JPH1067382A - 運搬船 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 岸壁側に荷役設備を設けると、運搬船までに
距離があるため、大型の荷役設備が必要になり、設備費
が高くつく。 【解決手段】 運搬船本体２に設けた船倉３を上方で覆
うようにかつ運搬船本体２の船首尾方向Ａに移動自在に
作業台８を設け、この作業台８に、岸壁１６側と作業台
８とを連絡するための連絡路板１７を回動自在に設け、
作業台８を運搬船本体２の船首尾方向Ａに移動するため
の移動装置１０と、連絡路板１７を回動させるための回
動装置と、作業台８上の荷役車両に対して荷の積卸しを
するためのクレーン装置３０を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば港湾の岸壁
などで荷を積卸しするための運搬船に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、運搬船には、その船倉に対して荷
を積卸しするためのクレーン装置（デッキクレーン）を
備えたものがある。

【０００３】この運搬船において、船倉に荷を積む場合
は、ダンプカーなどの荷役車両で運搬してきた荷を、一
旦、荷役車両から卸して岸壁に設置した積替え部に積替
え、その後、上記のクレーン装置で運搬船に積み込む。

【０００４】また、運搬船から荷を卸す場合は、上記ク
レーン装置を用いて、一旦、岸壁に設置した積替え部に
荷を積替えて、改めてダンプカーなどの荷役車両に積み
込み、目的の場所に輸送するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の運搬船で
は、一旦、岸壁の積替え部に荷を積卸す工程が必要であ
るため、作業に手間がかかってしまう。

【０００６】また岸壁の積替え部に対して荷の積卸しを
するため、クレーン装置が大型化し、設備費が高くなっ
てしまっている。そこで本発明は、上記課題を解決し得
る運搬船の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明における課題を解
決するための手段は、荷役装置が、船倉の上側にこれを
覆うように配置されて荷役車両が荷積卸し作業を行うた
めの作業台と、この作業台を運搬船本体の船首尾方向に
移動させるための移動装置と、作業台と陸側とを連絡す
るための回動自在な連絡路板と、この連絡路板を回動さ
せるための回動装置と、作業台に設置された荷役用クレ
ーン装置とを有し、この荷役用クレーン装置は、作業台
の上方に支持部材を介して船首尾方向に沿って配置され
た案内部材と、この案内部材に昇降移動装置を介して船
首尾方向に沿って移動自在かつ昇降自在に設けられたも
のである。

【０００８】また、案内部材が、支持部材に水平面内で
所定角度だけ揺動自在に支持され、案内部材を水平面内
で揺動させるための揺動装置が設けられたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図５に基づいて説明する。本発明の実施の形態に係る
運搬船１は、運搬船本体２の中央部に配置した船倉３に
荷Ｎ（砂利など）を積卸しするための荷役設備１Ａを備
えており、この荷役設備１Ａは、船倉３を上方で覆うよ
うに配置した作業台（プラットホームともいい、ハッチ
カバーを兼用している）８を有する作業台装置４と、こ
の作業台装置４に取付けられた連絡路板装置５と、作業
台８上に設けたクレーン装置３０とから構成されてい
る。

【００１０】前記作業台装置４は、ダンプカー６などの
荷役車両が荷積卸し作業を行うための前記作業台８と、
この作業台８を運搬船本体２の船首尾方向Ａに移動自在
に支持するための移動装置１０とから構成されている。
なお、作業台８上の端部には、車止め８ａが設けられて
いる。

【００１１】この移動装置１０は、図３に示すように、
甲板上に船首尾方向Ａに沿って敷設した一対の案内レー
ル１１と、作業台８の少なくとも四隅部下面に取付けら
れて案内レール１１上を転動する走行用車輪１２と、こ
れら走行用車輪１２を回転駆動させるための駆動モータ
１３とから構成されている。

【００１２】前記連絡路板装置５は、作業台８の側部に
基端部が固定された門型のポスト１４と、このポスト１
４の基端部近傍で作業台８の側部に水平軸部材１５を介
して回動自在に取付けられて岸壁１６側と作業台８とを
連絡するための連絡路板１７（ランプウェーともいう）
と、連絡路板１７を水平軸部材１５回りに回動させるた
めの回動装置１８とから構成されている。

