンや、1つの炭素原子に2つのクロル
基を有する構造単位を有する塩素化ポリエチレンに、ア
ルカリ金属の水硫化物を反応させてなるメルカプト基含
有重合体が、上記構造単位を有していることを見い出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明のメルカプト基
含有重合体は、一般式(1)
【0011】
【化6】
【0012】で表される構造単位および/または一般式
(2)
【0013】
【化7】
【0014】で表される構造単位を主鎖に有することを
特徴としている。
【0015】請求項2記載の発明のメルカプト基含有重
合体は、上記の課題を解決するために、一般式(3)
【0016】
【化8】
【0017】で表される構造単位および/または一般式
(4)
【0018】
【化9】
【0019】で表される構造単位を主鎖に有する塩素化
ポリエチレンに、アルカリ金属の水硫化物を反応させて
得られることを特徴としている。
【0020】上記構成のメルカプト基含有重合体は、反
応性を有する官能基であるメルカプト基を有しており、
かつ、種々の合成樹脂との相溶性に優れている。それゆ
え、メルカプト基含有重合体は、ポリエン樹脂やエポキ
シ樹脂等の各種合成樹脂の架橋剤、各種合成樹脂の改質
剤、各種物品の製造、接着剤、塗料、繊維処理剤、金属
捕捉剤、重合開始剤等の、種々の用途に好適である。
【0021】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかるメルカプト基含有重合体は、前記一般式(1)で
表される構造単位および/または前記一般式(2)で表
される構造単位を主鎖に有している。
【0022】上記のメルカプト基含有重合体は、例え
ば、前記一般式(3)で表される構造単位および/また
は前記一般式(4)で表される構造単位を主鎖に有する
塩素化ポリエチレンに、アルカリ金属の水硫化物(以
下、単に水硫化物と記す)を反応させることにより得ら
れる。
【0023】上記の塩素化ポリエチレンは、前記一般式
(5)で表される構造単位の他に、前記一般式(3)で
表される構造単位および/または前記一般式(4)で表
される構造単位を主鎖に有していればよい。上記塩素化
ポリエチレンの製造方法、つまり、塩化ビニル(単量
体)の重合方法は、特に限定されるものではなく、従来
公知の種々の重合方法を採用することができる。上記塩
素化ポリエチレンの分子量は、特に限定されるものでは
ないが、5,000〜1,000,000の範囲内であ
ることがより好ましく、10,000〜500,000
の範囲内であることがさらに好ましい。
【0024】上記の水硫化物としては、具体的には、例
えば、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム等が挙げられ
る。上記例示の水硫化物のうち、水硫化ナトリウムがよ
り好ましい。上記水硫化物の使用量は、特に限定される
ものではないが、塩素化ポリエチレンが有するクロル基
に対して、0.01倍モル〜1.2倍モルの範囲内とな
る量がより好ましく、0.03倍モル〜1.0倍モルの
範囲内となる量がさらに好ましい。
【0025】水硫化物を塩素化ポリエチレンに混合する
方法は、特に限定されるものではないが、塩素化ポリエ
チレンを溶媒(後述する)に溶解または膨潤させてなる
液(重合体液)に、水硫化物を逐次添加する方法がより
好ましい。水硫化物を液に逐次添加することにより、ス
ルフィド結合による主鎖の架橋を抑制することができ
る。また、逐次添加する方法のうち、水硫化物を溶媒に
溶解させてなる溶液を逐次滴下する方法が特に好まし
い。さらに、水硫化物の添加に要する時間は、水硫化物
の使用量等にもよるが、0.5時間〜10時間程度が好
ましく、1時間〜3時間程度がより好ましい。このよう
に比較的時間をかけて水硫化物を逐次添加することによ
り、スルフィド結合による主鎖の架橋をより一層抑制す
ることができる。
【0026】上記の溶媒は、塩素化ポリエチレンを溶解
または膨潤させることができ、かつ、水硫化物を溶解さ
せることができ、置換反応に対して不活性な化合物であ
ればよく、特に限定されるものではない。該溶媒として
は、具体的には、例えば、塩素化ポリエチレンを溶解
または膨潤させることができ、かつ、水硫化物を溶解さ
せることができる化合物(以下、溶媒と記す)、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメ
チルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等の
