JPH1071194A - 撥水消臭加工用組成物およびその用途 - Google Patents

撥水消臭加工用組成物およびその用途

Info

Publication number
JPH1071194A
JPH1071194A JP8229120A JP22912096A JPH1071194A JP H1071194 A JPH1071194 A JP H1071194A JP 8229120 A JP8229120 A JP 8229120A JP 22912096 A JP22912096 A JP 22912096A JP H1071194 A JPH1071194 A JP H1071194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
oil
group
repelling
repellent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8229120A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuji Ito
勝治 伊藤
Nobuyuki Miyazaki
信幸 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP8229120A priority Critical patent/JPH1071194A/ja
Publication of JPH1071194A publication Critical patent/JPH1071194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた撥水撥油性能と消臭性能を両立させて繊
維に付与できる組成物を提供する。 【解決手段】フッ素系撥水撥油剤、孟宗竹抽出成分、お
よび、媒体を含む組成物。フッ素系撥水撥油剤として
は、ポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリ
レートの重合単位を含む重合体が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な撥水消臭加
工用組成物、および、該組成物による繊維処理方法剤、
および、該撥水消臭加工用組成物で処理した繊維または
繊維体に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維または繊維体に撥水撥油性を付与す
る目的で、これらをフッ素系撥水撥油剤で処理する方法
は広く行われている。また、繊維に付着したタバコ等の
臭気を消すための消臭剤としては、金属塩や金属錯体
(鉄フタロシアニン系化合物)、フラボノイド系化合
物、多孔質吸着体、有機酸等が提案されている。
【0003】さらに、撥水撥油性と消臭性の両性能を付
与するための方法としては以下の方法が提案されてい
る。(1)消臭剤を合成繊維中に練り混み、紡糸し、つ
ぎに撥水撥油剤処理を行う方法。(2)繊維に浸漬、吸
尽、スプレー等の方法で消臭剤を処理した後、撥水撥油
剤で処理する方法。(3)繊維を鉄フタロシアニン系化
合物と撥水撥油剤からなる組成物により処理する方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
は、以下の欠点があった。 (1)消臭剤の耐熱性が低いため、合成繊維中に練り混
みにくく、また、練り込み可能な消臭剤に制限があり、
多孔質体においては、練り込みにより性能が低下する欠
点もある。(2)撥水撥油剤の処理により消臭性能が低
下する欠点があり、かつ、2段階の処理を必要とするた
め、処理操作が煩雑である欠点もある。(3) 組成物の
安定性が不充分であり、充分な撥水性と消臭性が得られ
ない欠点がある。以上のように、消臭性能と撥水撥油性
能の両性能を付与可能な剤として充分なものは得られて
いない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の重
合体と孟宗竹抽出成分を組み合わせることにより、優れ
た撥水消臭作用を発現する加工剤組成物が得られること
を見いだした。すなわち、本発明は、フッ素系撥水撥油
剤、孟宗竹抽出成分、および、媒体を含むことを特徴と
する撥水消臭加工用組成物を提供する。さらに、本発明
は、上記撥水消臭加工用組成物による処理方法、および
上記撥水消臭加工用組成物で処理した繊維または繊維体
