JPH1076298A - 汚泥または浚渫ヘドロの脱臭固化方法 - Google Patents

汚泥または浚渫ヘドロの脱臭固化方法

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JPH1076298A
JPH1076298A JP35833396A JP35833396A JPH1076298A JP H1076298 A JPH1076298 A JP H1076298A JP 35833396 A JP35833396 A JP 35833396A JP 35833396 A JP35833396 A JP 35833396A JP H1076298 A JPH1076298 A JP H1076298A
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sludge
deodorizing
added
solidifying
dredged
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JP35833396A
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English (en)
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Masayasu Yamazaki
正康 山崎
Koichi Hashimoto
光一 橋本
Kaname Miyake
要 三宅
Kazuhiro Tamura
一宏 田村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥または浚渫ヘドロの固化、脱臭費用を安
価にする。このヘドロの固化、脱臭を効率的に行なう。
ヘドロ中のNH3量が多くても、固化や脱臭を安価にて
行う。同様にNH3量が多くても、ヘドロの固化、脱臭
の効率化が図れる。 【解決手段】 含水率194%、単位体積重量1.14
2g/cm3、NH3態窒素40ppmの浚渫ヘドロに、
セメント系固化材/生石灰と、活性炭/ゼオライト/石
炭灰とを添加混合し、臭いの強さと一軸圧縮強度を測定
した。なお、浚渫ヘドロの臭いは弱いが、セメント系固
化材や生石灰の添加でアミン系の悪臭がでる。モールド
毎に密封し、温度20±3℃の室内に養生した。その後
脱型し、一軸圧縮試験した。結果、活性炭及び/又はゼ
オライトを添加すると、通常固化に必要なセメント系固
化材及び/又は生石灰の添加量で脱臭と固化が同時にで
きた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は汚泥または浚渫ヘ
ドロの脱臭固化方法、詳しくは比較的簡単かつ低コスト
で汚泥または浚渫ヘドロを脱臭固化できる汚泥または浚
渫ヘドロの脱臭固化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浚渫工事などでは汚泥または浚渫ヘドロ
が大量に発生する。発生した汚泥または浚渫ヘドロは、
廃棄するか、埋め戻す。ここに、ヘドロとは、河川、湖
沼、海底等の水域に堆積し、未圧密の状態で存在してい
る柔らかな汚泥を言う。このヘドロの強度は、多くは測
定が不可能なほど柔らかく、例えば0.01kgf/c
2以下である。この場合、汚泥または浚渫ヘドロを容
易にハンドリングできる程度にまで固化する必要があ
る。また、汚泥または浚渫ヘドロはアンモニアや、メチ
ルアミンおよびトリメチルアミンなどのアミン類などの
悪臭物質を内包しており、防臭または脱臭(以下、単に
「脱臭」と記載する)の必要がある。
【0003】汚泥または浚渫ヘドロの固化には、従来、
セメント系固化材や生石灰が使用されていた。ここに、
セメント系固化材とは、在来のセメントでは固化しにく
い高含水比粘性土や高有機質土、あるいは、有害産業廃
棄物を処理するために、セメントを母材に各種の有効成
分を改良目的に応じて添加したものを言う。そして、そ
