JPH1067814A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

Info

Publication number
JPH1067814A
JPH1067814A JP13883997A JP13883997A JPH1067814A JP H1067814 A JPH1067814 A JP H1067814A JP 13883997 A JP13883997 A JP 13883997A JP 13883997 A JP13883997 A JP 13883997A JP H1067814 A JPH1067814 A JP H1067814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
titanium
monomer
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13883997A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Shozaki
肇 庄崎
Norio Tomotsu
典夫 鞆津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP13883997A priority Critical patent/JPH1067814A/ja
Publication of JPH1067814A publication Critical patent/JPH1067814A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性にて、重合体、特に高性能のスチレン
系重合体を製造しうる方法の開発。 【解決手段】 (a)遷移金属化合物,(b1)遷移金
属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合
物、及び必要に応じて(d)アルキル化剤からなる触媒
を用いた、単量体、特にスチレン系単量体の重合におい
て、(c)分岐構造を有するアルキル基を持つ酸素含有
化合物、又は(c)該酸素含有化合物及び(d)アルキ
ル化剤の全部又は一部を、予め添加した単量体を重合反
応に供することを特徴とする重合体の製造方法。(a)
遷移金属化合物,(b1)遷移金属化合物と反応してイ
オン性の錯体を形成しうる化合物,(b2)特定の酸素
含有化合物、及び必要に応じて(d)アルキル化剤から
なる触媒を用いた、単量体、特にスチレン系単量体の重
合において、(c)分岐構造を有するアルキル基を持つ
酸素含有化合物、又は(c)該酸素含有化合物及び
(d)アルキル化剤の全部又は一部を、予め添加した単
量体を重合反応に供することを特徴とする重合体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合体の製造方法に
関し、更に詳しくは高度のシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体、オレフィン系重合体等の重合体
を効率よく、高活性に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、主として遷移金属化合物、特にチ
タン化合物とメチルアルミノキサンとからなる触媒を用
いてスチレン系モノマーを重合することにより、シンジ
オタクチック構造のスチレン系重合体(以下、SPSと
称することがある)を得る方法が提案されている(特開
昭62−187708号公報)。
【0003】また、上記のようなスチレン系重合体の製
造において、高価かつ使用量の多いアルミノキサンを使
用しないでシンジオタクチック構造のスチレン系重合体
を効率よく製造するため、複数の基が金属に結合したア
ニオンとカチオンとからなる配位錯化合物を使用する方
法も提案されている(特開平2−415573号,同2
−415574号各公報)。
【0004】更には、スチレン系モノマーの重合の際
に、アルキル化剤、及びアルキル基の炭素数が2以上で
ある直鎖アルキルアルミニウムと水との反応生成物を添
加することにより、重合活性を低下させずに生成ポリマ
ーの分子量を下げる技術も提案されている(特開平7−
316215)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、上記のようなチ
タン化合物とアルミノキサンとからなる触媒を用いてス
チレン系単量体を重合する場合、活性の発現が十分でな
く、活性を向上させるためには過剰量のアルミノキサン
を用いなければならなかった。その場合、製造した重合
体中には多量の金属分が残留し、そのままでは重合体の
機械的物性が低下するなどの悪影響が生じるため、高度
な後処理技術を必要としていた。さらに、過剰量のアル
ミノキサンを用いた場合であっても、活性はある一定値
以上には向上しないという問題もあった。また、アルミ
ノキサンを使用せず、複数の基が金属に結合したアニオ
ンとカチオンとからなる配位錯化合物を使用する場合、
重合体中の残留金属分は低減できるが、アルミノキサン
を用いる場合に比べ、活性が低いという問題があった。
そこで、これらの触媒系を用いる場合において、高活性
に重合体を得ることのできる製造方法の開発が望まれて
いた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこのような
状況下で鋭意研究を行った結果、遷移金属化合物、遷移
金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合
物、またはアルミノキサンなどの酸素含有化合物、さら
にはアルキル化剤を用いて単量体を重合するにあたり、
該酸素含有化合物と同じか又はアルキル基の構造の異な
る酸素含有化合物を、予め単量体に添加したものを原料
として用いることにより、高活性にて重合体を製造でき
ることを見出した。
【0007】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものである。即ち、本発明の要旨は以下のとおりであ
る。 〔1〕.(a)遷移金属化合物,及び(b1)遷移金属
化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物か
らなる触媒を用いた単量体の重合において、(c)一般
式(I)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 〜R5 はそれぞれ炭素数1〜
8のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異な
っていてもよいが、R1 〜R5 の少なくともいずれか1
つのアルキル基は分岐構造を有するものであり、Y1
3 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、それらはた
がいに同一でも異なっていてもよく、a及びbはそれぞ
れ0〜50の数を示すが、a+bは1以上である。)で
表される酸素含有化合物、一般式(II)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R6 及びR7 はそれぞれ炭素数1
〜8のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異
なっていてもよいが、R6 又はR7 の少なくともいずれ
かのアルキル基は分岐構造を有するものであり、Y4
びY5 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、それらは
たがいに同一でも異なっていてもよく、c及びdはそれ
ぞれ0〜50の数を示すが、c+dは1以上である。)
で表される酸素含有化合物またはこれらの混合物からな
る成分を予め添加した単量体を重合反応に供するするこ
とを特徴とする重合体の製造方法。 〔2〕.(a)遷移金属化合物,(b1)遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び
(b2)一般式(III)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R8 〜R12はそれぞれ炭素数1〜
8のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異な
っていてもよく、Y1 〜Y3 はそれぞれ周期律表13族
元素を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
よく、a及びbはそれぞれ0〜50の数を示すが、a+
bは1以上である。)で表される酸素含有化合物、一般
式(IV)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R13及びR14はそれぞれ炭素数1
〜8のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異
なっていてもよく、Y4 及びY5 はそれぞれ周期律表1
3族元素を示し、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよく、c及びdはそれぞれ0〜50の数を示すが、
c+dは1以上である。)で表される酸素含有化合物ま
たはこれらの混合物からなる成分からなる触媒を用いた
単量体の重合において、(c)前記一般式(I)、一般
式(II)またはこれらの混合物を予め添加した単量体を
重合反応に供することを特徴とする重合体の製造方法。 〔3〕.(a)遷移金属化合物,及び(b2)前記一般
式(III)、一般式(IV)あるいはこれらの混合物からな
る成分からなる触媒を用いた単量体の重合において、
(c)前記一般式(I)、一般式(II)またはこれらの
混合物を予め添加した単量体を重合反応に供することを
特徴とする重合体の製造方法。 〔4〕.(a)遷移金属化合物,(b1)遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物、及び
(d)アルキル化剤からなる触媒を用いた単量体の重合
において、(c)前記一般式(I)、一般式(II)ある
いはこれらの混合物を予め添加した単量体を重合反応に
供することを特徴とする重合体の製造方法。 〔5〕.(a)遷移金属化合物,(b1)遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物,(b
2)前記一般式(III)、一般式(IV)あるいはこれらの
混合物からなる成分、及び(d)アルキル化剤からなる
触媒を用いた単量体の重合において、(c)前記一般式
(I)、一般式(II)あるいはこれらの混合物を予め添
加した単量体を重合反応に供することを特徴とする重合
体の製造方法。 〔6〕.(a)遷移金属化合物,(b2)前記一般式
(III)、一般式(IV)あるいはこれらの混合物からなる
成分、及び(d)アルキル化剤からなる触媒を用いた単
量体の重合において、(c)前記一般式(I)、一般式
(II)あるいはこれらの混合物を予め添加した単量体を
重合反応に供することを特徴とする重合体の製造方法。 〔7〕.(a)遷移金属化合物及び(b1)遷移金属化
合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物から
なる触媒を用いた単量体の重合において、(c)前記一
般式(I)、一般式(II)あるいはこれらの混合物、及
び(d)アルキル化剤を予め添加した単量体を重合反応
に供することを特徴とする重合体の製造方法。 〔8〕.(a)遷移金属化合物,(b1)遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物,及び
(b2)前記一般式(III)、一般式(IV)あるいはこれ
らの混合物からなる成分からなる触媒を用いた単量体の
重合において、(c)前記一般式(I)、一般式(II)
あるいはこれらの混合物、及び(d)アルキル化剤を予
め添加した単量体を重合反応に供することを特徴とする
重合体の製造方法。
〔9〕.(a)遷移金属化合物,及び(b2)前記一般
式(III)、一般式(IV)あるいはこれらの混合物からな
る成分からなる触媒を用いた単量体の重合において、
(c)前記一般式(I)、一般式(II)あるいはこれら
の混合物、及び(d)アルキル化剤を予め添加した単量
体を重合反応に供することを特徴とする重合体の製造方
法。 〔10〕.(a)遷移金属化合物,(b1)遷移金属化
合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物、及
び(d)アルキル化剤からなる触媒を用いた単量体の重