を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下において、ポリフルオロアル
キル基をRf 基と記載する。また、Rf 基と重合性不飽
和基とを有する重合性化合物を「Rf 基含有単量体」と
記載する。
【0007】本発明の撥水消臭加工剤組成物はフッ素系
撥水撥油剤を含む。フッ素系撥水撥油剤としては、撥水
撥油剤として従来より公知の含フッ素化合物を含むフッ
素系撥水撥油剤であれば特に限定されず、いずれの化合
物であっても用いることができる。たとえば、Rf 基を
含有する重合体、Rf 基を含有するウレタン化合物、R
f 基を含有するアルコールのリン酸エステル、Rf 基を
含有するカルボン酸と水酸基含有化合物とのエステル等
が挙げられる。これらのうち、本発明においては、フッ
素系撥水撥油剤としてRf 基を有する化合物を含有する
撥水撥油剤が好ましく、特に、Rf 基含有単量体の重合
単位を含む重合体を含有する撥水撥油剤が好ましい。
【0008】Rf 基は、アルキル基中の水素原子の2個
以上がフッ素原子に置換された基をいう。また、本発明
におけるRf 基は、アルキル基の炭素−炭素結合間にエ
ーテル性の酸素原子が挿入されていてもよく、または、
アルキル基の炭素−炭素結合間にチオエーテル性の硫黄
原子が挿入されていてもよい。Rf 基は、塩素原子等の
他のハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0009】Rf 基中のフッ素原子は、[(フッ素原子
数)/(Rf 基に対応する同一炭素原子数のアルキル基
中の水素原子数)]×100%で表現した場合に、60
%以上が好ましい。
【0010】Rf 基の炭素数は1以上であり、4〜20
が好ましく、特に6〜12が好ましい。また、Rf 基の
構造は、直鎖あるいは分岐のいずれの構造であってもよ
いが、分岐の構造である場合には、分岐部分がRf 基の
末端や末端に近い部分に存在し、かつ炭素数1〜3程度
の短鎖である場合が好ましい。
【0011】Rf 基は、アルキル基中の水素原子の実質
的に全てがフッ素原子に置換された基であるパーフルオ
ロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を末端部分
に有する基が好ましい。パーフルオロアルキル基の炭素
−炭素結合間には、エーテル性の酸素原子が挿入されて
いてもよく、または、チオエーテル性の硫黄原子が挿入
されていてもよい。
【0012】パーフルオロアルキル基の炭素数は4〜2
0個が好ましく、特に6〜12が好ましい。また、パー
フルオロアルキル基の構造は、直鎖構造または分岐構造
のいずれであってもよく、分岐構造である場合には、分
岐部分がRf 基の末端や末端に近い部分に存在し、かつ
炭素数1〜3程度の短鎖である場合が好ましい。
【0013】さらに、パーフルオロアルキル基は、CF
3 (CF2k −[ただし、kは3〜19の整数]で表
される直鎖状パーフルオロアルキル基、または、CF3
(CF2j −(CX12 CX34i −[ただ
し、X1 、X2 、X3 、X4 は、それぞれ独立に、水素
原子、フッ素原子、または塩素原子を示し、少なくとも
1つはフッ素原子を示す。iおよびjは、それぞれ独立
に、1以上の整数を示し、3≦(j+2i)≦19であ
る]で表される直鎖状パーフルオロアルキル基を末端部
分に有する基が好ましい。
【0014】Rf 基の具体例を以下に挙げるが、これら
に限定されない。C25 −、C37 −[CF3 (C
22 −、および(CF32 CF−の両者を含
む。]、C49 −[CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−を含む]、C511−[CF3 (CF
24 −、(CF32 CF(CF22 −、(CF
33 CCF2 −、CF3 CF2 CF(CF3 )CF2
−などの構造異性の基を含む]、C 613−[CF3
(CF22 C(CF32 −などの構造異性の基を含
む]、C817−、C1021−、C1225−、C1531
−、HCq2q−(ここで、qは1〜20の整数であ
る。)、(CF32 CF(CF2r −(ここで、r
は1〜17の整数である。)など。
