JPH1073748A - 照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ - Google Patents

照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ

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JPH1073748A
JPH1073748A JP9172263A JP17226397A JPH1073748A JP H1073748 A JPH1073748 A JP H1073748A JP 9172263 A JP9172263 A JP 9172263A JP 17226397 A JP17226397 A JP 17226397A JP H1073748 A JPH1073748 A JP H1073748A
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JP
Japan
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plastic optical
water
optical fiber
heat
resistant plastic
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Application number
JP9172263A
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English (en)
Inventor
Hiroki Hiramatsu
浩己 平松
Yoshikazu Hayakawa
良和 早川
Tomiya Abe
富也 阿部
Masanori Matsumoto
雅則 松本
Toru Sasaki
徹 佐々木
Shigenori Nemoto
重則 根元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Denso Corp
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿下においてもコアへの透湿を防ぎ、
安定した光量を保つことができる照明用大口径耐熱プラ
スチック光ファイバを提供する。 【解決手段】 耐熱プラスチック光ファイバ10の外周
に、PVCシート、金属層、PVCシート及び粘着層を
順に積層した遮水テープ3aを、粘着層を内側にしてフ
ァイバ10に縦添えもしくは横巻きし、これを熱処理し
てPVC層同士を強固に接着させることにより遮水層を
形成する。これにより、樹脂層4を透湿しても遮水層3
が湿気を遮断し、ファイバ10への透湿を防ぐことがで
きる。また、この上に柔軟な樹脂層4を被覆すること
で、ファイバ10を曲げた際にテープの浮きが発生して
も樹脂層4がこの浮きを押さえて隙間の発生を防ぐの
で、屈曲特性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱プラスチック
光ファイバに係り、特に湿熱環境下で使用される照明用
大口径耐熱プラスチック光ファイバに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来プラスチック光ファイバは、コア、
クラッド(又はクラッド兼ジャケット)、及びジャケッ
トからなり、一般的にセンサー用途、短距離伝送用途、
バンドル状での照明用途等で使われている。しかし、最
近では柔軟性に富んだ大口径のものが水中、自動車照明
をはじめとする耐環境性の厳しい分野で適用されつつあ
る。特に湿熱環境が厳しい分野での適用要求が増えてき
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大口径
用のプラスチック光ファイバに柔軟性を持たせるために
はコア自体が柔軟であることが必要である。しかし柔軟
性のある樹脂をコアに用いている大口径プラスチック光
ファイバは、厳しい湿熱環境下にさらされると、ジャケ
ットだけでなくクラッドも透湿し、水蒸気がコアにまで
達してしまう。このためこの水蒸気が、柔軟なコアを形
成する高分子材料内の自由体積部に入り込んでしまい、
冷却されるとコア材料内部で光の波長以上の大きさの凝
集体を形成し、この凝集体が通過光の散乱体となるため
にコアが白濁し、光が通らなくなってしまうという欠点
があった。
