JP2004067645A - Acat−1阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ACAT−1阻害剤を提供する。
【解決手段】一般式
【化1】
Figure 2004067645

〔式中、AはCO、SOまたはCSを示す。Bは例えば(a) 置換基として低級アルキル基、シアノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲン原子および低級アルカノイルオキシ基から選ばれる基の1−2個を有するピリジンもしくはピリジン−1−オキシド環基などの特定の複素環基を示す。RおよびRは同一または異なって低級アルコキシ基またはフェニル基を示す。〕
で表されるホスホン酸ジエステル誘導体を有効成分として含有するACAT−1阻害剤。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホスホン酸ジエステル誘導体を含有するACAT−1阻害剤(acyl−coenzyme A: cholesterol acyltransferase−1阻害剤)に関する。
【0002】
【従来の技術】
ACATは、コレステロールの3位のヒドロキシル基にアシルコエンザイムAから長鎖脂肪酸を転移し、コレステロールエステルを生成する反応を触媒する細胞内酵素である(Chang, T.Y., et al., Annu. Rev. Biochem., 66, 613−638 (1997))。この酵素の一般的な役割は、過剰の細胞内遊離コレステロールをエステル化し、遊離コレステロールレベルを一定に保つことであり、臓器によって異なる役割を持っている。例えば小腸では、腸管からコレステロールが小腸上皮に吸収され、ACATによってコレステロールエステルに変換された後、カイナミクロンの構成脂質として組み込まれる。肝臓においては、ACATによって合成されたコレステロールエステルがVLDLのコアに存在する構成脂質として組み込まれ、血中に放出される。副腎皮質などのステロイドホルモン産生細胞や動脈硬化病変のマクロファージにおいては、ACATの作用によりコレステロールエステルが顕著に蓄積される。
【0003】
従って、ACATの阻害活性を有する薬物の投与によれば、小腸においては小腸上皮のコレステロールのエステル化が抑制され、小腸上皮の遊離コレステロールレベルが高くなることにより、腸管腔との間のコレステロール勾配が失われ、コレステロールの吸収が阻害され、かくして血中コレステロールレベルの低下が期待できる。肝臓においては、ACAT阻害によってコレステロールエステルの合成を阻害すると、VLDLの肝細胞内分解が促進され、該VLDLの細胞外への分泌が抑制され、かくして血中LDLレベルの低下が期待できる。また、動脈硬化病変部位においては、ACAT阻害によって病変部位のコレステロールエステルの蓄積が抑制され、直接的な抗動脈硬化作用が期待できる。
【0004】
上記ACAT阻害活性を有する薬物(ACAT阻害剤)として、現在、FR145237 (NipponRinsho, 2001 Mar; 59 Suppl.3: 675−680), F−1394 (Nippon Yakurigaku Zasshi, 2001 Dec; 118(6): 389−395), Dup128 (Nippon Rinsho, 2001 Mar; 59 Suppl.3: 675−680), E5324 (Jpn. J. Pharmacol., 1999 Feb; 79(2): 151−158), CL277082 (Metabolism, 1998 Mar; 47(3): 325−332), NTE−122 (Jpn. J. Pharmacol., 2001 May; 86(1): 120−123)などの尿素(HN−CO−NH)に由来する構造を持つウレア剤と、58−035 (J. Pharm. Sci., 2001 Nov; 90(11): 1859−1867), CI−976 (J. Pharm. Sci., 2001 Nov; 90(11): 1859−1867), CI−1011 (Biochem. Pharmacol., 2002 Feb 1; 63(3): 349−360)などのアミド(−NH−CO−)の構造を持つアミド剤とが知られている。
【0005】
しかしながら、これまでの多くのACAT阻害剤は、抗高脂血症剤としてコレステロール吸収阻害作用に重点を置いて研究、開発されたものであった。
【0006】
最近、ACATには小腸のみに存在するタイプ(ACAT−2)と、肝臓、マクロファージ、副腎および小腸に存在するタイプ(ACAT−1)の2つのサブタイプが存在することが報告された。このサブタイプに従うと、これまで開発されたACAT阻害剤の多くは、上記ACAT−2の阻害を目指したものであることが明らかにされた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来知られていない新しい構造を有するACAT−1阻害剤を提供することを目的とする。
【0008】
本出願人は、医薬品分野で利用できる有効成分化合物につき鋭意研究、開発を続ける過程において、先に、脂質低下作用、血糖降下作用などを有する一連のホスホン酸ジエステル誘導体を開発し、特許出願した(特開平7−188269号公報)。
【0009】
引き続く研究の結果、本出願人は上記ホスホン酸ジエステル誘導体中に、上記目的に合致するACAT−1阻害活性を有する化合物が存在することを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(1)で表されるホスホン酸ジエステル誘導体を有効成分として含有することを特徴とするACAT−1阻害剤を提供する。
一般式(1):
【0011】
【化4】
Figure 2004067645
【0012】
〔式中、AはCO、SOまたはCSを示す。
Bは下記複素環基(a)−(i)から選ばれる基を示す。
(a) 置換基として低級アルキル基、シアノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲン原子および低級アルカノイルオキシ基から選ばれる基の1−2個を有するピリジンもしくはピリジン−1−オキシド環基
(b) 置換基として低級アルキル基、低級アルキルチオ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1−2個を有するピリミジン環基
(c) 置換基としてハロゲン原子の1−2個を有することのあるピラジン環基
