JPH1072414A - 置換ベンゼン誘導体 - Google Patents

置換ベンゼン誘導体

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JPH1072414A
JPH1072414A JP9147989A JP14798997A JPH1072414A JP H1072414 A JPH1072414 A JP H1072414A JP 9147989 A JP9147989 A JP 9147989A JP 14798997 A JP14798997 A JP 14798997A JP H1072414 A JPH1072414 A JP H1072414A
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JP
Japan
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derivative
mmol
chloro
fluoro
solvent
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Application number
JP9147989A
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English (en)
Inventor
Kenji Hirai
憲次 平井
Mitsuo Yamashita
光男 山下
Tomoko Tateno
智子 立野
Emiko Ejiri
恵美子 江尻
Kikuko Harasawa
喜久子 原沢
Yuichi Onchi
裕一 恩地
Sadayuki Ukai
貞行 鵜飼
Shoin Nagato
松陰 長戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
JNC Corp
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
Sagami Chemical Research Institute
Chisso Corp
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Publication date
Application filed by Kaken Pharmaceutical Co Ltd, Sagami Chemical Research Institute, Chisso Corp filed Critical Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 N−置換フェニル−3,4,5,6−テトラ
ヒドロフタルイミド誘導体の製造中間体として有用な、
置換ベンゼン誘導体を提供する。 【解決手段】 一般式I [Xはハロゲン、Y1はC1〜6のアルキル基で置換さ
れてもよいC3〜8のシクロアルキル基又は−C(O)
OR1(R1はC2〜6の直鎖上のアルキル基を表す)、
2は水素又は−C(O)OR2(R2はC1〜6のアル
キル基、C3〜4のアリル基又はC7〜8のアラルキル
基を表す)を表す]の置換ベンゼン誘導体。一般式II
(Xはハロゲン、Zは水素、ニトロ基又はアミノ基を表
す)の置換ベンゼン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた除草活性を有す
るN−置換フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロフ
タルイミド誘導体の製造中間体として有用な置換ベンゼ
ン誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、除草活性を有するN−置換フ
ェニル−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド誘
導体として、例えば、N−(2−フルオロ−4−クロロ
−5−イソプロポキシフェニル)−3,4,5,6−テ
トラヒドロフタルイミド(特公昭63−20428号公
報)あるいはN−(2−フルオロ−4−クロロ−5−ア
ルキルオキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒド
ロフタルイミド(特開昭58−72563号公報)が知
られている。また、窒素原子上のフェニル環が2,4−
ジハロ−5−シクロアルキルオキシ基によって置換され
ている化合物が、特開昭63−68562号、63−6
8563号及び63−280060号公報に例示として
記載されている。
【0003】さらに、本発明者らは、N−置換フェニル
−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド誘導体に
おいて、フェニル環5位の置換基としてシクロアルキル
オキシ基、特にシクロペンチルオキシ基を導入すること
により、雑草に対して低薬量処理で高い殺草効果を有
し、かつ主要作物に対する薬害も著しく軽減することを
見い出した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のN−
置換フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイ
ミド誘導体の製造中間体として有用な、置換ベンゼン誘
導体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、テトラヒ
ドロフタルイミド誘導体の製造法について鋭意研究した
結果、置換ベンゼン誘導体がその製造中間体として有用
であることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、下記一般式[I]
【0007】
【化3】
【0008】[式中、Xはハロゲン原子を表し、Y1
炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい炭素
数3〜8のシクロアルキル基、又は−C(O)OR1
表される基(ただし、R1は炭素数2〜6の直鎖状のア
ルキル基を表す)を表し、Y2は水素原子又は−C
(O)OR2で表される基(ただし、R2は炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数3〜4のアリル基、又は炭素数7
〜8のアラルキル基を表す)を表す]で示される置換ベ
ンゼン誘導体を提供する。
【0009】また本発明は、下記一般式[II]
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Xはハロゲン原子を表し、Zは水
素原子、ニトロ基又はアミノ基を表す)で示される置換
ベンゼン誘導体を提供する。
【0012】本発明の置換ベンゼン誘導体は、下記の合
成ルートにより製造することができる(実施例参照)。
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R1及びXは前記と同じ意味を表
す。)
【0015】すなわち、2−ハロ−4−フルオロフェノ
ールをクロロギ酸イソブチル等のクロロギ酸アルキルと
反応させることによりカーボナート誘導体[III]を得