【0015】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]s CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]t CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2O)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −、C65 −、C
65 CF=CF−(ただし、s、tは1〜5の整数、
uは2〜6の整数、vは1〜6の整数、wは1〜9の整
数である。)など。
【0016】Rf 基含有単量体においては、Rf 基と重
合性不飽和基とが直接結合した化合物、または、Rf
と重合性不飽和基とが多価の連結基を介して結合した化
合物が好ましく、特に後者の化合物が好ましい。
【0017】多価の連結基としては、アルキレン基、−
NH−結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結
合、およびエーテル結合等の結合基、およびこれらの基
と有機基が結合した有機結合基が挙げられる。さらに多
価の結合基としては、2価の結合基が好ましく、ジメチ
レン基、−NH−結合、エステル結合、アミド結合、ウ
レタン結合、エーテル結合等の2価の結合基、およびこ
れらの2価の結合基と2価の有機基が結合した2価の有
機結合基が好ましい。Rf 基含有単量体としては、式1
で表される化合物が好ましい。
【0018】
【化1】Rf −Q1 −CR10=CH2 ・・・式1
【0019】ただし、式1において、Rf はRf 基を示
し、パーフルオロアルキル基が好ましく、特にCF3
(CF2k −[ただし、kは3〜19の整数]で表さ
れる直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましく、kは
3〜11が好ましい。R10は、水素原子、メチル基、ま
たはハロゲン原子を示し、水素原子またはメチル基が好
ましい。Q1 は、−(CH2n −Q10−(CH2p
−Q11−で表される2価の結合基を示す。
【0020】ただし、Q10は、単結合、−C(O)ON
H−、−C(O)NH−、−SO2NH−、または−N
HC(O)NH−を示す。nは0〜21の整数、pは1
〜22の整数であり、かつ、n+pは2〜22の整数で
ある。Q10は、単結合、−C(O)NH−、または−S
2 NH−であり、n+pが2〜6の整数である場合が
好ましく、特に、Q10が単結合であり、n+pが2〜6
の整数である場合が好ましい。すなわち、Q1 部分は、
ジメチレン基〜ヘキサメチレン基を含む場合が好まし
い。
【0021】Q11は、単結合、−C(O)O−[−C
(O)O−結合である場合と−OC(O)−の両者の場
合を含むものとする。他の場合も同様である]、−OC
2 −φ−(φは、1,4−フェニレン基を示す)、エ
ーテル性の酸素原子を示す。Q11は、単結合、−C
(O)O−またはエーテル性の酸素原子が好ましい。
【0022】式1で表される化合物の具体例としては、
下記化合物が挙げられるが、これらに限定されない。な
お、下式におけるR10は、上記と同じ意味を示す。下記
の化合物は、Rf 基含有アルコール、Rf 基含有カルボ
ン酸、あるいはRf 基含有スルホン酸等から容易に誘導
できる。
【0023】
【化2】CF3(CF2)5(CH2)2OC(O)CR10=CH2、CF3(CF2)7(CH
2)4OC(O)CR10=CH2、CF3(CF2)9(CH2)3OC(O)CR10=CH2、CF
3(CF2)5(CH2)6OC(O)CR10=CH2、CF3(CF2)7C(O)NH(CH2)5O
C(O)CR10=CH2、CF3(CF2)5(CH2)2OC(O)CR10=CH2、CF3(CF
2)7(CH2)2OC(O)CR10=CH2、CF3(CF2)9CH2C(O)OCR10=CH
2
【0024】
【化3】CF3(CF2)7(CH2)2OCR10=CH2、CF3(CF2)7CH2CF2C
H2CH2OC(O)CR10=CH2、CF3(CF2)7(CH2)4OC(O)CR10=CH2
CF3(CF2)7C(O)NH(CH2)3CR10=CH2 、CF3(CF2)7C(O)NH(CH
2)2CR10=CH2 、CF3(CF2)7SO2NH(CH2)2CR10=CH2、CF3(CF
2)7(CH2)6OC(O)CR10=CH2
【0025】式1で表される化合物は、特に、Rf 基を
含有するアクリレートおよび/またはRf 基を含有する
メタクリレートが好ましい。なお、以下においてアクリ
