JPH1071512A - 工具ホルダ - Google Patents

工具ホルダ

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JPH1071512A
JPH1071512A JP22520896A JP22520896A JPH1071512A JP H1071512 A JPH1071512 A JP H1071512A JP 22520896 A JP22520896 A JP 22520896A JP 22520896 A JP22520896 A JP 22520896A JP H1071512 A JPH1071512 A JP H1071512A
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JP
Japan
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holder
drill
tool
worm
hole
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JP22520896A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Tomioka
三彦 富岡
Yoshiaki Matsuura
好明 松浦
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Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
Original Assignee
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1071512A publication Critical patent/JPH1071512A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルダ本体から回転切削工具へのトルク伝達
能力が高い工具ホルダを得る。 【解決手段】 ホルダ本体10のドリル保持穴90に、
ドリル16のタング160に相対回転不能に係合してド
リル16の挿入限度を規定するウォームホイール150
を設ける。このウォームホイール150に、自身の軸方
向に移動不能にホルダ本体10に保持されたウォーム1
90をかみ合わせる。ウォームホイール150は、軸方
向位置いかんを問わずウォーム190とかみ合い可能な
ものとし、ドリル16のホルダ本体10への挿入深さを
調節可能とする。加工時にドリル16に加えられる負荷
トルクはウォームホイール150およびウォーム190
を介してホルダ本体10に受けられ、ドリル16のホル
ダ本体10に対する相対回転が確実に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドリル,中ぐり工具
等の回転切削工具を保持する工具ホルダに関するもので
あり、特に、ホルダ本体が自身の回転軸線に対して偏心
した工具保持穴を有し、その工具保持穴内における回転
切削工具の位相を調節することにより加工穴径を調節可
能な工具ホルダの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の工具ホルダは既に知られてお
り、その一種に、自身の回転軸線に対して偏心した工
具保持穴を有するホルダ本体と、そのホルダ本体に保
持され、前記工具保持穴内に挿入された回転切削工具の
円形断面の被把持部を任意の位相で固定可能な固定装置
と、前記工具保持穴の奥部において前記ホルダ本体に
螺合され、先端部において前記回転切削工具の被把持部
の後端部に当接する軸方向位置調節用ねじ部材とを含む
ものがある。
【0003】この工具ホルダに回転切削工具を保持させ
る場合には、それの被把持部をホルダ本体の工具保持穴
内に、その被把持部の後端部が軸方向位置調節用ねじ部
材の先端部に当接するまで挿入する。軸方向位置調節用
ねじ部材を回転させれば、軸方向位置調節用ねじ部材が
ホルダ本体に対して螺進,螺退し、軸方向位置調節用ね
じ部材の先端部の工具保持穴内における軸方向位置が変
わるため、回転切削工具の被把持部の工具保持穴内への
挿入深さ、すなわち、回転切削工具の刃先の軸方向位置
を調節することができる。また、固定装置は、円形断面
の被把持部を任意の位相で固定可能なものであるため、
回転切削工具を工具ホルダに任意の位相で保持させるこ
とができる。
【0004】このようにして回転切削工具を保持させた
工具ホルダを工作機械の主軸に取り付けて回転させれ
ば、回転切削工具は主軸の回転軸線の回りを公転しつつ
自転する。工具保持穴がホルダ本体に対して偏心させら
れているからである。したがって、回転切削工具の工具
ホルダに対する相対位相を変えれば、回転切削工具の刃
先の描く円軌跡の直径が変わり、その刃先により加工さ
れる加工穴の直径が変わる。回転切削工具の工具ホルダ
に対する相対位相の調節によって加工穴径を調節し得る
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種
の工具ホルダには、工具ホルダから回転切削工具へのト
ルク伝達能力が不足し勝ちであるという問題があった。
上記のように、回転切削工具をホルダ本体に対して相対
回転可能とする必要上、回転切削工具とホルダ本体との
間に、互いに相対回転不能に係合してトルクを伝達する
トルク伝達機構が設けられておらず、ホルダ本体から回
