JPH1062507A - 目標運動解析方法及び目標運動解析装置 - Google Patents

目標運動解析方法及び目標運動解析装置

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JPH1062507A
JPH1062507A JP22332796A JP22332796A JPH1062507A JP H1062507 A JPH1062507 A JP H1062507A JP 22332796 A JP22332796 A JP 22332796A JP 22332796 A JP22332796 A JP 22332796A JP H1062507 A JPH1062507 A JP H1062507A
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observation
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Yoshio Okita
芳雄 沖田
Shunji Ozaki
俊二 尾崎
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マニューバが発生したときに直ちにそのこと
を高感度で検出する目標運動解析方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 観測量時系列に対する正規化予測残差に
一次回帰式を当てはめて回帰式の係数を推定し、推定さ
れた係数で表現された回帰式の有意性検定により、正規
化予測残差のバイアスの有無を判定し、マニューバの有
無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標体から放射さ
れる音響を運動可能な観測体に取り付けた受波器センサ
アレイで受信し、雑音に乱された観測量から、移動目標
体の位置や速度や音源固有周波数等に関する内部状態量
の測定を行なう目標運動解析方法及び目標運動解析装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、目標運動解析方法における観測
系及び運動系を示す幾何学的説明図である。
【0003】図2において、(X、Y)は原点oの固定
座標系、1は観測体、2は目標体、x1 (t) は時刻tに
おける観測体1の位置ベクトル、x2 (t) は時刻tにお
ける目標体2の位置ベクトル、r(t) は時刻tにおける
観測体1と目標体2間の距離‖x2 (t) −x1 (t) ‖、
θ(t) は時刻tにおける観測体1から見たY軸を基準と
する目標体2の方位角である。なお、‖ ‖はベクトル
のノルムを表わしている。
【0004】目標運動解析方法は、目標体2が等速直線
運動を行なっていると仮定し、雑音に乱された目標音源
の方位角及び周波数の観測時系列から、目標体2の位置
や速度等を同定するものである。以下ではまず、目標運
動解析方法の動作原理について説明する。
【0005】時刻tにおける方位角θ(t) の観測値及び
音源の第k固有周波数成分fk のドップラシフト周波数
νk (t) の観測値をそれぞれ(1) 式のように表わす。 θm (t) =θ(t) +n(t) νkm(t) =νk (t) +ηk (t) …(1) ここで、n(t) 、ηk (t) はそれぞれ、時刻tにおける
方位角θ(t) 対する観測雑音及びドップラシフト周波数
νk (t) に対する観測雑音である。
【0006】また、目標体2に対する観測体1から見た
相対位置ベクトルx(t) を(2) 式で表し、時刻t=
1 、…、tn における内部状態量ベクトルX(t) を
(3) 式で定義する。なお、(3) 式におけるTはベクトル
の転置を表しており、以下、この明細書においては、同
様に、行列又はベクトルの転置をTを付与して表す。ま
た、・は時間微分を表している。
【0007】
【数1】 なお、この明細書において、イメージリーダーで読み込
んだ式の表記においては、ベクトルは下線を付与し、行
列は2重下線を付与しており、文章中の表記と異なって
いるので注意を要する。また、図面表記においても、ベ
クトルは下線を付与し、行列は2重下線を付与してい
る。
【0008】今、時刻t=t0 における内部状態量ベク
トルをX0 =X(t0 )とおくとき、時刻tの内部状態
量ベクトルX(t) と、時刻t=t0 における内部状態量
ベクトルX0 との関係は、(4) 式に示す状態遷移式で与
えられる。
【0009】
【数2】 内部状態量ベクトルX(t) の推定は、時刻t=t1
…、tn における観測値の組から構成される(5) 式に示
す評価関数L(X0 )を最小とする初期内部状態量ベク