の水分調整により、ある程度の脱臭も可能とされてい
る。
【0004】しかしながら、悪臭物質はその種類により
臭気閾値が異なっており、微量でも悪臭として感知され
ることがある。特に、セメント系固化材や生石灰を使用
した汚泥または浚渫ヘドロの固化処理においては、アン
モニアやアミン類については、その脱臭が困難である。
【0005】なぜなら、セメント系固化材や生石灰を汚
泥または浚渫ヘドロに添加すると、pHが上昇し、下記
の平衡反応が右に傾き、悪臭物質が大気中に放出され易
い状態となるからである。
【0006】また、汚泥または浚渫ヘドロにセメント系
固化材や生石灰を大量に添加してその水分を奪ってしま
い、脱臭することも可能である。しかしながら、この方
法では、処理コストの高騰を招く。とともに、セメント
系固化材を大量に添加すると、その強度が高くなり過
ぎ、容易にハンドリングできなくなる。
【0007】このため、汚泥または浚渫ヘドロの脱臭に
化学消臭剤が使用されることがある。しかしながら、こ
の化学消臭剤自体が高価である。また、その噴霧設備に
費用がかかる。これらの結果、その処理コストの高騰を
招く。また、この化学消臭剤による脱臭は、表面的なも
のである。よって、汚泥または浚渫ヘドロ全体の脱臭と
はならない。したがって、汚泥または浚渫ヘドロの運搬
の度に化学消臭剤を使用する必要が生じる。その結果、
脱臭の効率が悪い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、セメント
系固化材または生石灰は汚泥または浚渫ヘドロの固化に
有効である。しかしながら、その汚泥または浚渫ヘドロ
の含水率を低減させて脱臭するためには、これらの多量
添加を必要とする。よって、そのコストが高騰すること
となる。また、特にセメント系固化材を多量添加する
と、強度が高くなり過ぎる。その結果、汚泥または浚渫
ヘドロを容易にハンドリングできなくなる。
【0009】そこで、発明者は、汚泥または浚渫ヘドロ
の脱臭固化処理において、セメント系固化材および/ま
たは生石灰の添加量を少なくして、かつ、効率的に脱臭
固化処理する方法について検討した。その結果、汚泥ま
たは浚渫ヘドロに、活性炭および/またはゼオライトを
添加して、悪臭物質を吸着させる。しかも、特に汚泥ま
たは浚渫ヘドロ中に多量のアンモニアが存在し、活性炭
やゼオライトによる吸着が困難な場合には、次亜塩素酸
ナトリウムの粉末、次亜塩素酸ナトリウム溶液、サラシ
液、サラシ粉、亜塩素酸ナトリウムの粉末、亜塩素酸ナ
トリウム溶液など(以下、本発明酸化剤という場合があ
る)を添加して、アンモニアを酸化分解して脱臭する。
この結果、少ない添加量のセメント系固化材および/ま
たは生石灰で適切な脱臭固化処理ができることを知見し
た。さらには、石炭灰を添加することにより、活性炭お
よび/またはゼオライトと、セメント系固化材および/
または生石灰の各添加量の低減を図ることができること
を見出だし、この発明を完成させた。
【0010】
【発明の目的】この発明の目的は、汚泥または浚渫ヘド
ロの固化および脱臭を、低コストで行うための脱臭固化
方法を提供することである。また、この発明の別の目的
は、汚泥または浚渫ヘドロの固化および脱臭を効率的に
行う脱臭固化方法を得ることである。さらに、この発明
の他の目的は、汚泥または浚渫ヘドロ中に多量のアンモ
ニアを含む場合でも、汚泥または浚渫ヘドロの固化およ
び脱臭を低コストで行なえる脱臭固化方法を提供するこ
とである。そして、この発明のまた別の目的は、汚泥ま
たは浚渫ヘドロ中に多量のアンモニアを含む場合でも、
汚泥または浚渫ヘドロの固化、脱臭の効率化が図れる脱
臭固化方法を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、汚泥または浚渫ヘドロに、セメント系固化材および
/または生石灰を添加するとともに、さらに、この汚泥
または浚渫ヘドロに、活性炭、ゼオライト、石炭灰の内
の少なくとも1種を添加する汚泥または浚渫ヘドロの脱