【0004】そこで、本発明は、湿熱環境下においても
コアへの透湿を防ぎ、かつ高温使用下でも優れた光学特
性を有する照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、コアとその外周に設けられたクラ
ッドとからなる耐熱プラスチック光ファイバの外周に遮
水層を設けたものである。
【0006】請求項2の発明は、上記遮水層はポリ塩化
ビニルシート、金属層、ポリ塩化ビニルシート、及び粘
着層を順に積層した遮水テープで形成されたものであ
る。
【0007】請求項3の発明は、上記遮水テープを粘着
層が内側になるように耐熱プラスチック光ファイバに縦
添えもしくは横巻きしたものである。
【0008】請求項4の発明は、上記遮水層は金属層、
ポリ塩化ビニルシート、及び接着層を順に積層した遮水
テープで形成されており、その遮水テープを金属層が内
側になるように耐熱プラスチック光ファイバに縦添えも
しくは横巻きしたものである。
【0009】請求項5の発明は、上記遮水層の外周にポ
リ塩化ビニル又はポリエチレン又はポリウレタンを押出
しあるいは被覆したものである。
【0010】上記構成によれば、本発明にかかる照明用
大口径耐熱プラスチック光ファイバを高温及び湿熱下で
使用する際にジャケットを透湿しても、耐熱プラスチッ
ク光ファイバ自体に透湿する前に遮水テープの金属層に
水蒸気が遮断されるので、コア及びクラッドへの透湿を
防いでファイバの白濁による光量低下を防ぐことができ
る。
【0011】また、ファイバを曲げた際にテープに浮き
が発生しても、ジャケットによってこの浮きが押さえら
れ、ファイバへの透湿を防ぐことができ、湿熱環境下で
曲げを加えても光ファイバの性能を維持できる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適実施の形態を
添付図面を用いて詳述する。
【0013】図1に本発明の照明用大口径耐熱プラスチ
ック光ファイバの構成図を示し、図2(a)は図1の横
断面図を示し、図2(b)は図1の縦断面図を示す。
【0014】図1中、10は耐熱プラスチック光ファイ
バを示し、このファイバ10は、光の通路となる断面が
円形状のコア1と、そのコア1の外周に設けられ、コア
1よりも屈折率の小さなクラッド2とから構成されてい
る。
【0015】本発明の横巻きタイプの照明用大口径耐熱
プラスチック光ファイバ20は、図示するように、この
耐熱プラスチック光ファイバ10と、その光ファイバ1
0の外周に設けられ、コア1及びクラッド2への透湿を
防止する遮水層3と、この遮水層3の外周に設けられ、
これらコア1、クラッド2及び遮水層3を保護するため
のジャケット4とから構成されている。
【0016】コア1は熱硬化樹脂であるシリコーン樹脂
で形成され、また、クラッド2はふっ化エチレンプロピ
レン(FEP)で形成されている。図2に示すように、
遮水層は、後述する遮水テープ3aを、ラップ長さdを
15mm以上にして耐熱プラスチック光ファイバ10の外
周にスパイラル状に巻き付けて形成されている。この遮
水テープ3aの断面図を図3に示す。
【0017】遮水テープは、図示するように、例えば金
属層6を曲げに対して保護する上部樹脂層5aと、湿気
を遮断する金属層6と、同じく金属層6を曲げに対して
保護する下部樹脂層5bと、これら樹脂層5a,5b及
び金属層6をクラッドの周りに固定するための粘着層7
とが順に積層されて構成されている。
【0018】この遮水テープは、耐熱プラスチック光フ
ァイバの外周に巻き付ける際に、粘着層7が内側になる
ように巻き付けられる。
【0019】次に、本発明の照明用大口径耐熱プラスチ
ック光ファイバ20の変形例を図4に示す。図4(a)
は横断面図を示し、図4(b)は縦断面図を示す。
【0020】図4(a),(b)に示すように、重ね横
巻きタイプの照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ
30は、遮水テープ3a,3bを2枚使い、1枚の遮水
テープ3aを耐熱プラスチック光ファイバ10の外周に
スパイラル状に巻き付け、そのスパイラル部分の隙間に
もう1枚の遮水テープ3bを、ラップ長さdを5mm以上
にして重ね巻きすることで遮水層が形成される。
【0021】更に、本発明の照明用大口径耐熱プラスチ
ック光ファイバ20の他の変形例を図5に示す。図5
(a)は横断面図を示し、図5(b)は縦断面図を示
す。
【0022】図5(a),(b)に示すように、縦添え
