JPH1063855A - 画像領域抽出方法 - Google Patents

画像領域抽出方法

Info

Publication number
JPH1063855A
JPH1063855A JP23134296A JP23134296A JPH1063855A JP H1063855 A JPH1063855 A JP H1063855A JP 23134296 A JP23134296 A JP 23134296A JP 23134296 A JP23134296 A JP 23134296A JP H1063855 A JPH1063855 A JP H1063855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
frame
image
region
approximate color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23134296A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Mogi
健 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP23134296A priority Critical patent/JPH1063855A/ja
Publication of JPH1063855A publication Critical patent/JPH1063855A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Color Television Signals (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の動画像、静止画における任意の物体領
域の抽出の自動化が難しかった。 【解決手段】 画像を入力し(S10)、画素値の似か
よった近似色領域に分割する(S12)。物体を抽出す
べき注目領域を指定し(S16)、その注目領域に面積
の大半が含まれるすべての近似色領域を抽出する(S1
8)。それらの近似色領域の集合領域が所望の物体の領
域である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は画像領域抽出方
法、特に画像に含まれる所望の物体領域を画素値を手が
かりに抽出する方法に関する。この発明は、物体領域の
認識や追跡、領域ごとに異なる符号化を行うための符号
化技術などに適用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】画像から任意の物体領域を切り出すこと
は画像処理における重要なテーマであり、画像合成や画
像認識などさまざまな分野への応用が期待されている。
物体領域を認識するための基礎技術として、従来から画
像を等しい色の領域(以下「等色領域」という)に分割
する技術が知られている。しかし、この方法によって単
に画像を等色領域に分割しただけでは、いずれの等色領
域が物体を構成するかの判断が難しく、静止画において
所望の物体領域の抽出は困難とされる。物体領域を抽出
する具体的な技術の例に以下のものがある。
【0003】従来技術1.物体領域の抽出をパーソナル
ユースレベルで実現するものとして、マッキントッシュ
社のPC(パーソナルコンピュータ)上で動作するPh
otoShop(商標)というソフトウエアが知られて
いる。PhotoShopは静止画の編集機能をもち、
ユーザによる領域の切り出しが可能である。実際には、
ユーザは編集の対象となる静止画を画面に表示し、不要
な画像領域をひとつずつ指定して取り払うことにより、
最終的に必要な領域を残すというものである。したがっ
て、PhotoShopは領域の抽出が人手作業に頼っ
ており、編集の対象も基本的に静止画に限られる。
【0004】従来技術2.一方、動画像から自動的に領
域を抽出する手法が「映像合成のための画像列の統合に
よる動物体の抽出」(高橋他、1995年画像符号化シンポ
ジウム(PCSJ95)9-15,197,198 ページ)に提案されて
いる。この手法は、動画像の複数フレーム間の差分画像
を蓄積し、それら複数フレーム間で差分がゼロの領域を
静止領域、ゼロでない領域を動領域として対象物体の領
域の切り出しを行うものである。このほかにも、画像か
ら動物体を抽出して符号化を行う技術が特開平7−17
0523号公報などに開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1では物体領
域の自動抽出が不可能である。
【0006】一方、従来技術2では対象が動画像でなけ
れば領域の抽出ができない。また、たとえ動画像を入力
しても、この中で対象物体が動いていないと抽出するこ
とができない。さらに、対象物体が動いていても「穴あ
き」というべき問題が生じることがある。「穴あき」と
は、例えば人の顔が対象物体としてフレーム間で動いて
も、それらのフレーム間で肌色の領域が重複していれば
この領域の差分がゼロとなり、静止領域と誤判定される
現象をいう。
【0007】また、従来技術2の場合、領域検出精度を
高めるために、通常ある程度多数のフレームにわたって
