JPH1073825A - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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JPH1073825A
JPH1073825A JP23180996A JP23180996A JPH1073825A JP H1073825 A JPH1073825 A JP H1073825A JP 23180996 A JP23180996 A JP 23180996A JP 23180996 A JP23180996 A JP 23180996A JP H1073825 A JPH1073825 A JP H1073825A
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polymer
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Michinori Nishikawa
通則 西川
Yasuaki Mutsuka
泰顕 六鹿
Yoshitomo Yasuda
慶友 保田
Shigeo Kawamura
繁生 河村
Yasuo Matsuki
安生 松木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚均一性の高い薄膜を形成することが
でき、優れた表示特性を液晶表示素子に発現させ得る液
晶配向剤の提供。 基板に対する塗布量が少量であっ
ても、膜厚均一性の高い薄膜を形成することができる液
晶配向剤の提供。 液晶配向性に優れた液晶配向膜を形成することがで
きる液晶配向剤の提供。 液晶表示素子に高いプレチルト角を発現させること
ができる液晶配向剤の提供。 長液晶表示素子に高い
信頼性を発現させることができる液晶配向剤の提供。 【解決手段】 ポリアミック酸およびそのイミド化重合
体から選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する溶液
よりなる液晶配向剤であって、前記溶液の表面自由エネ
ルギーが30dyn/cmを超え、38dyn/cm以
下であり、表面自由エネルギーが38dyn/cmを超
え、50dyn/cm以下である薄膜を形成することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の液
晶配向膜を形成するために用いられる液晶配向剤に関
し、さらに詳しくは、印刷法などによって膜厚均一性の
高い薄膜を形成することができ、良好な液晶配向性、高
いプレチルト角および長期間の使用における信頼性を液
晶表示素子に発現させることができる液晶配向剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明導電
膜が設けられている基板の当該表面に液晶配向膜を形成
して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置して
その間隙内に、正の誘電異方性を有するネマチック型液
晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、当該液
晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連
続的に90度捻れるようにした、いわゆるTN(Twi
sted Nematic)型液晶セルを有するTN型
液晶表示素子が知られている。このTN型液晶表示素子
などの液晶表示素子における液晶分子の配向は、通常、
ラビング処理により液晶分子に対する配向能が付与され
た液晶配向膜により実現される。ここに、液晶表示素子
を構成する液晶配向膜の材料としては、従来より、ポリ
アミック酸、およびポリアミック酸を脱水閉環したイミ
ド化重合体が知られており、これらは、耐熱性、液晶と
の親和性、機械的強度などに優れているために多くの液
晶表示素子に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているポリアミック酸および/またはイミド化重合
体を含有してなる液晶配向剤は、これを例えば印刷法な
どにより液晶表示素子用の基板に適用した場合に、膜厚
の均一性の高い薄膜を形成することが困難であって、例
えば50Åを超える相当に大きな膜厚ムラを有する状態
で薄膜が形成されるため、液晶表示素子において良好な
表示特性が得られる液晶配向膜を形成することができな
い、という問題がある。また、従来知られているポリア
ミック酸および/またはイミド化重合体を含有てなる液
晶配向剤により形成される液晶配向膜では、高いプレチ
ルト角(例えば3°以上)を発現させることが困難であ
り、最近における液晶表示素子の高輝度化・高精細化の
要請に十分対応することができない。さらに、従来知ら
れているポリアミック酸および/またはイミド化重合体
を含有してなる液晶配向剤により形成される液晶配向膜
を備えた液晶表示素子において、当該液晶表示素子を長
期間使用すると、白いシミ状の表示欠陥が発生すること
があり、これにより、液晶表示素子としての信頼性が損
なわれていた。
【0004】本発明は、以上のような事情に基いてなさ
れたものであって、本発明の第1の目的は、膜厚均一性
の高い薄膜を形成することができ、優れた表示特性を液
晶表示素子に発現させることができる液晶配向剤を提供
することにある。本発明の第2の目的は、基板に対する
塗布量が少量であっても、膜厚均一性の高い薄膜を形成
することができる液晶配向剤を提供することにある。本
発明の第3の目的は、液晶配向性に優れた液晶配向膜を
形成することができる液晶配向剤を提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、液晶表示素子に高いプレチ
ルト角を発現させることができる液晶配向剤を提供する
ことにある。本発明の第5の目的は、長期間の使用によ
っても液晶表示素子に表示欠陥を発生させず、液晶表示
素子に高い信頼性を発現させることができる液晶配向剤
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、液晶配向剤に
より形成される薄膜の膜厚均一性は、当該薄膜(重合体
被膜)の表面自由エネルギーのみならず、当該薄膜を得
るための液晶配向剤(重合体溶液)の表面自由エネルギ
ーにも依存すること、これら2つの表面自由エネルギー
を特定の範囲とすることにより、その範囲内において
は、溶媒の種類とは無関係に、際立って優れた膜厚均一
性が発現されることを見出し、かかる知見に基いて本発
明を完成するに至った。
【0006】本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸
(以下「重合体A」ともいう)およびそのイミド化重合
体(以下「重合体B」ともいう)から選ばれた少なくと
も1種の重合体を含有する溶液よりなる液晶配向剤であ
って、前記溶液の表面自由エネルギーが30dyn/c
mを超え、38dyn/cm以下であり、表面自由エネ
ルギーが38dyn/cmを超え、50dyn/cm以
下である薄膜を形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の液晶配向剤を構成する重合体Aは、テト
ラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを反応させ
て得られるポリアミック酸であり、本発明の液晶配向剤
を構成する重合体Bは、この重合体Aを脱水閉環した構
造を有するイミド化重合体である。
【0008】<テトラカルボン酸二無水物>上記重合体
Aの合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は、特
に限定されるものではなく、例えばブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジ
メチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキ
サンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,
5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水
物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒ
ドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラ
ニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−
メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5
−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−
ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−
7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,
3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒド
ロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン
−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテ
トラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,
2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物、下記一般式〔I〕〜〔II〕で表される
化合物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物および脂
環式テトラカルボン酸二無水物;
【0009】ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジ
メチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’
−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル
スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタ
ル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフ
ィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス
(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニ
ルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス
(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオー
ル−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、
1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリ
テート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式
(1)〜(4)で表される化合物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種
単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1 およびR3 は、芳香環を有す
る2価の有機基を示し、R2 およびR 4 は、水素原子ま
たはアルキル基を示す。複数存在するR2 およびR
4 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
【0012】
【化2】
【0013】これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5
−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−
ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−
ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記一
般式〔I〕で表される化合物のうち下記式(5)〜
(7)で表される化合物および上記一般式〔II〕で表さ
れる化合物のうち下記式(8)で表される化合物が、良
好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ま
しく、特に好ましいものとして、1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル
−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸
二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチ
ル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラ
ニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオ
ン、ピロメリット酸二無水物および下記式(5)で表さ
れる化合物を挙げることができる。
【0014】
【化3】
【0015】<ジアミン化合物>上記重合体Aの合成に
用いられるジアミン化合物は、特に限定されるものでは
なく、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレン
ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノ
ナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)
−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−
(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイ
ンダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9
−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−
メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,
5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、1,4.4’−(p−
フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’
−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ
−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフル
オロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
【0016】1,1−メタキシリレンジアミン、1,3
−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジア
ミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミ
ン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチ
レンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−
ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビ
ス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式
ジアミン;下記一般式〔III 〕で表されるモノ置換フェ
ニレンジアミン類;下記一般式〔IV〕で表されるジアミ
ノオルガノシロキサン;下記式(9)〜(13)で表さ
れる化合物などを挙げることができる。これらのジアミ
ン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R5 は、−O−、−COO−、−
OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−
から選ばれる2価の有機基を示し、R6 は、ステロイド