合において、(c)前記一般式(I)、一般式(II)あ
るいはこれらの混合物、及び(d)の一部を予め添加し
た単量体を重合反応に供することを特徴とする重合体の
製造方法。 〔11〕.(a)遷移金属化合物,(b1)遷移金属化
合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物,
(b2)前記一般式(III)、一般式(IV)あるいはこれ
らの混合物からなる成分、及び(d)アルキル化剤から
なる触媒を用いた単量体の重合において、(c)前記一
般式(I)、一般式(II)あるいはこれらの混合物、及
び(d)の一部を予め添加した単量体を重合反応に供す
ることを特徴とする重合体の製造方法。 〔12〕.(a)遷移金属化合物,(b2)前記一般式
(III)、一般式(IV)あるいはこれらの混合物からなる
成分、及び(d)アルキル化剤からなる触媒を用いた単
量体の重合において、(c)前記一般式(I)、一般式
(II)あるいはこれらの混合物、及び(d)の一部を予
め添加した単量体を重合反応に供することを特徴とする
重合体の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において用いられる(a)遷移金属化合物と
しては、各種のものが使用可能であるが、通常は下記一
般式(V)又は一般式(VI)で表される化合物が用いら
れる。
【0017】 MR15 a 16 b 17 c 18 4-(a+b+c) ・・・(V) MR15 d 16 e 17 3-(d+e) ・・・(VI) 〔式中、Mは周期律表3〜6族の金属またはランタン系
金属を表し、R15,R16,R17及びR18は、それぞれア
ルキル基,アルコキシ基,アリール基,シクロペンタジ
エニル基,アルキルチオ基,置換シクロペンタジエニル
基,インデニル基,置換インデニル基,フルオレニル
基,アミノ基,アミド基,アシルオキシ基,ホスフィド
基,ハロゲン原子,又はキレート剤を表し、a,b及び
cは、それぞれ0〜4の整数を示し、d及びeは、それ
ぞれ0〜3の整数を示す。また、R15〜R18のいずれか
二つをCH2 またはSi(CH3 2 等で架橋した錯体
も含む。〕 上記Mで表される周期律表3〜6族の金属またはランタ
ン系金属としては、好ましくは第4族金属、特にチタ
ン,ジルコニウム,ハフニウム等が用いられる。
【0018】チタン化合物としては様々なものがある
が、例えば、下記一般式(VII)または一般式(VIII)で
表わされるチタン化合物およびチタンキレート化合物か
ら選ばれた少なくとも一種の化合物がある。 TiR19 a 20 b 21 c 22 4-(a+b+c) ・・・(VII) TiR19 d 20 e 21 3-(d+e) ・・・(VIII) 〔式中、R19,R20,R21及びR22は、それぞれ水素原
子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜20のア
ルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルア
リール基,アリールアルキル基,炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,炭素
数1〜50のアミノ基,アミド基,ホスフィド基,シク
ロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,イ
ンデニル基,置換インデニル基,フルオレニル基,アル
キルチオ基,アリールチオ基,キレート剤あるいはハロ
ゲン原子を示す。a,b及びcは、それぞれ0〜4の整
数を示し、d及びeは、それぞれ0〜3の整数を示す。
また、R19〜R22のいずれか二つをCH2 またはSi
(CH3 2 等で架橋した錯体を含む。〕 上記一般式(VII)又は(VIII)中のR19,R20,R21
びR22は、それぞれ水素原子,炭素数1〜20のアルキ
ル基(具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,
ブチル基,アミル基,イソアミル基,イソブチル基,オ
クチル基,2−エチルヘキシル基など),炭素数1〜2
0のアルコキシ基(具体的には、メトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基,アミルオキシ基,ヘキ
シルオキシ基,2−エチルヘキシルオキシ基など),炭
素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基,アリ
ールアルキル基(具体的には、フェニル基,トリル基,
キシリル基,ベンジル基など),炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基(具体的には、フェノキシ基など),炭素
数1〜20のアシルオキシ基(具体的には、アセトキシ
基,ベンゾイルオキシ基,ブチルカルボニルオキシ基,
ヘプタデシルカルボニルオキシ基など),炭素数1〜5
0のアミノ基(具体的には、ジメチルアミノ基,ジエチ
ルアミノ基,ジフェニルアミノ基,ビストリメチルシリ
ル基など),アミド基(具体的には、アセトアミド基,
エチルアミド基,ジフェニルアミド基,メチルフェニル
アミド基など),ホスフィド基(具体的には、ジメチル
ホスフィド基,ジエチルホスフィド基,ジフェニルホス
フィド基など),シクロペンタジエニル基,置換シクロ
ペンタジエニル基(具体的には、メチルシクロペンタジ
エニル基,1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基,
テトラメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシ
クロペンタジエニル基,など),インデニル基,置換イ
ンデニル基(具体的には、メチルインデニル基,ジメチ
ルインデニル基,テトラメチルインデニル基,ヘキサメ
チルインデニル基,4,5,6,7−テトラヒドロ−
1,2,3トリメチルインデニル基等),フルオレニル
基(具体的には、メチルフルオレニル基,ジメチルフル
オレニル基,テトラメチルフルオレニル基,オクタメチ
ルフルオレニル基等),アルキルチオ基(具体的には、
メチルチオ基,エチルチオ基,ブチルチオ基,アミルチ
オ基,イソアミルチオ基,イソブチルチオ基,オクチル
チオ基,2−エチルヘキシルチオ基等),アリールチオ
基(具体的には、フェニルチオ基,p−メチルフェニル
チオ基,p−メトキシフェニルチオ基等),キレート剤
(具体的には、2,2’−チオビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェニル)基等)あるいはハロゲン原子(具
体的には塩素,臭素,沃素,弗素)を示す。これら
19,R20,R21及びR22は、同一のものであっても、
異なるものであってもよい。
【0019】更に、好適なチタン化合物としては、一般
式(IX) TiRXYZ ・・・(IX) 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,フル
オレニル基等を示し、X,Y及びZは、それぞれ独立に
水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜2
0のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,アル
キルアリール基,アリールアルキル基,炭素数6〜20
のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアシルオキシ
基,炭素数1〜50のアミノ基,アミド基,ホスフィド
基,アルキルチオ基,アリールチオ基,あるいはハロゲ
ン原子を示す。〕で表わされる化合物がある。ここで、
X,Y及びZのうちの一つとRがCH2 ,SiR2 等に
より架橋した化合物も含む。この式中のRで示される置
換シクロペンタジエニル基は、例えば、炭素数1〜6の
アルキル基で1個以上置換されたシクロペンタジエニル
基、具体的には、メチルシクロペンタジエニル基;1,
2−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,2,4−ト
リメチルシクロペンタジエニル基;1,2,3,4−テ
トラメチルシクロペンタジエニル基;トリメチルシリル
シクロペンタジエニル基;1,3−ジ(トリメチルシリ
ル)シクロペンタジエニル基;ターシャリーブチルシク
ロペンタジエニル基;1,3−ジ(ターシャリーブチ
ル)シクロペンタジエニル基;ペンタメチルシクロペン
タジエニル基等である。また、X,Y及びZは、それぞ
れ独立に水素原子,炭素数1〜20のアルキル基(具体
的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,
アミル基,イソアミル基,イソブチル基,オクチル基,
2−エチルヘキシル基など),炭素数1〜20のアルコ
キシ基(具体的には、メトキシ基,エトキシ基,プロポ
キシ基,ブトキシ基,アミルオキシ基,ヘキシルオキシ
基,2−エチルヘキシルオキシ基など),炭素数6〜2
0のアリール基,アルキルアリール基,アリールアルキ
ル基(具体的には、フェニル基,トリル基,キシリル
基,ベンジル基など),炭素数6〜20のアリールオキ
シ基(具体的には、フェノキシ基など),炭素数1〜2
0のアシルオキシ基(具体的には、アセトキシ基,ベン
ゾイルオキシ基,ブチルカルボニルオキシ基,ヘプタデ
シルカルボニルオキシ基など),炭素数1〜50のアミ
ノ基(具体的には、ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ
基,ジフェニルアミノ基,ビストリメチルシリル基な
ど),アミド基(具体的には、アセトアミド基,エチル
アミド基,ジフェニルアミド基,メチルフェニルアミド
基など),ホスフィド基(具体的には、ジメチルホスフ
ィド基,ジエチルホスフィド基,ジフェニルホスフィド
基など),アルキルチオ基(具体的には、メチルチオ
基,エチルチオ基,ブチルチオ基,アミルチオ基,イソ
アミルチオ基,イソブチルチオ基,オクチルチオ基,2
−エチルヘキシルチオ基等),アリールチオ基(具体的
には、フェニルチオ基,p−メチルフェニルチオ基,p
−メトキシフェニルチオ基等),あるいはハロゲン原子
(具体的には塩素,臭素,沃素,弗素)を示す。
【0020】このような一般式(IX)で表わされるチタ
ン化合物の具体例としては、シクロペンタジエニルトリ
メチルチタン;シクロペンタジエニルトリエチルチタ
ン;シクロペンタジエニルトリプロピルチタン;シクロ
ペンタジエニルトリブチルチタン;メチルシクロペンタ
ジエニルトリメチルチタン;1,2−ジメチルシクロペ
ンタジエニルトリメチルチタン;1,2,4−トリメチ
ルシクロペンタジエニルトリメチルチタン;1,2,
3,4−テトラメチルシクロペンタジエニルトリメチル
チタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメチル
チタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリエチル
チタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリプロピ
ルチタン;ペンタメチルシクロペンタジエニルトリブチ
ルチタン;シクロペンタジエニルメチルチタンジクロリ
ド;シクロペンタジエニルエチルチタンジクロリド;ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルメチルチタンジクロリ
ド;ペンタメチルシクロペンタジエニルエチルチタンジ
クロリド;シクロペンタジエニルジメチルチタンモノク
ロリド;シクロペンタジエニルジエチルチタンモノクロ
リド;シクロペンタジエニルチタントリメトキシド;シ
クロペンタジエニルチタントリエトキシド;シクロペン
タジエニルチタントリプロポキシド;シクロペンタジエ
ニルチタントリフェノキシド;ペンタメチルシクロペン
タジエニルチタントリメトキシド;ペンタメチルシクロ
ペンタジエニルチタントリエトキシド;ペンタメチルシ
クロペンタジエニルチタントリプロポキシド;ペンタメ
チルシクロペンタジエニルチタントリブトキシド;ペン
タメチルシクロペンタジエニルチタントリフェノキシ
ド;シクロペンタジエニルチタントリクロリド;ペンタ
メチルシクロペンタジエニルチタントリクロリド;シク
ロペンタジエニルメトキシチタンジクロリド;シクロペ
ンタジエニルジメトキシチタンクロリド;ペンタメチル
シクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリド;シク
ロペンタジエニルトリベンジルチタン;ペンタメチルシ
