JPH1073959A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH1073959A
JPH1073959A JP24691796A JP24691796A JPH1073959A JP H1073959 A JPH1073959 A JP H1073959A JP 24691796 A JP24691796 A JP 24691796A JP 24691796 A JP24691796 A JP 24691796A JP H1073959 A JPH1073959 A JP H1073959A
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toner
mass
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elastomer
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JP24691796A
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English (en)
Inventor
Masami Fujimoto
雅己 藤本
Tsutomu Konuma
努 小沼
Michiyoshi Shinba
理可 榛葉
Hiroyuki Fujikawa
博之 藤川
Hirohide Tanigawa
博英 谷川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電荷像現像用トナーにおいて、現像器中に
おける微粒子トナーの発生を抑え、且つ、オフセット現
象が発生しない温度範囲を広げる。 【解決手段】 熱可塑性エラストマーを含有させてトナ
ー粒子に弾性を付与すると同時に、THF可溶分のGP
Cにより測定される分子量分布において、分子量10,
000以下の成分を25%以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】トナー製造工程中に粉砕工程を含むトナ
ーにおいて、所望のトナー粒度分布を得るためには、微
粉砕及び分級工程が重要である。
【0003】この場合、生産性を考慮すれば、微粉砕工
程においてできるだけ無駄なく微粉砕物を得る必要があ
る。例えば、過粉砕により微粉成分が増大すれば、分級
収率の低下を招き、生産性に直接的な悪影響を及ぼす。
従って、所望のトナー粒度分布に対して、いかに過不足
なく微粉砕できるかということが重要な問題になる。
【0004】この問題に対して、従来から数々の製造装
置や粉砕法が発案されてきたが、用いられる結着樹脂や
組み合わせて用いられるワックス、或いは磁性体など諸
原料の違いや含有量により、トナーの微粉砕特性は大き
く変化するため、過不足なく微粉砕するには今なお問題
を残している。
【0005】また、従来のトナーを用いて長期に渡り現
像を繰り返した場合、トナーが持つ脆さゆえに現像器中
における撹拌によってトナーが徐々に破壊され、その結
果生じた微粒子状のトナーが帯電阻害や、さらには諸部
材への融着等を引き起こし、電子写真特性の著しい劣化
を招くこともあった。
【0006】一方、従来のトナーにより現像されて得ら
れるトナー像は、転写紙等に定着される必要があり、そ
の定着法としては加熱定着法が広く採用されている。そ
のうち、特に加熱ローラー定着器による定着法は、接触
型の定着法であるため熱効率が高く、比較的低温の熱源
によっても確実にトナー像を定着させることができ、且
つ転写紙の紙詰まりが発生した場合においても発火の危
険が極めて少ない点で好ましい。
【0007】このように加熱ローラーの如く加熱体を転
写紙に接触させることによりトナー画像を定着させる場
合には、加熱体にトナーの一部が付着して後続の画像部
分を汚してしまうオフセット現象が発生するおそれがあ
る。このオフセット現象は、加熱によって溶融したトナ
ーの粘弾性が適当でなく、過大或いは過小の時に発生す
る現象である。従って、オフセット現象が発生しない温
度範囲は、トナーの主成分の一つである結着樹脂の種類
及び含有成分の種類や含有量によって左右される。
【0008】この問題に対して、従来技術として、結着
樹脂に低分子量成分を導入する方法が発案されている