骨格またはトリフルオロメチル基を有する1価の有機基
を示す。)
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素
基を示し、複数存在するR7 は、それぞれ同一であって
も異なっていてもよい。pは1〜3の整数であり、qは
1〜20の整数である。)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、yは2〜12の整数であり、zは
1〜5の整数である。)
【0023】これらのうち、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−
アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピ
リデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジ
イソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキ
サンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、上記式(9)〜(13)で表される化合物、上
記一般式〔III 〕で表される化合物のうち下記式(1
4)〜(18)で表される化合物が好ましい。
【0024】
【化7】
【0025】<重合体A>重合体Aの合成反応に供され
るテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割
合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対し
て、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜
2当量となる割合であることが好ましく、更に好ましく
は0.3〜1.2当量となる割合である。
【0026】重合体Aの合成反応は、有機溶媒中で、通
常0〜150℃、好ましくは0〜100℃の反応温度で
1〜48時間にわたって行われる。上記有機溶媒として
は、反応で生成する重合体Aを溶解しうるものであれば
特に制限はない。具体的には、例えばN−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブ
チロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホ
ルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾ
ール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノー
ルなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。有機
溶媒の使用量は、通常、テトラカルボン酸二無水物およ
びジアミン化合物の総量が、反応溶液の全量に対して
0.1〜30重量%になる量であることが好ましい。
【0027】なお、上記有機溶媒には、重合体Aの貧溶
媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテ
ル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを、生成
する重合体Aが析出しない範囲で併用することができ
る。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレング
リコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ
酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、乳酸プルピル、乳酸ブチル、乳酸ペンチル、ジエチ
ルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチ
レングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブ
チルエーテル、エチレングリコールヘキシルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレング
リコールメチルフェニルエーテル、エチレングリコール
エチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−
ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸
エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−
メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチ
ル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプ
ロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、
3−メチル−3−メトキシブタノール、3−エチル−3
−メトキシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタ
ノール、2−エチル−2−メトキシブタノール、3−メ
チル−3−エトキシブタノール、3−エチル−3−エト
キシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタノー
ル、2−エチル−2−エトキシブタノール、テトラヒド
ロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、
1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベ
ンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げる
ことができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合
わせて用いられる。
【0028】以上の合成反応によって、重合体Aを溶解
してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を
大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧
下乾燥することにより重合体Aを得ることができる。ま
た、この重合体Aを再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧
溶媒で析出する工程を1回または数回行うことにより、
重合体Aの精製を行うことができる。
【0029】<重合体B>本発明の液晶配向剤を構成す
る重合体Bは、上記重合体Aを脱水閉環することにより
調製することができる。重合体Aの脱水閉環は、(i)
重合体Aを加熱する方法により、または(ii)重合体A
を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉
環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われ
る。
【0030】上記(i)の重合体Aを加熱する方法にお
ける反応温度は、通常50〜200℃とされ、好ましく
は60〜170℃とされる。反応温度が50℃未満では
脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を
超えると得られる重合体Bの分子量が低下することがあ
る。
【0031】一方、上記(ii)の重合体Aの溶液中に脱
水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水
剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができ
る。脱水剤の使用量は、重合体Aの繰り返し単位1モル
に対して0.01〜20モルとするのが好ましい。ま
た、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジ
ン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用
いることができるが、これらに限定されるものではな
い。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに
対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、
脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、重合体A
の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げ
ることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、
通常0〜180℃、好ましくは10〜150℃とされ
る。また、このようにして得られる反応溶液に対し、重
合体Aの精製方法と同様の操作を行うことにより、重合
体Bを精製することができる。
【0032】<末端修飾型の重合体>本発明の液晶配向
剤を構成する重合体は、分子量が調節された末端修飾型
のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用い
ることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配
向剤の塗布特性などを改善することができる。このよう
な末端修飾型のものは、重合体Aを合成する際に、酸一
無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物
などを反応系に添加することにより合成することができ
る。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン
酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシ
ニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、
n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデ
シルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。
また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シ
クロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチル
アミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n
−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミ
ン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−
トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペン
タデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタ
デシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシ
ルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシ
アネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネー
ト、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができ
る。
【0033】<重合体の対数粘度>本発明の液晶配向剤
を構成する重合体は、その対数粘度(ηln)の値が、
好ましくは0.05〜10dl/g、さらに好ましくは
0.05〜5dl/gのものである。ここに、対数粘度
(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒
として用い、重合体の濃度が0.5g/100ミリリッ
トルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下
記数式によって求められるものである。
【0034】
【数1】
【0035】<液晶配向剤>本発明の液晶配向剤は、重
合体Aおよび/または重合体Bが有機溶媒に含有された
溶液(重合体溶液)よりなるものである。本発明の液晶
配向剤を、例えば印刷法、スピンコート法などにより基
板表面に塗布し、塗膜を乾燥して溶媒を除去することに
より、配向膜材料である薄膜が形成される。
【0036】本発明の液晶配向剤における重合体(重合
体Aおよび/または重合体B)の含有割合は、粘性、揮
発性などを考慮して選択されるが、好ましくは液晶配向
剤の0.1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重
量%の範囲とされる。重合体の含有割合が0.1重量%
未満である場合には、形成される薄膜の膜厚が過小とな
って良好な液晶配向膜を得ることができないことがあ
り、20重量%を超える場合には、薄膜の膜厚が過大と
なって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の
粘度が増大して塗布特性に劣るものとなることがある。
【0037】重合体を溶解させる有機溶媒としては、重
合体を溶解して、表面自由エネルギーが30dyn/c
mを超え、38dyn/cm以下である溶液が得られる
ものの中から、1種単独で、または2種以上を混合して
用いることができる。溶液の表面自由エネルギーが38
dyn/cmを超える場合には、基板に対する溶液のぬ
れ性が十分でなく、30dyn/cm以下の場合には、
溶媒に対する重合体の相溶性が十分でないため、得られ
る薄膜はいずれも膜厚均一性に劣るものとなる。
【0038】本発明の液晶配向剤は、溶液としての表面
自由エネルギーが30dyn/cmを超え、38dyn
/cm以下とされ、好ましくは32〜38dyn/cm
とされる。なお、この表面自由エネルギーは、25℃に
おける値をいうものとする。溶液としての表面自由エネ
ルギーを当該範囲とすることにより、形成される薄膜の
膜厚均一性は際立って優れたものとなる。そして、この
結果、最終的に得られる液晶表示素子において優れた表
示特性が発現されると共に、基板に対する塗布量が少量
である場合であっても、当該液晶表示素子に優れた諸特
性(膜厚均一性,液晶配向性,高プレチルト角)を発現
させることができる。この表面自由エネルギーが30d
yn/cm以下である場合、およびこの表面自由エネル
ギーが38dyn/cmを超える場合の何れにおいて
も、形成される薄膜の膜厚均一性が急激に低下すると共
に、得られる液晶表示素子が良好な液晶配向性を有する
ものとならない。
【0039】溶液としての表面自由エネルギーを上記範
囲に調整する方法としては、例えば、重合体を溶解しう
る有機溶媒と、重合体の貧溶媒とを併用して液晶配向剤
を得る方法が用いられる。重合体を溶解しうる有機溶媒
としては、重合体Aの合成反応や脱水閉環反応に用いら
れるものとして例示した溶媒を挙げることができる。ま
た、貧溶媒としては、重合体Aの合成反応の際に併用す
ることができるものとして例示した貧溶媒を挙げること
ができ、これらの貧溶媒を併用することによって、溶液
の表面自由エネルギーを減少させ、上記範囲に調整する
ことができる。
【0040】本発明の液晶配向剤は、表面自由エネルギ
ーが38dyn/cmを超え、50dyn/cm以下で
ある薄膜を形成するものとされる。液晶配向剤が、38
dyn/cm以下の表面自由エネルギーの薄膜を与える
ものであるときは、発泡しやすいものとなり、膜厚均一
性が損なわれるとともに、得られる液晶表示素子が良好
な液晶配向性を有するものとならない。一方、液晶配向
剤が、50dyn/cmを超える表面自由エネルギーの
薄膜を与えるものであるときは、得られる液晶表示素子
に高いプレチルト角を発現させることができず、更に当
該液晶表示素子を長期間の使用に供する場合に表示欠陥
が発生する。
【0041】形成される薄膜の表面自由エネルギーを上
記範囲に調整する方法としては、例えば、液晶配向剤を
構成する重合体として、表面自由エネルギーの高い薄膜
を与える重合体と、表面自由エネルギーの低い薄膜を与
える重合体とを、適宜の割合で混合して使用する方法を
挙げることができる。特に、重合体の合成に用いられる
テトラカルボン酸二無水物および/またはジアミン化合
物中に、フッ素原子または長鎖アルキル基を含有する化
合物を導入することにより、表面自由エネルギーの低い
薄膜を与える重合体が得られる。
