JPH1062099A - 飛翔体のアンビリカルケーブル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電力線のみの配線で賄うことができ
るアンビリカルケーブル装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】飛翔体制御装置１０と、電力線とコネクタ
により構成されるアンビリカルケーブル３０とからな
り、飛翔体制御装置１０は、制御部１１と、シリアル変
換器１２と、拡散スペクトラム信号変換器１３と、復調
器１４と、復号器１５を具備し、初期値信号と制御信号
を発する制御部１１からの信号を、シリアル変換器１２
で変換後、拡散スペクトラム信号変換器１３で変換し、
電力線４０にのせて、飛翔体２０の復調器２１に出力
し、飛翔体２０には、復調器２１と、復号器２２と、飛
翔体本体２３と、シリアル変換器２４と、拡散スペクト
ラム信号変換器２５を有し、飛翔体制御装置１０からの
信号を復調器２１および復号器２２により元信号に戻し
て飛翔体本体２３に供給することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、発射母機から発射
直前の電子機器室と飛翔体の間で授受される射撃諸元お
よび制御信号を、拡散スペクトラム信号にのせることに
より、電力線だけで賄うことができるアンビリカルケー
ブル装置に関する。

【０００２】ここで、アンビリカルケーブル（ｕｍｂｉ
ｌｉｃａｌ ｃａｂｌｅ）とは、（へその緒のような）
導管の役をする電気ケーブルのことをいい、本発明のア
ンビリカルケーブルは電力線とコネクタにより構成され
る。

【０００３】

【従来の技術】図２に、従来の技術によるシステムの系
統図を示す。従来の技術では、発射母機から発射直前に
射撃諸元を受信した後、自機のバッテリを活性化して発
射される対艦飛翔体は、上記射撃諸元の他に、各種電力
線、制御信号線を含む７０〜１００本程度の大型コネク
タを使用したアンビリカルケーブルを有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、電力
線以外の制御信号、初期値信号等を含めると、アンビリ
カルケーブルは７０〜１００本程度のワイヤから構成さ
れ、大規模なものとなる。

【０００５】飛翔体制御装置から飛翔体の間に、これら
のワイヤが介在するため、接触不良等の不具合を誘発す
る確率が高い。また、飛翔体開発の度に、発射母機の配
線改修ならびにアンビリカルケーブルの開発を必要とす
る。本発明は、これらの問題を解決することが出来る飛
翔体のアンビリカルケーブル装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

（第１の手段）本発明に係る飛翔体のアンビリカルケー
ブル装置は、（Ａ）飛翔体制御装置（１０）と、電力線
とコネクタにより構成されるアンビリカルケーブル（３
０）とからなり、（Ｂ）前記飛翔体制御装置（１０）
は、制御部（１１）と、シリアル変換器 （１２）と、
拡散スペクトラム信号変換器（１３）と、復調器（１
４）と、復号器（１５）を具備し、初期値信号と制御信
号を発する制御部（１１）からの信号を、シリアル変換
器（１２）で変換後、拡散スペクトラム信号変換器（１
３）で変換し、電力線（４０）にのせて、飛翔体（２
０）の復調器（２１）に出力し、（Ｃ）飛翔体（２０）
には、復調器（２１）と、復号器（２２）と、飛翔体本
体（２３）と、シリアル変換器（２４）と、拡散スペク
トラム信号変換器（２５）を有し、飛翔体制御装置（１
０）からの信号を復調器（２１）および復号器（２２）
により元信号に戻して飛翔体本体（２３）に供給し、
（Ｄ）飛翔体から飛翔体制御装置（１０）へのリプライ
信号は、飛翔体（２０）のシリアル変換器（２４）で変
換後、拡散スペクトラム信号変換器（２５）で変換し、
電力線（４０）にのせて、飛翔体制御装置（１０）の復
調器（１４）に出力し、（Ｅ）飛翔体制御装置（１０）
は、復調器（１４）、復号器（１５）により符号化し、
拡散スペクトラム信号化して、制御部（１１）へ送り返
すことを特徴とする。

【０００７】上記のように、本発明に係る飛翔体のアン
ビリカルケーブル装置は、（Ａ）電力線４０以外の制御
信号および初期値信号等を、電力線４０にのせた拡散ス
ペクトラム信号により送受信することにより、（Ｂ）従
来の戦闘機の電子機器室から飛翔体パイロンに配線され
た大量のケーブルを不要とし、（Ｃ）ドロップタンクと
同様の電力線４０の配線だけで賄えるようにしたことを
特徴とする。