スルホラン類等;塩素化ポリエチレンを溶解または膨
潤させることができる化合物(以下、溶媒と記す)、
例えば、メチルエチルケトンやメチルプロピルケトン等
のケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、
アセトニトリルやベンゾニトリル等のニトリル類、トル
エンやキシレン等の芳香族化合物等;水硫化物を溶解
させることができる化合物(以下、溶媒と記す)、例
えば、メタノールやエタノール、プロパノール等のアル
コール類、水等;等が挙げられる。
【0027】そして、反応に好適な溶媒の組み合わせ、
即ち、本発明における、塩素化ポリエチレンを溶解また
は膨潤させることができ、かつ、水硫化物を溶解させる
ことができる反応溶媒とは、溶媒単独、溶媒と溶媒
との混合物、溶媒と溶媒との混合物、溶媒と溶
媒との混合物、および、溶媒と溶媒と溶媒との
混合物を示し、かつ、該溶媒が均一に混ざり合う組み合
わせであればよい。これら組み合わせのうち、溶媒単
独がさらに好ましい。また、溶媒のうち、N,N−ジ
メチルホルムアミドが特に好ましい。尚、溶媒、溶媒
、および溶媒において、同一の群に含まれる化合物
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適
宜混合して用いてもよい。
【0028】反応溶媒の使用量は、特に限定されるもの
ではないが、塩素化ポリエチレンに対して、0.1重量
倍〜20重量倍の範囲内となる量がより好ましく、0.
3重量倍〜10重量倍の範囲内となる量がさらに好まし
い。反応溶媒の使用量が0.1重量倍よりも少ない場合
には、塩素化ポリエチレンを完全に溶解させることがで
きなくなるか、或いは、反応溶媒により膨潤した塩素化
ポリエチレンが反応系中に均一に分散しなくなるおそれ
がある。また、反応溶媒の使用量が20重量倍よりも多
い場合には、上記範囲内となる量を使用した場合と比較
して、反応溶媒を多量に使用する効果が殆ど得られな
い。
【0029】反応温度は、30℃〜120℃の範囲内で
あることが好ましく、50℃〜100℃の範囲内である
ことがより好ましい。塩素化ポリエチレンと水硫化物と
を上記の反応温度で反応させることにより、塩素化ポリ
エチレンが有するクロル基がメルカプト基に置換され、
本発明にかかるメルカプト基含有重合体が生成すると共
に、アルカリ金属塩化物が副生する。反応温度が30℃
よりも低い場合には、反応の進行が遅くなり、メルカプ
ト基含有重合体を効率的に得ることができなくなるので
好ましくない。また、反応温度が120℃よりも高い場
合には、架橋反応が進行し、得られるメルカプト基含有
重合体が架橋構造を有して溶媒に不溶となり、ゲル化す
るので好ましくない。
【0030】反応時間は、例えば、塩素化ポリエチレ
ン、水硫化物および溶媒等の種類や組み合わせ、使用
量、水硫化物を水溶液として添加する場合には、その逐
次添加に要する時間、反応温度等に応じて、適宜設定す
ればよい。従って、反応時間は、特に限定されるもので
はない。また、反応圧力は、特に限定されるものではな
く、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよ
い。尚、上記の反応においては、従来公知の酸化防止剤
を必要に応じて用いることができる。また、上記の反応
は、触媒を必要としない。
【0031】また、上記の反応においては、必要に応じ
て、相間移動触媒を用いることもできる。以下、相間移
動触媒を用いる製造方法について述べる。上記相間移動
触媒を用いる製造方法とは、水と、実質的に水に不溶の
有機溶媒とを用いると共に、相間移動触媒を用いる方法
である。
【0032】上記水の使用量は、有機溶媒の種類や使用
量等に応じて適宜設定すればよいが、反応時に塩素化ポ
リエチレンが均一に分散されるように、つまり、反応系
が均一な分散状態となるように設定することが望まし
い。水の使用量は、具体的には、塩素化ポリエチレンに
対して、0.1重量倍〜20重量倍の範囲内であること
が好ましく、0.3重量倍〜10重量倍の範囲内である
ことがより好ましい。塩素化ポリエチレンに対する水の
使用量が20重量倍を越える場合には、水中の水硫化物
の濃度が低くなり過ぎ、また水硫化物が有機溶媒側(有
機相)に移動する機会が減る。従って、塩素化ポリエチ
レンと水硫化物との反応における反応速度が低下するの
で好ましくない。
【0033】上記相間移動触媒は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、従来公知の種々のカチオン性界面活
性剤を使用することができる。該相間移動触媒として