(d) 置換基として低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、低級アルキル置換フェニル基、低級アルコキシ置換フェニル基、フェニルスルホニル基およびチエニル基からなる群から選ばれる基の1−2個を有するイソオキサゾール環基
(e) 置換基として低級アルキル基、シアノ基、カルバモイル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ハロゲン置換フェニル基およびチオシアナート基からなる群から選ばれる基の1−3個を有することのあるピラゾールもしくは3−ピラゾロン環基
(f) 置換基として低級アルキル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1−2個を有することのあるキノリンもしくはキノリン−1−オキシド環基
(g) 置換基として低級アルキル基の1−2個を有する1,8−ナフチリジン環基
およびRは同一または異なって低級アルコキシ基またはフェニル基を示す。〕
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明ACAT−1阻害剤の有効成分であるホスホン酸ジエステル誘導体を表す前記一般式(1)およびその他の本明細書において用いられている各基は、それらが各式に示される基として用いられる場合および該基の置換基として用いられる場合のいずれの場合も、具体的にはそれぞれ次の通りである。本明細書において炭素を含む各基につき用いられる「低級」なる語は、「炭素数1−6の」なる意味で用いられるものとする。
【0014】
低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などの炭素数1−6の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を例示することができる。
【0015】
ハロゲン置換低級アルキル基としては、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、トリブロモメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル基などのハロゲン原子で置換された炭素数1−6の直鎖状または分枝鎖状アルキル基を例示することができる。
【0016】
ハロゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示することができる。
【0017】
低級アルカノイルオキシ基としては、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ基などの炭素数1−6の直鎖状または分枝鎖状アルキル基を有するカルボニルオキシ基を例示できる。
【0018】
低級アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ基などの炭素数1−6の直鎖または分枝鎖状のアルキルチオ基を例示することができる。
【0019】
ハロゲン置換フェニル基としては、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヨードフェニル基などのハロゲン原子を有するフェニル基を例示することができる。
【0020】
低級アルキル置換フェニル基としては、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフェニル基などの炭素数1−6の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を有するフェニル基を例示することができる。
【0021】
低級アルコキシ置換フェニル基としては、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル基などの炭素数1−6の直鎖または分枝鎖状のアルコキシ基を有するフェニルを例示することができる。
【0022】
低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1−6の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基を例示することができる。
【0023】
フェニル低級アルキル基としては、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル基などのアルキル部分が炭素数1−6の直鎖状または分岐鎖状アルキル基であるフェニルアルキル基を例示することができる。
【0024】
チエニル基には、2−チエニル基および3−チエニル基が包含される。
【0025】
本発明ACAT−1阻害剤の有効成分化合物は、一般式(1)中の基Bの種類、即ち複素環基(a)−(i)に応じてそれぞれ(a)−(i)群に分類することができる。
【0026】
(a)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(a)が以下のものである化合物を挙げることができる。
5−シアノピリジン−2−イル基、5−カルバモイルピリジン−2−イル基、5−ニトロピリジン−2−イル基、5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル基、5−メチルピリジン−2−イル基、3−ブロモ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル基、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル基、5−ブロモ−3−メチルピリジン−2−イル基、5−ブロモ−6−メチルピリジン−2−イル基、5−クロロ−3−メチルピリジン−2−イル基、6−アセトキシ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル基などのピリジン環基および5−シアノ−1−オキシピリジン−2−イル基、5−ブロモ−1−オキシピリジン−2−イル基、5−ブロモ−6−メチル−1−オキシピリジン−2−イル基、5−トリフルオロメチル−1−オキシピリジン−2−イル基、5−ブロモ−3−メチル−1−オキシピリジン−2−イル基などのピリジン−1−オキシド環基。
【0027】
(b)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(b)が以下のものである化合物を挙げることができる。
4−メチルピリミジン−2−イル基、5−ブロモピリミジン−2−イル基、6−クロロ−2−メチルチオピリミジン−4−イル基、4,6−ジメチルピリミジン−2−イル基、4,6−ジクロロピリミジン−2−イル基など。
【0028】