画像データを蓄積したうえで差分画像を生成する必要が
ある。このため、処理時間やハードウエアの複雑さの面
で改善の余地があると考えられる。
【0008】本発明はこうした課題に鑑みてなされたも
ので、その目的は、静止画に対しても所望の物体領域を
自動抽出でき、動画像については、動領域、静止領域に
関係なく所望の物体領域を自動抽出でき、これらの処理
を同一のアルゴリズムで実行でき、処理時間が短く、か
つハードウエアも比較的単純な画像領域抽出方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は画像から所望の物体の領域を抽出する方
法であって、画像をそれぞれが画素値の似かよった画素
で構成される複数の近似色領域に分割する分割工程と、
物体を抽出すべき注目領域を画面上にて指定する指定工
程と、指定された注目領域に所定の程度を超えて含まれ
る近似色領域をすべて抽出する抽出工程とを含む。
【0010】この構成において、まず分割工程によって
画像が複数の近似色領域に分割される。各近似色領域は
画素値が似かよった画素で構成される領域で、画素値は
RGB、HVC、YUVなどいろいろな色空間によって
記述できる。したがって、「画素値が似かよう」とは、
見た目の色が似かよっていることだけでなく、例えば輝
度が近いような場合も含む概念である。
【0011】つぎに、指定工程において注目領域が指定
される。指定はユーザが画面上で行ってもよいし、デフ
ォルトの領域が自動的に指定される構成としてもよい。
注目領域とは、その中で物体を探すべき領域をいう。本
発明の場合、後述のごとく、物体が注目領域に完全に収
まっていなくてもよい点に特徴がある。
【0012】つづいて抽出工程において、指定された注
目領域に所定の程度を超えて含まれる近似色領域がすべ
て抽出される。抽出されたすべての近似色領域をもっ
て、所望の物体領域とすることができる。例えば画像に
人の顔が含まれるとき、この顔を取り囲むように注目領
域を指定すれば、この注目領域には顔を構成する目、
口、耳、それらの地の肌色領域、または髪などの各近似
色領域が含まれることになる。従って、これら各近似色
領域が抽出され、結果的に人の顔全体が抽出されること
になる。
【0013】以上、本発明のこの態様によれば、注目領
域と各近似色領域の位置関係を調べることにより、所望
の物体領域の抽出を自動化することができる。したがっ
て、抽出に必要な人手作業をほとんどなくすことができ
る。
【0014】(2)本発明のある態様では、前記抽出工
程は、各近似色領域についてその近似色領域のうち前記
注目領域に含まれる部分(以下「領域内部分」という)
と含まれない部分(以下「領域外部分」という)の面積
比を算出し、領域内部分の面積の割合が大きいときその
近似色領域全体を抽出する。
【0015】例えば、(1)の例で人の髪の部分が注目
領域からはみ出していても、髪に関する領域内部分が髪
の近似色領域全体の大半を占めていれば、その近似色領
域全体を抽出するものである。このため、注目領域の指
定がおおまかになされた場合であっても良好な抽出結果
が得られる。
【0016】(3)本発明の別の態様は、第1のフレー
ムの画像をそれぞれが画素値の似かよった画素で構成さ
れる複数の近似色領域に分割する第1分割工程と、その
フレーム画像のうち所定の注目領域に所定の程度を超え
て含まれる近似色領域をすべて抽出する第1抽出工程
と、そこで抽出された近似色領域を、物体を追跡するた
めの領域枠として取得する第1枠取得工程と、第2のフ
レームの画像をそれぞれが画素値の似かよった画素で構
成される複数の近似色領域に分割する第2分割工程と、
前記領域枠に所定の程度を超えて含まれる第2のフレー
ム内の近似色領域をすべて抽出する第2抽出工程とを含
む。
【0017】この構成にて、まず第1分割工程により、
第1のフレームの画像が複数の近似色領域に分割され、
つぎに第1抽出工程により、そのフレーム画像のうち所
定の注目領域に所定の程度を超えて含まれる近似色領域
がすべて抽出される。ここで第1枠取得工程により、抽
出された近似色領域全体が領域枠として取得される。
「領域枠」とは、別のフレームにおいて所望の物体領域
を探す際、そのウインドウとして用いられる枠をいう。
本発明では、この領域枠が第1フレームにおいて所望の
物体領域が存在する領域とみなされる。
【0018】一方、第2分割工程では、第2のフレーム
の画像が複数の近似色領域に分割され、第2抽出工程に
よって前記領域枠に所定の程度を超えて含まれる第2の
フレーム内の近似色領域がすべて抽出される。ここで抽
出されたすべての近似色領域によって構成される領域が
第2のフレームにおける所望の物体領域とみなされる。
【0019】以上、本発明のこの態様によれば第1フレ
ームから第2フレームの間で所望の物体領域を追跡する
ことができる。したがって、この態様は動画像に適用す
ることができる。また、動画像についても動領域のみな
らず静止領域を抽出することができる。本発明では差分
画像の計算も不要であり、多数フレームに亘る画像デー
タの記憶も不要であり、処理時間も短い。また、当然な
がらそれを実現するハードウエアも単純になる。なお、
ここでいう「第1のフレーム」と「第2のフレーム」は