は、具体的には、例えば、テトラブチルアンモニウムク
ロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド等の4
級アンモニウム塩;テトラブチルアンモニウム、ベンジ
ルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム
塩;等が挙げられる。
【0034】上記相間移動触媒の使用量は、特に限定さ
れるものではなく、クロル基をメルカプト基に置換する
置換率に応じて設定すればよいが、塩素化ポリエチレン
が有するクロル基に対して、0.1モル%〜3モル%の
範囲内であることがより好ましく、1モル%〜2モル%
の範囲内であることがさらに好ましい。
【0035】上記の有機溶媒は、実質的に水に不溶な化
合物であればよく、特に限定されるものではないが、極
性の比較的低い化合物が好ましい。上記有機溶媒として
は、具体的には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、
ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素;等が挙げられる。このう
ち、脂肪族炭化水素がより好ましい。脂肪族炭化水素を
有機溶媒として用いると、メルカプト基含有重合体を単
離する際に行う乾燥が容易となる。上記有機溶媒を用い
ると、塩素化ポリエチレンは該有機溶媒によって膨潤す
る。つまり、塩素化ポリエチレンは、有機溶媒によって
膨潤され、かつ、水中に分散された状態となる。このた
め、水硫化物は、塩素化ポリエチレン中に容易に浸透す
る。
【0036】上記有機溶媒の使用量は、特に限定される
ものではないが、塩素化ポリエチレンに対して、0.1
重量倍〜20重量倍の範囲内であることがより好まし
く、0.3重量倍〜10重量倍の範囲内であることがさ
らに好ましい。上記有機溶媒は、その全量が塩素化ポリ
エチレンに吸収されていてもよく、また、一部が塩素化
ポリエチレンに吸収されない状態であってもよい。
【0037】塩素化ポリエチレンと水硫化物とを反応さ
せる方法は、特に限定されるものではなく、通常の2相
系の反応操作と同様の操作を行うことができる。また、
水、有機溶媒、塩素化ポリエチレン、水硫化物および相
間移動触媒の混合方法は、特に限定されるものではな
い。混合方法としては、具体的には、例えば、全てを一
括混合する方法;水、有機溶媒、塩素化ポリエチレンお
よび相間移動触媒を混合した後、該混合物に水硫化物を
混合する方法;水、有機溶媒、水硫化物および相間移動
触媒を混合した後、該混合物に塩素化ポリエチレンを混
合する方法;水、水硫化物および相間移動触媒を混合し
た後、該混合物に、有機溶媒で膨潤された塩素化ポリエ
チレンを混合する方法;水、有機溶媒、水硫化物および
塩素化ポリエチレンを混合した後、該混合物に相間移動
触媒を混合する方法;等が挙げられる。さらに、水硫化
物や相間移動触媒を水等に添加する方法は、特に限定さ
れるものではなく、固体のまま添加してもよいし、水溶
液として添加してもよい。さらに、水硫化物の水溶液
は、反応系に逐次添加してもよい。
【0038】上記の反応操作で塩素化ポリエチレンと水
硫化物とを反応させることにより、塩素化ポリエチレン
が有するクロル基(−Cl)がメルカプト基(−SH)
に置換(チオール化)され、本発明にかかるメルカプト
基含有重合体が生成すると共に、アルカリ金属塩化物が
副生する。
【0039】上記反応における反応条件は、特に限定さ
れるものではなく、上記相間移動触媒を用いない製造方
法の場合と同様の反応条件で行うことができる。尚、上
記の反応においては、従来公知の酸化防止剤を必要に応
じて用いることができる。
【0040】上記の各種製造方法により得られるメルカ
プト基含有重合体は、水に不溶である。このため、反応
終了後、濾過等によって固液分離することにより、メル
カプト基含有重合体を粉体状で単離することができる。
また、適当な溶媒にメルカプト基含有重合体を溶解させ
た後、多量の水中に投入し、析出させることにより、メ
ルカプト基含有重合体を容易に精製することができる。
【0041】以上のように、本発明にかかるメルカプト
基含有重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位
および/または前記一般式(2)で表される構造単位を
主鎖に有する構成である。
【0042】また、本発明にかかるメルカプト基含有重
合体は、前記一般式(3)で表される構造単位および/
または前記一般式(4)で表される構造単位を主鎖に有
する塩素化ポリエチレンに、水硫化物を反応させて得ら