(c)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(c)が以下のものである化合物を挙げることができる。
ピラジン−2−イル基、5−ブロモピラジン−2−イル基、3,5−ジブロモピラジン−2−イル基など。
【0029】
(d)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(d)が以下のものである化合物を挙げることができる。
3−フェニルイソオキサゾール−5−イル基、3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イル基、3−(4−メトキシフェニル)イソオキサゾール−5−イル基、3−(4−メチルフェニル)イソオキサゾール−5−イル基、3−(4−メチルフェニル)−4−フェニルスルホニルイソオキサゾール−5−イル基、3−(2−チエニル)イソオキサゾール−5−イル基、3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−イル基、4−ブロモ−3−メチルイソオキサゾール−5−イル基など。
【0030】
(e)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(e)が以下のものである化合物を挙げることができる。
【0031】
2H−ピラゾール−3−イル基、5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル基、1−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル基、4−シアノ−2H−ピラゾール−3−イル基、2−メチル−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル基、2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イル基、4,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イル基、4−ベンジル−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル基、2−カルバモイル−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル基、2−(4−クロロフェニル)−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル基、5−(4−クロロフェニル)−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル基、2−メチル−5−フェニル−4−チオシアナート−2H−ピラゾール−3−イル基、1−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル基などのピラゾール環基および1,5−ジメチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾ−ル−4−イル基などのピラゾロン環基。
【0032】
(f)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(f)が以下のものである化合物を挙げることができる。
キノリン−2−イル基、キノリン−3−イル基、キノリン−5−イル基、キノリン−8−イル基、2−メチルキノリン−4−イル基、4−ブロモキノリン−3−イル基などのキノリン環基および1−オキシキノリン−3−イル基、1−オキシキノリン−5−イル基、1−オキシキノリン−8−イル基、4−ブロモ1−オキシキノリン−3−イル基などのキノリン−1−オキシド環基。
【0033】
(g)群に属する好ましい化合物としては、具体的には複素環基(g)が以下のものである化合物を挙げることができる。
5,7−ジメチル−[1,8]ナフチリジン−2−イル基など。
【0034】
上記一般式(1)で表される化合物の内で、特に好ましい化合物としては、下記一般式(2)および(3)で表される化合物を挙げることができる。
【0035】
【化5】
Figure 2004067645
【0036】
〔式中、RおよびRは前記に同じ。Rはハロゲン原子を有することのあるフェニル基およびRはフェニル基を示す。〕
【0037】
【化6】
Figure 2004067645
【0038】
〔式中、R、RおよびRは上記に同じ。Rはハロゲン原子を有することのあるフェニル基を示す。〕
上記一般式(1)で表される化合物は、本出願人の先の特許(特開平7−188269号)公報に記載の方法に従い、例えば2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミンなどの適当なアミン類と適当な酸ハライドとを不活性溶媒中、脱酸剤の存在下に反応させることにより得ることができる。その詳細は、後記参考例に記載するとおりである。
【0039】
得られる目的化合物は、通常の分離、精製手段、例えば、吸着クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出などにより容易に単離、精製できる。
【0040】
本発明ACAT−1阻害剤は、一般式(1)で表される化合物とともに、製剤学的に許容される担体を用いて、一般的な医薬組成物の形態に調製されて実用される。
【0041】
本発明医薬組成物に利用される製剤学的に許容される担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使用される希釈剤または賦形剤、例えば充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤などを例示できる。これらは調整される医薬製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用される。
【0042】
医薬製剤の投与単位形態としては、各種の形態が治療目的に応じて適宜選択できる。その代表的なものとしては、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤など)、軟膏剤などが挙げられる。
【0043】
