JPH1077259A - 微粉状ビスカルバモイルヒドラジン、その顆粒化物及びエアバッグ用ガス発生剤 - Google Patents

微粉状ビスカルバモイルヒドラジン、その顆粒化物及びエアバッグ用ガス発生剤

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JPH1077259A
JPH1077259A JP8234987A JP23498796A JPH1077259A JP H1077259 A JPH1077259 A JP H1077259A JP 8234987 A JP8234987 A JP 8234987A JP 23498796 A JP23498796 A JP 23498796A JP H1077259 A JPH1077259 A JP H1077259A
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JP
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biscarbamoylhydrazine
gas generating
generating agent
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air bag
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JP8234987A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Maekawa
司 前川
Junichi Onishi
淳一 大西
Shigeru Sumitomo
茂 住友
Takashi Shikasumi
孝 鹿住
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Otsuka Chemical Co Ltd
Nippon Koki Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Nippon Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、成形性が改良され、エアバッグ用
ガス発生剤のガス発生基剤として好適な微粉状ビスカル
バモイルヒドラジン又はその顆粒化物を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明の微粉状ビスカルバモイルヒドラ
ジンは平均粒子径20μm以下及びBET比表面積0.
5m2/g以上のものであり、顆粒化物は該微粉状ビス
カルバモイルヒドラジンを粒径0.05〜1.0mmに
造粒してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粉状のビスカル
バモイルヒドラジン、その顆粒化物及びエアバッグ用ガ
ス発生剤に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、微粉砕すること
によりその成形性が改良された微粉状ビスカルバモイル
ヒドラジン、該微粉状ビスカルバモイルヒドラジンを造
粒することによりその成形性がより一層改良された顆粒
化物、並びに該微粉状ビスカルバモイルヒドラジン及び
その顆粒化物のいずれか又は両方をガス発生基剤とする
エアバッグ用ガス発生剤に関する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来からエアバッグ用
ガス発生剤としては、アジ化ナトリウムをガス発生基剤
とするアジド系ガス発生剤が汎用されている。しかしな
がら、アジド系ガス発生剤には衝撃着火性が高いという
欠点があり、その製造作業等における取り扱いには注意
を要する。また、アジ化ナトリウムは毒性を有するた
め、取り扱い作業においては防護設備等が必要となる。
更に、アジ化ナトリウムを使った作業の排水の処理には
専用の処理設備が必要となる等の欠点がある。
【0004】環境保全及び作業者や使用者の安全性を重
視する考え方が主流である現状にあっては、上記のよう
な欠点を有するアジド系ガス発生剤は好ましくないもの
であり、アジ化ナトリウムに代る非アジド系ガス発生基
剤の開発が強く要望されている。
【0005】現在提案されている非アジド系ガス発生基
剤としては、アミド基を有する含窒素有機化合物、具体
的には、化学構造式H2NCON=NCONH2で表され
るアゾジカルボンアミド(特開平6−32689号公
報、特開平6−32690号公報、特開平6−2278
84号公報、国際公開公報WO94/01381等)、
化学構造式H2NCONHNHCONH2で表されるビス
カルバモイルヒドラジン(特開平7−300383号公
報、ドイツ公開公報第19516818号)、化学構造
