JPH107096A - 前縁を除氷する方法および装置 - Google Patents

前縁を除氷する方法および装置

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JPH107096A
JPH107096A JP9059031A JP5903197A JPH107096A JP H107096 A JPH107096 A JP H107096A JP 9059031 A JP9059031 A JP 9059031A JP 5903197 A JP5903197 A JP 5903197A JP H107096 A JPH107096 A JP H107096A
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inflatable tubular
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chordal
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JP9059031A
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English (en)
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James A Briscoe
エー.ブリスコー ジェイムス
James C Putt
クレイグ プット ジェイムス
Ii Ronald W Phillips
ウェイン フィリップス ザ セカンド ロナルド
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BF Goodrich Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D15/00De-icing or preventing icing on exterior surfaces of aircraft
    • B64D15/16De-icing or preventing icing on exterior surfaces of aircraft by mechanical means

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 着氷面、特に前縁面を除氷する方法および装
置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも約40,000kPaを超え
る弾性係数を有する材料で形成されている前縁の外表面
と;除氷を達成することのみに必要な程度に外表面をゆ
がませそして外表面上に弦方向のひずみを生じさせるよ
うな大きさ、位置および物理的形状を有する少なくとも
1つの膨張可能な管状部材を有し、膨張開始から0.2
50秒以内に外表面の該ゆがみと外表面上の弦方向の上
記ひずみの発生が達成されるものであり;該膨張手段は
圧力下の気体状流体を使用し;膨張した後収縮させるた
めの収縮手段と;除氷を達成するのに必要なゆがみを超
えない程度に外表面がゆがめられそして除氷を達成する
のに必要な弦方向のひずみを超えない程度に外表面上に
弦方向のひずみが生じるように、両方を制限するための
制限手段からなるパイロット弁手段と;からなる氷が着
氷する前縁の除氷装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は前縁を除氷するため
の方法および装置に関する。特に、翼、支柱、安定板お
よびプロペラのような航空機の前縁面を除氷することに
関する。詳しくは、本発明は前縁に使用するための空気
圧により作動される除氷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動力航空技術の初期の段階から、ある飛
行条件の下での翼および支柱のような航空機の構成部分
の表面上への氷の堆積は、時折、航空機の支障となって
いた。そのような堆積はそのまま放置すれば、最終的に
は航空機の重量増加を引き起こし、また翼の外形を飛行
不可能な状態となるほどに変えてしまう可能性がある。
飛行条件下の氷の堆積に対抗するための手段を見い出だ
すことは絶えず続けられ、そして堆積した氷を除去する
ための、総称としては除氷として知られる工程である3
つの一般的な方案に至った。
【0003】1つの除氷方式においては、前縁、すなわ
ち氷が付着し且つ航空機の周囲を流れる空気と衝突しそ
してこの気流が停滞する地点を有する航空機の構成部分
の縁部は、堆積した氷と航空機構成部分との間の接着力
を緩和させるために加熱される。ひとたび接着力が緩和
されると、この氷は、通常、航空機の周囲を通過する気
流により航空機構成部分から吹き飛ばされる。2つの前
縁加熱方法が非常に通俗的である。その一方の方案によ
れば、発熱体は前縁の周囲に取り付けられるゴム製ブー
ツに内臓されるかまたは航空機構成部分の外板構造に組
み入れることにより航空機構成部分の前縁ゾーンに配置
される。この発熱体は、一般に1台またはそれ以上の航
空機エンジンにより駆動される発生源から得られる電気
的エネルギーを動力とし、堆積した氷を緩和するのに十
分な熱を供給するためにオン/オフ切り替えされる。一
般に1台または2台のエンジンを動力とする非常に小形
の航空機においては、電気的除氷の使用のために十分な
量の電力は得られないだろう。
【0004】他方の加熱方案によれば、タービンエンジ
ンの1段目またはそれ以上の圧縮段階からの高温の気体
が加熱除氷または着氷防止を達成するするために翼およ
び支柱のような構成部分の前縁に流布される。タービン
エンジンを動力とする航空機に採用した場合、航空機の
タービンエンジンからのこれらのいわゆるコンプレッサ
抽気またはバイパス流の使用が燃費の悪化、タービン出
力の低下に至る可能性がある。
【0005】制限はあるが、状況によっては、氷の航空
機への接着力を低下させるため、または航空機の表面に
堆積する水の凝固点を低下させるために、航空機の全面