れる構成である。
【0043】これにより、隣合う2つの炭素原子に何れ
もメルカプト基を有する構造単位および/または1つの
炭素原子に2つのメルカプト基を有する構造単位を主鎖
に有するメルカプト基含有重合体を提供することができ
る。上記のメルカプト基含有重合体は、反応性を有する
官能基であるメルカプト基を有しており、かつ、種々の
合成樹脂との相溶性に優れている。それゆえ、メルカプ
ト基含有重合体は、種々の用途に好適に用いることがで
きる。
【0044】メルカプト基含有重合体の用途としては、
具体的には、例えば、(1) ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、ポリクロロプレン、ネオプレンゴム、ブタジエン
−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体、水素化ニトリルゴム、エチレン−ブタジエン共重
合体、プロピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ブタジエン共重合体、ビニルピリジン−ブタ
ジエン共重合体、ビニルピリジン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体(II
R)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(通称E
PDM,該ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、
1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げ
られる)、ブチルゴム、アクリルゴム、ジアリルフタレ
ート樹脂、無水マレイン酸とアルコール類との反応或い
は無水マレイン酸と無水フタル酸とアルコール類との反
応等により得られる不飽和ポリエステル樹脂、等のポリ
エン樹脂,(2) ビスフェノールAとエピクロロヒドリン
との縮合物、フェノールとエピクロロヒドリンとの縮合
物、等のポリフェノール型エポキシ樹脂:アニリンとエ
ピクロロヒドリンとの縮合物、等のポリグリシジルアミ
ン型エポキシ樹脂:1,4−ブタンジオールとエピクロ
ロヒドリンとの縮合物、等のアルコール型エポキシ樹
脂:フタル酸とエピクロロヒドリンとの縮合物、等のエ
ステル型エポキシ樹脂:ポリ(グリシジルメタクリレー
ト):等のエポキシ樹脂,(3) メラミンとホルマリンと
の反応により得られるメラミン樹脂,(4) 尿素とアルデ
ヒド類との反応により得られるユリア樹脂,(5) ポリ
(メタリルイソシアナート)等のポリイソシアナート,
(6)ポリエチレンイミン等のポリアミン,等の各種合成
樹脂の架橋剤; (i) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミド、等のポリオレフィ
ン,(ii)ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化・塩化ビニル樹脂、
塩素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフ
ルオロエチレン樹脂、等のハロゲン含有樹脂,(iii) ポ
リエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、等
のポリエーテル樹脂,(iv)ポリエチレンテレフタレー
ト、等のポリエステル樹脂,(v)1,4−ブタンジオー
ル等のアルコール類と、トリレンイソシアネート等のポ
リイソシアネート類との反応により得られるポリウレタ
ン樹脂,(vi)ナイロン6、ナイロン66、等のポリアミ
ド樹脂,(vii) 3,3',4,4' −ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物と、3,3' −ジアミノベンゾフェ
ノン等との反応により得られるポリイミド樹脂,(viii)
フェノールとホルマリンとの縮合反応により得られるフ
ェノール樹脂,等の各種合成樹脂の改質剤;等が挙げら
れる。
【0045】そして、メルカプト基含有重合体は、上記
の如く架橋剤や改質剤等として用いることができるの
で、メルカプト基含有重合体を例えば、ホースカバーや
ゴムロール、耐薬品用ホース、ベルト、電線被覆材、ケ
ーブル、コーティング材、シーリング材、ルーフィング
材、電気器具部品等の合成樹脂成形品、等の各種物品の
製造に用いた場合には、これら物品の耐熱性や耐候性、
耐溶剤性、柔軟性、難燃性、絶縁性、耐油性、耐水性、
耐放射線性等の各種性能を向上させることができる。ま