錠剤の形態に成形するに際しては、製剤学的に許容される担体として、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウムなどの賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ナミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムなどの崩壊剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリドなどの界面活性剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進剤;グリセリン、デンプンなどの保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベンナイト、コロイド状ケイ酸などの吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤などを使用できる。更に、錠剤は、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠または二重錠、多層錠とすることができる。
【0044】
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤学的に許容される担体として、例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤;ラミナラン、カンテンなどの崩壊剤などを使用できる。
【0045】
坐剤の形態に形成するに際しては、製剤学的に許容される担体として、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライドなどを使用できる。
【0046】
カプセル剤は、常法に従い、通常本発明化合物を上記で例示した各種の製剤学的に許容される担体と混合して、硬質ゼラチンカプセル、軟質ゼラチンカプセルなどの充填して調製される。
【0047】
液剤、乳剤、懸濁剤などの注射剤として調製される場合、これらは殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましい。これらの形態にするに際しては、希釈剤として、例えば、水、エタノール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどを使用できる。尚、この場合、等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖またはグリセリンを医薬製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤などを添加してもよい。
【0048】
ペースト、クリーム、ゲルなどの軟膏剤の形態に調製するに際しては、希釈剤として、例えば、白色ワセリン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベンナイトなどを使用できる。
【0049】
更に、本発明医薬組成物中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医薬品を含有させることもできる。
【0050】
本発明医薬組成物中に配合される本発明化合物(有効成分化合物)の量は、特に限定されず広範囲より適宜選択される。通常医薬組成物中に、約0.5−90重量%、好ましくは約1−85重量%程度配合されるのがよい。
【0051】
本発明医薬製剤の投与方法は特に制限がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度などに応じて決定される。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤は経口投与され、注射剤は単独でまたはブドウ糖、アミノ酸などの通常の補液と混合して静脈内に、或いは筋肉内、皮内、皮下または腹腔内に投与され、坐剤は直腸内投与される。
【0052】
本発明医薬製剤の投与量は、その用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度などにより適宜選択される。通常有効成分である本発明化合物の量が1日成人1人当たり体重1kg当たり約0.5−20mg程度、好ましくは1−10mg程度とするのがよい。該製剤は1日に1回または2−4回に分けて投与することができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明有効成分化合物の製造のための原料化合物の製造例を参考例1−25として挙げ、次いで本発明有効成分化合物の製造例を参考例26−52として挙げる。更に得られた有効成分化合物につき行われた薬理試験例および該化合物を有効成分とする医薬の製剤例を挙げる。
【0054】
【参考例1】2,4−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン (化合物番号6に記載の化合物の製造のための原料アミノピラゾール)の製造
(1)  3−オキソ−2−フェニルプロピオニトリルの合成
ナトリウムエトキシド68.1gのエタノール500mL溶液にフェニルアセトニトリル70.2gとギ酸エチル74.1gを加え50℃で12時間撹拌した。室温まで冷却後、水を加えてエーテルで抽出し中性成分を除去した。水層は、さらに6N塩酸水溶液を加えて酸性とし、トルエンで抽出した。トルエン層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をトルエンから再結晶して、標記化合物82.9gを得た。
(2)  2,4−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミンの合成
上記で得られた3−オキソ−2−フェニルプロピオニトリル7.3g、フェニルヒドラジン塩酸塩7.2gおよびトリエチルアミン8.4mLのエタノール50mL溶液を50℃で1時間撹拌した。冷却後、水を加え析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテルから再結晶して、標記化合物2.4gを得た。
【0055】
【参考例2−21】
参考例1と同様にして下記参考例2−21の各化合物(化合物番号7−23および25−27に記載の化合物の製造のための原料アミノピラゾール)を合成した。
