JPH106499A - インクジェットプリントヘッド、その製造方法およびインクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド、その製造方法およびインクジェットプリント装置

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JPH106499A
JPH106499A JP16161196A JP16161196A JPH106499A JP H106499 A JPH106499 A JP H106499A JP 16161196 A JP16161196 A JP 16161196A JP 16161196 A JP16161196 A JP 16161196A JP H106499 A JPH106499 A JP H106499A
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top plate
ink
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print head
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JP16161196A
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English (en)
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Mitsuji Kitani
充志 木谷
Genji Inada
源次 稲田
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク流路間のクロストークの発生を確実に
防止し得るなど、接合に対する信頼性の高いインクジェ
ットプリントヘッド、その製造方法、それを用いるイン
クジェットプリント装置を提供する。 【解決手段】 インクジェットプリントヘッドは、イン
クを吐出するために利用されるエネルギを発生する複数
の吐出エネルギ発生素子102を有する基板101と、
この基板101に接合してこの基板101との間に、イ
ンクを吐出するための吐出口204とこの吐出口204
に連通すると共に前記各吐出エネルギ発生素子102に
対応する位置に形成された複数の溝とを含むインク流路
202を構成する天板201とを含む。基板101には
複数の吐出エネルギ発生素子102の配置位置とは異な
る位置であって基板101に対する天板201の接合部
に対応する位置に接合用の発熱体107が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント用の液体
(インク等)を飛翔液滴として吐出口(オリフィス)か
ら吐出させて、被プリント媒体に付着させることによっ
てプリントを行うインクジェットプリントヘッド、その
製造方法、およびインクジェットプリント装置に関する
ものである。
【0002】ここで、プリントとしては、布、糸、紙、
シート材等の各種インク供与を受けるインク支持体すべ
てへのインク供与を含むもので、各種情報処理装置すべ
て或はその出力機としてのプリンタを含むもので、本発
明はこれらへの用途が可能なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、吐出口からインクを吐出すること
によってプリントを行うインクジェットプリントヘッド
(以下、プリントヘッドという)においては、インク吐
出用のエネルギーを発生させるためのエネルギー発生素
子として電気熱変換体を用いたものがある。
【0004】この種のプリントヘッドの例として、図1
および図2に示すようにエネルギー発生素子として複数
の電気熱変換体1を配置した基板2(以下、ヒータボー
ドともいう)に、電気熱変換体1の位置に対応して設け
られるインク流路3を構成するための溝4や吐出口5等
が形成された天板6を接合したものがある。
【0005】基板2は、所定のピッチで並列に配置され
た複数の電気熱変換体1と、各電気熱変換体1を駆動す
るための駆動回路(不図示)とが、エッチング、蒸着、
スパッタリング等の半導体プロセスにより成膜形成され
たものであり、支持体7に固定されている。また、基板
2には、図2に示すようにアルミニウムからなり、各電
気熱変換体1の駆動回路と接続される複数の電極パッド
8が形成されている。これら電極パッド8は、記録装置
(図示略)からの電気信号を受ける配線基板9の各配線
10に、アルミニウムあるいは金のボンディングワイヤ
ー11を介してそれぞれ接続されている。
【0006】一方、天板6には、インクタンク(不図
示)から供給されたインクを一時的に保持する共通液室
12と、各電気熱変換体1の位置に対応して配置され、
それぞれ共通液室12に連通する複数の溝3と、各溝3
の先端から天板6の端面に開口する吐出口5と形成され
ている。この天板6の各溝3は天板6が基板2に接合し
た際に基板2との間にインク流路を構成するものであ
る。
【0007】このような天板6と基板2との接合に際し
ては、まず、各電気熱変換体1と各溝3とが1対1で対
応するように、天板6を基板2に対して位置決めし、例
えば板バネ(不図示)等により固定する。次いで、仮止
め用の接着剤を基板2と天板6との接合部位に塗布して
基板2と天板6とを仮止めする。この仮止め用の接着剤
としては、一般的に、ポリエステル系の紫外線硬化型の
接着剤(例えば、グレースジャパン社製、UV300
等)が用いられる。最後に、仮止め用の接着剤の上から
更に、主にシリコーン系の樹脂を塗布し、基板2と天板
6との接合部位を封止する方法を採っている。
【0008】しかし、このような構成の従来のインクジ
ェットプリントヘッドでは、接着剤や封止剤がわずかで
もインク流路内に入り込むと、各インク流路の大きさが
極めて微細であることから、接着剤等によりインク流路
が閉塞されてしまうことが発生する。この場合には、複
数のインク流路の一部においてインクの吐出不良や不吐
出等が発生してインクジェットプリントヘッドの信頼性
を低下させてしまう。このため、インクジェットプリン
トヘッドの製造時における天板と基板との接合に接着剤
等を用いることのない接合方法が求められている。
【0009】このような要請に応える接合方法として、
例えば図3(a)〜(c)や図4(a)〜(e)に示す
ような方法が提案されている。これらの方法は、いずれ
インク流路の壁部を樹脂材料によって形成することと
し、その樹脂材料の硬化時の密着力を利用して基板と天
板とを接合しようとするものである。
【0010】図3(a)〜(c)はDF(ドライフィル
ム)法による接合方法を工程順に示す断面図である。
【0011】DF法においては、まず図3(a)に示す
ように基板2の上面にラミネート法等の方法により所定
の厚さのドライフィルム16を設ける。このドライフィ
ルム16の上には、所定パターンのマスク(図示略)を
用いて、フォトリソグラフィ等の方法によりドライフィ
ルム16に凹部を形成する。基板2上に残るドライフィ
ルム16の部分は、図3(b)に示すようにインク流路
壁17を構成するものとなる。
【0012】次に、図3(c)に示すようにインク流路
壁17を有する基板2の上に別のドライフィルム18を
介して天板6を載置する。この天板6と基板2とは、ド
ライフィルム18を熱硬化させ、その硬化時の密着力に
より強固に接合され得る。
【0013】図4(a)〜(e)は、いわゆる注型法に
よる接合方法を工程順に示す断面図である。
【0014】注型法においては、まず図4(a)に示す
ように基板2の上面に所定の厚さのレジスト層20を設
ける。
【0015】次に、このレジスト層20の上には図4
(b)に示すように、所定パターンのマスク(図示略)
を用いて、フォトリソグラフィ等の方法によりインク流
路に相当する部分のみを、インク流路形成用の型21と
して残す。
【0016】次に、基板2および型21の上には、図4
(c)に示すようにインク流路の壁を形成するための樹
脂層22を設ける。
【0017】次に、基板2上に上記樹脂層22を介して
天板6を載置する。天板6と基板2とは、樹脂層22を
熱硬化させ、その硬化時の密着力により強固に接合され
得る。最後に吐出口面を切断し、溶媒等により型レジス
トを溶出してノズルを形成する。
【0018】しかしながら、上記DF法および注型法の
いずれにおいても、接着剤を用いないためにインク流路
の閉塞を回避することができるものの、接合作業にはパ
ターニング工程が必須であり、高価な露光装置等を用い
る必要があった。
【0019】このため、より安価な接合方法が求められ
ている。
【0020】このような要請に応える接合方法として、
エネルギ発生素子を有する基板と、インク流路および吐
出口を有する天板とを位置合せし、次いで押えばねを用
いて天板と基板とを固定する方法が知られている。
【0021】図5は、上述のような押えバネを用いた天
板と基板との接合方法を説明するための図であって、イ
ンクジェットプリントヘッドを含むインクジェットユニ
ットの分解斜視図である。
【0022】図5において、2はSi基板上に複数の列
状に配された電気熱変換体1(吐出ヒータ)と、これに
電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形
成されてなるヒータボードとしての基板である。9はヒ
ータボード2に対する配線基板である。
【0023】6は複数のインク流路を夫々区分するため
の隔壁(溝)や各インク流路(液流路)へインクを与え
るためにインクを収納するための共通液室等を設けた溝
付天板で、各インク流路に対応した吐出口を複数有する
オリフィスプレート6aを一体成型したものである。こ
れらの一体成型材料としてはポリサルフォン樹脂が好ま
しいが、他の成型用樹脂材料でも良い。
【0024】24は配線基板9の裏面を平面で支持する
例えば金属製の支持体で、インクジェットユニットの底
板となる。25は押圧部材である押えばねであり、M字
形状でそのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧すると共
に前だれ部26で液路の一部、好ましくは吐出口近傍の
領域を線圧で集中押圧する。ヒータボード2および天板
6を押えばね25の足部が支持体24の穴24a,24
bを通って支持体24の裏面側に係合することでこれら
を挟み込んだ状態で両者を係合させることにより、押え
ばね25とその前だれ部26の集中付勢力によってヒー
タボード2と天板6とを圧着固定する。なお、27はイ
ンク供給部材であって、図示しないインクタンクから供
給されるインクを、押えばね25によりヒータボード
(基板)2に圧着固定された天板6を介してヒータボー
ド2のインク流路に供給するための部材である。
【0025】上述のように天板と基板との接合に押えば
ねを用いる方法では、押えばねにより基板の面に直交す
る方向に圧着できることから、接着剤を用いることな
く、上記接合を容易に行うことができる利点がある。
【0026】しかしながら、上記接合により天板と基板
との間に形成される複数のインク流路の壁を基板に均一
な力で押圧することが困難である。このため、特に多数
のインク流路を有するインクジェットプリントヘッドで
は、図6に示すように、基板2とインク流路壁3aの端
部との間に隙間Cが形成されることがあり、この隙間C
の存在により、クロストークが発生する。このクロスト
ークにより、発熱体1からの熱エネルギーによりインク
流路3中のインクに発生する膜発泡Bの圧力が隣接する
インク流路へ逃げる(図6中の矢印方向)など圧力損失
を生じることがあり、また、隙間Cの存在により膜発泡
Bの圧力が隣接するインク流路へ伝搬し、そのインク流
路の吐出口(オリフィス)におけるインクのメニスカス
が発熱体側へ後退するなどの変動を生じることがあり、
この場合にはインク吐出量の変動が発生することがあっ
た。
【0027】なお、図6における符号30は耐キャビテ
ーション膜であり、31は保護膜であり、32は層間絶
縁膜である。
【0028】上述のようなクロストークは、インクジェ
ットプリントヘッドにおいては、極めて重大であり、そ
の発生防止は急務である。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の基板
と天板との接合方法により生じることがあったインク流
路間のクロストークの発生を確実に防止し得るなど、接
合に対する信頼性の高いインクジェットプリントヘッド
およびその製造方法を提供するものである。
【0030】また、本発明は、上述のインクジェットプ
リントヘッドを用いてインク吐出してプリントを行うイ
ンクジェットプリント装置を提供するものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下の態様を含む。
【0032】すなわち、インクを吐出するために利用さ
れるエネルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子を
有する基板と、該基板に接合して該基板との間に、前記
インクを吐出するための吐出口と該吐出口に連通すると
共に前記各吐出エネルギ発生素子に対応する位置に形成
された複数の溝とを含むインク流路を構成する天板とを
含むインクジェットプリントヘッドであって、前記基板
には前記複数の吐出エネルギ発生素子の配置位置とは異
なる位置であって前記基板に対する前記天板の接合部に
対応する位置に接合用の発熱体が設けられたインクジェ
ットプリントヘッド、前記発熱体は前記天板の接合部に
対応する前記基板の凹部の底面に設けられたインクジェ
ットプリントヘッド、前記基板の凹部は該開口部よりも