臭固化方法である。
【0012】請求項2に記載の発明は、セメント系固化
材および/または生石灰と、活性炭、ゼオライト、石炭
灰の内の少なくとも1種とを混合した第1の脱臭固化材
を、汚泥または浚渫ヘドロに添加する汚泥または浚渫ヘ
ドロの脱臭固化方法である。ここで、第1の脱臭固化材
における「セメント系固化材/生石灰」(以下、「」内
の“/”は“および/または”を示すものとする)と
「活性炭/ゼオライト/石炭灰」との混合割合は、その
重量比で略1:1を基準とし、より強度を高くする場合
は前者の割合を増やし、より脱臭効果を高めたい場合は
後者の割合を増やすものとする。なお、活性炭を添加す
る場合は、石炭灰に比較してその添加量は少なくなる。
【0013】請求項3に記載の発明は、汚泥または浚渫
ヘドロに、セメント系固化材および/または生石灰を添
加するとともに、さらに、この汚泥または浚渫ヘドロ
に、活性炭、ゼオライト、石炭灰の内の少なくとも1種
を添加し、しかも、この汚泥または浚渫ヘドロに、次亜
塩素酸ナトリウムの粉末または次亜塩素酸ナトリウム溶
液、サラシ液、サラシ粉、亜塩素酸ナトリウムの粉末ま
たは溶液の内の少なくとも1種を添加する汚泥または浚
渫ヘドロの脱臭固化方法である。
【0014】請求項4に記載の発明は、セメント系固化
材および/または生石灰と、活性炭、ゼオライト、石炭
灰の内の少なくとも1種と、次亜塩素酸ナトリウムの粉
末、次亜塩素酸ナトリウム溶液、サラシ液、サラシ粉、
亜塩素酸ナトリウムの粉末、亜塩素酸ナトリウム溶液の
内の少なくとも1種とを混合した第2の脱臭固化材を、
汚泥または浚渫ヘドロに添加する汚泥または浚渫ヘドロ
の脱臭固化方法である。ここで、第2の脱臭固化材にお
ける「セメント系固化材/生石灰」と「活性炭/ゼオラ
イト/石炭灰」と「次亜塩素酸ナトリウムの粉末/次亜
塩素酸ナトリウム溶液/サラシ液/サラシ粉/亜塩素酸
ナトリウムの粉末/亜塩素酸ナトリウム溶液」の混合割
合は、その重量比で略3:3:1を基準とし、より強度
を高くする場合は「セメント系固化材/生石灰」の割合
を増やし、より脱臭効果を高めたい場合は「活性炭/ゼ
オライト/石炭灰」の割合を増やすものとする。なお、
脱臭効果のうち、アンモニアの脱臭効果を高めたい場合
は「次亜塩素酸ナトリウムの粉末/次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液/サラシ液/サラシ粉/亜塩素酸ナトリウムの粉
末/亜塩素酸ナトリウム溶液」の割合を適量だけ増やす
ものとする。
【0015】
【作用】請求項1〜請求項4に記載の発明にあっては、
汚泥または浚渫ヘドロに対してセメント系固化材および
/または生石灰を添加し、さらに、活性炭、ゼオライ
ト、石炭灰のうちの少なくとも1種を添加する。また
は、これらを混合した第1の脱臭固化材を添加する。こ
の添加する第1の脱臭固化材にあっては、セメント系固
化材および/または生石灰に、活性炭、ゼオライト、ま
たは、石炭灰の少なくとも1種を添加している。
【0016】そして、汚泥または浚渫ヘドロ中のアンモ
ニア含有量が多い場合には、汚泥または浚渫ヘドロに対
してセメント系固化材および/または生石灰を添加し、
さらに、活性炭、ゼオライト、石炭灰のうちの少なくと
も1種を添加するとともに、次亜塩素酸ナトリウム溶
液、サラシ液、安定化二酸化塩素液、過酸化水素水の内
の少なくとも1種を添加する。または、これらを混合し
た第2の脱臭固化材を添加する。この第2の脱臭固化材
にあっては、セメント系固化材および/または生石灰
に、活性炭、ゼオライト、または、石炭灰の少なくとも
1種と、次亜塩素酸ナトリウムの粉末、次亜塩素酸ナト
リウム溶液、サラシ液、サラシ粉、亜塩素酸ナトリウム
の粉末、亜塩素酸ナトリウム溶液の内の少なくとも1種
とを添加している。
【0017】ところで、第1および第2の脱臭固化材等
を添加する場合、活性炭などの添加量は、処理する汚泥
または浚渫ヘドロの臭いの強さに応じて適宜決定でき
