JPH1061469A - 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 - Google Patents

筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置

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JPH1061469A
JPH1061469A JP8224135A JP22413596A JPH1061469A JP H1061469 A JPH1061469 A JP H1061469A JP 8224135 A JP8224135 A JP 8224135A JP 22413596 A JP22413596 A JP 22413596A JP H1061469 A JPH1061469 A JP H1061469A
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健二郎 幡山
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淳良 小島
Toshiro Nomura
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    • F02B75/12Other methods of operation
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射モードに拘わらずアイドル回転速度
の学習制御を容易且つ適正に実施可能な筒内噴射型火花
点火式内燃エンジンの制御装置を提供する。 【解決手段】 吸気行程噴射モード及び圧縮行程噴射モ
ードのいずれか一側の燃料噴射モードにあってアイドル
運転状態が検出されるとき、運転状態に応じて設定され
た目標吸入空気量と吸気量検出手段からの実吸入空気量
情報との差ΔPに基づき吸気量調整手段の作動位置Pob
jの学習を行う作動位置学習手段(S22)と、一側の燃料噴
射モードのときには、作動位置学習手段の学習結果PL
に基づいて作動位置Pobjを補正する一方、他側の燃料
噴射モードのときには、学習結果PLに基づく補正の度
合を変更(KLK積算)して作動位置Pobjを補正する補
正手段(S32,S34)とを備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射型火花点
火式内燃エンジンの制御装置に係り、詳しくは、圧縮行
程及び吸気行程で燃料噴射可能な筒内噴射型火花点火式
内燃エンジンのアイドル回転速度制御技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両に搭載される火花点火
式内燃エンジンにおいて、有害排出ガス成分の低減や燃
費の向上等を図るため、旧来の吸気管噴射型に代えて燃
焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射型のガソリンエンジ
ンが種々提案されている。筒内噴射型のガソリンエンジ
ンでは、例えば、燃料噴射弁からピストン頂部に設けた
キャビティ内に燃料を噴射することで、点火時点におい
て点火プラグの周囲に理論空燃比に近い空燃比の混合気
を生成させている。これにより、全体に希薄な空燃比で
も着火が可能となり、COやHCの排出量が減少すると
共に、アイドル運転時や低負荷走行時の燃費を大幅に向
上させることができるようにされている。
【0003】また、このようなガソリンエンジンでは、
エンジンの運転状態、つまりエンジン負荷に応じて圧縮
行程噴射モード(後期噴射モード)と吸気行程噴射モー
ド(前期噴射モード)とを切り換えるようにしている。
これにより、低負荷運転時には、圧縮行程中に燃料を噴
射し、点火プラグの周囲やキャビティ内に理論空燃比に
近い空燃比の混合気を形成させることができ、これによ
り、全体として希薄な空燃比でも良好な着火を実現でき
る。一方、中高負荷運転時には、吸気行程中に燃料を噴
射し、燃焼室内に均一な空燃比の混合気を形成させるこ
とができ、これにより、吸気管噴射型のものと同様に、
多量の燃料を燃焼させて加速時や高速走行時に要求され
る出力を確保することが可能とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この筒内噴
射型のガソリンエンジンにおいても、通常の吸気管噴射
型の内燃エンジンと同様にして、アイドル運転時におい
てアイドル回転速度を安定したものに維持すべくアイド
ル回転速度制御を行うようにしている。通常、このアイ
ドル回転速度制御では、主としてアイドルスピードコン
トローラとして機能するエアバイパスバルブ(ABV)
の開度制御、つまりバルブ位置制御を行って吸入空気量
を補正するようにしている。これにより、アイドル回転
速度に変動があった場合でも、アイドル回転速度を常に
安定したものにすることができる。
【0005】ところが、上記のようにエアバイパスバル
ブのバルブ位置の制御を行っても、エアバイパスバルブ
の経時変化等により、バルブ位置制御量に応じた目標と
する吸入空気量(目標吸入空気量)と実際の吸入空気量
(実吸入空気量)とが一致しない場合がある。従って、
上記経時変化等による吸入空気量のずれを防止すること
を目的としてバルブ位置の学習補正制御を行うようにし
ている。
【0006】しかしながら、筒内噴射型のガソリンエン
ジンでは、アイドル運転は、吸気行程噴射モードでもま
た圧縮行程噴射モードでも行われる。通常、吸気行程噴
射モードである場合と圧縮行程噴射モードである場合と
では、アイドル運転時の吸気圧力の違いから吸入空気量
が異なっている。このことから、吸気行程噴射モードで
の学習と圧縮行程噴射モードでの学習を一緒に行おうと
しても、互いの学習値間には差があるため適正な学習を
行うことが困難となっている。
