JPH1067676A - 癌治療用薬剤 - Google Patents

癌治療用薬剤

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JPH1067676A
JPH1067676A JP8344073A JP34407396A JPH1067676A JP H1067676 A JPH1067676 A JP H1067676A JP 8344073 A JP8344073 A JP 8344073A JP 34407396 A JP34407396 A JP 34407396A JP H1067676 A JPH1067676 A JP H1067676A
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JP
Japan
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vip
day
som
cells
tumor
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JP8344073A
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English (en)
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Mukuherujii Lama
ムクヘルジー ラーマ
Jiyagii Manuu
ジャギー マヌー
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NATL INST OF IMMUNOLOGY
Original Assignee
NATL INST OF IMMUNOLOGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌細胞又は腫瘍細胞を殺傷又は増殖を阻害す
る薬剤組成物を提供すること。 【解決手段】 SOM2 ペプチドと、VIP1 、VIP
2 、VIP3 、SOM1、BOM1 、及びSP1 のうち
少なくとも4つのペプチドとの薬学的に有効な組み合わ
せを含むことを特徴とする薬剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペプチド類似体の組
み合わせに関するものである。この組み合わせを、結
腸、直腸、肺、胸、及び腎臓における癌細胞の非制御的
増殖を妨げるために用いることが可能である。この組み
合わせを、結腸、直腸、肺、胸、及び腎臓における癌の
治療、並びに白血病及びリンパ腫の治療に使用すること
が可能である。本発明はまたかかる類似体の組み合わせ
を含有する薬剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】科学文献における報告には、VIP、ソ
マトスタチン、及びボンベシン等のペプチドに対する受
容体がある癌細胞に見いだされることが開示されてい
る。以下の表1には、VIP、ソマトスタチン、ボンベ
シン、及びサブスタンスPを分泌し、それらに対する受
容体を有する癌細胞のリストが示されている。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒト又は他
の動物における腫瘍細胞又は癌細胞を殺傷する又は増殖
を阻害する、或いはヒト又は他の動物におけるVIP、
ソマトスタチン、ボンベシン若しくはサブスタンスPの
過剰分泌、又はVIP、ソマトスタチン、ボンベシン若
しくはサブスタンスPの組み合わせの過剰分泌、を防
止、阻害、又は調整するための薬剤又は薬剤組成物を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のように癌
細胞と同様に腫瘍細胞を殺傷し増殖を抑制するのに有用
な薬剤組成物を提供するものである。また、かかる薬剤
組成物は、VIP、ソマトスタチン、ボンベシン、及び
サブスタンスP、或いはVIP、ソマトスタチン、ボン
ベシン、又はサブスタンスPの何れか組み合わせの過剰
分泌を妨げ、抑制し、又は調節することにも有用であ
る。かかる組成物は、ソマトスタチン、VIP、ボンベ
シン、及びサブスタンスPのペプチド類似体の薬学的効
果を有する組み合わせを適切に含む、又はそれらよりな
る、又は実質的にそれらからなる。ペプチド類似体につ
いては以下により詳細に記述されるが、それら特に記述
されたものと機能的に交換可能な構成成分もまた特許請
求された薬剤組成物中に使用することが可能である。よ
り詳細にはかかる薬剤組成物は、ソマトスタチンの類似
体の1つと、第一VIP類似体、第二VIP類似体、第
三VIP類似体、ソマトスタチンの他の類似体、ボンベ
シン類似体、及びサブスタンスP類似体よりなる群から
選択される少なくとも4つのペプチドとを適切に含む、
又はそれらよりなる、又は実質的にそれらからなる。よ
り詳細には、かかる組成物は、SOM2(ソマトスタチン
の類似体の1つ)と、以下のペプチド:VIP1(VIP
類似体)、VIP2(VIP受容体結合インヒビター)、
VIP3(VIP受容体アンタゴニスト)、SOM1(ソマ
トスタチン類似体(Cys2, Tyr3, Orn5, Pen5の4つの頭
文字をとって”CTOP”とも略される)BOM1(ボン
ベシン類似体) 、及びSP 1(サブスタンスP類似体) の
うち少なくとも4つとの薬学的効果を有する組み合わせ
を適切に含む、又はそれらよりなる、又は実質的にそれ
らからなる。好ましい具体例において、薬学的に許容で
きる担体、希釈剤、又は溶剤が使用される。本発明は癌
又は他の腫瘍に冒されたヒト、ほ乳類、又は他の動物に
対する治療方法を提供する。この方法は、癌又は腫瘍細
胞を殺傷又はその増殖を阻害するように薬学的効果量の
薬剤組成物を投与することを適切に含む、又はそれらよ
りなる、又は実質的にそれらからなる。本発明の治療方
法は、結腸及び直腸の癌又は腫瘍の治療に特に有用であ
る。また、本発明はVIP、ソマトスタチン、ボンベシ
ン、サブスタンスP或いはVIP、ソマトスタチン、ボ
ンベシン、又はサブスタンスPの何れかの組み合わせの
過剰分泌に苦しむヒト、ほ乳類、又は他の動物の治療方
法を提供する。かかる方法は、VIP、ソマトスタチ
ン、ボンベシン、サブスタンスP或いはVIP、ソマト
スタチン、ボンベシン、又はサブスタンスPの何れかの
組み合わせの過剰分泌を妨げ、阻害し、又は調節するよ
うに薬学的効果量の薬剤組成物を投与することを適切に
含む、又はそれらよりなる、又は実質的にそれらからな
る。
【0006】我々はVIP(バソアクティブ・インテス
ティナル・ペプチド)、ソマトスタチン、ボンベシン、
及びサブスタンスPが少なくとも幾つかのヒト腫瘍及び
癌細胞から分泌され、それらの細胞にはかかるペプチド
の結合部位が存在することを観察した。特に、間接蛍光
抗体法により研究された数多くの成長調節ペプチドの中
で、その4つのペプチド(つまり、バソアクティブ・イ
ンテスティナル・ペプチド(VIP)、ソマトスタチ
ン、ボンベシン、及びサブスタンスP)が腫瘍細胞に結
合することが示された。(この明細書中、「ペプチドホ
ルモン」、「成長因子」、「成長調節ペプチド」、及び
「ペプチド」という語彙は、それぞれ、VIP、ソマト
スタチン、サブスタンスP、及びボンベシンを指す)。
それは、腫瘍細胞によりペプチドが分泌される箇所には
細胞増殖のためのオートクリン(autocrine) 機構が存在
し、同じ細胞種上の特異的受容体を通して細胞増殖につ
ながる信号を転換するためかも知れない。
【0007】以下により詳細に示されるように、腫瘍細
胞成長及び生存に対するソマトスタチン、VIP、ボン
ベシン、及びサブスタンスPの類似体の影響は異なるア
ッセイ系を使用し研究したものである。VIP1 、VI
2 、VIP3 、SOM1 、SOM2 、BOM1 及びS
1 の7つの類似体のアミノ酸配列は表2に与えられて
いる。以下に詳細に説明されるように、これら7つの類
似体の組み合わせはMuJ-7 として知られている。付属の
配列リストセクションにおいて、VIP1(VIP類似
体)のアミノ酸配列は配列ID番号:1であり、VIP
2(VIP受容体結合インヒビター)のアミノ酸配列は配
列ID番号:2である。かかる類似体は手作業及び従来
のペプチド合成器を使用して合成される。ペプチドの純
度は高性能液体クロマトグラフィー及びアミノ酸分析に
より確立され、一方、その分析は配列分析器により再確
認される。
【0008】
【表2】
【0009】腫瘍細胞により合成され分泌された成長因
子を異なるアッセイ系により確認した。例えば、癌細胞
の非制御増殖に関与するペプチドホルモンは、確立され
た細胞株において実験を行うことにより確認した。得ら
れた結果は、モデル組織として使用されたヒト結腸アデ
ノ癌腫の原発性腫瘍細胞−それに対し我々は細胞株を確
立する新規な方法を向上させたのであるが−における実
験から得られたデータと一致した。細胞株を確立する新
規方法を記述した以下の文献を参照として引用する:Ja
ggi, M., Mukherjee, R., "Establishment of Tumorige
nic Cell Linesfrom Biopsies of Human Colon Adenoca
rcinomas," Journal of Vasic & Applied Biomedicine,
3(4): 27-35 (1995)。
【0010】ペプチドにおけるサンドイッチ形式のEL
ISAが発明者により向上され使用された。サンドイッ
チ形式ELISAを記述した以下の文献を参照として引
用する:Jaggi, M., Mukherjee R., "New, Sensitive a
nd Specific ELISA for theDetection of Neuropeptide
s in Culture Supernatants," Journal of Immunoassa
y, 15(2): 129-46 (1994) 。ペプチドの確認は逆相高速
液体クロマトグラフィー及び配列分析を使用して行われ
た。結腸の原発性ヒトアデノ癌腫腫瘍細胞におけるVI
P、ソマトスタチン、サブスタンスP、及びボンベシン
に対する結合部位は受容体−リガンドアッセイを行うこ
とにより実証した。VIP及びソマトスタチンにおいて
は2つのクラスの結合部位(高アフィニティ及び準高ア
フィニティ)が証明され、ボンベシンに対しては1つの
クラスの結合部位(高アフィニティ)が証明され、サブ
スタンスPに対しては1つのクラスの結合部位(準高ア
フィニティ)が証明された。
【0011】表3、4、5及び6はヒト結腸アデノ癌腫
の8つの異なる原発性腫瘍培地におけるVIP、ソマト
スタチン、ボンベシン、及びサブスタンスPの受容体ア
フィニティのデータを示すものである。これらのデータ
125I−VIP、125I−ソマトスタチン、125I−ボンベ
シン、及び125I−サブスタンスPを使用した受容体−リ
ガンドアッセイを行うことにより得られたものである。
受容体−リガンドアッセイの詳細については、「プロト
コールの説明」と題された以下のセクションを参照され
たい。表3、4、5及び6において、KD (M)は単位
がモル(M)である解離定数を表し、R(M/L)は単