【0042】本発明の液晶配向剤には、基板表面に対す
る薄膜の接着性を向上させる観点から、官能性シラン含
有化合物やエポキシ基含有化合物が配合されていてもよ
い。このような官能性シラン含有化合物としては、例え
ば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプ
ロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリ
エトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−ト
リメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、1
0−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカ
ン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザ
デカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニ
ルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジア
ザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレ
ン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビ
ス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシランなどを挙げることができる。また、エポキシ基
含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグ
リシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラ
グリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミ
ン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグ
リシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどを
好ましいものとして挙げることができる。これら官能性
シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物の配合割合
は、重合体100重量部に対して、通常40重量部以下
とされ、好ましくは0.1〜30重量部とされる。
【0043】<液晶表示素子>本発明の液晶配向剤を用
いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって
製造することができる。 (1)パターニングされた透明導電膜が設けられた基板
の透明導電膜側に、本発明の液晶配向剤を、例えばロー
ルコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によっ
て塗布し、次いで塗布面を加熱することにより被膜を形
成する。ここに基板としては、例えばフロートガラス、
ソーダガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルムなど
からなる透明基板を用いることができる。基板の一面に
設けられた透明導電膜としては、SnO2 からなるNE
SA膜、In2 3 −SnOからなるITO膜などを用
いることができ、これらの透明導電膜のパターニングに
は、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる方法な
どが用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板お
よび透明導電膜と薄膜との接着性をさらに良好にするた
めに、基板及び透明導電膜上に、予め官能性シラン含有
化合物、チタネートなどを塗布することもできる。また
加熱温度は、80〜250℃とされ、好ましくは120
〜200℃とされる。形成される被膜の膜厚は、通常、
0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.5μ
mである。
【0044】(2)形成された被膜は、ナイロン、レー
ヨンなどの合成繊維からなる布を巻き付けたロールで一
定方向に擦るラビング処理を行うことにより、液晶分子
の配向能が被膜に付与されて液晶配向膜となる。また、
ラビング処理による方法以外に、被膜表面に偏光紫外線
を照射して配向能を付与する方法や、一軸延伸法、ラン
グミュア・ブロジェット法などで被膜を得る方法などに
より、液晶配向膜を形成することもできる。なお、ラビ
ング処理時に発生する微粉末(異物)を除去して表面を
清浄な状態とするために、形成された液晶配向膜をイソ
プロピルアルコールなどによって洗浄することが好まし
い。また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配
向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平
6−281937号公報に示されているような、紫外線
を部分的に照射することによってプレチルト角を変化さ
せるような処理、あるいは特開平5−107544号公
報に示されているような、ラビング処理された液晶配向
膜上にレジスト膜を部分的に形成し、先行のラビング処
理とは異なる方向にラビング処理を行った後、前記レジ
スト膜を除去して、液晶配向膜の配向能を変化させるよ
うな処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性
を改善することが可能である。
【0045】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作成し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を間隙(セルギャップ)を介して対向させ、2枚
の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板の
表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に
液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。
そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成
するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方
向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング
方向と一致または直交するように貼り合わせることによ
り、液晶表示素子が得られる。上記シール剤としては、
例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウ
ム球を含有したエポキシ樹脂などを用いることができ
る。上記液晶としては、ネマティック型液晶、スメクテ
ィック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティ
ック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、ア
ゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキ
サン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビ
フェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジ
オキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系
液晶などが用いられる。また、これらの液晶に、例えば
コレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレ
ステリルカーボネートなどのコレステリック液晶や商品
名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として
販売されているようなカイラル剤などを添加して使用す
ることもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン
−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強
誘電性液晶も使用することができる。また、液晶セルの
外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコー
ルを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼
ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、
またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることが
できる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。また、以下の実施例および比較例によって
調製された液晶配向剤、作製された液晶表示素子につい
ての測定方法および評価方法は下記のとおりである。
【0047】〔液晶配向剤(溶液)の表面自由エネルギ
ー〕白金リングを備えた吊環法による表面自由エネルギ
ー計〔協和界面科学(株)製〕を用いて、温度25℃に
おいて測定した。
【0048】〔薄膜の表面自由エネルギー〕文献「JO
URNAL OF APPLIED POLYMER
SCIENCE VOL.13,PP.1741−17
47(1969)」に記載されている、D.K.OWE
NSらの方法に従い、薄膜上における純水の接触角およ
びヨウ化メチレンの接触角から、次のようにして求め
た。
【0049】固体の表面に液体が接触している系におい
て、当該液体の表面自由エネルギー(表面張力ともいわ
れる。)と、固体の表面自由エネルギーと、接触角との
関係は、下記数式(1)で表わされる。
【数2】
【0050】ここで、γL :液体の表面自由エネルギ
ー γL d :液体の表面自由エネルギーの分散成分 γL p :液体の表面自由エネルギーの極性成分 γS d :固体の表面自由エネルギーの分散成分 γS p :固体の表面自由エネルギーの極性成分 θ :接触角
【0051】而して、20℃において、純水について
は、γL =72.8、γL d =21.8およびγL p
51.0(単位はdyn/cm)であり、ヨウ化メチレ
ンについては、γL =50.8、γL d =49.5およ
びγL p =1.3である。これらの値を数式(1)に代
入すると、純水の場合には下記数式(2)が、ヨウ化メ
チレンの場合には数式(3)が得られる。ここで、θ1
およびθ2 は、それぞれ純水およびヨウ化メチレンの接
触角である。
【0052】
【数3】
【0053】従って、数式(2)および数式(3)に、
接触角の測定値を代入し、この連立方程式からγS d
よびγS p を求め、さらに下記数式(4)により薄膜の
表面自由エネルギーγS を求めた。
【0054】
【数4】
【0055】なお、接触角は、接触角測定装置「CA−
A型」(協和界面科学(株)製)を用いて、水またはヨ
ウ化メチレンを薄膜上に4マイクロリットル滴下し、1
分間経過後の接触角を測定することにより求めた。
【0056】〔薄膜の膜厚均一性〕シリコーンウェハよ
りなる基板上に液晶配向剤を印刷法によって塗布し、当
該基板を180℃で1時間乾燥して形成された薄膜につ
いて、測定点10点を選び触針式膜厚計「アルファステ
ップ」(米国TENCOR INSTRUMENTS社
製)で膜厚を測定し、薄膜の膜厚の平均値および最大格
差(最大膜厚と最小膜厚との差)を求めた。
【0057】〔液晶配向剤の必要塗布量〕ITO膜電極
が設けられた透明基板(10インチ角)に液晶配向剤を
印刷法により塗布するに際し、当該基板100枚の表面
に塗布するのに要した液晶配向剤の量を求めた。
【0058】〔液晶の配向性〕液晶表示素子に電圧をオ
ン・オフさせた時の液晶セル中の異常ドメインの有無を
偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良
好」と、ある場合を「不良」と判定した。
【0059】〔液晶表示素子のプレチルト角〕「T.
J.Schffer,et.al.,J.Appl.P
hys.,vol.19,2013(1980)」に記
載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶
回転法により測定した。
【0060】〔長期間使用における信頼性(表示欠陥の
有無)〕高温高湿環境(温度80℃,相対湿度80%)
下において、液晶表示素子を、5V、60Hzの矩形波
で駆動させ、1000時間経過後における白いシミ状の
表示欠陥の有無を目視により観察した。
【0061】〔合成例1〕2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.00
モル)、p−フェニレンジアミン21.63g(0.2
0モル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン14
8.70g(0.75モル)および3,5−ジアミノ安
息香酸コレステリル26.04g(0.05モル)をN
−メチル−2−ピロリドン2000gに溶解させ、この
溶液を50℃で6時間反応させた。次いで、得られた反
応溶液を大過剰の純水に注いで反応生成物を沈澱させ
た。その後、固形物を分離して純水で洗浄し、減圧下4
0℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度(ηl
n)1.28dl/gの重合体(A−1)386.9g
を得た。
【0062】〔合成例2〕合成例1で得られた重合体
(A−1)30.0gをγ−ブチロラクトン570gに
溶解させ、ピリジン33.3gおよび無水酢酸25.8
gを添加して110℃で3時間脱水閉環させた。次い
で、合成例1と同様にして、反応生成物の沈殿・分離・
洗浄・乾燥を行うことにより、対数粘度(ηln)1.
31dl/gの重合体(B−1)28.0gを得た。
【0063】〔合成例3〕合成例1において用いたテト
ラカルボン酸二無水物に代えて、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒド
ロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン314.30g
(1.00モル)を用いたこと以外は合成例1と同様に
して、対数粘度(ηln)1.08dl/gの重合体
(A−2)469.8gを得た。その後、重合体(A−
1)に代えて重合体(A−2)30.0gを用いたこと
以外は合成例2と同様にして、対数粘度(ηln)1.
01dl/gの重合体(B−2)26.9gを得た。
【0064】〔合成例4〕合成例3において用いたジア
ミン化合物に代えて、p−フェニレンジアミン81.1
1g(0.75モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン39.65g(0.20モル)および3,5−ジ
アミノ安息香酸コレステリル26.04g(0.05モ
ル)を用いたこと以外は合成例3と同様にして、対数粘
度(ηln)1.18dl/gの重合体(A−3)42
4.1gを得た。その後、重合体(A−1)に代えて重
合体(A−3)30.0gを用いたこと以外は合成例2
と同様にして、対数粘度(ηln)1.11dl/gの
重合体(B−3)27.2gを得た。
【0065】〔合成例5〕合成例3において用いたジア
ミン化合物に代えて、p−フェニレンジアミン21.6
3g(0.20モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン138.79g(0.70モル)および3,5−
ジアミノ安息香酸コレステリル52.08g(0.10
モル)を用いたこと以外は合成例3と同様にして、対数
粘度(ηln)0.88dl/gの重合体(A−4)4
84.8gを得た。その後、重合体(A−1)に代えて
重合体(A−4)30.0gを用いたこと以外は合成例
2と同様にして、対数粘度(ηln)0.74dl/g
の重合体(B−4)26.8gを得た。
【0066】〔合成例6〕合成例1において用いたテト
ラカルボン酸二無水物に代えて、ピロメリット酸二無水
物218.12(1.00モル)を用いたこと以外は合
成例1と同様にして、対数粘度(ηln)1.58dl
/gの重合体(A−5)385.4gを得た。
【0067】〔合成例7〕合成例1において用いたジア
ミン化合物に代えて、p−フェニレンジアミン107.