る。このうち、第1の脱臭固化材の場合では、汚泥また
は浚渫ヘドロに対して、活性炭を15重量%以下、特に
10〜0.2重量%、ゼオライトを15重量%以下、特
に10〜0.2重量%添加するのが好ましい。活性炭と
ゼオライトとをともに添加する場合には、活性炭を13
重量%以下、特に7〜0.1重量%、ゼオライトを13
重量%以下、特に7〜0.1重量%とし、活性炭とゼオ
ライトの合計の添加量は汚泥または浚渫ヘドロに対して
15重量%以下、特に10〜0.2重量%となるように
するのが好ましい。
【0018】また、第2の脱臭固化材の場合では、汚泥
または浚渫ヘドロに対して、活性炭を15重量%以下、
特に10〜0.2重量%、ゼオライトを15重量%以
下、特に10〜0.2重量%添加するのが好ましい。活
性炭とゼオライトをともに添加する場合には、活性炭を
13重量%以下、特に7〜0.1重量%、ゼオライトを
13重量%以下、特に7〜0.1重量%とし、活性炭と
ゼオライトの合計の添加量は汚泥または浚渫ヘドロに対
して13重量%以下、特に7〜0.1重量%となるよう
にするのが好ましい。
【0019】しかも、第2の脱臭固化材の場合では、必
要により、これに加えて本発明酸化剤が所定量だけ添加
される。すなわち、各組成物が単体の場合には、汚泥ま
たは浚渫ヘドロに対して、次亜塩素酸ナトリウム溶液
(有効塩素12%)を25重量%以下、特に20〜1重
量%添加し、サラシ液(有効塩素8%)を40重量%以
下、特に32〜1.5重量%添加し、亜塩素酸ナトリウ
ム溶液(濃度25%)を15重量%以下、特に12〜
0.5重量%添加するのが好ましい。また、これら溶液
に代えて次亜塩素酸ナトリウムの粉末、サラシ粉、亜塩
素酸ナトリウムの粉末を用いる場合は、これらの溶液添
加量に相当する量を添加する。
【0020】次亜塩素酸ナトリウム溶液とサラシ液をと
もに添加する場合には、次亜塩素酸ナトリウム溶液を2
0重量%以下、特に16〜0.8重量%、サラシ液を3
2重量%以下、特に26〜1.2重量%添加するのが好
ましい。また、サラシ液と亜塩素酸ナトリウム溶液とを
ともに添加する場合には、サラシ液を32重量%以下、
特に26〜1.2重量%、亜塩素酸ナトリウム溶液を1
5重量%以下、特に12〜0.5重量%添加するのが好
ましい。さらに、亜塩素酸ナトリウム溶液と次亜塩素酸
ナトリウム溶液とをともに添加する場合には、亜塩素酸
ナトリウム溶液を15重量%以下、特に12〜0.5重
量%、次亜塩素酸ナトリウム溶液を20重量%以下、特
に16〜0.8重量%添加するのが好ましい。また、溶
液に代えて粉末を添加する場合も、上記各溶液添加量に
相当する量の粉末をそれぞれ添加するものとする。
【0021】そして、次亜塩素酸ナトリウム溶液とサラ
シ液と亜塩素酸ナトリウム溶液をともに添加する場合に
は、次亜塩素酸ナトリウム溶液を15重量%以下、特に
12〜0.6重量%、サラシ液を24重量%以下、特に
19〜1重量%、亜塩素酸ナトリウム溶液を10重量%
以下、特に8〜0.3重量%添加するのが好ましい。ま
た、これら溶液に代えてそれらの粉末を添加する場合
も、上記各溶液添加量に相当する量の粉末をそれぞれ添
加するものとする。
【0022】また、第1、第2の脱臭固化材において、
石炭灰は、この石炭灰を添加、混合した後の汚泥または
浚渫ヘドロの含水率が100%以下、特に100〜40
%程度となるように添加するのが好ましい。石炭灰の添
加量は、処理する汚泥または浚渫ヘドロの含水率に応じ
て適宜決定される。汚泥または浚渫ヘドロに対して、石
炭灰とセメント系固化材または生石灰とを添加する場
合、汚泥または浚渫ヘドロに対して石炭灰を160〜1
5重量%、セメント系固化材を50重量%以下、特に3
2〜4重量%、または、生石灰を50重量%以下、特に
32〜4重量%添加するのが好ましい。セメント系固化
材と生石灰をともに添加する場合は、セメント系固化材
を汚泥または浚渫ヘドロに対して40重量%以下、特に
20〜2重量%、生石灰を40重量%以下、特に20〜