【０００８】すなわち、（Ａ）電力以外の制御信号、初
期値信号をシリアル信号に変換し、（Ｂ）このシリアル
信号を、拡散スペクトラム信号にのせる装置と、送られ
てくる拡散スペクトラム信号を復調する装置と、復調し
たシリアル信号の解読装置とを、発射母機側の飛翔体制
御装置および飛翔体に搭載することにより、既存の電力
線のみのアンビリカルケーブルにすることができる。
（Ｃ）そのため、ドロップタンクト同様の電力線４０の
配線だけで賄えるようになる。

【０００９】従って、次のように作用する。拡散スペク
トラム信号は、周囲の各種電子機器および無線機器の発
するノイズに耐え、かつ、周囲への雑音源としての作用
が少ない上、ケーブル本数の極端な減少からくる接触不
良による信頼性の低下を防ぐことが出来る。

【００１０】

【発明の実施の形態】

（第１の実施の形態）本発明の第１の実施の形態に係る
システムの構成図を図１に示す。図１において １０は飛翔体制御装置 １１は制御部 １２はシリアル変換器 １３は拡散スペクトラム信号変換器 １４は復調器 １５は復号器 ２０は飛翔体 ２１は復調器 ２２は復号器 ２３は飛翔体本体 ２４はシリアル変換器 ２５は拡散スペクトラム信号変換器 ３０はアンビリカルケーブル ４０は電力線 である。

【００１１】本発明は、大別すれば、飛翔体制御装置１
０と、飛翔体２０と、アンビリカルケーブル３０と、電
力線４０とからなり、（Ａ）初期値信号、制御信号を発
する制御部１１からの信号をシリアル変換器１２で変換
後、（Ｂ）拡散スペクトラム信号変換器１３で変換し、
（Ｃ）電力線４０にのせ、（Ｄ）復調器２１および復号
器２２により元信号に戻し、（Ｅ）その信号を飛翔体本
体に供給する。（Ｆ）飛翔体からのリプライ信号は、シ
リアル変換器２４、拡散スペクトラム信号変換器２５、
復調器１４、復号器１５の順に符号化、拡散スペクトラ
ム信号化され、制御部１１へ送り返される。

【００１２】これらにより、制御部１１から送られる信
号量、および飛翔体本体２３から送り返される信号量に
対応するだけ必要であった信号線を全て削除可能にな
り、電力線４０のみが配線される。

【００１３】

【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。 （１）母機の飛翔体制御装置および飛翔体内に、所要の
信号変換器を内臓させることにより、既存配線のみのア
ンビリカルケーブルの利用が可能になる。すなわち、電
力線のみの配線で賄うことができる。 （２）従来のものに比べ、接触不良による信頼性低下を
防ぐことができる。 （３）発射母機内の配線改修を省略することができる。 （４）拡散スペクトラム信号を使用するため、外来ノイ
ズに強く、かつ、他の電子機器への妨害も小さくするこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係るシステムの系
統図。

【図２】従来の技術によるシステムの系統図。

【符号の説明】

１０…飛翔体制御装置 １１…制御部 １２…シリアル変換器 １３…拡散スペクトラム １４…復調器 １５…復号器 ２０…飛翔体 ２１…復調器 ２２…復号器 ２３…飛翔体本体 ２４…シリアル変換器 ２５…拡散スペクトラム信号変換器 ３０…アンビリカルケーブル ４０…電力線 ５０…信号線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（Ａ）飛翔体制御装置（１０）と、電力線
   とコネクタにより構成されるアンビリカルケーブル（３
   ０）とからなり、（Ｂ）前記飛翔体制御装置（１０）
   は、制御部（１１）と、シリアル変換器（１２）と、拡
   散スペクトラム信号変換器（１３）と、復調器（１４）
   と、復号器（１５）を具備し、初期値信号と制御信号を
   発する制御部（１１）からの信号を、シリアル変換器
   （１２）で変換後、拡散スペクトラム信号変換器（１
   ３）で変換し、電力線（４０）にのせて、飛翔体（２
   ０）の復調器（２１）に出力し、（Ｃ）飛翔体（２０）
   には、復調器（２１）と、復号器（２２）と、飛翔体本
   体（２３）と、シリアル変換器（２４）と、拡散スペク
   トラム信号変換器（２５）を有し、飛翔体制御装置（１
   ０）からの信号を復調器（２１）および復号器（２２）
   により元信号に戻して飛翔体本体（２３）に供給し、
   （Ｄ）飛翔体から飛翔体制御装置（１０）へのリプライ
   信号は、飛翔体（２０）のシリアル変換器（２４）で変
   換後、拡散スペクトラム信号変換器（２５）で変換し、
   電力線（４０）にのせて、飛翔体制御装置（１０）の復
   調器（１４）に出力し、（Ｅ）飛翔体制御装置（１０）
   は、復調器（１４）、復号器（１５）により符号化し、
   拡散スペクトラム信号化して、制御部（１１）へ送り返
   すことを特徴とする飛翔体のアンビリカルケーブル装
   置。