・参考例2: 5−メチル−2,4−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例3: 2,4,5−トリフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例4: 2,4,5−トリメチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例5: 2−tert−ブチル−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例6: 2−ベンジル−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例7: 2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン・参考例8: 2−(3−フルオロフェニル)−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン・参考例9: 2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン・参考例10: 2−(2−クロロフェニル)−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例11: 2−(3−クロロフェニル)−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例12: 2−(4−クロロフェニル)−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例13: 2,4−ジ(4−フルオロフェニル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例14: 2−tert−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例15: 2−(4−フルオロフェニル)−4−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例16: 4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例17: 2−tert−ブチル−4−シクロプロピル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例18: 2−tert−ブチル−4−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例19: 4−イソプロピル−2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例20: 2−tert−ブチル−4−イソプロピル−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
・参考例21: 2−tert−ブチル−5−メチル−4−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0056】
【参考例22】2−tert−ブチル−5−フェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン (化合物番号24に記載の化合物の製造のための原料アミノピラゾール)の製造
ベンゾアセトニトリル7.3gとtert−ブチルヒドラジン塩酸塩6.2gのピリジン50mL懸濁液を60℃で12時間撹拌した。室温まで冷却後、減圧下に溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液50mLを加え、ジエチルエーテルで抽出して酸性成分を除去した。水層を炭酸カリウムの添加によりアルカリ性とした後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた粗結晶をジエチルエーテル−n−ヘキサンから再結晶して、標記化合物8.7gを得た。
【0057】
【参考例23】4−(ジブトキシホスホリルメチル)安息香酸(化合物番号1として記載の化合物の製造のための原料ホスホリルメチル安息香酸成分)の製造
亜リン酸トリブチル81mLと4−ブロモメチル安息香酸21.5gを160℃で4時間撹拌した。反応混合物を2N水酸化ナトリウム水溶液200mLに注ぎ込み中性成分をジエチルエーテルで抽出した。水層に濃塩酸を加えpH2とした後、酸性成分をクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水100mLで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。n−ヘキサンを加え析出した結晶を濾過し、n−ヘキサンで洗浄して、標記化合物18.0gを得た。
【0058】
【参考例24】
参考例23と同様にして、4−(ジエトキシホスホリルメチル)安息香酸(化合物番号4−27として記載の各化合物の製造のための原料ホスホリルメチル安息香酸類)を合成した。
【0059】
【参考例25】4−[ビス(3−メチルブトキシ)ホスホリルメチル]安息香酸(化合物番号3として記載の化合物の製造のための原料ホスホリルメチル安息香酸成分)の製造
3−メチルブタノール8.8gおよびピリジン7.9gのヘキサン溶液100mLに室温撹拌下に三塩化リン2.6mLのヘキサン30mL溶液をゆっくりと滴下した。室温で18時間、70℃で3時間撹拌後、室温まで放冷し析出した塩を濾別した。濾液を濃縮して、亜リン酸トリ(3−メチルブチル)8.8gを得た。
【0060】
上記で得られた亜リン酸トリ(3−メチルブチル)3.4gと4−ブロモメチル安息香酸3.4gを160℃で6時間撹拌した。反応混合物を2N水酸化ナトリウム水溶液50mLに注ぎ込み中性成分をジエチルエーテルで抽出した。水層に濃塩酸を加えpH2とした後、酸性成分をクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水50mLで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して、標記化合物5.0gを得た。
【0061】
【参考例26】ジブチル [4−(2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)ベンジル]ホスホナート(化合物番号1)の製造
参考例23で得られた4−[(ジブトキシホスホリル)メチル]安息香酸3.3gのDMF 0.2mLと塩化メチレン20mLとの懸濁液に塩化チオニル0.88mLを加え50℃で15分撹拌した。反応混合物を0℃に冷却後、これに2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−イルアミン2.4gのピリジン20mL溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物に10%塩酸水溶液20mLを加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:酢酸エチル=10:1−5:1)で精製し、更にジエチルエーテル−n−ヘキサンより再結晶して、標記化合物の無色結晶2.3gを得た。得られた化合物の構造および物性を表1に示す。
【0062】
【参考例27−52】