2重量%とし、セメント系固化材と生石灰の合計の添加
量は汚泥または浚渫ヘドロに対して50重量%以下、特
に32〜4重量%となるようにするのが好ましい。
【0023】この場合、石炭灰としては、微粉炭灰また
は流動床ボイラー灰等を用いることができる。特に、流
動床ボイラー灰(飛灰)であれば、含有されるCaO、
CaSO4により、より一層効果的に固化処理を行うこ
とができるとともに、未燃カーボンによる悪臭物質の吸
着により、より一層効果的に脱臭することができる。
【0024】なお、この石炭灰は、産業廃棄物として火
力発電所などの各所で大量に発生するものであり、安価
に入手することができる。また、微粉炭灰、流動床ボイ
ラー灰の一般的な組成は次の表1に示す通りである。
【0025】
【表1】
【0026】この発明方法において、「セメント系固化
材および/または生石灰」、「活性炭/ゼオライト/石
炭灰」、「次亜塩素酸ナトリウム溶液/サラシ液/亜塩
素酸ナトリウム溶液」の添加順序には特に制限はなく、
同時添加であっても、いずれかを先に添加するものであ
っても良い。この場合、汚泥または浚渫ヘドロとの混合
は一度に行った方が効率が良い。
【0027】この発明方法において、汚泥または浚渫ヘ
ドロへの石炭灰の添加量が上記範囲より少ないと、石炭
灰を添加したことによるセメント系固化材、生石灰、活
性炭、ゼオライトの必要添加量の低減効果が十分に得ら
れない。また、多いと所定の強度に固化することが困難
な場合がある。
【0028】「活性炭および/またはゼオライト」の添
加量や「次亜塩素酸ナトリウム溶液/サラシ液/亜塩素
酸ナトリウム溶液/次亜塩素酸ナトリウム粉末/サラシ
粉/亜塩素酸ナトリウム粉末」の添加量が前記範囲より
少ないと、十分な脱臭効果が得られず、また多いと所定
の強度に固化することが困難な場合がある。このうち、
次亜塩素酸ナトリウム溶液などの本発明酸化剤の添加量
が前記範囲より少ない場合には、汚泥または浚渫ヘドロ
が含有する多量のアンモニアに対して、十分な消臭効果
が得られなくなる。また、セメント系固化材および/ま
たは生石灰の割合が上記範囲より少ないと十分に固化で
きない。また、多いとセメント系固化材および/または
生石灰の添加コストが高くつき好ましくない。
【0029】各添加材の添加割合は上記範囲において、
汚泥または浚渫ヘドロの含水率や臭いの強さの程度及び
固化後の処理方法(廃棄するか、あるいは埋め立て等に
再利用するか)等に応じて適宜決定するのが好ましい。
活性炭および/またはゼオライトは、その比表面積が大
きいため、悪臭物質の吸着による、汚泥または浚渫ヘド
ロが含む各種悪臭物質の脱臭に有効である。この発明方
法によれば、活性炭および/またはゼオライトを添加す
ることにより、悪臭物質が吸着され、通常固化に必要な
セメント系固化材および/または生石灰の添加量を増加
させることなく、脱臭と固化が行える。
【0030】また、本発明酸化剤である次亜塩素酸ナト
リウム溶液/サラシ液/亜塩素酸ナトリウム溶液/次亜
塩素酸ナトリウム粉末/サラシ粉/亜塩素酸ナトリウム
粉末は、汚泥または浚渫ヘドロ中のアンモニアと反応し
てこれを窒素まで酸化分解して消臭する。なお、本発明
酸化剤はアルカリ性であるので、セメント系固化材の固
化を阻害することはない。また、本発明酸化剤は工業的
に大量生産されており、安価に入手可能な物質である。
【0031】本発明酸化剤を添加する脱臭固化方法の場
合、前記材料を必要に応じて組み合わせることにより、
一度にアミン類とアンモニアを脱臭でき、通常のセメン
ト系固化材および/または生石灰による汚泥または浚渫
ヘドロの固化処理と同じ方法で、簡便かつ低コストに汚
泥または浚渫ヘドロの脱臭固化処理ができる。
【0032】微粉炭灰や流動床ボイラー灰等の石炭灰は
比重が小さく、吸水性が高く、汚泥または浚渫ヘドロの
体積当たりの水分を有効に低減させることができる。特
に流動床ボイラー灰はCaOを多量に含むため水分調整
およびポゾラン反応による固化に有効である。また、C
