JPH1065244A - 可飽和ブラッグ反射器構造とその製造方法 - Google Patents
可飽和ブラッグ反射器構造とその製造方法Info
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Abstract
ルスを生成するためにレーザをモードロッキングする際
に使用する強度に依存する反射器を提供することを目的
とする 【解決手段】 本発明は、標準半導体1/4波長スタッ
ク反射器上に形成されたn/2波長歪解放層(nはゼロ
より大きい奇数)内に、一つまたはそれ以上の半導体量
子井戸を含む非線形反射器により、低い光学的損失を達
成することができ、簡単な方法で製造することができ
る。1/2波長レーザの成長は、非放射再結合源として
効率的に動作するように、界面領域に十分な濃度で断層
ができるように制御される。飽和が行われた後で、上記
再結合源は、光学的パルスの次の往復がレーザ空胴に到
着する前に、量子井戸のキャリヤを除去する。
Description
光パルスを生成するためにレーザをモードロッキングす
る際に使用する強度に依存する反射器に関する。
した短い持続時間の光パルスは、高速信号処理およびデ
ータ通信の際に役に立ち、通常超短光パルスと呼ばれ
る。何故なら、上記パルスのパルス幅がピコ秒および準
ピコ秒単位だからである。固体レーザを受動的にモード
ロックするために、超短光パルスを生成する実用的な方
法としては、半導体可飽和吸収体を使用する方法がある
ことが分かっている。この目的のためには、半導体構造
が特に適している。何故なら、半導体構造は廉価であ
り、コンパクトであり、広いスペクトル範囲で動作する
ように設計することができ、迅速なレスポンス時間を持
っているからである。
ング空胴内に設置される非線形反射器要素を含む。特定
の波長においては、その不透明度が入射放射の強度の関
数として変化するので、可飽和吸収体は入射放射に対し
てシャッターとして機能する。特定の波長のすべての弱
い入射放射は、可飽和吸収体により吸収される。飽和強
度と呼ばれる十分高いレベルの強度に達した入射放射
は、可飽和吸収体を通過する。一般的にいって、上記の
可飽和吸収体により生じる減衰は、比較的小さい。何故
なら、可飽和吸収体は、必要とする波長において飽和し
て透明になるからである。
域レスポンス用に製造されてきた。バルク半導体材料お
よび多重量子井戸ヘテロ構造は、狭帯域を吸収する目的
に使用されてきた。一方、特に傾斜バンドギャップ多重
量子井戸ヘテロ構造は、広帯域用に開発されてきた。こ
のような吸収体装置の量子井戸を作る際には、1/4波
長のスタック反射器上に量子井戸ヘテロ構造が形成され
る。反共振ファブリペロ可飽和吸収体と呼ばれる他の構
造の場合には、半導体1/4波長スタック反射器と一緒
にファブリペロ・エタロンを形成するために、量子井戸
ヘテロ構造上に薄い膜状の酸化物部分反射器のスタック
が作られた。上記半導体1/4波長スタック反射器の場
合には、可飽和吸収体要素(MQW)はファブリペロ・
エタロン・レスポンス特性の反共振部分で、いくつかの
波長の放射に応答する。この装置は、レーザ空胴と弱く
結びつき、レーザのモードロッキング用に使用される他
の多重量子井戸装置と比較すると損失が少ない。都合の
悪いことに、反共振ファブリペロ可飽和吸収体は、かな
りの追加装置処理を必要とし、またその実現のために最
適化を行わなければならない。
の譲受人であるルーセント・テクノロジー社に譲渡され
たW.ノックスの「可飽和ブラッグ反射器」という名称
の米国特許出願第08/404,664号は、内部空胴受動モード
ロッキングを行うことが分かっている新しいモノリシッ
ク半導体構造を開示している。ノックスが開示した例示
としての吸収体構造は、高い反射率を持つGaAs/AlGaAs
ブラッグ反射器スタック内に一つのGaAs量子井戸
(QW)を成長させることによって製造することができ
る。従来の可飽和吸収体とは異なり、この吸収体構造は
量子井戸が成長した後、何の処理も必要としなかった。
上記特許出願中にノックスが開示した吸収体は、ダイオ
ードによりポンピングされたCr:LiSAFレーザのモードロ
ッキングに使用され成功を納め、850ナノメートルの
波長で、100fsパルスを生成した。その際、上記構
造により生じた損失は非常に小さく、非常に望ましい特
性を示した。何故なら、固体レーザは一般的にエミッシ
ョン断面積が小さいので利得が低く、ダイオードにより
ポンピングされたレーザの利得は特に低いからである。
しかし、困ったことに、ノックスが開示した上記吸収体
構造は、現在考慮の対象になっている電気通信の用途
(例えば、1300ナノメートル、1550ナノメートル等)に
関連する遥かに長い波長での動作には適していない。
射器(BR)を含む二つの構成要素は、非常に反射率の
高い(>99%)ミラー・スタックで、吸収媒体として
