JPH107353A - エレベーター乗場ドアの施錠装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】エレベータドアの左開き、右開きの両方向に対
して、一種類のドア施錠装置で対応できるようにドア施
錠装置を改良すること。 【解決手段】ドアの開閉に応じて動作する係合装置の動
作を連結部材を介して施錠動作する鎖錠装置に伝達する
エレベーター乗場ドアの施錠装置において、ドア開閉装
置の駆動力を受けて回動する可動係合片と、支点軸で支
持された一対のリンクの一端が前記可動係合片と回動自
在に連結され、一方のリンクの他端が連結部材と回動自
在に連結された一対のリンクとからなる係合装置を備
え、一対のリンクを４節リンクまたは一対のリンクが平
行状態で回動するように構成する。かくして、係合装置
を１８０°回転させて取付ることにより左右両方行の開
きに対して一種類の部品で対応することができ部品点数
を半減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベーター乗場
ドアの施錠装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本発明のエレベーター乗場ドアの施錠装
置に関して、最も近い公知例としては実開昭４８−１０
９００号公報があり、図６に示されるように、乗場ドア
３を開くために、かご側に設置されたドア開閉装置（図
示せず）の駆動力を、乗場ドア３の中央部付近に設けた
係合装置８で受けると同時に、係合装置８の可動係合片
９および連結ロッド２０が操作されると、乗場ドア３上
方に設けた鎖錠装置２１が解錠され、乗場ドア３が開く
ように構成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のエ
レベーター乗場ドアの施錠装置は、エレベータードアの
左開きまたは右開き専用のものであり、左開き用または
右開き用の２種類のエレベーター乗場ドアの施錠装置を
用意しなければならないという問題があった。

【０００４】エレベーターのドア開き方向は、エレベー
ターの使い勝手またはビルの設備配置事情により左開き
と右開きがある。

【０００５】したがってドアの開き方向の違いにより、
従来は、エレベーター乗場ドアの施錠装置も左開き用と
右開き用のものを別々に用意する必要があった。

【０００６】本発明は、左開き用と右開き用のエレベー
ター乗場ドアの施錠装置に対して、共通に利用できる１
種類のエレベーター乗場ドアの施錠装置を提供すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために、次のような手段を採用した。

【０００８】かごドア開閉動作の駆動力を乗場ドアの係
合装置に伝え、この係合装置の動作を連結部材を介して
鎖錠装置に伝えるエレベーター乗場ドアの施錠装置にお
いて、前記係合装置を、前記駆動力を受けて回動する可
動係合片と、中間部が固定された支点軸に支持され、一
端が前記可動係合片と回動自在に連結された一対のリン
クとから構成し、前記一対のリンクのうち上側に配置さ
れるリンクの他端を前記連結部材と回動自在に連結した
ことを特徴とし、特に、前記一対のリンクを前記支点軸
および前記可動係合片との連結軸において４節リンクで
構成し、一対のリンクが平行状態で回動するように構成
したことにより係合装置を確実に動作させることができ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図を
用いて説明する。

【００１０】図１は、本発明による乗場ドアの施錠装置
全体を示すものであり、昇降路側から見た正面図であ
る。

【００１１】１は建屋壁（図示せず）に固設したヘッ
ダ、２はヘッダ内に固定されたドアレール、乗場ドア３
は、ハンガー４およびハンガー４の車輪を介してドアレ
ール２に吊り下げられ、乗場ドア３の下端のドアシュー
７は建屋床５に埋め込まれた敷居６の溝に案内され、水
平に開閉可能に構成されている。

【００１２】８はかご側に設置されたドア開閉装置（図
示せず）の駆動力Ｆを乗場ドア３に伝達する係合装置で
ある。

【００１３】係合装置８全体は、乗場ドア３に座部１３
を介して取り付けられている。１２は固定係合片であ
り、支点軸１０を介して座部１３に固定されている。９
は可動係合片であり、固定係合片１２と共に床面に対し
て垂直方向に保持され、駆動力Ｆを受けると一対のリン
ク１１の回動軸１４において回動自在に連結さている。
一対のリンク１１は、支点軸１０において可動係合片９
の回動に応じて回動可能に支持されており、上側のリン
ク１１の他端はピン１５によって連結ロッド２０の一端
と回動自在に連結されている。