クロペンタジエニルメチルジエトキシチタン;インデニ
ルチタントリクロリド;インデニルチタントリメトキシ
ド;インデニルチタントリエトキシド;インデニルトリ
メチルチタン;インデニルトリベンジルチタン;(t−
ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルη5 −シクロペ
ンタジエニル)シランチタンジクロライド;(t−ブチ
ルアミド)ジメチル(テトラメチルη5 −シクロペンタ
ジエニル)シランチタンジメチル;(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(テトラメチルη5 −シクロペンタジエニ
ル)シランチタンジメトキシ,ペンタメチルシクロペン
タジエニルジエチルアミドチタニウムジクロライド,ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルジフェニルアミドチタ
ニウムジクロライド,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルジフェニルホスフィドチタニウムジクロライド,ペン
タメチルシクロペンタジエニルジエチルアミドチタニウ
ムジメトキサイド,ペンタメチルシクロペンタジエニル
ジフェニルアミドチタニウムジメトキサイド,ペンタメ
チルシクロペンタジエニルジフェニルホスフィドチタニ
ウムジメトキサイド,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルトリスベンゾイルチタニウム,等があげられる。
【0021】これらのチタン化合物のうち、ハロゲン原
子を含まない化合物が好適であり、特に、上述した如き
π電子系配位子を1個有するチタン化合物が好ましい。
さらにチタン化合物としては一般式(X)
【0022】
【化9】
【0023】〔式中、R23, R24は、それぞれハロゲン
原子,炭素数1〜20のアルコキシ基,アシロキシ基を
示し、kは2〜20を示す。〕で表わされる縮合チタン
化合物を用いてもよい。また、上記チタン化合物は、エ
ステルやエーテルなどと錯体を形成させたものを用いて
もよい。前記一般式(VIII)で表わされる三価チタン化
合物は、典型的には三塩化チタンなどの三ハロゲン化チ
タン,シクロペンタジエニルチタニウムジクロリドなど
のシクロペンタジエニルチタン化合物があげられ、この
ほか四価チタン化合物を還元して得られるものがあげら
れる。これら三価チタン化合物はエステル,エーテルな
どと錯体を形成したものを用いてもよい。
【0024】また、遷移金属化合物としてのジルコニウ
ム化合物には、テトラベンジルジルコニウム,ジルコニ
ウムテトラエトキシド,ジルコニウムテトラブトキシ
ド,ビスインデニルジルコニウムジクロリド,トリイソ
プロポキシジルコニウムクロリド,ジルコニウムベンジ
ルジクロリド,トリブトキシジルコニウムクロリドなど
があり、ハフニウム化合物には、テトラベンジルハフニ
ウム,ハフニウムテトラエトキシド,ハフニウムテトラ
ブトキシドなどがあり、さらにバナジウム化合物には、
バナジルビスアセチルアセトナート,バナジルトリアセ
チルアセトナート,トリエトキシバナジル,トリプロポ
キシバナジルなどがある。これら遷移金属化合物のなか
ではチタン化合物が特に好適である。
【0025】その他(a)成分である遷移金属化合物と
しては、共役π電子を有する配位子を2個有する遷移金
属化合物、例えば、一般式(XI) M1 25262728 ・・・(XI) 〔式中、M1 はチタン,ジルコニウムあるいはハフニウ
ムを示し、R25及びR26は、それぞれシクロペンタジエ
ニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基あ
るいはフルオレニル基を示し、R27及びR28は、それぞ
れ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素
基,炭素数1〜20のアルコキシ基,アミノ基あるいは
炭素数1〜20のチオアルコキシ基を示す。ただし、R
25及びR26は、炭素数1〜5の炭化水素基,炭素数1〜
20及び珪素数1〜5のアルキルシリル基あるいは炭素
数1〜20及びゲルマニウム数1〜5のゲルマニウム含
有炭化水素基によって架橋されていてもよい。〕で表わ
される遷移金属化合物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の化合物がある。
【0026】上記一般式(XI)中のR25及びR26は、そ
れぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエ
ニル基(具体的には、メチルシクロペンタジエニル基;
1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,2,4
−トリメチルシクロペンタジエニル基;1,2,3,4
−テトラメチルシクロペンタジエニル基;ペンタメチル
シクロペンタジエニル基;トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基;1,3−ジ(トリメチルシリル)シクロ
ペンタジエニル基;1,2,4−トリ(トリメチルシリ
ル)シクロペンタジエニル基;ターシャリーブチルシク
ロペンタジエニル基;1,3−ジ(ターシャリーブチ
ル)シクロペンタジエニル基;1,2,4−トリ(ター
シャリーブチル)シクロペンタジエニル基など),イン
デニル基,置換インデニル基(具体的には、メチルイン
デニル基;ジメチルインデニル基;トリメチルインデニ
ル基など),フルオレニル基あるいは置換フルオレニル
基(例えば、メチルフルオレニル基)を示し、R25及び
26は、それぞれ同一でも異なってもよく、更に、R25
とR26が、炭素数1〜5のアルキリデン基(具体的に
は、メチン基,エチリデン基,プロピリデン基,ジメチ
ルカルビル基等)又は炭素数1〜20及び珪素数1〜5
のアルキルシリル基(具体的には、ジメチルシリル基,
ジエチルシリル基,ジベンジルシリル基等)により架橋
された構造のものでもよい。一方、R27及びR28は、そ
れぞれ上述の如くであるが、より詳しくは、それぞれ独
立に、水素原子,炭素数1〜20のアルキル基(メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,アミル基,イソアミル基,オクチル基,2−エチル
ヘキシル基等),炭素数6〜20のアリール基(具体的
には、フェニル基,ナフチル基等)、炭素数7〜20の
アリールアルキル基(具体的には、ベンジル基等)、炭
素数1〜20のアルコキシ基(具体的には、メトキシ
基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,アミルオ
キシ基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキシ基,2−エ
チルヘキシルオキシ基等)、炭素数6〜20のアリール
オキシ基(具体的には、フェノキシ基等)、さらにはア
ミノ基や炭素数1〜20のチオアルコキシ基を示す。
【0027】このような一般式(XI)で表わされる遷移
金属化合物の具体例としては、ビスシクロペンタジエニ
ルチタンジメチル;ビスシクロペンタジエニルチタンジ
エチル;ビスシクロペンタジエニルチタンジプロピル;
ビスシクロペンタジエニルチタンジブチル;ビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)チタンジメチル;ビス(ター
シャリーブチルシクロペンタジエニル)チタンジメチ
ル;ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チ
タンジメチル;ビス(1,3−ジターシャリーブチルシ
クロペンタジエニル)チタンジメチル;ビス(1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチ
ル;ビス(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)チタンジメチル;ビスシクロペンタジエニル
チタンジメチル;ビス(トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル)チタンジメチル;ビス(1,3−ジ(トリメ
チルシリル)シクロペンタジエニル)チタンジメチル;
ビス(1,2,4−トリ((トリメチルシリル)シクロ
ペンタジエニル)チタンジメチル;ビスインデニルチタ
ンジメチル;ビスフルオレニルチタンジメチル;メチレ
ンビスシクロペンタジエニルチタンジメチル;エチリデ
ンビスシクロペンタジエニルチタンジメチル;メチレン
ビス(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)チタンジメチル;エチリデンビス(2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチ
ル;ジメチルシリルビス(2,3,4,5−テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)チタンジメチル;メチレンビ
スインデニルチタンジメチル;エチリデンビスインデニ
ルチタンジメチル;ジメチルシリルビスインデニルチタ
ンジメチル;メチレンビスフルオレニルチタンジメチ
ル;エチリデンビスフルオレニルチタンジメチル;ジメ
チルシリルビスフルオレニルチタンジメチル;メチレン
(ターシャリーブチルシクロペンタジエニル)(シクロ
ペンタジエニル)チタンジメチル;メチレン(シクロペ
ンタジエニル)(インデニル)チタンジメチル;エチリ
デン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジ
メチル;ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(イ
ンデニル)チタンジメチル;メチレン(シクロペンタジ
エニル)(フルオレニル)チタンジメチル;エチリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジメ
チル;ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フル
オレニル)チタンジメチル;メチレン(インデニル)
(フルオレニル)チタンジメチル;エチリデン(インデ
ニル)(フルオレニル)チタンジメチル;ジメチルシリ
ル(インデニル)(フルオレニル)チタンジメチル;ビ
スシクロペンタジエニルチタンジベンジル;ビス(ター
シャリーブチルシクロペンタジエニル)チタンジベンジ
ル;ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジベン
ジル;ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
チタンジベンジル;ビス(1,2,4−トリメチルシク
ロペンタジエニル)チタンジベンジル;ビス(1,2,
3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジ
ベンジル;ビスペンタメチルシクロペンタジエニルチタ
ンジベンジル;ビス(トリメチルシリルシクロペンタジ
エニル)チタンジベンジル;ビス(1,3−ジ−(トリ
メチルシリル)シクロペンタジエニル)チタンジベンジ
ル;ビス(1,2,4−トリ(トリメチルシリル)シク
ロペンタジエニル)チタンジベンジル;ビスインデニル
チタンジベンジル;ビスフルオレニルチタンジベンジ
ル;メチレンビスシクロペンタジエニルチタンジベンジ
ル;エチリデンビスシクロペンタジエニルチタンジベン
ジル;メチレンビス(2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル)チタンジベンジル;エチリデンビ
ス(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)チタンジベンジル;ジメチルシリルビス(2,3,
4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジ
ベンジル;メチレンビスインデニルチタンジベンジル;
エチリデンビスインデニルチタンジベンジル;ジメチル
シリルビスインデニルチタンジベンジル;メチレンビス
フルオレニルチタンジベンジル;エチリデンビスフルオ
レニルチタンジベンジル;ジメチルシリルビスフルオレ
ニルチタンジベンジル;メチレン(シクロペンタジエニ
ル)(インデニル)チタンジベンジル;エチリデン(シ
クロペンタジエニル)(インデニル)チタンジベンジ