転切削工具へのトルク伝達は専ら固定装置によって行わ
れる。そして、この固定装置は、円形断面の被把持部を
任意の位相で固定可能であることが必要であるため、円
形断面の被把持部との摩擦係合によりそれを固定するも
のとせざるを得ず、もし、その摩擦力に基づく保持トル
クより大きい負荷トルク(切削抵抗に基づくトルク)が
回転切削工具に加えられれば、回転切削工具の工具ホル
ダに対する相対回転が許容されてしまうのである。
【0006】本願の請求項1に係る第1発明は、以上の
事情を背景として、前記のホルダ本体,の固定装置
およびの軸方向位置調節用ねじ部材を含み、ホルダ本
体の工具保持穴内における回転切削工具の位相調節によ
り加工穴径を調節可能であり、かつ、軸方向位置調節用
ねじ部材の回転操作により回転切削工具の刃先の軸方向
位置を調節可能な工具ホルダにおいて、ホルダ本体から
回転切削工具へのトルク伝達能力を増大させることを課
題として為されたものである。また、請求項2に係る第
2発明の課題は、第1発明に係る工具ホルダの一方的回
転駆動装置の構成をできる限り単純化することである。
【0007】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
上記課題を解決するために、第1発明においては、上記
のホルダ本体,の固定装置およびの軸方向位置調
節用ねじ部材を含む工具ホルダに、ホルダ本体の偏心
した工具保持穴の奥部に相対回転可能かつ軸方向に相対
移動可能に嵌合され、回転切削工具の被把持部から軸方
向に突出した非円形断面の被係合部に係合部において相
対回転不能に係合するとともに、被把持部の工具保持穴
への挿入限度を規定する係合部材と、その係合部材の
軸方向の移動を許容し、かつ、係合部材を前記ホルダ本
体に対して相対回転させるが、係合部材により駆動され
ることのない一方的回転駆動装置とが付加される。ま
た、の軸方向位置調節用ねじ部材が、係合部材の係合
部とは反対側の端部とホルダ本体との一方にホルダ本体
の回転軸線と平行に螺合され、他方に当接するものとさ
れる。
【0008】この工具ホルダにおいては、軸方向位置調
節用ねじ部材が回転操作されれば、係合部材のホルダ本
体に対する軸方向の相対位置が変わり、その係合部材に
より工具保持穴への挿入限度が規定される回転切削工具
の刃先の軸方向位置が調節される。また、一方的回転駆
動装置により係合部材が回転させられれば、その係合部
材と相対回転不能に係合している回転切削工具も回転さ
せられ、加工穴径が調節される。その状態で加工が行わ
れ、回転切削工具に固定装置による保持トルクより大き
い負荷トルクが加えられた場合には、不足分のトルクが
係合部材に伝達される。しかし、係合部材の回転は一方
的回転駆動装置により阻止されるため、係合部材および
回転切削工具が負荷トルクにより回転させられることは
ない。すなわち、回転切削工具と係合部材との係合箇
所,一方的回転駆動装置等が破損しない限り、回転切削
工具が負荷トルクにより工具本体に対して回転させられ
ることはないのであって、前記従来の工具ホルダに比較
してトルク伝達能力が著しく向上する効果が得られるの
である。
【0009】第2発明においては、前記課題が、第1発
明の工具ホルダの一方的回転駆動装置を、係合部材と一
体的なウォームホイールと、そのウォームホイールとか
み合い、自身の軸方向に移動不能にホルダ本体に保持さ
れたウォームとを含むものとすることにより解決され
る。ウォームとウォームホイールとから成るウォームギ
ヤは、ウォームによりウォームホイールを回転させるこ
とはできるが、逆にウォームホイールによりウォームを
回転させることはできないようにすることがきわめて簡
単なのもであり、単純な構成で一方的回転駆動装置を実
現することができる。
【0010】
【発明の補足説明】本発明は、前記請求項に記載の態様
の他に、以下の態様でも実施可能である。各実施態様は
便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項で記載する。 (1)前記ウォームの一端面に非円形断面の工具係合穴
が形成されている請求項2に記載の工具ホルダ。工具係
合穴に回転操作工具を係合させてウォームを回転させる
ことができる。例えば、工具係合穴を六角穴とすれば六
角棒スパナを使用してウォームを回転させることができ
る。 (2)さらに、加工時に前記係合部材に作用するトルク
により前記ウォームが移動させられる向きにウォームを
付勢する付勢手段と、その付勢手段の付勢によるウォー
ムの移動を阻止するストッパとを含む請求項2または実
施態様項1に記載の工具ホルダ。本工具ホルダにおいて
は、付勢手段によってウォームが常にストッパに当接さ
せられているため、ウォームとストッパとの当接面間の
摩擦力によりウォームの自由な回転が抑制される。ま
た、加工時に回転切削工具から係合部材に加えられるト
ルクによってウォームが移動させられることがない。回
転切削工具をホルダ本体の工具保持穴に限度一杯挿入し
た後、回転切削工具に負荷トルクと同じ向きの回転トル
クを加えれば、まず回転切削工具の被係合部と係合部材
の係合部とが隙間なく係合し、次にウォームホイールと
ウォームとが隙間なくかみ合い、ウォームにストッパに
向かう向きの力が加えられる。しかし、この力はウォー
ムにとって偏心荷重となるため、もし、付勢手段が設け
られておらず、ウォームがストッパに当接させられてい
なければ、ウォームとそれを回転可能に保持しているホ
ルダ本体との間の摩擦力が大きくなり、回転切削工具に