レートとメタクリレートとを総称して(メタ)アクリレ
ートと記載する。他の化合物においても同様に記載す
る。
【0026】Rf 基含有単量体の重合単位を含む重合体
は、Rf 基含有単量体の重合単位の1種以上を含む重合
体、またはRf 基含有単量体の重合単位の1種以上とと
もに、他の重合性モノマーの重合単位の1種以上を含ん
でいる重合体のいずれであってもよい。他の重合性モノ
マーは、フッ素原子を含む重合性モノマーであっても含
まない重合性モノマーであってもよい。他の重合性モノ
マーの重合単位を含む場合には、重合体中に、Rf 基含
有単量体の重合単位を50重量%以上を含む場合が好ま
しく、特に70重量%以上を含む場合が好ましい。
【0027】他の重合性モノマーとしては、Rf 基含有
単量体と重合可能な不飽和基を含有する化合物であり、
下記化合物が挙げられる。メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリエレー
ト、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジオール
のモノあるいはジ(メタ)アクリレート、オルガノポリ
シロキサン残基を有する(メタ)アクリレート。
【0028】アジリジニル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)クリ
レート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト。N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、メチロール化ジアセトン
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド。
【0029】塩化ビニル、酢酸ビニル、フッ化ビニル、
ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエ
ーテル、ビニルアルキルケトン、エチレン、スチレン、
α−メチルスチレン、無水マレイン酸、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、フッ化ビニル等。
【0030】Rf 基含有単量体の重合単位を含む重合体
の合成方法としては、特に限定されず、有機溶媒を用い
た溶液重合法、水を分散媒とする分散重合法、乳化重合
法等の通常の重合方法を用いて合成することが可能であ
る。得られた含フッ素重合体を含む溶液、分散液、また
は乳化液は本発明の組成物中にそのまま含ませてもよ
い。また、重合体を分離した後に、適宜、溶媒、分散
媒、または乳化媒に、溶解、分散、または乳化したもの
を用いてもよい。
【0031】本発明の撥水消臭加工用組成物は、上記フ
ッ素系撥水撥油剤とともに、孟宗竹抽出成分を含む。孟
宗竹抽出成分は、孟宗竹の地上部および/または地下
部、またはこれを乾燥させたものから抽出された成分で
ある。
【0032】抽出操作は、通常の場合には、孟宗竹を適
当な抽出溶媒に充分な時間浸漬することにより実施でき
る。また抽出時には、必要に応じて熱や圧力を加えても
よい。抽出溶媒としては、水および/または有機溶媒が
好ましく、特に水とエタノールの混合溶媒が好ましい。
従来より孟宗竹のエタノール抽出成分には、抗菌活性、
消臭活性があることが知られている。具体的な成分とし
てはキノン誘導体、糖類(多糖類)が知られている(月
刊フードケミカル,1909-5,p.36〜39. 等)。
【0033】さらに抽出成分は、抽出溶媒中に含まれる
ままであってもよく、抽出溶媒から分離されて固体また
はエキス状となったものであったもよく、抽出溶媒中で
濃縮されてもよく、必要な成分を適宜分離精製したもの
であってもよいが、抽出成分中には、複数の成分が含ま
れているのが好ましい。本発明における孟宗竹抽出成分
は、抽出溶媒中で濃縮された形態のものであるのが好ま
しい。また、さらに成分の可溶化を促進するための乳化
剤やグリセリンが配合されていてもよい。また、酢酸な
どの有機酸、酢酸ナトリウムのような有機酸塩が含まれ
ていてもよい。
【0034】孟宗竹抽出成分としては、水および/また
はエタノール中で濃縮された孟宗竹抽出成分を用いるの
が好ましい。本発明における孟宗竹抽出成分は、適宜抽
出して入手してもよく、市販されているものを用いても
よい。
【0035】本発明の撥水消臭加工用組成物中のフッ素