または一部に化学薬品が塗布される。残りの一般に採用
されている除氷のための方法は、一般に、機械的除氷と
呼ばれる。主な商業用機械的除氷手段である空気圧除氷
においては、航空機の翼または支柱構成部分の前縁ゾー
ンは加圧流体、一般に、空気を使用して膨張させること
ができる複数の膨張自在の一般に管状の構造で被覆され
る。管状構造は膨張すると翼または支柱の前縁の外形を
押し広げる傾向があり、そして航空機構成部分の周囲を
通過する気流の中に分散させるためにその上に堆積して
いる氷を割る。一般に、このような管状構造は航空機構
成部分の前縁とほぼ平行に広がるように構成される。翼
および安定板のような翼構造の場合、これらの構造は翼
の幅一杯に延在することができる。複数の管状構造は、
しばしば翼または支柱上に配置され、そして一般に、前
縁から離間して弦方向に連続配列されることにより翼ま
たは支柱の前縁と平行になるように構成される。複数の
管は翼または支柱の前縁外形全体に対して氷除去機能を
提供することができる。
【0006】通常、空気圧式除氷装置はゴム状の、すな
わち相当な弾性特性を有する化合物から形成される。一
般に、このような除氷装置構造の管を形成する材料は、
除氷装置(並びに前縁)の外形を相当に変化させ、それ
により前縁に堆積する氷を割る膨張サイクルの間に、4
0%以上膨張または伸張することができる。少なくと
も、そのような高い膨張性の管のために大量の空気が必
要とされるために、このような管を膨張させるための時
間は、一般に、従来は平均で2秒〜約6秒となってい
る。
【0007】このような従来の空気圧式除氷装置を形成
するゴムまたはゴム状材料は、一般に、約6,900k
Paの弾性係数を有する。周知のように、氷は一般の堆
積氷がそのような堆積氷を支持する表面の輪郭形状のわ
ずかな変化には適応することができるほどの弾性係数を
有する。氷の弾性係数としては、約275,000kP
a〜約3,450,000kPaまで様々に報告されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の除氷装置に使用
されるゴムの弾性係数は、しかし、一般に堆積氷に関係
する弾性係数とは相当に異なり、膨張中に除氷装置から
受ける大きな膨張はその上の堆積氷の構造をひび割らせ
るかまたは破裂させるように機能するので、そのような
堆積を翼に衝突する気流により吹き飛ばすことができ
る。堆積氷はそれを支持する表面の輪郭形状のわずかな
変化に従って、少しだけゆっくり変化する。堆積氷が支
持表面の輪郭形状の変化に何とか順応して変化する現象
は熱可塑性材料におけるコールドフローの現象に似てい
る。堆積氷が極めて急速ではあるが、小さい変形を受け
た場合、被覆氷層はこのような輪郭形状の変化に十分に
速く対応することができず、ハンマーで打たれたかのよ
うに粉砕する。
【0009】さらに最近になって、米国特許第3,54
9,964号に示されるように、翼または安定板の前縁
に電気機械的打撃を与えると前縁上の堆積氷の除去の助
けになることが発見された。目下のところ、このような
前縁が長時間にわたり打撃を受けることにより応力疲労
を生じ易いという点を考慮して、この電気機械的打撃方
式は実質的には業務用としては開発が防げられている。
電熱除氷装置の適用を必要とせず且つ膨張状態にある間
に長時間にわたり前縁の外形を相当にゆがませ、それに
より前縁の有効な性能を損なうような空気圧式除氷装置
の適用を必要としない前縁除氷のための手段は当業界で
かなりの適用を見い出すであろう。さらに、そのような
前縁を除氷するための手段が電気機械的打撃に関係する
ような応力による長時間の構造損傷の可能性を示さない
場合は、そのような除氷手段は相当な商業的な実用性を
見い出すであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は表面、特に前縁
面の除氷のための方法および装置を提供する。本発明に
よれば、第1に、 a)氷が堆積する、少なくとも約40,000kPaを
超える弾性係数を有する材料で形成されている前縁の外
表面と; b)上記前縁の前記外表面の下に位置し、膨張したとき
に除氷を達成することのみに必要な程度に外表面をゆが
ませそして外表面上に弦方向のひずみを生じさせるよう
な大きさ、位置および物理的形状を有する少なくとも1
つの膨張可能な管状部材を有し、該少なくとも1つの膨
張可能な管状部材の膨張開始から0.250秒以内に外
表面の該ゆがみと外表面上の弦方向の上記ひずみの発生
が達成されるものであり; c)少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開始の
0.250秒以内に少なくとも1つの膨張可能な管状部
材を膨張させる膨張手段を有し、その少なくとも1つの
膨張可能な管状部材の該膨張は除氷を達成することのみ
に必要な程度に外表面をゆがませそして外表面上に弦方
向のひずみを生じさせそして該膨張手段は圧力下の気体
状流体を使用して該少なくとも1つの膨張可能な管状部
材を膨張させるものであり; d)前記の膨張可能な管状部材が膨張した後該膨張可能
な管状部材を収縮させるための収縮手段と; e)外表面の除氷が行われるがしかし除氷を達成するの
に必要なゆがみを超えない程度に外表面がゆがめられそ
して除氷を達成するのに必要な弦方向のひずみを超えな
い程度に外表面上に弦方向のひずみが生じるように、外
表面がゆがめられる程度と弦方向のひずみが外表面上に
生じる程度との両方を制限するための制限手段からなる
パイロット弁手段と;からなる氷が着氷する前縁の除氷
装置が提供される。
【0011】また、本発明によれば、第2に、 a)氷が堆積する、少なくとも40,000kPaを超
える弾性係数を有する材料で形成されている前縁の外表
面層を設ける過程と; b)上記前縁の前記外表面層の下に位置し、膨張したと
きに除氷を達成することのみに必要な程度に外表面層を
ゆがませそして外表面層上に弦方向のひずみを生じさせ
る大きさ、位置および物理的形状を有する少なくとも1
つの膨張可能な管状部材を設ける過程と、該外表面層の