該底面部の面積が大きく、かつ、該側壁は逆テーパ状ま
たはオーバーハング状に形成されているインクジェット
プリントヘッド、前記発熱体に対応する前記天板の接合
部は前記インク流路を構成する溝壁であるインクジェッ
トプリントヘッド、前記発熱体は電流を流すことにより
発熱する電気熱変換体であるインクジェットプリントヘ
ッド、前記発熱体は前記吐出エネルギ発生体とは別個に
駆動されるインクジェットプリントヘッド、前記発熱体
はパルス駆動されるインクジェットプリントヘッド、前
記天板の接合部の端部には前記基板の凹部に挿入され溶
融接合される凸部が形成されているインクジェットプリ
ントヘッド、前記発熱体の幅をWhとし、前記発熱体に
対する天板の接合部位の幅をWnとし、前記天板の接合
部の凸部の幅をWn′とした場合において、 Wn′<Wh<Wn の関係式(1)が成立するインクジェットプリントヘッ
ド、前記関係式(1)を満たす断面が、前記吐出エネル
ギ発生素子の配列方向に沿う断面を含むインクジェット
プリントヘッド、前記天板の接合部の凸部は熱可塑性樹
脂からなるインクジェットプリントヘッド、前記天板と
前記基板とは、該接合部分の少なくとも一部に予め設け
た熱可塑性樹脂からなる接着層を介在して接合されてい
るインクジェットプリントヘッド、前記発熱体の幅をW
hとし、前記接着層の幅をWaとした場合において、 Wa<Wh の関係式(2)が成立するインクジェットプリントヘッ
ド、前記関係式(2)を満たす断面が、前記吐出エネル
ギ発生素子の配列方向に沿う断面を含むインクジェット
プリントヘッド、上記の関係式(1)および上記の関係
式(2)を同時に満たす断面が、前記吐出エネルギ発生
素子の配列方向に沿う断面を含むインクジェットプリン
トヘッド、前記発熱体は一対の電極と該電極間に配され
た発熱材とを含み、該発熱材は電流密度が極大となる箇
所を実質的に有しないものであるインクジェットプリン
トヘッド、前記発熱材の膜厚は実質的に均一であり、か
つ、前記発熱体の少なくとも一方の端部において電流の
流入方向に直交する前記電極の端部の幅が、前記発熱材
の幅よりも小さいインクジェットプリントヘッド、前記
発熱体への電流流入方向に直交する方向の前記発熱材の
幅をWh′とし、前記発熱体に対する天板の接合部位の
幅をWnとした場合において、 Wh′>Wn の関係式(3)が成立するインクジェットプリントヘッ
ド、Wh′≧Wn+4μmの関係式(4)が成立するイ
ンクジェットプリントヘッド、前記発熱体上に前記基板
と前記天板とを接合するための接着層が設けられたイン
クジェットプリントヘッド、前記発熱体の一部に前記接
着層を設けない部分を設けるインクジェットプリントヘ
ッド、前記発熱体のうち前記接着層を設けない部分は前
記発熱体の極大昇温点およびその近傍領域を含むインク
ジェットプリントヘッド、前記発熱体のうち前記接着層
を設けない部分は前記発熱体の電流集中部およびその近
傍領域を含むインクジェットプリントヘッド、前記接着
層は熱可塑性材料から構成され、かつ、前記発熱体への
電流流入方向に直交する方向の前記発熱材の幅をWh′
とし、前記接着層の幅をWaとし、該接着層および前記
発熱体に対する天板の接合部位の幅をWnとした場合に
おいて、 Wa>Wh′>Wn の関係式(5)が成立するインクジェットプリントヘッ
ド、前記基板に対する前記天板の接合部は、少なくとも
接合までは前記基板との接合方向に対して互いに段差と
なる2つ以上の面を有しており、かつ、前記天板の接合
部に対応する前記基板側の接合部位に前記天板の接合部
の2つ以上の面を個別に加熱し溶融するための発熱体を
設けたインクジェットプリントヘッド、前記発熱体は互
いに異なる条件での駆動が可能であるインクジェットプ
リントヘッド、前記発熱体は互いに異なる駆動タイミン
グでの駆動が可能であるインクジェットプリントヘッ
ド、前記天板の接合部の一部を樹脂材料から形成し、該
樹脂材料からなる接合部の一部に対応する発熱体と、前
記天板の接合部の他部であって前記樹脂材料から形成さ
れていない接合部に対応する発熱体とを有し、該発熱体
は互いに異なる発熱駆動が可能であるインクジェットプ
リントヘッド、インクを吐出するために利用されるエネ
ルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子を有する基
板と、該基板に接合して該基板との間に、前記インクを
吐出するための吐出口と該吐出口に連通すると共に前記
各吐出エネルギ発生素子に対応する位置に形成された複
数の溝とを含むインク流路を構成する天板とを含むイン
クジェットプリントヘッドの製造方法であって、前記複
数の吐出エネルギ発生素子の配置位置とは異なる位置で
あって前記基板に対する前記天板側の接合部に対応する
位置に複数の接合用の発熱体を備えた前記基板を用意
し、該基板の前記接合用の発熱体の位置に前記天板側の
接合部を当接させた状態で前記接合用の発熱体から発生
する熱により前記基板と前記天板とを接合するインクジ
ェットプリントヘッドの製造方法、前記天板と前記基板
との接合の前または後において、前記各接合用の発熱体
を互いに異なる条件で駆動して発熱させるインクジェッ
トプリントヘッドの製造方法、前記天板と前記基板との
接合の前または後において、前記各接合用の発熱体を互
いに異なる駆動タイミングで駆動して発熱させるインク
ジェットプリントヘッドの製造方法、インクを吐出する
ために利用されるエネルギを発生する複数の吐出エネル
ギ発生素子を有する基板と、該基板に接合して該基板と
の間に、前記インクを吐出するための吐出口と該吐出口
に連通すると共に前記各吐出エネルギ発生素子に対応す
る位置に形成された複数の溝とを含むインク流路を構成
する天板とを含むインクジェットプリントヘッドの製造
方法であって、少なくとも接合までは前記基板との接合
方向に対して互いに段差となる2つ以上の面を有する接
合部を設けた前記天板を用意し、該天板側の接合部の2
つ以上の面に対応した発熱体を有する前記基板を用意
し、該基板の接合用の発熱体に前記天板側の接合部を当
接させた状態で前記接合用の発熱体から発生する熱によ
り前記天板側の接合部の2つ以上の面個別に加熱し溶融
して前記基板と前記天板とを接合するインクジェットプ
リントヘッドの製造方法、前記発熱体を互いに異なる駆
動タイミングで駆動することにより、前記基板との接合
部の少なくとも一部を溶融するインクジェットプリント
ヘッドの製造方法、前記天板側の接合部のうち、前記基
板との接合方向に最も凸である部位を最も早く溶融させ
るインクジェットプリントヘッドの製造方法、接合に際
して、前記天板側の溶融すべき接合部位を前記基板の発
熱体上に接触させた状態で当該接触部分を加熱溶融する
インクジェットプリントヘッドの製造方法、上述のイン
クジェットプリントヘッドを用いて被プリント材にイン
クを付与することによりプリントを行うインクジェット
プリント装置。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。なお、本発明の実施の形態におけ
る各構成要素が前述の図面に示された構成要素と同一で
あるときは、同一符号を付し、その部分の説明を省略す
る。
【0034】(実施形態例1)図7は本発明のインクジ
ェットプリントヘッドの一実施態様例を示す斜視図であ
る。図8(a)は図7に示したプリントヘッドの要部と
しての基板を拡大した分解斜視図であり、図8(b)は
図8(a)のX部分の拡大斜視図である。図中、符号2
は例えばシリコン等の基板である。この基板2の上に
は、インクを吐出するための複数のインク吐出口(オリ
フィスともいう)5が形成されたオリフィスプレートを
備えた天板6が載置されている。基板2上には、その一
端縁部にインクを吐出するための熱エネルギを発生する
吐出エネルギ発生体としてのインク吐出用ヒータ1が複
数個、所定間隔をもって配列されている。これらインク
吐出ヒータ1間の基板2上には、やはり所定間隔をもっ
て接合用の溝49が形成されており、その溝49の底面
上には接合用ヒータ50が設けられている。これら溝4
9間は、基板2と天板6との接合に際し、オリフィス5
に連通するインク流路(ノズルともいう)の一部を構成
することになるが、これらインク流路はその後部におい
ては図8に示すように共通液室12に連絡されている。
この共通液室12は図7に示すように天板6の上部から
突出するインク供給部12を介して図示しないインク容
器に接続されている。このような基板2は、熱伝導性の
よい接着剤により放熱板としても機能するアルミニウム
製等のベースプレート24上に載置され、同じくベース
プレート24上に載置された回路基板9上のコンタクト
パッド8等の配線部にボンディングワイヤー11を介し
て接続されている。
【0035】上記基板2の溝49の側壁部9aは図8に
示すようにオーバーハング状または逆テーパー状となっ
ており、溝49の開口面積は底面の面積よりも狭く形成
されている。
【0036】次に、図9および図10を参照して上記基
板2と上記天板6との接合について説明する。
【0037】図9は図7および図8(a)および(b)
に示したプリントヘッドにおける基板と天板との接合方
法を説明するための概略斜視図であり、図10は図9に
示した基板と天板との接合状態を示す概略断面図であ
る。
【0038】天板6はいわゆる溝付天板と呼ばれるもの
で、その下側には、基板2のインク吐出ヒータ8に対応
するインク流路3が複数形成されており、これらインク
流路3は所定間隔をもって形成されたインク流路壁3a
により概略構成されている。インク流路壁3aの下端部
は、基板2に天板6が接合されたときに基板2の溝49
内に嵌入され得る形状およびサイズを有している。
【0039】400g〜1Kg重の力で加圧しながらイ
ンク流路壁3aの下端部が基板2の溝49内に嵌入す
る。この嵌入された状態で、あるいは嵌入される前に予
め、基板2の溝49内の接合用ヒータ50に通電し、こ
れをを駆動する。通電は、パルス通電で行い、例えば電
流200mA、パルス幅10μ秒、周波数5KHzの条
件で20秒通電を行うことにより、実質的に溝49内に
嵌入されたインク流路壁3aの下端部のみが加熱され、
溶融されて、部分的に変形させることができる。上記の
ような通電条件としたのは、例えば1秒間通電し続けた
場合にはヒータ50が断線してしまう結果、インク流路
壁の下端部を溶融させることができず、必要な接合力を
得ることができない。また、このような連続通電に耐え
られる材料に代えた場合には、連続通電しても勿論ヒー
タ50の断線は回避できるが、シリコン基板全体の温度
が上昇してしまうため、インク流路全体が溶融し、その
形状の維持が困難となる。このような理由からパルス通
電により接合用ヒータ50は駆動される。
【0040】このような接合用ヒータ50の加熱により
形成されたインク流路壁3aの下端部の溶融物は溝49
内に充填された状態で冷却されるため、オーバーハング
状に形成された溝壁9aの形状に近い形状で、基板2の
溝49と一体となって固化する。本実施形態例では、こ
の固化部分は接合用ヒータ50の上面に沿う方向に突出
する側方突起3bとなっている。このように溝9内に側
方突起3bが形成され、天板6と基板2とが一体に接合
されることから、インク流路壁3aと基板との間に図6
に示すように隙間Cが形成されることがなく、インク流
路3間のクロストークを確実に防止することができる。
【0041】なお、本実施形態例では、シリコン基板2
上に所定の成膜技術により接合用ヒータ50を形成し、
ヒータ50を含めてシリコン基板2上の全体を被覆する
溝形成層51を形成し、この溝形成層51上からフォト
リソグラフィ技術により接合用ヒータ50の直上部分の
みを除去して溝9を形成する。本実施形態例のように、
溝9の内部をオーバーハング構造とするためには、溝形
成層51の上部と下部との性質を異ならしめておき、下
部側の除去量を大きくし、上部側の除去量を小さく抑え
ておくのが好ましい。また、溝形成層51を積層構造と
して上部と下部の性質を段階的に変化させてゆくことに
より、溝9の内部を逆テーパー構造とすることができ
る。
【0042】また、接合ヒータ50の形成材料として
は、本質的にインク吐出ヒータ1と同様の材料を使用す
ることができる。例えば、HfB2 ,TaN,TaAl
等の薄膜材料の使用が可能である。さらに、溝形成層を
形成する材料としては、例えばSiN,SiO2 等の材
料で形成され、シリコン基板と同一の半導体のウエハー
プロセスで形成される。
【0043】(実施形態例2)図11(a)は本発明の
インクジェットプリントヘッドの他の実施形態例におけ
る要部を示す分解斜視図であり、図11(b)は図11
(a)に示したY部分の拡大斜視図である。図12は図
11(a)および(b)に示したプリントヘッドにおけ
る基板と天板との接合状態を示す概略断面図である。
【0044】本実施形態例におけるプリントヘッドにお
いて、図11(a)に示すように基板2上に一列に配列
されたインク吐出ヒータ1は3つの群に分割されてお
り、各群のヒータ1は共通液室12a、12bおよび1
2cにそれぞれ連通している。各共通液室間には、図1
1(b)に示すように区画溝51が基板2上に形成され
ており、区画溝51の底面には接合用のヒータ52が配
設されている。また、基板2上であって隣接する共通液
室間部53は平坦に形成されており、天板6側の対応部
分には共通液室間部53上に所定の大きさの空隙を設け
るべく凹所54が形成されている。この空隙は接合用の
ヒータ50からの放熱、区画溝51へ嵌入するための天
板6側の接合部位を形成するための構造上の理由、およ
び天板を含めたプリントヘッド全体の軽量化のためであ
る。
【0045】本実施形態例においては、インク吐出ヒー
タ1を含むインク流路を3つの群に分割し、接合面積ま
