JPH1067658A - 免疫抑制剤 - Google Patents

免疫抑制剤

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JPH1067658A
JPH1067658A JP24224396A JP24224396A JPH1067658A JP H1067658 A JPH1067658 A JP H1067658A JP 24224396 A JP24224396 A JP 24224396A JP 24224396 A JP24224396 A JP 24224396A JP H1067658 A JPH1067658 A JP H1067658A
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JP
Japan
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dimethoxyphenyl
quinoline
ring
carboxylic acid
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JP24224396A
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Haruhiko Makino
治彦 牧野
Takashi Soda
隆 左右田
Giichi Ota
義一 大田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規免疫抑制剤を提供する。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 〔式中、Yは窒素原子またはC−G(Gはエステル化も
しくはアミド化されていてもよいカルボキシル基、アシ
ル基、保護されていてもよいヒドロキシアルキル基また
はハロゲンを示す。)を、Rは置換されていてもよい炭
化水素残基または置換されていてもよい複素環基を、X
は酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を、n
は0または1を、k は0または1を示す。GとRは、互
いに結合して環を形成していてもよい。環Aおよび環B
はそれぞれ置換基を有していてもよい。〕で表される化
合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として
含有する免疫抑制剤、および、式(I)で表される化合
物またはその薬学的に許容される塩とそれ以外の免疫抑
制剤とからなる医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特に自己免
疫疾患を含む免疫反応が関与していると考えられる疾患
の予防もしくは治療、または臓器移植後の拒絶反応の予
防に有用な免疫抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】自己免疫疾患を含む免疫反応が関与して
いると考えられる疾患においては、障害の出現する部位
は疾患ごとに異なるものの、免疫反応亢進あるいは免疫
反応に基づく生体防御反応の亢進が病態形成の背景に存
在すると考えられる。従来、これら疾患の治療には、ス
テロイド剤あるいはある種の免疫抑制剤〔アザチオプリ
ン、シクロホスファミド、メソトレキセート、ミゾリビ
ン、シクロスポリンA、タクロリムス(FK506; ザ
・メルク・インデックス(THE MERCK INDEX)第12
版、第1546頁、No. 9200(1996年))など〕が用いられて
いるが、これらはいずれも重危な副作用を有しており、
特に前述の免疫抑制剤には骨髄抑制に起因する白血球や
血小板の減少がみられる他、それぞれの薬剤で特徴的な
副作用がある〔ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル
・オブ・メディスン(THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MED
ICINE),第330巻(19),第1368頁(199
4年)〕。また、臓器移植後の拒絶反応の予防において
も同様で、シクロスポリンAやタクロリムス(FK50
6)などのような免疫抑制剤が開発されているが、これ
らはいずれも重危な腎毒性を有しているなど問題点が多
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自己免疫疾患を含む免
疫反応関与の疾患は慢性の病気であり、かつその病態は
複雑である。従って、個々の患者の症状に最も適した薬
剤を選択する必要があるが、これら免疫反応が関与して
いると考えられる疾患の治療は長期にわたるため、投与
量の増大や投与の長期化による副作用の発現など種々の
問題があり、臨床の場においてはその選択が困難な場合
が多い。また、従来、これら疾患の治療や、臓器移植後
の拒絶反応の予防において用いられている薬剤は、前述
したように、いずれも重危な副作用を有しているため、
特に副作用の少ない新しい薬剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
観点から、免疫抑制活性を有する薬剤を発掘すべく鋭意
研究し、毒性の少ない安全な化合物としてキノリンまた
はキナゾリン系化合物を見出した。本発明者らは、キノ
リンまたはキナゾリン系化合物またはその薬学的に許容
される塩が、免疫性サイトカイン産生抑制作用を有して
いること、また免疫の関与していると考えられる疾患の
予防もしくは治療、または臓器移植後の拒絶反応の予防
に有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。また、該キノリンまたはキナゾリン系化合物を、従
来用いられている免疫抑制剤と併用することにより、予
想外にも顕著な免疫抑制作用が得られることを見いだし
た。すなわち本発明は、(1)一般式(I)
【化3】 〔式中、Yは窒素原子またはC−G(Gはエステル化も
しくはアミド化されていてもよいカルボキシル基、置換
されていてもよいアシル基、保護されていてもよいヒド
ロキシアルキル基またはハロゲンを示す。)を、Rは置
換されていてもよい炭化水素残基または置換されていて
もよい複素環基を、Xは酸素原子または酸化されていて
もよい硫黄原子を、n は0または1を、k は0または1
を示す。GとRは、互いに結合して環を形成していても
よい。環Aおよび環Bはそれぞれ置換基を有していても
よい。〕で表される化合物またはその薬学的に許容され
る塩を有効成分として含有する免疫抑制剤、(2)n が
0であり、かつ、Rで示される置換されていてもよい炭
化水素残基が、 −CH2−X1−Z1 〔式中、X1は酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原
子または−(CH2)m−(mは0〜5の整数を示す)を、
1は水素、置換されていてもよい炭化水素残基、置換
されていてもよい複素環基または置換されていてもよい
アミノ基を示す。〕で表される基である前記(1)記載
の免疫抑制剤、(3)X1が−(CH2)m−の場合、m が
0である前記(2)記載の免疫抑制剤、
【0005】(4)Z1で表される置換されていてもよ
い複素環基が、2ないし3個のヘテロ原子を含む芳香族
5員複素環基である前記(1)記載の免疫抑制剤、
(5)YがC−Gである前記(1)記載の免疫抑制剤、
(6)GがC1-6アルコキシカルボニル基である前記
(5)記載の免疫抑制剤、(7)Gがエトキシカルボニ
ル基である前記(5)記載の免疫抑制剤、(8)環Aが
少なくとも1個のアルコキシ基で置換されている前記
(1)記載の免疫抑制剤、(9)環Aが2個のメトキシ
基で置換されている前記(1)記載の免疫抑制剤、(1
0)環Aが、キノリン環またはキナゾリン環の6位およ
び7位で2個のメトキシ基により置換されている前記
(1)記載の免疫抑制剤、(11)環Bが少なくとも1
個のアルコキシ基で置換されている前記(1)記載の免
疫抑制剤、(12)環Bが同一または異なる2個のアル
コキシ基で置換されている前記(1)記載の免疫抑制
剤、(13)k が0である前記(1)記載の免疫抑制
剤、(14)一般式(I)で表される化合物が、4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2−エチル−6,7−
ジメトキシキノリン−3−カルボン酸メチルエステル、
6−クロロ−2−メチル−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、
6,7−ジメトキシ−9−フェニルフロ〔3,4−b〕キ
ノリン−1(3H)−オン、4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−6,7−ジメトキシ−2−〔(1−メチルイ
ミダゾール−2−イル)チオメチル〕キノリン−3−カ
ルボン酸エチルエステル、4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2−(2−ヒドロキシエチルチオメチル)−
6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−6,7−ジメトキシ−2−〔(4−メチ
ル−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオメチル〕
キナゾリン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,
7−ジメトキシ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2
−イル)エチル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエス
テル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジ
メトキシ−3−メトキシカルボニルキノリン−2−酢酸
メチルエステル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)
−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール
−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエ
ステル、4−(3−イソプロポキシ−4−メトキシフェ
ニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エ
チルエステル、4−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフ
ェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸
エチルエステル、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ
フェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン
酸エチルエステル、7−ヒドロキシ−6−メトキシ−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(1,2,4−
トリアゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボ
ン酸エチルエステル、4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾ
ール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチ
ルエステル 1−オキシド、または2−(N,N−ジエ
チルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシキノリン−3−カルボン酸エ
チルエステルである前記(1)記載の免疫抑制剤、
【0006】(15)免疫性サイトカイン産生抑制作用
を有する前記(1)記載の免疫抑制剤、(16)自己免
疫疾患の予防または治療に用いられる前記(1)記載の
免疫抑制剤、(17)全身エリセマトーデス、慢性肝
炎、間質性肝疾患、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、クロー
ン病、限局性回腸炎または多発性硬化症の予防または治
療に用いられる前記(1)記載の免疫抑制剤、(18)
臓器移植後の拒絶反応の予防に用いられる前記(1)記
載の免疫抑制剤、(19)一般式(I)
【化4】 〔式中、Yは窒素原子またはC−G(Gはエステル化も
しくはアミド化されていてもよいカルボキシル基、置換
されていてもよいアシル基、保護されていてもよいヒド
ロキシアルキル基またはハロゲンを示す。)を、Rは置
換されていてもよい炭化水素残基または置換されていて
もよい複素環基を、Xは酸素原子または酸化されていて
もよい硫黄原子を、n は0または1を、k は0または1
を示す。GとRは、互いに結合して環を形成していても
よい。環Aおよび環Bはそれぞれ置換基を有していても
よい。〕で表されるキノリンまたはキナゾリン系化合物
またはその薬学的に許容される塩と前記キノリンまたは
キナゾリン系化合物以外の免疫抑制剤からなる医薬組成
物、(20)n が0であり、かつ、Rで示される置換さ
れていてもよい炭化水素残基が、 −CH2−X1−Z1 〔式中、X1は酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原
子または−(CH2)m−(mは0〜5の整数を示す)を、
1は水素、置換されていてもよい炭化水素残基、置換
されていてもよい複素環基または置換されていてもよい
アミノ基を示す。〕で表される基である前記(19)記
載の医薬組成物、(21)X1が−(CH2)m−の場合、m
が0である前記(19)記載の医薬組成物、(22)
1で示される置換されていてもよい複素環基が、2な
いし3個のヘテロ原子を含む芳香族5員複素環基である
前記(20)記載の医薬組成物、(23)YがC−Gで
ある前記(19)記載の医薬組成物、(24)GがC
1-6アルコキシカルボニル基である前記(23)記載の
医薬組成物、(25)Gがエトキシカルボニル基である
前記(23)記載の医薬組成物、(26)環Aが少なく
とも1個のアルコキシ基で置換されている前記(19)
記載の医薬組成物、(27)環Aが2個のメトキシ基で
置換されている前記(19)記載の医薬組成物、(2
8)環Aが、キノリン環またはキナゾリン環の6位およ
び7位で2個のメトキシ基により置換されている前記
(19)記載の医薬組成物、
【0007】(29)環Bが少なくとも1個のアルコキ
シ基で置換されている前記(19)記載の医薬組成物、
(30)環Bが同一または異なる2個のアルコキシ基で
置換されている前記(19)記載の医薬組成物、(3
1)k が0である前記(19)記載の医薬組成物、(3
2)一般式(I)で表される化合物が、4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−2−エチル−6,7−ジメトキシ
キノリン−3−カルボン酸メチルエステル、6−クロロ
−2−メチル−4−(3,4−ジメトキシフェニル)キ
ノリン−3−カルボン酸エチルエステル、6,7−ジメ
トキシ−9−フェニルフロ〔3,4−b〕キノリン−1
(3H)−オン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
6,7−ジメトキシ−2−〔(1−メチルイミダゾール
−2−イル)チオメチル〕キノリン−3−カルボン酸エ
チルエステル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2−(2−ヒドロキシエチルチオメチル)−6,7−ジ
メトキシキナゾリン、4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシ−2−〔(4−メチル−1,
2,4−トリアゾール−3−イル)チオメチル〕キナゾ
リン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジ
メトキシ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2−イ