ゆがみと外表面層上の弦方向のひずみの発生は該少なく
とも1つの膨張可能な管状部材の膨張開始から0.25
0秒以内に達成されるものであり; c)上記少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開
始から0.250秒以内に該少なくとも1つの膨張可能
な管状部材を膨張させるための膨張手段を設ける段階
と、該少なくとも1つの膨張可能な管状部材の該膨張は
除氷を達成することのみに必要な程度に外表面層をゆが
ませそして外表面層上に弦方向のひずみを生じさせ、該
膨張手段は圧力下の気体状流体を使用して該少なくとも
1つの膨張可能な管状部材を膨張させるものであり; d)該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を収縮させ
るための収縮手段を設ける過程と; e)外表面層の除氷が行われるがしかし除氷を達成する
のに必要である程度を超える以上に外表面層が変形せず
また除氷を達成するのに必要である程度を超える以上に
弦方向のひずみが生じないように、外表面層がゆがめら
れる程度と弦方向のひずみが外表面層上に生じる程度を
制限するための制限手段からなるパイロット弁を設ける
過程と; f)上記少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開
始から0.250秒以内に該少なくとも1つの膨張可能
な管状部材を膨張させるように膨張手段を作動させる過
程と; g)外表面層の除氷が行われるがしかし除氷を達成する
のに必要である程度を超える以上に外表面層が変形せず
また除氷を達成するのに必要である程度を超える以上に
弦方向のひずみが生じないように、外表面層がゆがめら
れる程度と弦方向のひずみが外表面層上に生じる程度と
の両方を制限するように該パイロット弁の該制限手段を
作動する過程と; h)該少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開始
から0.250秒以内に該少なくとも1つの膨張可能な
管状部材を膨張させる過程と、該少なくとも1つの膨張
可能な管状部材の該膨張は除氷を達成することのみに必
要な程度に外表面層をゆがませ且つ外表面層上に弦方向
のひずみを生じさせ、該膨張手段は圧力下の気体状流体
を使用して該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を膨
張させるものであり; i)該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を収縮する
過程と;からなる氷が着氷する前縁の除氷方法が提供さ
れる。
【0012】この本発明方法においては、相当に高い係
数を有する材料の表面に氷が堆積する。この方法によれ
ば、この外表面の下方に、作動したときに外表面をゆが
ませ、外表面に相当の部分に弦方向にひずみを発生させ
るのに適する大きさ、位置および物理的形状のゆがめ手
段が設けられる。ゆがめ手段は、外表面に堆積または付
着した氷を解離するのに十分な所望の周期的なゆがみお
よび弦方向ひずみを発生させるのに十分な程度に周期的
に作動され、この作動は約0.25秒以内、さらに好ま
しくは約0.10秒以内、そして最も好ましくは0.05
秒以内に十分な程度になされる。
【0013】ゆがめ手段は膨張自在の手段であるのが好
ましく、加圧流体、好ましくは空気などの圧縮気体を使
用して作動することができる膨張自在の手段であるのが
好ましい。しかしながら、本発明の方法を実施する場
合、外表面をその休止時の外形から押圧するかまたは反
らせることにより外表面をゆがませるように構成される
機械的リフターなどの他のゆがめ手段を採用することが
できる。
【0014】ゆがみは外表面に極めて短い時間で、一般
に100ミリ秒以内、最も好ましくは50ミリ秒未満引
き起こされるのが好ましい。引き起こされるゆがみは約
0.5cmを越えないことが好ましく、そして好ましく
は約0.25cm以下である。
【0015】本発明によれば、前縁表面などの着氷面を
除氷するための装置は、一般に、氷が堆積する相当に高
い弾性係数を有する材料から形成される外表面を含む。
この弾性係数は少なくとも275,000kPaである
のが好ましく、除氷装置の表面上に堆積する氷の特性で
ある弾性係数と少なくとも同じ位大きいのが最も好まし
い。装置は作動したときに除氷装置の外表面をゆがませ
て、外表面の相当の部分に弦方向ひずみを発生させるよ
うな大きさ、位置および物理的形状の少なくとも1つの
ゆがめ手段を含む。このゆがめ手段は、外表面の下方に
配置され且つ加圧流体を使用することによって作動され
る膨張自在の管状部材であるのが好ましい。この流体は
圧縮された気体状物質であるのが好ましい。
【0016】装置は外表面のゆがみを発生させるために
ゆがめ手段の作動を引き起こす作動手段を含む。この作
動手段は、膨張手段と共に使用するように構成される場
合、膨張自在の部材を約0.25秒以内、好ましくは約
100ミリ秒以内、そして最も好ましくは約50ミリ秒
以内に膨張させるための手段を含む。このようなゆがめ
手段が膨張自在の部材である場合、一般に、装置は膨張
に続いてゆがめ手段を収縮させるための手段を含む。
【0017】好ましい具体例においては、ゆがめ手段が
膨張自在である場合、本発明による装置は、膨張自在の
管状部材が外表面の所望の変形および弦方向ひずみを与
えるために必要な程度を越えて膨張することのないよう
に保証する手段を含む。このような気体状流体のための
過剰膨張防護手段は、一般に、加圧気体状流体源との流
体連通中にアキュムレータを含み、アキュムレータはア
キュムレータから気体状蓄積物が管状部材の中に放出さ
れたときに管状部材が所望の程度まで膨張するような特
定の大きさを有する。一般に、膨張自在の部材を膨張さ
せる膨張部材はソレノイド作動パイロット弁であり、ア
キュムレータはそのような膨張手段の構造に組み込まれ
るのが好ましい。
【0018】本発明の好ましい具体例の実施に使用する
ための圧縮気体は航空機のエンジンタービンのコンプレ