位がモル/リットル(M/L)である受容体数(つま
り、1腫瘍細胞当りの受容体数)を表す。以下の「プロ
トコールの説明」のセクションに記述されるとおり、K
D (M)及びR(M/L)は、受容体−リガンドアッセ
イからの粗データを使用してスキャッチャード分析を行
うLIGANDソフトウェアを使用して計算したもので
ある。
【0012】約10-9から約10-10 の範囲のK
D (M)値は高アフィニティ受容体を示し、約10-6
ら約10-8の範囲のKD (M)値は準高アフィニティ受
容体を示すものである。腫瘍細胞にはVIPに対して準
高アフィニティを有する受容体と同様にVIPに対して
高アフィニティを有する受容体も存在するという理由に
より、表3ではそれぞれの原発性腫瘍培地について2つ
のKD (M)値及び2つのR(M/L)値が示されてい
る。腫瘍細胞にはソマトスタチンに対して準高アフィニ
ティを有する受容体と同様にソマトスタチンに対して高
アフィニティを有する受容体も存在するという理由によ
り、表4ではそれぞれの原発性腫瘍培地について2つの
D (M)値及び2つのR(M/L)値が示されてい
る。腫瘍細胞にはボンベシンに対して高アフィニティを
有する受容体のみしか存在しないという理由により、表
5ではそれぞれの原発性腫瘍培地について1つのK
D (M)値及び1つのR(M/L)値のみが示されてい
る。腫瘍細胞にはサブスタンスPに対して準高アフィニ
ティを有する受容体のみしか存在しないという理由によ
り、表6ではそれぞれの原発性腫瘍培地について1つの
D (M)値及び1つのR(M/L)値のみが示されて
いる。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【表5】
【0016】
【表6】
【0017】本発明の範囲内の組み合わせの1つの例
は、SOM2 VIP1 、VIP2 、VIP3 、SO
1 、BOM1 、及びSP1 を含む。これ以降MuJ-7 と
して参照される1つの組み合わせは以下の7つのペプチ
ド類似体を用いて調製したものである:(1)約346
4.9の分子量及び約10-7Mの濃度を有するVIP
1(VIP類似体)、(2)約1027.55の分子量及
び約10-8Mの濃度を有するVIP2(VIP受容体結合
インヒビター)、(3)約3342.09の分子量及び
約10-8Mの濃度を有するVIP3(VIP受容体アンタ
ゴニスト)、(4)約1061.59の分子量及び約1
-9Mの濃度を有するSOM1(ソマトスタチン類似体
(CTOP))、(5)約1637.9の分子量及び約
10-8Mの濃度を有するSOM2(ソマトスタチンの類似
体)、(6)約983.55の分子量及び約10-8Mの
濃度を有するBOM1(ボンベシン類似体) 、及び(7)
約1515.83の分子量及び約10-8Mの濃度を有す
るSP1(サブスタンスP類似体) 。前文はMuJ-7 を構成
する7つの類似体の好ましい濃度を説明するものであっ
て、7つの類似体それぞれの濃度が約10-6Mから10
-12 Mまでの範囲であれば、MuJ-7 の効果があると考え
られる。
【0018】MuJ-7 は次のようにして調製することが可
能である。7つペプチド類似体それぞれのストック溶液
を約7から7.4のpHで調製する。下記の試験を行う
ために無菌燐酸緩衝溶液を使用したのであるが、RPM
I 1640、緩衝溶液、等張NaCl、リンガー溶
液、水(注射用)、蒸留水、ポリエチレングリコール
(無希釈又は水溶液)、2%Tween水溶液、50%
ジメチルスルホキシド水溶液、平衡塩類液、グリセロー
ル、及び静脈投与に適切な他の従来の液体、等の他の希
釈液を使用してもかまわない。それぞれのストック溶液
のpHを約7から約7.4に調節するために、1NのH
ClをpHを低下させるために、又は1NのNaOHを
pHを増加させるために使用することができる(勿論、
pHを調節するための他の従来の試薬を使用することも
可能である)。それぞれのストック溶液中のペプチド類
似体の濃度は約10-3Mである。7つのペプチド類似体
のアリコットはMuJ-7 製剤が7つのペプチド類似体のそ
れぞれをほぼ同量含有するように混合される。MuJ-7 中
においてVIP1 の濃度は約10-7Mであり、VIP2
の濃度は約10-8Mであり、VIP3 の濃度は約10-8
Mであり、SOM1 の濃度は約10-9Mであり、SOM
2 の濃度は約10-8Mであり、BOM1 の濃度は約10
-8Mであり、及びSP1 の濃度は約10-8Mである。1
つの具体例において、MuJ-7 溶液のpHは約7.0から
約7.4の範囲であることができる。この範囲のpHを
得るために1NのHClをpHを低下させるために、又
は1NのNaOHをpHを増加させるために使用するこ
とができる(勿論、pHを調節するための他の従来の試
薬を使用することも可能である)。
【0019】MuJ-7 はヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍
細胞に対して試験され、MuJ-7 を構成するペプチド類似
体のそれぞれについてもヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞及
び他の癌細胞株に対して試験を行った。ヒト結腸アデノ
癌腫の原発性腫瘍細胞における結果は表7にまとめられ
ており、他の腫瘍又は癌細胞株における結果は表8にま
とめられている。表7及び8はそれぞれのペプチド類似
体及びMuJ-7 における最大細胞毒性を示している。
【0020】表7及び8に記載されているMuJ-7 及びそ
れぞれのペプチド類似体における細胞毒性は、テトラゾ
リウム塩の1種であるMTT(3-(4,5-ジメチルチアゾル
-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)が
代謝活性細胞によって吸収され、活性ミトコンドリアに
より青色ホルマザン生成物に代謝されてそれが分光光度
計により測定されることを基礎とする1日MTT細胞毒
性アッセイを行うことにより試験されたものである。M
TTアッセイについては、Mosmann, T., "Rapid Colori
metric Assay for Cellular Growth and Survival: App
lication to Proliferation and Cytotoxicity Assay
s", Journal of Immunological Methods 65: 55-63 (19
83) を参照されたい。1日MTT細胞毒性アッセイに必
要なMTTストック溶液を調製するために、MTT(3-
(4,5-ジメチルチアゾル-2- イル)-2,5-ジフェニルテト
ラゾリウムブロミド)(シグマ社カタログNo. M 2128)
をpH7.4の燐酸緩衝溶液に溶かして5mg/mlの
濃度のMTTを得、小量の不溶残留物を除去し滅菌する
ために得られた混合物を0.22μのフィルタを通して
ろ過し、ろ過した混合物をMTTストック溶液(20μ
l/200μl溶媒)とした。簡潔に説明すると、それ
ぞれのタイプの腫瘍細胞について約20000から50
000の細胞を96ウェルの培養プレートに植え、それ
ぞれのペプチド類似体又はMuJ-7 をCO2 インキュベー
タ中で約24時間培養した。ペプチド類似体及びMuJ-7
の濃度は表7及び8に記載されている。(表8におい
て、ペプチド類似体の濃度は10-6M、10-7M及び1
-8Mについて記載されている)。ペプチド類似体又は
MuJ-7 により処理しない対照についても同様に培養し
た。約100μg(20μl)のMTTをそれぞれのウ
ェルに加えることにより約24時間後にアッセイを終了
させ、次に約1時間更に培養し、最後に約50μlの1
0%SDS−0.01NHClをそれぞれのウェルに添
加して細胞を溶解させてホルマザンを溶かした。37℃
で約1時間培養した後、分光光度計により540nmの
値を読み、以下の式: 細胞毒性率=100×[1−(X/R1)] (ここでX=(処理検体の540nmにおける吸収度)
−(ブランクの540nmにおける吸収度)であり、R
1 =(未処理対照の540nmにおける吸収度)−(ブ
ランクの540nmにおける吸収度)である)を用いて
細胞毒性率(つまり、殺傷率又は阻害率)を計算した。
従って、ここに報告されるMTT細胞毒性アッセイのそ
れぞれにおいて、細胞毒性は上記の式に従って計算さ
れ、未処理対照の増殖度を100%の値とすることを基
礎とするものである。
【0021】
【表7】
【0022】
【表8】
【0023】表8において、K562細胞はヒト白血病細胞
であり、MOLT-4細胞はヒトリンパ腫細胞であり、L132細
胞はヒト肺癌腫細胞であり、PC3 細胞はヒト膵臓腫瘍細
胞であり、MCF-7 はヒト乳癌細胞であり、HuTu80細胞は
ヒト十二指腸腫瘍細胞であり、Hu 746T 細胞はヒト胃癌
細胞であり、SKO.007 細胞はヒト骨髄腫細胞であり、HT
29細胞はヒト結腸腫瘍細胞であり、SW620 細胞はヒト結
腸腫瘍細胞であり、G401 細胞はヒト腎臓癌細胞であ
り、SK.MEL.28 細胞はヒト骨髄腫細胞であり、PTC 細胞
はヒト結腸腫瘍細胞である。
【0024】表7及び8の結果は、ペプチド類似体(V
IP1 、VIP2 、VIP3 、SOM1 、SOM2 、B
OM1 、及びSP1 )はMuJ-7 中で組み合わされて使用
された場合により効果的であることを示している。MuJ-
7 を構成する7つのペプチド類似体の5つの異なる準組
み合わせをヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞に対して試験し
た。準組み合わせは表9に記載されている。それぞれの
準組み合わせは1日MTT細胞毒性アッセイを行うこと
により試験した。簡潔に説明すると、約20000から
50000のヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍細胞を9
6ウェルの培養プレートに植え、それぞれの準組み合わ
せをCO2 インキュベータ中で約24時間培養した。ペ
プチド類似体の濃度は表9に記載されている。準組み合
わせにより処理しない対照についても同様に培養した。
約100μg(20μl)のMTTをそれぞれのウェル
に加えることにより約24時間後にアッセイを終了さ
せ、次に約1時間更に培養し、最後に約50μlの10
%SDS−0.01NHClをそれぞれのウェルに添加
して細胞を溶解させてホルマザンを溶かした。37℃で
約1時間培養した後、分光光度計により540nmの値
を読み、上記の式を用いて細胞毒性率(つまり、殺傷
率)を計算した。表9にはそれぞれの準組み合わせにお
ける最大細胞毒性が示されている。
【0025】
【表9】
【0026】他の実験においては、他のペプチド類似
体:ソマトスタチン類似体--RC-160、サブスタンスP類
似体--サブスタンスP1-6 及びスパンチドI(Spantide
I)、コレシストキニン類似体--CCK-33、及びグルカゴン
類似体--ヒトグルカゴン、が試験された。これらペプチ
ド類似体のそれぞれはヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍
細胞に対して試験された。それぞれのペプチドは1日M