系撥水撥油剤と孟宗竹抽出成分の量比は特に限定されな
い。通常の場合には、フッ素系撥水撥油剤の100重量
部に対して孟宗竹抽出成分が固形分濃度で1〜1000
重量部であるのが好ましく、特に、2〜100重量部が
好ましい。フッ素系撥水撥油剤量が少なすぎると撥水性
が不充分となる恐れがあり、多すぎると不経済である。
また、孟宗竹抽出成分量が少なすぎると消臭効果が充分
得られず、多すぎると撥水性が低下する恐れがある。
【0036】本発明の組成物は、フッ素系撥水撥油剤、
孟宗竹抽出成分、とともに媒体を含む組成物であるのが
好ましい。媒体としては、フッ素系撥水撥油剤中に含ま
れる溶媒、分散媒、または乳化媒等や、孟宗竹抽出成分
に由来する抽出溶媒、または、適宜添加するもの等が挙
げられる。本発明の組成物中に含ませる、媒体は水系媒
体が好ましく、水、または、水溶性の有機溶媒と水との
混合媒体が好ましい。
【0037】媒体の量は、組成物中の固形分の濃度が
0.1〜50重量%となるような量が好ましく、特に5
〜20重量%が好ましい。該濃度は、適宜変更可能であ
り、処理時に必要に応じて希釈することはさしつかえな
い。
【0038】さらに組成物中の孟宗竹抽出成分は、溶解
または均一に分散または乳化しているのが好ましく、必
要に応じて可溶化剤、乳化剤、分散剤等を含ませてもよ
い。さらに、撥水消臭加工用組成物には、架橋剤、帯電
防止剤、風合い柔軟成分、難燃剤等を含ませてもよい。
【0039】本発明の組成物により繊維を処理する方法
としては、繊維表面にフッ素系撥水撥油剤および孟宗竹
抽出成分が付着させ、つぎに乾燥させることによる方法
が好ましい。たとえば、浸漬加工、吸尽加工、スプレー
加工等の加工方法により繊維表面に組成物を付着させ、
つぎに乾燥する方法が挙げられる。乾燥は、常温で乾燥
させてもよく、熱を加えてもよく、熱を加えるのが高い
撥水撥油性が得られるため好ましい。孟宗竹抽出成分
は、熱安定性が高く加工後に熱処理をしてもほとんど変
性しない利点がある。
【0040】本発明の組成物を処理する被処理物として
は特に限定されない。たとえば、繊維、繊維体、皮革、
または毛皮等が挙げられ、繊維または繊維体が好まし
い。繊維としては、綿、麻、羊毛、絹等の動植物天然繊
維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロ
ピレン等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成
繊維、またはこれらの混紡繊維が挙げられ、繊維体とし
ては、繊維織物、繊維編物、不織布等が挙げられる。
【0041】
【作用】本発明の組成物が優れた撥水撥油性能とともに
消臭性能を発揮するメカニズムについては必ずしも明ら
かではないが、以下のように考えられる。
【0042】すなわち、孟宗竹抽出物を単独で繊維に処
理した場合には、孟宗竹抽出成分は繊維表面に吸着され
ているだけであり、初期性能としての消臭作用が得られ
るものの、洗濯後によりその作用は著しく低下する。
【0043】しかし、フッ素系撥水撥油剤とともに繊維
を処理した場合には、繊維表面にフッ素と孟宗竹抽出成
分中の消臭成分からなる被膜が形成され、さらに被膜中
の消臭成分は、フッ素系撥水撥油剤とともに繊維に強固
に保持されることができる。また、撥水撥油性能を発揮
するフッ素原子の存在を妨げないため、撥水撥油性能と
消臭性能の両方が、うまく発揮される。加えて繊維表面
のフッ素の存在は、臭気物質の固着を防ぐとともに、脱
離も促進するものと考えられる。そして、該被膜が繊維
に保持される力は強固であり、洗濯後においても性能が
発揮されるものと推定される。
【0044】
【実施例】
[合成例1]熱電対式温度計、電流式撹拌機を装着し
た、ガラス製オートクレーブ(内容積1リットル)中
に、パーフルオロアルキルエチルアクリレート[CF3
(CF2m CH2 CH2 OCOCH=CH2 (mが
5、7、9、11、および13である化合物の混合物で
あり、mの平均値は9である(以下FAと記載す
る)。]140g(70重量部)、ジオクチルマレート
16g(8重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド
4g(2重量部)、アセトン120g(60重量部)、
水350g(175重量部)、ノニオン系界面活性剤
(花王社製商品名:エマルゲン920)16g(8重量
部)、両性界面活性剤(日光ケミカルズ社製商品名:A