ル)エチル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
ル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメ
トキシ−3−メトキシカルボニルキノリン−2−酢酸メ
チルエステル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−
1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエス
テル、4−(3−イソプロポキシ−4−メトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾ
ール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチ
ルエステル、4−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェ
ニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エ
チルエステル、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフ
ェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸
エチルエステル、7−ヒドロキシ−6−メトキシ−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン
酸エチルエステル、4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾ
ール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチ
ルエステル 1−オキシド、または2−(N,N−ジエ
チルアミノメチル)−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシキノリン−3−カルボン酸エ
チルエステルである前記(19)記載の医薬組成物、
(33)免疫性サイトカイン産生抑制作用を有する前記
(19)記載の医薬組成物、(34)自己免疫疾患の予
防または治療に用いられる前記(19)記載の医薬組成
物、(35)臓器移植後の拒絶反応の予防に用いられる
前記(19)記載の医薬組成物、(36)一般式(I)
で表されるキノリンまたはキナゾリン系化合物以外の免
疫抑制剤が、T細胞抑制剤、細胞毒性剤、抗腫瘍性抗生
物質または抗リンパ球免疫グロブリンである前記(1
9)記載の医薬組成物、(37)一般式(I)で表され
るキノリンまたはキナゾリン系化合物以外の免疫抑制剤
が、タクロリムス、メソトレキセートまたはサイクロス
ポリンAである前記(19)記載の医薬組成物に関す
る。
【0008】本発明における免疫抑制剤は、キノリンま
たはキナゾリン骨格を有する一群の免疫抑制剤の総称で
あるが、それらの有効成分は、例えば、特開平6−30
6052号公報(EP-A-0567107)、特開平7−1182
66号公報(EP-A-0608870)、特開平7−069890
号公報(EP-A-0634169)、特開平8−53419号公報
(EP-A-0686630)および国際特許公開公報WO95/2
4394に、その製造法と共に詳しく記載されている。
これらに記載の化合物は、免疫抑制作用を有しており、
本発明に有利に使用しうる。上記の式(I)中、Rで表さ
れる置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水
素残基としては、脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素
残基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香炭素環−脂肪
族炭化水素残基、芳香族炭化水素残基が挙げられる。か
かる脂肪族炭化水素残基としては、炭素数1〜8の飽和
脂肪族炭化水素残基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプ
チル、オクチルなど)、および、炭素数2〜8の不飽和
脂肪族炭化水素残基(例えばビニル(エテニル)、1−プ
ロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニ
ル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−
ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペ
ンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニ
ル、3−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、5−ヘ
キセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、エチニ
ル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、
2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペ
ンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキ
シニル、3−ヘキシニル、2,4−ヘキサジイニル、5
−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなど)
などが挙げられる。
【0009】かかる脂環族炭化水素残基としては、炭素
数3〜7の飽和脂環族炭化水素残基(例えばシクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチルなど)、および、炭素数5〜7の不
飽和脂環族炭化水素残基(例えば1−シクロペンテニ
ル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1
−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シク
ロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、2−シクロヘプ
テニル、3−シクロヘプテニル、2,4−シクロヘプタ
ジエニルなど)などが挙げられる。かかる脂環族−脂肪
族炭化水素残基としては上記脂環族炭化水素残基と脂肪
族炭化水素残基とが結合したもののうち炭素数4〜9の
もの(例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエ
チル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、2
−シクロペンテニルメチル、3−シクロペンテニルメチ
ル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチ
ル、3−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチ
ル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、
シクロヘプチルエチルなど)などが挙げられる。かかる
芳香炭素環−脂肪族炭化水素残基としては、炭素数7〜
9のフェニルアルキル(例えばベンジル、フェネチル、
1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェ
ニルプロピル、1−フェニルプロピルなど)、炭素数1
1〜13のナフチルアルキル(例えばα−ナフチルメチ
ル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−ナ
フチルエチルなど)などが挙げられる。かかる芳香族炭
化水素残基としては、例えばフェニル、ナフチル(例、
α−ナフチル、β−ナフチル)などが挙げられる。
【0010】上記の式(I)中、Rで表される置換されて
いてもよい複素環基における複素環基としては、例えば
(i)1個の硫黄、窒素または酸素原子を含む5〜7員複
素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環
基、(iii)1〜2個の窒素原子および1個の硫黄もしく
は酸素原子を含む5〜6員複素環基が挙げられ、(iv)こ
れらの複素環基は2個以下の窒素原子をふくむ6員環、
ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合し
ていてもよい。かかる複素環基の具体例としては、例え
ば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−
ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、
6−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニ
ル、2−ピラジニル、2−ピロリル、3−ピロリル、2
−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリ
ル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、イソチアゾリ
ル、イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリ
ル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾ
リル、5−オキサゾリル、1,2,4−トリアゾール−1
−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3
−トリアゾール−4−イル、テトラゾール−5−イル、
ベンズイミダゾール−2−イル、インドール−3−イ
ル、1H−インダゾール−3−イル、1H−ピロロ
〔2,3−b〕ピラジン−2−イル、1H−ピロロ〔2,
3−b〕ピリジン−6−イル、1H−イミダゾ〔4,5−
b〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕
ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラ
ジン−2−イル等が挙げられる。上記の式(I)中、Rで
表される置換されていてもよい複素環基における複素環
基として好ましくは、2−イミダゾリル、1,2,4−ト
リアゾール−3−イルなどが挙げられる。
【0011】上記の式(I)中、Rで表される置換されて
いてもよい炭化水素残基は、好ましくは、 −CH2
−X1−Z1〔式中、X1は酸素原子、酸化されていても
よい硫黄原子または−(CH2)m−(mは0〜5の整数を
示す)を、Z1は置換されていてもよい炭化水素残基、
置換されていてもよい複素環基または置換されていても
よいアミノ基を示す〕で表される基である。X1で表さ
れる酸化されていてもよい硫黄原子としては、チオ基、
スルフィニル基およびスルホニル基が挙げられ、とりわ
け、チオ基が好ましい。X1は、好ましくは、−(CH2)
m−(mは0〜2の整数、より好ましくはmは0であ
る)である。Z1で表される置換されていてもよい炭化
水素残基としては、前述のRで表される置換されていて
もよい炭化水素残基として挙げたものと同様のものが挙
げられる。Z1で表される置換されていてもよい複素環
基としては、前述のRで表される置換されていてもよい
複素環基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
このうち、2ないし3個のヘテロ原子(例、酸素原子、
窒素原子、硫黄原子)を含む芳香族5員複素環基が好ま
しく、2−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−3
−イルがより好ましい。
【0012】上記の式(I)中のRまたは上記のZ1で表
される炭化水素残基および複素環基は、その鎖上または
環上の置換可能な任意の位置に置換基を1〜3個有して
いてもよい。かかる置換基としては、脂肪族鎖式炭化水
素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族複素環
基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換
されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシ
ル基、置換されていてもよい水酸基、置換されていても
よいチオール基、エステル化されていてもよいカルボキ
シル基などが挙げられる。RまたはZ1で表される炭化
水素残基および複素環基の置換基として示した脂肪族鎖
式炭化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族
炭化水素基、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1
〜10のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素
数2〜10のアルケニル基)、アルキニル基(好ましく
は炭素数2〜10のアルキニル基)などが挙げられる。
該アルキル基の好適な例としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、
ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,
2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エ
チルブチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、
デシルなどが挙げられる。該アルケニル基の好適な例と
しては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−
プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブ
テニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、
2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4
−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキ
セニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセ
ニルなどが挙げられる。該アルキニル基の好適な例とし
ては、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニ
ル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−
ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペ
ンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキ
シニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げら
れる。
【0013】RまたはZ1で表される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基として示した脂環式炭化水素基とし
ては、飽和または不飽和のC3-8脂環式炭化水素基(例
えばC3-8シクロアルキル基、C3-8シクロアルケニル
基、C4-8シクロアルカジエニル基など)が挙げられ
る。該C3-8シクロアルキル基の好適な例としては、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.
2〕オクチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシ
クロ〔3.2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノ
ニル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.