対する回転トルクを大きくしなければ、ウォームをスト
ッパに当接させることができず、場合によっては、ウォ
ームとホルダ本体とがデッドロックを起こして回転トル
クをいかに大きくしようともストッパに当接させること
ができなくなるのであるが、付勢手段を設ければこの問
題を解消し得るのである。 (3)前記一方的回転駆動装置が、前記係合部材と一体
的なピニオンと、そのピニオンとかみ合うラックと、そ
のラックを前記ホルダ本体に対して長手方向に移動させ
るが、ラックにより駆動されることのない一方的移動装
置とを含む請求項1に記載の工具ホルダ。一方的移動装
置によりラックが長手方向に移動させられれば、ピニオ
ンおよび係合部材が回転させられる。それに対して、ピ
ニオンに回転トルクが加えられても、ラックの移動が一
方的移動装置により阻止されるため、ピニオンおよび係
合部材が回転することはない。 (4)前記一方的移動装置が、前記ラックと前記ホルダ
本体との少なくとも一方に螺合され、他方に回転可能に
かつ軸方向の自由な移動を阻止された状態で保持された
ラック駆動用ねじ部材を含む実施態様項3に記載の工具
ホルダ。ラック駆動用ねじ部材は、1個のねじ部を有す
るものとされ、ラックとホルダ本体とのいずれか一方に
螺合され、他方に回転可能かつ軸方向に移動不能に係合
させられてもよい。また、2個のねじ部を有するものと
され、各ねじ部においてラックとホルダ本体とにそれぞ
れ螺合されてもよい。2個のねじ部が、右ねじ部と左ね
じ部とであり、あるいは、ピッチが相異なるものであれ
ば、ラック駆動用ねじ部材の回転操作によりラックを長
手方向に移動させ得るのである。 (5)前記軸方向位置調節用ねじ部材が前記ホルダ本体
に螺合され、先端部において前記係合部材の後端部に当
接する請求項1,2,実施態様項1ないし4のいずれか
1つに記載の工具ホルダ。 (6)前記係合部材および前記軸方向位置調節用ねじ部
材が、それらの中心部を軸方向に貫通するクーラント孔
を有する請求項1,2,実施態様項1ないし5のいずれ
か1つに記載の工具ホルダ。 (7)前記軸方向位置調節用ねじ部材の後端面に非円形
断面の工具係合穴が形成されている請求項1,2,実施
態様項1ないし6のいずれか1つに記載の工具ホルダ。 (8)前記固定装置が、前記回転切削工具の被把持部
を、その被把持部と前記工具保持穴との同軸性を維持し
て把持する同軸性維持型把持装置である請求項1,2,
実施態様項1ないし7のいずれか1つに記載の工具ホル
ダ。固定装置を同軸性を維持し得ないもの、例えば、押
圧部材が回転切削工具の被把持部の外周面の一部に当接
して、反対側の部分を工具保持穴の内周面の一部に押圧
する形式の固定装置とすることも可能であるが、この場
合には、回転切削工具のホルダ本体に対する相対的な傾
きを防止し難く、加工穴の寸法精度を高くすることが困
難である。それに比較して、同軸性維持型把持装置は回
転切削工具のホルダ本体に対する傾きを防止し易く、本
発明に係る工具ホルダの固定装置として好適である。 (9)前記同軸性維持型把持装置が、前記ホルダ本体の
前記工具保持穴の内周面に液密かつ相対移動不能に嵌合
され、ホルダ本体との間に円筒状の液室を形成するスリ
ーブと、前記液室内に充満させられた液を加圧する加圧
装置とを含むハイドロリックチャックである実施態様項
8に記載の工具ホルダ。 (10)前記同軸性維持型把持装置が、コレットと、そ
のコレットを縮径させる縮径装置とを含むコレットチャ
ックである実施態様項8に記載の工具ホルダ。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をドリルホルダに適
用した場合の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。図1において、10はホルダ本体である。ホルダ本
体10は概して段付きの円筒状を成しており、ホルダ本
体10の中央部が本体部12,後端部側(図1において
右方)が小径の嵌合部14,前端部側(図1において左
方)が回転切削工具たるドリル(図1に二点鎖線で示
す)16を保持するドリル保持部18とされている。嵌
合部14は、後部ほど小径となるテーパ外周面20を備
えており、図4に示す工作機械の主軸24に取り付けら
れるようになっている。
【0012】主軸24はその回転軸線と同軸に延びる主
軸穴26を備えている。主軸穴26の主軸24の端面2
8に開口する部分は大径穴部とされている。大径穴部の
開口近傍部はホルダ本体10の嵌合部14のテーパ外周
面20に対応するテーパ内周面とされている。また、大
径穴部内には、段付円筒状の嵌合部材30が相対回転不
能かつ相対移動不能に嵌合されている。嵌合部材30
は、軸方向に延び、直径が主軸穴26の小径穴部と同じ
である貫通穴32を有している。嵌合部材30は大径部
において主軸穴26に嵌合されるとともに、小径部が主
軸穴26の開口側へ向かって延び出させられている。嵌
合部材30の小径部には、貫通穴32に達する一対の半
径方向穴38が形成されており、各半径方向穴38はボ
ール40を半径方向に移動可能かつ軸方向には実質的に
移動不能に保持している。
【0013】主軸穴26にはクランプロッド44が挿通
されている。クランプロッド44は主軸24に設けられ
た図示しないロッド駆動装置によって主軸穴26内を軸
方向に進退させられるようになっており、先端部が嵌合
部材30の貫通穴32に嵌入可能とされている。その先
端部の外周面には、前記ボール40が嵌入可能な一対の
ボール収容切欠46が形成されるとともに、各ボール収