たは接合距離を大きくとることができることから、全体
に均一な接合力で接合することが可能となり、多数のイ
ンク流路を備えたプリントヘッドであっても、各インク
流路間でのクロストークの発生や各共通液室間でのクロ
ストークの発生を確実に防止することができる。また、
共通液室ごとに接合したことにより、一定の接合強度を
確保できるため、従来のばね部材で天板と基板とを挟む
必要がなくなり、部品点数を削減でき、共通液室間への
樹脂封止の工程を省くことができる。このため、樹脂封
止が不要となるため、共通液室間の間隔を狭くすること
ができ、基板の幅を狭くすることが可能となり、シリコ
ンウエハーからの基板の取り個数を増やすことができる
ため、安価にプリントヘッドを供給することが可能とな
る。
【0046】(実施形態例3)図13〜図16は本発明
のインクジェットプリントヘッドの製造方法の一実施形
態例形態例および装置の接続方法を説明する図であり、
具体的には接着層を用いない溶融接合法による。
【0047】図13はプリンタヘッドの天板と基板との
接合を拡大した概略断面図であり、図14(a)〜
(d)は図13に示した天板と基板との接合方法を工程
順に示した概略断面図であり、図15は接合方法のチャ
ート図であり、図16(a)〜(h)は両接合部の形
状,寸法を変えた場合の接合状態を示す概略断面図であ
る。図13においては半導体工程により形成された接合
ヒータを有する基板の層構造の一例を説明する。
【0048】接合ヒータ107はインク吐出ヒータとほ
ぼ同様に材料としては発熱安定性にすぐれたHfB2
TaxNy等が用いられ、ヒータ107に接続された電
極にはコスト的に安価なAl等が用いられる。接合ヒー
タ107は、インクとの直の接触により腐食することを
防ぐために、SiO2 、SiNなどの絶縁性の保護層1
04で覆われる。保護膜104には電極を電極パッド
(図示せず)に接続するためのスルーホールが設けられ
ている。ヒータ部は、生成されるバブルのキャビテーシ
ョンによる破壊を防ぐためにTaなどの耐キャビテーシ
ョン層105が設けられている。
【0049】接合ヒータ107はノズル壁203が接合
される箇所に各々設けられ、また接合ヒータ両端にはヒ
ータ107に電力を供給する電極が設けられている。
【0050】接合ヒータ107は、電源と各接合ヒータ
間の抵抗値の差が生じないように電極のパターンが予め
設定されている。
【0051】図13はインク吐出口ヒータの配列方向に
沿った面にて本実施形態例の構成を説明する。
【0052】天板はポリサルフォンで形成され、ノズル
壁先端208には突起209が設けられている。ノズル
壁203は43.3〜43.5μmピッチで配列され、
ノズル壁先端208の幅Wn、突起209の幅Wn′は
各々10μm、4μmである。また突起209は略三角
または略台形の断面を有し、Z方向の高さは4μmであ
る。突起209は基板に対して10gf程度の荷重にて
押し付けて接合されることで容易に座屈変形し、ノズル
壁208と基板101の表面を接合する中間材として作
用する。
【0053】ノズル壁203が当接する基板面には、接
合ヒータ107が設けられ、該ヒータ表面はSiO2
らなる保護層104が露出している。天板材料のポリサ
ルフォンとの密着性を考慮すれば、当接面に他の材料、
例えばTa2 5 などの酸化材を露出することも考えら
れる。
【0054】また当接面には特願平06−179116
号に特徴的な凹部110が設けられ、接合ヒータ107
は凹部110内に配置されている。本実施形態例では凹
部110の幅Wsおよび接合ヒータ107の幅Whは、
各々12μm、8μmである。またノズル203の高さ
インクの吐出性能上、Y方向で部分的に異なり、30〜
50μmである。
【0055】特願平06−179116号に記載の凹部
の作用を得るため、および後述するような、溶融したポ
リサルフォンの堤防としての作用を得るために、凹部1
10とノズル壁203は、Ws>Wnなる関係を有する
ことが好ましい。またノズル壁203、突起209、接
合ヒータ107は、図13の断面において、 Wn′<Wh<Wn の式(1)の関係をもつ。
【0056】式(1)による作用を図16(a)〜
(h)により説明する。
【0057】本発明者らの検討によれば、天板の当接部
の樹脂を溶融するために、接合ヒータの駆動によって当
接面およびその近傍のみを局所的に180〜300℃に
加熱することが可能である。具体的には2.4μj/μ
2 /パルス程度の電気エネルギーを接合ヒータに1K
Hz程度の頻度には数百〜数万回程度供給することで、
天板の当接部近傍のみのポリサルフォンを溶融できた。
【0058】図16(a)の構成では、天板と基板との
ノズル配列方向のアライメント精度に余裕をもつ特徴が
あるが、図16(b)に示すようにノズル壁の両側に樹
脂の流れだしが生じ、これがインク吐出ヒータの端部を
覆う危険がある。図16(a)の構成は、特にノズルピ
ッチが35〜45μm以下の場合には、ノズル壁とヒー
タのクリアランスが小さくなるために上記の不具合に対
して不利である。
【0059】また図16(c),(e)の構成では、そ
れぞれ図16(d),(f)に示すようにノズル壁の両
側に溶融が不完全な部分が生じるためにノズル壁先端と
基板との十分な接合力を得ることは困難である。
【0060】これらに対して、図16(g)の構成によ
れば、座屈して接合ヒータ107に接合された突起20
9は接合ヒータ107の加熱領域に含まれるために確実
に溶融できる。また溶融が進行し樹脂がノズル側に流れ
る場合には、図16(h)に示すように接合ヒータ10
7の端とノズル壁先端208の端との間のスペースが樹
脂の冷却領域として作用するために樹脂は急速に固化
し、ノズル202内に流れだすことはない。ゆえに、図
16(g)の式(1)の構成は65μm以下程度のノズ
ルピッチが小さい場合に特に有効である。
【0061】次に図13に示した構成による天板接合の
工程を図14(a)〜(d)および図15を参照して説
明する。
【0062】天板と基板は所定の位置関係にアライメン
トされ仮接合される(図14(a))。この後、天板の
Z方向より荷重を作用し、ノズル壁先端208と基板1
01を圧接する(図14(b))。この工程により、突
起209は基板との間で座屈変形する。これにより天板
のソリにより生じる個々のノズル壁と基板との隙間をな
くし、ノズル壁は一様に基板に圧接されると同時に、溶
着すべきノズル壁203と発熱源である基板とが分断さ
れることにより両者の間に断熱層が生じることはない。
【0063】圧接後、接合ヒータ107を駆動しポリサ
ルフォンを溶融し(図14(c))、被溶融物により天
板の接合部と基板表面の間を実質的に充填し、ノズル壁
203と基板との接着を完了する。天板の接合部と基板
表面の間を樹脂で充填することは、ヒータ107の加熱
域外にはみでた被溶融樹脂を冷却するとともに、加熱終
了後のノズル壁と基板との接合強度を高めるために好ま
しい状態である。また、発熱材の膜厚バラツキ等で、接
合ヒータが局所的に過加熱となるために樹脂の冷却が十
分でない場合でも、図13の構成では、凹部のエッジで
溶融樹脂の流れ出しを停止させることができる。
【0064】圧接に用いた荷重は接着工程の後に一旦あ
るいは完全に除去してもよいが、熱インクジェットヘッ
ドの周知の構成にみられる押えバネの組み込みを図15
の荷重段階で行うことも考えられる。
【0065】また接合ヒータの駆動に伴う天板の当接部
の溶融により天板が基板側に沈降することも考えられる
が、これにより圧接力が大幅に変化しないように荷重を
制御してもよい。
【0066】(実施形態例4)図17は本発明のインク
ジェットプリントヘッドの製造方法の他の実施形態例を
示す概略断面図である。
【0067】本実施形態例では、ノズル壁先端208の
突起209が図17に示すようにオリフィスプレート2
06に形成されたオリフィス204の近傍まで延在され
ておらず、突起209に対応する基板101側の接合ヒ
ータ107も突起209と同様にオリフィス204の近
傍まで延在されていない点に特徴がある。
【0068】本実施形態例によれば、接合ヒータ107
の加熱により溶融した樹脂が万一基板に沿って流れ始め
ても、液室やオリフィスに至る前の接合ヒータ107が
配列されていない箇所において急速に固化させることが
でき、この結果、流動固化物がインク流路(ノズル)2
02の内部構造に影響を与えることがなく、記録時のイ
ンクの流れを阻害することはない。
【0069】(実施形態例5)図18は本発明のインク
ジェットプリントヘッドの製造方法の他の実施形態例を
示す概略断面図であり、図19は図18に示した製造方
法における接合方法のチャート図である。
【0070】本実施形態例では、天板接合に際して基板
と天板の当接部に接着層を用いる点に特徴がある。
【0071】図18は吐出用ヒータ102の配列方向に
沿った面にて本実施形態例の構成を説明するものであ
り、接着層109の幅Wa、接合ヒータ107の幅Wh
は、 Wa<Wh の式(2)を満たすように構成されている。接着層10
9は天板と同材料であるポリサルフォンを溶剤により溶
解し、基板101上に所定の厚さの薄膜として設けた
後、パターニングした。
【0072】図18においては、ノズル壁203は4
3.3μmピッチで配列されWn、Wa、Whは各々1
0μm、3μm、7μmである。
【0073】本実施形態例の寸法関係では、接着層のポ
リサルフォン全体を溶融するためには、接着層109の
厚さは好ましくは5μm以下、より好適には2〜4μm
である。
【0074】接着層を設けることにより、天板と基板と
の結合の他に、天板のZ方向のソリを吸収するための緩
衝層としても機能させることが可能である。このため、
接着層の材料は、上記の目的に沿うものであれば、天板
の当接部と同種の材料に限定する必要はなく、また熱可
塑性材料に限定する必要もない。
【0075】図19は本実施形態例の構成での天板接合
の工程である。本実施形態例を図15に示した先の実施
形態例に比べて特徴的な点は、仮接合の前に予め接着層
を加熱し軟化/溶融させる点である。これは上記の接着
層109の2つの機能をより有効に作用させる工夫であ
る。
【0076】式(2)を満足する本実施形態例の構成に
よれば、仮接合によりノズル壁先端208と基板表面の
間に介在する接着層109は、その全てが接合ヒータ1
07の加熱領域の上に含まれるために接合ヒータの発熱
によって確実に溶融される。また接着層109を構成す
るポリサルフォンの溶融が進行しノズル側に流れる場合
には、接続ヒータ107の端とノズル壁先端208の端
との間のスペースが樹脂の冷却領域として作用するため
に樹脂は急速に固化し、記録時にノズル202内のイン
クの流れやバブル生成を阻害することはない。
【0077】(実施形態例6)図20は本発明のインク
ジェットプリントヘッドの製造方法の他の実施形態例を
示す概略断面図である。
【0078】本実施形態例ではノズル壁先端208に複
数の突起209を有するとともに、基板の接合ヒータ1
07の真上には接着層109が設けられている点に特徴
がある。図20の構成では、2つの突起は実施形態例3
で述べた作用の他に接着層と接する見掛けの表面積を増
加する作用をする。
【0079】図20においては、接合ヒータ107によ
り接着層109および/または突起209が加熱により
溶融されることが必要である。ゆえに、接合ヒータ10
7に対する突起の幅は、図中のWn′で表される突起の
両外側端の間隔とすればよい。また既に述べた式
(1),(2)の思想に照らせば、Wa、Wn′、W
n、Whの関係は、図20の構成のように、 min(Wa、Wn′)<Wh<Wn の式(3)とすればよい。
【0080】(実施形態例7)図21は本発明のインク
ジェットプリントヘッドの他の実施形態例を示す概略平
面図であり、図22は図21に示したプリントヘッドに
おける電極間の構成を示す拡大平面図である。
【0081】本実施形態例では、天板と基板とを接着層
を用いずに溶融接合する点に特徴がある。
【0082】図21および図22では、図の理解を容易
とするために滴形成のためのヒータおよび該ヒータの電
極の記載は省略した。図22は図21の電極108,1
08c付近の拡大図である。
【0083】本実施形態例のインクジェットヘッドの基
板101に設けられる接合ヒータ107は、両端の電極
間で、電流方向に直交する方向のヒータ幅Whが実質的
に一定である。また各々の接合ヒータは共通の電極10
8cに接続されるが、各接合ヒータ間で電源と接合ヒー
タ間の抵抗値の差が生じないように電極のパターンが予
め設定されている。天板はポリサルフォンにて形成され
ている。
【0084】本実施形態例の特徴として、発熱材の膜厚
は接合ヒータ上にて実質的に均一であり、また接合ヒー
タ端における電極幅Ws、Wcは、ともにヒータ材の幅
Wh以下の大きさであり、Ws=Wcである。
【0085】本実施形態例の構成によれば、発熱材のシ
ート抵抗は接合ヒータ上にて実質的に均一であり、また
接合ヒータ107の発熱材上で電流密度が局所的に大き
くなる箇所は生じない。一方、接合ヒータ107のX方
向の両端では電流密度が他の部分より小さいが、これら
の箇所では発熱量も比較的小さく、天板接合工程への影
響は小さい。すなわち、接合ヒータ107の物理的な大
きさに対して、熱的な意味での実質的なヒータ部分は、
長さ(電流方向)Lh、幅(Y方向)Wh′=Wc=W
sの領域(以下、実ヒータ領域)である。該領域では電
流密度はほぼ均一であり、ゆえに、接合ヒータ107へ
の通電時にヒータ107表面上に温度が他の部分より極
端に高くなる箇所、いわゆるヒートスポットが生じな
い。これにより、図21および22の構成の接合ヒータ
では、当接されるノズル壁の先端部208を均一に加熱
溶融することができる。
