JPH1075057A - フレキシブル多層配線基板の製造方法 - Google Patents

フレキシブル多層配線基板の製造方法

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JPH1075057A
JPH1075057A JP22992396A JP22992396A JPH1075057A JP H1075057 A JPH1075057 A JP H1075057A JP 22992396 A JP22992396 A JP 22992396A JP 22992396 A JP22992396 A JP 22992396A JP H1075057 A JPH1075057 A JP H1075057A
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conductor circuit
insulating
slurry
wiring board
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JP22992396A
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Katsura Hayashi
桂 林
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電率や誘電損失等に影響を及ぼす接着剤を使
用することなく、しかも、厚い銅箔の使用を可能にした
フレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。 【解決手段】転写シート1の表面に金属からなる導体回
路4を形成する導体回路形成工程と、導体回路4が形成
された転写シート1の表面に、有機樹脂及び溶剤を含む
絶縁性スラリーを導体回路4の厚み以上の厚みに塗布し
て絶縁層5を形成する絶縁層形成工程と、転写シートを
剥がし絶縁層5表面に導体回路4が形成された配線層6
を形成する配線層形成工程と、絶縁層形成工程と配線層
形成工程によって得られた複数の配線層を積層し一体化
する工程とを具備するフレキシブル多層配線基板の製造
方法であり、特に、前記有機樹脂が、ポリイミド樹脂、
ポリエステル樹脂のいずれか1種からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、配線層等
を接続したり、IDカードなどのフレキシブル性が要求
される多層配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、紙に樹脂を含浸させた絶縁性基
板表面に銅箔を接着した後、これをエッチングして微細
な回路を形成し、しかるのちにこの基板を積層して多層
化したプリント配線板が提案されている。また、このよ
うなプリント配線板においては、その強度を高めるため
に、有機樹脂に対して、球状あるいは繊維状の無機質フ
ィラーを分散させた基板も提案されており、これらの複
合材料からなる絶縁基板上に多数の半導体素子を搭載し
たマルチ チップモジュール(MCM)等への適用も検
討されている。
【0003】これらのプリント配線板は平板状の剛体で
あるために、機器の小型化に対応させるため、基板を分
割しそれらを柔軟なフレキシブルプリント配線板で結合
する等の対策が取られている。また、ノートパソコンや
携帯端末の表示部等稼働部と本体との接続にもこの様な
フレキシブルプリント配線板が用いられている。
【0004】最近、通信関連などの用途において使用周
波数も高周波に移行しつつあり、また、通信機器内部に
配設されるフレキシブルプリント配線板にも低誘電率や
低誘電損失などの優れた特性が求められている。また、
フレキシブルプリント配線基板に対しても大電流化も要
求されている。しかも、電子機器の小型化、軽量化のた
めにこの様な傾向が益々増大する傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらフレキシブルプ
リント配線板は、一般にはポリイミドやポリエステルの
絶縁テープ上に銅箔等で回路を形成し、それらを接着剤
で積層して作製されている。
【0006】しかしながら、このような接着剤を使用す
る方法で作製されたフレキシブルプリント配線板は、銅
箔の厚さを厚くすると銅箔の厚さ以上に接着剤を加えな
ければならなくなり、接着剤による電気特性の劣化が生
じるために銅箔の厚みを大きくすることができず、大電
流を流すような回路には適用できなかった。しかも、銅
箔を厚くすると、それらを積層した時に、銅箔による導
体回路の凹凸によって、その上面に配設される配線層を
屈曲させて断線等を生じやすくなるなどの問題も発生し
た。そのために、銅箔の厚みはせいぜい12〜35μm
のものが用いられていた。
【0007】しかも、銅箔の接着に用いる接着剤は、そ