容切欠46からクランプロッド44の先端へ向かう一対
の傾斜面48が形成されている。傾斜面48は先端側ほ
どクランプロッド44の軸線から遠ざかる向きに傾斜し
ている。また、ボール収容切欠46および傾斜面48の
横断面形状はそれぞれほぼ半円形および弓形であり、ボ
ール40をできる限り広い面で受けるようにされてい
る。
【0014】一方、図1に示すように、ホルダ本体10
の嵌合部14は軸方向穴52を有し、直径方向に隔たっ
た2箇所に軸方向に延びる切欠54を備えている。ま
た、各切欠54から90度隔たった部分に、嵌合部14
の外周面から半径方向に延びて軸方向穴52へ開口する
一対の貫通穴56を備えている。各貫通穴56は嵌合部
14の外周面においては開口部が円形とされているが、
嵌合部14の内周面に向かうほどホルダ本体10の軸方
向の寸法を大きくされ、長穴とされている。それによっ
て、図1および図4に示すように、貫通穴56の嵌合部
14の後端面60側の部分に半径方向内向きの傾斜面6
2が形成される。傾斜面62の傾斜方向はクランプロッ
ド44の傾斜面48とは逆向きとされており、傾斜角度
の絶対値が傾斜面48のそれより大きくされている。
【0015】嵌合部14の軸方向穴52の内周面にはO
リング64が嵌装されている。また、ホルダ本体10の
本体部12の嵌合部14側の端部には半径方向外向きの
フランジ部68が形成されており、フランジ部68の外
周面には円環状の係合溝70が形成されている。
【0016】主軸24にホルダ本体10が取り付けられ
ていない状態では、クランプロッド44は前進端位置に
あり、ボール収容切欠46内のボール40は嵌合部材3
0の半径方向穴38から外周側には突出していない。ホ
ルダ本体10の嵌合部14の貫通穴56と嵌合部材30
の半径方向穴38との位相を合致させられた状態で、作
業者の手により、あるいは係合溝70に係合した自動工
具交換装置により、嵌合部14が主軸穴26に嵌合され
れば、クランプロッド44のボール収容切欠46,嵌合
部材30の半径方向穴38および嵌合部14の貫通穴5
6が連通させられ、ボール40が貫通穴56に嵌入可能
となる。また、嵌合部14の切欠54に嵌合部材30の
係合突起が嵌入し、ホルダ本体10の回転を防止する状
態となる。
【0017】この状態で、クランプロッド44がロッド
駆動装置により主軸穴26内へ引き込まれれば、図4に
示すように、ボール40がクランプロッド44の傾斜面
48へ乗り上げ、半径方向穴38を経て貫通穴56へ嵌
入させられ、傾斜面62に当接させられる。したがっ
て、2つの斜面の効果によりホルダ本体10の嵌合部1
4が、Oリング64に嵌合部材30の先端部が当接する
まで主軸穴26に引き込まれ、嵌合部14のテーパ外周
面20が主軸穴26のテーパ内周面に密着させられると
ともにホルダ本体10の本体部12の端面76が主軸2
4の端面28に当接させられて、ホルダ本体10が主軸
24に固定される。
【0018】一方、ロッド駆動装置によりクランプロッ
ド44が、その先端面がホルダ本体10の嵌合部14の
軸方向穴52の底面に当接するまで前進させられれば、
ボール40が傾斜面48,62から離間させられ、ホル
ダ本体10の引込みが解除される。この状態でさらにク
ランプロッド44が前進させられれば、嵌合部14がロ
ッド44により主軸穴26から押し出され、ホルダ本体
10が主軸24から離脱させられる。なお、ボール40
はクランプロッド44の前進に伴ってクランプロッド4
4のボール収容切欠46に収容され、半径方向穴38か
ら外周側へ突出しない状態に戻る。
【0019】図1に破線で示すように、ホルダ本体10
には、ドリル保持部18から軸方向に延び、本体部12
を経て嵌合部14の軸方向穴52に連通する段付きのド
リル保持穴90が形成されている。ドリル保持穴90は
ホルダ本体10の回転軸線に対して偏心している。
【0020】ドリル保持穴90のドリル保持部18側の
部分は大径とされており、円筒状のスリーブ92が嵌合
されている。ホルダ本体10には、その外周面から半径
方向に延びてドリル保持穴90に開口する一対のピン穴
94が形成されるとともに、スリーブ92には半径方向
に延びる一対の係合穴98が形成されており、各ピン穴
94にはそれぞれピン100が挿入され、各ピン100
の先端部がスリーブ92の各係合穴98に係合した状態
で、セットスクリュ102により固定されている。それ
により、スリーブ92のホルダ本体10との相対移動が
防止され、スリーブ92がドリル保持穴90に固定され
ている。スリーブ92には、ドリル保持穴90と同軸に
延びる嵌合穴104が形成されており、ドリル16の被
把持部である円形断面のシャンク106が嵌合されるよ
うになっている。スリーブ92の軸方向の中央部外周面
には幅広の環状溝108が形成されており、それによっ
てスリーブ92の軸方向の中央部が薄肉の弾性変形部1
10とされている。
【0021】スリーブ92がホルダ本体10のドリル保
持穴90に固定されることにより、弾性変形部110の
外周面とドリル保持穴90の内周面との間に円筒状の液
室たる油室112が形成される。油室112には作動液
としての作動油が充満させられており、油室112に油
圧が発生させられるとき、スリーブ92の弾性変形部1
10が嵌合穴104の軸心に向かって膨出するようにな
っている。なお、油室112の前後両側にはOリング1
14,116が配設され、油室112の油密が保たれて
いる。
【0022】図2に示すように、ホルダ本体10のドリ
ル保持部18には、油室112に連通する油通路120