式H2NC(NH)NHCNで表されるジシアンジアミ
ド(米国特許第4386979号明細書)等を挙げるこ
とができる。特に、アゾジカルボンアミド及びビスカル
バモイルヒドラジン(別名:ヒドラゾジカーボンアミ
ド)は合成樹脂用の発泡剤として汎用され、入手が非常
に容易であり且つ安価であること、毒性及び衝撃着火性
が顕著に低いこと、並びにこれらの燃焼により生成する
ガス中の有毒成分(CO、NOx等)が著しく少ないこ
とから、実用化への研究が進められている。
【0006】しかしながら、これらのうち、ビスカルバ
モイルヒドラジンは結晶形状が鱗片状又は板状であり、
粒子同士の結合力が弱いため、成形性が悪く、ビスカル
バモイルヒドラジンと他のガス発生剤の成分を混合して
ペレット化してもペレット形状を維持できず、中には手
で触れた位の圧力でも直に崩壊し、粉粒化するものもあ
る。このような欠点は、ビスカルバモイルヒドラジンを
基剤とする非アジド系ガス発生剤を実用化する上での大
きな支障となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ビスカルバモイルヒ
ドラジンの成形性を改良することに成功し、ここに本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、平均粒子径20μm以下及
びBET比表面積0.5m2/g以上の微粉状ビスカル
バモイルヒドラジン、並びにその顆粒化物に係る。更に
本発明は、前記微粉状ビスカルバモイルヒドラジン及び
その顆粒化物から選ばれる少なくとも1種のガス発生基
剤、並びに酸化剤を有効成分として含有するエアバッグ
用ガス発生剤に係る。
【0009】本発明によれば、ビスカルバモイルヒドラ
ジンを粉砕して特定の平均粒子径及びBET比表面積を
有する微粉とすることにより、更に該微粉を特定の大き
さの顆粒化物とすることにより、その成形性を顕著に向
上し得る。従って、本発明の微粉状ビスカルバモイルヒ
ドラジン及びその顆粒化物を用いてガス発生剤のペレッ
トを製造すると、通常のビスカルバモイルヒドラジンを
用いた場合に比し、数倍もしくはそれ以上のペレット強
度を有し、十分実用可能なガス発生剤のペレットを得る
ことができる。
【0010】本発明の処理によって、ビスカルバモイル
ヒドラジンが本来有する好ましい特性、例えば、毒性及
び衝撃着火性の低さ、熱やアルカリに対する良好な安定
性、比較的低い燃焼温度等は実質的に損なわれることは
ない。また、ビスカルバモイルヒドラジンをガス発生基
剤とする非アジド系ガス発生剤の好ましい特性、例え
ば、適度な燃焼速度、生成ガス中のCO、NOx等の有
毒成分濃度の低さ等も実質的に損なわれることはない。
【0011】
【発明の実施の態様】本発明の微粉状ビスカルバモイル
ヒドラジンは、平均粒子径20μm以下及びBET比表
面積0.5m2/g以上であることを必須とする。好ま
しくは、平均粒子径は10μm以下、BET比表面積は
5m2/g以上である。平均粒子径が20μmを越える
か及び/又はBET比表面積が0.5m2/gを下回る
と、従来のビスカルバモイルヒドラジンと同様に、成形
性の向上が不充分となり、製剤化により得られるペレッ
トの強度が低下する。本発明における平均粒子径は、レ
ーザー回折式粒度分布測定装置[(株)ホリバ製作所
製]を用いて測定したものである。また、本発明におけ
るBET比表面積は、BET比表面積測定装置[(株)
島津製作所製]を用いて測定したものである。
【0012】本発明の微粉状ビスカルバモイルヒドラジ
ンは、ビスカルバモイルヒドラジンの粉末を高圧粉砕機
で処理することにより製造できる。
【0013】ビスカルバモイルヒドラジンの粉末は公知
の方法に従って製造されたものをいずれも使用できる。
また、市販品をそのまま用いてもよい。
【0014】高圧粉砕機とは、例えば装置の側面の少な
くとも2方向から装置内部に高圧空気を噴出して気流を
発生させて粉体を粉砕し、空気圧によって装置内部に浮
き上がった微粉状末を捕集する方式のものであり、具体
的には、例えば、カウンタージェットミル(オランダ、
アルピネ社製)、クロスジェットミル((株)栗本鉄工
所製)等を挙げることができる。
【0015】尚、本発明では、高圧粉砕機による粉砕に
おいて、空気圧、回転数等を適宜選択することにより、
所望の微粉状ビスカルバモイルヒドラジンを得ることが
できるが、空気圧は通常3〜8kg/cm2程度、好ま
しくは5〜7kg/cm2程度、回転数は通常5000
〜20000rpm程度、好ましくは10000〜15
000rpm程度とするのがよい。
【0016】このようにして得られる微粉状ビスカルバ
モイルヒドラジンは、そのまま、ガス発生基剤として用
いることができるが、成形性や得られるガス発生剤の燃
焼性能をより一層向上させるという観点からは、顆粒化
して用いるのが更に好ましい。顆粒化物の粒径は、通常