もそも電気的特性が良くないので、配線基板の誘電率や
誘電損失等は大きくなる傾向にあり、高周波用としては
不向きであった。
【0008】従って、本発明は、誘電率や誘電損失等に
影響を及ぼす接着剤を使用することなく、しかも、厚い
銅箔の使用を可能にしたフレキシブルプリント配線板の
製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
について検討を重ねた結果、導体回路が形成された絶縁
層の表面に絶縁スラリーを塗布して導体回路を埋設する
か、あるいは、軟質状態の絶縁層に対して導体回路を積
層圧接して導体回路を絶縁層に埋設して多層化すること
により、接着剤を用いることなく、しかも導体回路によ
る凹凸なく多層化できることを見いだし、本発明に至っ
た。
【0010】即ち、本発明のフレキシブル多層配線基板
の製造方法は、転写シートの表面に金属からなる導体回
路を形成する導体回路形成工程と、該導体回路が形成さ
れた転写シートの表面に、有機樹脂及び溶剤を含む絶縁
性スラリーを前記導体回路の厚み以上の厚みに塗布して
絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、該絶縁層形成工程
によって得られた絶縁層を転写シートから剥がし絶縁層
表面に導体回路が形成された配線層を形成する配線層形
成工程と、前記絶縁層形成工程と前記配線層形成工程に
よって得られた複数の配線層を積層し一体化する工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0011】また、有機樹脂からなる絶縁基板を作製す
る絶縁基板作製工程と、前記絶縁基板表面に金属からな
る導体回路を形成する導体回路形成工程と、前記導体回
路が形成された前記絶縁基板の表面に軟質の絶縁層を積
層圧接するか、または有機樹脂を含有する絶縁性スラリ
ーを前記導体回路の厚み以上の厚みに塗布して絶縁層を
形成する絶縁層形成工程と、該絶縁層の表面に金属から
なる導体回路を形成する導体回路形成工程と、前記絶縁
層形成工程と前記導体回路形成工程とを繰り返し行い、
多層化する工程とを具備することを特徴とするものであ
る。
【0012】さらに、転写シートに形成された導体回路
と、有機樹脂からなる軟質状態の絶縁層とを積層圧接し
て前記導体回路を前記絶縁層に転写埋設させる工程と、
前記導体回路が転写埋設された前記絶縁層から前記転写
シートを剥がし、絶縁層の表面に導体回路が埋設された
配線層を作製する工程と、前記配線層を複数作製しそれ
らを積層して一体化する工程とを具備することを特徴と
するものである。
【0013】なお、上記の発明において、前記有機樹脂
は、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂のいずれか1種
からなることを特徴とするのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面をもとに説明
する。図1は、本発明のフレキシブル多層配線基板の製
造方法の第1の態様の工程の説明するための図である。
図2は、本発明のフレキシブル多層配線基板の製造方法
の第2の態様の工程を説明するための図である。図3
は、本発明のフレキシブル多層配線基板の製造方法の第
3の態様の工程を説明するための図である。
【0015】第1の態様によれば、図1に示すように、
まず、転写シート1の表面に導体回路を形成する。この
導体回路は、銅、アルミニウム、金、銀の群から選ばれ
る少なくとも1種、または2種以上の合金からなること
が望ましく、特に、銅、または銅を含む合金が最も望ま
しい。場合によっては、回路の抵抗調整のためにNi−
Cr合金などの高抵抗の金属を混合または合金化しても
よい。
【0016】この導体回路は、所望の金属箔をエッチン
グ法またはレーザー加工して形成したり、メッキ法によ
っても形成できる。例えば、エッチング法では、図1
(a)に示すように、前記転写シート1の表面に上記導
体回路形成金属からなる金属箔2を一面に接着した後、
図1(b)に示すように金属箔上にフォトレジスト、ス
クリーン印刷等の方法で導体回路状にレジスト3を形成
した後、不要な部分をエッチング除去することで図1
(c)に示すような所望の導体回路4を得る。
【0017】この時、上記レジスト3は、一般には、金
属箔の不要部分をエッチング除去した後にレジスト除去
液等により取り除き、洗浄する工程が必要であるが、上
記レジスト3を後述する絶縁層を形成する材料を含有す
るか、類似の材料で構成すれば、レジストの除去等を行
う必要がないため、工程の簡略化を図ることができる上
で有利である。
【0018】次に、図1(d)に示すように、導体回路
4が形成された転写シート1の表面に、有機樹脂を含有
する絶縁性スラリー5を導体回路4の厚みよりも厚く、
特に一層の絶縁層相当の厚みに形成した後、この絶縁性