る。このカーボナート誘導体[III]を発煙硝酸等を用
いてニトロ化することによりニトロベンゼン誘導体[I
V]とする。次いで、ニトロベンゼン誘導体[IV]を水
素存在下、パラジウム/炭素等の触媒を用いて還元する
ことにより、アニリン誘導体[Ia]を得ることができ
る。
【0016】また、下記一般式[Ib]
【0017】
【化6】
【0018】(式中、Rは炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。上記シクロアル
キル基は炭素数1〜6のアルキル基で置換されていても
よい。)で示されるアニリン誘導体は、上記アニリン誘
導体[Ia]より、下記の合成ルートにより製造すること
ができる。
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R及びXは前記と同じ意味を表
す。R2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜4の
アリル基又は炭素数7〜8のアラルキル基を表す。Yは
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニルオ
キシ基又はp-トルエンスルホニルオキシ基を表す。)
【0021】すなわち、本発明のアニリン誘導体[Ia]
を炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム等
の塩基の存在下にアセトニトリル、アセトン、N,N−
ジメチルホルムアミド等の溶媒中、クロル蟻酸エステル
と反応させることによりカルバマート誘導体[Ic]へと
誘導される。次いで、カルバマート誘導体[Ic]を水酸
化ナトリウムあるいは炭酸カリウム等の塩基の存在下に
プロトン性溶媒中で処理して、カーボナート基のみを選
択的に加水分解することにより、フェノール誘導体
[V]と変換される。得られたフェノール誘導体[V]と
一般式 R−Y[VI]で示される化合物とを炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム等の塩基存在下
に反応させることにより、フェニル環5位にシクロアル
キルオキシ基を導入することができる。反応は適当な溶
媒中で実施することが好ましく、アセトニトリル、アセ
トン、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホル
ムアミド等を用いることができる。このようにして得ら
れたカルバマート誘導体[Id]は、例えば水酸化ナトリ
ウム水溶液中で反応させカルバミン酸エステルを加水分
解するか、あるいは一般式[Id]においてR2が例えば
ベンジル基である場合にはパラジウム炭素を用いた接触
還元法を用いて加水素化分解することにより、一般式
[Ib]で示されるアニリン誘導体へと導くことができ
る。
【0022】一般式[VI]で示される化合物は市販され
ているもの、あるいは市販されている化合物より容易に
調製できるものである。
【0023】次に、本発明化合物を原料とするN−置換
フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド
誘導体の製造方法について述べる。
【0024】N−置換フェニル−3,4,5,6−テト
ラヒドロフタルイミド誘導体は、一般式[Ib]で示され
るアニリン誘導体と3,4,5,6−テトラヒドロフタ
ル酸無水物とを不活性溶媒中で反応させることにより容
易に製造することができる。不活性溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、酢酸等の
溶媒あるいはこれらの混合溶媒を使用することができ
る。反応の温度は室温から150℃の間から選ばれる
が、50〜120℃で実施することが収率が良い点で好
ましい。反応後は通常の後処理により目的物を容易に単
離することができ、さらにメタノール等のアルコール系
溶媒より再結晶することにより純品として取り出すこと
ができる。
【0025】さらにN−置換フェニル−3,4,5,6
−テトラヒドロフタルイミド誘導体は、一般式[VII]
【0026】
【化8】
【0027】(式中、Xは前記と同じ意味を表す。)で
示されるフェノール誘導体と、一般式[VI]で示される
化合物との反応によっても製造することができる。反応
には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウ
ム、ナトリウムメトキシド等の塩基の存在下に、アセト
ニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、
メタノール等の溶媒中で実施することが好ましい。
【0028】該反応の製造原料である一般式[VII]で
示されるフェノール誘導体は、特開昭58−83672
号公報記載の化合物であるが、以下に示す合成ルートに
よっても製造することが可能である。
【0029】
【化9】
【0030】(式中、X及びR1は前記と同じ意味を表
す。)
【0031】すなわち、前記一般式[Ia]で表されるア
ニリン誘導体と3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸
無水物とをベンゼン、トルエン、酢酸等の不活性溶媒中
で反応させることにより、一般式[VIII]で示されるテ
トラヒドロフタルイミド誘導体へと導き、次いでこのも
のを塩基の存在下にフェニル環5位のカーボナート基を
選択的に加水分解することにより、一般式[VII]で示
されるフェノール誘導体を得ることができる。使用する
塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム等を例示することができ、メ
タノール、エタノール、水等のプロトン性溶媒中で室温
から100℃程度の温度で反応を実施することが収率が
良い点で好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び参考例を示し、より詳細な
説明を行うが、本発明はこれらの例示に限定されるもの
ではない。
【0033】実施例1
【0034】
【化10】
【0035】滴下ロートを装備した300ccのナス型
フラスコに2−ハロ−4−フルオロフェノール(29.
3g,0.20mol)を入れ、氷冷下に2N−NaO
H水溶液(100ml)を加え30分攪拌した。次い
で、クロロギ酸イソブチル(30ml,d=1.05
3,31.6g,0.23mol)を滴下し、徐々に室温
まで昇温しながら2時間攪拌した。反応終了後、塩化メ
チレン(100ml×3回)で抽出し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒等を減圧
下に留去することにより2−ハロ−4−フルオロフェニ
ル(イソブチル) カーボナートの無色透明のオイル(4
5.8g,0.186mmol,収率93.0%)を得
た。
【0036】1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.00(6
H,d,J=6.9Hz),2.05(1H,t&sep,J=6.3 and 6.9Hz),4.0
5(2H,d,J=6.3Hz),6.8〜7.3(3H,m).