0.05〜1.0mm程度、好ましくは0.1〜0.5
mm程度とするのがよい。顆粒化するに当たっては、公
知の方法が採用でき、例えば、微粉状ビスカルバモイル
ヒドラジンに必要に応じて適量の水又は温水を加え、造
粒及び乾燥すればよい。造粒に当たっては公知の方法が
採用でき、例えば、スクリュー型、ロール型、ブレード
型、自己成形型、ラム型等の各種の押出造粒機を用いる
方法等を挙げることができる。また、転動造粒法、スプ
レードライ法等を採用してもよい。
【0017】次に、微粉状ビスカルバモイルヒドラジン
及びその顆粒化物から選ばれる少なくとも1種のガス発
生基剤、並びに酸化剤を有効成分とする本発明のエアバ
ッグ用ガス発生剤について詳述する。
【0018】本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、ガス
発生基剤として、本発明の微粉状ビスカルバモイルヒド
ラジン及びその顆粒化物から選ばれる少なくとも1種を
含有している。
【0019】本発明のエアバッグ用ガス発生剤の他の一
つの有効成分である酸化剤としては特に制限されず、従
来から当該分野で使用されるものから適宜選択すればよ
いが、高温下で酸素を発生及び/又は供給し得るものが
好ましく、例えば、オキソハロゲン酸塩、硝酸塩、亜硝
酸塩、金属過酸化物、超酸化物、オゾン化合物等を挙げ
ることができる。
【0020】オキソハロゲン酸塩としては公知のものが
使用でき、例えば過ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩等を挙
げることができる。過ハロゲン酸塩の具体例としては、
例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム、過塩素
酸ナトリウム、過臭素酸リチウム、過臭素酸カリウム、
過臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、過塩素酸マグ
ネシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸カルシウム、過
臭素酸マグネシウム、過臭素酸バリウム、過臭素酸カル
シウム等のアルカリ土類金属塩、過塩素酸アンモニウ
ム、過臭素酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げ
られる。ハロゲン酸塩の具体例としては、例えば、塩素
酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、臭素
酸リチウム、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム等のア
ルカリ金属塩、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、
塩素酸カルシウム、臭素酸マグネシウム、臭素酸バリウ
ム、臭素酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩、塩素酸
アンモニウム、臭素酸アンモニウム等のアンモニウム塩
等が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン酸及び過ハ
ロゲン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
【0021】硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等のアルカリ金属塩、硝
酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム等
のアルカリ土類金属塩、硝酸アンモニウム等のアンモニ
ウム塩等を挙げることができる。その中でもアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩等が好ましく、硝酸カリウ
ム、硝酸ストロンチウム等が特に好ましい。
【0022】亜硝酸塩としては、例えば、亜硝酸リチウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリシウム等のアルカリ
金属塩、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸
カルシウム等のアルカリ土類金属塩等を挙げることがで
きる。
【0023】超酸化物としては、例えば、超酸化ナトリ
ウム、超酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、超酸化
カルシウム、超酸化ストロンチウム、超酸化バリウム等
のアルカリ土類金属化合物、超酸化ルビジウム、超酸化
セシウム等を挙げることができる。
【0024】オゾン化合物としては、例えば、一般式M