スラリー5を乾燥または半硬化させる。このスラリー5
の流し込みにより導体回路4は、スラリーの乾燥によっ
て形成された絶縁層5中に空隙の発生なく完全に埋め込
まれることになる。
【0019】この時に用いられる絶縁性スラリー5は、
最終的には、フレキシブル多層配線基板の絶縁層を構成
するものであるため、フレキシブル性を有する絶縁層と
して好適な材料からなることが望まれる。従って、本発
明によれば、このスラリーは、有機樹脂を含む絶縁材料
からなるもので、有機樹脂としては、例えば、ポリイミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、PTFE(フッ素樹脂)、
PPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビス
マレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂が望ましく、
とりわけポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂がフレキシ
ブル性の点で望ましい。
【0020】また、絶縁性スラリーは、好適には、絶縁
層を構成する前述したような有機樹脂ととともに、トル
エン、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、イソプロピル
アルコール、メタノール等の溶媒を添加して所定の粘度
を有する流動体からなる。このスラリーは、転写シート
1の表面で導体回路4によって形成される凹凸を埋める
ためのものであるため、導体回路の間の凹部に十分にス
ラリーが流し込まれて凹部を埋めることができるような
流動性を有することが必要である。かかる観点から、ス
ラリーの粘度は、100〜3000ポイズが適当であ
る。
【0021】この乾燥または半硬化は、スラリー中の有
機樹脂が熱硬化性樹脂の場合には加熱によって行うこと
ができる。
【0022】次に、上記のようにして絶縁層中に導体回
路を埋め込んだ後に、(c)工程で得られた積層物から
転写シート1を剥がすことにより、図1(e)に示すよ
うに、導体回路の表面と絶縁層とが同一平面上に存在す
る平滑性に優れた単層の配線層6を作製することができ
る。
【0023】そして、図1(a)〜(e)のようにして
複数の配線層を作製し、所望により打ち抜き法やレーザ
ーを用いた方法でバイアホールを形成し、バイアホール
内に導電性樹脂や金属フィラーを含有する導電性インク
等を充填した後、所望の枚数を所定位置に積層し加圧も
しくは加熱して密着し一体化して(f)に示すような層
構成のフレキシブル多層配線基板7を作製することがで
きる。なお、最後に絶縁層5で最表面を被って、回路を
絶縁するのが望ましい。
【0024】かかる態様においては、転写シート1表面
に形成された導体回路4の表面は、絶縁性スラリーの乾
燥により形成される絶縁層5との界面となるもので、導
体回路4の絶縁層への密着性を決定する要因である。か
かる観点から、導体回路4の絶縁層5との密着強度を高
める上で、転写シート1表面に形成される金属箔2、言
い換えれば導体回路4の表面粗さは、0.1μm以上、
特に0.3μm〜3μm、最適には0.3〜1.5μm
であるのがよい。
【0025】次に、本発明の第2の態様について図2を
もとに説明する。この態様においては、まず、図2
(a)に示すように適当なフレキシブルな絶縁基板11
の表面に導体回路を形成する。ここで用いられるフレキ
シブル絶縁基板11は、最終的には、フレキシブル多層
配線基板の絶縁層を構成するものであるため、絶縁層と
して好適な材料からなることが望まれる。具体的には、
少なくとも有機樹脂を含む絶縁材料からなるもので、有
機樹脂としては有機樹脂としては、例えば、ポリイミド
樹脂、ポリエステル樹脂、PTFE(フッ素樹脂)、P
PE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマ
レイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂が望ましく、
とりわけポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂がフレキシ
ブル性の点で望ましい。
【0026】一方、導体回路12は、銅、アルミニウ
ム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種、または2
種以上の合金からなることが望ましく、特に、銅、また
は銅を含む合金が最も望ましい。また、場合によって
は、回路の抵抗調整のためにNi−Cr合金などの高抵
抗の金属を混合、または合金化してもよい。なお、この
導体回路12は、先の第1の態様における図(a)
(b)で説明したのと同様な方法で形成することがで
き、図2(a)は、第1の態様の図1(a)〜(c)と