動作する一つまたはそれ以上の量子井戸を持つ。上記構
成部材は、ノックスが開示しているように、850ナノ
メートルでの用途用に直接的な方法で製造することがで
きるが、現在の技術を、電気通信の用途に関連する実質
的にもっと長い波長で動作するレーザをモードロッキン
グすることができる吸収体構造の製造に適用すると、い
くつかの問題が起こってくる。通常の通信波長(例え
ば、1550ナノメートル)で動作することができる構
造は、普通InP基板上に成長する。しかし、InPに
名目上格子が整合している二進法半導体システムは存在
しないので、InP上で成長したすべての役に立つヘテ
ロ構造は、高度に制御された格子整合状態で成長させな
ければならない。さらに、ブラッグ反射器を構成するの
に使用することができる種々の化合物の回折率、Δnの
違いは非常に小さい(1550ナノメートルで約0.1
2)。それ故、99.5%以上の反射率を達成するため
には、ブラッグ反射器に非常に多数(例えば、40)の
厚い(例えば、240ナノメートル)周期を内蔵させな
ければならず、その結果、全体のepiの厚さは6ミリ
以上にもなる。そのため、InP基板上に高い反射率の
ミラーを成長させるのは、非常に困難であり、時間の掛
かる仕事である。
器構造を製作するために、GaAs基板上にInPをベース
とする化合物を、ヘテロエピタキシャルに成長させるこ
とにより、上記の欠点を克服し、技術を進歩させた。上
記方法により製作された構造は、成長後の処理を必要と
せず、電気通信の業界でレーザ源として関心をもたれて
いるCr4+:YAGおよびEr-Yb:ファイバ・レーザの両方を受
動的にモードロッキングするのに使用され、成功を収め
た。
タック反射器上に形成されたn/2波長歪解放層(nは
ゼロより大きい奇数)内で、一つまたはそれ以上の半導
体量子井戸を含む非線形反射器により、低い光学的損失
を達成することができ、簡単な方法で製造することがで
きる。半波長層の成長は、非放射再結合源として効率的
に動作するように、界面領域に十分な濃度で断層ができ
るように制御される。飽和が行われた後で、上記再結合
源は、光学的パルスの次の往復がレーザ空胴に到着する
前に、量子井戸のキャリヤを除去する。本発明により製
造された構造を研究している際に観察された非常に高速
なレスポンス時間は、上記再結合源の存在により説明す
ることができる。当業者ならすぐ理解できると思うが、
上記の様な非常に高速なレスポンス時間で動作すること
ができる装置は、多重波長通信を含む種々の用途のWD
M源として非常に貴重なものである。
いる電気通信の用途に関連する長い波長で動作すること
ができ、そのような長い波長でレーザの主要な発振空胴
内で直接可飽和吸収用に使用することができる、強度依
存のレスポンスを持つ。非線形反射器の飽和強度および
それによる関連レーザ・モードロッキング特性は、歪解
放層内の特定の位置に量子井戸を配置することにより制
御することができる。本発明の例示としての実施形態の
場合には、一つまたはそれ以上のInGaAs/InP量子井戸
が、高い反射率を持つAlAs/GaAsミラー構造上に直接ヘ
テロエピタキシャルに成長する。上記ミラー構造はGaAs
基板上に形成される。一つまたはそれ以上のInGaAs/InP
量子井戸を含むInP歪解放層は、λ/2(光学的波長
の1/2)の光学的厚さに成長し、その結果、関連光学
転送マトリックス要素が効率的に一体になり、その一体
になったものがその構造の高い反射率を維持する。歪解
放層の成長中に使用された温度は、多くの断層を含む界
面が、ミラー構造と歪解放層との間に形成されるように
選択される。量子井戸はこの高い欠陥領域に含まれる。
そのような結果は当然望ましくないと思われるだろう
が、本発明の発明者は、本当はこのような結果こそ望ま
しいものであることを発見した。驚いたことに、このよ
うな方法で作られた量子井戸は、非常に高い品質のホト
ルミネセンス(PL)を持ち、優れたモードロッキング
特性を持っている。
したように、InP基板上で高い反射率を持つミラーを
成長させるのは、非常に困難であり、また時間の掛かる
ため、電気通信の分野で現在考慮の対象になっている、
多くの用途に適している非線形反射器の生産に商業的に
使用することはできない。本発明は、実質的には、GaAs
基板上にヘテロエピタキシャル成長した、GaAsおよびAl
Asの高い反射率を持つブラッグ・ミラーを使用すること
により、InP上に直接上記構造を成長させる際の種々
の問題を完全に解決することができるという認識に基づ
いている。
成長は、すでに他の人によて行われている。例えば、
A.G.デンタイ他は金属酸化物の化学的蒸気を蒸着さ
せることにより(MOCVD)、GaAs上に直接高品質のInP
を成長させることができることを証明した。しかし、こ
の場合には、相対的に大きなずれ(−3.8%)が生じ
る。(1986年)発行の電子レター22(Eelctron Lett.