が、この方法によれば、オフセット現象が発生しない温
度範囲を拡大できるが、同時にトナーの脆さを増長して
しまい、その結果、微粉砕工程での過粉砕を招き、ま
た、現像器中での撹拌による破壊を容易にしてしまうと
いう問題を含んでいた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供するこ
とにある。
【0010】即ち、本発明の目的は、トナーの持つ脆性
を改善することにより、微粉砕工程におけるトナーの過
粉砕を防止し、さらには現像器中における撹拌によるト
ナーの破壊をも防ぎ、その結果、トナー生産性を向上さ
せると同時に、長期に渡り現像を繰り返した場合におい
ても現像器中にて微粒子状のトナーの発生を抑え、良好
な電子写真特性を維持できる静電荷像現像用トナーを提
供することにある。
【0011】さらに、本発明の目的は、現像により形成
されたトナー像を通常の加熱ローラー定着器によって転
写紙に定着させる場合においても、オフセット現象が発
生しない温度範囲を広くすることができる静電荷像現像
用トナーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の静電荷像現像用
トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び熱可塑性
エラストマーを含有し、THF可溶分のGPCにより測
定される分子量分布において、分子量10,000以下
の成分を25%以上含有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、上記の構成を採ること
により、トナーの脆性を改善し、耐衝撃性に優れたトナ
ーとすると共に、微粉砕工程での過粉砕を抑制すること
ができ、さらに、現像により形成されたトナー像を通常
の加熱ローラー定着器によって転写紙に定着させる場合
においても、オフセット現象が発生しない温度範囲を広
くすることができるものである。
【0014】本発明のトナーに用いられる熱可塑性エラ
ストマーとしては、ポリブタジエン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ウレ
タン系エラストマー、イソプレン系エラストマー、ニト
リルブタジエン系エラストマー、クロロプレン系エラス
トマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エ
ラストマーが用いられ、その中でも特に、フッ素系エラ
ストマー、シリコーン系エラストマー、ウレタン系エラ
ストマー、ニトリルブタジエン系エラストマー、ポリエ
ステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが好
ましい。
【0015】また、本発明では、次の構造式で表わされ
る構造を基本構造とするエラストマーも用いられる。
尚、構造式中のn、m、lは任意の正の整数である。R
fは少なくとも1個以上のフッ素原子を有するアルキル
基を示す。
【0016】
【化1】
【0017】本発明においては、前記熱可塑性エラスト
マーの添加により、トナー微粉砕工程におけるトナーの
過粉砕が防止され、さらには現像器中における撹拌によ
るトナーの破壊が防止されることによって、トナー生産
性が向上し、同時に、長期に渡り現像を繰り返した場合
においても、現像器中における微粒子状のトナーの発生
が抑えられ、良好な電子写真特性が維持される。これは
該熱可塑性エラストマーの添加により、トナー粒子の弾
性及び靭性が増大するからであると考えられる。
【0018】また、本発明のトナーは、前記熱可塑性エ
ラストマーを含有すると同時に、該トナーのTHF可溶
分のGPCにより測定される分子量分布で、分子量1
0,000以下の成分を25%以上含有することによ
り、現像により形成されたトナー像を通常の加熱ローラ
ー定着器によって転写紙に定着させる場合においても、
オフセット現象が発生しない温度範囲を広くすることが
できる。これは、上記構成を採ることにより、定着時に
おいてトナーの溶融粘度が低下し、且つ同時に弾性を持
ち合わせていることによるものと考えられる。
【0019】本発明のトナーに用いられる熱可塑性エラ
ストマーの含有量は、結着樹脂100質量部に対し0.