【0007】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、燃料噴射モードに拘
わらずアイドル回転速度の学習制御を容易且つ適正に実
施可能な筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、燃料噴射モードを運転状態に
応じて主として吸気行程において燃料噴射を行う吸気行
程噴射モードと、主として圧縮行程において燃料噴射を
行う圧縮行程噴射モードとに切換え可能な筒内噴射型火
花点火式内燃エンジンの制御装置において、前記内燃エ
ンジンのアイドル運転状態を検出するアイドル状態検出
手段と、燃焼室に供給される吸入空気量を作動位置の調
節により調整する吸気量調整手段と、前記吸気量調整手
段により調整されて前記燃焼室に供給される実吸入空気
量を検出する吸気量検出手段と、前記吸気行程噴射モー
ド及び前記圧縮行程噴射モードのいずれか一側の燃料噴
射モードにあって前記アイドル運転状態が検出されると
き、運転状態に応じて設定された目標吸入空気量と前記
吸気量検出手段からの実吸入空気量情報との差に基づき
前記作動位置の学習を行う作動位置学習手段と、前記一
側の燃料噴射モードのときには、前記作動位置学習手段
の学習結果に基づいて前記作動位置を補正する一方、他
側の燃料噴射モードのときには、前記学習結果に基づく
補正の度合を変更して前記作動位置を補正する補正手段
とを備えたことを特徴としている。
【0009】従って、吸気行程噴射モード及び圧縮行程
噴射モードのいずれか一側の燃料噴射モードにあってア
イドル運転状態が検出されるとき、運転状態に応じて設
定された目標吸入空気量と吸気量検出手段からの実吸入
空気量情報との差に基づいて吸気量調整手段の作動位置
の学習が好適に行われる。そして、一側の燃料噴射モー
ドのときには、作動位置学習手段の学習結果がそのまま
使用されて作動位置が補正される一方、他側の燃料噴射
モードのときには、上記の学習結果による補正の度合が
変更されて用いられるようにして作動位置が補正され
る。即ち、一側の燃料噴射モードにおける作動位置学習
手段による作動位置の学習結果が他側の燃料噴射モード
に好適に反映される。
【0010】また、請求項2の発明では、燃料噴射モー
ドを運転状態に応じて主として吸気行程において燃料噴
射を行う吸気行程噴射モードと、主として圧縮行程にお
いて燃料噴射を行う圧縮行程噴射モードとに切換え可能
な筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置におい
て、前記内燃エンジンのアイドル運転状態を検出するア
イドル状態検出手段と、燃焼室に供給される吸入空気量
を作動位置の調節により調整する吸気量調整手段と、前
記吸気量調整手段により調整されて前記燃焼室に供給さ
れる実吸入空気量を検出する吸気量検出手段と、前記吸
気行程噴射モード及び前記圧縮行程噴射モードのいずれ
か一側の燃料噴射モードにあって前記アイドル運転状態
が検出されるときには、運転状態に応じて設定された目
標吸入空気量と前記吸気量検出手段からの実吸入空気量
情報との差に基づき前記作動位置の学習を行うととも
に、他側の燃料噴射モードにあって前記アイドル運転状
態が検出されるとき、一旦運転状態に応じて設定された
目標吸入空気量と前記吸気量検出手段からの実吸入空気
量情報との差に基づき前記作動位置の学習を行い、この
他側の学習結果を前記一側の学習結果に対応するよう変
更してさらに前記一側の燃料噴射モードにおける前記作
動位置の学習を行う作動位置学習手段と、前記一側の燃
料噴射モードのときには、前記一側の学習結果に基づい
て前記作動位置を補正する一方、前記他側の燃料噴射モ
ードのときには、前記一側の学習結果に基づく補正の度
合を変更して前記作動位置を補正する補正手段とを備え
たことを特徴としている。
【0011】従って、吸気行程噴射モード及び圧縮行程
噴射モードのいずれか一側の燃料噴射モードにあってア
イドル運転状態が検出されるときには、運転状態に応じ
て設定された目標吸入空気量と吸気量検出手段からの実
吸入空気量情報との差に基づいて吸気量調整手段の作動
位置の学習が行われる。一方、他側の燃料噴射モードに
あってアイドル運転状態が検出されるとき、一旦運転状
態に応じて設定された目標吸入空気量と吸気量検出手段
からの実吸入空気量情報との差に基づいて作動位置の学
習が行われ、この他側の学習結果が一側の学習結果に対
応するよう変更され、これにより、一側の燃料噴射モー
ドにおける作動位置の学習がさらに行われる。故に、一
側の学習結果の精度が向上する。
【0012】そして、一側の燃料噴射モードのときに
は、一側の学習結果に基づいて作動位置が補正され、他
側の燃料噴射モードのときには、一側の学習結果による
補正の度合が変更されて用いられるようにして作動位置
が補正される。即ち、一側の燃料噴射モードにおける作
動位置学習手段による作動位置の学習結果が他側の燃料
噴射モードに好適に反映される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態を詳細に説明する。図1は、車両に搭載され
た本発明に係る内燃エンジンの制御装置の一実施形態を
示す概略構成図である。以下、同図に基づき、内燃エン
ジンの制御装置の構成について説明する。
【0014】エンジン1としては、吸気行程での燃料噴
射(前期噴射モード)とともに圧縮行程での燃料噴射
(後期噴射モード)を実施可能であって、且つ希薄空燃
比、即ちリーン空燃比での燃焼が可能な、筒内噴射型直
列4気筒ガソリンエンジンが適用される。この筒内噴射
型のエンジン1では、燃焼室を始め吸気装置や排ガス再
循環(EGR)を行うEGR装置(排ガス再循環装置)
等が筒内噴射専用に設計されており、また、容易にして
リッチ空燃比、理論空燃比(ストイキオ)AFS、リー
ン空燃比での運転が実現可能とされている。
【0015】エンジン1のシリンダヘッド2には、各気