【0086】次に図23〜図25を参照して天板接合の
工程を具体的に説明する。図23は本発明のインクジェ
ットプリントヘッドの製造方法の他の実施形態例を説明
するためのチャート図であり、図24(a)〜(d)は
図23に示した製造方法における接合方法を示す概略断
面図であり、図25は図24に示したプリントヘッドの
要部としての実ヒータ領域を示す概略断面図である。天
板と基板を所定の位置関係にアライメントすることで先
端部208は基板の実ヒータ領域上に置かれる。図1の
F部分に対応する部分である実ヒータ領域に対応するノ
ズル壁203の先端部分は、図25に記載のように、天
板の基板に対面する他の部分よりもZマイナス方向に肉
盛りされた形状207を有する。これは、後述するよう
に接合ヒータの発熱による溶融代である。溶融代207
の大きさΔZは、天板の基板に対する接合面のZ方向ソ
リを補正する程度の大きさを有することが好ましいが、
実用的な天板接合を行うためには、通常10μm以下で
ある。
【0087】次に、接合ヒータに通電しヒータ107に
表面をプレ加熱し(図24(a)参照)、天板を基板に
荷重により圧着する(図24(b)参照)。この時点で
は、荷重は天板のソリを矯正して各々の先端部208な
どの天板の接合部を基板に隙間無く接触させる作用をす
る。天板の圧着後、天板の接合部近傍が溶融されて基板
と接置され、かつ前記接合部以外の箇所は溶融変形しな
い(図24(c)参照)時刻まで接合ヒータ107を駆
動する。接合ヒータの駆動条件は、ヒータ表面温度の最
大値が、ポリサルフォンのガラス転移点温度以上になる
ように設定する必要がある。また同一の基板内の複数の
接合ヒータの駆動は、複数のノズル壁の溶融のタイミン
グに著しい時間差が生じないように行うことが好まし
く、全ヒータを同時駆動することが特に好ましい。発明
者らの検討では、1パルスの印加によりヒータ107の
最大表面温度が約350℃以上となるようなパルス駆動
を1〜5KHzにて約30〜60sec間行なうことで
天板の所望の箇所のみが溶融する比較的良好な結果を得
た。
【0088】ヒータ107の駆動停止により、基板およ
び天板を冷却し(図24(d)参照)、冷却工程の終了
後天板と基板を圧着する荷重を解放する。冷却時間中に
天板と基板の圧着荷重を続けるのは、ポリサルフォンの
冷却収縮による接合部の剥離を防止するためである。
【0089】以上の工程により、天板の先端部208は
基板の接合ヒータ107の表面に隙間無く接合される。
この後、天板接合の信頼性を高めるために、接合部の周
囲をシリコン系のシーラントで封止する。
【0090】以上によって、隣接するノズル間のリーク
のない信頼性の高い接合が達成される。
【0091】溶融代207の突起形状は本出願にかかる
発明の構成として必須の要件ではないが、突起形状の併
用により。溶融に伴う工程の制御が比較的容易である。
また、液室枠の部分にノズル部の接合部位と同様の構成
を各々天板、基板に設けてもよい。
【0092】半導体プロセスで接合ヒータを構成する場
合は、より好ましくは電極と発熱材のパターンのずれを
考慮し、Wc、Wsは(Wh−工程におけるアライメン
ト精度)以下の値であればよい。
【0093】(実施形態例8)図26は本発明のインク
ジェットプリントヘッドの他の実施形態例における接合
ヒータの構成を示す概略平面図である。
【0094】本実施形態例については、図26に示すよ
うに電流方向に直交する向きの接合ヒータ幅が電流方向
に変化する形状の場合には、該ヒータ幅の最小値Whm
inよりも電極の幅を小さく設定すればよい。具体的な
例として、図26の形態ではWc、WsはともにWhm
in以下の大きさである。好ましくはWc=Wsであ
る。
【0095】(実施形態例9)図27は本発明のインク
ジェットプリントヘッドの他の実施形態例を示す概略断
面図であり、図28(a),(c)は図27に示したプ
リントヘッドにおける天板と基板との接合方法で説明す
るための概略断面図であり、図28(b)は接合ヒータ
上の温度分布を示すグラフである。具体的には天板と当
接部を溶融するための熱をノズル壁の先端部に十分に伝
えるための、先端部208と接合ヒータ107の寸法関
係を規定する。
【0096】図27では接合ヒータ107の幅Whは電
極108の幅より小さいため、ヒータ幅Whは実ヒータ
領域の幅と実質的に等しい。
【0097】本発明者らの検討によれば、先端部208
全面を基板に直に接合する場合、接合ヒータ107の幅
Wnを先端部208の幅Wn以下とすることは好ましく
ない。例えば、Wh=Wh′(実ヒータ領域の幅)=W
nなるヒータ107を設け、その表面にノズル壁203
を密着させた(図28(a))とき、ヒータ107の発
熱によるヒータ107表面の温度分布は図28(b)の
形態であった。すなわちヒータ107の両端では温度が
低い部分が存在する。最高温度Tmaxは投入電力によ
り変化するが、基板の保護層104がSiを主成分とす
るSiO2 、SiNなどを材料による5μm程度以下の
厚さのとき、Whが数十μm以下の大きさであるなら
ば、Δxはほぼ2〜5μm程度発生する。このため、先
端部208の両端は他の部分に比べ溶融しにくく、均一
な接合が困難である。ゆえに実用的なインクジェットヘ
ッドでは、少なくとも好ましいアライメント状態で先端
部208が接合ヒータ107の低温部に当接しない寸法
関係Wh>Wnが必要である。図28(b)によれば、
具体的にはWh≧Wn+2×Δx=Wn+4μmであ
る。より好ましくはWh≧Wn+6μmである。
【0098】本実施形態例では、上記のヒータ面107
の温度特性に鑑みて、図27および28のように先端部
208の幅Wnを、Wh−4μmとすることで前記先端
部208がヒータ107から均一に熱を供給されるよう
にした。
【0099】本実施形態例の構成では、天板の当接部に
温度が比較的高いヒータ面の箇所が接合されるため、信
頼性の高い接合が可能であり、またそのための熱効率も
よい。
【0100】上記の例では、ノズル壁203とヒータ1
07の各々の中心軸が実質的に同位置にあるように両者
がアライメントされる必要がある。両者のアライメント
の誤差を考慮するならば、Whは、Wh≧Wn+4μm
+(アライメント誤差)、となるように設定し、ノズル
壁の先端側がヒータ107両端の低温領域に当接しない
ように考慮する必要がある。
【0101】また図21のように実ヒータ領域の幅W
h′が幾何的な接合ヒータ幅以下となる場合は、上記の
WhをWh′に置き換えた寸法関係が必要である。
【0102】(実施形態例10)図29(a)および
(b)は、本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例を示す概略断面図であり、天板
の当接部形状が特開平4−250048号に開示される
接合信頼性向上のための突起形状を有する場合の接合ヒ
ータ107に好適な寸法を示している。
【0103】すなわち基板と当接すべきノズル壁203
の先端部に図29(a)および(b)に示すような突起
を設ける場合、図29(a)の形態では、突起209の
X方向の幅Wn′に対して、ヒータ107幅Whを、
(Wn′+4μm)以上とすればよい。また図29
(b)のように突起209が複数設けられる形態では、
両端の突起209の幅Wn″に対して、ヒータ107幅
Whを(Wn″+4μm)以上とすればよい。
【0104】(実施形態例11)図30は、本発明のイ
ンクジェットプリントヘッドの他の実施形態例における
接合ヒータを拡大した概略平面図であり、天板接合に際
して基板と天板の当接部に接着層を設ける例である。
【0105】本実施形態例では、熱可塑性樹脂であるポ
リサルフォンで形成された天板に対して、接着層は接合
ヒータ107上にポリサルフォンを1〜4μm程度の薄
膜としてパターン形成される。ノズル壁先端の溶融変形
か不均一に進行して基板に対して天板が傾斜等する不都
合を防止するためには、接着層を設けるべき接合ヒータ
面上にはヒートスポットを生じないことが必要である。
またノズル壁の先端部208の幅Wnが接合ヒータ10
7の実ヒータ領域の幅以上の寸法である場合は、実ヒー
タ領域内に接着層を設けること、すなわち図28(b)
で示した接合ヒータの端部の低温領域に接着層を設けな
いことが好ましい。なぜならば、接着層が実ヒータ領域
内外にまたがって設けられた場合、接合ヒータ駆動時に
実ヒータ領域外の接着層が溶融あるいは軟化せずに残
り、未軟化部がスペーサの役割となり、天板と基板との
接合の障害になる危険があるからである。
【0106】接着層109はヒータ107の周端部の低
温領域にかからないように、ヒータ107の端部からΔ
X以上離れたヒータ107の内側にパターニングされ
る。実ヒータ領域の幅が幾何的にヒータ幅より小さい場
合は、実ヒータ領域の端部からΔX以上離れたヒータ内
側にパターニングすることが好ましい。
【0107】実用的なインクジェットヘッドでは、ΔX
は2μm以上必要である。
【0108】また、本実施形態例では、接着層109と
接合ヒータ107の端部の距離を4μmとするととも
に、電極108とヒータ107面のステップ段差を考慮
し、Y方向においても接着層109と電極108,10
8cの間にΔY=2μmの隙間を設けた。
【0109】本実施形態例の構成によれば、接着層10
9の接合ヒータ107の比較的高温かつ温度の一様な部
分に設けられるので、接着層を均一に溶融することがで
きる。
【0110】本実施形態例では、接着層がヒータ107
の実ヒータ領域に対応して設けられ、接着層全体を確実
かつ同時に溶融軟化できるため、ノズル壁の先端部の幅
WnとWhの寸法の大小とは無関係に、天板と基板の当
接部の密着が可能である。
【0111】また本実施形態例のごとき接着層と接合ヒ
ータの寸法関係であれば、接合ヒータ上の接着層全体を
均一に加熱することが可能であるため、接着層の材料
は、熱硬化性樹脂など、熱反応性の他の材料であっても
よい。
【0112】(実施形態例12)図35(a)および
(b)はそれぞれ本発明のインクジェットプリントヘッ
ドの他の実施形態例における接合ヒータの構成を示す概
略平面図である。図35(a)の形状の接合ヒータ10
7は、電極間のヒータ幅は一定であるが、ヒータ107
が湾曲する内側部分110にて電流集中が発生し、ヒー
トスポット111が形成される場合がある。本発明者ら
の検討によれば、固状態の接着層下にヒータスポットが
発生すると、ヒータスポット付近の接着層のみが急速に
溶融し、ヒートスポット部に気泡が発生する場合があ
る。
【0113】この結果、接着層は気泡により膜状に接合
ヒータから剥離し、かえって接着層への熱伝導が阻害さ
れてしまう問題があった。ゆえに接着層109のパター
ニングの際には、内側部分110付近に接着層109を
設けない。また図35(a)の構成では、湾曲部の外側
付近は低温領域となる場合があり、該外側付近の接着層
を除去することも考えられる。これによって、接合ヒー
タの発熱領域に対応する接着層の材料を効率的かつ一様
に溶融できる。
【0114】電流方向に幅が変わる図35(b)の形状
の接合ヒータは、電流密度が最大となる最も狭い箇所と
その周囲には接着層を設けないことが考えられる。
【0115】(実施形態例13)図36(a)および
(b)は本発明のインクジェットプリントヘッドの他の
実施形態例における接合ヒータの構成を示す概略平面図
であって、(a)はエキシマレーザー照射前、(b)は
照射後の状態を示している。
【0116】本実施形態例は、接合ヒータ上に好ましく
ない欠陥が存在するとき、天板接合に先立ち該欠陥上の
接着層を除去する点に特徴がある。
【0117】半導体工程において接合ヒータを作る場合
には、基板に付着するゴミ等により偶発的にパターン欠
けなどのヒータ欠陥が生じる可能性がある。ヒータ欠陥
箇所は接合ヒータの発熱が所定の状態でない場合がある
ため、該欠陥箇所の接着層を予め除去することが好まし
い。
【0118】本実施形態例では、図36(a)のように
接着層の所定のパターニングまでは図33の工程フロー
に従う。
【0119】天板の圧着に先立つ検査によりヒータ欠陥
が発見された場合は。接着層のパターニング後にスポッ
ト状エキシマレーザーをヒータ欠陥部を覆う接着層に照
射して除去する(図36(b)参照)。
【0120】マルチノズル型のインクジェットヘッドで
は、上記の工程のよりノズル壁ごとに先端部の接合強度
にムラが生じる可能性もあるが、通常ヒータ欠陥は偶発
的かつ局所的に発生するため、ヒータ欠陥の有無による
天板の接合強度の実質的な低下はほとんど無い。
【0121】(実施形態例14)図31は、本発明のイ
ンクジェットプリントヘッドの他の実施形態例における
接合ヒータを拡大した概略平面図であり、図32(a)
および(b)は図31の変形例を示す概略平面図であ
り、図33は図31のプリントヘッドの製造方法におけ
る接合方法のチャート図である。
【0122】本実施形態例では、また天板および接着層
の主な材料はポリサルフォンである。
【0123】図31は接合ヒータは、実質的に均一な膜
厚の発熱材により構成されるが、その形状は、電流方向
に直交する方向の電極108の幅が発熱材の幅より大き
いため、発熱材の幅が絞られた位置で電流密度が極大と
なる地点が存在し、ヒートスポットが形成される場合が
ある。
【0124】一方で、図31の電極形態では、有効なヒ
ータ幅を広くとれ、より高密度にノズル202を配置す
るインクジェットでは、スペース効率の面で利点があ
る。また発熱材の膜厚が局部的に小さい場合は、その箇
所および周辺がヒートスポットになる可能性がある。
【0125】本実施形態例の構成によれば、接合ヒータ
107の電流方向の両端の電極108,108c付近で
は、図32(a)のように、接着層109を接合ヒータ
