JPH1069892A - 電池パック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電気機器に使用される電池パックにおい
て、容器に合成樹脂の成形品を用いるよりも小型軽量
で、安価で簡単に構成でき、しかも振動や落下に対する
耐久性の高い電池パックを提供することを目的とする。 【解決手段】 １個の電池１とこれに必要とする付属部
品あるいは２個以上の電池１，２を備える電池パックに
おいて、一対の入出力端子３，４の一部をそれぞれ露出
させる一対の窓部６ｃ，６ｄを設けた一方の端板と、こ
れと対をなす他方の端板及びこの端板間を一体に連結す
る連結体からなる枠体６と、この枠体に配置された電池
と、この電池の露出面を取り囲み、連結体と一体となっ
て外装体の一部をなすシート７とで電池パックを構成し
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信や小型
ＯＡ機器の電源として使用される電池パックに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】各種の電気機器の開発と実用化にともな
って、その電源として多くの二次電池が使用されてきて
いる。その電池系としては、ニッケル−カドミウム蓄電
池、ニッケル−水素蓄電池、リチウムイオン二次電池な
どが主に用いられている。

【０００３】これらの電池は、電池を２個以上接続して
所望の電圧である３Ｖ，４Ｖおよび６Ｖを得るように構
成したものや、高電圧な電池１個とこの電池を保護する
ためのＰＴＣ素子等の付属部品とを接続したものなどが
外装容器に収納され、電池パックに構成されて、電源と
して多く使用されている。

【０００４】従来、このような電池パックは、使用され
る相手機器に適合するように電池パックの外装体の改良
に多くの工夫が払われてきた。例えば、相手機器から脱
着されることが比較的少ない電池パックは、電池にリー
ド線付コネクター端子を接続して、熱収縮性の合成樹脂
製チューブからなる外装体で覆い、リード線につながれ
たコネクター端子を相手機器のコネクターと接続してい
た。また、携帯電話などの電源として使用される電池パ
ックは、頻繁に相手機器から脱着される事が多く、この
電池パックは、繰返しの使用に耐えるように機械的強度
の向上が所望されるため、電池や付属部品をＡＢＳ樹脂
などの適度な強度をもった合成樹脂製の容器に収納して
構成されることが多かった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の合成樹脂製のチ
ューブを外装体として用いる場合は、通常コネクター端
子を先端に取り付けたリード線の後端を電池に接続した
後、外装体チューブで覆っている。そして、リード線の
先端につながれた小さなコネクター端子を相手機器に接
続するため、極性の判別が難しく、そのコネクター端子
と相手機器側との間で極性の違った逆接続を起こした
り、接続時にリード線に無理な引っ張り力が作用して断
線が生じるなどの問題があった。さらに、熱収縮の作業
性を向上させるため、比較的薄い外装体を用いることが
多く、その場合には外装強度が弱く、落下や振動などで
容易に破損して、電池パックとして用をなさなくなると
いうこともあった。

【０００６】一方、合成樹脂製の容器を外装体とする場
合は、一般的に予め成形されたＡＢＳ樹脂などの容器を
用いるので、電池を保護する点では問題はなかった。し
かし、この容器の厚み寸法が電池あるいは付属部品の外
径寸法に加算されることで、電池パックの寸法あるいは
重量が全般的に大きくなるという制約があった。また、
この合成樹脂製の容器は、通常射出成形で形成されるの
で、容器のコストが高くなるという問題もあった。

【０００７】本発明は、上記の課題を考慮して、安価で
簡単に構成でき、しかも振動や落下などに対する耐久性
の高い電池パックを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、１個の電池とこれに必要とする付属部品あ
るいは２個以上の電池を備える電池パックにおいて、一
対の入出力端子の一部をそれぞれ露出させる一対の窓部
を設けた一方の端板と、これと対をなす他方の端板及び
この端板間を一体に連結する連結体からなる枠体と、こ
の枠体に配置された電池と、この電池の露出面を取り囲
み連結体と一体となって外装体の一部をなすシートで電
池パックを構成したものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、１個の電池とこれに必要とする付属部品あるいは２
本以上の電池と、１個の電池と付属部品にあるいは２個
以上の電池の場合にはその両端電池に電気的に接続され
た一対の入出力端子の一部をそれぞれ露出させる一対の
窓部を設けた一方の端板と、これと対をなす他方の端板
およびこの端板間を一体に連結する連結体とから構成さ
れ、前記一対の端板間に前記電池を配置する枠体と、こ
の枠体に配置された電池の露出面を取り囲み前記連結体
と一体となって外装体の一部を構成するシートからなる
ものである。