3.1〕デシルなどが挙げられる。該C3-8シクロアル
ケニル基の好適な例としては、炭素数5〜7のシクロア
ルケニル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3
−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1
−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられ
る。該C4-8シクロアルカジエニル基の好適な例として
は、炭素数5〜7のシクロアルカジエニル基、例えば
2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロ
ヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン
−1−イルなどが挙げられる。
【0014】RまたはZ1で表される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基として示したアリール基とは、単環
式または縮合多環式芳香族炭化水素基を意味し、好適な
例としては、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、
フェナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、な
かでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好
ましい。RまたはZ1で表される炭化水素残基および複
素環基の置換基として示した芳香族複素環基の好適な例
としては、芳香族単環式複素環基(例えばフリル、チエ
ニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チ
アゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジ
アゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジ
ル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリア
ジニルなど)、芳香族縮合複素環基(例えばベンゾフラ
ニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、イ
ンドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベン
ゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾ
イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾ
イソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリ
ル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノ
キサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニ
ル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、
β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、
フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、
フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニ
ル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,
2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジ
ル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5
−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、
イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリア
ゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ
〔4,3−b〕ピリダジニルなど)などが挙げられる。
【0015】RまたはZ1で表される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基として示した非芳香族複素環基の好
適な例としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、
オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒド
ロフリル、チオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピ
ラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニ
ルなどが挙げられる。RまたはZ1で表される炭化水素
残基および複素環基の置換基として示したハロゲンの例
としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、
とりわけフッ素および塩素が好ましい。RまたはZ1
表される炭化水素残基および複素環基の置換基として示
した置換されていてもよいアミノ基としては、(i)アミ
ノ基、および、(ii)置換アミノ基〔炭素数1〜10のア
ルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数2〜10
のアルキニル、炭素数1〜10のアシル基、炭素数6〜
12の芳香族基または複素環基を、1個または2個置換
基として有するアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチル
アミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニル
アミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アセチルア
ミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチ
ノイルアミノなど)〕などが挙げられる。
【0016】RまたはZ1で表される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基として示した置換されていてもよい
アシル基としては、(i)ホルミル、および、(ii)炭素数
1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニルもし
くは芳香族基とカルボニル基が結合したもの(例、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタ
ノイル、オクタノイル、シクロブタンカルボニル、シク
ロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シ
クロヘプタンカルボニル、クロトニル、2−シクロヘキ
センカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイルなど)が挙
げられる。RまたはZ1で表される炭化水素残基および
複素環基の置換基として示した置換されていてもよい水
酸基としては、(i)水酸基、および、(ii)適宜の置換
基、特に水酸基の保護基として用いられるものを有した
水酸基(例えばアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキ
ニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキシ、アリー
ルオキシなど)が挙げられる。該アルコキシとしては、
炭素数1〜10のアルコキシ(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブチ
ルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキ
シなど)が好ましい。該アルケニルオキシとしては、炭
素数2〜10のアルケニルオキシ(例、アリル(allyl)
オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−
ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシ、2
−シクロヘキセニルメトキシなど)が好ましい。該アル
キニルオキシとしては、炭素数2〜10のアルキニルオ
キシ(例、エチニルオキシ、2−プロピニルオキシな
ど)が好ましい。該アラルキルオキシとしては、例えば
フェニル−C1-4アルキルオキシ(例、ベンジルオキ
シ、フェネチルオキシなどなど)が挙げられる。該アシ
ルオキシとしては、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ
(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリル
オキシ、イソブチリルオキシなど)が好ましい。該アリ
ールオキシとしてはフェノキシ、4−クロロフェノキシ
などが挙げられる。
【0017】RまたはZ1で表される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基として示した置換されていてもよい
チオール基としては、チオール基およびこのチオール基
に適宜の置換基、特にチオール基の保護基として用いら
れるものを有したチオール基(例えばアルキルチオ、ア
ルケニルチオ、アルキニルチオ、アラルキルチオ、アシ
ルチオ、アリールチオなど)が挙げられる。該アルキル
チオとしては、炭素数1〜10のアルキルチオ(例、メ
チルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t
ert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、
ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニ
ルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シク
ロヘキシルチオなど)が好ましい。該アルケニルチオと
しては、炭素数2〜10のアルケニルチオ(例、アリル
(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペンテニルチオ、3
−ヘキセニルチオ、2−シクロペンテニルメチルチオ、
2−シクロヘキセニルメチルチオなど)が好ましい。該
アルキニルチオとしては、炭素数2〜10のアルキニル
チオ(例、エチニルチオ、2−プロピニルチオなど)が
好ましい。該アラルキルチオとしては、例えばフェニル
−C1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチル
チオなど)が挙げられる。該アシルチオとしては、炭素
数2〜4のアルカノイルチオ(例、アセチルチオ、プロ
ピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオなど)
が好ましい。該アリールチオとしてはフェニルチオ、4
−クロロフェニルチオなどが挙げられる。
【0018】RまたはZ1で表される炭化水素残基およ
び複素環基の置換基として示したエステル化されていて
もよいカルボキシル基としては、(i)カルボキシル基、
(ii)カルボキシル基と炭素数1〜6のアルキル基の結合
したもの(即ちアルコキシカルボニル、例えばメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t
ert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニ
ル、ヘキシルオキシカルボニル等)、(iii)カルボキシ
ル基と炭素数3〜6のアルケニル基の結合したもの(即
ちアルケニルオキシカルボニル、例えばアリル(allyl)
オキシカルボニル、クロチルオキシカルボニル、2−ペ
ンテニルオキシカルボニル、3−ヘキセニルオキシカル
ボニル等)、および、(iv)カルボニル基とアラルキル基
の結合したもの(即ちアラルキルオキシカルボニル、例
えばベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカル
ボニル等)などが挙げられる。
【0019】上記の式(I)中、RまたはZ1で表される
炭化水素残基および複素環基における置換基は、さらに
それぞれ置換可能な任意の位置に適当な置換基を1個以
上、好ましくは1〜3個有していてもよい。かかる置換
基としては、例えばC1-10低級アルキル基、C2-10低級
アルケニル基、C2-10低級アルキニル基、C3-8シクロ
アルキル基、C3-8シクロアルケニル基、C4-8シクロア
ルカジエニル基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香
族複素環基、アラルキル基(例、アリールC1-6アルキ
ル基など)、アミノ基、N−モノ置換アミノ基、N,N
−ジ置換アミノ基、アミジノ基、アシル基、カルバモイ
ル基、N−モノ置換カルバモイル基(例、メチルカルバ
モイル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイルな
ど)、N,N−ジ置換カルバモイル基(N,N−ジメチル
カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、ピペリ
ジノカルバモイル、モルホリノカルバモイルなど)、ス
ルファモイル基、N−モノ置換スルファモイル基(例、
メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、フェニ
ルスルファモイル、p−トルエンスルファモイルな
ど)、N,N−ジ置換スルファモイル基(例、N,N−ジ
メチルスルファモイル、N−メチル−N−フェニルスル
ファモイル、ピペリジノスルファモイル、モルホリノス
ルファモイルなど)、カルボキシル基、C1-10低級アル
コキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシ
カルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシ
カルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、ヒドロ
キシル基、C1-10低級アルコキシ基、C2-10低級アルケ
ニルオキシ基、C3-7シクロアルキルオキシ基、アラル
キルオキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、C
1-10低級アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリール
チオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、ハロゲン原
子、ニトロ基、ニトロソ基などが挙げられる。かかる置
換基としては、例えばRまたはZ1で表される炭化水素
残基、複素環基およびアミノ基上の置換基として示した
ものと同様のものが挙げられる。
【0020】上記の式(I)中、Rが−CH2−X1−Z1
であるとき、Z1で表される置換されていてもよいアミ
ノ基は、−N(R1)(R2)(R1,R2は、同一または異な
って、水素、置換されていてもよい炭化水素残基または
置換されていてもよい複素環基を示し、またはR1とR2
が互いに結合して複素環基を形成していてもよい)で表
される。R1,R2で表される置換されていてもよい炭化
水素残基における炭化水素残基または置換されていても
よい複素環基としては、それぞれ前述のRについて例示
した置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水
素残基または置換されていてもよい複素環基と同様のも
のが挙げられる。R1とR2は互いに結合して環を形成す
ることもあるが、このような−N(R1)(R2)の例として
は、1−ピロリジニル、1−イミダゾリジニル、1−ピ
ラゾリジニル、1−ピペリジル、ピペラジニル、4−モ
ルホリニル、4−チオモルホリニル、ホモピペラジン−
1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,3,