M101)4g(2重量部)、アゾ系重合開始剤(和光
純薬社製商品名:V−50)1gを加え、撹拌しながら
約20分間窒素置換を行ったのち、塩化ビニル40g
(20部)を圧入した。55℃に昇温し、重合を開始さ
せた。55℃で15時間保温撹拌したのち冷却し、固形
分濃度29.5%のラテックスを660g得た。反応率
は99.8%(FAに対して)であった。
【0045】[合成例2]熱電対式温度計、電流式撹拌
機を装着した、ガラス製オートクレーブ(内容積1リッ
トル)中に、FA120g(60重量部)、オクタデシ
ルアクリレート60g(30重量部)、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート6g(3重量部)、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド6g(3重量部)、ヒドロキシエチル
メタクリレートとイソホロンジイソシアナートの反応生
成物にメチルエチルケトオキシムを付加させた化合物8
g(4重量部)、アセトン120g(60重量部)、水
350g(175重量部)、エマルゲン920の16g
(8重量部)、AM101の4g(2重量部)、V−5
0の1gを加え、撹拌しながら約20分間窒素置換を行
った。60℃に昇温し、重合を開始させた。60℃で5
時間保温撹拌したのち冷却し、固形分濃度29.5%の
ラテックスを660g得た。反応率は99.8%(FA
に対して)であった。
【0046】[実施例1]合成例1のラテックスと孟宗
竹抽出物(褐色のエキス水溶液)を固形分重量比で2
0:1となるように混合し、イオン交換水で固形分濃度
が20重量%となるように希釈し、淡褐色の安定な原液
1を得た。
【0047】[実施例2]合成例2のラテックスと孟宗
竹抽出物を固形分重量比で20:1となるように混合
し、イオン交換水で固形分濃度が20重量%となるよう
に希釈し、淡褐色の安定な原液2を得た。
【0048】[実施例3]合成例1のラテックスと孟宗
竹抽出物を固形分重量比で10:1となるように混合
し、イオン交換水で固形分濃度が20重量%となるよう
に希釈し、淡褐色の安定な原液3を得た。
【0049】[実施例4]合成例1のラテックスと孟宗
竹抽出物を固形分重量比で50:1となるように混合
し、イオン交換水で固形分濃度20重量%となるように
希釈し、淡褐色の安定な原液4を得た。
【0050】[実施例5]合成例1のラテックスと孟宗
竹抽出物を固形分重量比で20:1となるように混合
し、イオン交換水で固形分濃度20重量%となるように
希釈し、さらに酢酸が1重量%となるように添加し淡褐
色の安定な原液5を得た。
【0051】[実施例6〜10]原液1〜5に、それぞ
れ、水、メラミン樹脂架橋剤(住友化学社製商品名:ス
ミテックスレジンM−3)、および架橋触媒(住友化学
社製商品名:スミテックスアクセレータACX)を加
え、原液固形分が0.8重量%、架橋剤が0.3重量
%、架橋触媒が0.3重量%である処理液を調製し、そ
れぞれ処理液1〜5とした。
【0052】試験布はポリエステルトロピカル布を用い
た。処理液1〜5に、試験布を浸漬し、2本のゴムロー
ラーの間で布をしぼって、ウエットピックアップを60
重量%とした。つぎに、110℃で90秒間乾燥、さら
に170℃で60秒間熱処理した。処理されたそれぞれ
の試験布について、初期の撥水性、撥油性、消臭性、お
よびこれらの洗濯耐久性を以下の方法で評価した。結果
を表4にまとめて示す。
【0053】[比較例1]合成例1のラテックスをイオ
ン交換水で固形分濃度が20重量%となるように希釈し
たものを比較原液1とした。実施例6と同様に処理液を
調製し、試験布に処理した。結果を表4に示す。
【0054】[比較例2]孟宗竹抽出物(褐色のエキス
水溶液)をイオン交換水で固形分濃度が20重量%とな
るように希釈したものを比較原液2とした。実施例6と
同様に処理液を調製し、試験布に処理した。結果を表4
に示す。
【0055】[比較例3]実施例1の孟宗竹抽出物の代
わりに消臭剤「鉄フタロシアニン系化合物」を用いたも
のを比較原液3とした。実施例6と同様に処理液を調製
し、試験布に処理した。結果を表4に示す。
【0056】[比較例4]活性炭(5重量%)を練り込
み紡糸したポリエステル糸からなるポリエステル布を、
合成例1のラテックスの固形分濃度0.8重量%、メラ
ミン樹脂架橋剤(住友化学社製商品名:スミテックスレ
ジンM−3)0.3重量%、および架橋触媒(住友化学