【００１０】この場合、枠体間に電池を配置することに
よって、電池が枠体の支えになり、枠体の機械的強度が
補強される。さらに、枠体とこの枠体に配置された電池
の露出面をシートで取り囲むことによって、シートが、
電池と枠体を保護するとともに、取り囲んだ枠体と電池
とによってシート自体も内側からの支持力（張り力）が
強くなって補強され、振動や落下などに対する耐久性の
高い電池パックが得られる。また、外装体の一部にシー
トを使用しているので、電池パックを小型軽量化できる
という作用を有する。

【００１１】

【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。

【００１２】（実施例１）図１は、本発明の実施例１に
おける電池パックの分解斜視図を示す。図１において、
電池１，２は、ニッケル−カドミウム電池であり、入出
力端子３，４が電気的に接続されている。また、付属部
品としてリード端子付ＰＴＣ素子５が電池１，２の間に
直列接続されている。枠体６は、上側端板６ａと下側端
板６ｂからなり、上側端板６ａは、入出力端子３，４を
露出させる一対の窓部６ｃ，６ｄを設けた上部端板６ｅ
とこれに一体に形成した２本の支柱片６ｆ，６ｇよりな
る。下側端板６ｂは、下部端板６ｈとこれに一体に形成
した２本の支柱片からなる６ｉ，６ｊよりなる。

【００１３】この枠体６は、熱可塑性の合成樹脂で形成
されている。上側端板６ａと下側端板６ｂ間に電池１，
２を配置し、支柱片６ｆ，６ｇとこれに対向する６ｉ，
６ｊとを超音波溶着して一体化することによって、図２
に示すように枠体６は、電池１，２を取り囲む。そし
て、電池１，２が枠体５の支えになり、枠体６の機械的
強度が補強される。

【００１４】次に、図２に示すように枠体６から露出す
る電池１，２の外周面とその枠体６の支柱部分６ｆ，６
ｇ，６ｉ，６ｊを外装体の一部をなすシート７で取り囲
み、シートの片側面に塗布した接着材７ａによってこれ
らを固定して、図３に示す本発明の電池パックが構成さ
れる。この状態でシート７は、電池１，２と枠体６を取
り囲んで外部から保護するとともに、この電池１，２と
枠体６によって、シート７自体も内側からの支持力（張
り力）が強くなって補強され、振動や落下などに対する
耐久性の高い電池パックが得られる。また、この電池パ
ックは、外装体の一部にシート７を使用しているので、
合成樹脂製の成形容器を使用しているものよりも、小型
軽量化できる。

【００１５】図３に示すように、このシート７の外側に
は、例えば７ｂに示す位置などに予め文字，品番，およ
び商標などを印刷して任意に表示することができる。こ
のシート７は、ポリ塩化ビニールやポリエステルなどの
材料を用いると、文字などの印刷も容易で、しかも機械
的強度も保つことができるので好ましい。

【００１６】このように、簡単に電池パックが構成で
き、小型軽量でコストも安く、しかも機械的強度も合成
樹脂製の成形容器を使用した電池パックと同等程度に耐
久性の高い電池パックが構成できる。

【００１７】（実施例２）実施例２では、実施例１で用
いた枠体６の他の例を説明する。

【００１８】図４は、本発明の実施例２における電池パ
ックの分解斜視図を示す。図４において、枠体８は、熱
可塑性の合成樹脂製の前後の枠体片８ａ，８ｂの二つか
らなる。その一方の枠体片８ａは、上部端板片８ｃと下
部端板片８ｄとこれを連結する支柱状の連結片８ｅとか
らなり、この上部端板片８ｃには、内側に張り出した支
持板部８ｆ，８ｇがある。他方の枠体片８ｂは、上部端
板片８ｈと下部端板片８ｉとこれを連結する支柱状の連
結片８ｊとからなる。この上部端板片８ｈには、一対の
窓部８ｋ，８ｌがある。