【0037】次に、200ccのナス型フラスコに発煙
硝酸(100ml,98%,d=1.52)を入れ、氷
冷下に2−クロロ−4−フルオロフェニル(イソブチ
ル)カーボナート(10g,40.5mmol)をゆっ
くり加えた。30分そのまま攪拌した後、氷上に反応混
合物を注いだ。析出した2−フルオロ−4−クロロ−5
−イソブチルオキシカルボニルオキシニトロベンゼンの
淡黄色固体を濾過し、水で洗浄した。充分乾燥すること
により目的化合物の白色結晶(10.8g,36.9mm
ol,収率91.0%)を得た。
【0038】融点:38.0〜40.0℃1 H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.00(6H,d,J=6.9H
z),2.07(1H,t&sep,J=6.3 and 6.9Hz),4.07(2H,d,J=
6.3Hz),7.42(1H,d,JHF=10.2Hz),8.02(1H,d,J HF=6.9
Hz).
【0039】このようにして得られた2−フルオロ−4
−クロロ−5−イソブチルオキシカルボニルオキシニト
ロベンゼン(10g,34.3mmol)、溶媒として
トルエン(100ml)、及び触媒として10%Pd/
C(1.5g)を300ccの耐圧ガラス製オートクレ
ーブに充填した。内部を水素で充分置換した後、4気圧
の水素圧下で攪拌を開始した。反応の進行にともなって
発熱(50℃程度まで)するが、そのまま攪拌を続け、
又水素は随時追加しながら水素の吸収が止まるまで攪拌
した。反応終了後、Pd/Cを濾過により分別し、遊離
した水を乾燥剤により除去した。溶媒を減圧下に留去す
ることにより、ほぼ純品の2−フルオロ−4−クロロ−
5−イソブチルオキシカルボニルオキシアニリン(9.
42g)の黄色オイルを定量的に得た。
【0040】1H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,pp
m):δ1.00(6H,d,J=6.9Hz),2.04(1H,t&sep,J=6.3 a
nd 6.9Hz),4.04(2H,d,J=6.3Hz),6.97(1H,d,JHF=6.9
Hz),7.24(1H,d,JHF=9.0Hz).
【0041】実施例2
【0042】
【化11】
【0043】実施例1で得た2−フルオロ−4−クロロ
−5−イソブチルオキシカルボニルオキシアニリン(6
5.0g, 0.248mol)と炭酸カリウム(32
g,0.232mmol)のアセトン(300ml)溶
液に、クロロギ酸メチル(23.4g,0.248mo
l)を加え、還流下で5時間攪拌した。反応終了後、溶
媒を減圧留去し、1N塩酸(300ml)を加え、析出
した固体を濾取した。このものを水で充分洗浄し、乾燥
することにより、N−(2−フルオロ−4−クロロ−5
−イソブチルオキシカルボニルオキシフェニル)カルバ
ミン酸メチルの白色結晶(56. 6g,収率71.4
%)を得た。
【0044】融点:72.2〜78.8℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.00(6H,
d,J=6.5Hz),2.05(1H,t&sep,J=6.5Hz),3.78(3H,s),4.03
(2H,d,J=6.5Hz),6.85(1H,br s),7.08(1H,d,JHF=10.2H
z),8.10(1H,d,JHF=7.5Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):1773,1733,1545,128
5,1235,1180.
【0045】上記で得られたN−(2−フルオロ−4−
クロロ−5−イソブチルオキシカルボニルオキシフェニ
ル)カルバミン酸メチル(14.0g,43.8mmo
l)をメタノール(100ml)に溶解させ、次いで炭
酸カリウム(7.26g,52.3mmol)を加え50
℃で3時間反応させた。反応終了後、減圧下に溶媒を留
去し、得られた固形物に酢酸(20ml)を加え溶解さ
せた。このものを氷水中に注ぐことにより析出した固体
を濾過により単離した。水で充分に洗浄し、乾燥させる
ことによりN−(2−フルオロ−4−クロロ−5−ヒド
ロキシフェニル)カルバミン酸メチルの白色結晶(9.
60g,43 .7mmol,収率99.8%)を得た。
【0046】融点:140.0〜141.0℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.57(3H,
s),3.78(3H,s),5.53(1H,s),6.75(1H,br s),7.05(1H,d,J
HF=10.5Hz),7.82(1H,d,JHF=7.5Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):3440,1717,1630,156
0,1430,1250.
【0047】上記で得られたN−(2−フルオロ−4−
クロロ−5−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸メチル
(5.0g,22.8mmol)と炭酸カリウム(3.