が形成されている。油通路120の一端は、油室112
の軸方向の中央部に連通させられ、他端はプラグ122
により密閉されている。また、ドリル保持部18には、
それの断面形状である円の弦に沿ってシリンダボア12
6が形成され、油通路120と連通させられている。こ
のシリンダボア126にはピストン128が液密にかつ
軸方向に移動可能に嵌合されている。シリンダボア12
6の開口部には操作ねじ130が螺合されており、操作
ねじ130によってピストン128がシリンダボア12
6内に押し込まれるようになっている。操作ねじ130
のねじ込み量によって油室112の油圧が制御されるよ
うになっているのである。ピストン128とドリル保持
部18とによって囲まれ、油通路120に連通させられ
た部分は、比較的容量の大きい副油室132とされてい
る。なお、図2から明らかなように、ドリル保持部18
には上記油通路120,プラグ122,シリンダボア1
26,ピストン128,操作ねじ130,副油室132
等から成る加圧装置136が軸対称に2組設けられてお
り、操作の容易な方が選択的に操作される。
【0023】操作ねじ130がピストン128から離間
するまで螺退させられた状態では油室112に油圧が発
生しておらず、スリーブ92の弾性変形部110がドリ
ル保持穴90の中心線に向かって膨出させられていな
い。この状態で、シャンク106がスリーブ92に挿入
され、操作ねじ130のねじ込み量が増されれば、油室
112内の油圧が上昇させられて弾性変形部110が膨
出させられるため、シャンク106が強固に把持され
る。本実施形態においては、上記加圧装置136とスリ
ーブ92とによってドリル16の固定装置たるハイドロ
リックチャック140が構成されているのである。
【0024】図1に示すように、ドリル保持穴90のハ
イドロリックチャック140の奥部は小径とされてお
り、ウォームホイール150が嵌合されている。ウォー
ムホイール150はホルダ本体10に相対回転可能かつ
軸方向に相対移動可能に嵌合されている。ウォームホイ
ール150のハイドロリックチャック140側の端面、
すなわち先端面には、ウォームホイール150の半径方
向に延びる矩形断面の溝154が形成されており、ドリ
ル16のシャンク106の端面158から軸方向に突出
した矩形断面のタング160が係合させられるようにな
っている。タング160が溝154に係合させられるこ
とにより、ドリル16のウォームホイール150に対す
る相対回転が防止されるとともに、シャンク106のド
リル保持穴90への挿入限度が規定される。本実施形態
においては、ウォームホイール150が係合部材として
機能するのである。
【0025】ウォームホイール150の先端面とは反対
側の端面、すなわち後端面には、軸方向位置調節用ねじ
部材としての雄ねじ部材164の先端面166が当接さ
せられている。雄ねじ部材164はドリル保持穴90の
内周面に形成された雌ねじ部170に、ホルダ本体10
の回転軸線と平行に螺合されている。雄ねじ部材164
の後端面172には、工具係合穴たる六角穴174が形
成されている。六角穴174に六角レンチ等の工具を係
合させて雄ねじ部材164を回転させることにより、雄
ねじ部材164がドリル保持穴90内を軸方向に移動さ
せられる。それに伴って、ウォームホイール150のホ
ルダ本体10に対する軸方向位置が変わる。雄ねじ部材
164およびウォームホイール150にはそれぞれ、そ
れらの中心部を軸方向に貫通するクーラント孔178,
180が形成されている。
【0026】図1および図3に示すように、ホルダ本体
10には、それの断面形状である円の弦に沿ってホルダ
本体10を貫通する段付きのウォーム保持穴188が形
成されている。ウォーム保持穴188の軸方向の中央部
の一部はドリル保持穴90と連通しており、ここにウォ
ームホイール150とかみ合うウォーム190が保持さ
れている。ウォーム190の端面192には工具係合穴
たる六角穴194が形成されており、ここに六角棒スパ
ナ等の工具を係合させてウォーム190を回転させるこ
とにより、ウォームホイール150をドリル保持穴90
内で回転させることができる。また、ウォームホイール
150の歯はウォームホイール150の外周面に全長に
わたって同一の断面形状で延びており、ウォームホイー
ル150の軸方向位置のいかんを問わずウォーム190
とかみ合い可能である。
【0027】ウォーム190の端面192とは反対側の
端面195には軸方向穴196が形成されている。この
端面195に近接して板状のスプリングリテーナ198
が配設されている。スプリングリテーナ198はウォー
ム保持穴188の肩面に止め輪200により固定された
円板により構成されており、ウォーム190のウォーム
保持穴188からの抜け出しを防止している。また、ス
プリングリテーナ198とウォーム190の軸方向穴1
96の底面との間には、付勢手段たる弾性部材として圧
縮コイルスプリング202が配設されている。それによ
り、ウォーム190の端面192がウォーム保持穴18
8の肩面により構成されるストッパ204に当接する向
き、すなわち切削加工時に切削抵抗に基づいてウォーム
ホイール150に作用するトルクによりウォーム190
が移動させられる向きに付勢されている。したがって、
ウォーム190の端面192とストッパ204との間の
摩擦力により、ウォーム190の自由な回転が抑制され
るとともに、ウォーム190とストッパ204との間の
隙間が消滅させられている。