3(式中MはNa、K、Rb、Cs等の周期律表第I
a族元素を示す。)で表される化合物が挙げられる。本
発明においては、二硫化モリブデン等の金属硫化物、ビ
スマス含有化合物、鉛含有化合物等も酸化剤として使用
できる。
【0025】これらの酸化剤の中でも、オキソハロゲン
酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩等が好ましく、オキソハロゲン
酸塩、硝酸塩等が特に好ましい。斯かる酸化剤は1種を
単独で使用でき又は2種以上を併用できる。酸化剤は市
販品をそのまま使用することもでき、またその形状、粒
径等は特に制限されず、例えばその配合量、各成分との
配合比率、エアバッグの容量等の各種条件に応じて適宜
選択して使用すればよい。
【0026】酸化剤の配合量は、通常、酸素量を基準と
してガス発生基剤を完全に酸化燃焼し得る化学量論量と
すればよいが、ガス発生基剤及び酸化剤の配合割合を適
宜変更させることにより、燃焼速度、燃焼温度(ガス温
度)、燃焼ガス組成等を任意に調整できるので、広い範
囲から適宜選択することができ、例えば、ガス発生基剤
100重量部に対して酸化剤を10〜400重量部程
度、好ましくは100〜240重量部程度配合してもよ
い。
【0027】本発明エアバッグ用ガス発生剤の好ましい
実施態様の1つとして、上記ガス発生基剤と共に酸化剤
としてオキソハロゲン酸塩及び硝酸塩を含むガス発生剤
を挙げることができる。
【0028】本発明のエアバッグ用ガス発生剤には、上
記2成分に、更に燃焼触媒、燃焼調節剤及びスラグ形成
剤から選ばれる少なくとも1種を配合してもよい。
【0029】燃焼触媒は、主に燃焼温度を下げ、ガス中
のCO及び/又はNOxの濃度を低減化する作用を有す
るものと考えられる。燃焼触媒としては、周期律表第4
〜6周期の金属の酸化物、加熱により前記金属酸化物を
生成し得る含酸素金属化合物、ヘテロポリ酸等が使用さ
れる。
【0030】周期律表第4〜6周期の金属の酸化物の具
体例としては、例えば、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コ
バルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、酸化亜
鉛、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸
化セリウム、酸化ホルミウム、酸化イッテルビウム、酸
化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸
化錫等を挙げることができる。これらの中でも、酸化
銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化モリブデン、酸
化タングステン、酸化鉄、酸化錫、酸化亜鉛、酸化クロ
ム等が好ましく、CuO、CoO、NiO、Ni23
MoO3、WO3、Cr23、TiO2、SnO、Zn
O、Fe23等が更に好ましい。これらの金属酸化物に
は、その水和物も包含される。タングステン酸化物を例
にとれば、WO3・H2O等である。これらの金属酸化物
としては、好ましくはBET比表面積が5m2/g以
上、より好ましくは10m2/g以上、更に好ましくは
40m2/g以上のものを使用するのがよい。尚、上記
金属酸化物の中で、CuO、MoO、WO3等は、CO
濃度及びNOx濃度を同時に低減化し得るという好まし
い特性を有している。
【0031】加熱により周期律表第4〜6周期の金属の
酸化物を生成し得る含酸素金属化合物としては特に制限
されず、公知のものを使用できる。加熱によりMoO3
を生成する含酸素モリブデン化合物を例にとれば、モリ
ブデン酸コバルト、モリブデン酸ニッケル等の第VIII属
金属塩、モリブデン酸、水酸化モリブデン等である。ま
た、加熱によりWO3を生成する含酸素タングステン化
合物は、例えば、タングステン酸とその金属塩等であ
る。タングステン酸の金属塩としては、例えば、タング
ステン酸リチウム、タングステン酸カリウム、タングス
テン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、タングステン酸
カルシウム、タングステン酸マグネシウム等のアルカリ
土類金属塩、タングステン酸コバルト、タングステン酸
ニッケル、タングステン酸鉄等の第VIII属金属塩、タン
グステン酸銅等を挙げることができる。
【0032】ヘテロポリ酸の具体例としては、例えば、
リンモリブデン酸、リンタングステン酸、これらの金属
塩等を挙げることができる。ヘテロポリ酸の金属塩とし
ては特に制限されないが、例えば、Co塩、Ni塩、F
e塩等の第VIII属金属塩、Mg塩、Sr塩、Pb塩、B
i塩等を挙げることができ、これらの中でも第VIII属金