筒毎に点火プラグ3とともに電磁式の燃料噴射弁4も取
り付けられており、燃焼室5内に燃料が直接噴射される
ようにされている。また、シリンダ6に上下摺動自在に
保持されたピストン7の頂面には、圧縮行程後期に燃料
噴射弁4からの燃料噴霧が到達する位置に、半球状の窪
み、即ちキャビティ8が形成されている。また、このエ
ンジン1の圧縮比は、吸気管噴射型のものに比べ高く
(例えば、12程度)設定されている。動弁機構として
はDOHC4弁式が採用されており、シリンダヘッド2
の上部には、吸排気弁9,10をそれぞれ駆動すべく、
吸気側カムシャフト11と排気側カムシャフト12とが
回転自在に支持されている。
【0016】シリンダヘッド2には、両カムシャフト1
1,12の間を抜けるようにして、略直立方向に吸気ポ
ート13が形成されており、この吸気ポート13を通過
した吸気流は燃焼室5内において、通常のタンブル流と
は逆方向の逆タンブル流を発生可能とされている。一
方、排気ポート14については、通常のエンジンと同様
に略水平方向に形成されているが、斜め下方に向け大径
の排ガス再循環ポート、即ちEGRポート15が分岐し
ている。
【0017】図中、符号16は冷却水温Twを検出する
水温センサである。また、符号17は各気筒の所定のク
ランク位置(例えば、5°BTDCおよび75°BTDC)でク
ランク角信号SGTを出力するベーン型のクランク角セン
サであり、このクランク角センサ17はクランク角信号
SGTに基づきエンジン回転速度Neを検出可能とされて
いる。符号19は点火プラグ3に高電圧を出力する点火
コイルである。なお、クランクシャフトの半分の回転数
で回転するカムシャフトには、気筒判別信号SGCを出力
する気筒判別センサ(図示せず)が設けられており、こ
れにより、上記クランク角信号SGTがどの気筒のものか
判別可能とされている。
【0018】吸気ポート13には、サージタンク20を
有する吸気マニホールド21を介して、スロットルボデ
ィ23、吸気量補正手段として機能するステッパモータ
式の#1ABV(第1エアバイパスバルブ)24、エア
フローセンサ32及びエアクリーナ22を備えた吸気管
25が接続されている。吸気管25には、スロットルボ
ディ23を迂回して吸気マニホールド21に吸気を行う
大径のエアバイパスパイプ26が併設されており、その
管路にはリニアソレノイド式で大型の#2ABV(第2
エアバイパスバルブ)27が設けられている。なお、エ
アバイパスパイプ26は、吸気管25に準ずる流路面積
を有しており、#2ABV27の全開時にはエンジン1
の低中速域で要求される量の吸気が可能とされている。
【0019】また、スロットルボディ23には、流路を
開閉するバタフライ式のスロットルバルブ28ととも
に、スロットルバルブ28の開度、即ちスロットル開度
θthを検出するスロットル弁開度センサとしてのスロッ
トルポジションセンサ(以下、TPSという)29と、
スロットルバルブ28の全閉状態を検出してエンジン1
のアイドリング状態を検出するアイドルスイッチ(アイ
ドル状態検出手段)30とが備えられている。なお、実
際には、TPS29からは、スロットル開度θthに応じ
たスロットル電圧Vthが出力され、このスロットル電圧
Vthに基づいてスロットル開度θthが認識される。
【0020】上記エアフローセンサ32は、吸入空気量
Qaを検出するものであって、例えば、カルマン渦式フ
ローセンサが使用される。このエアフローセンサ32
は、#1ABV24や#2ABV27の作動に基づく吸
気量変化をも良好に検出可能とされている。なお、吸入
空気量Qaは、サージタンク20にブースト圧センサを
取付け、このブースト圧センサにより検出される吸気管
圧力から求めるようにしてもよい。
【0021】一方、排気ポート14には、実際の空燃比
(実A/F)を検出可能なO2センサ40が取付けられ
た排気マニホールド41を介して、三元触媒42や図示
しないマフラー等を備えた排気管43が接続されてい
る。また、上述のEGRポート15は、大径のEGRパ
イプ44を介して、吸気マニホールド21の上流に接続
されており、その管路にはステッパモータ式のEGRバ
ルブ45が設けられている。
【0022】燃料タンク50は、車両の図示しない車体
後部に設置されている。燃料タンク50に貯留された燃
料は、電動式の低圧燃料ポンプ51に吸い上げられ、低
圧フィードパイプ52を介してエンジン1側に送給され
る。低圧フィードパイプ52内の燃圧は、リターンパイ
プ53の管路に介装された第1燃圧レギュレータ54に
より、比較的低圧(低燃圧)に調圧される。エンジン1
側に送給された燃料は、シリンダヘッド2に取り付けら
れた高圧燃料ポンプ55により、高圧フィードパイプ5
6とデリバリパイプ57とを介して、各燃料噴射弁4に
送給される。
【0023】高圧燃料ポンプ55は、例えば斜板アキシ
ャルピストン式であり、排気側カムシャフト12または
吸気側カムシャフト11により駆動され、エンジン1の
アイドル運転時においても5MPa〜7MPa以上の吐出
圧を発生可能とされている。そして、デリバリパイプ5
7内の燃圧は、リターンパイプ58の管路に介装された
第2燃圧レギュレータ59により、比較的高圧(高燃
圧)に調圧される。
【0024】図中、符号60は第2燃圧レギュレータ5
9に取付けられた電磁式の燃圧切換弁である。この燃圧
切換弁60は、オン状態で燃料をリリーフし、これによ
りデリバリパイプ57内の燃圧を低燃圧に低下させるこ
とが可能である。また、符号61は高圧燃料ポンプ55
の潤滑や冷却等に利用された一部の燃料を燃料タンク5
0に還流させるリターンパイプである。
【0025】車両の車室内には、入出力装置、制御プロ
グラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(RO
M,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CP