89g,28.1mmol)のアセトニトリル(50m
l)溶液を還流下に1時間攪拌した。次いで、ブロモシ
クロペンタン(4.07g,27. 3mmol)を滴下
し、さらに3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧
下に留去し、次いで1N塩酸(100ml)を加え酸性
にした後、酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し
た。有機層を水洗し、乾燥させ、溶媒を減圧下に留去す
ることにより、N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−
シクロペンチルオキシフェニル)カルバミン酸メチル
(5.56g,19.3mmol,収率84.7%)を
得た。
【0048】融点:120.0〜123.0℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.40〜2.1
0(8H,m),3.77(3H,s),4.77(1H,m),6.82(1H,br s),7.07(1
H,d,JHF=10.5Hz),7.83(1H,d,JHF=7.5Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):1714,1535,1500,141
5,1255,1190.
【0049】こうして得られたN−(2−フルオロ−4
−クロロ−5−シクロペンチルオキシフェニル)カルバ
ミン酸メチル(5.75g,20.0mmol)にエチル
アルコール(30ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶
液(50ml)を加え、110℃の油浴中で4時間加熱
攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチル(10
0ml×3回)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
乾燥の後、溶媒を減圧留去することにより、油状の2−
フルオロ−4−クロロ−5−シクロペンチルオキシアニ
リン(4.36g,19.0mmol,収率95.0%)
を得た。スペ クトルデータ等は実施例3に示した通り
である。
【0050】実施例3
【0051】
【化12】
【0052】2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシ
カルボニルオキシアニリン(22.0g,100mmo
l)と炭酸カリウム(13.8g,100mmol)の
アセトン(300ml)溶液に、クロロギ酸エチル(1
6.3g,150mmol)を加え、60℃で5時間攪
拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、1N塩酸(1
00ml)を加え酸性とした後、酢酸エチル(100ml×3
回)で抽出した。有機層を水洗し、乾燥させ、溶媒を減
圧下に留去することにより析出した固体を濾取した。こ
のものをクロロホルム−ヘキサンから再結晶し、N−
(2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシカルボニル
オキシフエニル)カルバミン酸エチルの白色結晶(2
3.3g,収率80.2%)を得た。
【0053】融点:143.8〜147.2℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.13(3H,t,J
=6.5Hz),3.92(3H,s),4.23(2H,q,J=6.5Hz),6.80(1H,br
s),7.15(1H,d,JHF=10.5Hz),8.12(1H,d,JHF=8.0Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):1770, 1730,1545,129
0,1235,1215.
【0054】得られたN−(2−フルオロ−4−クロロ
−5−メトキシカルボニルオキシフェニル)カルバミン
酸エチル(45.2g,155mmol)に炭酸カリウ
ム(21.4g,155mmol)及びメタノール(1
00ml)を加え、加熱還流下に2時間反応させた。反
応終了後室温まで冷却し、溶媒を減圧下に留去し、1N
塩酸(300ml)を加えて酸性とし、酢酸エチル(10
0ml×3回)で抽出した。有機層を水洗し、乾燥後溶媒を
減圧下に留去し析出した固体を濾取した。このものをク
ロロホルム−ヘキサンより再結晶することによりN−
(2−フルオロ−4−クロロ−5−ヒドロキシフェニ
ル)カルバミン酸エチルの白色結晶(35.2g,収率
97%)を得た。
【0055】融点:151.5〜154.2℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.32(3H,t,
J=7.2Hz),4.23(2H,q,J=7.2Hz),5.84(1H,s),6.80(1H,br
s),7.04(1H,d,JHF=10.5Hz),7.85(1H,d,JHF=7.5Hz). IRスペクトル(KBr,cm-1):3440,1710,1560,1430,125
0.
【0056】次に、得られたN−(2−フルオロ−4−
クロロ−5−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸エチル
(10.0g,42.8mmol)と炭酸カリウム(8.
87g,64.2mmol)のアセトニトリル(150
ml)溶液を80℃で1時間攪拌した。次に、シクロペ
ンチルブロミド(9.57g,84.2mmol)を滴
下し、さらに7時間反応させた。反応終了後、溶媒を減
圧下に留去し、次いで1N塩酸(100ml)を加え酸
性とした後、酢酸エチル(100ml×3回)で抽出した。
有機層を水洗し、乾燥させ、溶媒を減圧下に留去するこ
とにより、N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−シク
ロペンチルオキシフェニル)カルバミン酸エチル(1
2.7g, 収率98%)を得た。
【0057】融点:92.8〜97.8℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.33(3H,
t,J=7.0Hz),1.40〜2.10(8H,m),4.32(2H,q,J=7.0Hz),4.8
8(1H,m),6.87(1H,br s),7.15(1H,d,JHF=10.5Hz),7.92(1
H,d,JHF=7.0Hz). IRスペクトル(KBr,cm-1):1710,1535,1495,1415,125
5.