23),第1186頁の「GaAs基板上のMOVPE InGaAs/InP
の直接成長(MOVPE InGaAs/InP Growth Directly on GaA
s Substrates)」を参照されたい。さらに、GaAs基板上
に直接成長させた検出装置およびトランジスタのよう
な、InPをベースとする装置は、InP基板上に成長
した装置に匹敵する動作をすることが報告されている。
例えば、1987年発行の電子レター23、38(Elect
ron Lett. 23,38)のA.G.デンタイ他の「MOVPEによ
りGaAs基盤上に成長した、InGaAs P-I-Nフォトダイオー
ド(InGaASP-I-N Photodiodes grown on GaAs Substrate
s by MOVPE)」という表題の論文を参照されたい。上記
のMOCVDプロセス中、基板は、ウェーハ表面の有機金属
によるひび割れを確実に起こすために、通常成長の全期
間中650℃に維持される。
の、整合していない成長により生じる欠陥を減らすため
に、少なくとも1ミクロンの厚さのInPバッファ層が
GaAs基板と装置の層との間に形成される。しかし、本発
明の場合には、上記のような厚いバッファ層を成長させ
るのは不可能である。特に、GaAsとInPの誘電計数の
違いにより、反射率が低下して使いものにならなくな
る。
示した方法によって製造した非線形反射器または可飽和
ブラッグ反射器は、高い反射率を持つ1/4波長スタッ
ク誘電反射器を使用し、上記反射器は、上記反射器に非
線形特性を与えるために、反射器の所定の位置に配置さ
れた一つまたはそれ以上の量子井戸を内蔵している。こ
の構造は、固体レーザのようなレーザの主要なレーザ発
生空胴内で直接使用することができる、低損失可飽和吸
収体として機能する。量子井戸の位置は、他の要因と一
緒に、可飽和反射器の飽和強度を決定する。本発明がノ
ックスが開示した装置と異なっているのは、量子井戸が
1/4波長スタック誘電反射器上で成長または他の方法
で形成された1/2波長(光学通路の長さの半分)の歪
解放層内に形成されている点である。
ての非線形反射器構造10である。図1の本発明のこの
例示としての実施形態は、1/4波長スタック誘電ミラ
ー構造16上に成長した、InP歪解放層14で成長し
た複数の量子井戸(図にはたった二つの12aおよび1
2bしか示していない)を使用する。上記ミラー構造1
6は、GaAs基板18上に形成され、GaAs/AlAs半導体化
合物システムに形成されたいくつかの層を含む。このよ
うにしたのは説明を分かりやすくするためである。
シャル(GSMBE)により成長したものであるが、この構造
においては、ひび割れたAsH3およびPH3がV族のソース
として使用され、自然界の元素がIII族のソースとして
使用された。約350ミクロンの厚さを持つGaAs基板1
8上には、V族対III族の比率が2の状態で、600℃の基
板温度で、30周期のGaAs層およびAlAs層を交互に成長
させることによって、1/4波長のスタック誘電ミラー
16が形成される。それ故、図1の例示としてのブラッ
グ反射器は、異なる屈折率を持つ材料の一連の交互の層
からなる。図を見れば、ペアになっている層が複数あ
り、各ペアの層20が一つの幅の広いエネルギー帯ギャ
ップ20aおよび一つの狭いエネルギー帯ギャップ20
bを含んでいることがわかる。個々の層の厚さが約1/
4波長(光学通路の長さの1/4)である複数の層が配
置されていると、積み重なった層は1に近い反射率を持
つミラーを形成する。図1の装置の場合には、広いエネ
ルギー帯ギャップ20aはAlAsであり、狭いエネルギー
帯ギャップ20bはGaAsである。層のこのシステムは、
約1550ナノメートルの波長領域で動作するのに適してい
る。上記反射率器は標準1/4波長スタック設計なの
で、各層の光学的厚さは必要とする動作波長の約1/4
でなければならない。量子井戸を含まない反射器は、強
度に依存する反射率を持ち、レーザ空胴内に挿入して
も、モードロッキングに影響を与えないし、モードロッ