ル;ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(インデ
ニル)チタンジベンジル;メチレン(シクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)チタンジベンジル;エチリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジベ
ンジル;ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)チタンジベンジル;メチレン(インデニ
ル)(フルオレニル)チタンジベンジル;エチリデン
(インデニル)(フルオレニル)チタンジベンジル;ジ
メチルシリル(インデニル)(フルオレニル)チタンジ
ベンジル;ビスシクロペンタジエニルチタンジメトキサ
イド;ビスシクロペンタジエニルチタンジエトキシド;
ビスシクロペンタジエニルチタンジプロポキサイド;ビ
スシクロペンタジエニルチタンジブトキサイド;ビスシ
クロペンタジエニルチタンジフェノキサイド;ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)チタンジメトキサイド;ビ
ス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジ
メトキサイド;ビス(1,2,4−トリメチルシクロペ
ンタジエニル)チタンジメトキサイド;ビス(1,2,
3,4−テイラメチルシクロペンタジエニル)チタンジ
メトキサイド;ビスペンタメチルシクロペンタジエニル
チタンジメトキサイド;ビス(トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニル)チタンジメトキサイド;ビス(1,3
−ジ(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)チタ
ンジメトキサイド;ビス(1,2,4−トリ(トリメチ
ルシリル)シクロペンタジエニル)チタンジメトキサイ
ド;ビスインデニルチタンジメトキサイド;ビスフルオ
レニルチタンジメトキサイド;メチレンビスシクロペン
タジエニルチタンジメトキサイド;エチリデンビスシク
ロペンタジエニルチタンジメトキサイド;メチレンビス
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)チタンジメトキサイド;エチリデンビス(2,3,
4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジ
メトキサイド;ジメチルシリルビス(2,3,4,5−
テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジメトキサ
イド;メチレンビスインデニルチタンジメトキサイド;
メチレンビス(メチルインデニル)チタンジメトキサイ
ド;エチリデンビスインデニルチタンジメトキサイド;
ジメチルシリルビスインデニルチタンジメトキサイド;
メチレンビスフルオレニルチタンジメトキサイド;メチ
レンビス(メチルフルオレニル)チタンジメトキサイ
ド;エチリデンビスフルオレニルチタンジメトキサイ
ド;ジメチルシリルビスフルオレニルチタンジメトキサ
イド;メチレン(シクロペンタジエニル)(インデニ
ル)チタンジメトキサイド;エチリデン(シクロペンタ
ジエニル)(インデニル)チタンジメトキサイド;ジメ
チルシリル(シクロペンタジエニル)(インデニル)チ
タンジメトキサイド;メチレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)チタンジメトキサイド;エチリデ
ン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジ
メトキサイド;ジメチルシリル(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)チタンジメトキサイド;メチレン
(インデニル)(フルオレニル)チタンジメトキサイ
ド;エチリデン(インデニル)(フルオレニル)チタン
ジメトキサイド;ジメチルシリル(インデニル)(フル
オレニル)チタンジメトキサイド等が挙げられる。
【0028】また、ジルコニウム化合物としては、エチ
リデンビスシクロペンタジエニルジルコニウムジメトキ
サイド,ジメチルシリルビスシクロペンタジエニルジル
コニウムジメトキサイド等があり、更にハフニウム化合
物としては、エチリデンビスシクロペンタジエニルハフ
ニウムジメトキサイド,ジメチルシリルビスシクロペン
タジエニルハフニウムジメトキサイド等がある。これら
のなかでも特にチタン化合物が好ましい。
【0029】そして、これらの組合せの他、2,2' −
チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)チタ
ンジイソプロポキシド;2,2' −チオビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノキサイド)チタンジメトキシ
ド等の2座配位型錯体であってもよい。更に、(a)成
分の遷移金属化合物としては、一般式(XII) R’MX’p-1 1 q ・・・(XII) 〔式中、R’はπ配位子で、シクロペンタジエニル基が
縮合結合している多員環の少なくとも一つが飽和環であ
る縮合多環式シクロペンタジエニル基を示し、Mは前記
と同じで、X’はσ配位子を示し、複数のX’は、たが
いに同一でも異なっていてもよく、またたがいに任意の
基を介して結合していてもよい。L1 はルイス塩基,p
はMの価数,qは0,1又は2を示し、L1 が複数の場
合、各L1はたがいに同一でも異なっていてもよい。〕
で表される構造を有する遷移金属化合物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の化合物がある。
【0030】上記一般式(XII)において、R’はπ配位
子で、シクロペンタジエニル基が縮合結合している多員
環の少なくとも一つが飽和環である縮合多環式シクロペ
ンタジエニル基を示す。このような縮合多環式シクロペ
ンタジエニル基としては、例えば一般式(XIII)〜(X
V)
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】〔式中、R29,R30及びR31は、それぞれ
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の脂肪族炭化
水素基,炭素数6〜20の芳香族炭化水素基,炭素数1
〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリーロキシ
基,炭素数1〜20のチオアルコキシ基,炭素数6〜2
0のチオアリーロキシ基,アミノ基,アミド基,カルボ
キシル基又はアルキルシリル基を示し、各R29,各R30
及び各R31は、それぞれにおいてたがいに同一でも異な
っていてもよく、w,x,y及びzは、1以上の整数を
示す。〕で表される縮合多環式シクロペンタジエニル基
の中から選ばれたものを挙げることができるが、これら
の中で、触媒活性及び合成が容易な点から、4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル基類が好適である。
【0035】このR’の具体例としては、4,5,6,
7−テトラヒドロインデニル基;1−メチル−4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル基;2−メチル−4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル基;1,2−ジメ
チル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基;
1,3−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロイン
デニル基;1,2,3−トリメチル−4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル基;1,2,3,4,5,6,
7−ヘプタメチル−4,5,6,7−テトラヒドロイン
デニル基;1,2,4,5,6,7−ヘキサメチル−
4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基;1,3,
4,5,6,7−ヘキサメチル−4,5,6,7−テト
ラヒドロインデニル基;オクタヒドロフルオレニル基;
1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル基;9−メ
チル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル基;
9−メチル−オクタヒドロフルオレニル基などが挙げら
れる。
【0036】Mは周期律表3〜6族の金属又はランタン
系金属を表し、チタン,ジルコニウム,ハフニウム,ラ
ンタン系金属,ニオブ,タンタルなどが挙げられる。こ
れらの中で、触媒活性の点からチタンが好適である。ま
た、X’はσ配位子を示し、具体的には、水素原子,ハ
ロゲン原子,炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基,炭素
数6〜20の芳香族炭化水素基,炭素数1〜20のアル
コキシ基,炭素数6〜20のアリーロキシ基,炭素数1
〜20のチオアルコキシ基,炭素数6〜20のチオアリ
ーロキシ基,アミノ基,アミド基,カルボキシル基,ア
ルキルシリル基などが挙げられ、複数のX’は、たがい
に同一でも異なっていてもよく、またたがいに任意の基
を介して結合していてもよい。さらに、このX’の具体
例としては、水素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原
子,メチル基,ベンジル基,フェニル基,トリメチルシ
リルメチル基,メトキシ基,エトキシ基,フェノキシ
基,チオメトキシ基,チオフェノキシ基,ジメチルアミ
ノ基,ジイソプロピルアミノ基などを挙げることができ
る。L1 はルイス塩基を示し、pはMの価数,qは0,
1又は2である。
【0037】前記一般式(XII)で表される遷移金属化合
物としては、上記例示のR’及びX’の中から、それぞ
れ任意に選択されたものを含む化合物を好ましく用いる
ことができる。該一般式(XII)で表される遷移金属化合
物としては、例えば、4,5,6,7−テトラヒドロイ
ンデニルチタニウムトリクロリド;4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニルチタニウムトリメチル;4,5,
6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリベンジ
ル;4,5,6,7−テトラヒドロインデニルトリメト
キシド;1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロイ
ンデニルチタニウムトリクロリド;1−メチル−4,
5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリメ
チル;1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロイン
デニルチタニウムトリベンジル;1−メチル−4,5,
6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキ
シド;2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロイン
デニルチタニウムトリクロリド;2−メチル−4,5,
6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリメチ
ル;2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデ
ニルチタニウムトリベンジル;2−メチル−4,5,
6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキ
シド;1,2−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒド
ロインデニルチタニウムトリクロリド;1,2−ジメチ
ル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウ
ムトリメチル;1,2−ジメチル−4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニルチタニウムトリベンジル;1,2
−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル
チタニウムトリメトキシド;1,3−ジメチル−4,
5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリク
ロリド;1,3−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒ
ドロインデニルチタニウムトリメチル;1,3−ジメチ
ル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウ
ムトリベンジル;1,3−ジメチル−4,5,6,7−
テトラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド;
1,2,3−トリメチル−4,5,6,7−テトラヒド
ロインデニルチタニウムトリクロリド;1,2,3−ト
リメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチ
タニウムトリメチル;1,2,3−トリメチル−4,
5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリベ
ンジル;1,2,3−トリメチル−4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニルチタニウムトリメトキシド;1,
2,3,4,5,6,7−ヘプタメチル−4,5,6,
7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリクロリド;
1,2,3,4,5,6,7−ヘプタメチル−4,5,
6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリメチ
ル;1,2,3,4,5,6,7−ヘプタメチル−4,
5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムトリベ
ンジル;1,2,3,4,5,6,7−ヘプタメチル−
4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムト
リメトキシド;1,2,4,5,6,7−ヘキサメチル
−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウム
トリクロリド;1,2,4,5,6,7−ヘキサメチル
−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウム
トリメチル;1,2,4,5,6,7−ヘキサメチル−
4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムト
リベンジル;1,2,4,5,6,7−ヘキサメチル−
4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムト
リメトキシド;1,3,4,5,6,7−ヘキサメチル
−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウム
トリクロリド;1,3,4,5,6,7−ヘキサメチル
−4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウム
トリメチル;1,3,4,5,6,7−ヘキサメチル−
4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムト
リベンジル;1,3,4,5,6,7−ヘキサメチル−
4,5,6,7−テトラヒドロインデニルチタニウムト
リメトキシド;1,2,3,4,5,6,7,8−オク
タヒドロフルオレニルチタニウムトリクロリド;1,
2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオレニ
ルチタニウムトリメチル;1,2,3,4,5,6,
7,8−オクタヒドロフルオレニルチタニウムトリベン
ジル;1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ
フルオレニルチタニウムトリメトキシド;1,2,3,
4−テトラヒドロフルオレニルチタニウムトリクロリ
ド;1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニルチタニ
ウムトリメチル;1,2,3,4−テトラヒドロフルオ
レニルチタニウムトリベンジル;1,2,3,4−テト
ラヒドロフルオレニルチタニウムトリメトキシド;9−
メチル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニルチ
タニウムトリクロリド;9−メチル−1,2,3,4−
テトラヒドロフルオレニルチタニウムトリメチル;9−
メチル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニルチ
タニウムトリベンジル;9−メチル−1,2,3,4−
テトラヒドロフルオレニルチタニウムトリメトキシド;
9−メチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
ヒドロフルオレニルチタニウムトリクロリド;9−メチ
ル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフ
ルオレニルチタニウムトリメチル;9−メチル−1,
2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオレニ
ルチタニウムトリベンジル;9−メチル−1,2,3,
4,5,6,7,8−オクタヒドロフルオレニルチタニ
ウムトリメトキシドなど、及びこれらの化合物における
チタニウムを、ジルコニウム又はハフニウムに置換した
もの、あるいは他の族又はランタノイド系列の遷移金属
元素の類似化合物を挙げることができるが、もちろんこ
れらに限定されるものではない。これらの中で触媒活性
の点からチタニウム化合物が好適である。
【0038】次に、本発明において用いられる(b)成
分として、(b1)遷移金属化合物と反応してイオン性
の錯体を形成しうる化合物、(b2)特定の酸素含有化
合物またはこれらの混合物が用いられる。上記(b1)
遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオンと
カチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げる
ことができる。複数の基が金属に結合したアニオンとカ
チオンとからなる配位錯化合物としては様々なものがあ
るが、例えば下記一般式(XVI)又は(XVII)で表される
化合物を好適に使用することができる。
【0039】 (〔L1 −H〕g+h (〔M2 1 2 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(XVI) (〔L2 g+h (〔M3 1 2 ・・・Xn (n-m)-i ・・・(XVII) 〔式(XVI)又は(XVII)中、L2 は後述のM4 ,R32
335 又はR34 3 Cであり、L1 はルイス塩基、M2
びM3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる
金属、M4 は周期律表の1族及び8族〜12族から選ば
れる金属、M5 は周期律表の8族〜10族から選ばれる
金属、X1 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキルアミ
ノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数1〜2
0のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキル基,
有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R32及びR
33はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R34
はアルキル基を示す。mはM2 ,M3 の原子価で1〜7
の整数、nは2〜8の整数、gは〔L1 −H〕又は〔L
2 〕のイオン価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,
i=h×g/(n−m)である。〕 M2 及びM3 の具体例としてはB,Al,Si,P,A
s,Sbなどの各原子、M4 の具体例としてはAg,C
u,Na,Liなどの各原子、M5 の具体例としてはF
e,Co,Niなどの各原子が挙げられる。X1 〜Xn
の具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基として
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ
基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基な
ど、アリールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジ
メチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基など、炭素数1
〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,n−オクチ
ル基,2−エチルヘキシル基など、炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキ
ル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル基,ペ
ンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメ
チル)フェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェニル
基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチルフ
ェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,1,2−ジメ
チルフェニル基など、ハロゲンとしてF,Cl,Br,
I、有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基などが挙げられる。R32及びR33のそれぞれで
表される置換シクロペンタジエニル基の具体例として
は、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペン
タジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基な
どが挙げられる。
【0040】本発明において、複数の基が金属に結合し
たアニオンとしては、具体的にはB(C6 5)4 - ,B
(C6 HF4)4 - ,B(C6 2 3)4 - ,B(C6
3 2)4 - ,B(C6 4 F)4 -,B(C6 CF3 4)
4 - ,BF4 - ,PF6 - ,P(C6 5)6 - ,Al
(C6 HF4)4 - などが挙げられる。また、金属カチオ
ンとしては、Cp2 Fe+ ,(MeCp)2 Fe+
(tBuCp)2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe+
(Me3 Cp)2 Fe+ ,(Me4 Cp)2 Fe+
(Me5 Cp)2 Fe+ ,Ag+ , Na+ ,Li+ など
が挙げられ、またその他カチオンとしては、ピリジニウ
ム,2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリニウ
ム,ジフェニルアンモニウム,p−ニトロアニリニウ
ム,2,5−ジクロロアニリン,p−ニトロ−N,N−
ジメチルアニリニウム,キノリニウム,N,N−ジメチ
ルアニリニウム,N,N−ジエチルアニリニウムなどの
窒素含有化合物、トリフェニルカルベニウム,トリ(4
−メチルフェニル)カルベニウム,トリ(4−メトキシ
フェニル)カルベニウムなどのカルベニウム化合物、C
3 PH 3 + ,C2 5 PH3 + ,C3 7 PH3 +
(CH3 2 PH2 + ,(C2 5 2 PH2 + ,(C
3 7 2 PH2 + ,(CH3 3 PH +,(C
2 5 3 PH +,(C3 7 3 PH +,(CF3
3 PH +,(CH3 4 + ,(C2 5 4 +
(C3 7 4 + 等のアルキルフォスフォニウムイオ
ン,及びC6 5 PH3 + ,(C6 5 2 PH2 +