aSO4を含むため、エトリンガイトの生成による固化
強度の発現に有効である。さらに、未燃カーボンにより
悪臭物質を吸着し、脱臭にも有効である。この発明方法
によれば、石炭灰を添加することで汚泥または浚渫ヘド
ロの含水率が低減し、「セメント系固化材および/また
は生石灰」と、「活性炭および/またはゼオライト」の
必要添加量を低減できる。また、この発明方法によれ
ば、これらの添加材を汚泥または浚渫ヘドロ全体と混合
するため、汚泥または浚渫ヘドロ全体を効率的に脱臭固
化処理することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げてこの発明を
より具体的に説明する。なお、以下において、用いた石
炭灰の組成は表2に示す通りである。
【0034】
【表2】
【0035】〈実施例1〜9、比較例1〜4〉含水率1
94%、単位体積重量1.142g/cm3、アンモニ
ア態窒素40ppmの浚渫ヘドロに、表3に示す割合で
各添加材を添加混合し、臭いの強さおよび一軸圧縮強度
を測定し、結果を表3に示した。なお、ここで使用した
浚渫ヘドロは、そのままでは臭いは弱いが、セメント系
固化材や生石灰を添加することにより、アミン系の悪臭
を発するようになる。一軸圧縮強度の測定は、以下のよ
うにして行った。すなわち、試料土に所定量の添加材を
加えて均一になるまでミキサーで混合した。これを、内
径5cm、高さ10cmのモルタル用二つ割りモールド
に気泡を残さぬように充填した。モールド毎に密封し
て、温度20±3℃の室内に静置(養生)した。所定期
間養生した後、脱型し、「JIS A 1216(土の
一軸圧縮試験方法)」に準じ、一軸圧縮試験を行ったも
のである。また、臭気官能試験は、以下の方法によっ
た。すなわち、上記同様に養生した試料をほぐして11
×14cmのバットに広げ、四方を高さ16cmのアク
リル板で囲い、その上から臭いを嗅いだ。そして、次の
4段階評価を行った。 ××: 強く臭う ×: 明らかに臭う ○: 弱く臭う ◎: ほとんど臭わない
【0036】
【表3】
【0037】表3から明らかなように活性炭および/ま
たはゼオライトを添加することにより、通常固化に必要
なセメント系固化材および/または生石灰の添加量で脱
臭と固化とを行うことができる。これに対して、活性炭
および/またはゼオライトを用いない比較例1、2では
脱臭することができず、比較例3、4では脱臭すること
はできるが、大量のセメント系固化材、生石灰を必要と
した。また、比較例3ではセメント系固化材においては
強度が高くなり過ぎ、容易にハンドリングができない状
態となった。
【0038】〈実施例10〜27〉含水率194%、単
位体積重量1.142g/cm3、アンモニア態窒素4
0ppmの浚渫ヘドロに表4に示す割合で各添加材を添
加混合し、臭いの強さ及び一軸圧縮強度を上記方法で測
定し、結果を表4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】表4から明らかなように、石炭灰を添加す
ることにより、活性炭および/またはゼオライトと、セ
メント系固化材および/または生石灰と、の各添加量を
少なくすることができ、この少ない添加量で脱臭と固化
とを行うことができる。また、このとき流動床ボイラー
灰は、活性炭および/またはゼオライトと、セメント系
固化材および/または生石灰との各添加量の低減にきわ
めて有効であり、実施例25〜27では活性炭および/
またはゼオライトを使用しなくても、脱臭が可能であっ
た。
【0041】〈実施例28〜34、比較例5、6〉含水
率176%、単位体積重量1.246g/cm3、アン
モニア態窒素300ppmというアンモニアを多く含む
浚渫ヘドロに、表5に示す割合で各添加材を添加混合
し、臭いの強さおよび一軸圧縮強度を上記方法で測定
し、結果を表5に示した。
【0042】
【表5】
【0043】表5から明らかなように、「活性炭/ゼオ
ライト/石炭灰」を加えただけではアミン類の臭いがな