キングを起こしもしない。
4を成長させるのに、シリコン上でのGaAsのヘテロエピ
タキシャル成長に広く使用される2ステップ・プロセス
を使用することができる。以下にシリコン上にGaAsを成
長させるための2ステップ・プロセスを詳細に説明する
が、1994年出版のJ.Vac.Sci. Technol. B12,1の
J.E.クニングハム他の「850ナノメートルの光学
的相互接続のための、ガス源分子ビーム・エピタキシャ
ルによる、シリコン上のGaAs成長(Growth of GaAs on S
i by Gas Source Molecular Beam Epitaxy for 850 nm
Optical Interconnects)」という表題の論文を参照され
たい。上記2ステップ・プロセスの巧みな適応によっ
て、例示としての実施形態の場合には、約180Aの厚
さの歪解放層14の第一の部分が、1/4波長スタック
構造16の一番上の層の上に成長する。
は、少なくとも1×105/cm2、好適には1×106/
cm2以上の断層集中を持つ1/4波長スタックとの界
面を作るために、温度が十分に低く維持される。本発明
の発明者は、界面領域に十分な集中が行われると、これ
らの断層が非放射再結合源として機能することを発見し
た。飽和した後、これらの再結合源により、光学的パル
スの次の往復がレーザ空胴に到着する前に、量子井戸の
キャリヤが除去される。これらの再結合源が存在するた
めに、本発明の発明者が行った実験の際に観察された非
常に高速のレスポンス時間が得られるものと思われる。
上記ような高速なレスポンス時間で動作する装置は、多
重波長通信を含む用途におけるWDM源として非常に高
い価値があるものと思われる。
の成長温度としては、(基板ホールダの背後に設置した
熱電対により測定した)約400℃が使用された。歪解
放層14の第一の部分が成長した後、界面中にすでに形
成されている再結合または断層の移動を制限するため
に、成長温度を選択したもっと高い温度まで徐々に上げ
ることができる。
の厚さが約300Åに達するまで、温度を520℃まで
ゆっくりと上げることができる。その後、温度を約65
0℃まで徐々に上げ、20SCCM(1分間当たりの標準立
方センチ)のPH3の流れの中で、この温度に5分間維
持して上記構造を焼きなます。焼きなましサイクルの終
了時には、透明な(2x4)の再構成を目でみることが
できるようになる。この再構成は、InPの単結晶の大
きな領域が形成されたことを示す。
94年)発行のIEEE Phot. Tech. Lett. 6, 1439掲載の
「GSMBEにより成長した、1.55ミクロン適用に対する
8:1のコントラスト比より優れている、InGaAs/InP P
-I(MQW)-N 表面正常電子吸収変調器(InGaAs-InP P-I(MQ
W)-N surface Normal Electroabsorption Modulators E
xhibiting Better than 8:1 contrast Ratio for 1.55
Micron Applications Grown by GSMBE)」という表題の
パサク他の論文に記載されている条件と同じ条件下で、
高品質InP/InGaAs変調器の成長と一緒に、InPの成長
を再開する。図1の装置を製造するために使用したこの
プロセスを例示のように適応させることにより、量子井
戸の層が500℃で成長したが、この場合インジウムの
成長速度は0.53単層/秒に設定した。0.53のインジウム
・モル分率を作るために、ガリウムの成長率を0.50
に設定した。V族とIII族の比率を2:1にするため
に、ひ素と燐のフラックスを使用した。この方法によ
り、8ナノメートルの厚さのInGaAsの層18と、10ナ
ノメートルの厚さのInPの層20からなるInGaAsの量
子井戸の層が、歪解放層16上に成長した。量子井戸構
造が成長した後で、1/2波長の歪解放層構造が必ずで
きるように選択した厚さを持つInP被覆層22が成長