同様にエッチング法によって導体回路を形成した場合の
もので、絶縁基板11の表面に金属箔を一面に形成した
後、導体回路のレジスト13を塗布した後にエッチング
処理して導体回路12が形成される。
【0027】なお、かかる態様において、レジストを除
去する場合、導体回路12と絶縁基板11との密着強度
を高める上では、導体回路形成箇所における導体回路1
2の表面粗さが0.1μm以上である銅箔を用いるか或
いはエッチング等の表面粗化を行うのが良い。表面粗さ
は特に0.3μm〜3μm、最適には0.3〜1.5μ
mであるのがよい。
【0028】次に、図2(b)に示すように、導体回路
12が形成された絶縁基板11の表面に、軟質の絶縁層
を積層して圧接するか、あるいは有機樹脂を含有する絶
縁性スラリーを導体回路12の厚み以上の厚みに塗布し
てこのスラリーを乾燥または半硬化させて、絶縁層14
を形成する。なお、この時に用いる絶縁性スラリーは、
先の第1の態様で用いたのと同様なものが使用されるの
で説明は省略する。なお、軟質の絶縁層は、上記絶縁性
スラリーを用いて乾燥または加熱によって半硬化させた
もので、先端が半球状で直径300μmの針を100g
の加重で侵入させた時の針侵入深さが10μm以上、特
に30μm、さらに50μm以上であることが望まし
い。この軟質性は、溶剤や可塑剤の添加量等によって任
意に制御できる。
【0029】次に、所望により、スルーホールなどの加
工およびホール内への導電性ペーストの充填を行った後
に、図2(b)の絶縁層形成工程によって形成された絶
縁層14の表面に、図2(c)に示すように、図2
(a)と同様の回路形成工程により導体回路15を、例
えばレジスト16形成後のエッチング処理により形成す
る。
【0030】そして、図2(d)に示すように、その表
面に、図2(b)と同様な方法によって、前記絶縁性ス
ラリー17を導体回路15の厚みよりも大きい厚みとな
るように流し込み、これを乾燥または半硬化させて次の
配線層を形成する。
【0031】このように導体回路形成工程と絶縁層形成
工程とを繰り返し行うことにより、さらに多層化を行い
フレキシブル多層配線基板18を作製することができ
る。なお、工程の最後は、絶縁層を形成して図2(d)
に示すように導体回路を絶縁層中に完全に埋設して保護
することが望ましい。
【0032】さらに、本発明の第3の態様について図3
をもとに説明する。図3によれば、まず、図3(a)に
示すように、導体回路22が形成された転写シート21
と、軟質状態の絶縁層23を準備する。転写シート21
に形成される導体回路22は、先の第1および第2と同
様な材質によって構成される。この導体回路22は、所
望の金属箔をエッチング法またはレーザー加工して形成
したり、メッキ法によっても形成される。図3(a)は
エッチング法によるもので、この場合には、転写シート
21の表面に金属箔を一面に形成した後、導体回路パタ
ーンにレジストを塗布した後にエッチング処理しその
後、レジストを除去洗浄して導体回路22が形成され
る。なお、この図ではレジストを除去しているが、レジ
スト24は、後述する絶縁層と同様な材質によって構成
すれば、レジストの除去、洗浄を行う必要はなく、残し
てもよい。
【0033】一方、絶縁層23は、最終的には、フレキ
シブル多層配線基板の絶縁層を構成するものであるた
め、絶縁層として好適な材料からなることが望まれる。
具体的には、少なくとも有機樹脂を含む絶縁材料からな
るもので、有機樹脂としては有機樹脂としては、例え
ば、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、PTFE(フ
ッ素樹脂)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、BT
レジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂
が望ましく、とりわけポリイミド樹脂、ポリエステル樹
脂がフレキシブル性の点で望ましい。なお、熱硬化性樹
脂を含む場合には、半硬化状態であるのがよい。また、
絶縁層23には、予め周知の方法によってバイアホール
25を形成し導体を充填してもよい。
【0034】次に、図3(b)に示すように、前記導体
回路22が形成された転写シート21と軟質状態の絶縁
層23とを積層し、これを圧接、望ましくは10kg/
cm2 以上の圧力を付与することによって導体回路22
を絶縁層23中に埋設する。
【0035】この時の絶縁層23は、先端が半球状で直
径300μmの針を100gの加重で侵入させた時の針
侵入深さが10μm以上、特に30μm、さらに50μ
m以上であることが望ましい。この軟質性は、溶剤や可
塑剤の添加量等によって任意に制御できる。
【0036】次に、図3(c)に示すように、前記
(b)によって作製された積層物から転写シート21を
剥がすことによって、導体回路22の表面と絶縁層23