4−トリアゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、
イミダゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−1
−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、テトラゾ
ール−1−イル、ベンズイミダゾール−1−イル、イン
ドール−1−イル、1H−インダゾール−1−イル等が
挙げられる。
【0021】R1,R2で表される炭化水素残基および複
素環基は、その鎖上または環上の置換可能な任意の位置
に置換基を1〜3個有していてもよい。かかる置換基と
しては、Rで表される置換されていてもよい炭化水素残
基および置換されていてもよい複素環基上の置換基とし
て例示したものと同様のものが挙げられる。これらR1,
2で表される炭化水素残基および複素環基上の置換基
は、さらにそれぞれ適当な置換基を置換可能な任意の位
置に1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、
該置換基としては、例えばC1-10低級アルキル基、C
2-10低級アルケニル基、C2-10低級アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、アリール基、芳香族複素環基、
非芳香族複素環基、アラルキル基、アミノ基、N−モノ
置換アミノ基、N,N−ジ置換アミノ基、アミジノ基、
アシル基、カルバモイル基、N−モノ置換カルバモイル
基、N,N−ジ置換カルバモイル基、スルファモイル
基、N−モノ置換スルファモイル基、N,N−ジ置換ス
ルファモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカル
ボニル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、低級ア
ルケニルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アラルキ
ルオキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、低級ア
ルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、
ハロゲンなどが挙げられる。かかる置換基としては、例
えば、Rで表される置換されていてもよい炭化水素残基
および置換されていてもよい複素環基の環上の置換基と
して示したものと同様のものが挙げられる。
【0022】上記の式(I)中、環Aおよび環Bは置換基
を有してもよく、このような置換基としては例えば、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいC1-10
ルキル基、置換されていてもよいC2-10アルケニル基、
置換されていてもよいC2-10アルキニル基、置換されて
いてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、
置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい
アシル基(例、C1-10アルカノイル基、C2-10アルケノ
イル基、C2-10アルキノイル基)、エステル化されてい
てもよいカルボキシル基または置換されていてもよい芳
香族環基が用いられる。環Aおよび環Bの置換基として
示したハロゲンの例としては、フッ素、塩素、臭素およ
びヨウ素が挙げられ、とりわけフッ素および塩素が好ま
しい。環Aおよび環Bの置換基として示した置換されて
いてもよいC1-10アルキル基としては炭素数1〜10の
直鎖状アルキル、炭素数3〜10の分枝状アルキル、炭
素数3〜10の環状アルキルのいずれでもよく、例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イ
ソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル
などが挙げられる。これらC1-10アルキル基、C2-10
ルケニル基、C2-10アルキニル基は、それぞれその置換
可能な任意の位置に、RまたはZ1で表される炭化水素
残基および複素環基について前述した置換基と同様の置
換基を1〜3個有していてもよい。
【0023】環Aおよび環Bの置換基として示した置換
されていてもよい水酸基としては、(i)水酸基、およ
び、(ii)水酸基に適宜の置換基、特に水酸基の保護基と
して用いられるものを有した水酸基(例えばアルコキ
シ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキル
オキシ、アシルオキシ、アリールオキシなど)が挙げら
れる。該アルコキシとしては、炭素数1〜10のアルコ
キシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ter
t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、
ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキ
シ、ノニルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチ
ルオキシ、シクロヘキシルオキシなど)が好ましい。該
アルケニルオキシとしては、炭素数2〜10のアルケニ
ルオキシ(例、アリル(allyl)オキシ、クロチルオキ
シ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、2
−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメ
トキシなど)が挙げられる。該アルキニルオキシとして
は、炭素数2〜10のアルキニルオキシ(例、プロピニ
ルオキシなど)が挙げられる。該アラルキルオキシとし
ては、例えばフェニル−C1-4アルコキシ(例、ベンジ
ルオキシ、フェネチルオキシなど)が挙げられる。該ア
シルオキシとしては、炭素数2〜4のアルカノイルオキ
シ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、イソブチリルオキシなど)が好ましい。該ア
リールオキシとしてはフェノキシ、4−クロロフェノキ
シなどが挙げられる。
【0024】環Aおよび環Bの置換基として示した置換
されていてもよいチオール基としては、(i)チオール
基、および、(ii)チオール基に適宜の置換基、特にチオ
ール基の保護基として用いられるものを有した、例えば
アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アラ
ルキルチオ、アシルチオ、アリールチオなどが挙げられ
る。該アルキルチオとしては、炭素数1〜10のアルキ
ルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、
イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec
−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソ
ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプ
チルチオ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、シクロペン
チルチオ、シクロヘキシルチオなど)が好ましい。該ア
ルケニルチオとしては、炭素数2〜10のアルケニルチ
オ(例、アリル(allyl)チオ、クロチルチオ、2−ペン
テニルチオ、3−ヘキセニルチオ、2−シクロペンテニ
ルメチルチオ、2−シクロヘキセニルメチルチオなど)
が挙げられる。該アルキニルチオとしては、炭素数2〜
10のアルキニルチオ(例、エチニルチオ、2−プロピ
ニルチオなど)が挙げられる。該アラルキルチオとして
は、例えばフェニル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジ
ルチオ、フェネチルチオなど)が挙げられる。該アシル
チオとしては、炭素数2〜4のアルカノイルチオ(例、
アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソ
ブチリルチオなど)が好ましい。該アリールチオとして
はフェニルチオ、4−クロロフェニルチオなどが挙げら
れる。
【0025】環Aおよび環Bの置換基として示した置換
されていてもよいアミノ基としては、(i)アミノ基、お
よび、(ii)炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10
のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数1
〜10のアシル基、炭素数6〜12の芳香族基もしくは
複素環基を1個または2個置換基として有するアミノ基
(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シ
クロヘキシルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N
−フェニルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ、ニコチノイルアミノ等)が挙げ
られる。環Aおよび環Bの置換基として示した置換され
ていてもよいアシル基としては、(i)ホルミル、およ
び、(ii)炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10の
アルケニル、炭素数2〜10のアルキニルもしくは炭素
数6〜12の芳香族基がカルボニル基と結合したもの
(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタンカルボ
ニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカル
ボニル、シクロヘプタンカルボニル、クロトニル、2−
シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル
等)が挙げられる。
【0026】環Aおよび環Bの置換基として示したエス
テル化されていてもよいカルボキシル基としては、(i)
カルボキシル基、(ii)カルボキシル基と炭素数1〜6の
アルキル基の結合したもの(即ち、アルコキシカルボニ
ル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブ
トキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブ
トキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチ
ルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等)、
(iii)カルボキシル基と炭素数3〜6のアルケニル基の
結合したもの(即ち、アルケニルオキシカルボニル、例
えばアリル(allyl)オキシカルボニル、クロチルオキシ
カルボニル、2−ペンテニルオキシカルボニル、3−ヘ
キセニルオキシカルボニル等)、および、(iv)カルボニ
ル基とアラルキルオキシ基の結合したもの(即ち、アラ
ルキルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボ
ニル、フェネチルオキシカルボニル等)などが挙げられ
る。環Aおよび環Bの置換基として示した置換されてい
てもよい芳香族環基としては、C6-14芳香族炭化水素残
基(例、フェニル、ナフチル、アントリル等)および複
素芳香族残基(例、ピリジル、フリル、チエニル、イミ
ダゾリル、チアゾリル等)などが挙げられる。
【0027】かかる環Aおよび環Bの置換基は、それぞ
れの環上の置換可能ないずれの位置に置換していてもよ
く、かつそれぞれ同一または異なって1〜4個置換して
いてもよい。環Aまたは環B上の置換基が互いに隣接し
ているときは、隣接する置換基が連結して、−(CH2)t
−または−O−(CH2)1−O−(ここで、tは3〜5の
整数、lは1〜3の整数を示す)で示される環を形成し
ていてもよく、かかる環は、ベンゼン環の炭素原子とと
もに形成される5〜7員環を含む。好ましくは、環Aは
少なくとも1個のアルコキシ基(好ましくはC1-3アル
コキシ基)、さらに好ましくは少なくとも1個のメトキ
シで置換されている。さらに好ましくは、環Aは同一ま
たは異なる2個のアルコキシ基(好ましくはC1−3
ルコキシ基)、好ましくはメトキシで置換されている。
具体的には例えば、環Aが、キノリン環またはキナゾリ
ン環の6位および7位で2個のメトキシ基により置換さ
れている場合が特に好ましい。好ましくは、環Bは少な
くとも1個のアルコキシ基(好ましくはC1−3アルコ
キシ基)、さらに好ましくは少なくとも1個のメトキシ
またはイソプロポキシで置換されている。さらに好まし
くは、環Bは同一または異なる2個のアルコキシ基(好
ましくはC1-3アルコキシ基)で置換されている。具体
的には例えば、環Bが、3位でメトキシ基またはイソプ
ロポキシ基により置換され、かつ、4位でメトキシ基よ
り置換されている場合が特に好ましい。
【0028】上記の式(I)中、Xは酸素原子または酸化
されていてもよい硫黄原子を示す。Xで表される酸化さ
れていてもよい硫黄原子としては、チオ基、スルフィニ
ル基およびスルホニル基が挙げられ、とりわけ、チオ基
が好ましい。上記の式(I)中、YがC−Gであるとき、
Gで表されるエステル化されていてもよいカルボキシル
基としては、(i)カルボキシル基、(ii)カルボキシル基
と炭素数1〜6のアルキル基の結合したもの(即ち、ア
ルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカル
ボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシ
カルボニル等)、(iii)カルボキシル基と炭素数3〜6
のアルケニル基の結合したもの(即ち、アルケニルオキ
シカルボニル、例えばアリル(allyl)オキシカルボニ
ル、クロチルオキシカルボニル、2−ペンテニルオキシ
カルボニル、3−ヘキセニルオキシカルボニル等)、お
よび、(iv)カルボニル基とアラルキルオキシ基の結合し
たもの(即ち、アラルキルオキシカルボニル、例えばベ
ンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル
等)などが挙げられる。該アラルキルオキシカルボニル
基におけるアラルキル基としては、アリール基を置換基
として有するアルキル基(アリールアルキル基)を意味す
る。該アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチ
ルなどが挙げられ、これらは前記環A有するのと同様の
置換基を有していてもよい。該アルキル基としては、炭
素数1〜6の低級アルキル基が好ましい。該アラルキル
基の好適な例としては、例えば、ベンジル、フェネチ
ル、3−フェニルプロピル、(1−ナフチル)メチル、
(2−ナフチル)メチルなどが挙げられ、なかでもベンジ
ル、フェネチルなどが好ましい。上記の式(I)中、Yが
C−Gであるとき、Gで表されるアミド化されたカルボ
キシル基は、−CON(R1)(R2)(式中、R1およびR2
は前記と同意義)で表される。上記の式(I)中、YがC
−Gであるとき、Gで表されるアシル基は、−CO−R
4(R4は炭素数1〜5のアルキル基または、アリール
(aryl)基を示す)で表される。R4で示される炭素数
1〜5のアルキル基としては、メチル、エチル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−
ペンチル、1−エチルプロピルなどが挙げられ、このう
ち、メチル、ブチル、イソブチル、ペンチルなどが好ま
しい。R4で示されるアリール基としては、単環式また
は縮合多環式芳香族炭化水素基を意味し、好適な例とし
ては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェ
ナントリル等の炭素数6〜14の単環式または縮合多環
式芳香族炭化水素基が挙げられ、とりわけ、フェニル、
1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0029】Gがヒドロキシアルキル基であるとき、か
かるヒドロキシアルキル基のアルキル基としては、上記
Rで表される炭化水素残基の例として示した炭素数1〜
8の飽和脂肪族炭化水素残基が挙げられる。該ヒドロキ
シアルキル基は、好ましくは、−CH2OHまたは−C
H(OH)−R4(R4は上記と同意義を有する。)で表さ