社製商品名:スミテックスアクセレータACX)0.3
重量%を含有するようにイオン交換水により調整した処
理液に浸漬して、2本のゴムローラーの間で布をしぼっ
て、ウエットピックアップを60重量%とした。つぎ
に、110℃で90秒間乾燥、さらに170℃で60秒
間熱処理したものについて実施例6と同様に評価した結
果を表4に示す。
【0057】[撥水性、撥油性の評価方法]撥水性は、
JIS L−1092のスプレー法による撥水性ナンバ
ー(下記表1参照)をもって表し、撥油性は下記表2に
示された試験溶液を試験布の上、二ヶ所に数滴(径約4
mm)置き、30秒後の浸透状態により判別した(AA
TCC−TM118−1966)。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】[消臭性の評価方法]試験用繊維70mg
を1.5リットルの排気ガス分析用サンプリングバッグ
(商品名:テドラーバッグ)に吊し、メチルメルカプタ
ン、硫化水素、アンモニア、トリメチルアミンの4成分
をそれぞれ200mmp注入した。60分後に、テドラ
ーバッグ内の4成分の濃度を測定したときがともに、4
成分のすべてが0.1ppm未満である場合は「○」、
最大濃度の成分が0.1ppm超〜1ppm未満である
場合は「△」、1ppm以上の成分が1成分以上である
場合は「×」とした。
【0061】[洗濯耐久性の評価方法]処理された試験
布を、JIS L−0217 103法にて5回繰り返
し洗濯を行ったのち、90℃で3分乾燥したものについ
て、上記の評価方法で、撥水性、撥油性、消臭性を評価
した。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素系撥水撥油剤と
孟宗竹抽出成分を含む新規な組成物を繊維に処理するこ
とにより、繊維に優れた撥水撥油性能と消臭性を両立さ
せて付与できる。また、これらの性能は、洗濯後におい
てもほとんど低下せず、耐久性の点においても優れてい
る。さらに、組成物の処理は1段階であり、容易に処理
ができる利点もある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素系撥水撥油剤、孟宗竹抽出成分、お
    よび媒体を含むことを特徴とする撥水消臭加工用組成
    物。
  2. 【請求項2】フッ素系撥水撥油剤が、ポリフルオロアル
    キル基と重合性不飽和基とを有する化合物の重合単位を
    含む重合体を含有する請求項1の撥水消臭加工用組成
    物。
  3. 【請求項3】フッ素系撥水撥油剤が、パーフルオロアル
    キル基を含有するアクリレートの重合単位および/また
    はパーフルオロアルキル基を含有するメタクリレートの
    重合単位を含む重合体を含有する請求項1の撥水消臭加
    工用組成物。
  4. 【請求項4】孟宗竹抽出成分が、孟宗竹の地上部および
    /または地下部、または孟宗竹の地上部および/または
    地下部を乾燥させたものを、水および/またはエタノー
    ルで抽出した成分である請求項1、2または3のいずれ
    かの撥水消臭加工用組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4のいずれかの撥
    水消臭加工用組成物を繊維または繊維体表面に付着さ
    せ、つぎに、乾燥させることによる繊維処理方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または4のいずれかの撥
    水消臭加工用組成物を処理した繊維または繊維体。
JP8229120A 1996-08-29 1996-08-29 撥水消臭加工用組成物およびその用途 Pending JPH1071194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8229120A JPH1071194A (ja) 1996-08-29 1996-08-29 撥水消臭加工用組成物およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8229120A JPH1071194A (ja) 1996-08-29 1996-08-29 撥水消臭加工用組成物およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1071194A true JPH1071194A (ja) 1998-03-17