連続するフレームである必要はない。
【0020】(4)(3)のとき本発明のある態様で
は、前記第1抽出工程は注目領域を画面上で受け付けた
うえで抽出処理を行う。
【0021】(5)(3)または(4)の場合、本発明
のある態様はさらに、領域枠が取得されたときこれを第
2のフレームの画像に照合し、領域枠が第2のフレーム
内において存在する確率が高い位置にその領域枠を移動
する枠移動工程を含み、領域枠を移動させた後に前記第
2抽出工程を行う。
【0022】枠移動工程による処理は既知のエリアマッ
チングなどによって可能である。すなわち、本態様は領
域枠自体の形状は変えずにそれを平行移動させ、しかる
後に領域枠をウインドウとして対象物体を探すという2
ステップで構成される。本態様によれば、例えば画面上
を対象物体が横切るような場合でも良好な追跡が可能で
ある。
【0023】(6)(3)〜(5)の場合、本発明のあ
る態様では、前記第2抽出工程によって抽出されたすべ
ての近似色領域によって構成される領域を新たな領域枠
としたうえで、第3のフレームに対して同様の分割処理
および抽出処理を行って所望の物体領域を追跡する。
【0024】この態様によれば、第1のフレームにおい
ていったん領域枠を指定すれば、以降この領域枠を自動
的に更新しながら物体を追跡することが可能になる。こ
の結果、物体領域の追跡における人手作業の介在を低減
することができ、作業効率が改善される。
【0025】(7)(3)〜(6)の場合、本発明のあ
る態様はさらに、抽出された所望の物体領域の画像デー
タ圧縮率とそれ以外の領域の画像データ圧縮率を変えて
各フレームの画像データを圧縮する工程を含む。ここ
で、データは符号を含む概念である。
【0026】この態様によれば、物体領域が画像上重要
な領域であるとき、その部分の圧縮率はあまり高めない
で画質を維持しつつ、それ以外の領域の圧縮率を高めて
全体の画像データ量を低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を適宜図
面を参照しながら説明する。
【0028】実施形態1.本実施形態は入力が静止画で
ある場合に関する。
【0029】図1は本実施形態の画像領域抽出方法の手
順を示すフローチャートである。このフローチャートを
実施するためのハードウエアは、例えばPCとそのPC
に画像を提供するイメージスキャナ、およびPCに対し
てユーザの指示を入力するマウスでよい。
【0030】図1のごとく、抽出は、まずPCに静止画
を入力し(S10)、これをPC内部で複数の近似色領
域に分割することから始まる(S12)。入力された画
像はPCのディスプレイに表示される(S14)。この
後、ユーザから注目領域の指定を受け付け(S16)、
一定の割合を超えてその注目領域に含まれるすべての近
似色領域を抽出し(S18)、この抽出結果を表示する
(S20)。ここで抽出結果が妥当であれば(S22の
Y)処理を終了し、妥当でなければ(S22のN)注目
領域の指定をやり直してS16以降の処理を実行する。
以下、これらの各工程を詳述する。
【0031】(S10)画像の入力 イメージスキャナから処理の対象となる静止画を入力す
る。図2は入力された画像の例を示している。この画像
は、背景2、人物の顔、および体8を含み、顔はさらに
髪の領域4とそれ以外の肌色領域6に分けられる。これ
ら4つの領域はそれぞれほぼ同じ色で構成されるとす
る。なお、肌色領域6はさらに目などの領域に細分化で
きるが、説明の簡単のため省略する。
【0032】(S12)近似色領域の分割 入力画像を画素値が似かよった領域、すなわち近似色領
域ごとに分割する。ここでは画素値の近さを単純にRG
B値の量子化値をもとに判断する。このため、まず入力
画像のノイズを除去すべくフィルタリングを行い、つづ
いて次式によって入力画像の全画素のR、G、Bを量子
化する。
【0033】 Rq=int(R/n) (式1) Gq=int(G/n) (式2) Bq=int(B/n) (式3) 式1〜3のint(X)はXを超えない最大整数、nは
量子化のレベル数、Rq、Gq、BqはそれぞれR、
G、Bの量子化値を示す。したがって、nが小さいほど
近似色領域の数が増える。実験においてはn=4〜8程
度で良好な結果が得られている。なお、3つの量子化値
の組(Rq,Gq,Bq)によって決まる色を量子化色
とよび、ある画素P(x,y)の量子化色をCq(x,
y)と書く。また、その画素Pの含まれる近似色領域を
R(x,y)と表記する。
【0034】つづいて、ある画素が隣接する画素と同じ
量子化色をもつとき、これらの画素を順次ひとつの領域
に統合していく。この処理は、 if( Cq(x,y)=Cq(x+i,y+i) ) then R(x,y) ← R(x+
i,y+i) ここで、x=1 〜w-2 ,y=1 〜h-2 , i,j =-1,0,1 というプログラムによって実現できる。ここで、wは入
力画像のx方向(横方向)の画素数、hは同様にy方向
(縦方向)の画素数である。
【0035】以上の結果、すべての近似色領域が決ま
る。しかし一般には、この段階では色むらやノイズの影
響により、例えば1000などという多数の近似色領域
が生じる。そこで後処理として、特定の大きさ、例えば