06g(0.99モル)を用いたこと以外は合成例1と
同様にして、対数粘度(ηln)1.39dl/gの重
合体(A−6)315.7gを得た。
【0068】〔合成例8〕合成例3において用いたジア
ミン化合物に代えて、p−フェニレンジアミン21.6
3g(0.20モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン118.96g(0.60モル)および3,5−
ジアミノ安息香酸コレステリル104.16g(0.2
0モル)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対
数粘度(ηln)0.68dl/gの重合体(A−7)
508.7gを得た。その後、重合体(A−1)に代え
て重合体(A−7)30.0gを用いたこと以外は合成
例2と同様にして、対数粘度(ηln)0.54dl/
gの重合体(B−7)26.5gを得た。
【0069】<実施例1> (1)液晶配向剤の調製:合成例1で得られた重合体
(A−1)1gを、N−メチル−2−ピロリドンと3−
エトキシプロピオン酸エチルとの混合溶媒(混合重量
比:60/40)に溶解させて、固形分濃度4重量%の
溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過し
て液晶配向剤を調製した。得られた液晶配向剤(溶液)
の表面自由エネルギーは35.2dyn/cmであっ
た。
【0070】(2)薄膜の形成:この液晶配向剤を、I
TO膜からなる透明電極が設けられたガラス基板の当該
透明電極面に配向剤塗布用印刷機を用いて塗布し、18
0℃のホットプレート上で20分間乾燥することにより
薄膜を形成した。この薄膜の膜厚の平均値は500Å、
膜厚の最大格差が15Åであり、膜厚均一性に優れてい
るものであった。この薄膜の表面自由エネルギーは4
5.3dyn/cmであった。
【0071】(3)液晶配向膜の形成:形成された薄膜
の表面に対し、レーヨン製の布を巻き付けたロールを有
するラビングマシーンを用いてラビング処理を行うこと
により、液晶分子の配向能を当該薄膜に付与して液晶配
向膜を形成した。ここに、ラビング処理条件は、ロール
の回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/
秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。
【0072】(4)液晶表示素子の作製:上記のように
して液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞ
れの基板の外縁部に、直径17μmの酸化アルミニウム
球を含有するエポキシ樹脂をスクリーン印刷法によって
塗布した後、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方
向が逆平行となるように2枚の基板を間隙を介して対向
配置し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化
させた。次いで、基板の表面および外縁部の接着剤によ
り区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶
「ZLI−5080」(メルク社製)を注入充填し、次
いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶セルを
構成した。次いで、液晶セルの外表面、すなわち、液晶
セルを構成するそれぞれの基板の他面に、偏光方向が当
該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と
一致するように偏光板を貼り合わせることにより、液晶
表示素子を作製した。
【0073】(5)液晶表示素子の評価:以上のように
して作製された液晶表示素子について、液晶配向性を調
べたところ、電圧をオン・オフさせた時に液晶セル中に
異常ドメインは認められず、優れた配向性を有するもの
であることが認められた。また、この液晶表示素子にお
けるプレチルト角は5.3°と高い値を示し、高温高湿
下において長期間使用しても白いシミ状の表示欠陥は認
められず、信頼性の高いものであった。
【0074】<実施例2〜実施例10>表1に示す重合
体Aおよび重合体Bの各々を同表に示す組成の混合溶媒
の各々に溶解させて固形分濃度4重量%の溶液を得、こ
の溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発
明の液晶配向剤を調製し、基板上に薄膜を形成し、当該
薄膜にラビング処理を行って液晶配向膜を形成し、当該
液晶配向膜を備えてなる液晶表示素子を作製した。
【0075】<比較例1〜比較例6>表2に示す重合体
Aおよび重合体Bの各々を同表に示す組成の混合溶媒の
各々に溶解させて固形分濃度4重量%の溶液を得、この
溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較用
の液晶配向剤を調製し、基板上に薄膜を形成し、当該薄
膜にラビング処理を行って液晶配向膜を形成し、当該液
晶配向膜を備えてなる液晶表示素子を作製した。
【0076】上記実施例1〜10および比較例1〜6に
より調製された液晶配向剤(溶液)の各々についての表
面自由エネルギー、形成された薄膜の表面自由エネルギ