【００１３】前記クレーン装置３０は、作業台８上の複
数箇所に、船首尾方向Ａに並べかつ船幅方向Ｂに渡した
門型の支持部材３１と、これら支持部材３１の内、中央
の支持部材３１の梁部３２に、基端部が縦軸部材３３を
介して水平面内で揺動自在に取付けられて船首尾方向Ａ
に配置した複数本の案内部材３４（例えばＩ型鋼が用い
られる）と、各案内部材３４を縦軸部材３３回りに揺動
させるための揺動装置３５と、この案内部材３４の下フ
ランジ３６に取付けられて、荷把持具３７（バケット）
を昇降させるとともに案内部材３４に沿って船首尾方向
Ａに移動させるための昇降移動装置３８とから構成され
ている。

【００１４】図１および図５に示すように、前記揺動装
置３５は、基端部が鉛直軸部材３３ａを介して支持部材
３１の梁部３２に取付けられ先端部が案内部材３４の途
中に別の鉛直軸部材３３ｂを介して回動自在に連結され
た油圧シリンダ装置４０と、支持部材３１の梁部３２と
案内部材３４の途中に介装されて案内部材３４の揺動動
作を案内するための案内レール装置４１とから構成され
ている。

【００１５】この案内レール装置４１は、支持部材３１
の梁部３２の途中に取付けられて縦軸部材３３を中心と
した平面視円弧状で断面逆Ｔ型の案内レール５０と、こ
の案内レール５０のフランジ上面に、下面が摺動自在に
取付けられるフランジを有したの被案内レール５１とか
ら構成されている。

【００１６】前記回動装置１８は、ポスト１４の脚２１
の基端部に取付けたウィンチ装置２０と、脚２１の先端
部に取付けた定滑車２２と、連絡路板１７の先端部に取
付けた動滑車２３とから構成され、ウィンチ装置２０か
ら導出された索体２４は、定滑車２２の上方から動滑車
２３に巻回されてその先端部は脚２１の先端部に取付け
られている。

【００１７】前記昇降移動装置３８は、案内部材３４の
下フランジ３６の上面を転動する走行車輪４３を有した
走行台車４４と、この走行台車４４の下部に配置されて
先端部に前記荷把持具３７を取付けたワイヤ４５を巻取
った巻取りドラム４６と、この巻取りドラム４６の回転
用の駆動モータ（図示せず）とから構成されている。

【００１８】上記構成において、運搬船１の航走時には
ウィンチ装置２０を駆動して索体２４を巻取り、図３の
仮想線で示すように、連絡路板１７を跳ね上げた状態に
しておく。ところで、目的地に到着し着岸したら、ウィ
ンチ装置２０を駆動して索体２４を導出し、連絡路板１
７をその重みで水平軸部材１５回りに回動し、同図の実
線で示すように、岸壁１６に渡す。

【００１９】このようにすることにより、岸壁１６側と
作業台８とが連絡可能な状態になるので、例えば、運搬
船１の船倉３に荷Ｎを積み込む場合は、荷Ｎを載置した
ダンプカー６を岸壁１６から連絡路板１７上を渡して作
業台８まで運搬し、荷台をダンプさせて船倉３に投入
し、積み込む。

【００２０】そして、船倉３の所定の区間がいっぱいに
なった場合は、移動装置１０の駆動モータ１３を駆動し
て作業台８を船首尾方向Ａに移動させ、船倉３の空いて
いる部分に荷Ｎを投入するようにする。

【００２１】また逆に船倉３に載置してきた荷Ｎを卸す
場合、ダンプカー６などの荷役車両を連絡路板１７上を
通過させて作業台８の所定位置まで運搬し、走行車輪４
３を駆動して走行台車４４を案内部材３４の端部まで移
動させ、駆動モータを駆動して巻取りドラム４６を回転
させることによりワイヤ４５を導出して荷把持具３７を
船倉３内に下降させ、荷把持具３７で荷Ｎを掬うように
し、駆動モータを駆動して巻取りドラム４６を回転させ
ることによりワイヤ４５を巻取り、走行車輪４３を駆動
して荷把持具３７をダンプカー６の荷台の上方に位置さ
せて、荷把持具３７を開き、荷Ｎをダンプカー６の荷台
に積み込む。