た、メルカプト基含有重合体を例えば接着剤に用いた場
合には、該接着剤の速乾性や接着強度、耐久性等の各種
性能を向上させることができる。さらに、メルカプト基
含有重合体を例えば塗料に用いた場合には、該塗料の耐
薬品性や耐油性、耐水性等の各種性能を向上させること
ができる。さらにまた、メルカプト基含有重合体を例え
ば繊維処理剤に用いた場合には、該繊維処理剤の耐熱性
や耐久性、撥水性、接着性等の各種性能を向上させるこ
とができる。
【0046】また、上記メルカプト基含有重合体のメル
カプト基は、鉛やカドミウム、水銀、鉄、ニッケル、マ
グネシウム、亜鉛等の金属との親和性が比較的高い。そ
れゆえ、メルカプト基含有重合体は、例えば、廃水処
理、ゴミ焼却飛灰中の重金属類の固定化等の際に用いら
れる金属捕捉剤;金属板のプライマー;ゴムや合成樹脂
成形品と、金属板との接着剤;等として用いることがで
きる。
【0047】さらに、上記メルカプト基含有重合体のメ
ルカプト基は、或る特定の条件下でラジカルを発生し易
い。それゆえ、メルカプト基含有重合体は、例えば、
(メタ)アクリル酸およびそのエステル、(メタ)アク
リルアミド、無水マレイン酸、マレイン酸およびそのエ
ステル、マレイミド類、スチレン、ビニルピリジン、
(メタ)アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
ブタジエン、イソプレン、ネオプレン、ジシクロペンタ
ジエン等の、不飽和結合を有する各種単量体の重合触媒
或いは重合開始剤として用いることができる。
【0048】即ち、本発明にかかるメルカプト基含有重
合体は、例えば、ポリエン樹脂やエポキシ樹脂等の各種
合成樹脂の架橋剤、各種合成樹脂の改質剤、各種物品の
製造、接着剤、塗料、繊維処理剤、金属捕捉剤、重合開
始剤等の、種々の用途に好適に用いることができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0050】〔実施例1〕攪拌機、還流冷却管、温度
計、窒素ガス導入管、および滴下ロートを備えた500
mlの四つ口フラスコに、塩素化ポリエチレン(ダイソ
ー株式会社製、商品名:H−135、分子量15万、塩
素含有率35重量%、結晶性なし)50.0g(塩素含
有量0.494モル)と、溶媒としてのN,N−ジメチ
ルホルムアミド(以下、DMFと記す)200gとを仕
込んだ。このとき、塩素化ポリエチレン(以下、CPE
と記す)はDMFに溶解せず、膨潤していた。
【0051】一方、滴下ロートに、水硫化物としての水
硫化ナトリウム(キシダ化学株式会社製、純度70%)
11.9g(0.149モル、CPE中のクロル基に対
して30モル%)をDMF100gに溶解してなる溶液
を仕込んだ後、該滴下ロート内を30分間、窒素ガス置
換した。
【0052】次に、フラスコの内容物を窒素ガス気流下
で攪拌しながら、内温が85℃に達するまで加温し、8
5℃に到達後、滴下ロート内の溶液を2時間かけて滴下
した。滴下終了後、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら8
5℃で3時間反応させた。反応中、DMFによって膨潤
したCPEは、系中に均一に分散していた。反応終了
後、反応液を室温まで冷却し、生成したポリマーと、溶
媒とを濾過により分別した。
【0053】上記のポリマーを、DMF100gと水1
00gとの混合液で洗浄した後、ポリマーと混合液(洗
浄液)とを濾過により分別した。このポリマーを60℃
減圧下で乾燥した。これにより、淡黄色粉体状のポリマ
ー49.3gを得た。
【0054】得られたポリマーの赤外吸収スペクトルを
測定することにより、メルカプト基の有無を確認した。
測定の結果、図1に示すように、該赤外吸収スペクトル
において、2550cm-1〜2600cm-1付近にメル
カプト基に由来する吸収特性が認められ、CPEが有す
るクロル基がメルカプト基に置換されていることを確認
した。これにより、該ポリマーがメルカプト基を有して
いること、即ち、該ポリマーが本発明にかかるメルカプ
ト基含有重合体であることを確認した。
【0055】また、該メルカプト基含有重合体について
元素分析を行い、各元素の含有量を算出した。その結
果、メルカプト基含有重合体1g中に、メルカプト基が
1.0ミリモル含まれると共に、置換されないクロル基
が8.9ミリモル含まれていることがわかった。
【0056】また、水硫化ナトリウムによるCPE中の
塩素置換率は以下のようにして求めた。即ち、反応終了
後、反応液の濾過により得られた濾液と、洗浄後の濾過
により得られた濾液とを合わせた。この濾液を60℃減