タイプの照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ40
は、遮水テープ3aを耐熱プラスチック光ファイバ10
に平行に縦添えし、ラップ長さdを10mm以上にして耐
熱プラスチック光ファイバ10を包み込むことで遮水層
が形成される。
【0023】尚、これら耐熱プラスチック光ファイバ1
0のコア1としては、柔軟性、透明性、耐熱性などの特
性に優れるものであれば特に限定されるものではなく、
シリコーン樹脂やアクリル樹脂やポリカーボネート等が
挙げられる。また、クラッド2としては、コア1よりも
低屈折率であって透明性が良く、耐熱性、柔軟性などの
特性に優れるものであれば特に限定されるものではな
く、ふっ化エチレンプロピレン、PFA、プロピレン,
四ふっ化エチレン共重合体(PTFE)、クロロトリフ
ルオロエテレン(CTFE)、エチレン,四ふっ化エチ
レン共重合体(ETFE)等のふっ素樹脂や、テトラフ
ルオロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン共重合体な
どが挙げられる。また、耐熱プラスチック光ファイバ1
0のコア径及びクラッドの肉厚は必要に応じて選択され
れば良い。しかしコア径としては、2mm以下では照明用
として実用的な光量は得られず、30mm以上になるとフ
ァイバ状に形成した場合に柔軟性が失われて曲がらなく
なる。
【0024】遮水テープ3aは、金属層6をPVCシー
ト層5で挟んで構成したが、これは、PVCは伸びがあ
り柔軟なことから遮水テープ3a自体の伸び、つまりフ
ァイバ20の曲げなどによる金属層6への負担を低減さ
せる効果があるからである。
【0025】このPVCシート層5をPET(ポリエチ
レンテレフタレート)等の固くて伸びが少ない材料で形
成すると、照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ2
0の曲げにより遮水テープ3aが曲げられた際に、PE
Tが伸びる前に金属層6部分が伸びるのでPETに亀裂
などが入ったり、また遮水テープ3aのラップ部に隙間
が空いてしまい、金属層6を曲げに対して保護する性能
を満たすことができなくなってしまうという問題が生じ
てしまう。
【0026】金属層6の材料としては、アルミ箔や、鉛
箔、亜鉛箔など防湿性があれば特に限定されないが、コ
ストなどの点でアルミ箔が優れており、柔軟性の点で鉛
箔が優れている。金属層6の厚さは、ピンホールの有無
の点でアルミ箔で20μm以上、鉛箔で50μm以上で
あることが望ましい。
【0027】また、遮水テープ3aのラップ長さdは、
粘着層7部分からの透湿を防ぐため、5mm以上にするこ
とが望ましい。これは、実際、粘着層7も樹脂のため透
湿することが考えられるので、5mm以下であると透湿時
間が早く、また曲げ等に対しても接着部分の短さから剥
がれが起きてしまうからである。
【0028】粘着層7の材料は特に限定されないが、P
VC同士の接着力及び保持の点からPVCや金属との相
性が良いものが望ましく、ホットメルト樹脂や粘着剤な
どが挙げられる。
【0029】また、ジャケット4の材料は、曲げ性、柔
軟性などを考慮してPVC、ポリエチレン(PE)、ポ
リウレタン等の柔軟な樹脂が望ましい。
【0030】次に本発明の作用を説明する。
【0031】本発明にかかる照明用大口径耐熱プラスチ
ック光ファイバ20を高温及び湿熱下で使用するに際し
ては、ジャケット4を透湿しても、耐熱プラスチック光
ファイバ10自体に透湿する前に遮水テープ3aに湿気
が遮断されるので、コア1及びクラッド2へ透湿しな
い。従って、耐熱プラスチック光ファイバ10の白濁に
よる光量低下を防ぐことができる。
【0032】また、照明用大口径耐熱プラスチック光フ
ァイバ20を曲げた際には、金属層6はPVC層5a,
5bにより圧力が緩和されるので、金属層6が疲労しな
い。また、遮水テープ3aが曲がり浮きが発生しても、
ジャケット4によってこの浮きが押さえられて遮水テー
プ3a間に浮きによる隙間が発生しない。従って、湿熱
環境下で曲げを加えても耐熱プラスチック光ファイバ1
0の性能を維持できる。
【0033】以上、本発明にかかる遮水シート3aを4
層に積層したものについて説明したが、この遮水シート
3aの他の実施の形態として、3層に積層したものもあ
る。この遮水シート3aを図6に示す。
【0034】図6に示すように、3層に積層した遮水テ
ープは、湿気を遮断する金属層11と、その金属層11