れる。この式中のR4は、好ましくは、メチル、エチル
などである。Gが保護されたヒドロキシアルキル基であ
るとき、この基中の保護されたヒドロキシは、上記R1
またはR2で示される炭化水素残基または複素環基の置
換基として例示した置換ヒドロキシル基であってもよ
い。かかる保護されたヒドロキシアルキル基は、−CH
2OCOR5または−CH(OCOR5)−R4(R4は上記
と同意義を有し、R5はそれぞれ置換基を有していても
よいアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示
す)で表される。R5で示されるアルキル基としては、
炭素数1〜6のアルキル基、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。R5で示される
アラルキル基としては、C6-14アリール基を置換基とし
て有する炭素数1〜4のアルキル基(アリールアルキル
基)などを意味する。該アリール基としては、例えば、
フェニル、ナフチルなどが挙げられ、該アラルキル基と
しては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニル
プロピル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)
メチルなどが挙げられる。R5で示されるアリール基と
しては、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
Gがハロゲン原子であるとき、かかるハロゲン原子とし
ては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、好ましくは塩素又
は臭素が挙げられる。上記の式(I)中、YがC−Gであ
るとき、RとGは互いに結合して5員環を形成していて
もよい。かかる構造は、次式(II)および(III)で表
される。
【0030】
【化5】
【0031】〔式中、R3は水素、置換されていてもよ
い炭化水素残基または置換されていてもよい複素環基を
示し、他の記号は前記と同意義を有する。〕 式(II)および(III)中、R3で表される置換さ
れていてもよい炭化水素残基および置換されていてもよ
い複素環基としては、前記RおよびZ1として例示した
ものと同様のものが挙げられる。上記の式(I)中、Y
は、好ましくはC−Gであり、このうち、GがC1-6
ルキルオキシカルボニル基であるものがより好ましく、
Gがエトキシカルボニル基であるものが特に好ましい。
上記の式(I)中のnは、好ましくは0である。上記の
式(I)中のkは、好ましくは0である。上記の式
(I)で表される化合物のうち、特に好ましいものは、
YがC−G(Gはエトキシカルボニル)、Rが−CH2
−Z1、Z1が1,2,4−トリアゾール−1−イル、環A
の置換基がキノリン環の6位および7位に位置するメト
キシ、環Bの置換基が環Bの3位にメトキシ基またはイ
ソプロポキシ基、4位にメトキシ基を有し、nが0、お
よび、kが0である化合物である。
【0032】上記の式(I)で表される化合物の好まし
い具体例を以下に示す。4−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−2−エチル−6,7−ジメトキシキノリン−3
−カルボン酸メチルエステル、6−クロロ−2−メチル
−4−(3,4−ジメトキシフェニル)キノリン−3−
カルボン酸エチルエステル、6,7−ジメトキシ−9−
フェニルフロ〔3,4−b〕キノリン−1(3H)−オ
ン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメ
トキシ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2−イル)
チオメチル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
ル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(2−
ヒドロキシエチルチオメチル)−6,7−ジメトキシキ
ナゾリン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7
−ジメトキシ−2−〔(4−メチル−1,2,4−トリア
ゾール−3−イル)チオメチル〕キナゾリン、
【0033】4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,
7−ジメトキシ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2
−イル)エチル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエス
テル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジ
メトキシ−3−メトキシカルボニルキノリン−2−酢酸
メチルエステル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)
−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール
−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエ
ステル〔以下、化合物(A)と称する〕、4−(3−イ
ソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−6,7−ジメ
トキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチ
ル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、4−
(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−6,7−
ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル
メチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、4
−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−6,7
−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イ
ルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル
〔以下、化合物(B)と称する〕、7−ヒドロキシ−6
−メトキシ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2
−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)キノリ
ン−3−カルボン酸エチルエステル、4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,
2,4−トリアゾール−1−イルメチル)キノリン−3
−カルボン酸エチルエステル 1−オキシド、および2
−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシキノリン−3
−カルボン酸エチルエステル。
【0034】本発明で使用することができる化合物(I)
の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例え
ば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有
機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙
げられる。該無機塩基との塩の好適な例としては、アル
カリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩など)、ア
ルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩
など)、アルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げら
れる。該有機塩基との塩の好適な例としては、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベ
ンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
【0035】無機酸との塩の好適な例としては、例えば
塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙
げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、
酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、
オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩
の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミ
ン酸などとの塩が挙げられる。これらの塩の中でも、ナ
トリウム塩、カリウム塩が最も好ましい。また、本願発
明における化合物(I)またはその塩は、水和物であっ
てもよい、本発明における化合物(I)は、例えば、特
開平6−306052号公報(EP-A-0567107)、特開平
7−118266号公報(EP-A-0608870)、特開平7−
69890号公報(EP-A-0634169)、特開平8−534
19号公報(EP-A-0686630)および国際特許出願公開 W
O95/24394号公報等に記載の製造法またはそれに準じた
方法に従って、容易に製造することができる。
【0036】本発明の医薬は、通常一般に用いられる自
体公知の方法に従って製剤化することができる。本発明
で使用する化合物(I)は、薬学的に許容される担体と
配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、座剤などの
固形製剤;またはシロップ剤、注射剤などの液状製剤な
ど種々の剤型で、人を含む哺乳動物に経口または非経口
的に投与することができる。薬学的に許容される担体と
しては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担
体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、
結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、
懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合
される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色
剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。賦
形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マン
ニトール、エリスリトール、デンプン、結晶セルロー
ス、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な
例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げ
られる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロ
ース、白糖、D-マンニトール、トレハロース、デキス
トリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが
挙げられる。
【0037】崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、
カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられ
る。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコ
ール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、
トウモロコシ油、トリカプリリンなどが挙げられる。溶
解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、D-マンニトール、ト
レハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスア
ミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、
炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリ
ン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
【0038】等張化剤の好適な例としては、例えば塩化
ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げ
られる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、
酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げら
れる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルア
ルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例として
は、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタ
ノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、
デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤
の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸
などが挙げられる。
【0039】本発明で使用する化合物(I)の毒性は低
く、例えば、化合物(A)を2000mg/kgの割合で6
週齢の雌F344/Jcl ラットに経口投与し1週間観
察したが死亡例は認められなかった。このように、本発
明で使用する化合物(I)は、哺乳動物(例、ヒト、ウ
マ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)用の免疫抑制剤とし
て有用である。本発明で使用する化合物(I)の投与量
は、対象疾患の種類、投与経路、治療すべき患者の症状
により種々選択できるが、通常、成人1人あたり、経口
投与の場合、一日につき1〜2000mg、好ましくは1
0〜400mg、また非経口投与の場合、1〜1000m
g、好ましくは1〜100mgの範囲から選択でき、これ
らを1日1〜3回程度に分けて投与できる。
【0040】本発明における、上記の式(I)で示され
るキノリンまたはキナゾリン化合物またはその薬学的に
許容しうる塩と組み合わせて(即ち、併用して)用いら
れる薬剤としては、該キノリンまたはキナゾリン化合物
以外の公知の免疫抑制剤、例えば、(i) T細胞抑制剤、
(ii) 細胞毒性剤(サイトトキシック・ケミカルズ:cyt
otoxic chemicals)、(iii) 抗腫瘍性抗生物質、(iv)
抗リンパ球免疫グロブリンなどが挙げられる。 (i) T細胞抑制剤は、T細胞の産生するTh1サイトカ
インおよびTh2サイトカインの産生を主として阻害す
ることによりT細胞の応答を抑える薬剤(例、タクロリ
ムス(FK506)、サイクロスポリンA(cyclosporin
A)、サイクロスポリンGなど)、または、T細胞の産
生するTh1サイトカインおよびTh2サイトカインの
作用を阻害することによりT細胞の応答を抑える薬剤
(例、ラパマイシン(rapamycin)など)であり、その
結果、これらのT細胞抑制剤は免疫反応を抑制する。 (ii) 細胞毒性剤(サイトトキシック・ケミカルズ)
は、抗癌剤としても用いられているものであり、活発な
細胞増殖をする細胞、即ち、骨髄造血器の基幹細胞、生
殖細胞、悪性細胞およびリンパ球(Tリンパ球とBリン
パ球)に非特異的に作用するものであり、Tリンパ球と
Bリンパ球の両者が抑制される結果、いわゆる細胞性免
疫と体液性免疫の両方が抑制される。従って、免疫抑制
作用と同時に骨髄抑制作用および生殖抑制作用を必ず有