【００１４】連結ロッド２０はリンク１１の回動に応じ
て下方に動くように構成されており、連結ロッド２０の
他端は、鎖錠装置２１の一端と連結軸２２において連結
され、鎖錠装置２１の他端のフック部２４は連結ロッド
２０が下方へ動くことによって解錠される。

【００１５】次に、図２および図３を用いて、本発明の
ドア施錠装置の係合装置８の構造について詳細に説明す
る。

【００１６】係合装置８は座部１３に取付ボルト１８
ａ，１８ｂにより取付けられ、支点軸１０ａ，１０ｂは
座部１３に固定されている。支点軸１０ａ、１０ｂには
固定係合片１２が固定されており、可動係合片９と連結
ロッド２０は連結するリンク１１ａ，１１ｂと共に矢印
方向ｆへ回転可能に取付けられている。

【００１７】ここで上記リンク１１ａ，１１ｂは同一品
を使用し、またこのリンク１１ａ,１１ｂ同士が平行と
なるよう各リンクの支点軸１０ａ，１０ｂおよび連結軸
１６ａ，１６ｂの位置を決める４節リンク機構とした。

【００１８】またリンク１１ａと１１ｂを同一品とし、
支点軸１０ａから連結ロッド２０との連結穴１７ａまで
の長さＬ１と、もう一方のリンクの支点１０ｂから連結
穴１７ｂまでの長さＬ２とを等しくした。本発明のドア
施錠装置は、連結ロッド２０を、リンク１１ａの連結穴
１７ａにピン１５を介して連結しているが、ドアの開き
方向が反対の場合は、連結ロッド２０は、図４に示され
るように、係合装置８を１８０°回転させた状態で、他
方のリンク１１ｂの連結穴１７ｂに連結ピン１５を連結
して使用することができる。

【００１９】さらに、図５を用いて、本発明の鎖錠装置
２１の詳細につて説明する。

【００２０】鎖錠装置２１のフック部２４から回転軸２
３までの長さＬ３は、回転軸２３から連結ロッド２０と
の連結軸２２までの長さＬ４より長くし、また図２にお
けるＬ１，Ｌ２は上記Ｌ４より長くし、さらに図２にお
ける可動係合片９のストロークｅ１より鎖錠装置２１の
ストロークｅ２を長くした。すなわち、 Ｌ３＞Ｌ４ ……（１） Ｌ１（＝Ｌ２）＞Ｌ４ ……（２） ｅ１＜ｅ２ ……（３） （１）、（２）、（３）式の関係にあるように構成す
る。

【００２１】（１）式の関係とすることにより、連結ロ
ッド２０の下方への解除力を明確に鎖錠装置２１のフッ
ク部２４に伝えることができ、また（２）式の関係とす
ることにより、リンク１１ａの回動力を明確に鎖錠装置
２１に伝え、フック２４部の動作を確実にし、誤動作を
防止できる。さらに（３）式の関係とすることにより、
ドア開閉装置（図示せず）の動作を効率的に解錠動作に
変換することが可能となる。

【００２２】なお、係合装置８の座部１３には、リンク
１１ａとリンク１１ａの回転に支障の無い程度の接触力
を有する摺動片１９を設け、鎖錠装置２１のはね上がり
の防止を図った。

【００２３】次に、図１〜図５を用いて、本発明におけ
る施錠ドアの解除動作について説明する。

【００２４】乗場ドア３を開くために、かご側に設置さ
れたドア開閉装置（図示せず）の駆動力を係合装置８が
受けると、係合装置８の可動係合片９はドア開閉装置
（図示せず）からの矢印で示される駆動力Ｆを受ける。
そのため、可動係合片９は、一対の平行リンク１１ａ、
１１ｂにより、回動軸１４において固定係合片１２と相
互間隔を平行にした状態で時計方向に回転する。