の表面とが同一平面となる平滑性に優れた単層の配線層
25を作製することができる。
【0037】かかる態様において、レジストを除去した
場合、導体回路22と絶縁層23との密着強度を高める
上では、導体回路形成箇所における導体回路22の表面
粗さが0.1μm以上である銅箔を用いるか或いはエッ
チング等の表面粗化を行うのが良い。表面粗さは特に
0.3μm〜3μm、最適には0.3〜1.5μmであ
るのがよい。
【0038】場合によっては、図3(c)によって形成
された配線層25に対して、ビアホールを形成して導体
ペーストを充填した後、それらを複数層積層圧着して図
3(d)に示すような多層配線基板26を作製すること
ができる。
【0039】このように、本発明のフレキシブル多層配
線基板の製造方法によれば、1層毎の配線層において導
体回路の表面と絶縁層との表面が同一平面に存在する
か、または導体回路が絶縁層内に何ら空隙の発生なく完
全に埋設されるために、従来のような導体回路による凹
凸の発生がなく、従来、配線層の積層時に生じていた空
隙による回路の断線や変形による精度の劣化を防止する
ことができる。これにより、フレキシブル多層配線基板
においても導体回路の厚みを大きくすることが可能とな
り、大電流を流すような回路としても適用できる。しか
も、この方法によれば、接着剤を使用することがないた
めに、接着剤による電気特性の劣化などの問題を完全に
解消することができる。
【0040】よって、今後の半導体の動作周波数が高く
なった場合にも使用することが可能であり、これによっ
て主要な実装形式と考えられているフリップチップ方式
の実装に適した高精度な表面平坦度を有する高密度フレ
キシブル多層配線基板が得られる。特に、第2、第3の
態様は、フレキシブル多層配線基板がさらに集積化さ
れ、絶縁層の薄層化、配線の微細化または基板の寸法精
度が要求される場合に好適である。
【0041】
【実施例】
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる転
写シートの表面に接着剤を塗布して粘着性をもたせ、厚
さ70μm、表面粗化面の表面粗さ1.2μmの銅箔の
表面粗さの少ない面を一面に接着した。その後、後述す
る絶縁性スラリーと同一組成の樹脂に平均粒径1μmの
球状SiO2 を60体積%添加したスラリーからなるレ
ジストを導体回路に形成した後、これを塩化第二鉄溶液
中に浸漬して非パターン部をエッチング除去した。な
お、作製した回路は、導体回路の線幅が150μm、配
線と配線との間隔が150μm以下の微細なパターンで
ある。
【0042】一方、絶縁性スラリーとして、ポリイミド
樹脂にメチルエチルケトンからなる溶媒を加えてミキサ
ーによって十分に混合して粘度2000ポイズのスラリ
ーを調製した。
【0043】そして、このスラリーを先の導体回路が形
成された転写シート上に、ドクターブレード法により2
00μmの厚みで流し込んだ後、50℃−30分加熱処
理してスラリーを半乾燥させた。その後、転写シートを
剥がしたところ、銅からなる導体回路の表面と、絶縁性
スラリーの乾燥によって形成された絶縁層の表面が同一
平面からなる配線層を得ることができた。得られた配線
層の銅の部分の表面をエッチングにより表面粗さ1.5
μmまで粗化した。
【0044】同様にして厚さ200μmからなる8枚の
配線層を作製しレーザーによりバイアホールを形成しそ
のホール内にCu−Ag合金粉末を含むペーストを充填
した。
【0045】そして、位置合わせしてこれらを積層し5
0kg/cm2 程度の圧力で圧着して250℃で2時間
加熱処理して完全硬化させてフレキシブル多層配線基板
を作製した。
【0046】得られたフレキシブル多層配線基板に対し
て、断面における導体回路形成付近を観察した結果、空
隙は全く認められず、また、各配線の導通テストを行っ
た結果、何ら配線の断線は認められなかった。
【0047】実施例2 絶縁性スラリーとして、ポリイミド樹脂にメチルエチル
ケトンからなる溶媒を加えてミキサーによって十分に混
合して粘度2000ポイズのスラリーを調製し、このス
ラリーをテープ状に成形してなるフレキシブル絶縁層の
表面に樹脂の粘着性を利用して、厚さ12μm、表面粗
さ1.2μmの銅箔を一面に接着した。その後、後述す
る絶縁性スラリーと同様な組成からなるレジストを導体
回路に形成した後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して
非パターン部をエッチング除去した。
【0048】なお、作製した導体回路は、線幅が100
μm、配線と配線との間隔が100μm以下の微細なパ
ターンである。
【0049】一方、絶縁性スラリーとして、イミド樹脂
にトルエンとメチルエチルケトンからなる溶媒を加えて
混合機によって十分に混合して粘度500ポイズのスラ
リーを調製した。