トルX0 を求めることによって行なう。(5) 式に示す評
価関数L(X0 )は、観測体1及び目標体2の運動速度
は音速に比べはるかに小さいと仮定しているものであ
る。なお、(5) 式の各要素は、(6) 式によって表される
ものである。また、(6) 式中のE[ ]はアンサンブル
平均を示している。
【0010】
【数3】 評価関数L(X0 )の最小化においては、(7) 式に示す
非線形方程式を繰り返し法を用いて解く必要があり、そ
のための初期値^X00(なお、推定値を示す^を符号の
上部に付与して示す場合の他、場合によってはこのよう
に符号の前に付与して示す)を定める必要がある。
【0011】
【数4】 このため、観測値誤差が微小であるとして、各要素が
(9) 式に示すように表される(8) 式に示す方程式を導
き、さらに、この方程式の重み行列W(X(t) )の未知
要素を適当な設定値で置き換えた近似重み行列^Wを用
いて、初期内部状態量ベクトルX0 に関する(10)式に示
す疑似線形方程式を解くことにより、目標運動解析の初
期値^X00を定めている(文献1参照)。ここで、+は
一般逆行列を表している。
【0012】
【数5】
【数6】 文献1『J.M.Passerieux,D.Pillion,P.Blanc-Benon and
C.Jauffret 、“Target Motion Analysis with Bearin
g and Frequencies Measurements vis Instrumental Va
riable Estimator”、ACASSP、pp.2645-2648、1989年』 引き続く目標運動解析では、(10)式で与えられる^X00
を初期値として、(5)式の評価関数L(X0 )を最小化
する適切な内部状態量ベクトル^X0 を、(7)式の非線
形方程式を解くことによって求める。
【0013】また、時刻t=t1 、…、tn における観
測値の組から求められた内部状態量ベクトルX0 の推定
値ベクトル^X0 の推定情報行列は、(11)式で定義さ
れ、時刻t=t1 、…、tn における推定状態量ベクト
ル^Xt の推定情報行列は、(4) 式の関係から(12)式で
表される。
【0014】
【数7】 時刻t=t1 、…、tn+m において、目標体2が変針、
変速等によるマニューバを行なった場合には、目標運動
解析の仮定条件が成立せず、時刻t=tn+1 、…、t
n+m の観測値に対する、(13)式で定義される予測残差ベ
クトルεの統計分布が、想定される統計分布から逸脱す
る。従って、該予測残差の分布を調べることによりマニ
ーュバの検出を行なうことができる(文献2参照)。
【0015】
【数8】 文献2『J.C.Hassab、“Underwater signal and data p
rocessing ”、CRCPress,Inc.、1990年』 以下、従来の目標運動解析方法におけるマニューバの検
出方法について詳述する。
【0016】時刻t=t1 、…、tn+m における観測雑
音の分布として、平均0、分散共分散行列が(6) 式で与
えられる正規分布を想定すると、時刻t=t1 、…、t
n における観測値の組から求められた内部状態量ベクト
ルX0 の推定値ベクトル^X0 に基づく、時刻t=t
n+1 、…、tn+m の観測値に対する(13)式の予測残差ベ
クトルεの推定分散共分散行列Σεは、(14)式で与えら
れる。但し、(14)式における各要素は時刻t=tn+1
…、tn+m の観測値に対応する諸量である。
【0017】
【数9】 いま、予測残差ベクトルεの各成分の平均が0であり、
互いに独立であると仮定すると、m次元確率ベクトルε
j の分散共分散行列は、(15)式に示すようになる。よっ
て、m次元確率ベクトルεj の各成分は、それぞれ独立
に多変量正規分布に従い、該各成分の和の平均値μ
j は、(16)式に示す正規分布に従う。
【0018】
【数10】 マニュ−バが発生した場合、この平均値μj が想定され
る正規分布から逸脱することを用いて、マニューバの検
出を行なう。すなわち、H0:μj =0を帰無仮説とす
るとき、標準化した検定統計量zj を(17)式で与える
と、zα/2を標準正規分布の上側α/2点として棄却域
を(18)式に示すようにすれば、有意水準αでマニューバ
の検出が可能である。
【0019】
【数11】 マニューバが検出されたときには、従来の目標運動解析
方法が仮定している目標体2が等速直線運動を行なって
いることが満たされていないので、マニューバ検出以降
の観測値時系列を用いて、解析が最初からやり直され
る。
【0020】図3は、従来の目標運動解析方法を適用し
た目標運動解析装置におけるマニューバ検出部の機能ブ
ロック図である。