Family

ID=16887066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8229120A Pending JPH1071194A (ja) 1996-08-29 1996-08-29 撥水消臭加工用組成物およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1071194A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002242074A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Teijin Ltd 消臭性繊維構造体
JP2015203171A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 株式会社北陸グリーンサービス 竹酢液と青竹抽出液及びこれらで加工した和紙製の糸・繊維生地の製造方法
JP2020084012A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 共栄社化学株式会社 コーティング剤用表面改質剤、コーティング剤、及び硬化塗膜

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002242074A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Teijin Ltd 消臭性繊維構造体
JP2015203171A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 株式会社北陸グリーンサービス 竹酢液と青竹抽出液及びこれらで加工した和紙製の糸・繊維生地の製造方法
JP2020084012A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 共栄社化学株式会社 コーティング剤用表面改質剤、コーティング剤、及び硬化塗膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4996875B2 (ja) 撥水剤、撥水加工方法及び撥水性繊維製品
JP4006761B2 (ja) 水中フッ素系オイル型エマルションおよび表面処理剤組成物
JP4206639B2 (ja) 撥水撥油剤組成物およびその製造方法
WO2002064696A1 (fr) Composition hydrofuge et oléofuge, procédé de fabrication et utilisation
JPH089833B2 (ja) 防汚加工剤
JP5500238B2 (ja) 含フッ素組成物および含フッ素重合体
JPWO2009104728A1 (ja) 水性重合体分散組成物および撥水撥油剤
JP3744034B2 (ja) 夾雑物安定性に優れる水分散型撥水撥油剤組成物
KR102262233B1 (ko) 불소 함유 중합체 및 표면 처리제 조성물
WO2001075215A1 (fr) Traitement hydrofuge et oleofuge d'un textile
KR20040089439A (ko) 섬유에 흡습성, 방습성을 부여하는 처리 방법
JPH09125051A (ja) 安定性に優れる水分散型撥水撥油剤組成物
JPH1071194A (ja) 撥水消臭加工用組成物およびその用途
JPH1149825A (ja) 新規共重合体および防汚加工剤
WO1997043481A1 (fr) Appret resistant aux salissures
JP3752713B2 (ja) 摩擦耐久性の高い繊維処理方法
JP2002220539A (ja) 水分散型フッ素系共重合体組成物
JP3297071B2 (ja) 撥水撥油剤組成物
JP3221910B2 (ja) 撥水撥油剤組成物
JP3587803B2 (ja) セルロース系繊維材料の撥水加工方法
JPH08291468A (ja) 含フッ素撥水撥油剤組成物および処理方法
JP2663685B2 (ja) フッ素系撥水撥油剤
JP3941146B2 (ja) 撥水撥油剤組成物
JP2968366B2 (ja) 撥水撥油剤組成物
JP2000282016A (ja) 撥水撥油剤組成物