107の表面に設けない。これは、接着層をヒートスポ
ット上に設けないためである。ヒートスポット111の
位置は、上記の電流密度が極大になる点を算出すること
で容易に推定される。ヒートスポットがヒータ面積に対
して小さいと予想される場合には、図32(b)のよう
な形態も考えられる。
【0126】また本実施形態例では電極108から離れ
た接合ヒータ107の中央付近に等間隔で接着層の除去
パターン112を設けている。これは接合ヒータ107
上の膜欠陥が存在する場合に、該欠陥箇所にてヒートス
ポットが生じることになり、接着層と接合ヒータの界面
が剥離する力を緩和するための構造である。除去パター
ン112を等間隔に並べたのは、上記の膜欠陥がランダ
ムに生じるためであり、除去パターンが必ずしも同形
状、等間隔に設ける構成に限定する必要はない。さらに
図中X方向には、接着層109の幅Wa、接合ヒータ1
07の幅Wh、ノズル壁の先端の幅Wnは式(5)を満
たすことにより、良好な接合可能である。後述する理由
により、好ましくはWn≦Wh−4μmである。
【0127】次に、図33および図34(a)〜(e)
を参照して本実施形態例の特徴的な構成、および天板接
合の工程の手順について説明する。
【0128】基板の構成としては、接合ヒータ表面はS
i酸化物あるいはTa酸化物が露出することが接着層の
基板密着性の点から好ましい。本実施形態例では保護層
104はSiO2 で構成され、この上で溶剤で溶かした
ポリサルフォンをスピンコートで数μm以下の厚さに塗
布する(図34(a)参照)、接着層109の硬化後、
基板上に接着層を残す部分のみを覆うようにレジストを
パターニングしてのせ、アッシングなどの工程により、
接合ヒータのヒートスポット部など基板上に残さない部
分の接着層を除去する。レジストを洗浄することで接合
ヒータの所望の箇所のみに接着層を形成できる(図34
(b)参照)。不要な箇所の接着層を除去する手段とし
ては、エキシマレーザー照射も考えられる。
【0129】天板接合に際しては、まず接合ヒータを駆
動し、接合ヒータ107上の接着層109を溶融する。
これにより接着層109の所定の部分を溶融した後、天
板のノズル壁203の先端部208を接着層109を通
して基板に圧接する。
【0130】接着層の有無にかかわらず、接合ヒータな
どの熱源に接する接着層、あるいは熱可塑性の天板の当
接部を溶融するためには、溶融に十分にエネルギーを
0.1〜10ms程度の短パルスを数KHz以下の周期
で繰り返し印加することで供給することが好ましい。直
流での連続通電では、ヒータ107で発生した熱が一度
接着層や天板に伝わり、極端な場合は、接着層の周囲の
基板上に飛散や天板のノズル壁全体の溶融変形の危険が
ある。
【0131】薄膜工程にて形成された図31の構造のヒ
ータに通電するとヒータのほぼ全面が発熱するが、図3
4(c)のヒータの端部の微小な領域Δxは温度勾配が
生じる部分であり、この領域では接着層を加熱するため
の十分な熱量は接着層に伝えることができない。ゆえに
接着層109の、上記の低温領域に対応する部分および
その外側では、ポリサルフォンを溶融しない状態で残す
ような加熱状態を選ぶことが容易にできる。
【0132】本発明者等の検討によれば、具体的には基
板の保護層104がSiを主成分とするSiO2 ,Si
Nなどを材料による5μm程度以下の厚さのとき、Wh
が数十μm以下の大きさであるならば、Δxはほぼ2〜
5μm程度発生する。ゆえに上記の膜構成では、十分な
機能を得るため接合ヒータ107の幅Whは、通常、好
ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上の大
きさとすればよい。
【0133】本発明者らの検討によれば、接着層のポリ
サルフォン厚さが2〜4μm程度の場合、0.7mj/
μm2 のエネルギーを印加したところ、ヒータ107の
周囲2μm程度より外側のポリサルフォンが溶融しなか
ったが、それ以外のヒータ領域に対応するポリサルフォ
ンは接合に十分に溶融状態となった。
【0134】本実施形態例では、上記の低温領域より外
側の未溶融の接着層を、溶融部の接着層材料の堤防部材
として積極的に用いる。これにより、天接時に溶融した
接着層のポリサルフォンが、基板のX方向において接合
ヒータ107に隣接するヒータ102上の一部を覆うこ
ともない。
【0135】すなわち、溶融した接着層材料の流れだし
を防止し、かつ図34(e)のように、同時に天板のノ
ズル壁の先端部208を溶融した接着層上に当接するた
めには、図34(d)に示すように Wa>Wh>Wn の式(5)の寸法関係が必要である。
【0136】既に述べた本発明者等の検討の結果によれ
ば、より好ましくは、上記の関係式において、Wh≧W
n+2×ΔX=Wn+4μmである。
【0137】以上の手順により天板と基板は接合され、
接合ヒータの駆動を停止することで天板接合の工程を終
了する。より好ましい接合状態では、全てのノズル壁が
図34(e)のように接合されるが、天板にZ方向のソ
リが存在する場合は、ノズル壁203の先端部と基板の
接合ヒータ107表面との間に接着材料の薄層が介在す
ることも考えられる。
【0138】本実施形態例においては、接合ヒータを含
む基板上に接着層を形成し接合前に接合ヒータ上の一部
の接着層を除去することにより接合ヒータ上の一部に接
着層を設けない構成を採用しているが、各々単独に用い
ても各発明の効果を得ることができる。
【0139】本実施形態例では接着層の材料として熱可
塑性の材料を用いたが、熱硬化性の材料を用いることも
考えられる。接合ヒータ上の接着層の一部を除去する場
合は、熱可塑性材料を用いることが好ましい。
【0140】また、接着層を下敷きしない接合部におい
ては、接合の信頼性向上のために、特開平4−2500
4に記載の特徴的な構造を用いることも考えられる。
【0141】(実施形態例15)図37は本発明のイン
クジェットプリントヘッドの製造方法の他の実施形態例
を示す概略断面図であり、図38(a)〜(e)は図3
7に示したプリントヘッドにおける接合方法を示す概略
断面図であり、図39は図38(a)〜(e)のチャー
ト図である。図40は本実施形態例における接合ヒータ
に関連した回路図である。
【0142】本実施形態例では、接着層を用いない溶融
接合を用いている。
【0143】図37は、液滴を吐出するためのノズルの
ための溝の列(以下、ノズル溝列)212の両側にダミ
ーノズルを形成するための溝の列(以下、ダミーノズル
溝列)213を有する天板における例である。ノズル壁
203、ダミーノズル壁203′ともに、先端には天板
と基板との初期的な密度を確実にするための突起20
9,209′を有する。突起209,209′は後述す
る天板と基板との仮接合のためのZ下向きの荷重によっ
て、接合ヒータ107とノズル壁先端208,208′
の間で容易に座屈変形するように予め設けられている。
【0144】安定な滴形成のために確実な接合に必要な
ノズルアレイにおいては、ノズル溝列212のノズル壁
203のノズル壁先端208とダミーノズル溝列212
のノズル壁203′のノズル壁先端208′は前者の方
が接合の方向に対して凸である。これは天板自体にZ方
向のソリ変形が存在する場合にも、ノズル溝列212の
ノズル壁203が確実に基板に当接するための工夫であ
る。またダミーノズル溝列213は液室枠210に対し
て接合方向にさらに凸である。
【0145】またノズル壁203とノズル壁203′の
先端部は、図37の断面にて略合同な形状を有する。
【0146】本実施形態例においては、ノズル壁600
dpi密度で配置され、ノズル壁先端の幅、ノズル壁高
さは各々8μm、25〜45μmである。ノズル壁高さ
は、後述する溶融によるノズル壁の沈降量を考慮し滴形
成に好適な形状に対して予め大きく形成することも考え
られる。
【0147】またノズル壁203の凸の大きさはΔZ
1、突起209および209′のZ方向高さΔhは、約
4μm、6μmと設定した。液室枠210の面はノズル
壁203′よりさらに反結合側にあり、液室枠からみた
ノズル壁203、基板側への凸の大きさΔZ2は約8μ
mである。
【0148】本実施形態例の構成としての、 ΔZ1<(突起高さ) によれば、接合ヒータ107の駆動によりノズル壁20
3が基板に実質的に接着するように天板がZ方向に沈降
した際に、同時にノズル壁203′が突起209′を挟
んで基板の接合ヒータ107′の面と当接することがで
きる。
【0149】また本実施形態例の特徴的な他の構成とし
て、各ノズル壁203,203′に対応して、基板上に
は接合ヒータ107,107′が設けられ、ノズル溝列
212に対応する各々の接合ヒータ107は並列回路に
より各セグメントの抵抗が等しくなるように接続され
る。これに対して、ダミーノズル溝列213に対応する
接合ヒータ107′は、接合ヒータ107とは電気的に
独立に駆動可能な並列回路によって接続されている(図
40参照)。この結果、接合ヒータ107群と接合ヒー
タ107′群とは、発熱のための投入エネルギー、駆動
タイミングを相違させて選ぶことが可能である。
【0150】次に、溶融により接合すべき面に段差を有
する図37の構成の天板接合の手順について図38
(a)〜(e)および図39により説明する。
【0151】天板と基板は所定の位置関係にアライメン
トされ仮接合される(図38(a)参照)。この後、天
板にZ方向より荷重を作用し、ノズル壁先端208と基
板101を圧接する(図38(b)参照)。この工程に
より、突起209は基板との間で座屈変形する。これに
よりノズル溝列212においては、天板のソリにより生
じる個々のノズル壁と基板との隙間をなくし、ノズル壁
203は一様に基板に圧接されると同時に、溶着すべき
ノズル壁203と発熱源である基板とが分断されること
により両者の間に断熱層が生じることはない。
【0152】圧接後、接合ヒータ107を駆動しポリサ
ルフォンを溶融し(図38(c)参照)、被溶融物によ
り天板の接合部と基板表面の間を実質的に充填し、ノズ
ル壁203と基板との接着の主要な段階を終了する。天
板の当接部のみを加熱し、天板全体を溶融してしまうこ
とを防ぐために、接合ヒータの駆動は直流の印加よりも
パルス状の断続電流を1Hz〜10KHz程度の繰り返
しで印加することが好ましい。
【0153】このときノズル壁203′は変形した突起
209′を挟んで基板と当接される。この段階で接合ヒ
ータ107′を駆動し、ノズル壁先端209′の加熱溶
融を開始する(図38(d)参照)。これと前後してノ
ズル壁203の過剰な加熱を避けるために接合ヒータ1
07の駆動を停止する。ヒータ107の駆動停止ととも
に、接合ヒータ107の表面は基板方向および天板本体
への放熱により急激に冷却される。
【0154】ノズル壁先端209′の溶融に伴う天板の
沈降時にはノズル壁203も更に基板に対して押し付け
られるため、接合ヒータ107の駆動停止の後にヒータ
107′を駆動する場合には、ノズル壁先端209の樹
脂が固化する前に沈降を再開することが好ましい。基板
101のベース材が1mm厚以下の結晶シリコンである
場合、接合ヒータ107の停止と接合ヒータ107′の
駆動の間の遅延時間は、好ましくは1sec以下であ
り、より好ましくは100msec以下である。
【0155】接合ヒータ107′の駆動によりダミー溝
列213においてもノズル壁203′と基板との接合が
溝列213と同様に終了する(図38(e)参照)。
【0156】圧接に用いた荷重は接着工程の後に一旦あ
るいは完全に除去してもよいが、熱インクジェットヘッ
ドの周知の構成にみられる押えバネの組み込みを図39
の荷重段階で行うことも考えられる。
【0157】以上の構成によれば、ノズル壁先端20
8′および突起209′の加熱工程の際にすでに溶融に
より基板と接合されたノズル壁203に対応する接合ヒ
ータ107の駆動を停止することでも段差を有する面毎
に必要な箇所のみを必要なタイミングで加熱することが
可能であり、過剰な加熱によるノズル溝列212の接合
の信頼性や強度の劣化を防止することができる。また過
剰なエネルギー投入によって生じる排熱を低減すること
は工程の省エネルギーの観点からも重要である。また接
合ヒータ107群と107′群を同時に駆動しないた
め、接合装置の電気的な負荷が小さく、接合装置のコス
トを低くすることができる。
【0158】なお、接合ヒータ107群と接合ヒータ1
07′群とを互いに異なる条件にて駆動をさせるための
構成保として、両者の共通のダイオードマトリックス回
路、シフトレジスターなどに接続し、入力信号の組み合
せにより両者の駆動条件、駆動タイミングを相違させる
等の方法を用いてもよい。また接合ヒータの駆動回路を
滴形成のためのヒータ102の回路に組み込むことも考
えられる。
【0159】また、本実施形態例では、ダミーノズルで
はないノズルの形成に使用する接合ヒータ107は全て
並列回路として接続し同時かつ同じ投入エネルギー条件
で駆動する方法を示したが、ノズル壁の形状、位置等に
鑑み、所定のブロックに分割し該ブロック毎の遅延およ
び/または異なる印加条件による駆動が可能な回路構成
にすることも考えられる。また個々の接合ヒータ毎に異
なる駆動をしてもよい。
【0160】(実施形態例16)実施形態例15では接
着層を用いない構成を示したが、ノズル壁先端など特に
高い接合信頼性を求められる箇所や、あるいは接合ヒー
タの駆動時に負荷する荷重によって矯正仕切れない程度
のZ方向のソリ変形を天板が有する場合には、基板およ
び/または天板の当接部に熱可塑性の材料からなる接着
層を設け、より好ましくは接合ヒータの表面上の接合ヒ
ータの有効範囲内に接着層を設け、該接着層の真下の接
合ヒータを加熱工程の最初に駆動開始し、前記接着層が
軟化した時刻に天板を仮接合以降の工程を行うことも考