【0058】この反応において、シクロペンチルブロミ
ドの代わりにシクロペンチルp−トルエンスルホナート
を用いても反応は同様に進行し、目的とするN−(2−
フルオロ−4−クロロ−5−シクロペンチルオキシフェ
ニル)カルバミン酸エチルを95%の収率で得ることが
できた。
【0059】このようにして得られたN−(2−フルオ
ロ−4−クロロ−5−シクロペンチルオキシフェニル)
カルバミン酸エチル(12.7g,42.1mmol)に
エチルアルコール(50ml)及び2N水酸化ナトリウ
ム水溶液(100ml)を加え、110℃の油浴中で4
時間加熱攪拌した。反応終了後溶媒を留去し、酢酸エチ
ル(100ml×3回)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し、乾燥の後、溶媒を減圧留去することにより、油状
の2−フルオロ−4−クロロ−5−シクロペンチルオキ
シアニリン(9. 36g,40.8mmol,収率97
%)を得た。
【0060】1H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,pp
m):δ1.40〜2.07(8H,m),3.72(2H,brs),4.57(1H,m),6.
35(1H,d,JHF=8.0Hz),6.98(1H,d,JHF=10.5Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):2980,1635,1510,142
3,1250,1190.
【0061】実施例4
【0062】
【化13】
【0063】実施例3に示した方法により製造したN−
(2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシカルボニル
オキシフェニル)カルバミン酸エチル(1.45g,
4.97mmol)と炭酸カリウム(1.03g,7.4
6mmol)のエタノール(5.0ml)溶液を還流下
に1時間攪拌し、次いでシクロペンチルブロミド(1.
11g,7.46mmol)を加えさらに2時間攪拌し
た。反応終了後、混合物を1N塩酸(50ml)中にあ
け、酢酸エチル(50ml×3回)で抽出した。有機層を乾
燥後、減圧下に濃縮することによりN−(2−フルオロ
−4−クロロ−5−シクロペンチルオキシフェニル)カ
ルバミン酸エチルの灰白色の結晶(1.41g,4.6
9mmol,収率94.4%)を得た。スペクトルデー
タ等は実施例3に示した通りである。
【0064】参考例1
【0065】
【化14】
【0066】2−フルオロ−4−クロロ−5−シクロペ
ンチルオキシアニリン(0.50g,2.18mmo
l)と3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物
(0.398g,2.61mmol)との酢酸(3.0
ml)溶液を還流下に3時間攪拌した。得られた反応混
合液に水(20ml)を加え、酢酸エチル(20ml×
3回)で抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧下に留
去し、得られた淡黄色油状物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/
1)で精製し、N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−
シクロペンチルオキシフェニル)−3,4,5,6−テ
トラヒドロフタルイミドの無色透明油状物(0.513
g,1.41mmol,収率65%)を得た。このもの
にエタノール(1.0ml)を加え再結晶することによ
り白色固体として得ることができた。
【0067】融点:69.0〜75.2℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ 1.30〜
2.10(12H,m),2.40(4H,m),4.68(1H,m),6.75(1H,d,JHF=7.
0Hz),7.20(1H,d,JHF=9.0Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):1725,1505,1430,138
5,1200.
【0068】実施例5
【0069】
【化15】
【0070】実施例2に示した方法により製造したN−
(2−フルオロ−4−クロロ−5−イソブチルオキシカ
ルボニルオキシフェニル)カルバミン酸メチル(5.3
7g,16.8mmol)と3−メチルシクロペンチル
p−トルエンスルホナート(5.0g,20.2mmo
l)及び炭酸カリウム(2.32g,16.8mmo
l)のメタノール(50ml)溶液を還流下に5時間攪
拌した。反応終了後反応混合物を1N塩酸(100m
l)中にあけ、酢酸エチル(50mlx3回)で抽出し
た。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去することによ
り、N−{2−フルオロ−4−クロロ−5−(3−メチ
ルシクロペンチル)オキシフェニル}カルバミン酸メチ
ルの灰白色の結晶(3.81g,12.6mmol,収
率75.2%)を得た。
【0071】1H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,pp
m):δ1.02 and 1.08(total 3H,d,J=6.0Hz),1.25〜2.40
(7H,m),3.77(3H,s),4.75(1H,m),6.68(1H,br s),7.05(1
H,d,JHF=10.5Hz),7.75(1H,d,JHF=7.5Hz).
【0072】次に得られたN−{2−フルオロ−4−ク
ロロ−5−(3−メチルシクロペンチル)オキシフェニ
ル}カルバミン酸メチル(3.45g,11.4mmo
l)にエチルアルコール(20ml)及び2N水酸化ナ
トリウム水溶液(30ml)を加え、還流下に3時間攪
拌した。反応終了後、反応混合物からそのまま酢酸エチ
ル(50ml×3回)で抽出した。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、乾燥の後、溶媒を減圧留去することにより、2
−フルオロ−4−クロロ−5−(3−メチルシクロペン
チル)オキシアニリン(1.77g,7.26mmo
l,収率63.6%)を得た。
【0073】1H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,pp
m):δ1.02 and 1.10(total 3H,d,J=6.0Hz),1.22〜2.58
(7H,m),3.75(2H,br s),4.65(1H,m),6.33(1H,d,JHF=8.0H
z),6.98(1H,d,JHF=10.0Hz).