【0021】マニューバ検出部10は、観測値と、内部
状態量から推定される観測値との残差を算出する予測残
差算出部11と、推定内部状態量及び該推定内部状態量
の推定情報行列から、観測値の予測値及び予測残差の分
散共分散行列を算出する予測値算出部12と、予測残差
及び予測残差の分散共分散行列から検定統計量を算出す
る検定統計量算出部13と、検定統計量と閾値とを比較
してマニューバの判定を行なう閾値比較部14とから構
成されている。
【0022】マニューバ検出部10においては、時刻t
=tn+1 、…、tn+m におけるm組の観測方位角θ
m (t) 及びドップラシフト観測周波数成分νkm(t) (k
=1、…、p)が予測残差算出部11に入力されるのに
同期して、予測値算出部12は、以下の処理を行なう。
すなわち、予測値算出部12は、内部状態量推定部(図
示せず)から送られた内部状態量の推定値ベクトル^X
0 を用いて、時刻t=tn+ 1 、…、tm (>tn )にお
ける観測方位角θm (t) 及びドップラシフト観測周波数
成分νkm(t) (k=1、…、p)に対する予測値を算出
して予測残差算出部11に送ると共に、内部状態量の推
定値ベクトル^X0 及び該内部状態量の推定値の推定情
報行列から、(14)式を用いて予測残差の推定分散共分散
行列を算出し、結果を検定統計量算出部13に送る。予
測残差算出部11では、予測値算出部12から送られた
予測値と既に入力されている観測方位角及びドップラシ
フト観測周波数成分とから、予測残差を算出して検定統
計量算出部13へ送る。この検定統計量算出部13で
は、(17)式を用いて平均値に関する統計量zj (j=
0、1、…、p)を算出し、結果を閾値比較部14へ送
る。該閾値比較部14では、図示しない閾値設定端子か
ら設定された検定閾値zα/2と該検定統計量zj を比較
し、(18)式が満たされた場合にはマニューバ検出と判定
して、初期化指示信号を図示しない初期値算出部に送
り、初期値算出から目標運動解析をやり直すようにさせ
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
目標運動解析方法及び目標運動解析装置におけるマニュ
ーバ検出法では、m個の予測残差の平均値を用いている
ため、マニューバが発生してもその影響が平滑化され、
予測残差の変動がすぐには検定統計量に反映されず、マ
ニューバの検出感度が低いという課題があった。
【0024】そのため、マニューバの検出感度が高い目
標運動解析方法及び目標運動解析装置が求められてい
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明は、目標体から放射された音響を、運
動可能な観測体に取り付けた受波器センサアレイで受信
し、この目標体の方位角測定結果である方位観測量時系
列と周波数測定結果である周波数観測量時系列とでなる
観測量時系列から、目標体が等速直線運動を行なうとい
う仮定下で、目標体の位置、速度に関する状態量と共
に、目標体の音源固有周波数に関する状態量を推定する
目標運動解析方法において、以下のようにしたことを特
徴とする。
【0026】すなわち、目標体が等速直線運動を行なう
という仮定が成り立たない目標体の変針、変速等のマニ
ューバの有無の判定を、観測量時系列に対する正規化予
測残差に一次回帰式を当てはめて回帰式の係数を推定
し、推定された係数で表現された回帰式の有意性検定に
より、正規化予測残差のバイアスの有無を判定して行な
うことを特徴とする。
【0027】第2の本発明は、目標体から放射された音
響を、運動可能な観測体に取り付けた受波器センサアレ
イで受信し、この目標体の方位角測定結果である方位観
測量時系列と周波数測定結果である周波数観測量時系列
とでなる観測量時系列から、目標体が等速直線運動を行
なうという仮定下で、目標体の位置、速度に関する状態
量と共に、目標体の音源固有周波数に関する状態量を推
定するものであって、目標体が等速直線運動を行なうと
いう仮定が成り立たない目標体の変針、変速等のマニュ
ーバの有無の判定を行なうマニューバ検出手段を有する
目標運動解析装置において、マニューバ検出手段が以下
の各部を有することを特徴とする。
【0028】すなわち、マニューバ検出手段が、(1) 観
測量時系列に対する正規化予測残差を算出する正規化予
測残差算出部と、(2) 算出された正規化予測残差に一次
回帰式を当てはめて回帰式の係数を推定する回帰直線推
定部と、(3) 推定された係数で表現された回帰式の有意
性検定により、正規化予測残差のバイアスの有無を判定
してマニューバの有無をとらえる検定部とを有すること
を特徴とする。
【0029】第1及び第2の本発明により、マニューバ
が発生して正規化予測残差に偏りが生じ始めた時点から