1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜
20質量部、望ましくは0.1〜10質量部である。
【0020】該熱可塑性エラストマーの含有量が30質
量部より多い場合、トナー粒子の靭性が過大となり、ト
ナー粉砕及び微粉砕工程において、膨大な粉砕エネルギ
ーが必要となり、生産性の低下を招いてしまうため好ま
しくない。
【0021】また、該トナーのTHF可溶分のGPCに
よる分子量分布において10,000以下の成分が25
%未満の場合、トナーの溶融粘度が十分低下せず、定着
性の劣化を招いてしまうため好ましくない。
【0022】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の結着樹脂を使用することができる。
【0023】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;さらにはポリ
塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹
脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フ
ラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブ
チラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油
系樹脂が使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチ
レン系共重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられ
る。
【0024】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二
重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例
えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカ
ルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類:例えば
エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オ
レフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシ
ルケトンのようなビニルケトン類;例えばビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテルのようなビニルエーテル類;の如きビニル単量体
が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0025】上記スチレン系重合体またはスチレン系共
重合体は架橋されていても良く、混合樹脂でも構わな
い。
【0026】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いること
ができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレング
ルコールジアクリレート、エチレングルコールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの
ような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビ
ニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンのジビニル化合物;及び3個以上
のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物とし
て用いられる。
【0027】本発明において、トナーのGPCによるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0028】即ち、40℃のヒートチャンバ中でカラム
を安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒として
THF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流
し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分
布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成さ
れた検量線の対数値とカウント数との関係から算出し
た。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば東ソー社製或いは昭和電工社製の分子量が102
107 程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出
器にはRI(屈折率)検出器を用いる。尚カラムとして
は、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わ
せるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex G
PC KF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー
社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000
H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(H
XL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),
G7000H(HXL),TSKguardcolumn
の組み合わせを挙げることができる。
【0029】また、試料は以下のようにして作製する。
【0030】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、さらに12時間以上静置する。この時T
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ:0.4
5〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−
5、東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過
させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、
樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整す
る。
【0031】また、定着時の定着部材からの離型性の向
上、定着性の向上の点から、次のようなワックス類をト
ナー中に含有させることも好ましい。
【0032】パラフィンワックス及びその誘導体、モン
タンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワ
ックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワック
ス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘
導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体
には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合
物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪
酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及びそ
の誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワ
ックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0033】中でも好ましく用いられるワックスは、オ
レフィンを高圧下でラジカル重合或いはチーグラー触媒
を用いて重合した低分子量のポリオレフィン及びこの時
の副生成物、高分子量のポリオレフィンを熱分解して得
られる低分子量のポリオレフィン、一酸化炭素、水素か
らなる合成ガスから触媒を用いて得られる炭化水素の蒸
留残分、或いはこれらを水素添加して得られる合成炭化
水素などから得られるワックスが用いられ、酸化防止剤
が添加されていても良い。或いは、アルコール、脂肪
酸、酸アミド、エステル或いは、モンタン系誘導体であ
る。また、脂肪酸等の不純物を予め除去してあるものも
好ましい。
【0034】本発明のトナーにおいては、荷電制御剤を
トナー粒子に配合(内添)、又は混合(外添)して用い
ることが好ましい。該荷電制御剤によって、現像システ
ムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となり、特
に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさらに安定
化したものとすることが可能である。正荷電制御剤とし
ては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;ト
リブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−
ナフトスルホン酸、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれら
の類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれ
らのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらの
レーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン
酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン
酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン
化物、フェロシアン化物が挙げられる)、高級脂肪酸の
金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキ
サイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオル
ガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチ
ルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如き
ジオルガノスズボレート類;これらの単独或いは2種類
以上組み合わせて用いることができる。これらの中で
も、ニグロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニル
メタン顔料の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられ
る。
【0035】さらに、下記一般式
【0036】
【化2】 [R1 :H、CH32 、R3 :置換又は未置換のアルキル基(好ましくは
1 〜C4 )]で表わされるモノマーの単重合体:前述
したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御
剤として用いることができる。この場合、これらの荷電
制御剤は結着樹脂(の全部又は一部)としての作用をも
有する。
【0037】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質が挙げられる。
【0038】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
系の金属錯体がある。他には、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、
無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール
誘導体類がある。
【0039】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有さないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(さらには3μm以下)が好ま
しい。
【0040】現像剤に内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量
部(さらには0.2〜10質量部)用いることが好まし
い。
【0041】本発明のトナーにおいては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を添
加することが好ましい。
【0042】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g
以上(特に50〜400m2 /g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。当該シリカ微粉末はトナー100質
量部に対して0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜
5質量部使用するのが良い。
【0043】本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要
に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的で、シリコ
ーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオ
イル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング
剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有
機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤を併
用して処理されていることも好ましい。
【0044】さらに、トナーへの他の添加剤としては、
例えば滑剤としては、テフロン粉末、ステアリン酸亜鉛
粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末等が挙げられ、中でも
ポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。また研磨剤とし
ては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ス
トロンチウム粉末等が挙げられ、中でもチタン酸ストロ
ンチウム粉末が好ましい。流動性付与剤としては、酸化
チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等が挙げられ、中で
も疎水性のものが好ましい。導電性付与剤としては、カ
ーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉
末、酸化スズ粉末等が挙げられる。またさらに、逆極性