【００２５】同時に、一対の平行リンク１１ａ、１１ｂ
も支点軸１０において互いに平行に時計方向に回転し、
一方のリンク１１ａに連結された連結ロッド２０は矢印
で示されるように下方に回動する。連結ロッド２０が矢
印方向に引っ張られることにより、鎖錠装置２１は回転
軸２３を支点にフック２４部を解錠し、乗場ドア３が開
閉可能状態となる。

【００２６】以上述べたように、本発明のエレベーター
乗場ドアの施錠装置は、係合装置８に一対のリンク１１
ａ、１１ｂを設け、通常は、一方のリンク１１ａの連結
穴１７ａにピン１５を介して連結ロッド２０を連結す
る。ドアの開き方向が逆の場合は、図４に示されるよう
に、係合装置８を１８０°回転させ、他方のリンク１１
ｂの連結穴１７ｂに連結ロッド２０のピン１５を継ぎ替
えることにより対応することができ、勝手違い用の部品
を別途製作する必要がなくなる。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、勝手違いの２種類のド
ア施錠装置が不要となり部品の種類を半減でき、さらに
安全に施錠、解錠動作が可能なエレベーター乗場ドアの
施錠装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベーター乗場ドアの施錠装置の概
略図である。

【図２】本発明のドア施錠装置の係合装置の詳細図であ
る。

【図３】本発明のドア施錠装置の係合装置における、図
２のＩ−Ｉにおける断面図である。

【図４】本発明のエレベーター乗場ドアの施錠装置の概
略図であり、図１の勝手違いを示す図である。

【図５】本発明のドア施錠装置の鎖錠装置の詳細図であ
る。

【図６】従来のエレベーター乗場ドアの施錠装置の概略
図である。

【符号の説明】

３ 乗場ドア ８ 係合装置 ９ 可動係合片 １０ 支点軸 １１ リンク １２ 固定係合片 １３ 座部 １４ 回転軸 １５ ピン １６ 連結軸 １７ 連結穴 １９ 摺動片 ２０ 連結ロッド（連結部材） ２１ 鎖錠装置 ２３ 回転軸 ２４ フック部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺西 勝也 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 日立エ レベータエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 関 清之 茨城県ひたちなか市堀口832番地の２ 日 立エレベータエンジニアリング株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 かごドア開閉動作の駆動力を乗場ドアの
   係合装置に伝え、この係合装置の動作を連結部材を介し
   て鎖錠装置に伝えるエレベーター乗場ドアの施錠装置に
   おいて、 前記係合装置を、前記駆動力を受けて回動する可動係合
   片と、中間部が固定された支点軸に支持され、一端が前
   記可動係合片と回動自在に連結された一対のリンクとか
   ら構成し、 前記一対のリンクのうち上側に配置されるリンクの他端
   を前記連結部材と回動自在に連結したことを特徴とする
   エレベーター乗場ドアの施錠装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記一対のリンクが、前記支点軸および前記可動係合片
   との連結軸において４節リンクを構成することを特徴と
   するエレベーター乗場ドアの施錠装置。
3. 【請求項３】 請求項１ないしは請求項２のいずれかの
   請求項記載において、 前記一対のリンクが、平行状態で回動することを特徴と
   するエレベーター乗場ドアの施錠装置。
4. 【請求項４】 請求項１ないしは請求項３のいずれかの
   請求項記載において、 前記一対のリンクが、各リンクの支点軸と連結部材と連
   結される連結軸までの距離が互いに等しいことを特徴と
   するエレベーター乗場ドアの施錠装置。
5. 【請求項５】 請求項１ないしは請求項４のいずれかの
   請求項記載において、 前記鎖錠装置は、回転軸を支点にして回動し一端が連結
   部材と回動自在に連結され他端にフック部を備え、 ドア開閉装置の駆動時、前記可動係合片の駆動方向の移
   動距離よりも前記フック部の移動距離が長くなるように
   構成したことを特徴とするエレベーター乗場ドアの施錠
   装置。
6. 【請求項６】 請求項１ないしは請求項５のいずれかの
   請求項記載において、 前記係合装置を取り付ける取付部と、連結部材に連結さ
   れているリンクとの間に摺動片を設けたことを特徴とす
   るエレベーター乗場ドアの施錠装置。