TT細胞毒性アッセイを行うことにより、10M-6から
10M-10 の間の濃度で試験された。簡潔に説明する
と、約20000から50000のヒト結腸アデノ癌腫
の原発性腫瘍細胞を96ウェルの培養プレートに植え、
それぞれのペプチド類似体をCO2 インキュベータ中で
約24時間培養した。ペプチド類似体により処理しない
対照についても同様に培養した。約100μg(20μ
l)のMTTをそれぞれのウェルに加えることにより約
24時間後にアッセイを終了させ、次に約1時間更に培
養し、最後に約50μlの10%SDS−0.01NH
Clをそれぞれのウェルに添加して細胞を溶解させてホ
ルマザンを溶かした。37℃で約1時間培養した後、分
光光度計により540nmの値を読み、上記の式を用い
て細胞毒性率(つまり、殺傷率)を計算した。サブスタ
ンスP1-6 による最大細胞毒性は約35.9%であり、
RC-160による最大細胞毒性は約58.0%であり、スパ
ンチドIによる最大細胞毒性は約30.8%であり、ヒ
トグルカゴンによる最大細胞毒性は約0%であり、CCK-
33による最大細胞毒性は約17.8%であった。 表1
0には他のVIP類似体が記載されており、表11には
他のソマトスタチン類似体が記載されており、表12に
は他のボンベシン類似体が記載されており、表13には
他のサブスタンスP類似体が記載されている。表10〜
13に記載されている類似体はMuJ-7 を構成するペプチ
ド類似体の幾つかと置き換えることが可能である。
【0027】表2及び表10〜13及び「配列リスト」
において、「Pen 」はペニシラミンの略であり、「Ψ」
は代用結合(surrogate bond)を示し、
【0028】
【外1】
【0029】は還元結合(reduced bond)を示し、「pGl
u」はパイログルタミン酸(つまり、5-オキソ- プロリ
ン)を示し、「NicLys」はリシン-(ニコチノイル)(つま
り、ニコチンがリシン側鎖のε−アミノ基に結合したも
の)を示し、「MePhe 」はメチルフェニルアラニンを示
し、「Nle 」はノルロイシンを示す。表2及び表10〜
13及び請求の範囲に開示されるアミノ酸配列は、表2
及び表10〜13に開示されるアミノ酸配列の保守的に
変形された変異種を含むものである。特許請求される発
明は、表2及び表10〜13に開示されるアミノ酸配列
をC末端及び/又はN末端からアミノ酸残基(例えば、
1つ、2つ、又はおそらくはそれ以上のアミノ酸残基)
を取り除いて短くしたとしても依然有効であると考えら
れる。また、特許請求される発明は表2及び表10〜1
3に開示されるアミノ酸配列のC末端及び/又はN末端
のアミノ酸残基(例えば、1つ、2つ、又はおそらくは
それ以上のアミノ酸残基)を他のアミノ酸残基で置き換
えたとしても依然有効であると考えられる。
【0030】
【表10】
【0031】
【表11】
【0032】
【表12】
【0033】
【表13】
【0034】本発明の他の例において、癌に冒されたほ
乳類(ヒトを含む)を治療する方法が提供される。治療
可能な癌の種類には、白血病及びリンパ腫;胃、膵臓、
及び前立腺のアデノ癌腫;並びに結腸、直腸、肺、胸及
び腎臓の癌が含まれるが、特にそれらに制限されるわけ
ではない。加えて、本発明はVIP、ソマトスタチン、
ボンベシン、及びサブスタンスPのペプチドのうちの1
種又はそれ以上の過剰分泌に特徴付けられる他の疾病及
び癌を治療する方法を提供するものである。
【0035】本発明の方法は、SOM2 と、VIP1
VIP2 、VIP3 、SOM1 、BOM1 及びSP1
ペプチドのうち少なくとも4との薬学的に有効である組
み合わせをほ乳類に体系的に投与することを含む、又は
それらよりなる、又は実質的にそれらからなる。組み合
わせの有効投与量はほ乳類の体重1kgにつき15〜1
70μg(好ましくは25〜40μg)のペプチドであ
るが、所望される効果、投与方法、選択されるペプチ
ド、及び治療される癌に依存する。体系的投与とは、経
口、経直腸、経鼻、トランスダーマル、非経口(つま
り、筋肉、静脈、及び皮下注射)意味するものである。
適切な医療における実施においては、不都合な害のある
副作用を引き起こすことなく抗癌作用を発揮する投与量
でかかる組成物を投与することが好ましい。組成物は単
独又は他の医薬剤との混合物として投与することが可能
である。
【0036】組成物は任意に及び好ましくは薬学的に許
容できる希釈剤、賦形剤、溶媒、結合剤、安定剤等を含
有する。かかる希釈剤には、RPMI 1640 、緩衝溶液、等
張NaCl、リンガー溶液、水、蒸留水、ポリエチレン
グリコール(非希釈又は水溶液)、2%Tween水溶
液、50%ジメチルスルホキシド水溶液、プロピレング
リコール(非希釈又は水溶液)、燐酸緩衝液、平衡塩類
液、グリセロール、及び静脈投与に適切な他の従来の液
体等が含まれる。1投与当り約10から2000μgの
組成物を提供する薬剤組成物が好ましく、通常は、錠
剤、ロゼンジ、カプセル、粉末、溶液、又は油状懸濁
液、シロップ、エリキシル剤、及び水溶液として調製さ
れる。用いられる薬剤組成物の属性は勿論所望される投
与ルートに依存する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明は下記の例を参照して更に
詳細に説明されるが、これらの例は単に説明を目的とす
るものであり、本発明をこれに限定するものではない。MuJ-7 のインビトロにおける研究 例1 ファインニードル吸引細胞学(FNAC)及び病理組織
学により確認されたヒト結腸アデノ癌腫を用いてヒト結
腸アデノ癌腫の原発性腫瘍細胞株を確立した。これらの
細胞を、ヒト結腸アデノ癌腫細胞上に存在する91 KD の
表面抗原に特異的なモノクロナール抗体によりポジティ
ブ染色した。これらの細胞の腫瘍発生力をヌードマウス
にこれらの細胞を皮下注射し、腫瘍を形成させることに
より証明した。12の主用培地の特徴は表14に記載さ
れている。
【0038】
【表14】
【0039】(注:AC=上行結腸、DC=下行結腸、
TC=横行結腸、FNAC=ファインニードル吸引細
胞、Hist.=病理組織、Mab=モノクロナール抗
体標識、ND=未検査) 表14に記載された12のヒト結腸アデノ癌腫細胞培養
のそれぞれに由来するヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞がMu
J-7 (約20μl/ウェル)と共に約72時間約37℃
でCO2 インキュベータ中で培養された96ウェルの培
養プレートにおいてMuJ-7 の抗増殖効果を研究した。Mu
J-7 を加えなかったヒト結腸アデノ癌腫細胞を対照とし
た。トリチウムを導入した 3H]チミジン(約1μCi
/ウェル)をそれぞれのウェルに加え、プレートを更に
約1時間インキュベートした。細胞をフィルターマット
上に採取し、 3H]チミジンの細胞分裂中の細胞への導
入をベータプレート(Pharmacia) により計算した。本明
細書中に記載されるトリチウム導入 3H]チミジン細胞
毒性アッセイのそれぞれにおいては、未処理の対照にお
ける細胞の増殖を100%とするものとする。例1にお
いては、MuJ-7 が腫瘍細胞の増殖を約95%阻害したこ
とが観察された。例2 MuJ-7 の細胞毒性効果を1日MTTアッセイにより再確
認した。1日MTT細胞毒性アッセイのためのMTTス
トック溶液の調製方法は上述のとおりである。簡潔に説
明すると、上記表14に記載された12のヒト結腸アデ
ノ癌腫腫瘍細胞培養をMuJ-7 (約20μl/ウェルのMu
J-7 を時間=0において添加)と共に96ウェル培養プ
レートを用いて、約5%CO2 中、約37℃で約24時
間インキュベートした。MuJ-7 により処理しなかった1
2のヒト結腸アデノ癌腫細胞培養からの細胞を対照とし
た。次に、ストックMTT溶液(約100μgMTT/
ウェル)をそれぞれのウェルに加え、更に約1時間培養
を続けた。細胞中に形成されたホルマザンの結晶を約1
0%のドデシル硫酸ナトリウム及び約0.01NのHC
lからなる洗剤を添加して溶解させ、それぞれのウェル
の540nmにおける光学密度を分光光度計により読み
とった。光学密度は増殖し代謝活性のある細胞の数に正
比例するものである。MuJ-7 はMTT細胞毒性により評
価されたように12のヒト結腸アデノ癌腫細胞培養のそ
れぞれの増殖−活性を阻害した。阻害率は約80.7%
から約95.2%の範囲であった。表15は12のヒト
結腸アデノ癌腫細胞株のそれぞれのおよその阻害率をリ
ストにしたものである。表14における生検番号1〜1
2のそれぞれは表15のサンプル番号PTC-1 〜PTC-12に
対応するものである。
【0040】
【表15】
【0041】例3 MuJ-7 の細胞毒性効果を3種類のヒト結腸癌細胞株(Co
Lo 205、HT 29 及びSW620)を用いた3日MTTアッセ
イにより試験した。3日MTT細胞毒性アッセイのため
のMTTストック溶液の調製方法は上述の1日MTT細
胞毒性アッセイのためのMTTストック溶液の調製方法
と同様である。簡潔に説明すると、CoLo205、HT 29 及
びSW 620細胞を96ウェルの培養プレート(約5000
0癌細胞/ウェル)を用いて、約5%CO2 中、約37
℃で約72時間インキュベートした。MuJ-7 (約20μ
l/ウェル)を時間=0、24、48時間において全て
の処理サンプルに添加した。MuJ-7 により処理しなかっ
たCoLo 205、HT 29 及びSW620細胞を対照とした。次
に、ストックMTT溶液(約100μgMTT/ウェ
ル)をそれぞれのウェルに加え、更に約1時間培養を続
けた。細胞中に形成されたホルマザンの結晶を約10%
のドデシル硫酸ナトリウム及び約0.01NのHClか
らなる洗剤を添加して溶解させ、それぞれのウェルの5
40nmにおける光学密度を分光光度計により読みとっ
た。MuJ-7 によるCoLo 205、HT 29 及びSW620の阻害率
はそれぞれ、約80%、約18%及び約41%であっ
た。例4 MuJ-7 の13種類の腫瘍細胞株における細胞毒性効果を
研究するために、3日MTTアッセイを用いて実験を行
った。これらの細胞株は、K562細胞(ヒト白血病)、MO
LT-4(ヒトリンパ腫)、L 132 (ヒト肺癌腫)、MCF-7
(ヒト乳癌)、SW 620(ヒト結腸)、G 401 (ヒト腎
臓)、CoLo 205(ヒト結腸)、HuTu80(ヒト十二指
腸)、Hu 746T (ヒト胃)、HT29(ヒト結腸)、PC3
(ヒト膵臓)、SKO.007 (ヒト骨髄腫)、及びSK.MEL.2
8 (ヒト黒色腫)である。3日MTT細胞毒性アッセイ
のためのMTTストック溶液の調製方法は上述の1日M
TT細胞毒性アッセイのためのMTTストック溶液の調
製方法と同様である。簡潔に説明すると、13のヒト腫
瘍細胞株からの細胞を96ウェルの培養プレート(約5
0000癌細胞/ウェル)を用いて、約5%CO2 中、
約37℃で約72時間インキュベートした。MuJ-7 (約
20μl/ウェル)を時間=0、24、48時間におい
て全ての処理サンプルに添加した。MuJ-7 により処理し
なかった13のヒト腫瘍細胞株からの細胞を対照とし
た。次に、ストックMTT溶液(約100μgMTT/
ウェル)をそれぞれのウェルに加え、更に約1時間培養