するものである。該細胞毒性剤としては、 アルキル
化剤、 核酸代謝拮抗剤、 葉酸代謝拮抗剤などが挙
げられる。 アルキル化剤は、主としてDNAの合成阻害や複製
阻害により、T細胞またはB細胞に障害を与えて免疫を
抑制するものであり、具体的には例えば、シクロフォス
ファミド(cyclophosphamide)、イフォスファミド(if
osfamide)、クロラムブシル(chlorambucil)などが挙
げられる。 核酸代謝拮抗剤は、核酸代謝を阻害することによ
り、主としてT細胞へ障害的に作用し、抗体産生を抑制
するものであり、具体的には例えば、6−メルカプトプ
リン(6-mercaptopurine)、アザチオプリン(azathiop
urine)、6−チオグアニン(6-thioguanine)、5−フ
ルオロウラシル(5-fluorouracil)、シトシン・アラビ
ノサイド(cytosine arabinoside)、ミゾリビン(mizo
ribine)などが挙げられる。 葉酸代謝拮抗剤は、葉酸代謝を阻害することによ
り、主としてT細胞へ障害的に作用し、抗体産生を抑制
するものであり、具体的には例えば、メソトレキセート
(methotrexate)などが挙げられる。 (iii) 抗腫瘍性抗生物質は、DNAにインターカレート
(intercalate)することによりDNA合成やRNA合
成を阻害し、T細胞やB細胞に障害的に作用するもので
あり、具体的には例えば、アドリアマイシン、ダウノマ
イシンなどが挙げられる。 (iv) 抗リンパ球免疫グロブリンは、主としてT細胞に
障害を与えて免疫を抑制するものであり、具体的には例
えば、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD5抗体、抗
IL−2レセプター抗体が挙げられる。一方、本発明に
おける、上記の式(I)で示されるキノリンまたはキナ
ゾリン化合物は、T細胞の産生するサイトカインのうち
インターフェロン−γ(IFN−γ)やインターロイキ
ン−2(IL−2)などのTh1サイトカインの産生を
特異的に阻害することによりT細胞の応答を抑える結
果、免疫反応を抑制するものである。従って、式(I)
で示されるキノリンまたはキナゾリン化合物は、それら
化合物以外の前述の免疫抑制剤とは、免疫抑制作用機構
の点において、異なるものである。
【0041】本発明における医薬組成物としては、特に
上記の式(I)で示される化合物またはその薬学的に許
容しうる塩(好ましくは、前述の化合物(A)および化合
物(B))とタクロリムス(FK506)、メソトレキセー
トまたはサイクロスポリンA(好ましくはFK506)
を組み合わせてなる医薬が好ましい。本発明における、
上記の式(I)で示されるキノリンもしくはキナゾリン
化合物またはその薬学的に許容しうる塩と該キノリンも
しくはキナゾリン化合物以外の公知の免疫抑制剤とを組
み合わせなる医薬は、これらの有効成分を別々にあるい
は同時に、生理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合
剤、希釈剤などと混合し、医薬組成物として経口または
非経口的に投与することができる。このとき有効成分を
別々に製剤化した場合、別々に製剤化したものを使用時
に希釈剤などを用いて混合して投与することができる
が、別々に製剤化したものを、別々に、同時に、または
時間差をおいて同一対象に投与してもよい。上記医薬組
成物としては、経口剤として、例えば顆粒剤,散剤,錠
剤,カプセル剤,シロップ剤,乳剤,懸濁剤等、非経口
剤として、例えば注射剤(例、皮下注射剤,静脈内注射
剤,筋肉内注射剤,腹腔内注射剤等),点滴剤,外用剤
(例、経鼻投与製剤,経皮製剤,軟膏剤等),坐剤
(例、直腸坐剤,膣坐剤等)等が挙げられる。これらの
製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公
知の方法により製造することができる。
【0042】経口剤は、有効成分に、例えば賦形剤
(例、乳糖,白糖,デンプン,マンニトールなど)、崩
壊剤(例、炭酸カルシウム,カルボキシメチルセルロー
スカルシウムなど)、結合剤(例、α化デンプン,アラ
ビアゴム,カルボキシメチルセルロース,ポリビニール
ピロリドン,ヒドロキシプロピルセルロース、トレハロ
ースなど)または滑沢剤(例、タルク,ステアリン酸マ
グネシウム,ポリエチレングリコール6000など)な
どを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマス
キング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の
方法でコーティングすることにより製造される。ここに
おいて、コーティング剤としては、例えばエチルセルロ
ース,ヒドロキシメチルセルロース,ポリオキシエチレ
ングリコール,セルロースアセテートフタレート,ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイ
ドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・ア
クリル酸共重合物)などが用いられる。
【0043】注射剤は、有効成分を分散剤(例、ツイー
ン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米
国),HCO 60(日光ケミカルズ製),ポリエチレ
ングリコール,カルボキシメチルセルロース,アルギン
酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン,プ
ロピルパラベン,ベンジルアルコール,クロロブタノー
ル,フェノールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウ
ム,グリセリン,ソルビトール,ブドウ糖,転化糖な
ど)などと共に水性溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,
リンゲル液等)あるいは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴ
マ油,綿実油,コーン油などの植物油、プロピレングリ
コール等)などに溶解、懸濁あるいは乳化することによ
り製造される。この際、所望により溶解補助剤(例、サ
リチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム等)、安定剤
(例、ヒト血清アルブミン等)、無痛化剤(例、塩化ベ
ンザルコニウム,塩酸プロカイン等)等の添加物を用い
てもよい。
【0044】外用剤は、有効成分を固状、半固状または
液状の組成物とすることにより製造される。例えば、上
記固状の組成物は、有効成分をそのまま、あるいは賦形
剤(例、ラクトース,マンニトール,デンプン,微結晶
セルロース,白糖など)、増粘剤(例、天然ガム類,セ
ルロース誘導体,アクリル酸重合体など)などを添加、
混合して粉状とすることにより製造される。上記液状の
組成物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造され
る。半固状の組成物は、水性または油性のゲル剤、ある
いは軟骨状のものがよい。また、これらの組成物は、い
ずれもpH調節剤(例、炭酸,リン酸,クエン酸,塩
酸,水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ
安息香酸エステル類,クロロブタノール,塩化ベンザル
コニウムなど)などを含んでいてもよい。坐剤は、有効
成分を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組
成物とすることにより製造される。該組成物に用いる油
性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、
カカオ脂,ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社
製)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナ
マイトノーベル社製)など〕、あるいは植物油(例、ゴ
マ油,大豆油,綿実油など)などが挙げられる。水性基
剤としては、例えばポリエチレングリコール類,プロピ
レングリコールなどが挙げられる。また、水性ゲル基剤
としては、例えば天然ガム類,セルロース誘導体,ビニ
ール重合体,アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0045】本発明の医薬組成物は、毒性も低く、哺乳
動物(例、ヒト,マウス,ラット,ウサギ,イヌ,ネ
コ,ウシ,ウマ,ブタ,サル等)に対し、安全に用いら
れる。本発明の医薬組成物の投与量は、個々の薬剤の投
与量に準ずればよく、投与対象,投与対象の年齢および
体重,症状,投与時間,剤形,投与方法,薬剤の組み合
わせ等により、それぞれ臨床上用いられる用量を基準と
して適宜選択することができる。投与回数は、一日1〜
3回が適当である。
【0046】本発明の医薬において、薬剤の配合比は、
投与対象,投与対象の年齢および体重,症状,投与時
間,剤形,投与方法,薬剤の組み合わせ等により、適宜
選択することができる。例えばヒトに対し、上記の式
(I)で示されるキノリンまたはキナゾリン化合物また
はその薬学的に許容しうる塩(例、化合物(A)または化
合物(B))とT細胞抑制剤であるタクロリムス(FK5
06)とを組み合わせて用いる場合、該化合物またはそ
の薬学的に許容し得る塩1重量部に対し、タクロリムス
(FK506)を通常0.001〜10重量部程度、好ま
しくは0.01〜1重量部程度用いればよい。また、例
えばヒトに対し、上記の式(I)で示されるキノリンま
たはキナゾリン化合物またはその薬学的に許容しうる塩
(例、化合物(A)または化合物(B))とT細胞抑制剤で
あるサイクロスポリンAとを組み合わせて用いる場合、
該化合物またはその薬学的に許容し得る塩1重量部に対
し、サイクロスポリンAを通常0.01〜100重量部
程度、好ましくは0.1〜10重量部程度用いればよ
い。また、例えばヒトに対し、上記の式(I)で示され
るキノリンまたはキナゾリン化合物またはその薬学的に
許容し得る塩(例、化合物(A)または化合物(B))と葉
酸代謝拮抗剤であるメソトレキセートとを組み合わせて
用いる場合、該化合物またはその薬学的に許容し得る塩
1重量部に対し、メソトレキセートを通常0.0001
〜1重量部程度、好ましくは0.001〜0.1重量部程
度用いればよい。
【0047】本発明の医薬組成物は、各薬剤の単独投与
に比べて著しい免疫抑制作用効果を有する。例えば、免
疫の関与する疾患のモデル動物に対し、個々の薬剤をそ
れぞれ単独投与した場合に比べ、これらを併用投与する
と、低毒性でより強い免疫抑制作用が認められた。従っ
て、本発明の医薬組成物は各薬剤の単独投与に比べより
一層効果的に免疫抑制作用を発揮し、自己免疫疾患を含
む免疫反応関与の疾患の予防または治療、および臓器移
植後の拒絶反応の予防において、有効に用いることがで
きる。さらに、本発明の医薬組成物は、各薬剤の単独投
与の場合と比較した場合、より少量でより十分な効果が
得られることから、従来の免疫抑制剤の有する毒性や副
作用(例えば、腎障害、骨髄抑制、間質性肺炎など)を
軽減することができる。
【0048】本発明の免疫抑制剤または医薬組成物は、
特に、免疫性サイトカイン〔例えば、インターロイキン
−2(IL−2)、インターフェロン−γ(IFN−
γ)など〕の産生を抑制する作用を有しているものであ
り、人を含む哺乳動物の自己免疫疾患を含む免疫の関与
していると考えられる疾患の治療または予防に有用であ
る。かかる対象疾患としては、例えば全身性エリセマト
ーデス、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、
多発性硬化症、乾癬、慢性肝炎、膀胱ガン、乳ガン、子
宮頸部ガン、慢性リンパ性白血症、慢性骨髄性白血病、
大腸ガン、結腸ガン、直腸ガン、ヘリコバクターピロリ
感染症、ホジキン病、インスリン依存性糖尿病、悪性黒
色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫、非小細胞
肺ガン、卵巣ガン、消化性潰瘍、前立腺ガン、敗血症シ
ョック、結核、不妊症、動脈硬化、ベーチュット病、喘
息、アトピー性皮膚炎、腎炎、全身性真菌感染症、急性
バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、急性膵炎、急性ウイ
ルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性
膵炎、単純ヘルペスウイルス感染症、水痘−帯状疱疹ウ
イルス感染症、AIDS、ヒトパピローマウイルス感染
症、インフルエンザ、侵襲性ブドウ状球菌感染症、末梢
血管疾患、敗血症、間質性肝疾患、時局性回腸炎、多発
性硬化症などが挙げられる。本発明の免疫抑制剤は、と
りわけ、全身エリセマトーデス、慢性肝炎、間質性肝疾
患、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、限局性回
腸炎または多発性硬化症などの予防または治療に対し好
ましく用いられる。また、本発明の免疫抑制剤は、臓器
移植後の拒絶反応の予防においても有用である。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、実験例を挙げて本発明の医
薬組成分の免疫抑制作用について説明する。 実験例1 ラット脾臓細胞のインターロイキン−2およ
びインターフェロン−γ生成に対する作用 インターロイキン−2(IL−2)およびインターフェ
ロン−γ(IFN−γ)は、T細胞により生成され、各
々T細胞の増殖およびマクロファージの活性化をはじめ
とする多様な作用を有するサイトカインであり、免疫反
応において重要な役割を演じている。これらのサイトカ
インの生成抑制は免疫抑制作用の良い指標となる。 i)実験材料および方法 Lewis ラット(雄、8週齢)の脾臓より脾臓細胞を単離
し5%牛胎児血清を含むRPMI−1640(ペニシリ
ン、ストレプトマイシンおよび2−メルカプトエタノー
ルを含む)に浮遊させた。1×107個の脾臓細胞を2
μg/mlコンカナバリンA存在下に24時間培養した。
培養終了後上清を採取した。上清中のIL−2量の測定
は、培養上清を50倍希釈しIL−2依存性細胞株であ
るCTLL−2細胞の増殖反応を用い3H−チミジンの
取り込みを指標として測定した。IFN−γ量の測定
は、ELISAキット〔GIBCO PBL(U.S.
A.)〕を用いて公知の方法により測定した。
【0050】ii)結果 化合物(A)および化合物(B)は、濃度依存的にIL
−2およびIFN−γの生成を抑制した〔表1〕。
【表1】
【0051】実験例2 マウスTリンパ球の抗原刺激に
よるインターロイキン−2およびインターフェロン−γ
生成に対する作用 i)実験材料および方法 卵白アルブミン(OVA,100μg)感作10日目のB
alb/c マウスリンパ節よりリンパ球を単離し10%牛胎
児血清を含むRPMI−1640(ペニシリンおよびス
トレプトマイシンを含む)に浮遊させた。リンパ節細胞
をX線照射同系マウス脾臓細胞および50μg/ml OV
A存在下での培養と20ng/ml IL−2存在下での培
養とを交互に行いOVA反応性T細胞ラインを得た。ま
た、OVA反応性T細胞ラインより限界希釈法によりO
VA反応性T細胞クローンを樹立した。アロ反応性T細
胞ラインは、Balb/c マウス脾臓細胞をX線照射A/J
マウス脾臓細胞との混合培養と20ng/ml IL−2存
在下での培養とを交互に行うことにより作成した。薬物
の作用を検討する際は、OVA反応性T細胞の場合には
X線照射同系マウス脾臓細胞および50μg/ml OVA
存在下48時間、アロ反応性T細胞の場合にはX線照射
A/Jマウス脾臓細胞存在下24時間、各々薬物ととも
に培養し、上清中に生成されたIFN−γおよびIL−
2量をELISA法により測定した(実験例1と同
様)。
【0052】ii)結果 化合物(A)は、OVA反応性T細胞ライン、OVA反
応性T細胞クローンおよびアロ反応性T細胞ラインによ
るIFN−γ生成を1μM以上で有意に抑制した。ま
た、アロ反応性T細胞ラインによるIL−2生成を1μ
M以上で有意に抑制した〔表2〕。
【表2】
【0053】実験例3 ラットアジュバント関節炎に対
する薬剤の併用効果 各群6匹からなる雄性ルイス(Lewis)系ラット(7週
齢)の右後肢足蹠皮内に完全フロインドアジュバンド
〔Freund's complete adjuvant(0.5%結核死菌の流
動パラフィン懸濁液)〕0.05mlを注射して感作した
(0日)。化合物A(3.13mg/kg/dayまたは12.