圧下で乾燥したところ、緑色の粉体状固体が得られた。
この固体を蛍光X線分析により分析したところ、塩化ナ
トリウムを2.89g含んでいることがわかった。塩化
ナトリウムの生成量は0.0494モルであり、仕込ん
だCPE中の塩素に対して10モル%であることがわか
った。つまり、CPE中の塩素置換率は10モル%であ
ることがわかった。また、該塩素置換率から、メルカプ
ト基含有重合体の理論収量は49.7gであることがわ
かるので、上記反応によって得られたメルカプト基含有
重合体の収率は99.2%であることがわかった。
【0057】〔実施例2〕攪拌機、還流冷却管、温度
計、窒素ガス導入管、および滴下ロートを備えた300
mlの四つ口フラスコに、CPE50.0gと有機溶媒
としてのn−ヘプタン50gとを仕込んだ。
【0058】一方、滴下ロートに、水100g、水硫化
ナトリウム9.5g(0.119モル、CPE中のクロ
ル基に対して24モル%)、および相間移動触媒として
のベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムクロライド
(東京化成工業株式会社製;以下、BTBACと記す)
3.7g(0.012モル、CPE中のクロル基に対し
て2.4モル%)を仕込んだ後、該滴下ロート内を30
分間、窒素ガス置換した。
【0059】次に、フラスコの内容物を窒素ガス気流下
で攪拌しながら、内温が80℃に達するまで加温し、8
0℃に到達後、滴下ロート内の溶液を10分間かけて滴
下した。滴下終了後、80℃で5時間、窒素ガス雰囲気
下で攪拌しながら反応させた。反応中、n−ヘプタンに
よって膨潤したCPEは、水中に均一に分散していた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、生成したポリマ
ーと、水とを濾過により分別した。
【0060】上記のポリマーを、n−ヘプタン50gと
水50gとの混合液で洗浄した後、ポリマーと混合液
(洗浄液)とを濾過により分別した。このポリマーを6
0℃減圧下で乾燥した。これにより、淡黄色粉体状のメ
ルカプト基含有重合体49.6gを得た。
【0061】さらに、得られたポリマーの赤外吸収スペ
クトルを測定することにより、メルカプト基の有無を確
認した。測定の結果、図2に示すように、該赤外吸収ス
ペクトルにおいて、2550cm-1〜2600cm-1
近にメルカプト基に由来する吸収特性が認められ、CP
Eが有するクロル基がメルカプト基に置換されているこ
とを確認した。これにより、該ポリマーがメルカプト基
を有していること、即ち、該ポリマーが本発明にかかる
メルカプト基含有重合体であることを確認した。
【0062】また、該メルカプト基含有重合体について
元素分析を行い、各元素の含有量を算出した。その結
果、メルカプト基含有重合体1g中に、メルカプト基が
0.35ミリモル含まれると共に、置換されないクロル
基が9.55ミリモル含まれていることがわかった。
【0063】また、水硫化ナトリウムによるCPE中の
塩素置換率は以下のようにして求めた。即ち、反応終了
後、反応液の濾過により得られた濾液と、洗浄液の濾過
により得られた濾液とを合わせた。この濾液は水層とn
−ヘプタン層との2層に分離していた。次に、この水層
中に含まれる塩素量をイオンクロマト装置を用いて定量
し、その量からBTBACに含まれる塩素量を差し引く
ことにより、CPE中の塩素置換率を算出した。これに
より、上記CPE中の塩素置換率は3.5モル%である
ことがわかった。また、該塩素置換率から、メルカプト
基含有重合体の理論収量は49.8gであることがわか
るので、上記反応により得られたメルカプト基含有重合
体の収率は99.6%であることがわかった。
【0064】〔実施例3〕実施例1において用いたCP
Eの代わりに、CPE(ダイソー株式会社製、商品名:
G−235、分子量2万、塩素含有率35重量%、半結
晶性)50.0g(塩素含有量0.494モル)を用い
た以外は、実施例1と同様の反応、操作および濾過等を
行った。このとき、CPEはDMFに溶解せず、膨潤し
ていた。また、反応中、DMFによって膨潤したCPE
は、系中に均一に分散していた。
【0065】これにより、淡黄色粉体状のポリマー4
9.4gを得た。得られたポリマーの赤外吸収スペクト
ルを測定した結果、図3に示すように、該赤外吸収スペ
クトルにおいて、2550cm-1〜2600cm-1付近
にメルカプト基に由来する吸収特性が認められ、CPE
が有するクロル基がメルカプト基に置換されていること
を確認した。これにより、該ポリマーが本発明にかかる