ッサ段のような低圧気体源から増圧器の使用を介して得
ることができる。そのような増圧器は、一般に、2つの
ピストン面を含み、その一方のピストン面の面積は他方
のピストン面より小さい。ピストンの移動によって、広
いピストン面と関連する空洞が排気されるように、小さ
いピストン面を低圧気体源に当てる方法が提供される。
大きいピストンの空気チャンバが排気されたときに、低
圧気体源が大きいピストンチャンバに与えられ、ピスト
ンが逆転して小さいピストン面と関連するチャンバ内に
ある気体を圧縮するように、位置合わせ手段を有するポ
ペットが設けられる。所望の程度の圧縮が達成される
と、大きいピストンチャンバを再び排気することがで
き、低圧気体が再び小さいピストンチャンバに加えられ
るようにポペットは再び移動される。
【0019】本発明の上述およびその他の特徴と利点
は、ともに本明細書の一部を構成する以下の本発明の最
良の実施例および図面を参照することによりさらに明白
になるであろう。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。本発明は前縁を除氷するための方法および装置を提
供する。除氷とは、前縁上への着水の形成に続いて氷を
除去することである。前縁とは、構造に衝突する気流を
受け且つその大部分を突切るように機能するその構造の
表面の部分である。前縁の例としては、飛行中の航空機
の周囲を流れる気流が最初に衝突する翼、安定板、支
柱、ナセル並びにその他のハウジングおよび突出部の前
方の縁部分であろう。
【0021】図面に言及すると、図1は本発明による前
縁除氷装置10を示す。除氷装置10は弾性係数、すな
わちいわゆるヤング係数が相当に高いプラスチックまた
は金属のような剛性材料から形成される外表面層12、
すなわち外板を含む。この弾性係数は少なくとも40,
000kPaとすべきである。弾性係数は前縁上に堆積
する氷に関連する弾性係数と少なくとも同じ位大きいの
が好ましく、この弾性係数は少なくとも275,000
kPaであるのが好ましい。大部分の好ましい具体例に
おいては、この弾性係数は約7,500,000kPaま
でか、またはそれ以上になってもよいと考えられてい
る。
【0022】上方中間プライ14および下方中間プライ
16は外板12の下方に配置される。これらのプライ1
4、16は、一般に、片面にゴム引用配合ゴムがコーテ
ィングされた布材料である。上方中間プライ14では、
ゴムコーティング面は外板12に向かって外側に向いて
おり、外板12に接着される。下方中間プライ16で
は、ゴム引用配合ゴムは外板12とは反対側の内方に向
いており、そのため、中間プライ14、16の布材料は
共動して中間プライ14、16の間に間隙空間18を規
定する。中間プライ14、16に採用される布は何らか
の適切なまたは従来どおりの性質を持つものであればよ
い。レーヨン、ポリエステル、ナイロンまたはアクリル
繊維をベースとする織布が好ましく採用される。ゴム引
用配合ゴムは除氷装置10の外板12またはその他の構
成要素に接着するのに適する天然ゴム、スチレンブタジ
エンゴムまたはクロロプレンゴムのような外側の外板1
2または除氷装置10の他の構造部分に接着するのに適
した、何らかの適切なまたは従来どおりの性質を持つも
のであればよい。適切な配合ゴムはゴム配合の分野にお
いてはよく知られている。プライ14、16はヒートシ
ーリング、化学接合、接着剤のような機械的接合、また
は図示されるように除氷装置の少なくとも一方の後縁部
20におけるステッチ部19により接合される。
【0023】膨張自在の部材24および接着プライ26
は下方中間プライ16に接着剤、下方中間プライ16の
ゴム引用配合ゴム面への加硫接合またはその他の適切な
または従来どおりの手段により取り付けられる。接着プ
ライ26は、一般に、航空機の外板に接着するのに適し
たゴムまたはゴム状材料から形成される。そのような配
合ゴムは当該技術分野においてよく知られており、特定
の配合ゴムの選択は、除氷装置が取り付けられる航空機
の外板の性質、天然ゴムと合成ゴムの相対的なコストお
よび有用性を含むであろう多くの要因によって決まるだ
ろう。接着プライの材料の選択を左右するパラメータは
ゴム加工技術ではよく知られている。ネオプレン(登録
商標)(デュポン社)のようなクロロプレンゴムおよび
ニトリルゴムは接着プライの材料として好ましい。
【0024】膨張自在の部材24は、一般に、除氷装置
の長さに沿って延び、中間プライ14、16と同様に片
面がゴム引用配合ゴムでコーティングされた織布材料か
ら形成される管状構造である。管状部材24は、ゴム引
用配合ゴムでコーティングされた面がこの膨張自在の部
材24の中心から外側に向き、それによって管状部材2
4の内部に膨張空洞28を規定するように構成される。
膨張用導管30は適切なまたは従来どおりの周知の方法
により膨張空洞28と流体連通する状態で設けられる。
間隙用導管31は、真空源を使用して間隙空間18を排
気できるように間隙空間18と流体連通する状態で設け
られる。
【0025】図1には、1つの膨張自在の部材24だけ
示されているが、外側の外板12の下方に複数の膨張部
材を配置し、膨張時に外側の外板のゆがみを発生させる
ように構成してもよいことが理解されるであろう。膨張
自在の部材24は、所望の圧力、一般に、約69kPa
〜約276kPaに膨張したときに外側の外板が管状部
材の上方で約0.5cmを越えない程度、好ましくは約
0.25cmを越えない程度に変形されるような大きさ
と形状を有する。必要とされる実際のゆがみは、前縁1
0の物理的形状と、その上に堆積する氷の性質との関数
である。一般に、そのようなゆがみは0.1cm〜0.3
5cmの範囲であることが好ましい。管状部材24の膨
張に従って外側の外板がゆがむことにより、外側の外板
12に図1の線35により示される弦方向のひずみが発
生し、そしてこのゆがみと、それに伴う弦方向のひずみ
は、氷と外板との境界面に氷の外板への接着を破断する
ように作用する応力を発生し且つ氷が付着している外板
におけるひずみの程度までひずむことが不可能であると