【0050】そして、このスラリーをドクターブレード
法により100μmの厚みで成形した後、40℃で30
分処理してスラリーを半乾燥させて針侵入度が50μm
の軟質の絶縁層を形成した。そしてこの軟質の絶縁層を
先の導体回路が形成された絶縁層上に積層して70℃に
加熱しつつ50kg/cm2 の圧力を印加して加熱圧着
させた。その結果、銅からなる導体回路が絶縁層内に埋
設された配線層を得ることができた。
【0051】次に、上記の配線層に対してバイアホール
をYAGレーザーで形成し、そのホール内にCu−Ag
合金粉末を含む銅ペーストを充填した。
【0052】そして、この絶縁層の表面の粘着性を利用
して、厚さ12μm、表面粗さ0.8μmの銅箔を一面
に接着した。その後、先の絶縁性スラリーと同一組成の
スラリーからなるレジストを導体回路に形成した後、こ
れを塩化第二鉄中に浸漬して非パターン部をエッチング
除去して第2層目の導体回路を形成した。
【0053】さらに、第2の導体回路が形成された絶縁
層の表面に、先と同様にして軟質の絶縁層を積層して加
熱圧着させて、銅からなる第2の導体回路が第2の絶縁
層内に埋設された配線層を得ることができた。この操作
を8回繰り返し行い、導体回路が8層からなるフレキシ
ブル多層配線基板を作製することができた。
【0054】得られたフレキシブル多層配線基板に対し
て、断面における導体回路形成付近を観察した結果、空
隙は全く認められず、また、各配線の導通テストを行っ
た結果、何ら配線の断線は認められなかった。
【0055】実施例3 ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる転
写シートの表面に接着剤を塗布して粘着性をもたせ、厚
さ9μm、表面粗化面の表面粗さ0.6μmの銅箔の表
面粗さの少ない面を一面に接着した。その後、感光性樹
脂からなるレジストを導体回路に形成した後、露光現像
を行い、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して非パターン
部をエッチング除去し、その後、残ったレジストを除去
した。なお、作製した回路は、導体回路の線幅が75μ
m、配線と配線との間隔が75μm以下の微細なパター
ンである。
【0056】一方、絶縁性スラリーとして、ポリイミド
樹脂にトルエンとメチルエチルケトンからなる溶媒を加
えて混合機によって十分に混合して粘度500ポイズの
スラリーを調製した。そして、このスラリーをドクター
ブレード法により100μmの厚みで成形した後、40
℃で30分処理してスラリーを半乾燥させて針侵入度が
70μmの軟質状態の絶縁層を形成した。
【0057】そして、この絶縁層に対してバイアホール
をCO2 レーザーで形成し、そのホール内にCu−Ag
合金粉末を含む銅ペーストを充填して単層の絶縁層を形
成した。
【0058】その後、この軟質の絶縁層を先の導体回路
が形成された転写シートとを積層して真空中で80℃に
加熱しつつ50kg/cm2 の圧力を印加して加熱圧着
させた後、転写シートを剥離した。その結果、銅からな
る導体回路が絶縁層内に埋設された配線層を得ることが
できた。
【0059】上記と同様にして8層の配線層を作製し、
それらを位置合わせして積層した後、最表面には絶縁層
を積層して50kg/cm2 程度の圧力で圧着して20
0℃で5時間加熱処理して完全硬化させてフレキシブル
多層配線基板を作製した。
【0060】得られたフレキシブル多層配線基板に対し
て、断面における導体回路形成付近を観察した結果、空
隙は全く認められず、また、各配線の導通テストを行っ
た結果、何ら配線の断線は認められなかった。
【0061】比較例 ポリイミド樹脂の表面に厚さ70μm、表面粗さ3.0
μmの銅箔を接着剤で接着した。その後、光硬化樹脂か
らなるレジストを導体回路に形成した後、これを塩化第
二鉄溶液中に浸漬して非パターン部をエッチング除去し
た。さらに、残留レジストをレジスト剥離液で除去して
洗浄して回路を形成した。なお、作製した導体回路は、
線幅が150μm、配線と配線との間隔が150μmの
パターンである。
【0062】同様にして厚さ200μmからなる6枚の
配線層を作製した後、それぞれ接着剤を塗布し位置合わ
せして積層し50kg/cm2 の圧力で圧着して200
℃で加熱処理して完全硬化させてフレキシブル多層配線
基板を作製した。
【0063】得られたフレキシブル多層配線基板に対し
て、断面における導体回路形成付近を観察した結果、導
体回路の両側に5μmの大きさの空隙が認められ、ま
た、配線の伝送特性を調査した結果、高周波での伝送特
性が劣っていることが確認された。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のフレキシ
ブル多層配線基板の製造方法によれば、一層の配線層に
おける導体回路による凹凸が全くなく、接着剤を用いな