属塩が好ましく、Co塩が特に好ましい。
【0033】これらの燃焼触媒の中でも、CuO、Co
O、NiO、Ni23、MoO3、WO3、加熱によりM
oO3を生成する含酸素モリブデン化合物、加熱により
WO3を生成する含酸素タングステン化合物、リンモリ
ブデン酸コバルト、Cr23、TiO2、SnO、Zn
O、Fe23等が特に好ましく、CuO、CoO、Ni
O、Ni23、MoO3、WO3、モリブデン酸の第VIII
属金属塩、リンモリブデン酸コバルト等がより一層好ま
しい。
【0034】上記燃焼触媒は、1種を単独で使用でき又
は2種以上を併用できる。
【0035】燃焼触媒の粒径は特に制限はなく、例え
ば、その配合量、他の成分との配合比率、エアバッグの
容量等に応じて広い範囲から適宜選択すればよい。燃焼
触媒の配合量は特に制限はなく、例えば、他の成分との
配合比率、エアバッグの容量等の各種条件に応じて広い
範囲から適宜選択できるが、ガス発生基剤と酸化剤との
合計量100重量部に対して燃焼触媒を通常0.1〜1
50重量部程度、好ましくは0.5〜80重量部程度、
より好ましくは5〜30重量部程度とすればよい。
【0036】尚、加熱により金属酸化物を生成する含酸
素金属化合物を用いる場合は、生成する金属酸化物の量
が上記規定の範囲内に入るようにすればよい。
【0037】燃焼調節剤は、一般的に燃焼温度を下げた
り、燃焼速度を調節したり、ガス発生剤の製造、輸送、
保存等の工程において、ガス発生剤が火災等に巻き込ま
れ又は強い衝撃を受けて爆轟するのを防止したりするた
めに使用される。
【0038】燃焼調節剤としては、例えば、下記(イ)
〜(リ)のもの等を挙げることができる。
【0039】(イ)B、Al、Mg、Ti、Zr、Mo
等の金属の粉末 (ロ)B、Al、Mg、Si等の周期律表第3周期元素
の酸化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩(好ましくは、
23、水酸化アルミニウム、ベントナイト、アルミ
ナ、珪藻土、二酸化珪素等) (ハ)Na、K等のアルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、
酸化物、水酸化物 (ニ)Ca、Mg、Ba、Sr等のアルカリ土類金属の
炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物 (ホ)前記(ロ)〜(ハ)以外の周期律表第4〜6周期
元素(例えば、Zn、Cu、Fe、Pb、Ti、V、C
e、Ho、Ca、Yb等)の塩化物、炭酸塩、硫酸塩、
水酸化物 (ヘ)カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース、これらのエーテル、微結晶性セルロース粉
末等のセルロース系化合物 (ト)可溶性デンプン、ポリビニルアルコール、その部
分ケン化物等の有機高分子化合物 (チ)グリシン等のアミノ酸、アスコルビン酸、クエン
酸等の有機カルボン酸等の有機酸 (リ)H3BO3、HBO2等のホウ酸誘導体。
【0040】上記燃焼調節剤の中でも、例えば、(イ)
〜(ニ)や(チ)、(リ)の化合物が好ましく、B、A
l、Ti、Zr等の金属の粉末、B23、Al23等の
金属酸化物、炭酸リチウム、炭酸カルシウム等のアルカ
リ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化アルミニ
ウム等の金属水酸化物、グリシン等のアミノ酸、ホウ酸
誘導体等が特に好ましい。
【0041】燃焼調節剤は、1種を単独で使用でき又は
2種以上を併用できる。燃焼調節剤は市販品をそのまま
使用してもよい。また、その粒度は特に制限されず、例
えば、その配合量、他成分との配合比率、エアバッグの
容量等の各種条件に応じて広い範囲から適宜選択すれば
よい。
【0042】また燃焼調節剤の配合量は特に制限されな
いが、他の成分との配合比率、エアバッグの容量等の各
種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常ガ
ス発生基剤と酸化剤との合計量100重量部に対して、
0.1〜50重量部程度、好ましくは0.5〜30重量
部程度とすればよい。
【0043】スラグ形成剤は、ガス発生剤の燃焼後に発
生する残渣を固形化し、エアバッグインフレーター内の
フィルターによって除去し易くするための添加剤であ
る。スラグ形成剤としては公知のものを使用でき、例え
ば、既に燃焼調節剤として例示した二酸化珪素やアルミ
ナ、酸化ホウ素(特にB23)等を挙げることができ、
これらの1種を単独で使用でき又は2種以上を併用でき
る。スラグ形成剤の配合量は特に制限されず、ガス発生
剤の組成等に応じて広い範囲から適宜選択すればよい。
例えば、二酸化珪素をスラグ形成剤として用いる場合、
その配合量は、モル比で硝酸カリウムの1/2付近が適