の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量
用いることもできる。
【0045】また、本発明のトナーは、二成分現像剤と
して用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はト
ナー濃度として好ましくは、0.1〜50質量%、より
好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは3〜
10質量%である。
【0046】本発明に使用し得るキャリアとしては、公
知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ
及びこれらの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂或いは
シリコーン系樹脂で処理したものが挙げられる。
【0047】さらに本発明のトナーは、さらに磁性材料
を含有させた磁性トナーとして一成分系現像剤としても
使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割を兼ね
ることもできる。本発明において、磁性トナーを構成す
る際に用いる磁性材料とししては、マグネタイト、ヘマ
タイト、フェライトの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル
のような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバ
ルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、
マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム
のような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
【0048】これらの磁性材料は、平均粒径が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては、樹脂成分100
質量部に対し、好ましくは約20〜200質量部、特に
好ましくは40〜150質量部が良い。
【0049】さらにこれらの磁性材料の、飽和磁化とし
ては、7.95775×102 kA/m(10kOe)
の磁場で、5Am2 /kg(5emu/g)〜200A
2/kg(200emu/g)、さらには10Am2
/kg(10emu/g)〜150Am2 /kg(15
0emu/g)のものが好ましい。
【0050】磁性材料の残留磁化としては、7.957
75×102 kA/m(10kOe)の磁場で、1Am
2 /kg(1emu/g)〜100Am2 /kg(10
0emu/g)、さらには1Am2 /kg(1emu/
g)〜70Am2 /kg(70emu/g)のものが好
ましい。
【0051】磁性材料の磁気特性は、「振動試料型磁力
計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用い
て、外部磁場7.95775×102 kA/m(10k
Oe)の下で測定した値である。
【0052】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルーがある。これらは定着画像の光学濃度を維
持するのに必要充分な量が用いられ、好ましくは樹脂1
00質量部に対し、0.1〜20質量部、より好ましく
は0.2〜10質量部の添加量が良い。
【0053】さらに、同様の目的で染料が用いられる。
例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン
系染料、メチン系染料があり、これらは好ましくは樹脂
100質量部に対し、0.1〜20質量部、より好まし
くは0.3〜10質量部の添加量が良い。
【0054】本発明の静電荷像現像用トナーを作製する
には、結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、熱可塑
性エラストマー、及び必要に応じて、他のトナー構成成
分であるワックス、金属塩ないし金属錯体、磁性材料、
荷電制御剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、
ボールミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロ
ール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用
いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめ、冷却固化
後粉砕及び分級を行って本発明のトナーを得ることがで
きる。
【0055】またさらに必要に応じ、所望の添加剤をヘ
ンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、本発
明にかかる静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0056】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0057】 [結着樹脂の製造例] スチレン 80質量部 ブチルアクリレート 20質量部 2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 0.2質量部 上記化合物を懸濁重合することにより重合体Aを得た。
【0058】 スチレン 82質量部 ブチルアクリレート 18質量部 ジ−t−ブチルパーオキサイド 2質量部 上記化合物を、キシレンを溶媒とした溶液重合法により
重合体Bを得、重合体Aと重合体Bを30:70の質量
比で溶液混合してスチレン系樹脂の結着樹脂1を得た。
【0059】この結着樹脂1は、Mw=282,00
0、Tg=60℃であった。
【0060】[実施例1] 結着樹脂1 100質量部 ニトリルブタジエンゴム(日本合成ゴム社製JSR−NBR) 8質量部 マグネタイト 80質量部 ニグロシン 2質量部 低分子量ポリプロピレン 2質量部 上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合した後、15
0℃に設定した二軸混練押出し機によって溶融混練し
た。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機によ
って微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、質量平均径
8μmの分級品1を得た。この分級品1:100質量部
に対し、疎水性処理シリカを0.8質量部ヘンシェルキ
ミサーにより外添混合し、トナー1を得た。このトナー
1のGPC測定結果は、11,000と580,000
にピークを有し、10,000以下の成分が35%であ
った。
【0061】分級品1の製造過程における、微粉砕工程
での粉砕粒度分布を調べた。分級品1の微粉砕後の微粉
量の割合(個数平均径4μm以下)は、50.1%であ
り、過粉砕なく効率よく粉砕されていることがわかっ
た。
【0062】次に、このトナー1を、市販の電子写真複
写機NP6030(キヤノン社製)に充填し、加熱ロー
ラー定着器における定着温度を200℃に設定して1
0,000枚連続コピーを行ったところ、オフセット現
象は発生せず、安定した熱定着が可能であることがわか
った。また、連続コピー終了後、現像器中の現像スリー
ブ近傍のトナーの粒度分布は、連続コピー開始前のトナ
ーの粒度分布と変化がなく、このことから、現像器中に
おいて、撹拌等の機械的衝撃に対しても安定した強度を
有することがわかった。
【0063】[実施例2]実施例1において、ニトリル