した。上記の例示としてのプロセスにより成長した例示
としての構造は、非常に強いホトルミネセンスを持つこ
とが分かった。図2は、図1の構造の通常の室温でのホ
トルミネセンスのスペクトルである。主要なピークは、
閉じこめられた電子と重いホール状態の間のエキシトン
の再結合によるもであり、一方もっと小さなピークは、
おそらく電子と軽いホール状態によるものと思われる。
主要ピークのFWHMは12ミリ電子ボルトであることが分
かったが、これは高品質量子井戸の成長が実際に行われ
たことを示す。光学コントラスト顕微鏡で観察した結
果、量子井戸の形が非常に滑らかな鏡のようになってい
ることが分かったが、歪解放によるクロスハッチングは
認められなかった。このことは本発明の成長プロセスの
重要な点である。何故なら、それにより入射光の散乱に
よるすべての損失が最少限度に抑えられるからである。
図3は、成長の前後のミラー・スタック上でAVIVスペク
トロメータによる反射率の測定値である。しかし、周知
のようにこの測定機の精度は4−5%である。レーザ空
胴内でのもっと注意深い測定により、仕上げを行った構
造の反射率の低下は、成長したミラーの反射率の低下と
比較して0.5%以下であった。
ッキングするために、可飽和吸収体として使用した図1
の非線形反射構造10である。主要なレーザ空胴は高い
反射率を持つミラー42と、反射器構造10との間に形
成される。図4Aに示すように、上記レーザ空胴は非点
収差補償された折曲げZ構成である。ブルースター・カ
ットの20×5ミリのCr4+:YAC棒状結晶30は、モード
ロックされたレーザに対して光学的利得媒体を供給す
る。ミラー32、34、36および42は、それぞれ15
50ナノメートルを中心とする反射率を持ち、各折曲げミ
ラー34および36は10センチの曲率半径を持つ。折
曲げミラー34および36は、光学的信号を利得媒体と
してのロッド30を通して送る。一方のアームには、二
つの溶融シリカ・プリズム38および40が、パルス整
形に使用される調整可能な負および正の分散を供給す
る。可飽和反射器構造10は、10センチの半径で湾曲
している高い反射率を持つミラー32のほぼ焦点に置か
れ、銅のブロック上の直径約100平方ミクロンの点に
装着される。従って、ミラー32は空胴モードの焦点を
非線形反射構造10の面上に結ぶ。一方のアームの近ブ
ルースター角度に設置された4ミクロンの薄膜44は、
可変出力カップラの働きをした。スペクトル物理学によ
り供給されたNd:YVO4レーザ(図示せず)は、レーザヘ
ッドに接続している20ワットのダイオード・アレーに
よってポンピングされる。12および15センチの焦点
距離を持つ二つのレンズ46および48は、それぞれ回
折によって制限されたポンプ・ビームを、折曲げミラー
36を通して、光学的空胴に結び付けるために使用され
る。
に示すEr-Yb:ファイバ・レーザ50をモードロッキン
グするために、可飽和ブラッグ反射器として使用され、
成功した。このタイプの装置は、チャープ・パルスWD
M送信システム用の使用可能な広帯域なコンパクトなレ
ーザ源として、特に注目を集めている。図4Bの例示と
しての装置の場合には、反射器構造10はレーザ50の
主空胴内に挿入される。90ミリワットで980ナノメ
ートルのポンプ・ダイオード52は、波長分割マルチプ
レクサ54を通して結合し、その後1550ナノメートルの
波長を99%反射し、980ナノメートルの波長は、通
過させるコーティングで被覆された回転スプライス56
を通して結合している。Er-Ybファイバ58の一部は、
利得媒体として働き、一方、分散シフタ・ファイバ(D
SF)60は、分散の補償を行う。ファイバ空胴の末端
は、非線形反射器構造10になっている。
ロッキング状態での動作中に得られた実験データであ
る。可飽和ブラッグ反射器10が飽和すると、光学的パ
ルスのモードロック・シーケンスを作る図4Aのレーザ
をモードロッキングする。パルス幅は、可飽和ブラッグ
反射器の分散および帯域幅制限特性により決まる。図4