当である。アルカリ土類金属を含む酸化物及び反応して
酸化物を生成するアルカリ土類金属化合物、例えば酸化
ストロンチウムや硝酸ストロンチウム等もスラグ形成剤
として使用できる。
【0044】更に、本発明のガス発生剤の好ましい特性
を損なわない範囲で、従来からこの用途に用いられてい
る各種添加剤及び非アジド系ガス発生剤に用いられる各
種添加剤が配合されていてもよい。
【0045】本発明のエアバッグ用ガス発生剤の好まし
い実施態様として、微粉状ビスカルバモイルヒドラジン
及び酸化剤(オキソハロゲン酸塩又はオキソハロゲン酸
塩と硝酸塩との併用)を有効成分とし、更に微粉状ビス
カルバモイルヒドラジンと酸化剤の合計量100重量部
に対して通常0.1〜150重量部程度、好ましくは1
0〜120重量部程度、より好ましくは30〜80重量
部程度の燃焼触媒が配合された組成を挙げることができ
る。また、微粉状ビスカルバモイルヒドラジン及び酸化
剤(オキソハロゲン酸塩又はオキソハロゲン酸塩と硝酸
塩との併用)を有効成分とし、更に微粉状ビスカルバモ
イルヒドラジンと酸化剤の合計量100重量部に対し
て、通常0.1〜30重量部程度、好ましくは0.5〜
25重量部程度の燃焼触媒及び通常0.5〜50重量部
程度、好ましくは5〜30重量部程度の燃焼調節剤(燃
焼調節剤としてBを用いる場合は0.5〜5重量部程
度、好ましくは1〜3重量部程度)配合した組成も好ま
しい。これらの組成には、必要に応じてスラグ形成剤も
添加できる。
【0046】本発明においては、本発明のエアバッグ用
ガス発生剤の保存安定性、製剤化のし易さ等をより一層
向上させるために、微粉状ビスカルバモイルヒドラジン
(顆粒を除く)に、更にカップリング剤及び/又はキレ
ート剤による表面処理を施してもよい。また、微粉状ビ
スカルバモイルヒドラジド以外の成分の少なくとも1種
にも同様の表面処理を施してもよい。カップリング剤と
しては特に制限されず公知のものを使用でき、例えば、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシジ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート等のチタネート系カッ
プリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロ
ピレート等のアルミニウム系カップリング剤等を挙げる
ことができる。またキレート剤としても公知のものを使
用でき、例えば、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)
及びその金属塩(EDTA・2Na塩、ETDA・2K
塩、ETDA・2Li塩、EDTA・2アンモニウム塩
等)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム等を挙げ
ることができる。表面処理は通常の方法に従い、適当な
溶媒中又は無溶媒下で、被処理成分とカップリング剤及
び/又はキレート剤とを混合することにより行なわれ
る。
【0047】本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、ガス
発生基剤、酸化剤及び必要に応じてその他の成分を混合
することにより、製造される。
【0048】本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、適当
な形状に製剤化することができる。例えば、本発明のエ
アバッグ用ガス発生剤にバインダーを適量混合して打錠
又は打錠乾燥すればよい。その際、水等の溶媒を適量加
えるのが安全上特に好ましい。バインダーとしては斯か
る目的に常用されているものを使用すればよい。製剤形
状は特に制限はなく、例えば、ペレット状、ディスク
状、球状、棒状、中空円筒状、こんぺい糖状、テトラポ
ット状等を挙げることができ、無孔のものでもよいし、
有孔状のもの(例えば煉炭状のもの)でもよい。更に、
ペレット状、ディスク状のものは、片面又は両面に1〜
数個程度の突起を設けてもよい。突起の形状は特に制限
されず、例えば、円柱状、円錐状、多角錐状、多角柱状
等を挙げることができる。
【0049】或いは、本発明エアバッグ用ガス発生剤の
各成分をそれぞれ単独で製剤化し、これらを混合して使
用してもよい。
【0050】本発明のエアバッグ用ガス発生剤の製剤
は、ポリエチレン等の合成樹脂製又は金属製の容器に充
填することにより、安全に保管及び輸送することができ
る。
【0051】本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、自動
車に限定されず、各種輸送用機器に搭載されるエアバッ
グシステムのガス発生源として好適に使用できる。
【0052】
【実施例】以下に実施例、比較例及び試験例を挙げ、本