画素数10以下の近似色領域については、その領域の境
界線が最も長く接するような隣接領域を探し、これに併
合してしまう。この結果、近似色領域の数を例えば10
0程度に絞り込むことができる。ただし、以降の説明で
は簡単のために図2の入力画像に対して背景2、髪の領
域4、肌色領域6、体8の4つの近似色領域が得られた
と仮定する。
【0036】(S14)入力画像の表示 入力画像はS12によって近似色領域に分割されるとと
もに、PCのディスプレイに表示される。このとき、入
力画像をそのまま表示してもよいし、S12による処理
の完了を待ち、分割された各近似色領域の境界線を太線
などで結果を表示してもよい。
【0037】(S16)注目領域の指定 つづいて、ユーザに対して注目領域の指定を求める。図
3はユーザが画面上でマウスによって注目領域10を指
定した状態を示している。このときユーザは人の顔の領
域を切りだそうとしており、顔を囲む形で注目領域10
が指定されている。ただしその指定は大まかであり、注
目領域10の枠の一部が髪の領域4にかかっているとす
る。
【0038】(S18)領域の抽出 注目領域の指定が終われば、その注目領域にほぼ含まれ
る近似色領域をすべて抽出する。「ほぼ含まれる」こと
の判定に面積比を用いる。
【0039】ここで、ある近似色領域をRxとし、その
Rxの面積を S(Rx)、Rxのうち注目領域に含まれる
部分、すなわち領域内部分の面積を Sin(Rx)で表し、
「ほぼ含まれる」と判定するためのしきい値をTHとお
く。このとき、 Sin(Rx)/S (Rx)>TH (式4) が成立すれば、その近似色領域Rx全体を抽出する。こ
の処理を各近似色領域について行い、最終的に抽出され
たすべての近似色領域の集合をもって対象物体の領域と
みなす。
【0040】図3の場合、例えばTH=1/2程度にと
ることにより、髪の領域4と肌色領域6が抽出される。
背景2や体8の一部も注目領域10内に存在するが、こ
れは式4を満たさないため抽出されない。仮に肌色領域
6を目、耳、口などに細分化しても、これらはすべて式
4を満たすため、もれなく抽出することができる。
【0041】(S20)抽出結果の表示 図4はS18によって抽出されたすべての近似色領域の
集合を示す図で、S18の終了後、この画像がディスプ
レイに表示される。同図から明らかなごとく、当初の思
惑どおり顔の領域が正しく抽出されている。
【0042】(S22)領域結果の妥当性判断 最後に、ユーザはディスプレイに表示された抽出結果が
妥当であるかどうかを判断する。図4の場合は妥当であ
り、処理を終える。仮に図3において注目領域10がさ
らに下にずれていた場合、髪の領域4が抽出できない可
能性がある。その場合、ディスプレイには肌色領域6の
みが表示されるため、ユーザは注目領域10の設定に問
題があったことを知り、S16に戻って修正することが
できる。
【0043】以上が本実施形態の処理である。本実施形
態によれば、非常に大まかに注目領域を指定することで
所望の物体領域の抽出を高い精度で行うことができる。
このため、注目領域の指定を除き、Photoshop
のような人手作業をなくすことができる。その注目領域
の指定についても、用途によってはユーザが指定しなく
ともPC内部でデフォルトの形状を保持しておくことが
できる。例えばテレビ電話の画像の場合、人の顔が画面
ほぼ中央にあると考えられるため、中央付近に予め注目
領域を設けておいてもよい。その場合、人手作業がまっ
たく不要になる。
【0044】また本実施形態については、画像データの
圧縮処理に利用することができる。すなわち、抽出され
た物体領域を重要な領域とみなしてその画質を維持した
まま、それ以外の領域の画像データの圧縮率を高めるこ
とにより、全体のデータ圧縮率を高めることができる。
圧縮技術自体は既知であり、例えば画素の間引き、平滑
化などが挙げられる。
【0045】実施形態2.本実施形態は処理の対象が動
画像の場合に関する。本実施形態では、まず1枚目のフ
レーム(以下、第1フレームと表記)において対象物体
の領域を定め、以降別のフレーム(以下、第nフレーム
と表記)においてこの対象物体の領域を自動抽出する。
したがって、本実施形態の領域抽出方法によれば物体領
域の追跡が可能になる。本実施形態の処理は、第1フレ
ームに関するものと第nフレームに関するものに大別さ
れる。
【0046】[1]第1フレームに関する処理 実施形態1と同じ処理である。第1フレームのみを見れ
ばこれは静止画と考えてよいためである。ただし、処理
の最後に、他のフレームにおいて物体領域を探索するた
めの領域枠を取得する工程が追加される。領域枠とは、
任意のフレームにおいて所望の物体領域を探す際、その
ウインドウとして用いられる枠をいう。すなわち、この
ウインドウは第nフレームに関する注目領域となる。図
5は第1フレームについて得られた領域枠を示すもの
で、領域枠20は図4の髪の領域4と肌色領域6の集合
領域である。
【0047】[2]第nフレームに関する処理 図6は第2フレームに関する処理の手順を示すフローチ
ャートで、図1と同等の処理には同じ符号を与えてい
る。同図のごとく、処理は第2フレーム画像の入力(S
10)とその近似色領域への分割(S12)、領域枠の