いう理由によると考えられる接着性のひびを氷自体に発
生させる点までゆがませる。
【0026】除氷装置全体10は航空機の外板に適切な
または従来どおりの周知の方法により接合されるが、一
般には、3M パートナンバー1300Lのような接着
剤を使用して接合を行なう。段なしフィレット37、3
8は除氷装置10について一様でなめらかな外形を保証
するために設けられる。線35により示される弦方向ひ
ずみは除氷装置10の外側の外板12におけるある一定
の非常に制限された延伸運動を引き起こす。外板12の
延伸が制限されるのは、従来の空気圧式除氷装置とは異
なり、外板が高い弾性係数を有しているためである。実
質的に低い係数を有するべきゴム中間プライ14、16
および接着プライ26に関しては高い係数の考慮は重要
ではない。実質的に高い係数を有するべき外側の外板1
2のみ、係数の考慮は重要になる。従って、外側の外板
は約3%を越える、最も好ましくは約5.0%を越える
極限伸長を有する相当に係数の高い材料から形成され
る。弾性であるとは、大きさまたは形状の永久的な損失
なしに変形を持続させることができることをいう。弦方
向のひずみの結果として、ゆがみの間に外側の外板12
が受ける動作伸びは、除氷装置の外表面を形成する外側
の外板12の材料の固有の極限伸長より小さいべきであ
り、そうでなければ、外側の外板12の早期破損が起こ
ってしまうだろう。動作伸びは、また材料の疲労ひずみ
より低いべきである。疲労ひずみは頻繁なゆがみが材料
の疲労破損を生じさせるような伸びである。
【0027】外板12は金属またはプラスチックのよう
な適切なまたは従来どおりの材料から形成されればよ
い。焼きなましステンレス鋼の薄板および焼きなましチ
タンの薄板は本発明を実施する上で外側の外板12とし
て有用である。薄いとは、金属の場合で0.00254
cm〜0.0254cm、非金属の場合は0.008cm
〜0.0508cmであることをいう。同様に、高い弾
性係数および適切な極限伸長の特性を有するプラスチッ
クも外側の外板の形成には有用である。本発明を実施す
る上で特に有用なプラスチック材料の1つはICIより
入手可能なポリエーテルエーテルケトン(ピーク)であ
る。
【0028】ポリカーボネート、アセタール、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレンお
よびその同質のもののような他の適切なまたは他の従来
どおりのプラスチック材料を本発明の実施に際して使用
することができる。そのような材料は約3.0%を越え
る、好ましくは約5.0%を越える極限伸長と、少なく
とも約40,000kPa、好ましくは少なくとも約2
75,000kPa、しかし約7,500,000kPa
以上までの弾性係数、すなわちヤング係数とを有する。
金属ではなく、ポリマー材料の使用はそのようなポリマ
ー材料に氷が接着する傾向が低いことによる利点がある
だろう。
【0029】図1に言及すると、表面層12を変形させ
るための膨張自在の管状部材24以外の代わりの手段を
使用できることは明白であるべきである。膨張自在の部
材24は、表面層12を変形させるために機械的リフタ
ーを使用して作動されるバーに代えることができる。そ
のよう機械的リフターはカム状装置または従来の油圧リ
フター機構のような流体作動システムを使用して作動さ
せることができる。
【0030】図5に言及すると、図5には、相当に高い
弾性係数によって特徴づけられる外側の外板12を有す
る除氷装置10の本発明の代わりの好ましい実施例が示
されている。外側の外板12は、内部に複数の通路12
2が形成された剛性翼構造120により支持される。剛
性翼構造120は、翼構造120の前縁として外側の外
板12が機能する間に遭遇する空気圧の結果としての座
屈に抗して外側の外板12を支持するために構成された
複数の接触点123を含む。通路122はアルコールの
ような凍結し難い低密度の液体で充たされる。通路12
2内の液体は、外板12を外側の方向へわずかに変形さ
せることにより通路122を有効に膨張させる圧縮力を
周期的に受ける。低密度の液体が受けた圧力はその後取
り除かれ、外側の外板12の変形は元に戻る。
【0031】剛性翼構造は金属のような何らかの適切な
または慣用の材料、あるいは適切なまたは慣用の強化複
合材から形成することができる。外板は焼きなましステ
ンレス鋼または焼きなましチタンの薄板から形成するこ
とができ、またピーク(PeeK)のようなプラスチック材
料から形成してもよい。接触点123は最終的には図5
に示されるように設けられればよい(点接点または線接
点)。または、外板12が支持のために置かれてもよ
い、より広い平台を形成していてもよい。通路および接
触点の特定の形状は、1つには、剛性翼構造120およ
び外側の外板12の構成のために選択される材料によっ
て決まる。
【0032】別の実施例においては、通路122の内部
に入れられた液体の急激な加圧を導入する代わりに、代
わりの具体例として、流体圧力のパルスを液体中を通路
122に沿って長手方向に進むように導入してもよい。
このパルスは、パルスが通過するときに外側の外板12
に瞬間的ゆがみを発生させる効果を有するだろう。この
瞬間的パルスは、電動偏心装置により駆動される通路1
22と接続する簡単なプランジャピストンにより発生さ
せることができるのであろう。あるいは、容積の大きな
機械的に駆動されるポンプにより発生されるパルスを受
け取るタイマー駆動ソレノイドをパルスを発生させるた
めに使用できるであろう。パルスは、図5に示されるよ
うに、相当に高い弾性係数または比較的剛性の外側の板
12を使用して所望の除氷効果を発生させるために、
0.5秒未満の、好ましくは100ミリ秒未満の、最も
好ましくは約50ミリ秒未満の機械的に同じ時間間隔の
中で作動しなければならない。
【0033】そのような全ての外側の外板12の変形手
段は急速に機能することが重要である。0.6cm以下
の厚さの、そして0.05cm位小さい厚さの氷の有効
な除去を確実にするためには、外側の外板12は約0.