を続けた。細胞中に形成されたホルマザンの結晶を約1
0%のドデシル硫酸ナトリウム及び約0.01NのHC
lからなる洗剤を添加して溶解させ、それぞれのウェル
の540nmにおける光学密度を分光光度計により読み
とった。MuJ-7 による13の細胞株におけるおよその細
胞毒性率(つまり、阻害率)は表16に記載されてい
る。SKO.007 (ヒト骨髄腫)、及びSK.MEL.28 (ヒト黒
色腫)における阻害は観察されなかった。
【0042】
【表16】
【0043】例5 ヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍細胞を104 細胞/m
lの密度で5つの異なるフラスコに植えた。10%のウ
シ胎児血清を含有するRPMI 1640 (5ミリリットル)を
それぞれのフラスコに加えた。MuJ-7 (約200μl)
を4つのフラスコに加えた。MuJ-7 を加えなかった5番
目のフラスコを対照として使用した。約12時間から約
96時間の間の異なる経過時間で細胞をMuJ-7 で処理し
た後、ヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍細胞からゲノミ
ックDNAを抽出した。ゲノミックDNAの抽出に使用
された方法の詳細については「プロトコールの説明」と
題された下記のセクションを参照されたい。第一フラス
コ中の腫瘍細胞からは約12時間後にゲノミックDNA
を抽出し、第二フラスコ中の腫瘍細胞からは約24時間
後にゲノミックDNAを抽出し、第三フラスコ中の腫瘍
細胞からは約48時間後にゲノミックDNAを抽出し、
第四フラスコ中の腫瘍細胞からは約96時間後にゲノミ
ックDNAを抽出し、対照フラスコ中の腫瘍細胞からは
約96時間後にゲノミックDNAを抽出した。処理及び
未処理細胞双方からのDNAを臭化エチジウムを染色に
使用して1%アガロースゲル上で泳動した。MuJ-7 で4
8時間及び96時間処理した腫瘍細胞のDNAは、プロ
グラム化細胞死を示唆するスミアをゲル上に形成し、一
方未処理細胞からのDNAはそれが完全な形態で存在す
ることを証明する鋭い帯を10kbの位置に形成した。
MuJ-7 で24時間処理した腫瘍細胞のDNAは、ゲル上
にスミアを形成しなかった。従って、インビトロの時間
−速度実験は、MuJ-7 による処理によってプログラム化
細胞死が約24時間から約48時間の間に起こることを
示すものである。インビボ実験における投与MuJ-7 の成分 投与MuJ-7 成分を以下の方法により調製した。最初に7
種のペプチド類似体それぞれのストック溶液を約7.4
のpHの無菌燐酸緩衝溶液を使用して調製した。それぞ
れのストック溶液のペプチド類似体濃度は約10-3Mで
あった。MuJ-71投与量中における7種のペプチドの総
重量が、投与量に依存して、約8〜16μgになり、Mu
J-7 製剤が7種のペプチド類似体のそれぞれをほぼ同量
含有するように、7種のペプチド類似体のアリコットを
混合した。MuJ-7 中、VIP1 の濃度は約10-7Mであ
り、VIP2 の濃度は約10-8Mであり、VIP3 の濃
度は約10-8Mであり、SOM1 の濃度は約10-9Mで
あり、SOM2 の濃度は約10-8Mであり、BOM1
濃度は約10-8Mであり、SP1 の濃度は約10-8Mで
あった。無菌RPMI 1640 を加えることによりこの溶液の
容量を約150μlとした。RPMI 1640 はロズウェル・
パーク・メモリアル・インスティテュート(Rosewell Pa
rk Memorial Institute)において向上された細胞培養培
地である。RPMI 1640 の成分は表17に記載されてい
る。
【0044】
【表17】
【0045】以下のインビボ実験全体を通して、MuJ-7
を注射しなかった対照マウスにはその代わりにRPMI 164
0 を注射した。対照マウスにおける腫瘍の進行成長はRP
MI 1640 がMuJ-7 の効果に重要なものではないことを示
すものである。以下のインビボ実験において、腫瘍の容
積は副はさみ尺(vernier calliper)を使用して計算し
た。腫瘍の短辺(a) 及び長辺(b) を正確に計測し、以下
の式: 腫瘍容積 = 0.4×a2×b を用いて容積を計算した。
【0046】上記の腫瘍容積を計算式は、H. J. Winn,
National Cancer Institute Monograph 2 (1959) 113-1
38によるものである。以下のインビボ実験において、腫
瘍重量の測定は、実験の終了時に皮膚の真下の筋肉層上
の後部表面に成長している腫瘍全部分をマウスから摘出
することによって行った。腫瘍に付着している皮膚及び
他の組織を全て除去し、腫瘍重量を即座に分析用バラン
スによって測定した。腫瘍発生ヌードマウスのインビボ研究 例6〜13に記述される様々なインビボプロトコールに
従いMuJ-7 によって処理された52匹の腫瘍を有するヌ
ードマウスのうち、49匹のマウスが完全又は部分的腫
瘍縮小を示した。経過時間におけるMuJ-7 処理による腫
瘍縮小の効果を示す図1には、例6〜13に記述された
インビボプロトコールにおける全てのマウスの平均腫瘍
容積(mm3)が経過日数と対比させて示されている(図
1におけるデータポイントのそれぞれは、別々の実験か
らの異なる数のマウスの平均腫瘍容積を示すものであ
る)。図1において、マウスは4つのカテゴリーにグル
ープ分けされている:(1)未処理対照マウス(△)、
(2)MuJ-7 の最初の投与を第5日までに受けた処理マ
ウス(+)、(3)MuJ-7 の最初の投与を第5日以降第
12日までに受けた処理マウス(▲)、及び(4)MuJ-
7 の最初の投与を第12日以降第20日までに受けた処
理マウス(▽)。例6 第1日において10匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスにヒ
ト結腸アデノ癌腫の原発性細胞(約1千万腫瘍細胞/マ
ウス)を移植し、移植後約1時間経過で最初のMuJ-7 を
これらのマウスに投与した。それぞれの処理マウスにお
ける1日のMuJ-7 注射量中には、約1.143μgのV
IP1 、約1.143μgのVIP2 、約1.143μ
gのVIP3 、約1.143μgのSOM1 、約1.1
43μgのSOM2 、約1.143μgのBOM1 、及
び約1.143μgのSP1 が含まれていた。従って、
1日当りのMuJ-7 総投与量中にはそれぞれがおよそ同量
の7種のペプチド類似体(VIP1 、VIP2 、VIP
3 、SOM1 、SOM2 、BOM1 、及びSP1)がいつ
も含有され、これら7種のペプチド類似体の総重量は約
8μgであったということになる。MuJ-7 の1日の総重
量はほぼ同量になるように3等分した。約8時間の間隔
をおいて、一日に3回、3等分のうちの1つを処理マウ
スそれぞれに注射した。1日のうち最初の投与は尾の静
脈に注射し、2回目の投与は臀部筋肉の一方に注射し、
3回目の投与は他方の臀部筋肉に注射した。2週間に渡
り処理を継続した。10匹の処理マウスの体重に近い体
重を有する無作為に選択したBALB/Cヌードnu/nu マウス
を対照とした。対照マウスには処理マウスと同様に同タ
イプ及びおよそ同一数のヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞を
皮下注射した。対照マウスにはMuJ-7 を与えなかった。
【0047】処理及び未処理マウスの腫瘍容積を4日お
きに記録した。表18にはそれぞれの処理マウスにおけ
る腫瘍容積(mm3)が記載されており、表19にはそれ
ぞれの未処理マウス(対照)における腫瘍容積(mm3)
が記載されている。図2は処理マウス(○)及び未処理
マウス(+)の平均腫瘍容積(mm3)を経過日数との関
係で示すグラフである。図2中、矢印は第1日において
腫瘍細胞移植後約1時間経過した後最初のMuJ-7 を処理
マウスに投与したことを示すものである。
【0048】
【表18】
【0049】
【表19】
【0050】MuJ-7 を使用した処理によって、処理マウ
スのうち約90%において腫瘍成長が妨げられた。更
に、実験期間中1匹の処理マウスとも死ぬことはなかっ
た。これと比較して、対照マウスには腫瘍の成長が観察
され、それは結果的にマウスの死につながった。例7 第1日において20匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスを1
0匹づつの2つのグループに分け、それぞれにヒト結腸
アデノ癌腫の原発性細胞(約1千万腫瘍細胞/マウス)
を移植した。グループ1のマウスには第12日(つま
り、第1日の腫瘍細胞移植後11日経過後)に最初のMu
J-7 を投与した。グループ2のマウスには第20日(つ
まり、第1日の腫瘍細胞移植後19日経過後)に最初の
MuJ-7 を投与した。これらの20匹の処理マウスに14
日間に渡り毎日1日分のMuJ-7 を与えた。それぞれの処
理マウスにおけるMuJ-7 の1日注射量中には、約1.1
43μgのVIP1 、約1.143μgのVIP2 、約
1.143μgのVIP3 、約1.143μgのSOM
1 、約1.143μgのSOM2 、約1.143μgの
BOM1 、及び約1.143μgのSP1 が含まれてい
た。従って、1日当りのMuJ-7 総投与量中にはそれぞれ
がおよそ同量の7種のペプチド類似体(VIP 1 、VI
2 、VIP3 、SOM1 、SOM2 、BOM1 、及び
SP1)がいつも含有され、これら7種のペプチド類似体
の総重量は約8μgであったということになる。MuJ-7
の1日の総重量はほぼ同量になるように3等分した。約
8時間の間隔をおいて、一日に3回、3等分のうちの1
つを処理マウスそれぞれに注射した。1日のうち最初の
投与は尾の静脈に注射し、2回目の投与は臀部筋肉の一
方に注射し、3回目の投与は他方の臀部筋肉に注射し
た。グループ1及びグループ2の20匹の処理マウスの
体重に近い体重を有する無作為に選択した5匹のBALB/C
ヌードnu/nu マウスを対照とした(この5匹のマウスを
グループ1及びグループ2の双方の実験における対照と
した)。対照マウスには処理マウスと同様に同タイプ及
びおよそ同一数のヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞を皮下注
射した。対照マウスにはMuJ-7 を与えなかった。
【0051】グループ1のマウスに対しては腫瘍容積を
5日おきに記録した。表20には処理マウス及び5匹の
対照(未処理)マウスにおける平均腫瘍容積が記載され
ている。このうち3匹の未処理対照マウスは第31、3
2及び34日に死に、これらの死んだマウスはその死後
の測定からは除外された。
【0052】
【表20】
【0053】グループ1の10匹の処理マウスのうち8
匹が第42日までに腫瘍の完全な消滅を示した。完全な
消滅の際には腫瘍重量及び腫瘍容積の測定は不可能であ
った。それ故、表20及びこの段落において、第42日
のグループ1処理マウスの平均腫瘍容積及び平均腫瘍重
量に関して完全な消滅を示した8匹のマウスは除外され
ている。表20に示されるとおり、MuJ-7 を与えられた
グループ1のマウスの平均腫瘍容積は第22日に約9.