マニューバの検出が可能となり、マニューバが発生して
もその影響が平滑化されてマニューバの検出感度が低い
という従来の課題を解決できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明による目標運動解析方法及び目標運動解析装置の一実
施形態を説明する。
【0031】まず、この実施形態の目標運動解析方法に
おけるマニューバ検出の原理について説明する。
【0032】この実施形態のマニューバ検出方法では、
マニューバが発生してもその影響が平滑化されてマニュ
ーバの検出感度が低いという従来のマニューバ検出方法
の課題を解決するため、正規化された予測残差に一次回
帰式を当てはめ、該回帰式の係数の有意性検定により、
該正規化予測残差の偏りの有無を判定してマニューバの
検出を行なうようにしたものである。
【0033】上述した(13)式の予測残差ベクトルεj
その推定分散共分散行列Σj を用いて(19)式に示すよう
に正規化する。但し、Σj -1/2はΣj -1の上三角平方根
行列である。また、以降では表記を簡単化するために添
字jを省いて記述する。
【0034】 ymj=Σj -1/2εj …(19) 目標体2が等速直線運動を行なっている場合には、該正
規化予測残差は単位分散を持ち、統計的には振幅は一定
である。しかし、マニューバが発生した場合には、分布
に偏りが生じるため、該正規化予測残差系列は傾きを持
つ。従って、この傾きが0であるか否かを調べればマニ
ューバの検出が可能である。因に、上述したように、従
来のマニューバ検出方法では、この傾きの影響をm個の
時系列区間全体の平均値の変動として検出していたた
め、マニューバの検出感度が低いという課題が生じてい
た。
【0035】今、(19)式で与えられる正規化予測残差ベ
クトル系列ym に対し、(20)式に示すように時間tを変
数とした一次回帰式を当てはめる。但し、ベクトルζは
回帰式ベクトルyからの残差ベクトルであり、各成分は
平均0、互いに独立で等しい分散を持つ正規分布に従う
と仮定する。
【0036】
【数12】 このとき、(21)式に示す評価関数Jを最小化する回帰係
数a及びbの推定値は(22)式で与えられる。なお、上線
が付与された値は、該当する値の平均値を示している。
【0037】
【数13】 このとき、正規化予測残差に偏りがないという帰無仮説
H0:a=0のもとで、(23)式に示すF値は自由度
(1,m−2)のF分布に従がうことが知られている。
よって、有意水準αに対するF分布表の値をFα(1,
m−2)とすると、F値が(24)式を満たす場合、危険率
(有意水準)αで帰無仮説H0を棄却し、正規化予測残
差に偏りがある、すなわち、マニューバが発生したと判
定することができる。
【0038】
【数14】 このようにすれば、マニューバが発生して正規化予測残
差に偏りが生じ始めた時点から、回帰直線の傾きが変化
するため、観測区間内の平均値を用いて予測残差の偏り
を検出する従来の方法に比べマニューバの検出感度が高
くなる。
【0039】図4は、上述した原理に従うマニューバ検
出方法を適用した目標運動解析装置の全体構成を示す機
能ブロック図である。
【0040】この目標運動解析装置は、図示しない受波
器センサからの信号入力端子21、受信信号から目標信
号の到来方位の算出を行なう方位情報算出部22、受信
信号から目標信号の周波数成分の算出を行なう周波数情
報算出部23、方位情報と周波数情報から初期状態量を
算出する初期値算出部24、目標体2のマニューバ検出
を行なうマニューバ検出部25、目標体2の運動を解析
する内部状態量推定部26、目標運動解析結果を出力す
る出力端子27及びマニューバ検出用の閾値の入力端子
28を有する。
【0041】ここで、マニューバ検出部25は、観測値
と、内部状態量から予測される観測値との残差を算出す
る予測残差算出部31、推定内部状態量及び該推定内部
状態量の推定情報行列から、観測値の予測値及び予測残
差の分散共分散行列を算出する予測値算出部32、予測
残差及び予測残差の分散共分散行列から正規化予測残差
を算出する正規化予測残差算出部33、正規化予測残差
に一次回帰式を当てはめ、係数の推定を行なう回帰直線
推定部34、回帰直線推定部34より得られた諸量を用
いて検定統計量を算出する検定統計量算出部35、及
び、検定統計量とその閾値を比較し、マニューバの判定
を行なう閾値比較部36から構成されている。
【0042】次に、この目標運動解析装置の動作につい
て説明する。入力端子21から入力された、受信センサ
アレイで受信された信号源からの受信信号は、それぞれ
方位情報算出部22及び周波数情報算出部23に送られ
る。受信信号が方位情報算出部22及び周波数情報算出