を曲げに対して保護する軟質PVC樹脂層12と、それ
ら金属層11及び軟質PVC樹脂層12を耐熱プラスチ
ック光ファイバ10の周りに固定するための接着層13
とが順に積層されて構成されている。
【0035】この遮水テープは、金属層11が内側にな
るようにして、図2に示したように耐熱プラスチック光
ファイバ10の外周にラップ長さdを15mm以上にして
スパイラル状に巻き付けて形成される。
【0036】このように、遮水テープを3層に形成する
ことにより、ポリ塩化ビニルが高温使用時に可塑剤や熱
分解によるガスを発生しても、これらを遮断できるの
で、光ファイバ10のコア1の劣化を防止して光学特性
の低下を防止でき、耐湿性と耐熱性の両立を図った照明
用大口径プラスチック光ファイバ20を実現することが
できる。
【0037】尚、遮水テープを3層に形成する場合も、
図4に示したように、耐熱プラスチック光ファイバ10
に、遮水テープを重ね横巻きして遮水層を形成しても良
く、また、図5に示したように、遮水テープを縦添えし
て遮水層を形成しても良い。
【0038】
【実施例】次に、より具体的な実施例を比較例と併せて
説明する。
【0039】先ず、実施例と比較例に使用する光ファイ
バとして、クラッドとなる内径9mm,外径11mmのFE
Pチューブにコアとなるシリコーンゴム前駆体を注入
し、熱処理することで耐熱プラスチック光ファイバを作
製した。この耐熱プラスチック光ファイバの初期分光ス
ペクトル、及び耐熱試験(120℃、1500時間)後
の分光スペクトルを図7に示す。
【0040】図7に示すように、耐熱試験後も伝送損失
の増加は見られなかった。
【0041】(実施例1)上部樹脂層は厚さ100μm
のPVCシート、金属層は50μmのアルミ箔、下部樹
脂層は180μmのPVCシート、粘着層はPVC系ホ
ットメルト接着剤で形成した遮水テープを作製し、これ
を耐熱プラスチック光ファイバの外周に、粘着層が内側
になるように1/2ラップに横巻き(ラップ長さdは1
5mm)した後、熱を加えると共にホットメルト接着剤に
よってPVC層同士を接着させた。更に、遮水テープを
巻いたファイバの上から難燃PE収縮チューブを被覆す
ることで、横巻き1/2ラップタイプの照明用大口径耐
熱プラスチック光ファイバを作製した。
【0042】(実施例2)耐熱プラスチック光ファイバ
の外周に実施例1と同じ遮水テープを2枚使い、1枚を
スパイラル状に横巻きし、そのスパイラル部分の隙間に
もう1枚の遮水テープを重ね巻きした。この時、下層の
遮水テープと上層の遮水テープとのラップ長さdを5mm
以上にしてラップさせ熱処理によってPVC同士を接着
させた。この上から難燃PE収縮チューブを被覆するこ
とで、重ね横巻きタイプの照明用大口径耐熱プラスチッ
ク光ファイバを作製した。
【0043】(実施例3)100μmのPVCのシー
ト、50μmの鉛箔、180μmのPVCシート、PV
C系ホットメルト接着剤を順に積層した遮水テープを作
製し、これを耐熱プラスチック光ファイバの外周に、ホ
ットメルト接着剤が内側になるように縦添え(ラップ長
さdは10mm)し、熱処理によってPVC同士を接着さ
せた。その上から難燃PE収縮チューブを被覆すること
で、縦添えタイプの照明用大口径耐熱プラスチック光フ
ァイバを作製した。
【0044】(実施例4)金属層30μmのアルミ箔、
樹脂層150μmの軟質PVCフィルム、接着層10μ
mのPVC系ホットメルト接着剤を順に積層した幅30
mmの遮水テープを作製し、これを耐熱プラスチック光
ファイバの外周に、金属層が内側になるように1/2ラ
ップに横巻き(ラップ長さdは15mm)した後、熱を加
えホットメルト接着剤によってラップ間のPVCと金属
を接着させた。更に、遮水テープを巻いたファイバの上
から難燃ポリエチレンの熱収縮チューブ(肉厚0.5m
m)を被覆することで、横巻き1/2ラップタイプの照
明用大口径耐熱プラスチック光ファイバを作製した。
【0045】(実施例5)金属層50μmの鉛箔、樹脂
層150μmの軟質PVCフィルム、接着層10μmの
PVC系ホットメルト接着剤を順に積層した幅30mm
の遮水テープを作製し、これを耐熱プラスチック光ファ
イバの外周に、金属層が内側になるように1/2ラップ
に横巻き(ラップ長さdは15mm)した後、熱を加えホ
ットメルト接着剤によってラップ間のPVCと金属を接
着させた。更に、遮水テープを巻いたファイバの上から
難燃ポリエチレンの熱収縮チューブ(肉厚0.5mm)
を被覆することで、横巻き1/2ラップタイプの照明用