250秒以内に変形されることが好ましい。希にしか遭
遇しないが、0.6cmを越える厚さの氷も本発明の除
氷装置を採用して容易に除去される。変形は約100ミ
リ秒以内に起こるのが好ましく、変形は約50ミリ秒以
内にほぼ完了するのが最も好ましい。この急速な変形
は、堆積した氷に外側の外板12の表面輪郭形状の変化
に実質的に適応する機会を与えずに氷を外側の外板12
から吹き飛ばすように有効に機能する。作動時間が約
1.0秒を著しく越えると、外側の外板12からの氷の
除去は全く不完全になってしまう。不完全な除氷は除氷
される構成部分の性能に悪影響を及ぼすことがある。
【0034】ゆがめ手段が機械的装置である場合、外側
の外板12を外側へ押圧するためにカム装置または工程
の短い油圧アクチュエータを使用するように、急速な変
形は相対的にたやすく達成される。除氷装置10が図1
に示されるように管状部材24を含む場合、膨張は加圧
された流体を利用することにより達成することができ
る。流体が液体である場合は、所望の時間制限以内に確
実に膨張させるために、比較的大量の加圧流体を比較的
短い時間周期で移動させるための能力を有する装置が必
要である。管状部材24が空気圧により膨張される場合
には、相当な高い圧力下の空気圧源は実質的に瞬時膨張
を引き起こす方法で除氷装置内に放出することができ
る。しかしながら、かなり高められた圧力の空気のよう
な流体を制御なしに管状部材24の中に導入すると、除
氷装置は過度に膨張し、その結果、前縁構を損傷させる
結果となるだろう。従って、除氷装置は、本発明に従っ
て、外側の外板がゆがむ程度を制限または制御する手段
を含むのが好ましい。
【0035】機械的カムまたは油圧リフターの場合は、
進行を制限するための周知の手段で十分であろう。液体
膨張管状部材24の場合、容積または圧力を制限する装
置が所望のとおりに機能するであろう。気体膨張管状部
材24の場合は、1つの手段は加圧された気体状流体を
アキュムレータの中に貯蔵することである。アキュムレ
ータは、アキュムレータの放出時に、慎重に決定された
量の空気が所望の膨張を発生させ、それにより、外側の
外板12に所望の程度のゆがみおよび弦方向のひずみを
発生させるのに丁度十分な、膨張自在の部材の中へ放出
されるような物理的大きさを有する。同様に、そのよう
な何らかの、アキュムレータの除氷装置内への急速且つ
完全な放出を確実に保証する手段または装置も好まし
い。
【0036】図面に言及すると、図4は図1に示される
のと同様の管状部材24の中に導入するために適切な量
の加圧空気を貯えるために構成された大きさの内部チャ
ンバ53を有するアキュムレータ52を含むパイロット
作動弁50を示す。アキュムレータには、アキュムレー
タ内部の空気圧を比較的ゆっくりと上昇させるように構
成されるオリフィス55を含む入口54が設けられる。
パイロット弁座56は内部チャンバ53の中に開くよう
に設けられる。パイロット弁座56は、ばね偏向手段5
8を含むシャフト57上に取り付けられる。シャフト5
7は電気的ソレノイド59により駆動される。ソレノイ
ドが作動されると、パイロット弁座56はアキュムレー
タの空洞53に向かう方向に駆動されることにより、ば
ね偏向手段58を圧縮する。ソレノイド59が開放され
ると、ばね偏向手段58はパイロット弁座56を閉鎖位
置に戻すように機能する。
【0037】主弁座61はパイロット弁座56との関係
を包囲するように設けられる。主弁座はピストン62に
より支持される。空洞63はピストン62に隣接する位
置にあり、ピストン62は偏向ばね64により偏向駆動
される。空気抜き孔66はパイロット弁座56を主弁の
ピストンの空洞63と接続し、これにより空洞53から
の高圧空気はパイロット弁座56の開放により空洞63
に加えられる。主弁座61の表面面積より大きいピスト
ン62の表面面積の周囲で63に加えられる空気圧は主
弁座61を開放させるように駆動するように機能し、ア
キュムレータの空洞53内に含まれる空気の放出を許容
する。空洞53からの放出は出口ポート67を使用して
達成される。アキュムレータの空洞53の圧力が降下す
るにつれて、偏向ばね64は主弁座を閉鎖位置に戻すよ
うに機能する。
【0038】弁50は適切なまたは従来どおりの設計の
エジェクタ69と出口ポート67の少なくとも一方と連
通する真空通路70とを含む。真空通路70は空気抜き
通路71とエジェクタ69との間で空気伝送連通状態に
あり、これにより出口ポート67に真空が誘起されれば
よい。パイロット弁座および主弁座が閉鎖されている期
間中に比較的低圧の気体源をエジェクタ69に当てるこ
とにより、図1に示される膨張自在の管状部材24のよ
うに真空が誘起されればよい。図1に示される間隙用導
管31および図1の間隙空間18の中にある空気を排出
できるように、間隙用導管31を真空通路70と流体連
通するように構成することが好ましいだろう。そのよう
な相互接続のために、適切なまたは慣用の周知の導管手
段を採用してもよい。図4のオリフィス55は、貯えら
れた空洞53が弁座56、61の適正な閉鎖機能を防げ
る程に急速な方法で放出する間にアキュムレータの空洞
53内の圧力が再び上昇するのを阻止するように機能す
る。
【0039】図に言及すると、図2は、航空機の翼およ
び水平安定板を除氷するための本発明によるシステム8
0の概略図である。このシステム80はコンプレッサま
たはジェットエンジンタービン段からの抽気のような低
圧空気源81を含む。低圧空気源81は低圧空気源の一
定の供給圧力を確保するための調整器82、83に接続
される。調整器83は図4に示されるエジェクタ69に
低圧空気を供給するように構成される。調整器82は一
定の低圧空気源を増圧器84に供給し、増圧器84は低
圧源81から生じる空気の圧力を所望の高圧まで上昇さ
せる。アキュムレータ85は高圧空気を受け入れるため
に設けられる。このアキュムレータ85は適切なまたは
慣用の金属構成から形成することができるが、デュポン
社より入手できるケブラー(登録商標)のような強度の
高い織布を使用して形成されてもよい。相対的に低圧で
あるとは、空気が約7kPa〜700kPaの供給圧力
であることを指す。高圧であるとは、圧力が約700k
Pa〜約12,000kPaであることを指す。
【0040】主アキュムレータ85内の高圧空気は適切
な導管86を介して、図4に示されるアキュムレータ5
2のようなパイロット弁と関連するアキュムレータに送
り出される。次に、図4に示されるようなパイロット作
動弁50を使用して、アキュムレータからの高圧空気は
図1に示されるような膨張自在の部材24を有する個々
の翼および安定板の除氷装置87、88、89に供給さ