えられる。
【0161】上記の手順によれば、接着層自体の厚みに
より生じる天板と基板との接合面の段差を補正するため
の精密な補正を天板の形状に行う必要はなく、比較的簡
単に良好な天板接合を行うことができる。
【0162】(実施形態例17)図41は本発明のイン
クジェットプリントヘッドの他の実施形態例における接
合ヒータの構成を示す概略平面図であり、図42は図4
1に示したプリントヘッドの概略断面図である。本実施
形態例において、ポリサルフォンで形成された天板のノ
ズルアレイを基板の接合面との間で自立的な接着力を発
生して密着する際に、より大きな接合強度を得るための
構成である。
【0163】図41ではポリサルフォンとの間で実用的
な接着強度を発生するために、基板の当接面は保護層1
04のSiO2 を露出している。また耐キャビテーショ
ン層105を構成するTaを局部的に酸化処理したTa
2 5 を当接面上に配置してもよい、ノズルピッチはノ
ズルアレイ全域で600dpiである。
【0164】本実施形態例の特徴として、ノズル溝列2
12の両側に配置されたダミーノズル溝列213におい
ては、ノズル壁先端209′の幅Wn′がノズル溝列2
12のノズル壁先端209の幅Wnより大きく構成され
ている。具体的にはWn、Wn′は各々8μm,12μ
mである。構成をより簡略化するためにノズル溝列21
2とダミーノズル溝列213とはZ方向の段差を持たな
い。
【0165】また各ノズル壁に対応する接合ヒータ10
7,107′のX方向幅Wh,Wh′は各々6μm,1
2μmである。またヒータ107とヒータ107′は駆
動のタイミングを含めた互いに異なる条件にて駆動が可
能なように回路設定(図40参照)がなされている。
【0166】図41の天板構成によればダミーノズル溝
列213における1ノズル壁当たりの接着面積はノズル
溝列212よりも大きく、ノズル先端部208,20
8′を加熱することでより大きな接着力を得ることがで
きる。
【0167】一方、ノズル壁先端のポリサルフォンを溶
融するためには当接部を局所的に180℃以上に加熱す
る必要があるが、接合ヒータ107と107′は後者が
幅広である点で形成が異なるために、また被加熱面の面
積が異なるために、接合部の樹脂を溶融しかつ過剰に加
熱しないように接合ヒータ107と107′は異なる電
圧、電流、印加時間、あるいはパルス幅、パルス総数の
印加条件を必要とする。この際、接合ヒータの単位面積
あたりの発熱量はほぼ等しくなるように設定することが
好ましい。これに対して本実施形態例の構成では接合ヒ
ータ107と107′は各々対応するノズル壁群の溶融
に好適な条件の選択が可能である。
【0168】本実施形態例の構成ではノズル壁の配列に
おいて接合方向の段差を設けていないため、溶融の熱効
率を高めるために、ノズル壁203と203′の接合部
位が実質的に同時に溶融が進行するように各々の接合ヒ
ータの駆動条件を決めればよい。より好ましくは、接合
ヒータ107と107′を遅延せずに駆動する。
【0169】本実施形態例によれば、確実な接合が求め
られるノズルアレイの両端部において比較的接合強度の
大きな領域を有し、良好な天板接合が可能である。
【0170】(実施形態例18)図43は本発明のイン
クジェットプリントヘッドの他の実施形態例における基
板を示す概略平面図であり、図44は図43に示したプ
リントヘッドの天板を示す概略平面図であり、図45は
図43に示したプリントヘッドの回路図である。図46
は本実施形態例における接合面の段差関係を示す概略断
面図である。本実施例では、ノズル壁の基板との密着状
態を補助するために液室枠を基板と接合する。
【0171】本実施形態例は、ノズル壁先端を加熱溶融
するための接合ヒータ107とともに液室枠の当接部を
加熱するための接合ヒータ107′を有する(図43参
照)。接合ヒータ107,107′は電気信号の入力点
1 〜P4 を選択することで個別に発熱駆動が可能であ
る(図45参照)。接合ヒータ107は基板表面に露出
したTa薄膜を外部から通電可能とすることで構成され
耐キャビテーション層と共用される。また接合ヒータ1
07′もヒータ107の形成と同じTa膜のパターニン
グ工程にて形成されたTa薄膜を基板表面に露出して発
熱材としている。さらに天板接合後の液室枠のインクシ
ール性を高める目的で、基板と天板材質であるポリサル
フォンとの接着力確保のために、接合ヒータ107′を
予め表面を酸化処理してもよい。
【0172】図43の基板に接合する天板構造を図44
および図46を参照して説明する。
【0173】図44は液室となる堀込み側から天板20
1を見た図であり、ノズル溝列212、ダミーノズル溝
列213とともに、液室枠210には基板との当接によ
り容易に座屈変形可能な突起209′が設けられてい
る。接合面の段差関係は、図46に示すように、ノズル
壁203の先端の突起209、突起209′、ノズル壁
先端、液室枠210の順に接合方向に凸である。ノズル
溝列212とダミーノズル溝列213においては、ノズ
ル壁の段差を設けていない。この構成によれば、天板の
接合面がZ方向に多少のソリ変形を有する場合でも、天
板と基板との接合時に最初にノズルアレイが接合され、
ノズルアレイの接合後には突起209′が接合ヒータ1
07′と接続される。ゆえに吐出性能に直接関わるノズ
ルアレイの結合は確実である突起209を用いずに、ノ
ズル壁先端、突起209′、液室枠210の順に接合方
向に凸としてもよい。
【0174】天板接合の目的であるノズル液室のリーク
のないインク通路の形成のためには、ノズル壁先端と液
室枠の段差は小さいほどよい。ノズル壁の接合面である
先端208と液室枠210の段差ΔZ3 は、好ましくは
6μm以下であり、より好ましくは0μmである。
【0175】次に、天板接合の工程を図47に従って説
明する。図47は本実施形態例における接合方法を示す
フロー図である。
【0176】天板と基板は所定の位置関係にアライメン
トされ仮接合し、天板にZ方向より荷重を作用し基板と
圧接する。この工程により、突起209,209′は基
板との間で座屈変形する。
【0177】圧接後、P1 とP2 間に通電し、接合ヒー
タ107を発熱させることで突起209およびノズル壁
先端208を溶融し、被溶融物により天板の接合部と基
板表面の間を実質的に充填し、ノズルアレイ主要部にお
ける密着を行う。このときノズルアレイ両側にダミーノ
ズル部を配置している場合は、更にP1 〜P3 間および
2 〜P4 間に通電してダミーノズル部のノズル壁の密
着を行えばよい。また、工程の簡略化の為、ダミーノズ
ル部の密着工程を省略してもよい。
【0178】最後にP3 〜P4 間に通電し、ヒータ10
7′を発熱させ、突起209′を溶融することで液室枠
と基板との溶着を完了する。
【0179】図47のようにノズル壁と液室枠の溶融工
程を分けることで、接合装置の電気的な負荷を小さくす
ることで装置の低コスト化を図ること、工程の省エネル
ギー化とともに、液室枠を含めた広範囲に加熱を行うこ
とで基板表面の温度が過剰に上昇し、天板の樹脂が変形
するなどの熱的にな不具合を避ける作用である。
【0180】なお、液室枠のシール性を求めず単に天板
と基板との接合を補助することを目的とするならば、本
実施形態例のように必要な液室枠の全周を密着させる構
成をとらず、図48のように、液室枠に沿って部分的に
基板への接着点を設け該接着点に突起209′を設ける
ことで、各接着点における確実な当接の確保を図ること
も考えられる。
【0181】本実施形態例の変形例として、図49の2
点鎖線に対応する第2の接合ヒータを、ノズルアレイ部
の接合ヒータと別駆動できるように基板に配置し、前記
第2の接合ヒータを天板と基板との仮接着の手段とする
ことも考えられる。
【0182】上記の構成によれば、製造スペースの都合
で天板のマウント工程と天板接合工程を分離して行う場
合に、たとえば図50の手順に従い、仮接着によって天
板と基板との相対位置1を確保したままのハンドリング
を容易に行うことができる。
【0183】(実施形態例19)図51は本発明のイン
クジェットプリントヘッドの他の実施形態例を示す概略
斜視図であり、図52は図51のc−c線に沿う断面図
である。
【0184】本実施形態例では、ヒータ102の面に対
向するオリフィス204からインクを吐出する、いわゆ
るサイドシユーのタイプの、図51のインクジェットヘ
ッドにおいて、基板101に接合する天板部材201
は、オリフィス204の形成部となるフィルム材料をイ
ンサート成形して構成される。
【0185】図52のタイプのインクジェットヘッドで
は、特に高画質化のための小さな液滴な吐出させる場合
には、ヒータ102とオリフィス104の距離をより小
さくすることが必要である。例えば10pl程度の吐出
量を得るためには、実用的熱なインクジェットヘッドに
おける該距離は約20〜40μmである。
【0186】本実施形態例では、天板の外形とともに薄
肉のオリフィスプレートを同時成形する困難さを避ける
ために、上記の仕様を満たすため、樹脂性の天板201
の外形の成形に際して30μm厚さのフィルム状のオリ
フィスプレート206の内挿した。ノズル壁203、オ
リフィス204などは天板の成形後にエキシマレーザー
によりガス冷却を行うながら加工した。天板201の外
形部とオリフィスプレート204に各々異種の材料の組
み合せを用いる場合には、天板への加熱時のオリフィス
プリントの平面性を保つために、外形の構成材料の線膨
張率をオリフィスプレートの構成樹脂の線膨張率以上と
なるように各材料を選ぶことが好ましい。
【0187】本実施形態例によれば、天板接合は溶融接
合法を用いてなされ、オリフィスプレート204の形状
に対応する接合ヒータ107と天板の外形部分に対応す
る接合ヒータ107′は互いに個別の駆動条件で発熱す
るように構成されている。
【0188】本実施形態例によれば、天板の外周部より
も肉厚が極端に薄いオリフィスプレートの基板への加熱
に際して、過剰な加熱によるオリフィスプレートの変形
を伴わず、天板の外周部とオリフィスプレートに形成さ
れたノズル壁の、両者を基板へ簡単に接合できる。また
天板の外形部分とオリフィスプレートの材質が異なる場
合であっても、各々の構成材料、樹脂の溶融に適した加
熱処理が可能である。
【0189】なお、上記各実施形態例では、基板に天板
側の接合部を嵌入するための溝を設け、この溝の底部に
天板側の接合部の端部を加熱、溶融させるための発熱体
を設けたことをとしているが、天板側の接合部に対応す
る位置に発熱体を設けた構成であれば、特に溝は必要な
い。しかし、天板の接合部端部の溶融物の流れだし等を
防止する場合には、基板に溝を設け、この溝内に天板の
接合部端部を嵌入する構成とすることが好ましい。さら
に、天板と基板との間の部分的な浮きを防止するために
は、溝の構造をその開口面積よりも底面積を大きくとる
ようにすれば、基板の溝に天板に対するアンカー効果を
持たせることができる。特に、このような構成を、いわ
ゆるサイドシュータタイプであって多数ノズルのインク
ジェットプリントヘッドでは、プリントヘッドのオリフ
ィス面と被プリント材との間の距離(紙間距離)が均一
となるように保持することができる。
【0190】次に、上述の構成を有するインクジェット
プリントヘッドを搭載できる本発明のインクジェットプ
リント装置について説明する。
【0191】図53は、本発明のインクジェットプリン
ト装置の一実施例の概略斜視図である。図53におい
て、インクジェットヘッドカートリッジ1120は、前
述したヘッドと同様の構成を有するインクジェットプリ
ントヘッド1121と、このインクジェットプリントヘ
ッド1121に供給するインクを収納するインクタンク
(不図示)とを一体化したものであり、インクジェット
プリントヘッド1121を載置する部材であるキャリッ
ジ116に着脱自在に保持されている。キャリッジ11
16は、駆動モーター1117の駆動力を伝達する駆動
ベルト1118の一部に連結されて、互いに平行に配設
された2本のガイドシャフト1119a,1119bに
対して摺動自在に取り付けられている。一方、インクジ
ェットプリントヘッド1121の吐出口(不図示)が形
成された吐出口面にはプラテン1124が対向して配置
され、駆動モータ1117の駆動力によりインクジェッ
トヘッドカートリッジ1120を往復運動させながらイ
ンクジェットプリントヘッド1121に記録信号を与え
インクを吐出することで、プラテン1124上に搬送さ
れた被プリント媒体としての記録紙(不図示)の全幅に
わたって記録を行える構成となっている。インクジェッ
トプリントヘッド1121は、上述したように、電気熱
変換体(不図示)と配線基板(不図示)との電気的接続
が良好に保たれているので、プリント装置本体からの記
録信号が確実にインクジェットプリントヘッド1121
に伝わり、良好な記録が可能となる。
【0192】インクジェットヘッドカートリッジ112
0の記録動作における往復運動の範囲外の、例えばホー
ムポジションと対向する位置には、ヘッド回復装置11
26が配設されている。ヘッド回復装置1126は、イ
ンクジェットプリントヘッド1121の吐出口面をキャ
ッピングするキャップ部材1126aを備え、伝動機構
1123を介したクリーニング用モータ122の駆動力
によって駆動される。このキャップ部材1126aによ
るインクジェットプリントヘッド1121の吐出口面の
キャッピングに関連して、ヘッド回復装置1126内に
設けられた適宜の吸収手段によるインク吸収、もしくは
インクジェットプリントヘッド1121へのインク供給
経路に設けられた適宜の加圧手段による圧送を行い、イ
ンクを吐出口より強制的に排出させることによりインク
ジェットプリントヘッド1121のインク流路内の増粘