8mm3 であったものが第42日には約44.8mm3
に増加し、一方、対照(未処理)マウスの平均腫瘍容積
は第22日に約122.1mm3 であったものが第42
日には約1978.1mm3 に増加した。第42日にお
いて腫瘍の完全な消滅を示さなかったグループ1の2匹
の処理マウスの平均腫瘍重量は約51mgであり、一
方、未処理対照マウスにおける第42日の平均腫瘍重量
は約1196mgであった。
【0054】グループ2の10匹の処理マウスのうち8
匹が第34日(つまり、癌細胞移植後33日目)までに
腫瘍の完全な消滅を示した。完全な消滅の際には腫瘍重
量及び腫瘍容積の測定は不可能であった。それ故、この
段落において、第34日のグループ2処理マウスの平均
腫瘍容積及び平均腫瘍重量に関して完全な消滅を示した
8匹のマウスは除外されている。対照マウスのうち1匹
は第31日に死に、1匹は第32日に死に、更にもう1
匹が第34日に死んだ。このため、この段落において、
第34日の対照マウスの平均腫瘍容積及び平均腫瘍重量
に関して、第34日より前に死んだ2匹のマウスは除外
されている。グループ2の処理マウスにおいて、MuJ-7
は第22日に約105mm3 であった平均腫瘍容積を第
34日には約3.1mm3 なるまで減少させ、一方、対
照(未処理)マウスの平均腫瘍容積は第22日に約12
2.1mm3 であったものが第34日には約1888m
3 にまで増加した。第34日の実験終了時における腫
瘍の完全な消滅を示さなかったグループ2の2匹の処理
マウスの平均腫瘍重量は約23mgであり、一方、未処
理対照マウスにおける第34日の平均腫瘍重量は約74
6mgであった。
【0055】図3はグループ1の処理マウス(○)、グ
ループ2の処理マウス(□)、及び未処理対照マウス
(+)の平均腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係で示
すグラフである。図3中、第12日の下の矢印はグルー
プ1のマウスが最初にMuJ-7 を投与された時を示し、第
20日の下の矢印はグループ2のマウスが最初にMuJ-7
を投与された時を示す。例8 ヒト結腸癌細胞株(HT 29 、SW 620及びCoLo 205)を使
用して、ヒト起源原発性結腸腫瘍を有するBALB/Cヌード
nu/nu マウスの治療におけるMuJ-7 の有効性の試験を行
った。更に、MuJ-7 の有効性をヒト肺癌株L 132 からの
細胞を注射したBALB/Cヌードnu/nu マウスの治療におい
て証明した。簡潔に説明すると、上記のヒト癌細胞株
(HT 29 、SW 620及びCoLo 205)のそれぞれを、2匹の
ヌードマウス(そのうち1匹は対照とする)に1200
万癌細胞/マウスの割合で皮下注射し(第1日)、注射
後3〜11日からMuJ-7 による非対照マウスの治療を開
始した。一旦治療を開始した後は、処理マウスのそれぞ
れにMuJ-7 を14日間連続して注射し、1日のMuJ-7 投
与量の約3分の1を1回当りに注射した。それぞれの処
理マウスにおけるMuJ-7 の1日注射量中には、約1.1
43μgのVIP1 、約1.143μgのVIP2 、約
1.143μgのVIP3 、約1.143μgのSOM
1 、約1.143μgのSOM2 、約1.143μgの
BOM1 、及び約1.143μgのSP1 が含まれてい
た。HT 29 癌細胞を移植された処理マウスに対しては第
12日目(つまり、癌細胞の注射後11日)に治療を開
始し、SW620癌細胞を移植された処理マウスに対しては
第8日目(つまり、癌細胞の注射後7日)に治療を開始
し、CoLo 205癌細胞を移植された処理マウスに対しては
第4日目(つまり、癌細胞の注射後3日)に治療を開始
し、L 132 癌細胞を移植された処理マウスに対しては第
5日目(つまり、癌細胞の注射後4日)に治療を開始し
た。MuJ-7 の1日の総重量はほぼ同量になるように3等
分した。約8時間の間隔をおいて、一日に3回、3等分
のうちの1つを処理マウスそれぞれに注射した。1日の
うち最初の投与は尾の静脈に注射し、2回目の投与は臀
部筋肉の一方に注射し、3回目の投与は他方の臀部筋肉
に注射した。処理マウスの体重に近い体重を有する無作
為に選択したBALB/Cヌードnu/nu マウスを対照とした。
対照マウスには処理マウスと同様に同タイプ及びおよそ
同一数のヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞を皮下注射した。
対照マウスにはMuJ-7 を与えなかった。
【0056】SW 620細胞に関する実験において、未処理
対照マウスの腫瘍容積は第6日に約67.5mm3 であ
ったものが第26日(つまり、第1日の癌細胞注射後2
5日)には約508.9mm3 にまで増加し、その時点
でマウスは腫瘍が原因で死んでしまった。一方、MuJ-7
処理したマウスの腫瘍容積は第6日に約47.1mm 3
であったものが第16日(処理9日後)には完全に消滅
してしまった。表21には第6日から死ぬまでの未処理
対照マウス及び処理マウスの腫瘍容積測定結果(単位:
mm2)が記載されている。図4は処理マウス(○)、及
び未処理対照マウス(+)の腫瘍容積(mm3)を経過日
数との関係で示すグラフである。図4中、矢印は処理マ
ウスが第8日に最初にMuJ-7 を投与されたことを示す。
第87日目(つまり第1日のSW 620細胞注射後86日)
に死んだ処理マウスの生存時間は、未処理対照マウスと
比較して、約244%増加した。生存時間における増加
率は以下の式: 生存時間増加率 = (NT −NC ) /NC ×100 (ここでNT は処理マウスの死んだ日数(又は生存が確
認された最後の日数)から癌細胞を注射した日の日数を
引いたものであり、NC は未処理対照マウスの死んだ日
数から癌細胞を注射した日の日数を引いたものである)
に従い計算した。
【0057】
【表21】
【0058】HT 29 細胞に関する実験において、未処理
対照マウスの腫瘍容積は第10日に約95.1mm3
あったものが第52日(つまり、第1日の癌細胞注射後
51日)には約4536.3mm3 にまで増加し、その
時点でマウスは腫瘍が原因で死んでしまった。それと比
較して、MuJ-7 処理したマウスの腫瘍容積は第10日に
約159.1mm3 であったものが第52日には約21
92.7mm3 と比較的ゆっくり増加し、その後第86
日(つまり、第1日の癌細胞注射後85日)には約15
56.4mm3 に腫瘍容積が減少した。表22には第1
0日から死ぬまでの未処理対照マウス及び処理マウスの
腫瘍容積測定結果(単位:mm2)が記載されている。図
5は処理マウス(○)、及び未処理対照マウス(+)の
腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係で示すグラフであ
る。図5中、矢印は処理マウスが第12日に最初にMuJ-
7 を投与されたことを示す。第104日目(つまり第1
日のHT 29 細胞注射後103日)に死んだ処理マウスの
生存時間は、未処理対照マウスと比較して、約102%
増加した。
【0059】
【表22】
【0060】CoLo 205細胞に関する実験において、未処
理対照マウスの腫瘍容積は第3日に約74.9mm3
あったものが第22日(つまり、第1日の癌細胞注射後
21日)には約7344.9mm3 にまで増加し、その
時点でマウスは腫瘍が原因で死んでしまった。それと比
較して、MuJ-7 処理したマウスの腫瘍容積は第3日に約
78.2mm3 であったものが第8日(処理後4日)に
は完全に消滅してしまった。表23には第3日から死ぬ
までの未処理対照マウス及び処理マウスの腫瘍容積測定
結果(単位:mm2)が記載されている。図6は処理マウ