【0028】ウォーム190によりウォームホイール1
50を回転させることはできるが、ウォームホイール1
50によりウォーム190を軸方向に移動させることは
できず、これらウォーム190とウォームホイール15
0とによって、一方的回転駆動装置206が構成されて
いる。ウォームホイール150は、ドリル16と相対回
転不能に係合する係合部材と、一方的回転駆動装置20
6の構成要素とを兼ねているのである。
【0029】以上のように構成されたドリルホルダによ
り、ドリル16を工作機械の主軸24に取り付ける作業
について説明する。通常は、ハイドロリックチャック1
40の操作ねじ130が緩められて油室112の油圧が
大気圧とされ、スリーブ92の弾性変形部110がドリ
ル保持穴90の中心線に向かって膨出していない状態と
されている。この状態において、まず、ホルダ本体10
のドリル保持穴90へドリル16のシャンク106を挿
入し、ハイドロリックチャック140のスリーブ92を
通過したタング160をウォームホイール150の溝1
54に係合させ、ドリル16をウォームホイール150
に相対回転不能に係合させる。
【0030】次に、ホルダ本体10の嵌合部14側から
ドリル保持穴90へ六角レンチを挿入し、雄ねじ部材1
64の六角穴174に係合させる。そして、雄ねじ部材
164を回転操作してウォームホイール150のドリル
保持穴90内における軸方向位置、すなわちホルダ本体
10に対する軸方向の相対位置を調節し、ドリル16の
ドリル保持穴90への挿入深さを調節する。それによ
り、ドリル16の刃先の軸方向位置が調節される。
【0031】次に、ホルダ本体10のウォーム保持穴1
88に六角棒スパナを挿入し、ウォーム190の六角穴
194に係合させて回転させ、ウォームホイール150
を回転させる。それにより、ウォームホイール150お
よびそれと相対回転不能に係合させられたドリル16が
回転させられる。この操作は、加工時に切削抵抗に基づ
いてドリル16に作用する負荷トルクと同方向の回転ト
ルクを付与した状態で行う。この回転トルクにより、ド
リル16のタング160とウォームホイール150の溝
154とが隙間なく係合し、ウォームホイール150と
ウォーム190とが隙間なくかみ合う状態となる。
【0032】ドリル保持穴90、すなわちハイドロリッ
クチャック140のスリーブ92は前述のように、ホル
ダ本体10の回転軸線に対して偏心しているため、その
中でドリル16が回転させられれば、そのドリル16の
主切刃の外周側端の、ホルダ本体10の回転軸線からの
距離が変化する。ドリル16の刃先の半径方向位置の調
節を行うことができるのであり、それによって加工穴径
が変化する。この場合の調節量の認識を容易にするため
に、ウォーム190の端面192とウォーム保持穴18
8の内周面との一方に目盛りを、他方に基準線を形成し
ておくことが望ましい。
【0033】ドリル16の主切刃の外周側端の軸方向位
置および半径方向位置を調節したならば、ハイドロリッ
クチャック140の操作ねじ130のねじ込み量を増し
て油室112内の油圧を上昇させ、ハイドロリックチャ
ック140にシャンク106を強固に把持させる。ハイ
ドロリックチャック140はドリル16のシャンク10
6を、ドリル保持穴90との同軸性を維持して把持する
同軸性維持形把持装置である。そのため、同軸性を維持
し得ない把持装置、例えば、押圧部材がドリル16のシ
ャンク106の外周面の一部に当接して、反対側の部分
をドリル保持穴90の内周面の一部に押圧する形式の把
持装置に比較して、ドリル16のホルダ本体10に対す
る相対的な位置決め精度が高く、加工穴の寸法精度を高
くすることが容易である。
【0034】ドリル16をホルダ本体10に固定した
後、ホルダ本体10を工作機械の主軸24に取り付け
る。まず、ホルダ本体10の嵌合部14の貫通穴56と
主軸穴26の嵌合部材30の半径方向穴38との位相を
合わせた状態で、嵌合部14を主軸穴26に嵌合する。
次に、主軸24のロッド駆動装置を作動させてクランプ
ロッド44を主軸穴26内へ引き込ませれば、ホルダ本
体10が主軸穴26に引き込まれて主軸24に固定さ
れ、ドリル16による被加工物の加工が可能な状態とな
る。加工中は、雄ねじ部材164のクーラント孔178
およびウォームホイール150のクーラント孔180を
経て、ドリル16にクーラントが供給される。
【0035】加工中、ドリル16にハイドロリックチャ
ック140による保持トルクより大きい負荷トルクが加
えられた場合には、不足分のトルクがウォームホイール
150に伝達される。このウォームホイール150の回
転はウォーム190によって阻止されるため、ウォーム
ホイール150およびドリル16が負荷トルクにより回
転させられることがない。したがって、従来のドリルホ
ルダに比較してトルク伝達能力が著しく向上する。
【0036】特に、本実施形態においてはウォーム19
0が圧縮コイルスプリング202によりストッパ204
に当接させられているため、加工時にドリル16からウ
ォームホイール150に加えられるトルクによってウォ
ーム190が軸方向に移動させられることがない。ドリ
ル16に負荷トルクが加えられれば、その一部がタング
160と溝154との係合によりウォームホイール15
0に伝達され、ウォームホイール150とウォーム19
0とのかみ合いにより、ウォーム190にストッパ20
4に向かう向きの力が加えられる。この力はウォーム1
90にとって偏心荷重となるため、もし、圧縮コイルス
プリング202が設けられておらず、ウォーム190が