ー、当該薄膜の膜厚均一性、前記液晶配向剤の必要塗布
量、作製された液晶表示素子の液晶配向性、プレチルト
角および長期使用における表示欠陥の有無について、測
定結果および評価結果を表1〜表2に示す。
【0077】なお、表1〜表2において、混合溶媒を構
成する溶媒(a)〜(e)の種類は下記のとおりであ
る。 ・溶媒(a):N−メチル−2−ピロリドン ・溶媒(b):3−エトキシプロピオン酸エチル ・溶媒(c):エチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル ・溶媒(d):γ−ブチロラクトン ・溶媒(e):エチレングリコールブチルエーテル
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】<液晶配向剤(溶液)の表面自由エネルギ
ーと膜厚均一性との関係>実施例3〜5および比較例3
〜4により調製された液晶配向剤について、液晶配向剤
(溶液)の表面自由エネルギーと、形成された薄膜の膜
厚均一性との関係を図1に示す。上記実施例および比較
例に係る液晶配向剤は、何れも、溶媒(a)と溶媒
(c)との混合溶媒に重合体(A−1)を溶解させて調
製したものであり、表面自由エネルギーが45.3dy
n/cmの薄膜を形成するものである。図1に示すよう
に、実施例3〜5に係る液晶配向剤と、比較例3〜4に
係る液晶配向剤とでは、形成される薄膜の膜厚均一性の
効果に関して、顕著な差異が認められる。
【0081】さらに、実施例1〜10および比較例1〜
4により調製された液晶配向剤について、液晶配向剤
(溶液)の表面自由エネルギーと、形成された薄膜の膜
厚均一性との関係を図2に示す。図2に示すように、液
晶配向剤(溶液)の表面自由エネルギーを特定の範囲
(30dyn/cmを超え38dyn/cm以下)に制
御することにより、重合体の種類および溶媒の種類とは
無関係に、格段に優れた膜厚均一性の効果が認められ
る。
【0082】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤によれば、基板に対
する塗布量が少量であっても、膜厚均一性の高い薄膜を
形成することができ、優れた表示特性を液晶表示素子に
発現させることができる。また、本発明の液晶配向剤に
よれば、液晶配向性に優れた液晶配向膜を形成すること
ができると共に、液晶表示素子に高いプレチルト角を発
現させることができる。さらに、本発明の液晶配向剤に
よれば、長期間の使用によっても液晶表示素子に表示欠
陥を発生させず、当該液晶表示素子に高い信頼性を発現
させることができる。
【0083】本発明の液晶配向剤により形成される液晶
配向膜は、TN型液晶表示素子のみならずSTN(Su
per Twisted Nematic)型液晶表示
素子、SH(Super Homeotropic)型
液晶表示素子、IPS(In−Plane−Switc
hing)型液晶表示素子、強誘電性液晶表示素子およ
び反強誘電性液晶表示素子など種々の液晶表示素子を構
成するために好適に使用することができる。また、当該
液晶配向膜を備えた液晶表示素子は、液晶の配向性およ
び信頼性にも優れ、種々の装置に有効に使用することが
でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示
板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶
テレビなどの表示装置として好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3〜5および比較例3〜4により調製さ
れた液晶配向剤について、液晶配向剤(溶液)の表面自
由エネルギーと、形成された薄膜の膜厚均一性との関係
を示すグラフである。
【図2】実施例1〜10および比較例1〜4により調製
された液晶配向剤について、液晶配向剤(溶液)の表面
自由エネルギーと、形成された薄膜の膜厚均一性との関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 繁生 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミック酸およびそのイミド化重合
    体から選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する溶液
    よりなる液晶配向剤であって、 前記溶液の表面自由エネルギーが30dyn/cmを超
    え、38dyn/cm以下であり、 表面自由エネルギーが38dyn/cmを超え、50d
    yn/cm以下である薄膜を形成することを特徴とする
    液晶配向剤。
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CN111212878A (zh) * 2017-12-14 2020-05-29 Jsr株式会社 液晶取向剂、液晶取向膜及液晶元件
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TWI814748B (zh) * 2017-12-14 2023-09-11 日商Jsr股份有限公司 液晶配向劑、液晶配向膜、液晶元件及液晶配向膜的製造方法

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