部23に入力されると、方位情報算出部22では観測方
位角θm (t) を算出し、また、周波数情報算出部23で
はドラップラシフト観測周波数成分νkm(t) (k=1、
…、p)を算出し、結果を初期値算出部24及びマニュ
ーバ検出部25に送る。
【0043】時刻t=t1 、…、tn におけるn組の観
測方位角θm (t) 及びドップラシフト観測周波数成分ν
km(t) が初期値算出部24に入力されると、初期値算出
部24は、(10)式を用いて運動解析の初期値^X00を求
め、結果を内部状態量推定部26に送る。運動解析の初
期値^X00が内部状態量算出部26に入力されると、内
部状態量算出部26は、この値^X00を運動解析の初期
値として(5) 式で与えられる非線形最小二乗問題を解い
て内部状態量の推定値^X0 を求め、目標体運動の内部
状態量x2 (t) の推定量^x2 (t) を算出して、結果を
出力端子27に送ると共に、内部状態量の推定値^X0
及び(11)式で算出されるその推定情報行列をマニューバ
検出部25に送る。
【0044】マニューバ検出部25では、次ステップに
おいて、時刻t=tn+1 、…、tn+ m におけるm組の観
測方位角θm (t) 及びドップラシフト観測周波数成分ν
km(t) (k=1、…、p)が予測残差算出部31に入力
されるのに同期して、予測値算出部32が、内部状態量
推定部26から送られた内部状態量の推定値^X0 を用
いて、時刻tn+1 、…、tm (>tn )における観測方
位角θm (t) 及びドップラシフト観測周波数成分ν
km(t) (k=1、…、p)に対する予測値を算出して予
測残差算出部31に送ると共に、内部状態量の推定値^
0 及びこの推定状態量の推定情報行列から、(14)式を
用いて予測残差の推定分散共分散行列を算出し、結果を
正規化予測残差算出部33に送る。
【0045】予測残差算出部31は、予測値算出部32
より送られた予測値と既に入力されている観測方位角及
びドップラシフト観測周波数成分とから、予測残差を算
出して正規化予測残差算出部33へ送る。正規化予測残
差算出部33は、(20)式に従って正規化予測残差を算出
し、結果を回帰直線推定部34へ送る。
【0046】回帰直線推定部33は、正規化予測残差に
対して一次回帰式を当てはめ、その係数の推定を行な
い、(22)式及び(23)式で与えられる諸量を計算して、結
果を検定統計量算出部35へ送る。検定統計量算出部3
5は、(23)式を用いて統計量Fを算出し、結果を閾値比
較部36へ送る。閾値比較部36は、閾値設定端子28
から設定された検定閾値Fα(1,m−2)とこの検定
統計量Fとを比較し、(24)式が満たされた場合にはマニ
ューバ検出と判定して、初期化指示信号を初期値算出部
24に送る。
【0047】上記実施形態によれば、正規化された予測
残差に一次回帰式を当てはめ、この回帰式の(係数の)
有意性検定により、予測残差の偏りの有無を判定してマ
ニューバの検出を行なっているため、マニューバが発生
して正規化予測残差に偏りが生じ始めた時点からマニュ
ーバの検出が可能となり、マニューバが発生してもその
影響が平滑化され、マニューバの検出感度が低いという
従来の課題を解決することができる。
【0048】なお、上記実施形態においては、観測方位
角及びドップラシフト観測周波数成分を融合した状態で
予測残差に基づくマニューバ検出を行なうものを示した
が、観測方位角についての予測残差に基づくマニューバ
検出と、ドップラシフト観測周波数成分についての予測
残差に基づくマニューバ検出とを別系列として行ない、
いずれか一方又は両方の結果がマニューバ検出のときに
最終的な検出結果をマニューバ検出とするようにしても
良い。
【0049】また、上記実施形態においては、回帰式を
利用してマニューバ検出を行なうものを示したが、これ
に加えて、従来と同様なマニューバ検出を行ない、少な
くとも一方の検出結果がマニューバという結果のときに
最終的な検出結果をマニューバ検出とするようにしても
良い。
【0050】さらに、上記実施形態は、閾値設定端子2
8からのマニューバ検出用の閾値を用いてマニューバ検
出を行なうものであるが、この閾値(従って、検出の有
意水準α)を任意に変更し得るようにしても良い。
【0051】さらにまた、上記実施形態においては、内
部状態量推定部からの出力が目標体の座標系上での絶対
位置ベクトルのものを示したが、他の値であっても良
い。例えば、観測体からの目標体への相対位置ベクトル
であっても良い。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の目標運動解析方
法及び目標運動解析装置によれば、正規化された予測残
差に一次回帰式を当てはめ、得られた回帰式(の係数)