ストッパ204に当接させられていなければ、ウォーム
190とウォーム190を回転可能に保持しているホル
ダ本体10との間の摩擦力が大きくなる。そのため、前
述のドリル16の刃先位置の調節時に、ドリル16に対
する回転トルクを大きくしなければ、ウォーム190を
ストッパ198に当接させることができず、場合によっ
てはウォーム190とホルダ本体10とがデッドロック
を起こして回転トルクをいかに大きくしようともストッ
パ198に当接させることができなくなる。この状態で
穴あけ加工が行われ、振動によりウォーム190とホル
ダ本体10との間の摩擦力が減少するなどにより、ウォ
ーム190が移動すれば、ウォームホイール150およ
びドリル16が回転し、加工穴径が変わってしまった
り、スリーブ92の内周面やシャンク106の外周面が
きずついたりする不都合が生じるのであるが、本実施形
態においては圧縮コイルスプリング202とストッパ1
98とによってこのような事態の発生が防止される。
【0037】なお、以上説明した実施形態においては、
雄ねじ部材164がホルダ本体10の雌ねじ部170に
螺合され、係合部材を兼ねるウォームホイール150に
当接させられるようになっているが、ねじ部材を係合部
材のドリルとの係合部とは反対側の端部にホルダ本体の
回転軸線と平行に螺合して、ホルダ本体に当接させるよ
うにしてもよい。
【0038】また、前記実施形態においては、同軸性維
持型把持装置としてハイドロリックチャック140が採
用されているが、ハイドロリックチャック140に代え
て、コレットと、そのコレットを縮径させる縮径装置と
を含むコレットチャックを採用することも可能である。
【0039】さらに、前記実施形態においては、一方的
回転駆動装置206がウォームホイール150とウォー
ム190とから成るウォームギヤを主要構成部材として
構成されていたが、図5に示すように、一方的回転駆動
装置をピニオンとラックとを含むものとすることも可能
である。図5において、ホルダ本体300のドリル保持
穴302には、ピニオン304がホルダ本体300に対
して相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合され
ている。ピニオン304はドリルのタングと係合する溝
を有しており、ドリルの回転を防止するとともにドリル
のシャンクのドリル保持穴302への挿入限度を規定す
る係合部材として機能する。
【0040】一方、ホルダ本体300には、ホルダ本体
300の断面形状である円の弦に沿ってホルダ本体30
0を貫通する段付きのラック保持穴308が形成されて
いる。ラック保持穴308はドリル保持穴302を挟ん
で一対軸対称に形成されている。各ラック保持穴308
の軸方向の中央部の一部はドリル保持穴302と連通し
ており、ピニオン304とかみ合うラック310がそれ
ぞれ保持されている。各ラック310には軸方向に延び
る雌ねじ穴312が形成されており、ラック駆動用ねじ
部材たるボルト314が螺合されている。ボルト314
の頭部の端面には工具係合穴たる六角穴320が形成さ
れており、ここに六角レンチ等の工具を係合させてボル
ト314を回転させることができる。一方のボルト31
4は、その頭部がラック保持穴308の肩面と止め輪3
16との間に挟まれることにより、ラック保持穴308
内において回転は可能であるが軸方向には移動不能とさ
れている。それに対して、他方のボルト314に対応す
るラック保持穴308には肩面は形成されているが、止
め輪316は設けられていない。
【0041】止め輪316がない側のボルト314の頭
部を、ラック保持穴308の肩面から浮き上がらせた状
態で、止め輪316がある側のボルト314を回転操作
すれば、ラック310を正逆両方向に移動させることが
でき、ピニオン304およびそれに相対回転不能に係合
させられているドリルを正逆両方向に回転させて、ドリ
ルの刃先の半径方向位置を調節することができる。な
お、この操作はドリルに負荷トルクと同じ向きの回転ト
ルク、図5においては時計方向の回転トルクを作用させ
た状態で行うことが望ましい。また、上記ピニオン30
4の回転に伴って、止め輪316がない側のラック31
0およびボルト314が、止め輪316がある側のラッ
ク310とは逆方向に移動する。
【0042】ドリルの刃先の半径方向位置の調節が終了
したならば、止め輪316が設けられていないラック保
持穴308内のボルト314を、それの頭部がラック保
持穴308の肩面に強く押し付けられるまで締めつけ
る。これにより、ピニオン304に、切削抵抗に基づく
負荷トルクと同じ向きの回転トルクが付与され、反対側
のボルト314の頭部が止め輪316に強く押し付けら
れた状態となる。ピニオン304とラック310、ラッ
ク310とボルト314、およびボルト314と止め輪
316がそれぞれ隙間なく係合した状態となるのであ
り、したがって、加工中に負荷トルクによりドリルが回
転させられることが確実に防止される。
【0043】ボルト314の回転操作によってラック3
10を移動させることはできるが、ラック310の軸方
向移動によりボルト314を回転させることはできず、
本実施形態においては、ボルト314および止め輪31
6により一方的移動装置324が構成されている。ま
た、加工中に、ドリルの負荷トルクがピニオン304に
伝達されても、ラック310の移動が一方的移動装置3
24により防止されるため、ピニオン304およびドリ
ルが回転することはない。ピニオン304,ラック31