平行移動(S30)、領域の抽出(S18)、抽出結果
の表示(S20)、抽出結果の妥当性の確認(S22)
と進み、妥当でない場合に領域枠の修正を行い(S3
2)、再度領域の抽出を行う。以下、図1と異なる工程
を中心に説明する。
【0048】(S30)領域枠の平行移動 領域枠20の平行移動は、フレーム間で物体が移動する
ことを考慮して行われる。図7は第2フレームの入力画
像を示す図である。同図では図1に比べて人が右側に移
動している。そこでこの第2フレームの入力画像全体と
図5の領域枠20のマッチング処理を行い、領域枠20
が第2のフレーム内において存在する確率が高い位置に
その領域枠を平行移動する。このため、マッチングの評
価式、 E(u,v )=Σ(|Current _C(x+u,y+v) −Previous_C(x,y) |) (式5) を最小にするような(u,v)を求め、これを領域枠2
0の平行移動量、すなわち動きベクトルとする。ただし
式5において、 ・Current _C(x,y) :現フレーム(第2フレーム)の P
(x,y) の原画素値 ・Previous_C(x,y) :前フレーム(第1フレーム)の P
(x,y) の原画素値 を表す。また、Σは前フレーム(第1フレーム)の領域
枠に含まれるx,yに関する総和で、u,vは領域枠が
第2フレーム画像全体を移動する範囲で変化するパラメ
ータである。なお、式5は原画素値ではなく、量子化色
を評価の対象にしてもよい。
【0049】図8はこうして求められたu,vをもとに
領域枠20が平行移動された状態を示す。ここで移動後
の領域枠22は、図7に示す第2フレームにおいて、第
1フレームの領域枠20と最もよいマッチングを示した
箇所である。本実施形態では、領域枠は平行移動される
にとどまり、さらに回転等を加えてマッチングをとるこ
とはしない。その理由は、計算量が増えること以外に、
この段階では大まかなマッチングをとればよく、以降の
処理は図6の領域の抽出(S18)に委ねさえすれば、
物体領域の回転などにさしたる影響を受けない本発明の
性質により、良好な追跡結果が得られるためである。
【0050】(S18)領域の抽出 つづいて、移動後の領域枠22を新たな注目領域と見立
てて実施形態1のS18同様の処理を行う。図9は移動
後の領域枠22をウインドウとして第2フレームの画像
を覗いた様子を示す図である。同図のごとく、髪の領域
4と肌色領域6の大半が移動後の領域枠22に収まって
いるため、式4により、やはりこれら2つの近似色領域
全体が抽出される。図10は抽出の結果得られた全近似
色領域の集合領域を示している。同図のごとく、第2フ
レームにおいても正しく顔の領域が抽出されている。以
降、実施形態1同様、領域結果の表示(S20)と領域
結果の妥当性判断(S22)を行う。
【0051】(S32)領域枠の修正 S22で仮に結果が妥当でないと判断された場合、エラ
ー処理として領域枠の修正工程に進む。ここでは、S3
0の段階で自動的に最適位置に移動された領域枠が表示
され、ユーザがこの位置や形状を修正する。この後、S
18で領域の抽出を再実行する。
【0052】以上が第2フレームに関する処理である。
第3フレームについては、第2フレームで最終的に抽出
された顔の領域(図10)が新たな領域枠になるよう領
域枠を自動更新して同様の処理を行えばよい。
【0053】第nフレームに関する処理について注目す
べきは、エラー処理であるS32を除き、図6に示す一
連の手順がすべて自動化できる点である。すなわち、第
1フレームについては注目領域をユーザが指定したが、
以降のフレームでは領域枠の平行移動が自動的に行われ
るためユーザの関与は不要である。この結果、画像領域
の追跡処理の作業効率を大幅に改善することができる。
また本実施形態では、対象物体の領域を一体に扱うた
め、図9などからも明らかなように、物体の回転、変
形、模様またはテキスチャの変化などに対してもきわめ
て追従性が高い。
【0054】なお、本実施形態については次のような変
形例も考えられる。
【0055】(1)本実施形態では物体領域を一体に扱
ったが、物体領域が正しく追跡されているかどうかを確
かめるために、領域枠に含まれる各近似色領域の配置に
ついて検査してもよい。例えば第1フレームについて得
られた領域枠20では、その上部に髪の領域4、下部に
肌色領域6がある。この領域枠20(厳密には移動後の
領域枠22)を注目領域として第2フレームから領域を
抽出する際、抽出される各近似色領域が実際にそのよう
な配置になっているかどうかを確認する。確認の結果、
配置が大きく異なる場合には警告を出すなどの処理も可
能である。
【0056】(2)本実施形態でも実施形態1同様、抽
出すべき物体が画面の特定箇所に存在することがわかっ
ている場合、第1フレームにおける注目領域の設定を自
動化してもよい。
【0057】(3)本実施形態でも実施形態1同様、抽
出された物体領域以外の画像データを圧縮することで重
要な画像情報を維持しつつ高いデータ圧縮率を実現する
ことができる。データの圧縮率を決めるパラメータとし
ては、空間解像度、フレームレート、色の数、DCT
(離散コサイン変換)係数量子化パラメータなどがあ
り、これらの値を変えることで所望の圧縮率を実現する