(C6 5 3 PH+ ,(C 6 5 4 + ,(C2
5 2 (C6 5 )PH+ ,(CH3 )(C6 5 )P
2 + ,(CH3 2 (C6 5 )PH+ ,(C
2 5 2 (C6 5 2 + などのアリールフォスフ
ォニウムイオンなどが挙げられる。
【0041】一般式(XVI)及び(XVII)の化合物の中
で、具体的には、下記のものを特に好適に使用できる。
一般式(XVI)の化合物としては、例えばテトラフェニル
硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
(n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
メチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N
−ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウムなどが挙
げられる。一方、一般式(XVII)の化合物としては、例
えばテトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロ
セニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノ
フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀,テトラフェニル硼
酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリチル,ヘキサフルオロ砒素酸銀,ヘキサフルオロ
アンチモン酸銀,テトラフルオロ硼酸銀などが挙げられ
る。
【0042】また、ルイス酸として、例えばB(C6
5)3 ,B(C6 HF4)3 ,B(C62 3)3 ,B(C
6 3 2)3 ,B(C6 4 F)3, B(C6 CF3 4)
3 ,B(C6 5)3 ,BF3 ,PF5 ,P(C6 5
5 , Al(C6 HF4)3 なども用いることができる。本
発明において上記(a)成分の遷移金属化合物と反応し
てイオン性の錯体を形成しうる化合物は一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】一方、(b2)酸素含有化合物としては、
一般式(III)
【0044】
【化13】
【0045】で表される鎖状構造を有するもの、又は一
般式(IV)
【0046】
【化14】
【0047】で表される環状構造を有するもの、あるい
はこれらの混合物が用いられる。上記一般式(III)及び
(IV)において、R8 〜R14はそれぞれ炭素数1〜8のア
ルキル基を示し、具体的にはメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペン
チル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチ
ル基が挙げられる。R8 〜R12はたがいに同一でも異な
っていてもよく、R13及びR14はたがいに同一でも異な
っていてもよい。Y1 〜Y5 はそれぞれ周期律表13族
元素を示し、具体的にはB,Al,Ga,In及びTl
が挙げられるが、これらの中でB及びAlが好適であ
る。Y1 〜Y3 はたがいに同一でも異なっていてもよ
く、Y4 及びY5 はたがいに同一でも異なっていてもよ
い。また、a〜dはそれぞれ0〜50の数であるが、
(a+b)及び(c+d)はそれぞれ1以上である。a
〜dとしては、それぞれ1〜20の範囲が好ましく、特
に1〜5の範囲が好ましい。
【0048】本発明においては、上記(b2)成分の酸
素含有化合物は二種以上用いてもよい。また、(b)成
分として、(b1)成分の一種以上と(b2)成分の一
種以上とを組み合わせて用いることができる。本発明に
おいては、さらに必要に応じて、(d)成分としてアル
キル化剤を用いることができる。ここで、アルキル化剤
としては様々なものがあるが、例えば、一般式(XVIII) R35 m Al(OR36) n 3-m-n ・・・(XVIII) 〔式中、R35及びR36は、それぞれ炭素数1〜8、好ま
しくは1〜4のアルキル基を示し、Xは水素原子あるい
はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦3、好まし
くは2あるいは3、最も好ましくは3であり、nは0≦
n<3、好ましくは0あるいは1である。〕で表わされ
るアルキル基含有アルミニウム化合物や一般式(XIX) R35 2 Mg ・・・(XIX) 〔式中、R35は前記と同じである。〕で表わされるアル
キル基含有マグネシウム化合物、さらには一般式(XX) R35 2 Zn ・・・(XX) 〔式中、R35は前記と同じである。〕で表わされるアル
キル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。
【0049】これらのアルキル基含有化合物のうち、ア
ルキル基含有アルミニウム化合物、とりわけトリアルキ
ルアルミニウムやジアルキルアルミニウム化合物が好ま
しい。具体的にはトリメチルアルミニウム,トリエチル
アルミニウム,トリn−プロピルアルミニウム,トリイ
ソプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウ
ム,トリイソブチルアルミニウム,トリt−ブチルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアル
ミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,ジ
n−プロピルアルミニウムクロリド,ジイソプロピルア
ルミニウムクロリド,ジn−ブチルアルミニウムクロリ
ド,ジイソブチルアルミニウムクロリド,ジt−ブチル
アルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハラ
イド、ジメチルアルミニウムメトキサイド,ジメチルア
ルミニウムエトキサイド等のジアルキルアルミニウムア
ルコキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド,ジ
エチルアルミニウムハイドライド,ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド等があげられる。さらには、ジメチルマグネシウ
ム,ジエチルマグネシウム,ジn−プロピルマグネシウ
ム,ジイソプロピルマグネシウム等のジアルキルマグネ
シウムやジメチル亜鉛,ジエチル亜鉛,ジn−プロピル
エチル亜鉛,ジイソプロピル亜鉛等のジアルキル亜鉛を
あげることができる。
【0050】本発明は、上記のように(a),(b1)
及び/又は(b2)、さらに必要に応じて用いられる
(d)成分からなる触媒を用いて単量体を重合するもの
であるが、その際、分岐構造を有するアルキル基を持つ
酸素含有化合物を(c)成分として予め単量体に添加し
たものを用いる。本発明においては、(c)成分として
用いる酸素含有化合物は二種以上用いてもよい。
【0051】(b)成分として、(b1)成分である遷
移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化
合物を用いるか、または(b2)成分である酸素含有化
合物を用いるかにかかわらず、(c)成分として一般式
(I)
【0052】
【化15】
【0053】(式中、R1 〜R5 はそれぞれ炭素数1〜
8のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異な
っていてもよいが、R1 〜R5 の少なくともいずれか1
つのアルキル基は分岐構造を有するものであり、Y1
3 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、それらはた
がいに同一でも異なっていてもよく、a及びbはそれぞ
れ0〜50の数を示すが、a+bは1以上である。)で
表される酸素含有化合物又は一般式(II)
【0054】
【化16】
【0055】(式中、R6 及びR7 はそれぞれ炭素数1
〜8のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異
なっていてもよいが、R6 又はR7 の少なくともいずれ
かのアルキル基は分岐構造を有するものであり、Y4
びY5 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、それらは
たがいに同一でも異なっていてもよく、c及びdはそれ
ぞれ0〜50の数を示すが、c+dは1以上である。)
で表される酸素含有化合物あるいはこれらの混合物を用
いる。
【0056】このような酸素含有化合物として、上記一
般式(I)においてR1 〜R5 で示されるアルキル基す
べてが分岐構造を有するものも好適に用いることができ
る。また、一般式(II)においてR6 及びR7 で示され
るアルキル基すべてが分岐構造を有するものも好適に用
いることができる。このような酸素含有化合物の好まし
い具体例としては、テトライソプロピルアルミノキサ
ン,テトライソブチルアルミノキサン,テトラ−t−ブ
チルアルミノキサン,ペンタイソブチルアルミノキサ
ン,ペンタ−t−ブチルアルミノキサン,ヘキサイソブ
チルアルミノキサン,ヘキサ−t−ブチルアルミノキサ
ン,ヘプタイソブチルアルミノキサン,ヘプタ−t−ブ
チルアルミノキサン,オクタイソブチルアルミノキサ
ン,オクタ−t−ブチルアルミノキサン,ノナイソブチ
ルアルミノキサン,ノナ−t−ブチルアルミノキサン,
デカイソブチルアルミノキサン,デカ−t−ブチルアル
ミノキサンなどが挙げられる。これらのなかでは、テト
ライソブチルアルミノキサン,テトラ−t−ブチルアル
ミノキサン,ペンタイソブチルアルミノキサン,ペンタ
−t−ブチルアルミノキサンが好適である。
【0057】単量体への添加量は、スチレンに対するモ
ル比で、スチレン:アルミノキサン=350000:2
000〜1であり、好ましくは、350000:100
0〜1,さらに好ましくは、350000:800〜1
である。さらに、本発明においては、必要に応じて
(d)成分として用いるアルキル化剤について、その全
部又は一部を、予め単量体に添加しておいてもよい。こ
の場合、予め単量体に添加しておく割合は、用いる単量
体中の不純物量に応じて、適宜選択すればよい。(d)
成分として好ましく用いられるものとして、トリイソブ
チルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソ
プロピルアルミニウム,トリメチルアルミニウムなどが
挙げられる。
【0058】本発明の方法を実施する場合、触媒成分と
して用いられる(a),(b1)及び/又は(b2)及
び、必要に応じて用いられる(d)成分は、(c)成分
または、(c)成分及び(d)成分の全部又は一部が予
め投入された単量体に別々に添加してもよく、また、各
触媒成分は単量体と混合する前に溶媒(トルエン,エチ
ルベンゼン等の芳香族炭化水素又はヘキサン,ヘプタン
等の脂肪族炭化水素)に予備混合してもよい。各触媒成
分を別々に添加するか、或いは予備混合したものを用い
るかにかかわらず、(c)成分又は、(c)成分及び
(d)成分の全部又は一部は、触媒成分が添加される前
に、単量体に添加しておくことが必要である。
【0059】上述の(c)成分または、(c)成分及び
(d)成分の全部又は一部を予め単量体へ投入する際の
温度は、室温でもよく、特に問わない。また、(a),
(b1)及び/又は(b2),及び、必要に応じて用い
られる(d)成分の予備混合は、重合温度下で行うこと
ができることは勿論、0〜100℃の温度にて行っても
よい。
【0060】本発明の方法により重合体を製造するにお
いては、スチレン及び/又はスチレン誘導体等の芳香族
ビニル化合物、エチレン,プロピレン等のオレフィン
類、ブタジエン,イソプレン等のジエン類、アセチレン
等のアルキン類、さらには環状オレフィン類が単量体と
して用いられる。なかでもスチレン及び/又はスチレン
誘導体等の芳香族ビニル化合物が好ましく用いられる。
これらの単量体は単独で、或いは複数組み合わせて用い
ることもできる。
【0061】スチレン系単量体としては、好ましくは一
般式(XXI)
【0062】
【化17】
【0063】〔式中、R37は水素原子,ハロゲン原子あ
るいは炭素数20以下の炭化水素基を示し、mは1〜3
の整数を示す。尚、mが2以上のときは、各R37は、同
じでも異なっていてもよい。〕で表される化合物が使用
され、例えば、スチレン,p−メチルスチレン,m−メ
チルスチレン,o−メチルスチレン,2,4−ジメチル