0および一方的移動装置324により一方的回転駆動装
置326が構成されているのである。
【0044】なお、本実施形態においては、ボルト31
4がラック310に螺合されていたが、ねじ部材をホル
ダ本体に螺合させ、ラックに相対回転可能かつ軸方向に
移動不能に係合させることも可能である。また、ボルト
314は1個のねじ部を有するものとされていたが、ね
じ部材が2個のねじ部を有するものとされ、各ねじ部に
おいてラックとホルダ本体とにそれぞれ螺合されてもよ
い。2個のねじ部が、右ねじ部と左ねじ部とであり、あ
るいはピッチが相異なるものであれば、ねじ部材の回転
操作によりラックを長手方向に移動させ得るのである。
【0045】上記2つの実施形態においては、一方的回
転駆動装置を構成するウォームホイールあるいはピニオ
ンがドリルの被係合部と相対回転不能に係合する係合部
材を兼ねていたが、係合部材を独立して設けることも可
能である。その他、ドリルに代えて、中ぐり工具,エン
ドミル等他の回転切削工具を保持する工具ホルダに本発
明を適用する等、当業者の知識に基づいて種々の変形,
改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である工具ホルダを示す正
面図である。
【図2】上記工具ホルダの左側面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】上記工具ホルダの主軸への取付状態を示す正面
断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態である工具ホルダを示す
側面断面図である。
【符号の説明】
10 ホルダ本体 16 ドリル 90 ドリル保持穴 140 ハイドロリックチャック 150 ウォームホイール 154 溝 160 タング 164 雄ねじ部材 190 ウォーム 206 一方的回転駆動装置 300 ホルダ本体 302 ドリル保持穴 304 ピニオン 310 ラック 324 一方的移動装置 326 一方的回転駆動装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自身の回転軸線に対して偏心した工具保
    持穴を有するホルダ本体と、 そのホルダ本体に保持され、前記工具保持穴内に挿入さ
    れた回転切削工具の円形断面の被把持部を任意の位相で
    固定可能な固定装置と、 前記工具保持穴の奥部に相対回転可能かつ軸方向に相対
    移動可能に嵌合され、前記回転切削工具の前記被把持部
    から軸方向に突出した非円形断面の被係合部に係合部に
    おいて相対回転不能に係合するとともに、被把持部の工
    具保持穴への挿入限度を規定する係合部材と、 その係合部材の前記係合部とは反対側の端部と前記ホル
    ダとの一方に前記ホルダ本体の回転軸線と平行に螺合さ
    れ、他方に当接させられた軸方向位置調節用ねじ部材
    と、 前記係合部材の軸方向の移動を許容し、かつ、係合部材
    を前記ホルダ本体に対して相対回転させるが、係合部材
    により駆動されることのない一方的回転駆動装置と、 を含むことを特徴とする工具ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記一方的回転駆動装置が、前記係合部
    材と一体的なウォームホイールと、そのウォームホイー
    ルとかみ合い、自身の軸方向に移動不能に前記ホルダ本
    体に保持されたウォームとを含むことを特徴とする請求
    項1に記載の工具ホルダ。
JP22520896A 1996-08-27 1996-08-27 工具ホルダ Pending JPH1071512A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013523465A (ja) * 2010-04-01 2013-06-17 シュンク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト スパン−ウント グライフテクニック 回転スピンドルでクランプチャックをセンタリングするためのセンタリング装置、およびこれに付属するロック装置
JP2013523464A (ja) * 2010-04-01 2013-06-17 シュンク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト スパン−ウント グライフテクニック 回転スピンドルにクランプチャックを取り付けるための取り付け装置

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US9242325B2 (en) 2010-04-01 2016-01-26 Schunk Gmbh & Co. Kg Spann-Und Greiftechnik Securing device for securing a chuck on a rotating spindle
US9283645B2 (en) 2010-04-01 2016-03-15 Schunk Gmbh & Co. Kg Spann-Und Greiftechnik Centering device for centering a chuck on a rotating spindle and associated locking device

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