【0074】参考例2
【0075】
【化16】
【0076】2−フルオロ−4−クロロ−5−(3−メ
チルシクロペンチル)オキシアニリン(1.76g,
7.22mmol)と3,4,5,6−テトラヒドロフ
タル酸無水物(1.32g,8.68mmol)との酢
酸(15ml)溶液を還流下に4時間攪拌した。得られ
た反応混合液を1N塩酸(50ml)中に加え、エーテ
ル(50ml×3回)で抽出した。有機層を乾燥後、溶
媒を減圧下に留去し、得られた赤褐色油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=8/1)で精製した。得られたN−{2−フ
ルオロ−4−クロロ−5−(3−メチルシクロペンチ
ル)オキシフェニル}−3,4,5,6−テトラヒドロ
フタルイミドの無色透明油状物をメタノールから再結晶
することにより、白色固体(0.93g,2.38mm
ol, 収率33.0%)を得た。 融点:68.0〜70.0 ℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ 1.01 a
nd 1.08(total 3H,each d,J=6.0Hz),1.25〜2.20(11H,
m),2.49(4H,m),4.70(1H,m),6.72(1H,d,JHF=6.0Hz),7.20
(1H,d,JHF=9.0Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):1720,1500,1430,137
5,1195.
【0077】参考例3
【0078】
【化17】
【0079】2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシ
カルボニルオキシアニリン(20.0g,91.1mm
ol)及び3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水
物(14.0g,92.0mmol)の酢酸(200m
l)溶液を加熱還流下に5時間反応させた。反応終了
後、混合液を室温まで冷却し、水(200ml)を加
え、酢酸エチル(100ml×3回)で抽出した。有機
層を炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、乾燥の後、
減圧下に溶媒を留去することにより得られた油状物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エ
チル/ヘキサン=1/5)により精製することにより、
N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−メトキシカルボ
ニルオキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ
フタルイミドの白色固体(26.2g,72.1mmo
l,収率79.2%)を得た。
【0080】融点:138.5〜146.2℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.82(4H,
m),2.42(4H,m),3.93(3H,s),7.21(1H,d,JHF=6.5Hz),7.33
(1H,d,JHF=9.0Hz). IRスペクトル(KBr disk,cm-1):1765,1725,1508,150
0,1440,1430,1260,1195.
【0081】上記により得られたN−(2−フルオロ−
4−クロロ−5−メトキシカルボニルオキシフェニル)
−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド(11.
8g,33.4mmol)のメタノール(100ml)
溶液に炭酸カリウム(4.6g,33.3mmol)を
加え、還流下に5時間攪拌した。反応終了後、混合物を
1Nの塩酸(200ml)中に注入し、酢酸エチル(1
00ml×3回)で抽出した。有機層を水で洗浄し、乾
燥の後、減圧下に溶媒を留去することにより粗生成物
(9.4g)を得た。このものをエーテル/ヘキサンよ
り再結晶することにより、N−(2−フルオロ−4−ク
ロロ−5−ヒドロキシフェニル)−3,4,5,6−テ
トラヒドロフタルイミドの白色固体(6.7g,22.
7mmol,収率67.8%)を得た。
【0082】融点:145.5〜156.4℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,TMS,ppm):δ1.80(4H,
m),2.40(4H,m),6.00(1H,br s),6.85(1H,d,JHF=6.5Hz),
7.17(1H,d,JHF=9.0Hz). IRスペクトル(KBr,cm-1):3440,1785,1720,1530,143
0,1395,1185.
【0083】参考例4
【0084】
【化18】
【0085】N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−ヒ
ドロキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロフ
タルイミド(2.0g,6.76mmol)と炭酸カリ
ウム(0.60g,4.34mmol)のアセトニトリ
ル(50ml)溶液に、シクロペンチルブロミド(1.
2g,8.1mmol)を加え、還流下に2時間攪拌し
た。反応終了後、得られた反応混合液に1N塩酸(20
ml)を加え、酢酸エチル(20ml×3回)で抽出した。
有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムによって乾燥さ
せ、溶媒を減圧下に留去し、得られた淡黄色油状物にエ
タノール(5ml)を加え、析出したN−(2−フルオ
ロ−4−クロロ−5−シクロペンチルオキシフェニル)
−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドの白色固
体(0.75g,2.06mmol,収率30.5%)
を濾過により単離した。スペクトルデータ等は参考例1
に示した通りである。
【0086】参考例5
【0087】
【化19】
【0088】N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−ヒ
ドロキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロフ
タルイミド(2.0g,6.76g)と炭酸カリウム
(0.60g,4.34mmol)のアセトニトリル
(50ml)溶液に、シクロペンチルp−トルエンスル
ホナート(1.90g,8.11mmol)を加え、80
℃で2時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合液
に1N塩酸(20ml)を加え酢酸エチル(20ml×3
回)で抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウ
ムによって乾燥させ、溶媒を減圧下に留去し、得られた
淡黄色油状物にエタノール(5ml)を加え、析出した
N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−シクロペンチル
オキシフェニル)−3,4,5,6−テトロヒドロフタ
ルイミドの白色固体(0.77g,2.12mmol,
収率31.4%)を濾過により単離した。スペクトルデ
ータ等は参考例1に示した通りである。
【0089】参考例6
【0090】
【化20】
【0091】シクロペンタノール(50.0g,0.58
mol)とp−トルエンスルホニルクロリド(120
g,0.629mol)をピリジン(200ml)に溶
解した後、氷水(約1L)中に注ぎ、充分に攪拌した。
析出した固体を濾過し、乾燥することによりシクロペン
チルp−トルエンスルホナートの白色固体(94.9
g,0.390mol,収率68.1%)を得た。
【0092】融点:30℃以下1 H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.23〜2.07(8H,
m),2.45(3H,s),4.98(1H,m),7.38(2H,d,J=9.0H
z),7.85(2H,d,J=9.0Hz).