参考例1−22で得られたいずれかの化合物または市販のアミノピラゾール類と参考例23−25で得られたいずれかの化合物または市販のホスホリルメチル安息香酸類とを用いて参考例26と同様にして、化合物番号2−27として示す各化合物を合成した。得られた化合物の構造および物性を表1−2に示す。
【0063】
尚、表中の略号による基の表示は、次のことを示す。以下の各表においても同様である。
Ph:フェニル基、Me:メチル基、Et:エチル基、i−Pr:イソプロピル基、t−Bu:tert−ブチル基、OMe:メトキシ基、OEt:エトキシ基、O−i−Pr:イソプロポキシ基、OBu:ブトキシ基、AcO:アセチルオキシ基
【0064】
【表1】
Figure 2004067645
【0065】
【表2】
Figure 2004067645
【0066】
【薬理試験例1】ACAT−1阻害作用試験1
参考例26−52で得た各化合物(化合物番号1−27という)および下記表3−8に記載の化合物(化合物番号28−95)を被験物質として、それらのACAT−1阻害活性を以下のとおり試験した。
【0067】
【表3】
Figure 2004067645
【0068】
【表4】
Figure 2004067645
【0069】
【表5】
Figure 2004067645
【0070】
【表6】
Figure 2004067645
【0071】
【表7】
Figure 2004067645
【0072】
【表8】
Figure 2004067645
【0073】
ACAT−1酵素活性の測定は、再構成法(reconstituted vesicle assay) [J. Lipid Res., 29, 1683−1692 (1988)、Biochem. Biophys. Acta, 982, 187−195 (1989)、J. Biol. Chem., 270, 29532−29540 (1995)]に従った。
【0074】
I. Broken Homoginate の作製
SW−13細胞(ヒト副腎皮質癌由来細胞)を、10%ウシ胎児血清(FBS)含有L−15培地中、炭酸ガスインキュベーター内で、培養プレートにコンフレントになるまで培養した。
【0075】
文献記載の方法[hypotonic shock and scrapping method, Anal. Biochem., 116, 298−302 (1981)]に従い、Broken Homoginateを採取した。蛋白定量(Bradford法)を行い、使用するまで、−80℃で保存した。
【0076】
II. Cholesterol/Phosphatidylcholine (Chol/PC) vesicle の作製
チャンらの方法[Chang, T.Y., et al., Anal. Biochem., 157, 323−330 (1986)]に従い、Chol/PC vesicle (Chol/PC=3.9 mM/12.8mM)を作製した。
【0077】
III. 5 × DOC/PC の作製
ホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)50mgを50mg/mL sodium deoxycholate−Buffer A (50mM Tris−HCl, 5mM EDTA, 0.05mM PMSF(phenylmethyl sulfonyl fluoride, 和光純薬株式会社、pH 7.8) 5mLに溶解した。
【0078】
IV.  酵素液の作製
蛋白濃度2.5mg/mLのBroken Homoginate 2.6mLに、5×DOC/PC 0.65mLを加え、攪拌後、氷中で20分放置した。これに、Chol/PC vesicle 22mLを加え、攪拌し、さらに氷中で20分放置した。遠心後、浮遊物を除去し、これを酵素液とした。
【0079】
V.  アッセイ
被験物質は、1×10−2mol/Lまたは1×10−3mol/Lの濃度となるようにDMSOに溶解した。
【0080】
ネジ口ガラス試験管に、被験物質またはDMSO(コントロールとして)2.5μL、酵素液200μLおよび基質溶液(150 mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、15mg/mL BSA (FFA free)、2mM DTTおよび0.1mM [1−14C]oleoyl coenzyme A (8.0Ci/mol)]50μLを加えた。37℃で30分間反応させた。ヘキサン4mL、2M NaCl 1mLおよび[H]−cholesteryl oleate添加エタノール1mL(約10,000 dpm)を加えて反応を停止させた。5分間振盪後、遠心し、上層のヘキサン相のうちの2mLをガラス試験管に移し、また1mLをシンチレションバイアルに移した。
【0081】
ガラス試験管中のヘキサン相は、窒素ガス気流下で溶媒を除去し、得られた脂質抽出物をクロロホルム/メタノール(2:1)混合液100μLに再溶解後、TLCプレートへスポットした。TLC プレートを、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(73:25:2)で展開し、バイオイメージアナライザー(BAS2000II, 富士フィルム株式会社製)で、コレステロールエステル画分の14Cを定量した。
【0082】
また、シンチレーションバイアル中のヘキサン相は、シンチレーションカクテルを加え、Hをカウントし、加えた[H]−cholesteryl oleate添加エタノールのH量より抽出効率を計算した。抽出効率より生成した全コレステロールエステル量を計算した。コントロールの場合と比べ、被験物質添加時に減少する生成全コレステロールエステル量を、パーセント表示したものを、ACAT−1酵素阻害率とした。
【0083】
VI.  結果
結果を、下記表9−11に示す。但し、表中、ACAT−1酵素阻害率を示す値における※印を付したものは、被験物質濃度1×10−3mol/Lの場合の結果であり、その他(無印)は、被験物質濃度1×10−2mol/Lの場合の結果である。
【0084】
【表9】
Figure 2004067645
【0085】
【表10】
Figure 2004067645
【0086】
【表11】
Figure 2004067645
【0087】
VII.  考察
表9−11に示される結果より、本発明において有効成分とする一般式(1)に属する各化合物は、いずれも優れたACAT−1阻害活性を有することが明らかである。
【0088】