メルカプト基含有重合体であることを確認した。
【0066】また、該メルカプト基含有重合体について
元素分析を行った結果、メルカプト基含有重合体1g中
に、メルカプト基が1.1ミリモル含まれると共に、置
換されないクロル基が8.8ミリモル含まれていること
がわかった。
【0067】また、水硫化ナトリウムによるCPE中の
塩素置換率を、実施例1と同様にして求めた。その結
果、緑色の粉体状固体が塩化ナトリウムを3.17g含
んでいることがわかった。塩化ナトリウムの生成量は
0.0542モルであり、仕込んだCPE中の塩素に対
して11モル%であることがわかった。つまり、CPE
中の塩素置換率は11モル%であることがわかった。ま
た、該塩素置換率から、メルカプト基含有重合体の理論
収量は49.6gであることがわかるので、上記反応に
よって得られたメルカプト基含有重合体の収率は99.
6%であることがわかった。
【0068】〔実施例4〕実施例1において用いたCP
Eの代わりに、CPE(ダイソー株式会社製、商品名:
N−130、分子量22万、塩素含有率30重量%、結
晶性なし)50.0g(塩素含有量0.423モル)を
用いると共に、水硫化ナトリウムの使用量を11.9g
から10.2g(0.127モル、CPE中のクロル基
に対して30モル%)に変更した以外は、実施例1と同
様の反応、操作および濾過等を行った。このとき、CP
EはDMFに溶解せず、膨潤していた。また、反応中、
DMFによって膨潤したCPEは、系中に均一に分散し
ていた。
【0069】これにより、淡黄色粉体状のポリマー4
9.4gを得た。得られたポリマーの赤外吸収スペクト
ルを測定した結果、図4に示すように、該赤外吸収スペ
クトルにおいて、2550cm-1〜2600cm-1付近
にメルカプト基に由来する吸収特性が認められ、CPE
が有するクロル基がメルカプト基に置換されていること
を確認した。これにより、該ポリマーが本発明にかかる
メルカプト基含有重合体であることを確認した。
【0070】また、該メルカプト基含有重合体について
元素分析を行った結果、メルカプト基含有重合体1g中
に、メルカプト基が0.7ミリモル含まれると共に、置
換されないクロル基が9.2ミリモル含まれていること
がわかった。
【0071】また、水硫化ナトリウムによるCPE中の
塩素置換率を、実施例1と同様にして求めた。その結
果、緑色の粉体状固体が塩化ナトリウムを1.73g含
んでいることがわかった。塩化ナトリウムの生成量は
0.0296モルであり、仕込んだCPE中の塩素に対
して7.0モル%であることがわかった。つまり、CP
E中の塩素置換率は7.0モル%であることがわかっ
た。また、該塩素置換率から、メルカプト基含有重合体
の理論収量は49.7gであることがわかるので、上記
反応によって得られたメルカプト基含有重合体の収率は
99.4%であることがわかった。
【0072】〔実施例5〕実施例1において用いたCP
Eの代わりに、CPE(ダイソー株式会社製、商品名:
MR104N、分子量22万、塩素含有率40重量%、
結晶性なし)50.0g(塩素含有量0.564モル)
を用いると共に、水硫化ナトリウムの使用量を11.9
gから13.6g(0.170モル、CPE中のクロル
基に対して30モル%)に変更した以外は、実施例1と
同様の反応、操作および濾過等を行った。このとき、C
PEはDMFに溶解せず、膨潤していた。また、反応
中、DMFによって膨潤したCPEは、系中に均一に分
散していた。
【0073】これにより、淡黄色粉体状のポリマー4
9.3gを得た。得られたポリマーの赤外吸収スペクト
ルを測定した結果、図5に示すように、該赤外吸収スペ
クトルにおいて、2550cm-1〜2600cm-1付近
にメルカプト基に由来する吸収特性が認められ、CPE
が有するクロル基がメルカプト基に置換されていること
を確認した。これにより、該ポリマーが本発明にかかる
メルカプト基含有重合体であることを確認した。
【0074】また、該メルカプト基含有重合体について
元素分析を行った結果、メルカプト基含有重合体1g中
に、メルカプト基が0.8ミリモル含まれると共に、置
換されないクロル基が9.1ミリモル含まれていること
がわかった。
【0075】また、水硫化ナトリウムによるCPE中の
塩素置換率を、実施例1と同様にして求めた。その結
果、緑色の粉体状固体が塩化ナトリウムを2.66g含
んでいることがわかった。塩化ナトリウムの生成量は
0.0455モルであり、仕込んだCPE中の塩素に対
して8.1モル%であることがわかった。つまり、CP
E中の塩素置換率は8.1モル%であることがわかっ
た。また、該塩素置換率から、メルカプト基含有重合体