スチレン,2,5−ジメチルスチレン,3,4−ジメチ
ルスチレン,3,5−ジメチルスチレン,p−エチルス
チレン,m−エチルスチレン,p−ターシャリーブチル
スチレン等のアルキルスチレン;p−ジビニルベンゼ
ン,m−ジビニルベンゼン,トリジビニルベンゼン等の
ビニルベンゼン;p−クロロスチレン,m−クロロスチ
レン,o−クロロスチレン,p−ブロモスチレン,m−
ブロモスチレン,o−ブロモスチレン,p−フルオロス
チレン,m−フルオロスチレン,o−フルオロスチレ
ン,o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化
スチレン等、メトキシスチレン,エトキシスチレン,t
−ブトキシスチレン等のアルコキシスチレンあるいはこ
れらを二種以上を混合したものが挙げられる。
【0064】単量体として、スチレン系単量体を用いる
場合、重合は塊状でもよく、ペンタン,ヘキサン,ヘプ
タン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族炭
化水素あるいはベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香
族炭化水素溶媒中で行ってもよい。また、重合温度は特
に制限はないが、一般には0〜120℃、好ましくは2
0〜90℃である。
【0065】さらに、得られるスチレン系重合体の分子
量を調節するために、水素の存在下で重合反応を行って
もよい。このようにして得られるスチレン系重合体は、
高度のシンジオタクチック構造を有している。ここで、
スチレン系重合体における高度のシンジオタクチック構
造とは、立体化学構造が高度のシンジオタクチック構
造、すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対し
て側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対
方向に位置する立体構造を有することを意味し、そのタ
クティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13
−NMR法)により定量される。13C−NMR法により
測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成
単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個
の場合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって
示すことができるが、本発明に言う「高度のシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体」とは、通常は
ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以
上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましく
は50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリ
スチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン
化スチレン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビ
ニル安息香酸エステル)及びこれらの混合物、あるいは
これらを主成分とする共重合体を意味する。なお、ここ
でポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルス
チレン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピ
ルスチレン),ポリ(ターシャリーブチルスチレン)等
があり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ
(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ
(フルオロスチレン)等がある。また、ポリ(アルコキ
シスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン),ポ
リ(エトキシスチレン)等がある。これらのうち特に好
ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ
(p−メチルスチレン),ポリ(m−メチルスチレ
ン),ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン),ポリ
(p−クロロスチレン),ポリ(m−クロロスチレ
ン),ポリ(p−フルオロスチレン)、さらにはスチレ
ンとp−メチルスチレンとの共重合体をあげることがで
きる。
【0066】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により更に
具体的に説明する。 〔実施例1〕乾燥し、窒素置換した内容積50ミリリッ
トルの容器にトルエン43ミリリットル,ジメチルアニ
リウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート15
0μmol 、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタント
リメトキサイド150μmol、トリイソブチルアルミニ
ウム3.0 mmol を室温で混合し、予備混合触媒50ミ
リリットルを調製した。
【0067】乾燥し、窒素置換した内容積30ミリリッ
トルの容器にスチレン10ミリリットル,テトライソブ
チルアルミノキサン(日本アルキルアルミ社製)125
μmol 及び、トリイソブチルアルミニウム5μmol を入
れて密封した。これを70℃まで昇温し、上記予備混合
触媒83.3μリットルを添加し、70℃で1時間重合
を行った。反応終了後、生成物を反応容器から取り出
し、減圧下で乾燥させて未反応のスチレンを除去した。
このようにして、シンジオタクチックポリスチレン(S
PS)3.40gを得た(SPS活性286kg/gT
i)。得られた重合体がSPSであることは、融点およ
13C−NMR測定により確認した。触媒、単量体への
添加物および重合結果をまとめて第1表に示す。 〔実施例2〕スチレンの重合において、スチレン中にト
リイソブチルアルミニウムを添加しなかった以外は、実
施例1と同様に行い、シンジオタクチックポリスチレン
(SPS)3.35gを得た(SPS活性281kg/
gTi)。得られた重合体がSPSであることは、実施
例1と同様にして確認した。触媒、単量体への添加物お
よび重合結果をまとめて第1表に示す。 〔実施例3〕スチレンの重合において、スチレン中に添
加するテトライソブチルアルミノキサンの量を30μmo
l に変えた以外は、実施例1と同様に行い、シンジオタ
クチックポリスチレン(SPS)2.63gを得た(S
PS活性220kg/gTi)。得られた重合体がSP
Sであることは、融点および13C−NMR測定により確
認した。触媒、単量体への添加物および重合結果をまと
めて第1表に示す。 〔実施例4〕予備混合触媒の調製において、さらにテト
ライソブチルアルミノキサン3.0mmol を加えた以外
は、実施例1と同様に行い、シンジオタクチックポリス
チレン(SPS)3.48gを得た(SPS活性291
kg/gTi)。得られた重合体がSPSであること
は、融点および13C−NMR測定により確認した。触
媒、単量体への添加物および重合結果をまとめて第1表
に示す。 〔実施例5〕乾燥し、窒素置換した内容積50ミリリッ
トルの容器にトルエン43ミリリットル,テトライソブ
チルアルミノキサン(日本アルキルアルミ社製)3.0
mmol 、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリ
メトキサイド150μmol を室温で混合し、予備混合触
媒50ミリリットルを調製した。
【0068】乾燥し、窒素置換した内容積30ミリリッ
トルの容器にスチレン10ミリリットル,テトライソブ
チルアルミノキサン(日本アルキルアルミ社製)125
μmol を入れて密封した。これを70℃まで昇温し、上
記予備混合触媒83.3μリットルを添加し、70℃で
1時間重合を行った。反応終了後、生成物を反応容器か
ら取り出し、減圧下で乾燥させて未反応のスチレンを除
去した。このようにして、シンジオタクチックポリスチ
レン(SPS)0.02gを得た(SPS活性2kg/
gTi)。得られた重合体がSPSであることは、融点
および13C−NMR測定により確認した。触媒、単量体
への添加物および重合結果をまとめて第1表に示す。 〔実施例6〕実施例1において、テトライソブチルアル
ミノキサンに代えてペンタイソブチルアルミノキサンを
用いた以外は全く同様にしてスチレンの重合を行い、シ
ンジオタクチックポリスチレン(SPS)3.3gを得
た(SPS活性278kg/gTi)。得られた重合体
がSPSであることは、融点および13C−NMR測定に
より確認した。触媒、単量体への添加物および重合結果
をまとめて第1表に示す。 〔比較例1〕スチレンの重合において、テトライソブチ
ルアルミノキサンをスチレン中に添加せずに重合を行っ
た以外は、実施例1と同様に行い、シンジオタクチック
ポリスチレン(SPS)1.81gを得た(SPS活性
152kg/gTi)。得られた重合体がSPSである
ことは、融点および13C−NMR測定により確認した。
触媒、単量体への添加物および重合結果をまとめて第1
表に示す。 〔比較例2〕スチレンの重合において、トリイソブチル
アルミニウム及びテトライソブチルアルミノキサンをス
チレン中に添加せずに重合を行った以外は、実施例1と
同様に行い、シンジオタクチックポリスチレン(SP
S)1.50gを得た(SPS活性126kg/gT
i)。得られた重合体がSPSであることは、融点およ
13C−NMR測定により確認した。触媒、単量体への
添加物および重合結果をまとめて第1表に示す。 〔比較例3〕スチレンの重合において、テトライソブチ
ルアルミノキサンをスチレン中に添加せず、トリイソブ
チルアルミニウムの量を25μmol に変えた以外は、実
施例1と同様に行い、シンジオタクチックポリスチレン
(SPS)1.78gを得た(SPS活性149kg/
gTi)。得られた重合体がSPSであることは、融点
および13C−NMR測定により確認した。触媒、単量体
への添加物および重合結果をまとめて第1表に示す。 〔比較例4〕予備混合触媒の調製において、さらにテト
ライソブチルアルミノキサン75 mmol を加え、スチレ
ンの重合において、テトライソブチルアルミノキサンを
スチレン中に添加せずに重合を行った以外は、実施例1
と同様に行い、シンジオタクチックポリスチレン(SP
S)2.08gを得た(SPS活性175kg/gT
i)。得られた重合体がSPSであることは、融点およ
13C−NMR測定により確認した。触媒、単量体への
添加物および重合結果をまとめて第1表に示す。 〔比較例5〕乾燥し、窒素置換した内容積50ミリリッ
トルの容器にトルエン43ミリリットル、ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリメトキサイド150μ
mol、実施例1で用いたテトライソブチルアルミノキサ
ン75 mmol 及びトリイソブチルアルミニウム3.0 m
mol を室温で混合し、予備混合触媒50ミリリットルを
調製した。
【0069】乾燥し、窒素置換した内容積30ミリリッ
トルの容器にスチレン10ミリリットル,トリイソブチ
ルアルミニウム5μmol を入れて密封した。これを70
℃まで昇温し、上記予備混合触媒83.3μリットルを
添加し、70℃で1時間重合を行った。反応終了後、生
成物を反応容器から取り出し、減圧下で乾燥させて未反
応のスチレンを除去した。このようにして、シンジオタ
クチックポリスチレン(SPS)0.10gを得た(S
PS活性1kg/gTi)。得られた重合体がSPSで
あることは、融点および13C−NMR測定により確認し
た。触媒、単量体への添加物および重合結果をまとめて
第1表に示す。
【0070】
【表1】
【0071】前記実施例の記載及び第1表より、実施例
1〜5及び実施例6においては、高度のシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体が効率よく製造され
ることが確認された。一方、単量体に(c)成分を添加
しない比較例1〜5では、活性が劣ることが確認され
た。触媒成分として、(b2)のみを使用する、実施例