5mg/kg/day)、FK506(0.63mg/kg/day)
およびメソトレキセート(meyhotrexate、0.05mg/
kg/day)の3種の薬剤を単独または併用して、0.5%
メチルセルロースに懸濁して感作直前(0日)から30
日まで週5〜6回経口投与した。感作直前(0日)、1
4日および18日もしくは21日に左後肢容積を測定
し、非感作ラットに対する足蹠の膨張抑制率を求め〔表
3〕に示した。体重は投与直前に測定し、感作直前(0
日)の体重との差を体重変化量とし〔図1〕および〔図
2〕に示した。結果は、各群(N=6)の平均±標準誤
差で表し、スチューデント t−試験(Student's t-te
st)で比較検定した。また、危険率5%未満を有意とし
た。〔表3〕に示した通り、浮腫抑制において、化合物
AとFK506もしくはメソトレキセートとの併用投与
はそれぞれの単独投与の場合と比べ、特に18日目およ
び21日目において相加効果以上の顕著な効果が認めら
れた。また、〔図1〕および〔図2〕から明らかなよう
に、体重変化量においても、化合物AとFK506もし
くはメソトレキセートとの併用投与はそれぞれの単独投
与の場合と比べ、顕著な改善効果が認められた。
【表3】
【0054】
【実施例】つぎに、実施例および参考例により本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 参考例1 N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミドの製
造 3,4−ジメトキシアニリン(100g)をH2O(80
0ml)に懸濁し、65℃以下でNaOH水溶液(34.0
g/200ml)と無水酢酸(86.6g)を1/5ずつ
交互に加えた後、55−60℃で約20分間撹拌した。
反応液を約5℃まで冷却して1時間撹拌後、析出結晶を
ろ取した。減圧下乾燥して茶褐色結晶のN−(3,4−
ジメトキシフェニル)アセトアミド 119g(収率9
3.2%)を得た。IR,1H−NMR測定用サンプル
は、酢酸エチルから再結晶した。 IR(cm-1,KBr):3276, 1653, 1606, 1575, 1520,
1462.1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:2.15(3H,
s), 3.84(6H,s), 6.78(1H,d,J=8.6Hz), 6.88(1H,dd,J=
8.6, 2.4Hz), 7.30(1H,d,J=2.4Hz), 7.55(1H,brs).
【0055】参考例2 2−アセチルアミノ−3',4,4',5−テトラメトキシ
ベンゾフェノンの製造 N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(1
14g)、3,4−ジメトキシ安息香酸(117g)お
よびポリりん酸(1203g)の混合物を95−110
℃下で3時間撹拌した。反応液に冷水(3L)を加え、
酢酸エチル(3L)で抽出し抽出液を2N NaOH水
溶液(3L)で洗浄後、水洗(3L)した。減圧下濃縮
後、残渣にn−ヘキサン(1.2L)を加えて、約5℃
で30分間撹拌した。析出結晶をろ取後、減圧下乾燥し
て黄色結晶の2−アセチルアミノ−3',4,4',5−テ
トラメトキシベンゾフェノン129g(収率61.3
%)を得た。IR,1H−NMR測定用サンプルは、酢
酸エチルから再結晶した。 IR(cm-1,KBr):2947, 1695, 1678, 1616, 1595.1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:2.22(3H,
s), 3.76(3H,s), 3.94(3H,s), 3.98(3H,s), 4.00(3H,
s), 6.93(1H,d,J=7.7Hz), 7.09(1H,s), 7.28(1H,dd,J=
7.7, 1.9Hz), 7.32(1H,s), 8.38(1H,s), 11.0(1H,brs).
【0056】参考例3 2−アミノ−3',4,4',5−テトラメトキシベンゾフ
ェノン塩酸塩の製造 2−アセチルアミノ−3',4,4',5−テトラメトキシ
ベンゾフェノン(129g)のイソブタノール(1.4
9L)溶液に、濃塩酸(446ml)を加えて2時間加熱
還流した。反応液を冷却し、約5℃下で2時間撹拌後、
析出結晶をろ取した。減圧下乾燥して帯黄白色結晶の2
−アミノ−3',4,4',5−テトラメトキシベンゾフェ
ノン塩酸塩117g(収率92.3%)を得た。IR,1
H−NMR測定用サンプルは、EtOHから再結晶し
た。 IR(cm-1,KBr):3618, 2839, 2567, 1657, 1628,
1583.1 H−NMR(DMSO−d6,300MHz)δ:3.58
(3H,s), 3.80(6H,s), 3.85(3H,s), 6.61(1H,brs), 6.93
(1H,s), 7.06(1H,d,J=8.6Hz), 7.20-7.22(2H,m).
【0057】参考例4 2−アミノ−3',4,4',5−テトラメトキシベンゾフ
ェノン塩酸塩36.0g,4−クロロアセト酢酸エチル
エステル21.4gをエタノール350ml中、撹拌し
ながら、7時間加熱還流した。反応終了後、20℃以下
でトリエチルアミン10.6gを滴下し、5℃で1時間
撹拌した。結晶をろ過しエタノール50mlで2回洗浄
後、減圧乾燥し、2−クロロメチル−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシキノリン−3
−カルボン酸エチルエステル41.0g(収率92%)
を得た。
【0058】参考例5. 4−アミノ−1−〔4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−3−エトキシカルボ
ニル−6,7−ジメトキシキノリン−2−イルメチル〕
−4H−1,2,4−トリアゾリウム ブロマイドの製
造。 2−クロロメチル−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−6,7−ジメトキシキノリン−3−カルボン酸エ
チルエステル(22.5g,含量99.1%,50.0mmo
l)、臭化ナトリウム(5.81g,56.5mmol)およ
び4−アミノ−1,2,4−トリアゾール(5.47g,
65.1mmol)をDMF(50ml)に懸濁し、65℃で
3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(100ml)を加
え、析出結晶をろ取し乾燥した。白色結晶の4−アミノ
−1−〔4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−エ
トキシカルボニル−6,7−ジメトキシキノリン−2−
イルメチル〕−4H−1,2,4−トリアゾリウム ブロ
マイド(31.1g,含量83.6%,収率90.6%)
を得た。構造確認した化合物は、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(移動相 CH2Cl2:MeOH=5:
1)および再結晶(4.8% 含水 EtOH)で精製し
た。 IR(cm-1, KBr):3196, 1706, 1518, 1472.1 H−NMR(DMSO−d6,90MHz)δ:0.92(3
H,t,J=6.9Hz,CO2CH 2CH 3 ),3.72(3H,s,OMe), 3.77(3H,s,O
Me), 3.86(3H,s,OMe), 3.96(3H,s,OMe), 3.72-4.09(2H,
m,CO 2CH 2 ), 5.94(2H,s,CH 2 N), 6.93-7.31(7H,m), 9.28
(1H,s,CH=N), 10.41(1H,s,CH=N). Anal. Calcd for C252855Br(0.73 H2O):C,51.
10; H,5.05; N,11.92;Br, 13.60. Found : C,51.10; H,4.91; N,11.88; Br,13.55. mp:183.8−184.4℃
【0059】参考例6〜12.参考例5と同様の原料キ
ノリン化合物およびトリアゾール化合物を1:1.3モ
ル比で使用し、同様の手順で、反応溶媒および添加剤の
種類を変えて反応を行った。その結果を〔表4〕に示す
(HPLC 面積百分率は反応液で確認)。
【0060】
【表4】
【0061】参考例13. 4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン
酸エチルエステルの製造。 4−アミノ−1−〔4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−3−エトキシカルボニル−6,7−ジメトキシキ
ノリン−2−イルメチル〕−4H−1,2,4−トリアゾ
リウム ブロマイド(10.31g,含量83.6%,1
5.0mmol)をH2O(37.5ml)に懸濁し氷冷下濃塩
酸(3.8ml,45mmol)および5.6M NaNO2 水溶
液(4.00ml,22.5mmol)を加え室温下で2時間撹
拌した。反応液に5N NaOH水溶液を中和するまで
(8.7ml)加え析出結晶をろ取し水洗した。白色結晶
として4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジ
メトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメ
チル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル6.6
6g(収率92.8%)を得た。 IR(cm-1, KBr):1720, 1504, 1468, 1430.1 H−NMR(CDCl3,90MHz)δ:0.89(3H,t,J=
7.1Hz,CO2CH 2CH 3 ), 3.79(3H,s,OMe), 3.86(3H,s,OMe),
3.96(3H,s,OMe), 4.04(3H,s,OMe), 3.86-4.13(2H,q,J=
7.1Hz,CO 2CH 2 ), 5.72(2H,s,CH 2 N), 6.86-6.95(4H,m),
7.41(1H,s), 7.93(1H,s), 8.23(1H,s). mp:175.4−176.0℃
【0062】参考例14. 4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イルメチル)キノリン−3−カルボン
酸エチルエステルの製造。 4−アミノ−1−〔4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−3−エトキシカルボニル−6,7−ジメトキシキ
ノリン−2−イルメチル〕−4H−1,2,4−トリアゾ
リウム ブロマイド(503g,含量80.9%,0.7
09mol)をH2O(5.44L)に懸濁し、氷冷下で濃塩
酸(159g,1.56mol)および0.63M NaNO2
水溶液(1.46L,0.920mol)を加え、室温下で
3時間撹拌した。反応液に5N NaOH水溶液を中和
するまで(295ml)加え析出結晶をろ取し水洗した。
白色結晶として4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−
1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエス
テル 〔化合物(A)〕 329g(収率97.0%)を
得た。
【0063】本願発明における上記の式(I)で表され
る化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分と
して含有する免疫抑制剤は、例えば次のような処方によ
って製造することができる。 実施例1
【表5】 上記〔表5〕に示す(1)75g,(2)798.8g,
(3)160.2gを、流動造粒乾燥機(パウレック社、
型式 FD−5S)またはバーチカルグラニュレーター
(パウレック社、型式 FV−25)中で、(4)34.2
gの水溶液を結合剤液として造粒した。得られた造粒物
を、乾燥し、整粒後、この整粒末961.4gを(5)5
1.3g,(6)10.26g,(7)3.08gと混合して
混合末を得た。この混合末を打錠機で錠剤とすることに
より、(1)12.5mgを含有する直径8.0mm、重量19
0mgの錠剤を製造した。他の用量の錠剤についても同様
の方法で製造した。 得られた錠剤の、硬度・崩壊性・
溶出性等の錠剤特性は、優れたものであった。
【0064】
【発明の効果】本発明において用いられる化合物(I)
またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有
してなる免疫抑制剤は毒性が低く、安全であり、自己免
疫疾患を含む免疫の関与していると考えられる疾患の予
防または治療および臓器移植後の拒絶反応の予防に用い
ることができる。また、化合物(I)またはその薬学的
に許容される塩とそれ以外の免疫抑制剤からなる医薬組
成物は、各薬剤の単独投与に比べて著しい作用増強効果
を有するため、長期投与しても副作用(例、腎毒性、骨
髄抑制、間質性肺炎など)の発現が少なく、単独投与よ
り一層効果的かつ安全に、免疫の関与していると考えら
れる疾患の予防または治療および臓器移植後の拒絶反応
の予防に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アジュバント関節炎ラットの体重変化に対する
化合物Aとタクロリムス(FK506)との併用効果を示
す。
【図2】アジュバント関節炎ラットの体重変化に対する
化合物Aとメソトレキセートとの併用効果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 401/06 249 C07D 401/06 249 403/12 233 403/12 233

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔式中、Yは窒素原子またはC−G(Gはエステル化も
    しくはアミド化されていてもよいカルボキシル基、置換
    されていてもよいアシル基、保護されていてもよいヒド
    ロキシアルキル基またはハロゲンを示す。)を、Rは置
    換されていてもよい炭化水素残基または置換されていて
    もよい複素環基を、Xは酸素原子または酸化されていて
    もよい硫黄原子を、n は0または1を、k は0または1
    を示す。GとRは、互いに結合して環を形成していても
    よい。環Aおよび環Bはそれぞれ置換基を有していても
    よい。〕で表される化合物またはその薬学的に許容され
    る塩を有効成分として含有する免疫抑制剤。