れる。制御装置90は、除氷装置87、88、89の膨
張自在の部材24への高圧空気のタイミングのより放出
が達成されるようにするためにパイロット作動弁50と
関連するソレノイド59の作動を制御するように機能す
る。制御装置90は、一部分は、真空調整器83からパ
イロット作動弁50と関連するエジェクタ69への空気
の供給のタイミングおよび量を決定することができるの
が好ましい。そのような制御は周知の方式により達成す
ることができる。
【0041】図2に示されたシステム80は例示的なも
のであり、特定の除氷装置および弁装置の物理的な構成
に対応してこのシステムに様々な改造および変更を加え
ても差し支えないことが理解されるであろう。特に、低
圧空気源はコンプレッサまたはガス貯蔵ボトル(図示せ
ず)からのような高圧空気源で代用することができる。
その場合、増圧器は不要になるであろう。また、真空調
整器83および調整器82は、真空発生と増圧のために
低圧空気を供給する単一の装置から構成されてもよい。
【0042】図2に示されるような増圧器84は図3に
示されるような構成を有することができる。図3に言及
すると、増圧器84は大きい面93および小さい面94
を有し且つ大きいピストン空洞95と小さいピストン空
洞96の内部で機能するピストン92を含む。小さいピ
ストン空洞96への入口98は入口逆止め弁99を含
む。小さい空洞96からの出口100は出口逆止め弁1
01を含む。通路106を含むシャトルポペット105
が設けられる。シャトルポペットがピストンの軸に沿っ
て移動することにより、通路106は通気通路107お
よび駆動入口108と位置合わせされる。
【0043】偏向ばね109はシャトルポペット105
の再位置合わせのために設けられる。偏向ばね109は
ピストン92のシャフト部分110により作動され、こ
のシャフト部分110はピストンの圧縮動作中に偏向ば
ね109を圧縮し、偏向ばね109はポペット105を
通気通路107とのアライメント状態に戻そうとする力
をシャトルポペットに加える。ポペット位置合わせ装置
111は、ピストン92の所望の十分な動作が達成され
るまで偏向ばね109の作用を阻止するために設けられ
る。
【0044】動作において、小さいピストン空洞96を
充満し、大きいピストン93がシャトルポペット105
に当接してポペット105を通路106が駆動入口10
8とアライメントするように位置合わせするまでピスト
ンを駆動するために、低圧空気が入口98に供給され
る。次に、大きいピストン空洞95に低圧空気が供給さ
れ、小さいピストンチャンバ内にある気体を圧縮し且つ
圧縮された気体を出口100から排出させる方向にピス
トンを駆動する。圧縮動作が大きくなるにつれて、ピス
トン部分110は偏向ばね109を位置合わせ装置11
1の保持作用に打ち勝つのに十分な程度の圧縮し、それ
により、通路106は次の動作サイクルに備えるために
通気通路107と再びアライメントされる。
【0045】増圧器84およびパイロット弁50は、一
般に、アルミニウムのような軽量の材料から製造され
る。増圧器84の密封表面のような部分およびパイロッ
ト弁50は軽量プラスチックのような他の機械加工可能
な材料から形成されてもよい。好ましい実施例を図示
し、且つ詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱せ
ずにそれに様々な変形を実施し得ることは明白であろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成される除氷装置構造の側横
断面図である。
【図2】本発明に従って除氷装置の動作を制御する制御
システムの略図である。
【図3】本発明の実施に使用するのに適する空気圧式増
圧器の側横断面図である。
【図4】本発明の実施に使用するのに適するエジェクタ
/パイロット作動吐出弁の部分横断側面図である。
【図5】本発明による除氷装置の別の実施例の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 前縁除氷装置 12 外板(外表面層) 14 上方中間プライ 16 下方中間プライ 18 間隙空間 19 ステッチ部 20 後縁部 24 膨張自在の管状部材 26 接着プライ 28 膨張空洞 30 膨張用導管 31 間隙用導管 35 線 37 段なしフィレット 38 段なしフィレット 50 パイロット作動弁 52 アキュムレータ 53 内部チャンバ(空洞) 54 内部チャンバ(入口) 55 オリフィス 56 パイロット弁座 57 シャフト 58 ばね偏向手段 59 電気的ソレノイド 61 主弁座 62 ピストン 63 空洞 64 偏向ばね 66 空気抜き孔 67 出口ポート 68 エジェクタ 70 真空通路 71 空気抜き通路 81 低圧空気源 82 調整器 83 真空調整器 84 増圧器 85 アキュムレータ 86 導管 87 安定板除氷装置 88 安定板除氷装置 89 安定板除氷装置 90 制御装置 92 ピストン 93 大きいピストン面 94 小さいピストン面 95 大きいピストン空洞 96 小さいピストン空洞 97 小さいピストン空洞 98 入口 99 入口逆止め弁 100 出口 101 出口逆止め弁 105 シャトルポペット 106 通路 107 通気通路 108 駆動入口 109 偏向ばね 110 ピストン92のシャフト部分 111 ポペット位置合わせ装置 122 複数の通路 123 複数の接触点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイムス クレイグ プット アメリカ合衆国 オハイオ 44230、ドイ ルスタウン、バインヤード ウェイ 120 (72)発明者 ロナルド ウェイン フィリップス ザ セカンド アメリカ合衆国 オハイオ 44260、モガ ドール、マニング ロード 585

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)氷が堆積する、少なくとも約40,
    000kPaを超える弾性係数を有する材料で形成され
    ている前縁の外表面と; b)上記前縁の前記外表面の下に位置し、膨張したとき
    に除氷を達成することのみに必要な程度に外表面をゆが
    ませそして外表面上に弦方向のひずみを生じさせるよう
    な大きさ、位置および物理的形状を有する少なくとも1
    つの膨張可能な管状部材を有し、該少なくとも1つの膨
    張可能な管状部材の膨張開始から0.250秒以内に外
    表面の該ゆがみと外表面上の弦方向の上記ひずみの発生