ス(○)、及び未処理対照マウス(+)の腫瘍容積(m
3)を経過日数との関係で示すグラフである。図6中、
矢印は処理マウスが第4日に最初にMuJ-7 を投与された
ことを示す。第79日目(つまり第1日のCoLo 205細胞
注射後78日)に死んだ処理マウスの生存時間は、未処
理対照マウスと比較して、約271%増加した。
【0061】
【表23】
【0062】L 132 細胞に関する実験において、未処理
対照マウスの腫瘍容積は第2日に約28.5mm3 であ
ったものが第34日(つまり、第1日の癌細胞注射後3
3日)には約7174.3mm3 にまで増加し、その時
点でマウスは腫瘍が原因で死んでしまった。一方、MuJ-
7 処理したマウスの腫瘍容積は第2日に約38.3mm
3 であったものが第27日(処理後22日)には完全に
消滅してしまった。表24には第2日から死ぬまでの未
処理対照マウス及び処理マウスの腫瘍容積測定結果(単
位:mm2)が記載されている。図7は処理マウス
(○)、及び未処理対照マウス(+)の腫瘍容積(mm
3)を経過日数との関係で示すグラフである。図6中、矢
印は処理マウスが第5日に最初にMuJ-7 を投与されたこ
とを示す。第70日目(つまり第1日のL 132 細胞注射
後69日)に死んだ処理マウスの生存時間は、未処理対
照マウスと比較して、約109%増加した。
【0063】
【表24】
【0064】例9 2匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスのそれぞれに約10億
個のヒト結腸アデノ癌腫細胞を移植した(第1日)。第
22日目(つまり、癌細胞の注射後21日)から1匹の
マウスに、VIP1 、VIP2 、VIP3 、SOM1
びSOM2 の組み合わせの1日投与量を腹腔内注射によ
り与えた。14日間に渡りこの処理マウスに約8μgの
組み合わせを与えた。この組み合わせは、約1.6μg
のVIP 1 、約1.6μgのVIP2 、約1.6μgの
VIP3 、約1.6μgのSOM 1 及び約1.6μgの
SOM2 を含有するものであった。この処理マウスに対
して第35日目(つまり、第1日の癌細胞の注射後34
日)に最後の組み合わせを与えた。第35日目の実験終
了後、処理マウスの腫瘍容積は約720mm3 であっ
た。他のマウスは未処理であり対照とした。第35日に
未処理対照マウスの腫瘍容積は約3584mm3 であっ
た。例10 3匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスのそれぞれに約10億
個のヒト結腸アデノ癌腫細胞を移植した(第1日)。第
2日目(つまり、癌細胞の注射後1日)から2匹のマウ
スに、VIP1 、VIP2 、VIP3 、SOM1 及びS
OM2 の組み合わせの1日投与量を腹腔内注射により与
えた。14日間に渡り1日に1度、この処理マウスに約
8μgの組み合わせを与えた。この組み合わせは、約
1.6μgのVIP1 、約1.6μgのVIP2 、約
1.6μgのVIP3 、約1.6μgのSOM1 及び約
1.6μgのSOM2 を含有するものであった(これら
を1度に与え、分けることはしなかった)。この処理マ
ウスに対して第15日目(つまり、第1日の癌細胞の注
射後14日)に最後の組み合わせを与えた。第15日目
の実験終了後、処理マウスの腫瘍容積は約80mm3
あり、腫瘍重量は約0.149gであった。第15日に
未処理対照マウスの腫瘍容積は約384mm3 であり、
腫瘍重量は約0.406gであった。例11 2匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスのそれぞれに約10億
個のヒト結腸アデノ癌腫細胞を移植した(第1日)。第
2日目(つまり、癌細胞の注射後1日)から2匹のマウ
スに、VIP1 、VIP2 、VIP3 、SOM1 及びS
OM2 の組み合わせの1日投与量を腹腔内注射により与
えた。14日間に渡り、この処理マウスに約8μgの組
み合わせを与えた。この組み合わせは、約1.6μgの
VIP1、約1.6μgのVIP2 、約1.6μgのV
IP3 、約1.6μgのSOM1及び約1.6μgのS
OM2 を含有するものであった。組み合わせの1日の総
重量をほぼ同量になるように3等分した。約8時間の間
隔をおいて、一日に3回、3等分のうちの1つを処理マ
ウスそれぞれに注射した。1日のうち最初の投与は静脈
内投与とし、2回目及び3回目の投与は筋肉内注射とし
た。この処理マウスに対して第15日目(つまり、第1
日の癌細胞の注射後14日)に最後の組み合わせを与え
た。第15日目の実験終了後、処理マウスの腫瘍容積は
約0.8mm 3 であり、腫瘍重量は約0.009gであ
った。他のマウスは未処理であり対照とした。第15日
に未処理対照マウスの腫瘍容積は約1728mm3 であ
り、未処理対照マウスの腫瘍重量は約2.18gであっ
た。例12 3匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスのそれぞれに約160
0万個のヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍細胞を移植し
た(第1日)。第21日目(つまり、癌細胞の注射後2
0日)、第22日目、及び第23日目にこれらのマウス
のうち2匹に、1日投与量分のMuJ-7 を与えた。この3
日間のそれぞれの日においてそれぞれの処理マウスに与
えたMuJ-7 の1日分投与量には、約1.143μgのV
IP1 、約1.143μgのVIP2 、約1.143μ
gのVIP3 、約1.143μgのSOM1 、約1.1
43μgのSOM2 、約1.143μgのBOM1 、及
び約1.143μgのSP1 が含まれており、7種のペ
プチド類似体の総重量は約8μgであった。第24日か
ら第34日にかけては、それぞれの処理マウスに与えた
MuJ-7 の1日分投与量には、約2.286μgのVIP
1 、約2.286μgのVIP2 、約2.286μgの
VIP3 、約2.286μgのSOM1 、約2.286
μgのSOM2 、約2.286μgのBOM1 、及び約
2.286μgのSP1 が含まれており、7種のペプチ
ド類似体の総重量は約16μgであった。MuJ-7 の1日
の総重量をほぼ同量になるように3等分した。約8時間
の間隔をおいて、一日に3回、3等分のうちの1つを処
理マウスそれぞれに注射した。1日のうち最初の投与は
尾の静脈に注射し、2回目の投与は臀部筋肉の一方に注
射し、3回目の投与は他方の臀部筋肉に注射した。2匹
の処理マウスの体重に近い体重を有する3匹目の未処理
マウスを対照とし、このマウスにはMuJ-7 を与えなかっ
た。表25には、1匹目の処理マウスについては第55
日まで、2匹目の処理マウス及び対照マウスについては
死ぬまでの腫瘍容積(mm3)が示されている。少なくと
も第55日目(つまり第1日目の腫瘍細胞注射後54
日)まで生きた1匹目の処理処理マウスの生存時間は、
未処理対照マウスと比較して、少なくとも約108%増
加した。第38日目(つまり第1日目の腫瘍細胞注射後
37日)に死んだ2匹目の処理処理マウスの生存時間
は、未処理対照マウスと比較して、約42%増加した。
【0065】
【表25】
【0066】例13 22匹のBALB/Cヌードnu/nu マウスのそれぞれに約10
00万個のヒト結腸アデノ癌腫の原発性腫瘍細胞を移植
した(第1日)。第15日目にこれらのマウスのうち1
2匹に1日投与量分のMuJ-7 を与え、これを14日間続
けた。それぞれの処理マウスに与えたMuJ-7 の1日分投
与量には、約1.143μgのVIP1、約1.143
μgのVIP2 、約1.143μgのVIP3 、約1.