くなるだけで、アンモニアの刺激臭は残った。しかし、
これに本発明酸化剤の次亜塩素酸ナトリウム溶液などを
加えることにより、このアンモニアも酸化分解され、ほ
とんど臭いがしなくなった。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1〜請求項4
に記載の脱臭固化方法によれば、セメント系固化材や生
石灰を大量に使用せずに、安価に、かつ、効率的に、汚
泥または浚渫ヘドロを脱臭固化処理することが可能であ
る。すなわち、通常の固化に必要なセメント系固化材お
よび/または生石灰の添加量での脱臭が可能である。ま
た、石炭灰を使用することにより、「活性炭および/ま
たはゼオライト」と、「セメント系固化材および/また
は生石灰」の各添加量を低減することが可能である。
【0045】特に、請求項2および請求項4に記載の脱
臭固化方法によれば、セメント系固化材および/または
生石灰と、活性炭、ゼオライト、石炭灰の内の少なくと
も1種とを混合した第1の脱臭固化材を汚泥または浚渫
ヘドロに添加するか、または第1の脱臭固化材と同一成
分に、次亜塩素酸ナトリウム溶液、サラシ液、亜塩素酸
ナトリウム溶液、次亜塩素酸ナトリウム粉末、サラシ
粉、亜塩素酸ナトリウム粉末の内の少なくとも1種を混
合して造った第2の脱臭固化材を、汚泥または浚渫ヘド
ロに添加することにより、汚泥または浚渫ヘドロの固化
および脱臭を効率的に行う脱臭固化方法を得ることがで
きる。また、請求項3および請求項4に記載の脱臭固化
方法によれば、汚泥または浚渫ヘドロ中にアンモニアが
多く含まれていても、これを酸化分解して消臭すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 要 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番1号 三菱マテリアル株式会社セメント開発セン タ−内 (72)発明者 田村 一宏 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番1号 三菱マテリアル株式会社セメント開発セン タ−内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥または浚渫ヘドロに、セメント系固
    化材および/または生石灰を添加するとともに、さら
    に、この汚泥または浚渫ヘドロに、活性炭、ゼオライ
    ト、石炭灰の内の少なくとも1種を添加する汚泥または
    浚渫ヘドロの脱臭固化方法。
  2. 【請求項2】 セメント系固化材および/または生石灰
    と、活性炭、ゼオライト、石炭灰の内の少なくとも1種
    とを混合した第1の脱臭固化材を、汚泥または浚渫ヘド
    ロに添加する汚泥または浚渫ヘドロの脱臭固化方法。
  3. 【請求項3】 汚泥または浚渫ヘドロに、セメント系固
    化材および/または生石灰を添加するとともに、さら
    に、この汚泥または浚渫ヘドロに、活性炭、ゼオライ
    ト、石炭灰の内の少なくとも1種を添加し、しかも、こ
    の汚泥または浚渫ヘドロに、次亜塩素酸ナトリウムの粉
    体、次亜塩素酸ナトリウム溶液、サラシ粉、サラシ液、
    亜塩素酸ナトリウムの粉体、亜塩素酸ナトリウム溶液の
    内の少なくとも1種を添加する汚泥または浚渫ヘドロの
    脱臭固化方法。
  4. 【請求項4】 セメント系固化材および/または生石灰
    と、活性炭、ゼオライト、石炭灰の内の少なくとも1種
    と、次亜塩素酸ナトリウムの粉体、次亜塩素酸ナトリウ
    ム溶液、サラシ粉、サラシ液、亜塩素酸ナトリウムの粉
    体、亜塩素酸ナトリウム溶液の内の少なくとも1種とを
    混合した第2の脱臭固化材を、汚泥または浚渫ヘドロに
    添加する汚泥または浚渫ヘドロの脱臭固化方法。
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