インクを除去する等の吐出回復処理が行われる。また、
記録終了時等にキャッピングをすることにより、インク
ジェットプリントヘッドが保護される。
【0193】ヘッド回復装置1126の側面には、シリ
コーンゴムで形成されるワイピング部材としてのブレー
ド1130が配置される。ブレード1130は、ブレー
ド保持部材130aにカンチレバー形態で保持され、ヘ
ッド回復装置1126と同様、クリーニング用モータ1
122及び伝動機構1123によって動作し、インクジ
ェットプリントヘッド1121の吐出口面に押圧可能と
なっている。これにより、インクジェットプリントヘッ
ド1121の記録動作における適切なタイミングで、あ
るいはヘッド回復装置1126を用いた吐出回復処理後
に、ブレード1130をインクジェット記録ヘッド11
21の移動経路中に突出させ、インクジェットプリント
ヘッド1121の移動動作に伴ってインクジェットプリ
ントヘッド1121の吐出口面における結露、濡れある
いは塵埃を拭き取るものである。
【0194】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0195】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0196】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0197】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0198】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0199】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0200】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0201】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0202】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0203】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットプリントヘッドによれば、基板のうち、天板のイ
ンク流路壁等に対応する位置にインク流路壁の端部を加
熱、溶融するための発熱体を設けたことにより、溶融変
形させるべき部分以外の天板または基板に不必要な熱を
付与させず、微細なインク流路等の構造を壊さずに基板
と天板とを接合することができる。従って、天板側の接
合部に対応するように、全体的に隈無く発熱体を設けた
ことより十分な接合強度での接合を、従来のばね部材な
しに、達成することができる。
【0204】また、天板側の接合部に対応するように。
基板上にオーバーハング状あるいは逆テーパー状の溝を
設け、この溝の底部に発熱体を設けた場合には、接合部
の端部のみを溝内で溶融変形させてアンカー効果をもた
せることができるので、密着性が向上し、接合強度を一
層大きくすることができる。
【0205】さらに、本発明のインクジェットプリント
ヘッドの製造方法によれば、発熱体への通電タイミング
を制御することにより、ヘッド全体、インク流路全体の
温度を上昇させることなく、インク流路壁の先端部のみ
を溶融させることができる。
【0206】本発明によれば、接合ヒータを駆動する際
に溶融樹脂の好ましくない流れを防止でき、接合ヒータ
の駆動の制御が容易である。また、接合ヒータに当接す
る天板の接合部の所定の部分および/または接着層を均
一に加熱し、接着層全体での一様な溶融または硬化反応
が可能であり、接合の信頼性が向上する。
【0207】本発明によれば、特にインクジェットプリ
ントヘッドにおいて吐出性能に大きく影響するノズル部
の接合を確実にすることができ、駆動時の隣接ノズルへ
の吐出エネルギのリークを低減し、安定な液滴の吐出を
可能にする。
【0208】本発明によれば、より信頼性の高い接合状
態を維持するために、インクジェットプリントヘッドの
形態によっては天板と基板との接合に押さえバネを用い
る方法のインクジェットプリントヘッドおよびその製造
方法と併用することができる。
【0209】本発明によれば、インクジェットプリント
ヘッドの機能面から特に信頼性の高い精密な接合が求め
られるノズル壁等の接合部位において、過剰な溶融に伴
う接合工程が可能であり、十分な接着力をもつインクジ
ェットプリントヘッドを構成することができる。
【0210】本発明によれば、基板と樹脂製の天板の自
立的な接着強度を得るために、基板の接合面に予め酸化
物層を設けることが好ましい。また、基板の接合面をタ
ンタルとすると通常、樹脂との接着強度はほとんど発生
しないが、押さえバネ等の補助手段を併用することで天
板と基板とを密着させることが可能である。従って、天
板と基板の双方の接合面の材質が互いに自立的な接着力
を発生しない組み合わせであっても、接合ヒータによる
局所的な加熱を分散し、あるいは投入エネルギを違えて
行う場合も本発明の範囲に含まれることは明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のインクジェットプリントヘッドの要部側
面図であり、その一部を破断した状態で示している。
【図2】図1に示したインクジェットプリントヘッドの
要部平面図であり、その一部を破断した状態で示してい
る。
【図3】(a),(b)および(c)はDF(ドライフ
ィルム)法による天板と基板との接合方法を工程順に示
す断面図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)および(e)
はいわゆる注型法による天板と基板との接合方法を工程
順に示す断面図である。
【図5】従来の押えバネを用いた天板と基板との接合方
法を説明するための図であって、インクジェットプリン
トヘッドを含むインクジェットユニットの分解斜視図で
ある。
【図6】従来のインクジェットプリントヘッドにおける
膜発泡の圧力損失の状態を示す断面図である。
【図7】本発明のインクジェットプリントヘッドの基本
的な態様を示す斜視図である。
【図8】(a)は図7に示したプリントヘッドの要部と
しての基板を拡大した分解斜視図であり、(b)は
(a)のX部分の拡大斜視図である。
【図9】図7および図8(a)および(b)に示したプ
リントヘッドにおける基板と天板との接合方法を説明す
るための概略斜視図である。
【図10】図9に示した基板と天板との接合状態を示す
概略断面図である。
【図11】(a)は本発明のインクジェットプリントヘ
ッドの他の実施形態例における要部を示す分解斜視図で
あり、(b)は(a)に示したY部分の拡大斜視図であ
る。
【図12】図11(a)および(b)に示したプリント
ヘッドにおける基板と天板との接合状態を示す概略断面
図である。
【図13】プリンタヘッドの天板と基板との接合を拡大
した概略断面図である。
【図14】(a)〜(d)は図13に示した天板と基板
との接合方法を工程順に示した概略断面図である。
【図15】接合方法のフロー図である。
【図16】(a)〜(h)は両接合部の形状,寸法を変
えた場合の接合状態を示す概略断面図である。
【図17】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例を示す概略断面図である。
【図18】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例を示す概略断面図である。
【図19】図18に示した製造方法における接合方法の
フロー図である。
【図20】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例を示す概略断面図である。
【図21】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例を示す概略平面図である。
【図22】図21に示したプリントヘッドにおける電極
間の構成を示す拡大平面図である。
【図23】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例を説明するためのフロー図であ
る。
【図24】(a)〜(d)は図23に示した製造方法に
おける接合方法を示す概略断面図であり、
【図25】図24に示したプリントヘッドの要部として
の実ヒータ領域を示す概略断面図である。
【図26】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例における接合ヒータの構成を示す概略平面
図である。
【図27】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例を示す概略断面図である。
【図28】(a),(c)は図27に示したプリントヘ
ッドにおける天板と基板との接合方法で説明するための
概略断面図であり、(b)は接合ヒータ上の温度分布を
示すグラフである。
【図29】(a)および(b)は、本発明のインクジェ
ットプリントヘッドの製造方法の他の実施形態例を示す
概略断面図である。
【図30】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例における接合ヒータを拡大した概略平面図
である。
【図31】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例における接合ヒータを拡大した概略平面図
である。
【図32】(a)および(b)は図31の変形例を示す
概略平面図である。
【図33】図31のプリントヘッドの製造方法における
接合方法のチャート図である。
【図34】(a)〜(e)は本発明のインクジェットプ
リントヘッドの他の実施形態例における接合方法を説明
する概略断面図である。
【図35】(a)および(b)はそれぞれ本発明のイン
クジェットプリントヘッドの他の実施形態例における接
合ヒータの構成を示す概略平面図である。
【図36】(a)および(b)は本発明のインクジェッ
トプリントヘッドの他の実施形態例における接合ヒータ
の構成を示す概略平面図であって、(a)はエキシマレ
ーザー照射前、(b)は照射後の状態を示している。
【図37】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例を示す概略断面図である。
【図38】(a)〜(e)は図37に示したプリントヘ
ッドにおける接合方法を示す概略断面図である。
【図39】図38(a)〜(e)のフロー図である。
【図40】本実施形態例における接合ヒータに関連した
回路図である。
【図41】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例における接合ヒータの構成を示す概略平面
図である。
【図42】図41に示したプリントヘッドの概略断面図
である。
【図43】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例における基板を示す概略平面図である。
【図44】図43に示したプリントヘッドの天板を示す
概略平面図である。
【図45】図43に示したプリントヘッドの回路図であ
る。
【図46】本実施形態例における接合面の段差関係を示
す概略断面図である。
【図47】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例における接合方法を示すフロー
図である。
【図48】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例を示す概略平面図である。
【図49】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例を示す概略平面図である。
【図50】本発明のインクジェットプリントヘッドの製
造方法の他の実施形態例における接合方法を示すフロー
図である。
【図51】本発明のインクジェットプリントヘッドの他
の実施形態例を示す概略斜視図である。
【図52】図51のc−c線に沿う断面図である。
【図53】本発明のインクジェットプリント装置の一実
施例の概略斜視図である。
【符号の説明】
101 基板 102 吐出ヒータ 103 電極 104 保護層 105 耐キャビテーション層 106 スルーホール 107 接合ヒータ 108 電極 109 接着層 110 凹部 201 天板 202 ノズル(インク流路) 203 ノズル壁 204 オリフィス 205 共通液室 206 オリフィスプレート 207 溶融代 208 ノズル壁先端部 209 突起 210 液室枠 211 液室枠の突起 212 ノズル壁アレイ 213 ダミーノズル溝アレイ

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するために利用されるエネ
    ルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子を有する基
    板と、該基板に接合して該基板との間に、前記インクを
    吐出するための吐出口と該吐出口に連通すると共に前記
    各吐出エネルギ発生素子に対応する位置に形成された複
    数の溝とを含むインク流路を構成する天板とを含むイン
    クジェットプリントヘッドであって、 前記基板には前記複数の吐出エネルギ発生素子の配置位
    置とは異なる位置であって前記基板に対する前記天板の
    接合部に対応する位置に接合用の発熱体が設けられたこ
    とを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記発熱体は前記天板の接合部に対応す