【0093】参考例7
【0094】
【化21】
【0095】200ccのナス型フラスコにシクロペン
タノール(10g,0.116mol)、p−トルエン
スルホニルクロリド(24.3g,0.128mol) 及
びエーテル(100ml)を加え溶解した。ついで水浴
で10℃以下に冷却しながら粉末状の水酸化カリウム
(32.5g,0.58mol)をゆっくり加えた。添
加後、そのままの温度でさらに2時間攪拌した。反応終
了後、混合物を氷水(20ml)中に注ぎ、有機層と水
層を分離した。有機層を乾燥後、減圧下で濃縮すること
により、シクロペンチルp−トルエンスルホナートの淡
黄色粘性液体(22.0g,収率81.8%)を得た。
【0096】参考例8
【0097】
【化22】
【0098】参考例6と同様の方法により、3−メチル
シクロペンタノール(5.0g,49.9mmol)と
p−トルエンスルホニルクロリド(10.0g,52.
5mmol)とをピリジン(50ml)で反応させ、3
−メチルシクロペンチルp−トルエンスルホナート(1
1.7g,46.2mmol,収率92.5%)を得
た。
【0099】1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ0.93 a
nd 1.00(total 3H,each d,J=6.0Hz),1.20〜2.30(7H,m),
2.48(3H,s),4.97(1H,m),7.38(1H,d,J=8.0Hz),7.85(1H,
d,J=8.0Hz).
【0100】以上のような実施例及び参考例に例示した
方法によって製造できるN−置換フェニル−3,4,
5,6−テトラヒドロフタルイミド誘導体の代表例を第
1表に示す。
【0101】第1表 N-置換フェニル-3,4,5,6
-テトラヒドロフタルイミド誘導体
【0102】
【化23】
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】かくして得られるN−置換フェニル−3,
4,5,6−テトラヒドロフタルイミド誘導体は、前述
のように除草剤として優れた性能を有している。
【0106】この化合物を除草剤として使用するにあた
っては、そのままでも使用できるが、一般には一種又は
数種の補助剤を混合して除草剤として用いることができ
る。通常、補助剤としては各種担体、増量剤、溶剤、界
面活性剤、安定剤などを配合して常法により、例えば水
和剤、乳剤、粉剤、粒剤、フロアブル剤などの形態に製
剤化して使用することが好ましい。
【0107】N−置換フェニル−3,4,5,6−テト
ラヒドロフタルイミド誘導体を有効成分とする除草剤に
おける補助剤の一つである溶剤としては、例えば水、ア
ルコール類、ケトン類、エーテル類、脂肪族及び芳香族
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、酸アミド類、エス
テル類、ニトリル類等が適当であり、これらの一種又は
二種以上の混合物が使用される。
【0108】増量剤としては、カオリン、ベントナイト
等の粘土類、タルク、葉ろう石等のタルク類、珪藻土、
ホワイトカーボン等の酸化物等の鉱物性粉末とダイズ
粉、CMC等の植物性粉末等が使用される。又、界面活
性剤を展着剤、分散剤、乳化剤、浸透剤として使用して
もよい。その界面活性剤としては、例えば非イオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤な
どが挙げられる。これらの界面活性剤は、用途に応じて
一種又は二種以上の混合物として活用される。
【0109】本発明化合物を有効成分とする除草剤の好
ましい使用方法としては、土壌処理、水面処理、茎葉部
処理等が挙げられ、防除雑草の発芽前から幼芽時の施用
により特に優れた効果を挙げることができる。
【0110】また、N−置換フェニル−3,4,5,6
−テトラヒドロフタルイミド誘導体を有効成分とする除
草剤は、本有効成分の殺草活性を阻害することのない他
の活性成分、例えば他の除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物
成長調節剤等との混合使用又は併用することも可能であ
る。
【0111】次に、N−置換フェニル−3,4,5,6
−テトラヒドロフタルイミド誘導体を有効成分とする除
草剤の製剤例、及び本除草剤による除草効果を検討した
例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお部は重
量部を示す。
【0112】製剤例1(乳剤) 第1表記載の化合物10を20部、キシレン35部、シ
クロヘキサノン40部、ソルボール900A(東邦化学