ブタジエンゴム8質量部をポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー(大日本インキ化学工業社製グリラックスE−
500)3質量部に変更する以外は、実施例1と同様に
して分級品2及びトナー2を得た。このトナー2のGP
C測定結果は、11,000と580,000にピーク
を有し、10,000以下の成分が35%であった。
【0064】分級品2の製造過程における、微粉砕工程
での粉砕粒度分布を調べた。分級品2の微粉砕後の微粉
量の割合(個数平均径4μm以下)は、53.5%であ
り、過粉砕なく効率良く粉砕されていることがわかっ
た。
【0065】次にこのトナー2を用い、実施例1と同様
にして10,000枚連続コピーを行ったところ、オフ
セット現象は発生せず、安定した熱定着が可能であるこ
とがわかった。また、連続コピー終了後、現像器中の現
像スリーブ近傍トナーの粒度分布は、連続コピー開始前
のトナー粒度分布と変化がなく、このことから、現像器
中において、撹拌等の機械的衝撃に対しても安定した強
度を有することがわかった。
【0066】[実施例3]実施例1において、ニトリル
ブタジエンゴム8質量部をポリアミドエラストマー(ダ
イセル・ヒュルス社製ダイアミド−PAE)10質量部
に変更する以外は、実施例1と同様にして、分級品3及
びトナー3を得た。このトナー3のGPC測定結果は、
11,000と580,000にピークを有し、10,
000以下の成分が35%であった。
【0067】分級品3の製造過程における、微粉砕工程
での粉砕粒度分布を調べた。分級品3の微粉砕後の微粉
量の割合(個数平均径4μm以下)は49.9%であ
り、過粉砕なく効率よく粉砕されていることがわかっ
た。
【0068】次に、このトナー3を用い、実施例1と同
様にして10,000枚連続コピーを行ったところ、オ
フセット現象は発生せず、安定した熱定着が可能である
ことがわかった。また、連続コピー終了後、現像器中の
現像スリーブ近傍のトナーの粒度分布は、連続コピー開
始前のトナーの粒度分布と変化がなく、このことから、
現像器中において、撹拌等の機械的衝撃に対しても安定
した強度を有することがわかった。
【0069】[実施例4]実施例1において、ニトリル
ブタジエンゴム8質量部をフッ素系エラストマー(ダイ
キン工業社製ダイエルサーモプラスチック)5質量部に
変更する以外は、実施例1と同様にして、分級品4及び
トナー4を得た。このトナーのGPC測定結果は、1
1,000と580,000にピークを有し、10,0
00以下の成分が35%であった。
【0070】分級品4の製造過程における、微粉砕工程
での粉砕粒度分布を調べた。分級品4の微粉砕後の微粉
量の割合(個数平均径4μm以下)は55.8%であ
り、過粉砕なく効率よく粉砕されていることがわかっ
た。
【0071】次に、このトナー4を用い、実施例1と同
様にして10,000枚連続コピーを行ったところ、オ
フセット現象は発生せず、安定した熱定着が可能である
ことがわかった。また、連続コピー終了後、現像器中の
現像スリーブ近傍のトナーの粒度分布は、連続コピー開
始前のトナーの粒度分布と変化がなく、このことから、
現像器中において、撹拌等の機械的衝撃に対しても安定
した強度を有することがわかった。
【0072】[比較例1]実施例1において、ニトリル
ブタジエンゴム8質量部を用いなかった以外は、実施例
1と同様にして、分級品5及びトナー5を得た。このト
ナー5のGPC測定結果は、11,000と580,0
00にピークを有し、10,000以下の成分が35%
であった。
【0073】分級品5の製造過程における、微粉砕工程
での粉砕粒度分布を調べた。分級品5の微粉砕後の微粉
量の割合(個数平均径4μm以下)は、60.2%であ
り、明らかに過粉砕ぎみであり、粉砕効率が悪く、その
結果分級収率も著しく低下した。
【0074】次に、このトナー5を用い、実施例1と同
様にして10,000枚連続コピーを行ったところ、コ
ピー画像の一部にオフセット現象が発生し、同時に定着
性の低下が見られた。一方、連続コピーを進めるに連れ
て、画像濃度が低下し、かぶりが増加してくる傾向が見
られ、電子写真特性が阻害されていることが伺われた。
この原因は、現像器中でのトナーの破壊による微粉成分
の増加と考えられ、事実、連続コピー終了後の現像器中
の現像スリーブ近傍のトナーの粒度分布は、連続コピー
開始前のトナーの粒度分布と比較し、若干微粉量の分布
が大きくなっていた。このことから、トナー5は現像器
中において、撹拌等の機械的強度に対して、破壊され易
いことがわかった。
【0075】
【発明の効果】本発明のトナーは、特定の粒度分布を有
し且つ熱可塑性エラストマーを含有することで、脆性が
改善され、定着オフセットの未発生範囲が拡大されてい
る。これにより、トナー製造の微粉砕工程において、ト
ナー粒子の過粉砕が抑制され、生産性が向上されると同
時に、実際の現像プロセスにおいて、現像器中でのトナ
ーの耐機械的破壊性が向上し、優れた電子写真特性を維
持することができる。
【0076】また、定着温度領域での定着に必要な粘性
が充分に得られ、且つ、溶融状態での弾性も得られるた
め、定着オフセットが防止され、定着温度領域の拡大が
図られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 谷川 博英 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び熱可
    塑性エラストマーを含有し、THF可溶分のGPCによ
    り測定される分子量分布において、分子量10,000
    以下の成分を25%以上含有することを特徴とする静電
    荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性エラストマーが、フッ素系
    エラストマー、シリコーン系エラストマー、ウレタン系
    エラストマー、ニトリルブタジエン系エラストマー、ポ
    リエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー
    から選ばれる、少なくとも1つのエラストマーを含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 上記熱可塑性エラストマーを、結着樹脂
    100質量部に対し0.1〜30質量部用いることを特
    徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
JP24691796A 1996-08-30 1996-08-30 静電荷像現像用トナー Pending JPH1073959A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7754407B2 (en) 2004-03-31 2010-07-13 Tomoegawa Co., Ltd. Toner for developing electrostatic charge images
US9348247B2 (en) 2012-05-10 2016-05-24 Canon Kabushiki Kaisha Toner and method of producing toner

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7754407B2 (en) 2004-03-31 2010-07-13 Tomoegawa Co., Ltd. Toner for developing electrostatic charge images
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Effective date: 20040217