    が達成されるものであり; c)少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開始の
    0.250秒以内に少なくとも1つの膨張可能な管状部
    材を膨張させる膨張手段を有し、その少なくとも1つの
    膨張可能な管状部材の該膨張は除氷を達成することのみ
    に必要な程度に外表面をゆがませそして外表面上に弦方
    向のひずみを生じさせそして該膨張手段は圧力下の気体
    状流体を使用して該少なくとも1つの膨張可能な管状部
    材を膨張させるものであり; d)前記の膨張可能な管状部材が膨張した後該膨張可能
    な管状部材を収縮させるための収縮手段と; e)外表面の除氷が行われるがしかし除氷を達成するの
    に必要なゆがみを超えない程度に外表面がゆがめられそ
    して除氷を達成するのに必要な弦方向のひずみを超えな
    い程度に外表面上に弦方向のひずみが生じるように、外
    表面がゆがめられる程度と弦方向のひずみが外表面上に
    生じる程度との両方を制限するための制限手段からなる
    パイロット弁手段と;からなる氷が着氷する前縁の除氷
    装置。
  2. 【請求項2】 上記収縮手段が、該少なくとも1つの膨
    張可能な管状部材が膨張した後、該少なくとも1つの膨
    張可能な管状部材を収縮させるように真空を生じさせる
    機能を持つエジェクタ手段からなる請求項1に記載の装
    置。
  3. 【請求項3】 上記膨張手段が、 a)高められた圧力の気体状流体のある量を蓄積し且つ
    含有するような大きさと形状を持つアキュムレータ手段
    からなり、該高められた圧力の気体状流体のある量は除
    氷を達成することのみに必要な程度に外表面をゆがませ
    そして外表面上に弦方向のひずみを生じさせるに十分
    に、該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を膨張させ
    るのに十分な量であり; b)そして前記パイロット弁が開いて前記蓄積され且つ
    含有された気体状流体を放出して該少なくとも1つの膨
    張可能な管状部材に流入させ、該少なくとも1つの膨張
    可能な管状部材を高められた圧力の気体状流体で膨張さ
    せ、かくして除氷を達成することのみに必要な程度に外
    表面をゆがめそして外表面上に弦方向のひずみを生じさ
    せ、その後パイロット弁手段が閉じて、パイロット弁手
    段が閉じることにより該収縮手段が該少なくとも1つの
    膨張可能な管状部材を収縮させる;ことからなる請求項
    1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 上記収縮手段が、パイロット弁手段の上
    記閉止により該少なくとも1つの膨張可能な管状部材に
    真空を生じさせるエジェクタ手段からなる請求項3に記
    載の装置。
  5. 【請求項5】 a)氷が堆積する、少なくとも40,0
    00kPaを超える弾性係数を有する材料で形成されて
    いる前縁の外表面層を設ける過程と; b)上記前縁の前記外表面層の下に位置し、膨張したと
    きに除氷を達成することのみに必要な程度に外表面層を
    ゆがませそして外表面層上に弦方向のひずみを生じさせ
    る大きさ、位置および物理的形状を有する少なくとも1
    つの膨張可能な管状部材を設ける過程と、該外表面層の
    ゆがみと外表面層上の弦方向のひずみの発生は該少なく
    とも1つの膨張可能な管状部材の膨張開始から0.25
    0秒以内に達成されるものであり; c)上記少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開
    始から0.250秒以内に該少なくとも1つの膨張可能
    な管状部材を膨張させるための膨張手段を設ける段階
    と、該少なくとも1つの膨張可能な管状部材の該膨張は
    除氷を達成することのみに必要な程度に外表面層をゆが
    ませそして外表面層上に弦方向のひずみを生じさせ、該
    膨張手段は圧力下の気体状流体を使用して該少なくとも
    1つの膨張可能な管状部材を膨張させるものであり; d)該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を収縮させ
    るための収縮手段を設ける過程と; e)外表面層の除氷が行われるがしかし除氷を達成する
    のに必要である程度を超える以上に外表面層が変形せず
    また除氷を達成するのに必要である程度を超える以上に
    弦方向のひずみが生じないように、外表面層がゆがめら
    れる程度と弦方向のひずみが外表面層上に生じる程度を
    制限するための制限手段からなるパイロット弁を設ける
    過程と; f)上記少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開
    始から0.250秒以内に該少なくとも1つの膨張可能
    な管状部材を膨張させるように膨張手段を作動させる過
    程と; g)外表面層の除氷が行われるがしかし除氷を達成する
    のに必要である程度を超える以上に外表面層が変形せず
    また除氷を達成するのに必要である程度を超える以上に
    弦方向のひずみが生じないように、外表面層がゆがめら
    れる程度と弦方向のひずみが外表面層上に生じる程度と
    の両方を制限するように該パイロット弁の該制限手段を
    作動する過程と; h)該少なくとも1つの膨張可能な管状部材の膨張開始
    から0.250秒以内に該少なくとも1つの膨張可能な
    管状部材を膨張させる過程と、該少なくとも1つの膨張
    可能な管状部材の該膨張は除氷を達成することのみに必
    要な程度に外表面層をゆがませ且つ外表面層上に弦方向
    のひずみを生じさせ、該膨張手段は圧力下の気体状流体
    を使用して該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を膨
    張させるものであり; i)該少なくとも1つの膨張可能な管状部材を収縮する
    過程と;からなる氷が着氷する前縁の除氷方法。
  6. 【請求項6】 外表面の除氷を達成することのみに必要
    な程度に外表面層をゆがませそして外表面層上に弦方向
    のひずみを生じさせる過程が100ミリ秒またはそれ以
    内に完成されるものである請求項5に記載の方法。
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