143μgのSOM1 、約1.143μgのSOM2
約1.143μgのBOM1 、及び約1.143μgの
SP1 が含まれていた。従って、MuJ-7 の1日分投与量
には7種のペプチド類似体(VIP1 、VIP2 、VI
3 、SOM1 、SOM2、BOM1 、及びSP1 )が
いつもほぼ同量含まれており、これら7種のペプチド類
似体の1日の総重量は約8μgであった。MuJ-7 の1日
の総重量をほぼ同量になるように3等分した。約8時間
の間隔をおいて、一日に3回、3等分のうちの1つを処
理マウスそれぞれに注射した。1日のうち最初の投与は
尾の静脈に注射し、2回目の投与は臀部筋肉の一方に注
射し、3回目の投与は他方の臀部筋肉に注射した。10
匹の未処理マウスを対照として使用した。対照は、12
匹の処理マウスの体重に近い体重を有するBALB/Cヌード
nu/nu マウスから10匹を無作為に選択した。対照マウ
スには処理マウスと同様に、同タイプ及びおよそ同一数
のヒト結腸アデノ癌腫腫瘍細胞を注射した。対照マウス
にはMuJ-7 を与えなかった。それぞれの処理及び未処理
マウスの腫瘍容積を概略5日おきに記録した。表26に
は12匹の処理マウスそれぞれの腫瘍容積(mm3)が示
され、表27には10匹の未処理対照マウスそれぞれの
腫瘍容積(mm3)が示されている。
【0067】
【表26】
【0068】
【表27】
【0069】図8は処理マウス(○)、及び未処理対照
マウス(+)の平均腫瘍容積(mm 3)を経過日数との関
係で示すグラフである。図9は処理マウスの生存率(点
線)及び未処理対照マウスの生存率(実線)を経過日数
との関係で示すグラフである。図8及び9において、矢
印は処理マウスが第15日に最初のMuJ-7 を投与された
ことを示す。
【0070】10匹の対照マウスのうち8匹が第25日
から第35日にかけて死んだ。これと比較して、12匹
の処理マウスのうち5匹が腫瘍の完全な消滅を示し、1
2匹の処理マウスのうち他の5匹は腫瘍の部分的縮小を
示した。従って、12匹の処理マウスのうち10匹が腫
瘍の完全又は部分的縮小を示したことになり、一方、処
理マウスのうち残りの2匹(マウス番号11及び13)
においては異なる結果となった。処理マウス番号11は
第15日から第30日の間にMuJ-7 による治療を受け
た。MuJ-7 による処理が終了した後、マウス番号11の
腫瘍は成長し始め、結果として第50日にマウス番号1
1は死んだ。しかしながら、マウス番号11の生存時間
は未処理対照マウスの平均生存時間を上回るものであ
る。処理マウス3もまた未処理対照マウスにおける平均
腫瘍成長速度と比較して減少した腫瘍成長速度を示し
た。処理マウス3は結果的に第50日に死んだが、処理
マウス3の生存時間もまた未処理対照マウスの平均生存
時間を上回るものである。
【0071】10匹の未処理対照マウスのうち、2匹が
第25日に死に、2匹が第30日に死に、4匹が第35
日に死に、2匹が第35日以降に死んだ。完全に腫瘍が
消滅した5匹の処理マウスを第55日に検査したが腫瘍
の再発は観察されなかった。残りの7匹の処理マウスの
うち、4匹が第40日に死に、1匹が第50日に死に、
2匹が第55日に死んだ。従って、これら7匹の処理マ
ウスの生存時間は10匹の未処理対照マウスの平均生存
時間を上回るものである。プロトコールの説明 間接蛍光抗体法 :3〜4日経過した培養から採取した約
104 細胞/mlの濃度を有する約100μlの活発な
粘着性腫瘍細胞を24デイ培養プレートの円形無菌カバ
ーグラスに入れ、CO2 インキュベータにおいて37℃
でインキュベートした。24時間後、腫瘍細胞が培養表
面に付着し始めた際に、ウェルを成長培地で洗浄し、C
2 インキュベータで37℃において更にインキュベー
トした。約4〜5日後、粘着性腫瘍細胞が付着したカバ
ーグラスを、RPMI 1640 を含有する約5%のウシ胎児血
清(以後、「FCS]とする)を用いてよく洗浄し、次
に、約5%のFCSを含有し、約7.4のpHである約
0.05Mの燐酸緩衝溶液(以後、「PBS」とする)
により洗浄し、更に、PBSのみを使用して洗浄した。
次に、カバーグラス上の腫瘍細胞を抗ペプチドポリクロ
ナール抗体の1:50希釈と共に約37℃で約1時間イ
ンキュベートした。カバーグラスを上記の要領で再び洗
浄し、腫瘍細胞を上記と同じ条件下で抗ウサギIgG-FITC
複合体の1:200希釈と共にインキュベートした。洗
浄の後、パラフェニル−ジアミンの結晶を含有する1:
1の炭酸水素塩緩衝液−グリセロールで作成した培地中
にカバーグラスをマウントし、ガラススライド上に上下
を逆にして透明ワニス溶液を用いて封入した。腫瘍細胞
をMicrophot FX顕微鏡を用い紫外光の下で観察した。サンドイッチELISA法 :丸底マイクロタイタ高活性
化(Maxisorp)プレート(Nunc, カタログNo. 449824) の
ウェルを、約0.05%のTween 20(PBS-T) を含有し、
pHが約7.4である100μlの約0.05Mの燐酸
緩衝溶液中の1μgの精製抗体により被覆し、約37℃
で約1時間インキュベートした。インキュベート終了
後、自動プレート洗浄器(BDSL, UK)中でPBS-0.2%Tween
を用いてウェルを2回洗浄した。それぞれのウェルに原
発性腫瘍培地のアミコン(Amicon)濃縮培地上澄み(10
0μl)を加え、約37℃で約1時間インキュベートし
た。上記の要領でウェルを3回洗浄した。色を向上させ
るため、クエン酸−燐酸緩衝液(pH:約5.5)に基
質(1mg/mlのオルトフェニルジアミン+1μlの
2 2)を加えたもの(25μl)をそれぞれのウェル
に添加し、暗下において約37℃で約5分間インキュベ
ートした。色の向上は10μlの5N・H2 SO4 を加
えることにより完了させた。490nmにおけるそれぞ
れのウェルの吸光度をマルチスキャンミクロプレート分
光計(Biotech, USA)を使用して求めた。逆相高速液体クロマトグラフィー :腫瘍細胞培養の上澄
みを5ミクロン(46mm×15cm)カラムを用いて
Waters C−18 にかけた。溶媒系はグラジエン
トとして使用された2種類の溶媒から構成された。溶媒
Aは約0.1%のトリフロロ酢酸からなり、溶媒Bは溶
媒A中の約80%のアセトニトリルからなるものであっ
た。1.0ml/分の流速を維持し、約45分で約40
%〜100%の溶媒Bのグラジエントになるよう調整し
た。230nmの波長でUV検知器を使用し、ペプチド
の検出を行った。受容体−リガンドアッセイ :腫瘍細胞を75cm3 フラ
スコ中で群成させ、培地をデカントした。ゴム冠ポリス
マンを使用して細胞をはぎ取り、約0.5×106 細胞
/50μlの濃度になるように、RPMI 1640 中に約5%
のウシ血清アルブミン(以後、「BSA」とする)を含
む最低量の結合緩衝液に懸濁させた。アッセイ管中の細
胞に増加カウントのI-125 ペプチドを加え、結合緩衝液
を加えることにより容量を約200μlにした。ガンマ
計数機を使用してそれぞれの管の放射性カウントを測定
した。次に、全ての管を約37℃で約1時間インキュベ
ートした。反応を終了させるために、2mlの氷温結合
緩衝液をそれぞれの管に加え、ボルテックスにより十分
に混合した。管を4℃において約2500rpm(回転
/分)で約10分間遠心分離した。上澄みを捨て、ブロ
ットペーパを用いて管を乾燥させた。次に、それぞれの
管をガンマ計数機を用いてカウントした。それぞれの管
に加えられたカウントを結合カウントに対してプロット
し、飽和曲線を作成した。
【0072】1管当りの最適細胞数及びトレーサカウン
トを標準曲線から決定した。これは固定細胞濃度にトレ
ーサを添加した際に結合カウント数に更なる増加がない
条件に対応する。低温競合実験をこれらの飽和条件で行
った。先に最適化した固定細胞濃度及びトレーサカウン
トをアッセイ管に加えた。その後、低温VIP、ソマト
スタチン、ボンベシン、及びサブスタンスPを濃度を増
加させて添加し(複製)、結合緩衝液を加えて容量を2
00μlとした。次に、これらの管を標準曲線の作成に
おいて記述した方法と同一の方法を用いて処理した。
【0073】KD (M)及びR(M/L)の計算におい
て、複製した管の平均カウントを標識及び未標識ペプチ
ドの分子量、比活性、投与量単位、管容量及びカウント
時間等の他のデータと共にLIGANDソフトウェアに
インプットした(LIGANDソフトウェア(バージョ
ン3.0)は1986年にG. A. McPherson により作成
され、英国、ケンブリッジ、68ヒルズロードのElsevi
er, BIOSOFT により発行され、配給された放射性リガン
ド結合分析プログラムである)。このLIGANDソフ
トウェアは、それぞれの管に加えられたカウント総数に
より結合カウント数を割ったものをY軸にとり、それぞ
れの管に加えられたカウント総数をX軸に対数形式でと
ってグラフ化することによりスキャッチャード分析を行
うものである。LIGANDソフトウェアは、K
D (M)及びR(M/L)を計算するためにグラフにお
ける傾きの切片を使用するものであった。ゲノミックDNAの抽出 :原発性腫瘍細胞をインビトロ
で群成させ、その単層を氷温トリス緩衝液(以後、「T
BS]とする)により2回洗浄した。ポリスマンを使用
して細胞を約0.5mlのTBS中に懸濁させた。細胞
懸濁液を遠心分離管に移し、氷上で保存した。フラスコ
をおよそ1mlの追加TBSで洗浄し、洗浄後の液を遠
心分離管中の細胞懸濁液と混合した。約4℃において約
1500×gで約10分間遠心分離を行うことにより細
胞を回収した。細胞を約5〜10容量の氷温TBSに再
び懸濁させ、遠心分離を再び行った。最後に、細胞を約
5×107 細胞/mlの濃度でトリスエデテート(Tris
edetate)(以後、「TE」とする、TEは約8.0のp
Hを有する)中に懸濁させた。10ミリリットルの抽出
用緩衝液を1mlの細胞懸濁液に加え、溶液を約37℃
で約1時間インキュベートした。この溶液にプロテイナ
ーゼKを最終濃度が100μ/mlになるように加え、
ゆっくりとした振とう速度の水浴中で約50℃で約12
時間インキュベートした。次に溶液を室温まで冷やし、
遠心分離管に移した。0.5MのTris.Cl (約8.0p
H)で平衡させた等量のフェノール−クロロホルムを加
え、2つの相を約10分間ゆっくりと混合させた。2つ
の相を約5000×gの遠心分離を約15分間室温で行
うことにより分離させた。粘性の水相を遠心分離管に移
し、フェノール−クロロホルムを使用して抽出を2回繰
り返した。次に、1/2容量の7.5M酢酸アンモニウ
ム及び2容量の氷温100%エタノールを水相に加え
た。形成された糸状のDNAを70%エタノールにより
洗浄した。これをデカントし、Speedvac(Savant)上で乾
燥させた。ペレットをTE中に再び懸濁させた。
【0074】上記の実施例は説明を目的とするものであ
り、この中に特に開示されていない要素を用いて本発明
を適宜実施することも可能である。本発明の請求の範囲
は本発明に一致する最も広い範囲のものである。配列リスト (1)一般情報: (i) 出願人:Rama Mukherjee, Manu Jaggi (ii)発明の名称:癌治療用薬剤 (iii) 配列の数:10 (iv)住所又は居所: (A) 住所: Ladas & Parry (B) 通り:26 West 61st Street (C) 市:ニューヨーク (D) 州:ニューヨーク (E) 国:アメリカ合衆国 (F) 郵便番号:10023 (v) コンピュータ読み取り形態: (A) 媒体形式: 5.25インチディスク、360 kb記憶容量 (B) コンピュータ:IBM PC/XT/AT 2又は互換機 (C) オペレーティングシステム:DOS (D) ソフトウェア:ワード・パーフェクト (vi)現在の出願情報: (A) 出願番号: 未入手 (B) 出願日:未入手 (C) 識別番号:未入手 (viii)弁護士/事務所情報: (A) 氏名: Cord, Janet I. (B) 登録番号:33778 (C) 参考/事件番号:U-010522-4 (ix)通信情報: (A) 電話:(212) 708-1800 (B) FAX :(212) 246-8959 (C) TELEX :233288 (2)配列ID番号1の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 28アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号1: Lys-Pro-Arg-Arg-Pro-Tyr-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Le
u-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-