くても多層化できるために、従来、配線層の積層時に用
いていた接着剤が不要となり、また接着の際生じていた
空隙による回路の断線や変形による精度の劣化を防止す
ることができる。これにより、高周波での使用に適し、
今後の半導体の主要な実装形式と考えられているフリッ
プチップ方式の実装に適した高精度な表面平坦度を有す
る高密度フレキシブル多層配線基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の第1の態様の工程を説明す
るための図である。
【図2】本発明の製造方法の第2の態様の工程を説明す
るための図である。
【図3】本発明の製造方法の第3の態様の工程を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1、21 転写シート 2 金属箔 3、13、16 レジスト 4、12、15、22 導体回路 5、11、14、23 絶縁層 6、17、25 配線層 7、18、26 多層配線基板 24 バイアホール 11 絶縁基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写シートの表面に金属からなる導体回路
    を形成する導体回路形成工程と、該導体回路が形成され
    た転写シートの表面に、有機樹脂及び溶剤を含む絶縁性
    スラリーを前記導体回路の厚み以上の厚みに塗布して絶
    縁層を形成する絶縁層形成工程と、該絶縁層形成工程に
    よって得られた絶縁層を転写シートから剥がし絶縁層表
    面に導体回路が形成された配線層を形成する配線層形成
    工程と、前記絶縁層形成工程と前記配線層形成工程によ
    って得られた複数の配線層を積層し一体化する工程とを
    具備することを特徴とするフレキシブル多層配線基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記有機樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリエ
    ステル樹脂のいずれか1種からなることを特徴とする請
    求項1記載フレキシブル多層配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】有機樹脂からなる絶縁基板を作製する絶縁
    基板作製工程と、前記絶縁基板表面に金属からなる導体
    回路を形成する導体回路形成工程と、前記導体回路が形
    成された前記絶縁基板の表面に軟質の絶縁層を積層圧接
    するか、または有機樹脂を含有する絶縁性スラリーを前
    記導体回路の厚み以上の厚みに塗布して絶縁層を形成す
    る絶縁層形成工程と、該絶縁層の表面に金属からなる導
    体回路を形成する導体回路形成工程と、前記絶縁層形成
    工程と前記導体回路形成工程とを繰り返し行い、多層化
    する工程とを具備することを特徴とするフレキシブル多
    層配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記有機樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリエ
    ステル樹脂のいずれか1種からなることを特徴とする請
    求項3記載フレキシブル多層配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】転写シートに形成された導体回路と、有機
    樹脂からなる軟質状態の絶縁層とを積層圧接して前記導
    体回路を前記絶縁層に転写埋設させる工程と、前記導体
    回路が転写埋設された前記絶縁層から前記転写シートを
    剥がし、絶縁層の表面に導体回路が埋設された配線層を
    作製する工程と、前記配線層を複数作製しそれらを積層
    して一体化する工程とを具備することを特徴とするフレ
    キシブル多層配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】前記有機樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリエ
    ステル樹脂のいずれか1種からなることを特徴とする請
    求項5記載フレキシブル多層配線基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006128519A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Tdk Corp 多層基板の製造方法
WO2023006078A1 (zh) * 2021-07-30 2023-02-02 长春捷翼汽车零部件有限公司 制造线束的方法及线束

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