大口径耐熱プラスチック光ファイバを作製した。
【0046】(実施例6)金属層50μmの鉛箔、樹脂
層150μmの軟質PVCフィルム、接着層10μmの
PVC系ホットメルト接着剤を順に積層した幅30mm
の遮水テープを作製し、これを耐熱プラスチック光ファ
イバの外周に、金属層が内側になるように1/2ラップ
に横巻き(ラップ長さdは15mm)した後、熱を加えホ
ットメルト接着剤によってラップ間のPVCと金属を接
着させた。更に、遮水テープを巻いたファイバの上から
ポリウレタンを押出機を用いて肉厚0.5mmで被覆す
ることで、横巻き1/2ラップタイプの照明用大口径耐
熱プラスチック光ファイバを作製した。
【0047】(比較例1〜5)これら実施例1〜6の照
明用大口径耐熱プラスチック光ファイバのほかに、比較
例1として何も被覆していない耐熱プラスチック光ファ
イバ10と、また、比較例2として耐熱プラスチック光
ファイバ10の外周に難燃PE収縮チューブを被覆した
ジャケット付耐熱プラスチック光ファイバを作製した。
さらに、比較例3として、コア径1.5mm、クラッド径
2.2mmの耐熱プラスチック光ファイバを作製し、この
光ファイバの外周に樹脂では最も透湿性が低いといわれ
ているPCTFEを被覆したジャケット付耐熱プラスチ
ック光ファイバを作製した。また、比較例4として、コ
ア径10mm、クラッド径12mmの大口径耐熱プラスチッ
ク光ファイバを作製し、この光ファイバの外周にAl2
0μm/PET16μm/Al20μm/粘着層で構成
される遮水テープを1/2ラップ(ラップ長さ5mm)巻
きし、熱処理をしてそれぞれのAl層同士を接着させて
遮水層を形成した遮水層付き耐熱プラスチック光ファイ
バを作製した。更に、比較例5として、金属層50μm
の鉛箔、樹脂層150μmの軟質PVCフィルム、接着
層10μmのPVC系ホットメルト接着剤を順に積層し
た幅30mmの遮水テープを作製し、これを耐熱プラス
チック光ファイバの外周に、金属層が外側になるように
1/2ラップに横巻き(ラップ長さdは15mm)した
後、熱を加えホットメルト接着剤によってラップ間のP
VCと金属を接着させた。更に、遮水テープを巻いたフ
ァイバの上から難燃ポリエチレンの熱収縮チューブ(肉
厚0.5mm)を被覆することで、横巻き1/2ラップ
タイプの照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバを作
製した。
【0048】次に、実施例1〜3と比較例1〜4の各サ
ンプルを60℃90%RHの恒温恒湿槽に500時間投
入後、室温に1時間放置した後、光量保持率(すなわち
コアの白濁)を測定することで各サンプルの耐湿評価を
行った。但し、測定波長は660nmとし、初期光量と比
較してサンプルの光量保持率が90%以下になった場合
をNGとした。尚、光量保持率は以下のように定義し
た。
【0049】光量保持率(%/m)=I/I0 ×100 ここで、Iは試験後の光ファイバの660nmLEDの
透過光量を示し、I0は劣化後の光ファイバの660n
mLEDの透過光量とする。
【0050】この結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示すように、比較例1〜3より、高
温高湿下ではコア及びクラッドの径やジャケットによる
防湿性は期待できない。実施例1〜3と比較例1〜3と
から、遮水層を設けたものが初期の光量を保持している
時間が格段に長いことが分かる。また、実施例1と比較
例4とから、遮水層の構成は、金属層を樹脂シートで挟
んだものが高い遮水性を示すことが分かる。
【0053】次に、遮水テープのラップ長さと透湿時間
との関係について、次の試験を行った。
【0054】実施例1の試験サンプルの遮水テープのラ
ップ長さを変えて60℃90%RHの湿熱環境下に投入
し、同様の耐湿試験を行った。この結果を図8に示す。
【0055】図8に示す結果より、ラップ部の長さは長
いほど良いが、少なくとも5mm以上であれば湿熱環境下
でも500時間以上の耐湿があることが確認できた。
【0056】次に、遮水テープを3層で形成したものを
用いて、遮水テープの巻き方を変えて、次のように耐
湿、耐熱試験を行った。
【0057】実施例4〜6と比較例2,5の各サンプル
を2本(各1m)用意し、それぞれφ250のマンドレ
ルに0〜180度曲げを5回行った後に、1本は、端面
から水蒸気が入らないようにシールし60℃90%RH
の恒温恒湿槽に500時間投入後、室温に1時間放置し