    る前記基板の凹部の底面に設けられたことを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記基板の凹部は該開口部よりも該底面
    部の面積が大きく、かつ、該側壁は逆テーパ状またはオ
    ーバーハング状に形成されていることを特徴とする請求
    項2記載のインクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記発熱体に対応する前記天板の接合部
    は前記インク流路を構成する溝壁であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかの項に記載のインクジェット
    プリントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記発熱体は電流を流すことにより発熱
    する電気熱変換体であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかの項に記載のインクジェットプリントヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 前記発熱体は前記吐出エネルギ発生体と
    は別個に駆動されることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかの項に記載のインクジェットプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 前記発熱体はパルス駆動されることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のインクジ
    ェットプリントヘッド。
  8. 【請求項8】 前記天板の接合部の端部には前記基板の
    凹部に挿入され溶融接合される凸部が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載のイ
    ンクジェットプリントヘッド。
  9. 【請求項9】 前記発熱体の幅をWhとし、前記発熱体
    に対する天板の接合部位の幅をWnとし、前記天板の接
    合部の凸部の幅をWn′とした場合において、 Wn′<Wh<Wn の関係式(1)が成立することを特徴とする請求項8記
    載のインクジェットプリントヘッド。
  10. 【請求項10】 前記関係式(1)を満たす断面が、前
    記吐出エネルギ発生素子の配列方向に沿う断面を含むこ
    とを特徴とする請求項9記載のインクジェットプリント
    ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記天板の接合部の凸部は熱可塑性樹
    脂からなることを特徴とする請求項9または10に記載
    のインクジェットプリントヘッド。
  12. 【請求項12】 前記天板と前記基板とは、該接合部分
    の少なくとも一部に予め設けた熱可塑性樹脂からなる接
    着層を介在して接合されていることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかの項に記載のインクジェットプリント
    ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記発熱体の幅をWhとし、前記接着
    層の幅をWaとした場合において、 Wa<Wh の関係式(2)が成立することを特徴とする請求項12
    記載のインクジェットプリントヘッド。
  14. 【請求項14】 前記関係式(2)を満たす断面が、前
    記吐出エネルギ発生素子の配列方向に沿う断面を含むこ
    とを特徴とする請求項13記載のインクジェットプリン
    トヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項9記載の関係式(1)および請
    求項13記載の関係式(2)を同時に満たす断面が、前
    記吐出エネルギ発生素子の配列方向に沿う断面を含むこ
    とを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  16. 【請求項16】 前記発熱体は一対の電極と該電極間に
    配された発熱材とを含み、該発熱材は電流密度が極大と
    なる箇所を実質的に有しないものであることを特徴とす
    る請求項1記載のインクジェットプリントヘッド。
  17. 【請求項17】 前記発熱材の膜厚は実質的に均一であ
    り、かつ、前記発熱体の少なくとも一方の端部において
    電流の流入方向に直交する前記電極の端部の幅が、前記
    発熱材の幅よりも小さいことを特徴とする請求項16記
    載のインクジェットプリントヘッド。
  18. 【請求項18】 前記発熱体への電流流入方向に直交す
    る方向の前記発熱材の幅をWh′とし、前記発熱体に対
    する天板の接合部位の幅をWnとした場合において、 Wh′>Wn の関係式(3)が成立することを特徴とする請求項17
    記載のインクジェットプリントヘッド。
  19. 【請求項19】 Wh′≧Wn+4μmの関係式(4)
    が成立することを特徴とする請求項18記載のインクジ
    ェットプリントヘッド。
  20. 【請求項20】 前記発熱体上に前記基板と前記天板と
    を接合するための接着層が設けられたことを特徴とする
    請求項16〜19のいずれかの項に記載のインクジェッ
    トプリントヘッド。
  21. 【請求項21】 前記発熱体の一部に前記接着層を設け
    ない部分を設けることを特徴とする請求項20記載のイ
    ンクジェットプリントヘッド。
  22. 【請求項22】 前記発熱体のうち前記接着層を設けな
    い部分は前記発熱体の極大昇温点およびその近傍領域を
    含むことを特徴とする請求項21記載のインクジェット
    プリントヘッド。
  23. 【請求項23】 前記発熱体のうち前記接着層を設けな
    い部分は前記発熱体の電流集中部およびその近傍領域を
    含むことを特徴とする請求項21記載のインクジェット
    プリントヘッド。
  24. 【請求項24】 前記接着層は熱可塑性材料から構成さ
    れ、かつ、前記発熱体への電流流入方向に直交する方向
    の前記発熱材の幅をWh′とし、前記接着層の幅をWa
    とし、該接着層および前記発熱体に対する天板の接合部
    位の幅をWnとした場合において、 Wa>Wh′>Wn の関係式(5)が成立することを特徴とする請求項20
    記載のインクジェットプリントヘッド。
  25. 【請求項25】 前記基板に対する前記天板の接合部
    は、少なくとも接合までは前記基板との接合方向に対し
    て互いに段差となる2つ以上の面を有しており、かつ、
    前記天板の接合部に対応する前記基板側の接合部位に前
    記天板の接合部の2つ以上の面を個別に加熱し溶融する
    ための発熱体を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    インクジェットプリントヘッド。
  26. 【請求項26】 前記発熱体は互いに異なる条件での駆
    動が可能であることを特徴とする請求項25記載のイン
    クジェットプリントヘッド。
  27. 【請求項27】 前記発熱体は互いに異なる駆動タイミ
    ングでの駆動が可能であることを特徴とする請求項25
    または26に記載のインクジェットプリントヘッド。
  28. 【請求項28】 前記天板の接合部の一部を樹脂材料か
    ら形成し、該樹脂材料からなる接合部の一部に対応する
    発熱体と、前記天板の接合部の他部であって前記樹脂材
    料から形成されていない接合部に対応する発熱体とを有
    し、該発熱体は互いに異なる発熱駆動が可能であること
    を特徴とする請求項25記載のインクジェットプリント
    ヘッド。
  29. 【請求項29】 インクを吐出するために利用されるエ
    ネルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子を有する
    基板と、該基板に接合して該基板との間に、前記インク
    を吐出するための吐出口と該吐出口に連通すると共に前
    記各吐出エネルギ発生素子に対応する位置に形成された
    複数の溝とを含むインク流路を構成する天板とを含むイ
    ンクジェットプリントヘッドの製造方法であって、 前記複数の吐出エネルギ発生素子の配置位置とは異なる
    位置であって前記基板に対する前記天板側の接合部に対
    応する位置に複数の接合用の発熱体を備えた前記基板を
    用意し、 該基板の前記接合用の発熱体の位置に前記天板側の接合
    部を当接させた状態で前記接合用の発熱体から発生する
    熱により前記基板と前記天板とを接合することを特徴と
    するインクジェットプリントヘッドの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記天板と前記基板との接合の前また
    は後において、前記各接合用の発熱体を互いに異なる条
    件で駆動して発熱させることを特徴とする請求項29記
    載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記天板と前記基板との接合の前また
    は後において、前記各接合用の発熱体を互いに異なる駆
    動タイミングで駆動して発熱させることを特徴とする請
    求項29記載のインクジェットプリントヘッドの製造方
    法。
  32. 【請求項32】 インクを吐出するために利用されるエ
    ネルギを発生する複数の吐出エネルギ発生素子を有する
    基板と、該基板に接合して該基板との間に、前記インク
    を吐出するための吐出口と該吐出口に連通すると共に前
    記各吐出エネルギ発生素子に対応する位置に形成された
    複数の溝とを含むインク流路を構成する天板とを含むイ
    ンクジェットプリントヘッドの製造方法であって、 少なくとも接合までは前記基板との接合方向に対して互
    いに段差となる2つ以上の面を有する接合部を設けた前
    記天板を用意し、 該天板側の接合部の2つ以上の面に対応した発熱体を有
    する前記基板を用意し、 該基板の接合用の発熱体に前記天板側の接合部を当接さ
    せた状態で前記接合用の発熱体から発生する熱により前
    記天板側の接合部の2つ以上の面個別に加熱し溶融して
    前記基板と前記天板とを接合することを特徴とするイン
    クジェットプリントヘッドの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記発熱体を互いに異なる駆動タイミ
    ングで駆動することにより、前記基板との接合部の少な
    くとも一部を溶融することを特徴とする請求項32記載
    のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記天板側の接合部のうち、前記基板
    との接合方向に最も凸である部位を最も早く溶融させる
    ことを特徴とする請求項29〜33のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリントヘッドの製造方法。
  35. 【請求項35】 接合に際して、前記天板側の溶融すべ
    き接合部位を前記基板の発熱体上に接触させた状態で当
    該接触部分を加熱溶融することを特徴とする請求項29
    〜33のいずれかの項に記載のインクジェットプリント
    ヘッドの製造方法。
  36. 【請求項36】 請求項1〜28のいずれかの項に記載
    のインクジェットプリントヘッドを用いて被プリント材
    にインクを付与することによりプリントを行うことを特
    徴とするインクジェットプリント装置。
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EP97106005A EP0800921B1 (en) 1996-04-12 1997-04-11 Ink jet printing head manufacturing method
US08/843,286 US6180018B1 (en) 1996-04-12 1997-04-11 Ink jet printing head, manufacturing method therefor, and ink jet printing apparatus
DE69732389T DE69732389T2 (de) 1996-04-12 1997-04-11 Tintenstrahldruckkopfherstellungsverfahren

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009083414A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Canon Inc インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2015047783A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及びその製造方法

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