の理論収量は49.7gであることがわかるので、上記
反応によって得られたメルカプト基含有重合体の収率は
99.2%であることがわかった。
【0076】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のメルカプト基含
有重合体は、以上のように、一般式(1)
【0077】
【化10】
【0078】で表される構造単位および/または一般式
(2)
【0079】
【化11】
【0080】で表される構造単位を主鎖に有する構成で
ある。
【0081】本発明の請求項2記載のメルカプト基含有
重合体は、以上のように、一般式(3)
【0082】
【化12】
【0083】で表される構造単位および/または一般式
(4)
【0084】
【化13】
【0085】で表される構造単位を主鎖に有する塩素化
ポリエチレンに、アルカリ金属の水硫化物を反応させて
得られる構成である。
【0086】これにより、隣合う2つの炭素原子に何れ
もメルカプト基を有する構造単位および/または1つの
炭素原子に2つのメルカプト基を有する構造単位を主鎖
に有するメルカプト基含有重合体を提供することができ
るという効果を奏する。
【0087】上記構成のメルカプト基含有重合体は、反
応性を有する官能基であるメルカプト基を有しており、
かつ、種々の合成樹脂との相溶性に優れている。それゆ
え、メルカプト基含有重合体は、ポリエン樹脂やエポキ
シ樹脂等の各種合成樹脂の架橋剤、各種合成樹脂の改質
剤、各種物品の製造、接着剤、塗料、繊維処理剤、金属
捕捉剤、重合開始剤等の、種々の用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において得られたメルカプト
基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャートである。
【図2】本発明の他の実施例において得られたメルカプ
ト基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャートであ
る。
【図3】本発明のさらに他の実施例において得られたメ
ルカプト基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャート
である。
【図4】本発明のさらに他の実施例において得られたメ
ルカプト基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャート
である。
【図5】本発明のさらに他の実施例において得られたメ
ルカプト基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャート
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜多 裕一 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 で表される構造単位および/または一般式(2) 【化2】 で表される構造単位を主鎖に有することを特徴とするメ
    ルカプト基含有重合体。
  2. 【請求項2】一般式(3) 【化3】 で表される構造単位および/または一般式(4) 【化4】 で表される構造単位を主鎖に有する塩素化ポリエチレン
    に、アルカリ金属の水硫化物を反応させて得られるメル
    カプト基含有重合体。
JP23291496A 1996-07-08 1996-09-03 メルカプト基含有重合体 Pending JPH1077311A (ja)

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JP8-178215 1996-07-08
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG116465A1 (en) * 1998-05-19 2005-11-28 Sony Chemicals Corp Adhesives and circuit materials using said adhesives.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG116465A1 (en) * 1998-05-19 2005-11-28 Sony Chemicals Corp Adhesives and circuit materials using said adhesives.

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