5と比較例5を比較すると、後者は(d)成分を添加し
ても非常に低活性であるのに対して、前者は(d)成分
を添加しなくても、後者より高活性である。このことか
ら、このような触媒系においても、(c)成分の添加に
よる活性向上効果が確認される。
【0072】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明の方法
により、酸素含有化合物、または酸素含有化合物及びア
ルキル化剤の全部又は一部を予め添加した単量体を重合
に供することにより、重合体特に、高度のシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体の製造において高
い活性を得ることができる。また、本発明の製造方法に
より、製造コストの低減が可能となる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)遷移金属化合物,及び(b1)遷
    移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化
    合物からなる触媒を用いた単量体の重合において、
    (c)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 〜R5 はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル
    基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
    いが、R1 〜R5 の少なくともいずれか1つのアルキル
    基は分岐構造を有するものであり、Y1 〜Y3 はそれぞ
    れ周期律表13族元素を示し、それらはたがいに同一で
    も異なっていてもよく、a及びbはそれぞれ0〜50の
    数を示すが、a+bは1以上である。)で表される酸素
    含有化合物、一般式(II) 【化2】 (式中、R6 及びR7 はそれぞれ炭素数1〜8のアルキ
    ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
    よいが、R6 又はR7 の少なくともいずれかのアルキル
    基は分岐構造を有するものであり、Y4 及びY5 はそれ
    ぞれ周期律表13族元素を示し、それらはたがいに同一
    でも異なっていてもよく、c及びdはそれぞれ0〜50
    の数を示すが、c+dは1以上である。)で表される酸
    素含有化合物またはこれらの混合物からなる成分を予め
    添加した単量体を重合反応に供することを特徴とする重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (a)遷移金属化合物,(b1)遷移金
    属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物
    及び(b2)一般式(III) 【化3】 (式中、R8 〜R12はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル
    基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
    く、Y1 〜Y3 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、
    それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、a及び
    bはそれぞれ0〜50の数を示すが、a+bは1以上で
    ある。)で表される酸素含有化合物、一般式(IV) 【化4】 (式中、R13及びR14はそれぞれ炭素数1〜8のアルキ
    ル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていても
    よく、Y4 及びY5 はそれぞれ周期律表13族元素を示
    し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、c
    及びdはそれぞれ0〜50の数を示すが、c+dは1以
    上である。)で表される酸素含有化合物またはこれらの
    混合物からなる成分からなる触媒を用いた単量体の重合
    において、(c)請求項1における前記一般式(I)、
    一般式(II)またはこれらの混合物を予め添加した単量
    体を重合反応に供することを特徴とする重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 (a)遷移金属化合物,及び(b2)請
    求項2における前記一般式(III)、一般式(IV)あるい
    はこれらの混合物からなる成分からなる触媒を用いた単
    量体の重合において、(c)請求項1における前記一般
    式(I)、一般式(II)またはこれらの混合物を予め添
    加した単量体を重合反応に供することを特徴とする重合
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおける触媒に
    おいて、さらに(d)アルキル化剤を含む触媒を用い
    て、単量体を重合することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 (a)遷移金属化合物及び(b1)遷移
    金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合
    物からなる触媒を用いた単量体の重合において、(c)
    請求項1における前記一般式(I)、一般式(II)ある
    いはこれらの混合物、及び(d)アルキル化剤を予め添
    加した単量体を重合反応に供することを特徴とする重合
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 (a)遷移金属化合物,(b1)遷移金
    属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合
    物,及び(b2)請求項2における前記一般式(III)、
    一般式(IV)あるいはこれらの混合物からなる成分から
    なる触媒を用いた単量体の重合において、(c)請求項
    1における前記一般式(I)、一般式(II)あるいはこ
    れらの混合物、及び(d)アルキル化剤を予め添加した
    単量体を重合反応に供することを特徴とする重合体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 (a)遷移金属化合物,及び(b2)請
    求項2における前記一般式(III)、一般式(IV)あるい
    はこれらの混合物からなる成分からなる触媒を用いた単
    量体の重合において、(c)請求項1における前記一般
    式(I)、一般式(II)あるいはこれらの混合物、及び
    (d)アルキル化剤を予め添加した単量体を重合反応に
    供することを特徴とする重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかにおける触媒に
    おいて、さらに(d)アルキル化剤を含む触媒を用い
    て、単量体を重合することを特徴とする請求項5〜7の
    いずれかに記載の重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 単量体が芳香族ビニル化合物である請求
    項1〜12に記載された重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 アルキル化剤がアルキル基含有アルミ
    ニウム化合物である請求項1〜8に記載された重合体の
    製造方法。
JP13883997A 1996-05-29 1997-05-28 重合体の製造方法 Pending JPH1067814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13883997A JPH1067814A (ja) 1996-05-29 1997-05-28 重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-135417 1996-05-29
JP13541796 1996-05-29
JP13883997A JPH1067814A (ja) 1996-05-29 1997-05-28 重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1067814A true JPH1067814A (ja) 1998-03-10

Family

ID=26469273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13883997A Pending JPH1067814A (ja) 1996-05-29 1997-05-28 重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1067814A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005537352A (ja) * 2002-08-29 2005-12-08 ビーピー ケミカルズ リミテッド オレフィン重合方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005537352A (ja) * 2002-08-29 2005-12-08 ビーピー ケミカルズ リミテッド オレフィン重合方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3194438B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法及びその触媒
JP3189175B2 (ja) 芳香族ビニル化合物共重合体の製造方法
EP0543022B1 (en) Process for producing styrenic polymer and catalyst therefor
JP2939354B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法及びその触媒
JP2888648B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法及びその触媒
JP2531583B2 (ja) スチレン系共重合体およびその製造方法
US5596055A (en) Process for producing styrenic polymer
JPH06116328A (ja) スチレン系重合体の製造方法
JPH03119006A (ja) スチレン系重合体の製造方法
JPH08134122A (ja) 重合用触媒及びそれを用いたスチレン系重合体の製造方法
JP3511321B2 (ja) スチレン系重合体の分子量制御方法
US5756612A (en) Process for producing styrenic polymer
EP0659774B1 (en) Process for producing styrenic polymer
EP0659775B1 (en) Process for producing styrenic polymer
JPH04252207A (ja) スチレン系重合体の精製方法
JP3487448B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法
JPH1067814A (ja) 重合体の製造方法
JP2951438B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法及びその触媒
EP0810238B1 (en) A process for producing polymer
EP0867454B1 (en) Polymerization catalyst and process for producing polymers
JPH07316216A (ja) スチレン系重合体の製造方法
JPH05295028A (ja) スチレン系重合体の精製方法
JPH07316215A (ja) スチレン系重合体の製造方法
USRE37064E1 (en) Process for producing styrenic polymer
JP3135083B2 (ja) スチレン系重合体及び共重合体の製造方法