の有意性検定により、予測残差の偏りの有無を判定して
マニューバの検出を行なっているので、マニューバが発
生して正規化予測残差に偏りが生じ始めた時点からマニ
ューバの検出が可能となり、マニューバが発生してもそ
の影響が平滑化され、マニューバの検出感度が低いとい
う従来の課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のマニューバ検出部の詳細構成を示す
機能ブロック図である。
【図2】目標運動解析方法が適用される観測系及び運動
系を示す説明図である。
【図3】従来のマニューバ検出部の詳細構成を示す機能
ブロック図である。
【図4】実施形態の目標運動解析装置の全体構成を示す
機能ブロック図である。
【符号の説明】
22…方位情報算出部、23…周波数情報算出部、24
…初期値算出部、25…マニューバ検出部、26…内部
状態量推定部、31…予測残差算出部、32…予測値算
出部、33…正規化予測残差算出部、34…回帰直線推
定部、35…検定統計量算出部、36…閾値比較部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標体から放射された音響を、運動可能
    な観測体に取り付けた受波器センサアレイで受信し、こ
    の目標体の方位角測定結果である方位観測量時系列と周
    波数測定結果である周波数観測量時系列とでなる観測量
    時系列から、上記目標体が等速直線運動を行なうという
    仮定下で、上記目標体の位置、速度に関する状態量と共
    に、上記目標体の音源固有周波数に関する状態量を推定
    する目標運動解析方法において、 上記目標体が等速直線運動を行なうという仮定が成り立
    たない目標体の変針、変速等のマニューバの有無の判定
    を、観測量時系列に対する正規化予測残差に一次回帰式
    を当てはめて回帰式の係数を推定し、推定された係数で
    表現された回帰式の有意性検定により、正規化予測残差
    のバイアスの有無を判定して行なうことを特徴とする目
    標運動解析方法。
  2. 【請求項2】 観測量時系列に対する予測残差の和又は
    平均値と、該予測残差の推定分散を用いたバイアス検定
    によってもマニューバの有無の判定を行ない、この判定
    結果と、回帰式を利用したマニューバの有無の上記判定
    結果とから、最終的なマニューバの有無の判定結果を生
    成することを特徴とする請求項1に記載の目標運動解析
    方法。
  3. 【請求項3】 目標体から放射された音響を、運動可能
    な観測体に取り付けた受波器センサアレイで受信し、こ
    の目標体の方位角測定結果である方位観測量時系列と周
    波数測定結果である周波数観測量時系列とでなる観測量
    時系列から、上記目標体が等速直線運動を行なうという
    仮定下で、上記目標体の位置、速度に関する状態量と共
    に、上記目標体の音源固有周波数に関するの状態量を推
    定するものであって、上記目標体が等速直線運動を行な
    うという仮定が成り立たない目標体の変針、変速等のマ
    ニューバの有無の判定を行なうマニューバ検出手段を有
    する目標運動解析装置において、 上記マニューバ検出手段が、 観測量時系列に対する正規化予測残差を算出する正規化
    予測残差算出部と、 算出された正規化予測残差に一次回帰式を当てはめて回
    帰式の係数を推定する回帰直線推定部と、 推定された係数で表現された回帰式の有意性検定によ
    り、正規化予測残差のバイアスの有無を判定してマニュ
    ーバの有無をとらえる検定部とを有することを特徴とす
    る目標運動解析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008268044A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Oki Electric Ind Co Ltd 目標状態量推定方法
JP2009058367A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Hitachi Ltd 目標運動解析方法及び装置
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JP2011200040A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Toshiba Corp 発電量予測装置、予測方法及び予測プログラム

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