ことができる。
【0058】実験結果.図11〜16は実施形態2の方
法を用いて動画像からある人物の顔の領域を抽出した結
果を示す図である。図11〜13はそれぞれ第1フレー
ムの原画像、近似色領域に分割した様子を示す画像、抽
出された顔の領域画像、図14〜16は第2フレームに
関するそれらである。この実験では、第2フレームが第
1フレームよりも72フレーム先のフレームであった。
【0059】図11において白い矩形の領域が指定した
注目領域である。この結果、図13のごとく、人の顔が
ほぼ正しく抽出されている。同様に、第2フレームにつ
いても図16のように顔がほぼ正しく抽出されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の画像領域抽出方法の手順を示す
フローチャートである。
【図2】 実施形態1のS10で入力された画像の例を
示す図である。
【図3】 実施形態1のS16において、ユーザが画面
上で注目領域を指定した状態を示す図である。
【図4】 実施形態1において抽出されたすべての近似
色領域の集合を示す図である。
【図5】 実施形態2において第1フレームについて得
られた領域枠を示す図である。
【図6】 実施形態2において第2フレームに関する処
理の手順を示すフローチャートである。
【図7】 実施形態2において第2フレームの入力画像
を示す図である。
【図8】 実施形態2で領域枠が平行移動された状態を
示す図である。
【図9】 実施形態2で移動後の領域枠をウインドウと
して第2フレームの画像を覗いた様子を示す図である。
【図10】 実施形態2で領域抽出の結果得られた全近
似色領域の集合領域を示す図である。
【図11】 実験に用いた第1フレームの原画像を示
す、ディスプレイ上に表示した中間調画像の写真であ
る。
【図12】 実験に用いた第1フレームの原画像を近似
色領域に分割して得られた画像を示す、ディスプレイ上
に表示した中間調画像の写真である。
【図13】 実験に用いた第1フレームの原画像から顔
の領域を抽出した得られた画像を示す、ディスプレイ上
に表示した中間調画像の写真である。
【図14】 実験に用いた第2フレームの原画像を示
す、ディスプレイ上に表示した中間調画像の写真であ
る。
【図15】 実験に用いた第2フレームの原画像を近似
色領域に分割して得られた画像を示す、ディスプレイ上
に表示した中間調画像の写真である。
【図16】 実験に用いた第2フレームの原画像から顔
の領域を抽出した得られた画像を示す、ディスプレイ上
に表示した中間調画像の写真である。
【符号の説明】
2 背景、4 髪の領域、6 肌色領域、8 体、10
注目領域、20 領域枠、22 移動後の領域枠。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像から所望の物体の領域を抽出する方
    法であって、 画像をそれぞれが画素値の似かよった画素で構成される
    複数の近似色領域に分割する分割工程と、 物体を抽出すべき注目領域を指定する指定工程と、 指定された注目領域に所定の程度を超えて含まれる近似
    色領域をすべて抽出する抽出工程と、 を含むことを特徴とする画像領域抽出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 前記抽出工程は、各近似色領域について、その近似色領
    域のうち前記注目領域に含まれる部分と含まれない部分
    の面積比を算出し、前記含まれる部分の面積の割合が大
    きいときその近似色領域全体を抽出する画像領域抽出方
    法。
  3. 【請求項3】 第1のフレームの画像をそれぞれが画素
    値の似かよった画素で構成される複数の近似色領域に分
    割する第1分割工程と、 そのフレーム画像のうち所定の注目領域に所定の程度を
    超えて含まれる近似色領域をすべて抽出する第1抽出工
    程と、 第1抽出工程によって抽出された近似色領域を、物体を
    追跡するための領域枠として取得する第1枠取得工程
    と、 第2のフレームの画像をそれぞれが画素値の似かよった
    画素で構成される複数の近似色領域に分割する第2分割
    工程と、 前記領域枠に所定の程度を超えて含まれる第2のフレー
    ム内の近似色領域をすべて抽出する第2抽出工程と、 を含み、前記領域枠を第1フレームにおける所望の物体
    領域とみなし、第2抽出工程によって抽出されたすべて
    の近似色領域によって構成される領域を第2のフレーム
    における所望の物体領域とみなすことを特徴とする画像
    領域抽出方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、 前記第1抽出工程は、前記注目領域の指定を画面上で受
    け付けたうえで抽出処理を行う画像領域抽出方法。
  5. 【請求項5】 請求項3、4のいずれかに記載の方法に
    おいて、 該方法はさらに、領域枠が取得されたときこれを第2の
    フレームの画像に照合し、領域枠が第2のフレーム内に
    おいて存在する確率が高い位置にその領域枠を移動する
    枠移動工程を含み、領域枠を移動させた後に前記第2抽