発明を具体的に説明する。尚、以下において、「部」及
び「%」とあるのは、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を意味する。
【0053】実施例1 ビスカルバモイルヒドラジン(平均粒子径52μm、B
ET比表面積0.2m2/g、大塚化学(株)製)を、
カウンタージェットミルで粉砕した。カウンタージェッ
トミルによる粉砕条件は、空気圧6.5kg/cm2
回転数15000rpm、供給量5kg/時である。
【0054】このようにして、平均粒子径2μm、BE
T比表面積8.0m2/gの微粉状ビスカルバモイルヒ
ドラジンを製造した。
【0055】実施例2 造粒機(商品名:ハイスピードミキサー、深江工業
(株)製)上にて、実施例1で得られた微粉状ビスカル
バモイルヒドラジン100gに水20mlを徐々に加え
て顆粒を生成させた。この顆粒を80℃で1時間乾燥
し、平均粒子径0.3mmの微粉状ビスカルバモイルヒ
ドラジンの顆粒を製造した。
【0056】実施例3 実施例1の微粉状ビスカルバモイルヒドラジン45部、
過塩素酸カリウム72.1部、硝酸カリウム10部、酸
化モリブデン5部及び二酸化珪素1部の各粉末をよく混
合し、これにデンプン含有量が3.5部となるように可
溶性デンプンの20%水溶液を加えて更に混合し、湿潤
粉体を製造した。この湿潤粉体を造粒機により造粒し、
更に油圧式打錠成形機にて押圧し、エアバッグ用ガス発
生剤のペレット(径6mm、厚さ3mm、重量0.15
g)を製造した。
【0057】実施例4 実施例1の微粉状ビスカルバモイルヒドラジンに代えて
実施例2の顆粒を使用する以外は、実施例3と同様にし
て、エアバッグ用ガス発生剤のペレットを製造した。
【0058】比較例1 実施例1の微粉状ビスカルバモイルヒドラジンに代え
て、粉砕前のビスカルバモイルヒドラジンを用いる以外
は、実施例3と同様にして、エアバッグ用ガス発生剤の
ペレットを製造した。
【0059】試験例1 実施例3〜4及び比較例1で得られた2種のエアバッグ
用ガス発生剤のペレットを、それぞれ、硬度測定機(商
品名:HARDNESS TESTER KHT−20
N、(株)藤原製作所製)にセットし、ペレットに荷重
を加えていき、ペレットが崩壊した時点での荷重をペレ
ットの硬さとした。硬さの測定を複数回行い、平均値を
算出した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】試験例2 径7mmのガス噴出孔を備え、伝火薬としてポロン/硝
酸カリウム0.8gが装填されたインフレーターの燃焼
室に、実施例3〜4及び比較例1で得られたガス発生剤
のペレット40gを充填した板厚0.3mmのアルミニ
ウム製カップを装填した。このインフレーターを60リ
ットルタンク内に設置し、電流を流して作動させてガス
発生剤のペレットを燃焼させ、インフレーター内及び6
0リットルタンク内の圧力及び温度を測定したところ、
いずれのものについても同程度の結果が得られた。また
燃焼後の60リットルタンク内のガスを採取孔より1リ
ットルテドラーバッグに採取し、ガス中のCO濃度及び
NOx濃度を検知管を用いて測定したところ、やはり、
いずれのものについても同程度の結果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住友 茂 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内 (72)発明者 鹿住 孝 福島県西白河郡西郷村大字長坂字土生2− 1 日本工機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径20μm以下及びBET比表
    面積0.5m2/g以上の微粉状ビスカルバモイルヒド
    ラジン。
  2. 【請求項2】 平均粒子径が10μm以下である請求項
    1に記載の微粉状ビスカルバモイルヒドラジン。
  3. 【請求項3】 BET比表面積が5m2/g以上である
    請求項1に記載の微粉状ビスカルバモイルヒドラジン。
  4. 【請求項4】 請求項1の微粉状ビスカルバモイルヒド
    ラジンを粒径0.05〜1.0mmに造粒してなる顆粒
    化物。
  5. 【請求項5】 請求項1の微粉状ビスカルバモイルヒド
    ラジン及び請求項4の顆粒化物から選ばれる少なくとも
    1種のガス発生基剤、並びに酸化剤を有効成分として含
    有するエアバッグ用ガス発生剤。
JP8234987A 1995-09-29 1996-09-05 微粉状ビスカルバモイルヒドラジン、その顆粒化物及びエアバッグ用ガス発生剤 Pending JPH1077259A (ja)

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