Ile-Leu-Asn (3)配列ID番号2の情報: (i) 配列特徴:(A) 長さ: 8アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号2: Leu-Met-Tyr-Pro-Thr-Tyr-Leu-Lys (4)配列ID番号3の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 19アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号3: Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Lys-Gln-Met-Ala-Val-Lys-Lys-Ty
r-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn (5)配列ID番号4の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 23アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号4: Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Lys-Gln-Met-Al
a-Val-Lys-Lys-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn (6)配列ID番号5の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 14アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号5: Tyr-Gly-Cys-Lys-Asn-Phe-Phe-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-Se
r-Cys (7)配列ID番号6の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 14アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号6: Ala-Gly-Cys-Lys-Asn-Phe-Phe-Trp-Lys-Thr-Tyr-Thr-Se
r-Cys (8)配列ID番号7の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 14アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号7: pGlu-Gln-Arg-Leu-Gly-Asn-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-L
eu- Ψ(CH2NH)-Leu (9)配列ID番号8の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 15アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号8:
【0075】
【化1】
【0076】(10)配列ID番号9の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 7アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号9: Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-Met (11)配列ID番号10の情報: (i) 配列特徴: (A) 長さ: 14アミノ酸 (B) タイプ:アミノ酸 (C) トポロジー:未解明 (xi) 配列:配列ID番号10: pGlu-Gln-Arg-Tyr-Gly-Asn-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-l
eu-Met
【0077】
【発明の効果】上述の結果から明らかなように、本発明
により癌細胞又は腫瘍細胞を殺傷する又はそれらの非制
御的増殖を妨げることが可能となる。本発明のペプチド
又はペプチド類似体の組み合わせを含む薬剤又は薬剤組
成物を、結腸、直腸、肺、胸、及び腎臓における癌の治
療、並びに白血病及びリンパ腫の治療に使用することが
可能である。また、かかる薬剤組成物は、VIP、ソマ
トスタチン、ボンベシン、及びサブスタンスP、或いは
VIP、ソマトスタチン、ボンベシン、又はサブスタン
スPの何れかの組み合わせの過剰分泌を妨げ、抑制し、
又は調節することにも有用である。
【0078】加えて、本発明により癌又は他の腫瘍に冒
されたヒト、ほ乳類、又は他の動物に対する治療方法が
提供され、この本発明の治療方法は、結腸及び直腸の癌
又は腫瘍の治療に特に有用である。更に、本発明により
VIP、ソマトスタチン、ボンベシン、サブスタンスP
或いはVIP、ソマトスタチン、ボンベシン、又はサブ
スタンスPの何れかの組み合わせの過剰分泌に苦しむヒ
ト、ほ乳類、又は他の動物の治療方法が提供され、その
治療に非常に効果的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】例6〜13に記述されたインビボプロトコール
における全てのマウスの平均腫瘍容積(mm3)を経過日
数と対比させて表すことによりMuJ-7 の腫瘍縮小効果を
経過時間と共に示すグラフである。
【図2】例6に記述されたインビボプロトコールにおけ
る処理マウス(○)及び未処理マウス(+)の平均腫瘍
容積(mm3)を経過日数との関係で示すグラフである。
【図3】例7に記述されたインビボプロトコールにおけ
るグループ1の処理マウス(○)、グループ2の処理マ
ウス(□)、及び未処理対照マウス(+)の平均腫瘍容
積(mm3)を経過日数との関係で示すグラフである。
【図4】例8に記述されたSW 620を使用したインビボプ
ロトコールにおける処理マウス(○)、及び未処理対照
マウス(+)の腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係で
示すグラフである。
【図5】例8に記述されたHT 29 を使用したインビボプ
ロトコールにおける処理マウス(○)、及び未処理対照
マウス(+)の腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係で
示すグラフである。
【図6】例8に記述されたCoLo 205を使用したインビボ
プロトコールにおける処理マウス(○)、及び未処理対
照マウス(+)の腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係
で示すグラフである。
【図7】例8に記述されたL 132 を使用したインビボプ
ロトコールにおける処理マウス(○)、及び未処理対照
マウス(+)の腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係で
示すグラフである。
【図8】例13に記述されたインビボプロトコールにお
ける処理マウス(○)、及び未処理対照マウス(+)の
平均腫瘍容積(mm3)を経過日数との関係で示すグラフ
である。
【図9】例13に記述されたインビボプロトコールにお
ける処理マウスの生存率(点線)及び未処理対照マウス
の生存率(実線)を経過日数との関係で示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マヌー ジャギー インド国 110067 ニュー・デリー アル ナ・アサフ・アリ・マルグ ナショナル・ インスティテュート・オブ・イミュノロジ ー内(番地なし)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SOM2 ペプチドと、VIP1 、VIP
    2 、VIP3 、SOM1 、BOM1 、及びSP1 のうち
    少なくとも4つのペプチドとの薬学的に有効な組み合わ
    せを含むことを特徴とする薬剤組成物。
  2. 【請求項2】 VIP1 、VIP2 、SOM1 、SOM
    2 及びBOM1 の薬学的に有効な組み合わせを含むこと
    を特徴とする請求項1記載の薬剤組成物。
  3. 【請求項3】 VIP1 、VIP2 、VIP3 、SOM
    1 、SOM2 、BOM1 、及びSP1 の薬学的に有効な
    組み合わせを含むことを特徴とする請求項1記載の薬剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 VIP1 の濃度が約10-7Mであり、V
    IP2 の濃度が約10-8Mであり、VIP3 の濃度が約
    10-8Mであり、SOM1 の濃度が約10-9Mであり、
    SOM2 の濃度が約10-8Mであり、BOM1 の濃度が
    約10-8Mであり、及びSP1 の濃度が約10-8Mであ
    ることを特徴とする請求項1又は3記載の薬剤組成物。
  5. 【請求項5】 VIP1 :VIP2 :VIP3 :SOM
    1 :SOM2 :BOM1 :SP1 のモル比がおよそ1.
    0:0.1:0.1:0.01:0.1:0.1:0.
    1であることを特徴とする請求項1、3又は4記載の薬
    剤組成物。
  6. 【請求項6】 SOM2 ペプチドと、VIP1 、VIP
    2 、VIP3 、SOM1 、BOM1 、及びSP1 のうち
    少なくとも4つのペプチドとの薬学的に有効な組み合わ
    せを含むことを特徴とする、ヒト又は他の動物における
    腫瘍細胞又は癌細胞を殺傷する又は増殖を阻害する、或
    いはヒト又は他の動物におけるVIP、ソマトスタチ
    ン、ボンベシン若しくはサブスタンスPの過剰分泌、又
    はVIP、ソマトスタチン、ボンベシン若しくはサブス
    タンスPの組み合わせの過剰分泌、を防止、阻害、又は
    調整するための薬剤。
  7. 【請求項7】 ペプチドの組み合わせが、VIP1 、V
    IP2 、SOM1 、SOM2 及びBOM1 の組み合わせ
    を含むことを特徴とする請求項6記載の薬剤。
  8. 【請求項8】 ペプチドの組み合わせが、VIP1 、V
    IP2 、VIP3 、SOM1 、SOM2 、BOM1 、及
    びSP1 の組み合わせを含むことを特徴とする請求項6
    記載の薬剤。
  9. 【請求項9】 VIP1 の濃度が約10-7Mであり、V
    IP2 の濃度が約10-8Mであり、VIP3 の濃度が約
    10-8Mであり、SOM1 の濃度が約10-9Mであり、
    SOM2 の濃度が約10-8Mであり、BOM1 の濃度が
    約10-8Mであり、及びSP1 の濃度が約10-8Mであ
    ることを特徴とする請求項6又は8記載の薬剤。
  10. 【請求項10】 VIP1 :VIP2 :VIP3 :SO
    1 :SOM2 :BOM1 :SP1 のモル比がおよそ
    1.0:0.1:0.1:0.01:0.1:0.1:
    0.1であることを特徴とする請求項6、8又は9記載
    の薬剤。
  11. 【請求項11】 ソマトスタチン、VIP、ボンベシ
    ン、及びサブスタンスPペプチドの類似体を含有する薬
    学的に有効な組み合わせを含むことを特徴とする薬剤組
    成物。
  12. 【請求項12】 薬剤組成物が、ソマトスタチン類似体
    と、第一VIP類似体、第二VIP類似体、第三VIP
    類似体、ソマトスタチンの他の類似体、ボンベシン類似
    体、及びサブスタンスP類似体からなる群から選択され
    る少なくとも4つのペプチドとを含むことを特徴とする
    請求項11記載の薬剤組成物。
  13. 【請求項13】 ソマトスタチン、VIP、ボンベシ
    ン、及びサブスタンスPペプチドの類似体の薬学的に有
    効な組み合わせを含むことを特徴とする、ヒト又は他の
    動物における腫瘍細胞又は癌細胞を殺傷する又は増殖を
    阻害する、或いはヒト又は他の動物におけるVIP、ソ
    マトスタチン、ボンベシン若しくはサブスタンスPの過
    剰分泌、又はVIP、ソマトスタチン、ボンベシン若し
    くはサブスタンスPの組み合わせの過剰分泌、を防止、
    阻害、又は調整するための薬剤。
  14. 【請求項14】 ペプチドの組み合わせが、ソマトスタ
    チン類似体と、第一VIP類似体、第二VIP類似体、
    第三VIP類似体、ソマトスタチンの他の類似体、ボン
    ベシン類似体、及びサブスタンスP類似体からなる群か
    ら選択される少なくとも4つのペプチドとを含むことを
    特徴とする請求項13記載の薬剤。
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