    出工程を行う画像領域抽出方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載の方法に
    おいて、 前記第2抽出工程によって抽出されたすべての近似色領
    域によって構成される領域を新たな領域枠としたうえ
    で、第3のフレームに対して同様の分割処理および抽出
    処理を行って所望の物体領域を追跡する画像領域抽出方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の方法に
    おいて、 該方法はさらに、抽出された所望の物体領域の画像デー
    タ圧縮率とそれ以外の領域の画像データ圧縮率が異なる
    ように各フレームの画像データを圧縮する工程を含むこ
    とを特徴とする画像領域抽出方法。
JP23134296A 1996-08-13 1996-08-13 画像領域抽出方法 Pending JPH1063855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23134296A JPH1063855A (ja) 1996-08-13 1996-08-13 画像領域抽出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23134296A JPH1063855A (ja) 1996-08-13 1996-08-13 画像領域抽出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1063855A true JPH1063855A (ja) 1998-03-06

Family

ID=16922137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23134296A Pending JPH1063855A (ja) 1996-08-13 1996-08-13 画像領域抽出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1063855A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004193990A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Sony Corp 情報処理システム、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
JP2008167220A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Canon Inc 画像処理装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体
JP2009027563A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Fujifilm Corp 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP2011100459A (ja) * 2010-11-10 2011-05-19 Olympus Corp 学習型画像分類装置及び方法並びにその処理プログラムを記録した記録媒体撮影装置
JP2012038459A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Shimadzu Corp 質量分析装置
US8467571B2 (en) 2008-10-02 2013-06-18 Akiyoshi Momoi Ordered recognition of connected objects
JP2014527210A (ja) * 2011-06-14 2014-10-09 クゥアルコム・インコーポレイテッド オプティカルフローを決定するためのコンテンツ適応型システム、方法、及び装置
JP2018045693A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 フラミー インコーポレイテッド 動画像背景除去方法及び動画像背景除去システム
JP2019086341A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 セイコーインスツル株式会社 時計システムおよび時計システムの表示方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004193990A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Sony Corp 情報処理システム、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
JP4586328B2 (ja) * 2002-12-11 2010-11-24 ソニー株式会社 情報処理システム、情報処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