U)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニ
ット)70が設置されており、このECU70によっ
て、エンジン1の総合的な制御が実施される。ECU7
0の入力側には、上述した各種センサ類が接続されてお
り、これら各種センサ類からの検出情報が入力する。E
CU70は、これらの検出情報に基づき、燃料噴射モー
ドを始めとして、燃料噴射量、点火時期、EGRガスの
導入量等を決定し、燃料噴射弁4や点火コイル19、E
GRバルブ45等を駆動制御する。なお、ECU70の
入力側には、説明を省略するが、上記各種センサ類の
他、図示しない多数のスイッチやセンサ類が接続されて
おり、一方、出力側にも図示しない各種警告灯や機器類
等が接続されている。
【0026】次に、上記のように構成されたエンジン1
の制御装置の作用、即ち燃焼制御の概要について説明す
る。エンジン1が冷機状態にあるときには、運転者がイ
グニッションキーをオン操作すると、ECU70は、低
圧燃料ポンプ51と燃圧切換弁60をオンにして、燃料
噴射弁4に低燃圧の燃料を供給する。
【0027】運転者がイグニッションキーをスタート操
作すると、図示しないセルモータによりエンジン1がク
ランキングされ、同時にECU70により燃焼制御が開
始される。この時点では、ECU70は、前期噴射モー
ド(即ち、吸気行程噴射モード)を選択し、比較的リッ
チな空燃比となるように燃料を噴射する。これは、冷機
時には燃料の気化率が低いため、後期噴射モード(即
ち、圧縮行程噴射モード)で噴射を行うと、失火や未燃
燃料(HC)の排出が避けられないことに基づいてい
る。また、ECU70は、このような始動時においては
#2ABV27を閉鎖する。従って、この場合、燃焼室
5への吸気はスロットルバルブ28の隙間や#1ABV
24を介して行われる。なお、#1ABV24と#2A
BV27とは、ECU70により一元管理されており、
スロットルバルブ28を迂回する吸入空気(バイパスエ
ア)の必要導入量に応じてそれぞれの開弁量が決定され
る。
【0028】このようにしてエンジン1の始動が完了
し、エンジン1がアイドル運転を開始すると、高圧燃料
ポンプ55が定格の吐出作動を始めることになり、EC
U70は、燃圧切換弁60をオフにして燃料噴射弁4に
高圧の燃料を供給する。この際、要求される燃料噴射量
は、高圧燃料ポンプ55の吐出圧と燃料噴射弁4の開弁
時間、即ち燃料噴射時間とから得られる。
【0029】そして、冷却水温Twが所定値に上昇する
までは、ECU70は、始動時と同様に前期噴射モード
を選択してリッチ空燃比となるよう燃料を噴射するとと
もに、#2ABV27を継続して閉鎖状態とする。エン
ジン1が暖機状態になると、ECU70は、TPS29
からのスロットル電圧Vthに基づくスロットル開度情報
θthから得た目標平均有効圧Pe、或いはエアフローセ
ンサ32からの吸入空気量Qaに基づき算出される体積
効率Evとエンジン回転速度Neとに基づき、図2に示す
燃料噴射制御マップから燃料噴射モード領域を検索す
る。これにより、燃料噴射モードが設定される。そし
て、この燃料噴射モードに応じて燃料噴射量が決定さ
れ、燃料噴射弁4が駆動制御される。また、同時に#2
ABV27やEGRバルブ45の開閉制御等も行われ
る。
【0030】例えば、アイドル運転時や低速走行時のよ
うにエンジン1が低負荷・低回転域にあるときには、図
2に基づき燃料噴射モードは後期噴射リーンモードとさ
れ、圧縮行程において燃料噴射が実施されるとともに、
目標平均有効圧Peに基づき、リーンな目標空燃比、即
ち目標A/F(例えば、A/F=30〜40程度)とな
るよう燃料噴射量が決定される。同時に点火時期Sa、
EGR量Legrが設定され、これにより良好な燃焼制御
が行われる。
【0031】なお、後期噴射リーンモードでの燃焼につ
いてより詳しく説明すると、この筒内噴射型のエンジン
1では、前述したように、ピストン7の上面にキャビテ
ィ8が形成されている。このことから、吸気ポート13
から流入した吸気流がキャビティ8に沿い上記逆タンブ
ル流を形成するため、燃料噴射弁4から噴射された燃料
と吸入空気との混合気、即ち燃料噴霧は、点火プラグ3
近傍に良好に集約される。その結果、点火時点において
点火プラグ3の周囲には理論空燃比AFSに近い混合気
が常に層状に形成されることになる。従って、この後期
噴射モードにおいては、全体としてリーン空燃比であっ
ても良好な着火性が確保される。
【0032】また、例えば、定速走行時のようにエンジ
ン1が中負荷域にあるときには、図2に基づき燃料噴射
モードは前期噴射リーンモード或いはストイキオフィー
ドバックモードとされる。これら前期噴射リーンモー
ド、ストイキオフィードバックモードでは、燃料噴射は
吸気行程で実施される。前期噴射リーンモードでは、目
標A/Fは、目標平均有効圧Peに代えて、上記体積効
率Evに基づいて、リーンな目標A/F(例えば、A/
F=20〜23程度)となるよう燃料噴射量が決定され
る。同時に体積効率Evに基づいて点火時期Sa、EGR
量Legrが設定され、これにより良好な燃焼制御が行わ
れる。
【0033】一方、ストイキオフィードバックモードで
は、体積効率Evに基づいて点火時期Sa、EGR量Leg
rが設定されることになるが、この場合には、O2センサ
40の出力電圧に応じて空燃比フィードバック制御が行
われることになり、目標A/Fに関しては、理論空燃比
AFSとなるよう制御される。また、例えば、急加速時
や高速走行時のようにエンジン1が高負荷域にあるとき
には、図2に基づき燃料噴射モードはオープンループモ
ードとされ、この場合には、前期噴射モードが選択され
て燃料噴射が吸気行程で行われるとともに、上記同様に
体積効率Evに基づいて比較的リッチな空燃比となるよ
う目標A/Fが設定される。そして、さらに点火時期S
a、EGR量Legrが設定されて、良好な燃焼制御が行わ