【００１９】電池１，２は、リード線付ＰＴＣ素子５が
接続され、一方の枠体片８ａに配置される。そして、入
出力端子９，１０は、折り曲げ部９ａ，１０ａと溶接部
９ｂ，１０ｂとからなり、その折り曲げ部９ａ，１０ａ
を枠体片８ａの支持板部８ｆ，８ｇにのせて、その溶接
部９ｂ，１０ｂを電池１，２の端子ににそれぞれスポッ
ト溶接される。

【００２０】次に、この入出力端子９，１０は、一方の
枠体片８ａの支持板部８ｆ，８ｇと他方の枠体片８ｂの
上部端子板片８ｈとで下と上から挟み込まれ、かつ他方
の枠体片８ｂの窓部８ｋ，８ｌからそれぞれ折り曲げ部
９ａ，１０ａの一部を露出させて、枠体片８ａ，８ｂを
嵌合する。そして、その嵌合部が超音波溶着されて枠体
片８ａ，８ｂが一体化される。

【００２１】次に、図４に示すように枠体８から露出す
る電池１，２の外周面とその枠体８の支柱状の連結片８
ｅ，８ｊとを外装体の一部をなすシート７で取り囲み、
シートの内側に付いている接着材７ａによってこれらを
固定して、図５に示すように、実施例１と同様な形状の
本発明の実施例２における電池パックが構成される。

【００２２】この実施例２における電池パックは、実施
例１で示した電池パックと同様な効果が得られる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、１個の電
池とこれに必要とする付属部品あるいは２個以上の電池
を備えた電池パックにおいて、一対の端板及び連結体を
溶着等により結合させて枠体を形成し、その枠体の間に
電池を配置してシートで取り囲んで電池パックを形成す
ることで、安価で簡単に構成でき、しかも振動や落下に
対する耐久性の高い電池パックが得られる。また、この
シートを外装体の一部に用いることによって、合成樹脂
製の容器を用いるものより小型軽量な電池パックが得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における電池パックの分解斜
視図

【図２】同電池パックをシートで取り囲む際の斜視図

【図３】同電池パックの斜視図

【図４】本発明の実施例２における電池パックの分解斜
視図

【図５】同電池パックの斜視図

【符号の説明】

１ 電池 ２ 電池 ３ 入出力端子 ４ 入出力端子 ５ リード端子付ＰＴＣ素子 ６ 枠体 ７ シート ８ 枠体 ９ 入出力端子 １０ 入出力端子

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１個の電池とこれに必要とする付属部品あ
   るいは２個以上の電池と、 この１個の電池と付属部品あるいは２個以上の電池の場
   合にはその両端の電池と電気的に接続された一対の入出
   力端子をそれぞれ露出させる一対の窓部を設けた一方の
   端板と、これと対をなす他方の端板およびこの端板間を
   一体に連結する連結体とから構成されていて、前記一対
   の端板間に前記電池等を配置した枠体と、 この枠体に配置された電池等の露出面を取り囲み、かつ
   前記連結体と一体となって外装体の一部を構成するシー
   トからなる電池パック。
2. 【請求項２】枠体は、入出力端子を露出させる一対の窓
   部を設けた上部端板とこれに一体に形成した２本の支柱
   片からなる上側端板と、下部端板とこれに一体に形成し
   た２本の支柱片からなる下側端板とを対向する支柱片部
   分で一体化したものである請求項１記載の電池パック。
3. 【請求項３】枠体は、上下の端板片とこれを連結する支
   柱状の連結片とからなる前後一対の枠体片を一体に結合
   したものであり、この一体化された上下の端板片間に電
   池あるいは電池と付属部品が配置され、一体化された枠
   体片は、前記電池等と連結片を取り囲むシートで補強さ
   れている請求項１記載の電池パック。