【００２２】このような動作を繰り返し、船倉３の所定
の区間が空になった場合は、移動装置１０の駆動モータ
１３を駆動して作業台８を船首尾方向Ａに移動させ、ま
た油圧シリンダ装置４０を駆動して、案内部材３４を縦
軸部材３３回りに水平面内で揺動させ、荷把持具３７を
下降させて、まだ積込んでいない荷Ｎをダンプカー６の
荷台に積み込む。このような動作を複数箇所で行うこと
により、荷Ｎの積込み作業を効率よく行うことができ
る。

【００２３】そして、ダンプカー６の荷台に荷Ｎが満載
されたら、連絡路板１７から岸壁１６に出て、また目的
の場所に荷Ｎを輸送する。このように本発明の実施の形
態によれば、運搬船本体２に設けたクレーン装置３０
を、支持部材３１の梁部３２に縦軸部材３３を介して水
平面内で揺動自在に取付けてかつ船首尾方向Ａに配置し
た案内部材３４と、案内部材３４を縦軸部材３３回りに
揺動させるための揺動装置３５と、荷把持具３７を昇降
させるとともに案内部材３４に沿って船首尾方向Ａに移
動させるための昇降移動装置３８とから構成し、岸壁１
６側と作業台８とを連絡するための連絡路板１７を作業
台８に設けたので、ダンプカー６を連絡路板１７上を通
過させ、作業台８の所定位置まで運搬して直接荷Ｎの積
卸しができるので、クレーン装置３０自体を大型化させ
ることなく荷Ｎの積卸しができ、また、荷Ｎの積卸しの
際に、一旦、荷Ｎを岸壁１６に載置することなく積卸し
作業を行い得るので、積卸し作業のための効率を向上し
得る。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明
は、荷役車両が荷積卸し作業を行うための作業台に荷役
用クレーン装置を有し、この荷役用クレーン装置は、作
業台の上方に支持部材を介して船首尾方向に沿って配置
された案内部材と、この案内部材に昇降移動装置を介し
て船首尾方向に沿って移動自在かつ昇降自在に設けられ
た荷把持具とを備え、作業台と陸側とを連絡するための
連絡路板を設けたので、連絡路板上を荷役車両を通過さ
せて作業台に輸送して、この荷役車両に対して荷を積卸
しできるので、岸壁に荷を積卸しする必要がなくなり、
従って、荷役用クレーン装置を大型化する必要がないと
ともに、作業効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す運搬船の要部平面図
である。

【図２】同じく側面図である。

【図３】同じく全体背面図である。

【図４】同じく梁部材と案内部材との取付け状態を示す
拡大図である。

【図５】同じく揺動装置の拡大平面図である。

【符号の説明】

１ 運搬船 ２ 運搬船本体 ３ 船倉 ４ 作業台装置 ５ 連絡路板装置 ６ ダンプカー ８ 作業台 １０ 移動装置 １１ 案内レール １２ 走行用車輪 １３ 駆動モータ １４ ポスト １５ 水平軸部材 １６ 岸壁 １７ 連絡路板 １８ 回動装置 ２０ ウィンチ装置 ３０ クレーン装置 ３１ 支持部材 ３２ 梁部 ３３ 縦軸部材 ３４ 案内部材 ３５ 揺動装置 ３７ 荷把持具 ３８ 昇降移動装置 ４０ 油圧シリンダ装置 ４１ 案内レール装置 Ａ 船首尾方向 Ｂ 船幅方向

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 康雄 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 運搬船本体に設けた船倉に対して荷を積
   卸すための荷役装置を設けた運搬船であって、荷役装置
   は、船倉の上側にこれを覆うように配置されて荷役車両
   が荷積卸し作業を行うための作業台と、この作業台を運
   搬船本体の船首尾方向に移動させるための移動装置と、
   作業台と陸側とを連絡するための回動自在な連絡路板
   と、この連絡路板を回動させるための回動装置と、作業
   台に設置された荷役用クレーン装置とを有し、この荷役
   用クレーン装置は、作業台の上方に支持部材を介して船
   首尾方向に沿って配置された案内部材と、この案内部材
   に昇降移動装置を介して船首尾方向に沿って移動自在か
   つ昇降自在に設けられた荷把持具とを備えたことを特徴
   とする運搬船。
2. 【請求項２】 案内部材が、支持部材に水平面内で所定
   角度だけ揺動自在に支持され、案内部材を水平面内で揺
   動させるための揺動装置が設けられたことを特徴とする
   請求項１記載の運搬船。