JP2008167220A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Canon Inc 画像処理装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体
JP2009027563A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Fujifilm Corp 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
US8467571B2 (en) 2008-10-02 2013-06-18 Akiyoshi Momoi Ordered recognition of connected objects
JP2012038459A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Shimadzu Corp 質量分析装置
JP2011100459A (ja) * 2010-11-10 2011-05-19 Olympus Corp 学習型画像分類装置及び方法並びにその処理プログラムを記録した記録媒体撮影装置
JP2014527210A (ja) * 2011-06-14 2014-10-09 クゥアルコム・インコーポレイテッド オプティカルフローを決定するためのコンテンツ適応型システム、方法、及び装置
US9323988B2 (en) 2011-06-14 2016-04-26 Qualcomm Incorporated Content-adaptive pixel processing systems, methods and apparatus
JP2018045693A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 フラミー インコーポレイテッド 動画像背景除去方法及び動画像背景除去システム
JP2019086341A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 セイコーインスツル株式会社 時計システムおよび時計システムの表示方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3679512B2 (ja) 画像抽出装置および方法
US9495582B2 (en) Digital makeup
US6456328B1 (en) Object-oriented adaptive prefilter for low bit-rate video systems
US5533149A (en) Computer based digital image noise reduction method based on overlapping planar approximation
US6343141B1 (en) Skin area detection for video image systems
JP3461626B2 (ja) 特定画像領域抽出方法及び特定画像領域抽出装置
US7542600B2 (en) Video image quality
US6983079B2 (en) Reducing blocking and ringing artifacts in low-bit-rate coding
US7088845B2 (en) Region extraction in vector images
JP3769487B2 (ja) 画像肌色検出における金髪画素除去方法
US7573478B2 (en) Multi-image-frame sprite recognition in animated sequences
US20030012277A1 (en) Image signal coding method, image signal coding apparatus and storage medium
JP2000036052A (ja) 複数人物が存在する場合の人間の顔のロバスト追跡方法
CN107993209B (zh) 图像处理方法、装置、计算机可读存储介质和电子设备
WO2007076892A1 (en) Edge comparison in segmentation of video sequences
CN111199197B (zh) 一种人脸识别的图像提取方法及处理设备
KR20160110038A (ko) 화상 처리 장치 및 화상 처리 방법
JPH1063855A (ja) 画像領域抽出方法
JP4092059B2 (ja) 画像認識装置
US11501404B2 (en) Method and system for data processing
CN113744294A (zh) 图像处理方法及相关装置
CN116263942A (zh) 一种调整图像对比度的方法、存储介质及计算机程序产品
CN111160290B (zh) 一种提取手掌静脉有效区域的方法
CN114170071A (zh) 一种图像处理方法、装置、设备及介质
JP3979122B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法