た後660nmのLED光の透過光量を測定し、残りの
1本は、130℃の乾燥雰囲気の恒温槽に500時間投
入後、室温に1時間放置した後660nmのLED光の
透過光量を測定し、これら全てのサンプルについて、劣
化前のものと光量保持率を比較した。この結果を表2に
示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2に示すように、遮水テープを3層で形
成した場合、金属層が内側になるように耐熱プラスチッ
ク光ファイバに巻き付けることにより、耐湿性と耐熱性
の両立を図った照明用大口径耐熱プラスチック光ファイ
バを実現することができることが分かる。
【0060】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、耐熱プラ
スチック光ファイバの外周に遮水層を設けることによ
り、ファイバへの透湿を防ぐことができ、また、ジャケ
ットを設けることによって屈曲特性を向上させることが
できる。これにより、柔軟性があり、かつ湿熱環境下で
も透湿による光量低下がない照明用大口径耐熱プラスチ
ック光ファイバを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる照明用大口径耐熱プラスチック
光ファイバの構造図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明の遮水テープの一実施の形態を示す断面
図である。
【図4】本発明にかかる照明用大口径耐熱プラスチック
光ファイバの変形例を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる照明用大口径耐熱プラスチック
光ファイバの変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の遮水テープの他の実施の形態を示す断
面図である。
【図7】本発明にかかる耐熱プラスチック光ファイバの
初期及び120℃耐熱試験後の分光スペクトルを示す図
である。
【図8】本発明の遮水テープのラップ長さと透湿時間と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 コア 2 クラッド 3 遮水層 3a 遮水テープ 4 ジャケット 10 耐熱プラスチック光ファイバ 20 照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 富也 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 松本 雅則 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 佐々木 徹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 根元 重則 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとその外周に設けられたクラッドと
    からなる耐熱プラスチック光ファイバの外周に遮水層を
    設けたことを特徴とする照明用大口径耐熱プラスチック
    光ファイバ。
  2. 【請求項2】 上記遮水層はポリ塩化ビニルシート、金
    属層、ポリ塩化ビニルシート、及び粘着層を順に積層し
    た遮水テープで形成された請求項1記載の照明用大口径
    耐熱プラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 上記遮水テープを粘着層が内側になるよ
    うに耐熱プラスチック光ファイバに縦添えもしくは横巻
    きした請求項2記載の照明用大口径耐熱プラスチック光
    ファイバ。
  4. 【請求項4】 上記遮水層は金属層、ポリ塩化ビニルシ
    ート、及び接着層を順に積層した遮水テープで形成され
    ており、その遮水テープを金属層が内側になるように耐
    熱プラスチック光ファイバに縦添えもしくは横巻きした
    請求項1記載の照明用大口径耐熱プラスチック光ファイ
    バ。
  5. 【請求項5】 上記遮水層の外周にポリ塩化ビニル又は
    ポリエチレン又はポリウレタンなどのウレタン樹脂を押
    出しあるいは被覆した請求項1又は請求項4記載の照明
    用大口径耐熱プラスチック光ファイバ。
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