れる。
【0034】なお、中高速走行中の惰行運転時等には、
燃料噴射モードは図2中に示すように燃料カットモード
となり、この場合には、燃料噴射は停止される。この燃
料カットは、エンジン回転速度Neが復帰回転速度より
低下した場合や、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ
場合には即座に中止されるものである。ところで、エン
ジン1がアイドル運転状態のときには、アイドル運転の
安定化を図るため、エアコン等の補機類の負荷の増減等
に応じ、吸気管噴射型エンジンの場合と同様にして、ア
イドル回転速度の制御を行う必要がある。このアイドル
回転速度の制御では、通常、アイドル回転速度の変動に
応じて、#1ABV24の開度制御、即ちバルブ位置P
objの制御を行うようにして吸入空気量の補正を行うよ
うにしている。
【0035】しかしながら、上記のように#1ABV2
4のバルブ位置Pobjを制御しても、#1ABV24の
経時変化等により、#1ABV24のバルブ位置制御量
に応じた目標とする吸入空気量(以下、目標吸入空気量
という)と実際の吸入空気量(以下、実吸入空気量とい
う)とが一致しない場合がある。そこで、上記経時変化
等による吸入空気量のずれを防止し、目標吸入空気量が
実吸入空気量と良好に一致するようバルブ位置Pobjの
学習補正制御を行うようにしている。
【0036】ところで、当該筒内噴射型のエンジン1で
は、アイドル運転には、上述したように、前期噴射モー
ドで行われる場合と後期噴射リーンモードで行われる場
合とがある。そして、前期噴射モードである場合と後期
噴射モードである場合とでは、アイドル運転時の吸気圧
力の違いから吸入空気量が異なっている。このように、
アイドル運転時の吸入空気量が異なっていると、前期噴
射モードの場合と後期噴射モードの場合とでバルブ位置
Pobjの学習制御を一緒に行うことは困難である。例え
ば、通常、前期噴射モードである場合よりも後期噴射モ
ードである場合の方が空燃比が大きく、故にアイドル運
転時の必要とする吸入空気量が多いのであるが、このと
き、後期噴射モードで求めた学習値をそのまま前期噴射
モードに適用しようとすると、バルブ位置Pobjの補正
量が大きすぎ、前期噴射モードにおいてアイドル回転速
度が不用意に大きくなり過ぎるのである。逆に、前期噴
射モードで求めた学習値をそのまま後期噴射モードに適
用しようとすると、この場合には、補正量が小さすぎ、
後期噴射モードにおいて殆ど学習の効果が発揮されない
のである。
【0037】このようなことから、本発明の筒内噴射型
火花点火式内燃エンジンの制御装置では、前期噴射モー
ド及び後期噴射モードのいずれか一方の燃料噴射モード
でのバルブ位置Pobjの学習値を基準としてこの基準学
習値のみの学習を行うようにし、他方の燃料噴射モード
のバルブ位置Pobjに関しては、この基準学習値を変換
操作することで補正を行うようにしている。以下、バル
ブ位置Pobjの補正内容について説明する。なお、この
バルブ位置Pobjの学習は長い時間(ロングタイム)を
かけて行われる学習であるため、以下ロングタイム学習
という。
【0038】図3を参照すると、ECU70が実行す
る、本発明に係るバルブ位置Pobjの補正制御を含むア
イドル回転速度制御ルーチンのフローチャートが示され
ており、以下、図3に基づき、アイドル回転速度制御の
制御手順について説明するとともに、#1ABV24の
バルブ位置Pobjのロングタイム学習について説明す
る。
【0039】図3のステップS10では、アイドル条件
が成立し、エンジン1がアイドル運転状態にあるか否か
を判別する。ここでは、アイドルスイッチ30がオン状
態でスロットルバルブ28が全閉状態とされているか否
かを判別する。ステップS10の判別結果が偽(No)
の場合には、何もせずに当該ルーチンを抜ける。一方、
ステップS10の判別結果が真(Yes)の場合には、
エンジン1がアイドル運転状態にあると判定でき、次に
ステップS12に進む。
【0040】ステップS12では、現時点でエンジン回
転速度Neフィードバック(Ne−F/B)中であるか否
かを判別する。Ne−F/B中である状況とは、つま
り、負荷変化がなく、アイドル運転状態を継続している
状態を意味している。ステップS12の判別結果が真で
あって、現在Ne−F/B中であると判定された場合に
は、次にステップS14に進む。
【0041】ステップS14では、上記ロングタイム学
習を行う条件が成立しているか否かを判別する。ロング
タイム学習を行う条件とは、上記ステップS12の判別
結果が真とされてから所定時間(例えば、5sec)経過
していることである。つまり、ステップS14では、ス
テップS12の判別結果が真とされた後、ECU70の
タイマカウンタが所定時間(例えば、5sec)をカウン
トしたか否かを判別する。
【0042】ステップS14の判別結果が偽の場合に
は、当該ルーチンが繰り返し実行され、所定時間(例え
ば、5sec)が経過するのを待つ。一方、ステップS1
4の判別結果が真で、ステップS12の判別結果が真と
判別されてから所定時間(例えば、5sec)が経過した
と判定された場合には、次にステップS16に進む。ス
テップS16では、次のステップS20において値Nと
されるタイマTMの値が0であるか否かを判別する。
【0043】ステップS14の判別結果が真と判定され
た直後にあっては、後述するように、タイマTMの値は
初期値0とされているため、このときには、判別結果は
真であり、次にステップS18に進む。ステップS18
では、タイマTMを値Nとする。この値Nは、所定時間
ta(例えば、1sec)に対応した値である。詳しくは、
当該ルーチンの実行周期Tcと値Nとの積が所定時間ta
(例えば、1sec)となるようにして値Nは設定されて
いる(Tc・N=ta)。
【0044】次のステップS20以降はロングタイム学
習を行うステップである(作動位置学習手段)。以下、