製)5部を均一に混合し乳剤を得た。第1表記載の他の
化合物についても上記と同様に処理し、乳剤を得た。
【0113】製剤例2(水和剤) 第1表記載の化合物10を50部、珪藻土25部、クレ
ー22部、ルノックスR100C(東邦化学製)3部の
混合物を均等に混合粉砕して水和剤を得た。
【0114】製剤例3(粒剤) 第1表記載の化合物10を5部、ベントナイト35部、
タルク55部、リグニンスルホン酸ソーダ5部の混合物
を均一に混合粉砕した後、水を加えて混練し、押し出し
造粒器で粒剤化した後、乾燥、整粒して粒剤を得た。第
1表記載の他の化合物についても上記と同様に処理し、
粒剤を得た。
【0115】試験例1(水田雑草に対する効果) 5,000分の1アールのワグネルポットに水田土壌を充填
し、これにヒエ、コナギ、ホタルイの種子、及び2〜3
葉期の稲苗(品種:日本晴)を播種又は移植して湛水状
態に保った。5日後に製剤例に従って水和剤又は乳剤と
した第1表記載の化合物をアール当り5、2.5、1、
0.5gとなるように希釈液の所定量を水面処理した。
処理後20日目に供試植物に対する殺草効果、及び稲に
対する薬害について下記の判定基準で調査を行い、第2
表の結果を得た。
【0116】
【表3】
【0117】尚、対照化合物Aとしては市販のロンスタ
ー(商品名)を用い、同様の製剤法、処理法を用いて、
その殺草活性及び作物に対する薬害について同様の判定
基準で調査し、その結果を示した。
【0118】
【化24】
【0119】
【表4】
【0120】試験例2(畑土壌処理による効果 ) 面積16×11cm2、深さ7cm のバットに畑土壌を充填
し、これにメヒシバ、シロザ、イヌビエ、及び大豆、ト
ウモロコシの種子を播種し、その上に1cmの覆土をし
た。翌日、製剤例に従って水和剤または乳剤にした第1
表記載の化合物をアール当り20、10、5グラムとな
るように希釈液の所定量を覆土上に均一に散布した。処
理後20日目に供試雑草に対する殺草効果、及び大豆及
びトウモロコシに対する薬害について試験例1と同様に
して調査した。その結果を第3表に示す。
【0121】
【表5】
【0122】試験例3(茎葉処理による効果) 面積16×11cm2 、深さ7cm のバットに畑土壌を詰
め、これにメヒシバ、シロザ、イヌビエ、及び大豆の種
子を播種し、15日後に生育した植物の茎葉部分へ、製
剤例に従った水和剤、又は乳剤とした第1表記載の化合
物の希釈液の所定濃度を、アール当り10リットルの水
量で噴霧処理した。処理後20日目に供試雑草に対する
殺草効果、及び大豆に対する薬害について試験例1と同
様にして調査した。その結果を第4表に示す。
【0123】
【表6】
【0124】
【発明の効果】本発明化合物、とくにイソブチル体を中
間体として用いることにより、N−置換フェニル−3,
4,5,6−テトラヒドロフタルイミド誘導体が簡便に
製造される。該誘導体は、雑草に対して低薬量処理で高
い殺草効果を有し、かつ主要作物に対する薬害も少ない
ため、除草剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A01N 47/06 A01N 47/06 C (72)発明者 立野 智子 神奈川県横浜市旭区二俣川2−32−40 (72)発明者 江尻 恵美子 神奈川県相模原市若松5−3−5ハウスあ づま202号 (72)発明者 原沢 喜久子 神奈川県相模原市相南4−17−11第2大弘 ビル302号 (72)発明者 恩地 裕一 千葉県市原市辰巳台東3−27−2向陽寮 504号 (72)発明者 鵜飼 貞行 静岡県藤枝市南駿河台4−15−12レインボ ーホームB−202 (72)発明者 長戸 松陰 東京都足立区鹿浜3−13−13−106

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 【化1】 [式中、Xはハロゲン原子を表し、Y1は炭素数1〜6
    のアルキル基で置換されていてもよい炭素数3〜8のシ
    クロアルキル基、又は−C(O)OR1で表される基
    (ただし、R1は炭素数2〜6の直鎖状のアルキル基を
    表す)を表し、Y2は水素原子又は−C(O)OR2で表
    される基(ただし、R2は炭素数1〜6のアルキル基、
    炭素数3〜4のアリル基、又は炭素数7〜8のアラルキ
    ル基を表す)を表す]で示される置換ベンゼン誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、Zは水素原子、ニト
    ロ基又はアミノ基を表す)で示される置換ベンゼン誘導
    体。
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