このようなACAT−1阻害活性を有する化合物が、動脈硬化予防剤およびコレステロール吸収阻害剤として有効であることは、例えばThe Journal of Biological Chemistry, Vol.276, No.28, July 14, pp.21324−21330, 2000およびThe Journal of Biological Chemistry, Vol.275, No.36, September 8, pp.28083−28092, 2000の記載から明らかである。
【0089】
【製剤例1】
有効成分として、参考例1で得た本発明化合物を用いて、1錠当りその300mgを含有する錠剤(2000錠)を、次の処方により調製した。
参考例1で得た本発明化合物              600g
乳糖(日本薬局方品)                                   67g
コーンスターチ(日本薬局方品)                         33g
カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品)   25g
メチルセルロース(日本薬局方品)                       12g
ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品)                3g
即ち、上記処方に従い、参考例1で得た本発明化合物、乳糖、コーンスターチおよびカルボキシメチルセルロースカルシウムを充分混合し、メチルセルロース水溶液を用いて混合物を顆粒化し、24メッシュの篩を通し、これをステアリン酸マグネシウムと混合して、錠剤にプレスして、目的の錠剤を得た。
【0090】
【製剤例2】
有効成分として、参考例1で得た本発明化合物を用いて、1カプセル当りその200mgを含有する硬質ゼラチンカプセル剤(2000カプセル)を、次の処方により調製した。
参考例1で得た本発明化合物              400g
結晶セルロース(日本薬局方品)            60g
コーンスターチ(日本薬局方品)            34g
タルク(日本薬局方品)                     4g
ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品)   2g
即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均一な混合物となるように混和した後、所望の寸法を有する経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプセル剤を得た。

Claims (11)

  1. 一般式(1):
    Figure 2004067645
    〔式中、AはCO、SOまたはCSを示す。
    Bは下記複素環基(a)−(i)から選ばれる基を示す。
    (a) 置換基として低級アルキル基、シアノ基、カルバモイル基、ニトロ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲン原子および低級アルカノイルオキシ基から選ばれる基の1−2個を有するピリジンもしくはピリジン−1−オキシド環基
    (b) 置換基として低級アルキル基、低級アルキルチオ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1−2個を有するピリミジン環基
    (c) 置換基としてハロゲン原子の1−2個を有することのあるピラジン環基
    (d) 置換基として低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、低級アルキル置換フェニル基、低級アルコキシ置換フェニル基、フェニルスルホニル基およびチエニル基からなる群から選ばれる基の1−2個を有するイソオキサゾール環基
    (e) 置換基として低級アルキル基、シアノ基、カルバモイル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、ハロゲン置換フェニル基およびチオシアナート基からなる群から選ばれる基の1−3個を有することのあるピラゾールもしくは3−ピラゾロン環基
    (f) 置換基として低級アルキル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基の1−2個を有することのあるキノリンもしくはキノリン−1−オキシド環基
    (g) 置換基として低級アルキル基の1−2個を有する1,8−ナフチリジン環基
    およびRは同一または異なって低級アルコキシ基またはフェニル基を示す。〕で表されるホスホン酸ジエステル誘導体を有効成分として含有することを特徴とするACAT−1阻害剤。
  2. AがCOである一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  3. Bが複素環基(a)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  4. Bが複素環基(b)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  5. Bが複素環基(c)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  6. Bが複素環基(d)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  7. Bが複素環基(e)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  8. Bが複素環基(f)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  9. Bが複素環基(g)である一般式(1)の化合物を有効成分とする請求項1に記載のACAT−1阻害剤。
  10. 一般式(2):
    Figure 2004067645
    〔式中、RおよびRは前記に同じ。Rはハロゲン原子を有することのあるフェニル基およびRはフェニル基を示す。〕
    で表されるホスホン酸ジエステル誘導体を有効成分として含有することを特徴とするACAT−1阻害剤。
  11. 一般式(3):
    Figure 2004067645
    〔式中、RおよびRは前記に同じ。Rはハロゲン原子を有することのあるフェニル基およびRはハロゲン原子を有することのあるフェニル基を示す。〕
    で表されるホスホン酸ジエステル誘導体を有効成分として含有することを特徴とするACAT−1阻害剤。
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