  2. 【請求項2】n が0であり、かつ、Rで示される置換さ
    れていてもよい炭化水素残基が、 −CH2−X1−Z1 〔式中、X1は酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原
    子または−(CH2)m−(mは0〜5の整数を示す)を、
    1は水素、置換されていてもよい炭化水素残基、置換
    されていてもよい複素環基または置換されていてもよい
    アミノ基を示す。〕で表される基である請求項1記載の
    免疫抑制剤。
  3. 【請求項3】X1が−(CH2)m−の場合、m が0である
    請求項2記載の免疫抑制剤。
  4. 【請求項4】Z1で表される置換されていてもよい複素
    環基が、2ないし3個のヘテロ原子を含む芳香族5員複
    素環基である請求項1記載の免疫抑制剤。
  5. 【請求項5】YがC−Gである請求項1記載の免疫抑制
    剤。
  6. 【請求項6】GがC1-6アルコキシカルボニル基である
    請求項5記載の免疫抑制剤。
  7. 【請求項7】Gがエトキシカルボニル基である請求項5
    記載の免疫抑制剤。
  8. 【請求項8】環Aが少なくとも1個のアルコキシ基で置
    換されている請求項1記載の免疫抑制剤。
  9. 【請求項9】環Aが2個のメトキシ基で置換されている
    請求項1記載の免疫抑制剤。
  10. 【請求項10】環Aが、キノリン環またはキナゾリン環
    の6位および7位で2個のメトキシ基により置換されて
    いる請求項1記載の免疫抑制剤。
  11. 【請求項11】環Bが少なくとも1個のアルコキシ基で
    置換されている請求項1記載の免疫抑制剤。
  12. 【請求項12】環Bが同一または異なる2個のアルコキ
    シ基で置換されている請求項1記載の免疫抑制剤。
  13. 【請求項13】k が0である請求項1記載の免疫抑制
    剤。
  14. 【請求項14】一般式(I)で表される化合物が、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−エチル−6,
    7−ジメトキシキノリン−3−カルボン酸メチルエステ
    ル、 6−クロロ−2−メチル−4−(3,4−ジメトキシフ
    ェニル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 6,7−ジメトキシ−9−フェニルフロ〔3,4−b〕キ
    ノリン−1(3H)−オン、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2−イル)チオ
    メチル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(2−ヒド
    ロキシエチルチオメチル)−6,7−ジメトキシキナゾ
    リン、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−〔(4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3
    −イル)チオメチル〕キナゾリン、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2−イル)エチ
    ル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−3−メトキシカルボニルキノリン−2−酢酸メチル
    エステル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
    キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 4−(3−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−
    6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−
    1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエス
    テル、 4−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−6,
    7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
    イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
    ル、 4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−6,
    7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
    イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
    ル、 7−ヒドロキシ−6−メトキシ−4−(3,4−ジメト
    キシフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
    イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
    ル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
    キノリン−3−カルボン酸エチルエステル 1−オキシ
    ド、または2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4
    −(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ
    キノリン−3−カルボン酸エチルエステルである請求項
    1記載の免疫抑制剤。
  15. 【請求項15】免疫性サイトカイン産生抑制作用を有す
    る請求項1記載の免疫抑制剤。
  16. 【請求項16】自己免疫疾患の予防または治療に用いら
    れる請求項1記載の免疫抑制剤。
  17. 【請求項17】全身エリセマトーデス、慢性肝炎、間質
    性肝疾患、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、限
    局性回腸炎または多発性硬化症の予防または治療に用い
    られる請求項1記載の免疫抑制剤。
  18. 【請求項18】臓器移植後の拒絶反応の予防に用いられ
    る請求項1記載の免疫抑制剤。
  19. 【請求項19】一般式(I) 【化2】 〔式中、Yは窒素原子またはC−G(Gはエステル化も
    しくはアミド化されていてもよいカルボキシル基、置換
    されていてもよいアシル基、保護されていてもよいヒド
    ロキシアルキル基またはハロゲンを示す。)を、Rは置
    換されていてもよい炭化水素残基または置換されていて
    もよい複素環基を、Xは酸素原子または酸化されていて
    もよい硫黄原子を、n は0または1を、k は0または1
    を示す。GとRは、互いに結合して環を形成していても
    よい。環Aおよび環Bはそれぞれ置換基を有していても
    よい。〕で表されるキノリンまたはキナゾリン系化合物
    またはその薬学的に許容される塩と前記キノリンまたは
    キナゾリン系化合物以外の免疫抑制剤からなる医薬組成
    物。
  20. 【請求項20】n が0であり、かつ、Rで示される置換
    されていてもよい炭化水素残基が、 −CH2−X1−Z1 〔式中、X1は酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原
    子または−(CH2)m−(mは0〜5の整数を示す)を、
    1は水素、置換されていてもよい炭化水素残基、置換
    されていてもよい複素環基または置換されていてもよい
    アミノ基を示す。〕で表される基である請求項19記載
    の医薬組成物。
  21. 【請求項21】X1が−(CH2)m−の場合、m が0であ
    る請求項19記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】Z1で示される置換されていてもよい複
    素環基が、2ないし3個のヘテロ原子を含む芳香族5員
    複素環基である請求項20記載の医薬組成物。
  23. 【請求項23】YがC−Gである請求項19記載の医薬
    組成物。
  24. 【請求項24】GがC1-6アルコキシカルボニル基であ
    る請求項23記載の医薬組成物。
  25. 【請求項25】Gがエトキシカルボニル基である請求項
    23記載の医薬組成物。
  26. 【請求項26】環Aが少なくとも1個のアルコキシ基で
    置換されている請求項19記載の医薬組成物。
  27. 【請求項27】環Aが2個のメトキシ基で置換されてい
    る請求項19記載の医薬組成物。
  28. 【請求項28】環Aが、キノリン環またはキナゾリン環
    の6位および7位で2個のメトキシ基により置換されて
    いる請求項19記載の医薬組成物。
  29. 【請求項29】環Bが少なくとも1個のアルコキシ基で
    置換されている請求項19記載の医薬組成物。
  30. 【請求項30】環Bが同一または異なる2個のアルコキ
    シ基で置換されている請求項19記載の医薬組成物。
  31. 【請求項31】k が0である請求項19記載の医薬組成
    物。
  32. 【請求項32】一般式(I)で表される化合物が、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−エチル−6,
    7−ジメトキシキノリン−3−カルボン酸メチルエステ
    ル、 6−クロロ−2−メチル−4−(3,4−ジメトキシフ
    ェニル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 6,7−ジメトキシ−9−フェニルフロ〔3,4−b〕キ
    ノリン−1(3H)−オン、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2−イル)チオ
    メチル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(2−ヒド
    ロキシエチルチオメチル)−6,7−ジメトキシキナゾ
    リン、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−〔(4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3
    −イル)チオメチル〕キナゾリン、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−〔(1−メチルイミダゾール−2−イル)エチ
    ル〕キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−3−メトキシカルボニルキノリン−2−酢酸メチル
    エステル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
    キノリン−3−カルボン酸エチルエステル、 4−(3−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−
    6,7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−
    1−イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエス
    テル、 4−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−6,
    7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
    イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
    ル、 4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−6,
    7−ジメトキシ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
    イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
    ル、 7−ヒドロキシ−6−メトキシ−4−(3,4−ジメト
    キシフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
    イルメチル)キノリン−3−カルボン酸エチルエステ
    ル、 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキ
    シ−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
    キノリン−3−カルボン酸エチルエステル 1−オキシ
    ド、または2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4
    −(3,4−ジメトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ
    キノリン−3−カルボン酸エチルエステルである請求項
    19記載の医薬組成物。
  33. 【請求項33】免疫性サイトカイン産生抑制作用を有す
    る請求項19記載の医薬組成物。
  34. 【請求項34】自己免疫疾患の予防または治療に用いら
    れる請求項19記載の医薬組成物。
  35. 【請求項35】臓器移植後の拒絶反応の予防に用いられ
    る請求項19記載の医薬組成物。
  36. 【請求項36】一般式(I)で表されるキノリンまたは
    キナゾリン系化合物以外の免疫抑制剤が、T細胞抑制
    剤、細胞毒性剤、抗腫瘍性抗生物質または抗リンパ球免
    疫グロブリンである請求項19記載の医薬組成物。
  37. 【請求項37】一般式(I)で表されるキノリンまたは
    キナゾリン系化合物以外の免疫抑制剤が、タクロリム
    ス、メソトレキセートまたはサイクロスポリンAである
    請求項19記載の医薬組成物。
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