Aに示す装置は、図5および図6にそれぞれ示すよう
に、約110fsのパルス自動相関と、約1541ナノ
メートルを中心とする26ナノメートルの帯域幅を持つ
超短光パルスを生成するのに使用される。
層14で成長する。量子井戸に対するモル分率xは、エ
キシトンが、ブラッグ反射器の狭い帯域ギャップInxGa1
-xAs層の帯域ギャップ以下の状態に閉じこめられるよう
に選択される。実験の一例の場合には、x=0.53以下の
モル分率が使用に適している。厚さ約600用された。
量子井戸は、1/2波長の構造の標本面から150して
いた。
うに、可飽和吸収体構造においては、量子井戸を含む反
射器層の厚さは、性能に有意な変化を起こさずに、標準
の1/4波長の厚さから量子井戸の厚さだけ薄くなった
状態に維持することができる。すなわち、反射器層に量
子井戸が存在するために起こった、光学通路の長さの実
際の変化を補償するための第一の近似を行う必要がな
い。それ故、量子井戸の層を加えた反射器層の全部の厚
さは、量子井戸を持たない同じタイプの材質の標準反射
器層の1/4波長の厚さから、十分な精度で近似するこ
とができる。
よる分散補償は、図4Aの装置のレーザ空胴から除去す
ることができることに留意されたい。この場合、約10
0フェムト秒のパルス幅をレーザーから得ることができ
る。モードロッキング・プロセスの自動スタートは容易
に行うことができる。何故なら、飽和の非直線性は、そ
の強度に基づいているのではなく、入射放射のエネルギ
ーに基づいているからである。
ポンス時間を短くするために、量子井戸を低い温度で成
長させることができるかどうかを検討している。可飽和
ブラッグ反射器を製造するために、III族−V族材のシ
ステムであるAlAs/GaAsについて説明してきたが、装置
を実現するために、GaAs/InGaAs、InGaAs/InGaAlAs、In
GaAs/InAlAs、GaAs/AlAs、GaAsSb/GaAlAsSbおよびInGaA
sP/InPのような他の材料の組み合わせを他の半導体III
族−V族システムから選択することができる。最後に、
装置構造をII−VI族およびIV族の半導体化合物にま
で押し広げることも考慮中である。
構造の断面図である。
スペクトルのグラフを示す図である。
1の完成構造の反射率のスペクトルとを比較したグラフ
を示す図である。
的にモードロッキングした例示としてのCr4+:YACレーザ
装置の略図である。
的にモードロッキングした例示としてのエルビウム−イ
ットビウム・レーザ装置の略図である。
キングすることにより得た自己相関トレース、すなわ
ち、110fsのFWHMである図示のモードロッキン
グしたパルスを表す図である。
ルのグラフを示す図である。
Claims (24)
- 【請求項1】 誘電材の層の1/4波長スタックと、n
がゼロより大きい奇数であるn/2波長歪解放層と、誘
電体ミラーが入射放射に対して非線形飽和レスポンスを
示すように、該歪解放層に配置された量子井戸とを含む
誘電体ミラー。 - 【請求項2】 請求項1に記載の誘電体ミラーにおい
て、1/4波長スタックが、複数の広い帯域ギャップ半
導体材料の層と、狭い帯域ギャップ半導体材料の層とを
交互に含むことを特徴とする誘電体ミラー。 - 【請求項3】 請求項1に記載の誘電体ミラーにおい
て、1/4波長スタックが、GaAs上で成長し、該歪
解放層がInPである請求項1に記載の誘電体ミラー。 - 【請求項4】 請求項3に記載の誘電体ミラーにおい
て、広い帯域ギャップ層がAlAsからなり、狭い帯域
ギャップ層がGaAsからなることを特徴とする誘電体
ミラー。 - 【請求項5】 請求項3に記載の誘電体ミラーにおい
て、該1/4スタックと該歪解放層の間の界面が、1x
106/cm2以上の断層集中を形成することを特徴とす
る誘電体ミラー。 - 【請求項6】 請求項3に記載の誘電体ミラーにおい
て、該歪解放層が、該1/4波長スタックの一番上の層
の上にヘテロエピタキシャルに成長することを特徴とす
る誘電体ミラー。 - 【請求項7】 請求項1に記載の誘電体ミラーにおい