ロングタイム学習の学習手順について説明する。ステッ
プS20では、燃料噴射モードが後期噴射モード、つま
り後期噴射リーンモードであるか否かを判別する。判別
結果が真で、燃料噴射モードが後期噴射リーンモードで
ある場合には、次にステップS22に進む。
【0045】ステップS22では、次式(1)から上記基
準学習値としてのロングタイム学習値PLを算出する。 PL=PL+KA・ΔP …(1) ここに、ΔPは、目標吸入空気量と実吸入空気量との差
に応じた補正値(リアルタイム学習値という)を意味し
ており、具体的には、#1ABV24のバルブ位置制御
量から演算により求めた目標吸入空気量とエアフローセ
ンサ32によって検出される実吸入空気量との差に応じ
て設定される値である。また、KAは、後期噴射リーン
モードであるときのロングタイム学習値更新ゲインであ
って、その値は、例えば、3/256とされる。
【0046】つまり、この場合、ロングタイム学習値P
Lは、前回のロングタイム学習値PLとリアルタイム学習
値ΔPにロングタイム学習値更新ゲインKA(例えば、
3/256)を乗じた値との和として規定されるのであ
る。一方、上記ステップS20の判別結果が偽で、燃料
噴射モードが前期噴射モードと判定された場合には、次
にステップS24に進む。
【0047】ステップS24では、次式(2)から前期噴
射モードでのロングタイム学習値PLKを算出する。 PLK=KLK・(PL+KK・ΔP) …(2) ところで、この式(2)を参照すると、右辺(PL+KK・
ΔP)の項は、上記ロングタイム学習値PLを求めた式
と略同様の式とされている。即ち、この(PL+KK・Δ
P)の項は、前回のロングタイム学習値PLをリアルタ
イム学習値ΔPとロングタイム学習値更新ゲインKK
(例えば、3/256)との積で補正してロングタイム
学習値PLを算出していることに他ならない。つまり、
前期噴射モードにおいても、上記後期噴射リーンモード
の場合と同様にして、先ずロングタイム学習値PLを求
めるようにし、そして、このロングタイム学習値PLに
変換係数(重み)KLKを乗算することで、前期噴射モー
ドでのロングタイム学習値PLKを求めるようにしている
のである。
【0048】なお、ロングタイム学習値更新ゲインKK
については、ここでは上記ロングタイム学習値更新ゲイ
ンKAと同様に、例えば、3/256としているが、必
ずしもこれと一致させる必要はない。また、変換係数K
LKは、後期噴射リーンモードと前期噴射モードとの間の
アイドル運転時における上記吸入空気量の差に基づいて
予め適正に設定されている値である。
【0049】このようにして前期噴射モードでのロング
タイム学習値PLKは算出されるのであるが、次のステッ
プS26において、改めてロングタイム学習値PLを次
式(3)から求める。 PL=PLK/KLK …(3) つまり上記式(3)では、(PL+KK・ΔP)を正規にロ
ングタイム学習値PLとして設定し記憶するのである。
これにより、後期噴射リーンモードのみならず前期噴射
モードにおいても、上記ロングタイム学習値PLが良好
に更新されることになる。
【0050】ここで、図4を参照すると、上述したロン
グタイム学習の学習手順が模式的に示されているが、こ
のように、本発明に係るロングタイム学習では、燃料噴
射モードが前期噴射モードである場合、ロングタイム学
習値PLKを求めてはいるものの、後期噴射リーンモード
の場合と同様にして(破線矢印)、同時に新たなロング
タイム学習値PLを求めるようにしている(実線矢
印)。即ち、このロングタイム学習では、ロングタイム
学習値PLのみをロングタイム学習の基準学習値として
一本化して学習しており、さらには、このロングタイム
学習値PLを後期噴射リーンモードのみならず前期噴射
モードにおいても学習して更新するようにしているので
ある。これにより、ロングタイム学習値PLの精度が向
上することになる。
【0051】当該図3のルーチンが繰り返し実行され、
ステップS14の判別結果が再び真とされた場合には、
次にステップS16を実行することになる。しかしなが
ら、今回は、タイマTMは値0ではなく、故に、ステッ
プS16の判別結果は偽であり、この場合には、次にス
テップS28に進む。ステップS28ではタイマTMを
カウントダウンする(TM=TM−1)。そして、タイ
マTMのカウントダウンが進み、再びタイマTMが値0
となり、ステップS16の判別結果が真とされると、ス
テップS20以降のロングタイム学習を繰り返し実行す
ることになる。つまり、ロングタイム学習は、タイマT
Mが値Nをカウントダウンする毎、即ち所定時間ta
(例えば、1sec)の周期でもって繰り返し実施され
る。
【0052】以上のようにして、ロングタイム学習値P
Lが学習されると、このロングタイム学習値PLに基づい
て#1ABV24のバルブ位置Pobjが適宜補正される
ことになる。以下、#1ABV24のバルブ位置Pobj
の補正制御について説明する。ステップS12の判別結
果が偽で、現在Ne−F/B中でなく、バルブ位置Pobj
の補正が必要であると判定されるような場合には、次の
ステップS30において燃料噴射モードが後期噴射リー
ンモードであるか否かを判別する。
【0053】ステップS30の判別結果が真で、燃料噴
射モードが後期噴射リーンモードと判定された場合に
は、次にステップS32に進み、次式(4)に基づいてバ
ルブ位置Pobjを補正する(補正手段)。 Pobj=PA+PL …(4) ここに、PAは、後期噴射リーンモードにおけるアイド
ル運転時の基準バルブ位置を示している。
【0054】つまり、後期噴射リーンモードでは、ロン
グタイム学習値PLがそのまま使用されることになる。
一方、ステップS30の判別結果が偽で、前期噴射モー
ドと判定された場合には、次にステップS34に進み、
次式(5)に基づいてバルブ位置Pobjを補正する(補正手
段)。
【0055】Pobj=PB+KLK・PL …(5) ここに、PBは、前期噴射モードにおけるアイドル運転
時の基準バルブ位置を示している。この式(5)の右辺KL
K・PLの項は、上記式(3)から明らかなように、前期噴
射モードでのロングタイム学習値PLKに他ならない。し
かしながら、同式に示すように、前期噴射モードにあっ
ては、基準補正値であるロングタイム学習値PLに変換
係数KLKを乗算するようにし、これにより、あくまでも
ロングタイム学習値PLを基準としてバルブ位置Pobjを
適正に補正するようにしているのである。
【0056】このようにして、バルブ位置Pobjが燃料
噴射モード毎に適正に補正されることになり、燃料噴射
モードが前期噴射モードであっても後期噴射リーンモー
ドであっても、#1ABV24の経時変化等に拘わらず
常に目標吸入空気量と実吸入空気量とが良好に一致する
こととなる。従って、上記アイドル回転速度制御、即ち
#1ABV24のバルブ位置制御が良好なものとされ、
燃料噴射モードに拘わらず常に安定したアイドル回転速
度を維持することが可能となる。
【0057】そして、ステップS36では、次回ロング
タイム学習が実施されたときの準備として上記タイマT
Mを初期値0にリセットする。なお、アイドル運転は、
通常エンジン1が暖機完了した後に多用されることか
ら、後期噴射リーンモードで実施されることが多い。従
って、上記実施形態においては、主として後期噴射リー
ンモードでのロングタイム学習値PLを基準学習値と
し、このロングタイム学習値PLを前期噴射モードでの
バルブ位置Pobjの補正に反映するようにした。しかし
ながら、前期噴射モードでのロングタイム学習値PLKを
基準学習値として学習を行い、このロングタイム学習値
PLKを後期噴射リーンモードでのバルブ位置Pobjの補
正に反映するようにしてもやはり良好な結果が得られ
る。
【0058】以上、詳細に説明したように、本発明の筒
内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置では、後期
噴射モード及び前期噴射モードのいずれか一方の燃料噴
射モード(例えば、後期噴射リーンモード)での学習値
(例えば、ロングタイム学習値PL)を基準学習値とし
て一本化してバルブ位置Pobjのロングタイム学習を行
うようにし、当該一方の燃料噴射モード(例えば、後期
噴射リーンモード)において#1ABV24のバルブ位
置Pobjを補正する際には、この基準学習値(例えば、
ロングタイム学習値PL)をそのまま使用し、他方の燃
料噴射モード(例えば、前期噴射モード)において#1
ABV24のバルブ位置Pobjを補正する際には、この
基準学習値(例えば、ロングタイム学習値PL)を変換
係数KLKで適切な値に変換して使用するようにしている
(図3中ステップS34)。
【0059】従って、ロングタイム学習の基準学習値を
一本化しておくことで、実際に学習を行う学習値をばら
つきなく安定したものにしておくことができ、変換とい
う簡単な操作により、燃料噴射モードに拘わらず、#1
ABV24のバルブ位置Pobjを常に適正なものにして
目標吸入空気量と実吸入空気量とを好適に一致させるよ
うにできる。これにより、アイドル回転速度制御が良好
なものとなり、安定したアイドル回転速度を保持するこ
とが可能となる。
【0060】また、本発明の筒内噴射型火花点火式内燃
エンジンの制御装置では、後期噴射モード及び前期噴射
モードのいずれか一方の燃料噴射モード(例えば、後期
噴射リーンモード)での学習値(例えば、ロングタイム
学習値PL)を基準学習値とし、この基準学習値(例え
ば、ロングタイム学習値PL)を他方の燃料噴射モード
(例えば、前期噴射モード)においても学習し更新する
ようにしている(図3中ステップS26)。従って、基
準学習値(例えば、ロングタイム学習値PL)の学習の
機会が増えることになり、基準学習値(例えば、ロング
タイム学習値PL)の精度を向上させることができる。
これにより、#1ABV24のバルブ位置Pobjをさら
に適正なものとしてアイドル回転速度制御を行うことが
でき、より安定したアイドル回転速度を保持することが
可能となる。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置によれ
ば、吸気行程噴射モード及び圧縮行程噴射モードのいず
れか一側の燃料噴射モードにあってアイドル運転状態が
検出されるとき、運転状態に応じて設定された目標吸入
空気量と吸気量検出手段からの実吸入空気量情報との差
に基づいて吸気量調整手段の作動位置の学習を好適に行
うようにできる。
【0062】そして、一側の燃料噴射モードのときに
は、作動位置学習手段の学習結果をそのまま使用するよ
うにして作動位置を補正する一方、他側の燃料噴射モー
ドのときには、上記の学習結果による補正の度合を変更
して用いるようにして作動位置を適正に補正するように
できる。つまり、一側の燃料噴射モードにおける作動位
置学習手段による作動位置の学習結果を基準としてこれ
を他側の燃料噴射モードに好適に反映させるようにでき
る。
【0063】これにより、燃料噴射モードに拘わらず、
学習補正制御を容易にして適正なものにでき、アイドル
運転状態を常に安定したものに維持できる。また、請求
項2の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置に
よれば、吸気行程噴射モード及び圧縮行程噴射モードの
いずれか一側の燃料噴射モードにあってアイドル運転状
態が検出されるときには、運転状態に応じて設定された
目標吸入空気量と吸気量検出手段からの実吸入空気量情
報との差に基づいて吸気量調整手段の作動位置の学習を
好適に行うようにできる。
【0064】一方、他側の燃料噴射モードにあってアイ
ドル運転状態が検出されるときにも、一旦運転状態に応
じて設定された目標吸入空気量と吸気量検出手段からの
実吸入空気量情報との差に基づいて作動位置の学習を行