て、該歪解放層が、該1/4波長スタックと格子が整合
していない半導体材料からなることを特徴とする誘電体
ミラー。 - 【請求項8】 請求項1に記載の誘電体ミラーにおい
て、該歪解放層が、酸化された半導体材料からなること
を特徴とする誘電体ミラー。 - 【請求項9】 請求項1に記載の誘電体ミラーにおい
て、該歪解放層が、該1/4波長スタックに格子が整合
していない半導体材料からなることを特徴とする誘電体
ミラー。 - 【請求項10】 第1の波長で光学的ビームを生成する
ためのレーザであって、該レーザが、第1および第2の
端部反射器と利得媒体からなり、該第2の端部反射器
が、誘電材の層の1/4波長スタックと、nがゼロより
大きい奇数であるn/2波長歪解放層と、該レーザをモ
ードロッキングするために、誘電体ミラーが入射放射に
対して非線形飽和レスポンスを示すように、該歪解放層
に配置された量子井戸とを含むレーザ。 - 【請求項11】 請求項10に記載のレーザにおいて、
1/4波長スタックが、複数の広い帯域ギャップ半導体
材料の層と、狭い帯域ギャップ半導体材料の層とを交互
に含むレーザ。 - 【請求項12】 請求項10に記載のレーザにおいて、
1/4波長スタックが、GaAs上で成長することを特
徴とするレーザ。 - 【請求項13】 請求項10に記載のレーザにおいて、
広い帯域ギャップ層がAlAsからなり、狭い帯域ギャ
ップ層がGaAsからなることを特徴とするレーザ。 - 【請求項14】 請求項10に記載のレーザにおいて、
該利得媒体が、エルビウム・イットビウムによりドーピ
ングされたファイバを含むことを特徴とするレーザ。 - 【請求項15】 請求項10に記載のレーザにおいて、
分散媒体が、分散補償ファイバーを含むことを特徴とす
るレーザ。 - 【請求項16】 請求項10に記載のレーザにおいて、
該第1の波長が、1550ナノメートルに中心をもつ帯
域内にあることを特徴とするレーザ。 - 【請求項17】 請求項10に記載のレーザにおいて、
さらに、外部ポンピング・レーザ源を含むことを特徴と
するレーザ。 - 【請求項18】 請求項10に記載のレーザにおいて、
該外部ポンピング源が、半導体ダイオード・レーザであ
ることを特徴とするレーザ。 - 【請求項19】 基板上に誘電材層の1/4波長スタッ
クを形成する段階と、 nがゼロより大きい奇数である場合に、該1/4波長ス
タックの一番上の層上に、少なくとも一つの量子井戸を
持つn/2波長歪解放層をヘテロエピタキシャルに成長
させる段階とを含む、入射放射に対して非線形飽和レス
ポンスを供給するための誘電体ミラーの製造方法。 - 【請求項20】 請求項19に記載の製造方法におい
て、1/4波長スタックが、複数の広い帯域ギャップ半
導体材料と、狭い帯域ギャップ半導体材料とを交互に含
むことを特徴とする製造方法。 - 【請求項21】 請求項19に記載の製造方法におい
て、1/4の波長スタックが、該1/4波長スタック形
成段階中に、GaAs上で成長することを特徴とする製
造方法。 - 【請求項22】 請求項19に記載の製造方法におい
て、ヘテロエピタキシャル成長段階が、少なくとも1x
106/cm2の断層集中を持つ1/4波長スタックに対
する界面を形成するのに十分な温度で、該歪解放層の第
1の部分を成長する段階を含むことを特徴とする製造方
法。 - 【請求項23】 請求項22に記載の製造方法におい
て、ヘテロエピタキシャル成長段階が、さらに該界面形
成後に、以降の成長過程でほぼ全部の歪を解放するのに
十分な温度まで、基板温度を徐々に上昇させることによ
って、該歪解放層の成長を継続して行う段階を含むこと
を特徴とする製造方法。 - 【請求項24】 請求項23に記載の製造方法におい
て、該基板がGaAsからなり、該歪解放層がInPか
らなり、該1/4波長スタックが交互に配列されたAl
AsおよびGaAsの層からなる請求ことを特徴とする
製造方法。
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