うが、この他側の学習結果を一側の学習結果に対応する
ように適正に変更することで、一側の燃料噴射モードに
おける作動位置をさらに学習することができる。これに
より、一側の学習結果の精度を向上させることができ
る。
【0065】そして、一側の燃料噴射モードのときに
は、一側の学習結果をそのまま使用するようにして作動
位置を補正する一方、他側の燃料噴射モードのときに
は、一側の学習結果による補正の度合を変更して用いる
ようにして作動位置を適正に補正するようにできる。つ
まり、一側の燃料噴射モードにおける作動位置学習手段
による作動位置の学習結果を基準としてこれを他側の燃
料噴射モードに好適に反映させるようにできる。
【0066】これにより、燃料噴射モードに拘わらず、
学習補正制御を容易にして適正なものにでき、アイドル
運転状態を常に安定したものに維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒内噴射型火花点火式内燃エンジン及びその制
御装置を示す概略構成図である。
【図2】燃料噴射モードの判定マップを示す図である。
【図3】本発明に係るアイドル回転速度制御の制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【図4】図3中のロングタイム学習の学習手順を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 4 燃料噴射弁 24 #1ABV(第1エアバイパスバルブ、吸気量調
整手段) 29 TPS 30 アイドルスイッチ(アイドル状態検出手段) 32 エアフローセンサ(吸気量検出手段) 70 電子制御ユニット(ECU)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 340 F02D 45/00 340H 364 364G (72)発明者 野村 俊郎 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射モードを運転状態に応じて主と
    して吸気行程において燃料噴射を行う吸気行程噴射モー
    ドと、主として圧縮行程において燃料噴射を行う圧縮行
    程噴射モードとに切換え可能な筒内噴射型火花点火式内
    燃エンジンの制御装置において、 前記内燃エンジンのアイドル運転状態を検出するアイド
    ル状態検出手段と、 燃焼室に供給される吸入空気量を作動位置の調節により
    調整する吸気量調整手段と、 前記吸気量調整手段により調整されて前記燃焼室に供給
    される実吸入空気量を検出する吸気量検出手段と、 前記吸気行程噴射モード及び前記圧縮行程噴射モードの
    いずれか一側の燃料噴射モードにあって前記アイドル運
    転状態が検出されるとき、運転状態に応じて設定された
    目標吸入空気量と前記吸気量検出手段からの実吸入空気
    量情報との差に基づき前記作動位置の学習を行う作動位
    置学習手段と、 前記一側の燃料噴射モードのときには、前記作動位置学
    習手段の学習結果に基づいて前記作動位置を補正する一
    方、他側の燃料噴射モードのときには、前記学習結果に
    基づく補正の度合を変更して前記作動位置を補正する補
    正手段と、 を備えたことを特徴とする筒内噴射型火花点火式内燃エ
    ンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料噴射モードを運転状態に応じて主と
    して吸気行程において燃料噴射を行う吸気行程噴射モー
    ドと、主として圧縮行程において燃料噴射を行う圧縮行
    程噴射モードとに切換え可能な筒内噴射型火花点火式内
    燃エンジンの制御装置において、 前記内燃エンジンのアイドル運転状態を検出するアイド
    ル状態検出手段と、 燃焼室に供給される吸入空気量を作動位置の調節により
    調整する吸気量調整手段と、 前記吸気量調整手段により調整されて前記燃焼室に供給
    される実吸入空気量を検出する吸気量検出手段と、 前記吸気行程噴射モード及び前記圧縮行程噴射モードの
    いずれか一側の燃料噴射モードにあって前記アイドル運
    転状態が検出されるときには、運転状態に応じて設定さ
    れた目標吸入空気量と前記吸気量検出手段からの実吸入
    空気量情報との差に基づき前記作動位置の学習を行うと
    ともに、他側の燃料噴射モードにあって前記アイドル運
    転状態が検出されるとき、一旦運転状態に応じて設定さ
    れた目標吸入空気量と前記吸気量検出手段からの実吸入
    空気量情報との差に基づき前記作動位置の学習を行い、
    この他側の学習結果を前記一側の学習結果に対応するよ
    う変更してさらに前記一側の燃料噴射モードにおける前
    記作動位置の学習を行う作動位置学習手段と、 前記一側の燃料噴射モードのときには、前記一側の学習
    結果に基づいて前記作動位置を補正する一方、前記他側
    の燃料噴射モードのときには、前記一側の学習結果に基
    づく補正の度合を変更して前記作動位置を補正する補正
    手段と、 を備えたことを特徴とする筒内噴射型火花点火式内燃エ
    ンジンの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5880440B2 (ja) * 2010-10-28 2016-03-09 日本電気株式会社 携帯端末装置、通知方法およびプログラム

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SG134994A1 (en) * 2002-10-29 2007-09-28 Inventio Ag Lift counterweight
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